JP2006183070A - 薄膜形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定的な薄膜形成を可能として、かつ装置コストを抑えることができる薄膜形成装置を提供する。
【解決手段】 薄膜形成装置は、複数の成膜室21〜24を例えばZnO膜上のAL膜、Ag膜の積層、あるいはAg膜のみの複数回に分けての成膜に利用することができる。仕切り扉33a,33bをともに開いておくとき、フィルム基板10を一回だけ搬送すれば、第1成膜室21と第2成膜室22ではフィルム基板10の表面側に成膜でき、同時に第3成膜室23と第4成膜室24では裏面側に成膜を施すことができる。仕切り扉33a,33bの一方だけを開いておけば、送りロール4から中間ロール18に至る搬送経路と、中間ロール18から巻き取りロール5に至る搬送経路とに切り換えて使用することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放電電極が配置された真空容器内で回転駆動する送りロールから巻き取りロールに向けて搬送される可撓性基板に対して、その表面に複数の電極層を順次に成膜する薄膜形成装置に関し、とくに薄膜太陽電池の製造などのために可撓性基板上に電極層等を形成する場合に用いて好適な薄膜形成装置に関する。
薄膜太陽電池は、一般に非結晶シリコン薄膜などから形成された光電変換層が、厚さ10μmから100μmの高分子材料フィルムを可撓性基板にして構成されるものである。この光電変換層を用いた薄膜太陽電池では、可撓性基板の上に反射率の高いAgやAl層が電極層として容易に形成できて、高いエネルギー変換効率が得られることや、非結晶シリコン薄膜が高い量産性が得られることなどから、今日では薄膜太陽電池は低コストの太陽電池として期待されている。
薄膜太陽電池のさらなる高効率化の技術として、電極層のテクスチャー化、すなわち電極層の表面に高さ0.05〜0.5μm程度の凸凹を形成し、光を太陽電池内部で散乱させることが考案されている。このテクスチャー化の方法については、後述する特許文献1においてAgを約300〜400℃の基板上に凝集させる方法が記載されている。また、特許文献2によれば、Alを約250〜350℃で基板凝集させた凸凹層上に、さらに200℃程度でAg反射膜を形成する方法が記載されていれる。これらの方法は、いずれのものでもテクスチャー化には300℃程度に最適値があり、温度が低すぎても高すぎても太陽電池の特性を低下させることにつながる。
とくに、可撓性基板としてポリイミドのような耐熱性プラスチックフィルムを用いた場合、約300℃の臨界温度以上で急激な熱収縮が発生することから、テクスチャー化電極形成時には臨界温度付近でこれを超えない温度領域に対して、±10℃程度に保持する必要があって、非常に精密な基板温度制御が要求される。可撓性基板上に電極を形成する装置には、つぎに説明するような可撓性基板を複数の成膜室を一直線的に通すものや、キャンロール上で成膜するものなどが知られている。
図5は従来の水平搬送の薄膜形成装置であって、フィルム基板10(可撓性基板)の搬送方向に沿う縦断面を示している。
ここでは、送り室1、第1成膜室21、第2成膜室22、第3成膜室23、および巻き取り室3から真空槽が構成されている。送り室1にはフィルム巻き出しのための送りロール4が、巻き取り室3には巻き取りロール5が、それぞれ水平に設置されていて、さらにガイドロール6が双方の部屋1,3内に水平に設置されている。各成膜室21,22,23には、マグネトロンスパッタリングのために、それぞれフィルム加熱用のヒータ9、カソード7および環状のアノード8が設置されている。また、送りロール4と巻き取りロール5は、それぞれ送りモータ12、巻き取りモータ13で駆動される。なお、この真空槽には真空バルブ45を介してポンプ44が接続され、真空槽内部の圧力を圧力コントローラにより制御している。
カソード7はターゲット材71、バッキングプレート72および電気的には接触していないマグネット73により構成され、直流あるいは高周波の電圧を印加することによりマグネトロンスパッタによる薄膜形成が行われる。フィルム基板10は、その基板面を水平状態に保持して送りロール4から巻き取りロール5へと搬送され、その途中の真空槽の各成膜室21〜23でそれぞれフィルム基板10上に成膜が施される。
特開平08−288529号公報 特開平09−36406号公報
フィルム基板10などの可撓性基板上にAgやAlの電極膜を形成するには、上述した薄膜形成装置によってスパッタリングによる成膜が行われるが、このスパッタリングによる成膜では原理上、ある時間ごとにターゲット材の交換が必要である。また、成膜室では成膜を進めていくと表面に生成物が堆積していく。この膜が成膜中に剥がれて、カソード7などの電極上に落ちると異常放電が起こり、膜質を低下させる原因となる。そのため、この種の薄膜形成装置では、定期的な洗浄あるいは部品交換等のメンテナンス作業が不可欠である。
ところが、このようなメンテナンス作業のためにはカソード7部分を装置外へ引き出す機構と、ヒータ9とともに装置上部を開放する機構が必要となり、そのため薄膜形成装置の価格が上昇するという問題があった。
また、メンテナンスの際は装置の運転を一時的に停止させなければならない。したがって、この薄膜形成装置を停止する時間が長引けば生産性は低下する。同様に、装置の構成機器が故障した場合にも、装置を全停止させなければならない。こうした課題は、同様な薄膜形成装置を複数台設置して、冗長性が確保されれば解決できるものであるが、装置コストが増大するという問題は残る。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、安定的な薄膜形成を可能として、かつ装置コストを抑えることができる薄膜形成装置を提供することを目的とする。
本発明では、上記問題を解決するために、放電電極が配置された真空容器内で回転駆動する送りロールから巻き取りロールに向けて搬送される可撓性基板に対して、その表面に複数の電極層を順次に成膜する薄膜形成装置が提供される。この薄膜形成装置は、前記可撓性基板の厚さ方向の両側にそれぞれ保持された前記放電電極を含む複数の成膜手段と、前記可撓性基板が前記真空容器内で搬送される搬送路を複数に区分するための開閉自在の仕切り手段と、前記可撓性基板を前記仕切り手段により区分された前記真空容器内の各領域において前記可撓性基板の幅方向が鉛直面内に保持された状態で搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、フィルム基板のような可撓性基板に複数の成膜室によりスパッタあるいはCVD等で薄膜を形成する薄膜形成装置において、メンテナンス性および装置安定性を向上できる。この薄膜形成装置を太陽電池用の電極形成に用いることで、異なる成膜条件で多層状に安定した薄膜を形成することができる。これによって生産性良く、かつ変換効率の高いアモルファスシリコン太陽電池を安定して生産することが可能となる。
以下、この発明を太陽電池用の電極形成に用いた実施の形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、太陽電池の可撓性基板としては、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルボン、ポリエーテルサルボン、ポリフェキレンサルファド、バラ系アラミド、ポリエーテルケント、あるいはふっ素樹脂などの高分子プラスチックフィルムのフィルム基板10が用いられる。
電極形成のための成膜法としては、スパッタリング、真空蒸着、プラズマCVD、MOCVDなどを実施することができる。この発明装置では、後述するように送りロール4から巻き取りロール5までの距離を長くとれるので、複数の成膜室を連結することも容易であり、異なる種類の成膜法により多層膜を形成することも可能である。
成膜室内を真空にするには、クライオポンプあるいはターボ分子ポンプなどの真空ポンプ44を用いている。また、可撓性基板の加熱手段としては、抵抗加熱あるいはランプ加熱を用いる。抵抗加熱の場合には、シース型ヒータをアルミニウム中に鋳込んだアルミニウム鋳込ヒータなどを用いることができる。
図1は、実施の形態に係る薄膜形成装置を示す平面断面図である。図1の装置は、真空容器内に送り室1、第1,第2成膜室21,22、中間ロール室17、第3,第4成膜室23,24、および巻き取り室3が構成されている。送り室1にはフィルム基板10の巻き出しのための送りロール4、巻き取り室3にはフィルム基板10の巻き取りのための巻き取りロール5がそれぞれ設置され、送りロール4は送りモータ12により、また巻き取りロール5は巻き取りモータ13によって回転駆動される。
送り室1には、さらに駆動モータ15で駆動する駆動ロール14と、この駆動ロール14に接触するバイトンゴム製の保持ロール16が設置されている。中間ロール室17には、中間モータ19で駆動する巻き出し機構、および巻き取り機構を備えた中間ロール18と、中間駆動モータ31で駆動する中間駆動ロール30と、この中間駆動ロール30に接触するバイトンゴム製の中間保持ロール32とが設置されている。また、中間ロール室17と第2成膜室22、および第3成膜室23の間には、それぞれフィルム基板10が搬送される搬送路を真空容器内で複数に区分するために、ヒンジ開閉式の仕切り扉33a,33bからなる仕切り機構が設置されている。
この仕切り機構は、第2成膜室22と中間ロール室17を仕切る第1の仕切り扉33aと、中間ロール室17と第3成膜室23を仕切る第2の仕切り扉33bとから構成されていて、後述するように薄膜形成装置に設定される所定の経路パターンに従って自在に開閉するものである。なお、これらは図1に示すようなヒンジ開閉式のものでなくても、たとえばゲートバルブ式としてもよい。
ガイドロール6は、その軸方向が鉛直となるように中間ロール室17の外側と、巻き取り室3の巻き取りロール5の近傍にそれぞれ配置されており、駆動ロール14、保持ロール16などとともに、幅方向が鉛直面内に保持された状態でフィルム基板10を搬送するための搬送手段を構成している。また、カソード7およびヒータ9は、各成膜室21〜24の真空容器とOリングにより真空封じをした各開閉扉41の内側に設置されている。そして、これらの開閉扉41は回転ヒンジ42を介して各成膜室21〜24を構成する真空容器の壁面所定位置に、フィルム基板10の搬送路を挟んでそれぞれ固定されている。したがって、バッキングプレート72上のターゲット材71や、防着板交換等のメンテナンスをする際には、図1の鎖線に示すように開閉扉41を回転ヒンジ42の軸回りに開扉するだけで、重量物であるカソード7、ヒータ9全体が比較的容易な操作力で引き出せるように構成されている。
なお、カソード7は各成膜室21〜24毎にあって、そのうち第1成膜室21、第2成膜室22ではフィルム基板10の表面に対向する側に設けられ、第3成膜室23、第4成膜室24では裏面に対向する側に設けられている。また、第1成膜室21、第2成膜室22と第3成膜室23、第4成膜室24には、フィルム基板10の搬送路を挟む位置にヒータ9がそれぞれ1つ設けられている。
フィルム基板10は、送りロール4から駆動ロール14を介して第1成膜室21、第2成膜室22に搬送され、第2成膜室22および中間ロール室17との間に設置された複数のガイドロール6を介して第3成膜室23、第4成膜室24に搬送され、巻き取りロール5に搬送される。搬送時のフィルム基板10の張力制御は、巻き取りロール5から駆動ロール14までの張力は巻き取りモータ13のトルク制御によって行われる。また、搬送速度の制御は駆動ロール14を駆動する駆動モータ15の回転速度で制御される。そのとき、フィルム基板10は駆動ロール14と弾力性および耐熱性のある保持ロール16とによって挟んで保持され、巻き取りロール5へと送り出される。
一方、フィルム基板10の加熱のために、各成膜室21,22,23,24にはフィルム基板10を挟んでカソード7と対向する位置にヒータ9が設置されている。このヒータ9にはアルミ鋳込みヒータが用いられており、そこに埋め込まれた熱電対により検知した温度信号が図示しないヒータ制御部にフィードバックされて、その温度コントロールが実施される。
各成膜室21,22,23,24にはカソード7、ヒータ9の他にも、マグネトロンスパッタリングを行うためにカソード7の直流電源43や、図示しないリング状のアノードなどが必要である。また、カソード7はターゲット材71、バッキングプレート72、およびバッキングプレート72と電気的には接触していないマグネット73により構成されている。こうして第1成膜室21、第2成膜室22には、フィルム基板10の表面側に成膜されるようにカソード7がフィルム基板10の搬送路に配置されており、第3成膜室23、第4成膜室24には、フィルム基板10の裏面に成膜されるようにカソード7が配置されている。なお、中間ロール室17には真空バルブ45を介して真空ポンプ44が接続される。
つぎに、このように構成された薄膜形成装置で実施可能な3種類の成膜動作について説明する。
この薄膜形成装置では、送りロール4にフィルム基板10をセットし、ポンプ44により装置内部圧力を10-2Pa以下まで排気し、アルミニウム鋳込みヒータ9をあらかじめ250〜350℃に加熱する。この際、2つの仕切り扉33a,33bはともに開いた状態にしておく。つぎに、不活性ガスとしてArガスを導入し、装置内部の圧力を圧力コントローラにより0.1〜10Paに制御する。そしてフィルム基板10を0.1〜2m/sの速度で搬送し、各ヒータ9で基板温度を制御しながらカソード7に直流電圧を印加してAg電極層を成膜する。
この装置では、複数の成膜室21〜24を例えばAg膜上のAL膜、ZnO膜の積層、あるいはAg膜のみを複数回に分けての成膜に利用することができる。しかも、図1に示す状態でフィルム基板10を一回だけ搬送すれば、第1成膜室21と第2成膜室22ではフィルム基板10の表面側に成膜でき、同時に第3成膜室23と第4成膜室24では裏面側に成膜を施すことができる。
つぎに、上述した仕切り機構33の開閉によって選択される経路パターンについて説明する。
図2、図3は、それぞれ図1の薄膜形成装置の一部分を示す平面断面図である。
図2では、第1の仕切り扉33aが開き、第2の仕切り扉33bが閉じられている。フィルム基板10は送りロール4から第1成膜室21と第2成膜室22を通り、中間ロール室17に配置された中間ロール18に向かって搬送される。中間ロール18は中間モータ19によって駆動されているが、このときの張力制御では、中間ロール18から駆動ロール14までの張力が中間モータ19のトルク制御によって制御される。これにより、第1,第2成膜室21,22では表面側の成膜を行いながら、第3,第4成膜室23,24では真空容器内を大気に開放することができる。したがって、装置の運転を一時的に停止させなくても、定期的な洗浄あるいはターゲット交換など、成膜室内のメンテナンスが可能となる。
同様に、図3では第1の仕切り扉33aを閉じて、第2の仕切り扉33bが開いている状態を示している。
フィルム基板10は中間ロール18から、中間駆動ロール30を介して第3成膜室23と第4成膜室24に搬送され、さらに巻き取りロール5に巻き取られる。この場合には、搬送時のフィルム基板10の張力制御が、巻き取りロール5から中間駆動ロール30までの張力が巻き取りモータ5のトルク制御によって制御されることになる。また、搬送速度の制御は、中間駆動ロール30を駆動する中間駆動モータ31の回転速度を制御すればよい。こうしてフィルム基板10は中間駆動ロール30と弾力性および耐熱性のある中間保持ロール32とによって挟んで保持され、巻き取りロール5へと送り出される。これにより、第3,第4成膜室23,24ではフィルム基板10の裏面側の成膜を行いながら、第1,第2成膜室21,22では真空容器内を大気に開放することができ、ターゲット交換や成膜室内のメンテナンスが可能となる。
なお、図1に示す薄膜形成装置では、駆動ロール14と、その駆動モータ15および保持ロール16を送り室1に設置しているが、これらを巻き取り室3に設ける構成であってもよい。そのような構成であれば、中間ロール室17に配置された中間駆動ロール30と、その中間駆動モータ31および中間保持ロール32の動作についても、図2、図3に示す状態とは異なってくる。このとき、中間駆動ロール30を駆動する中間駆動モータ31の回転速度によって、送りロール4から中間ロール18へ搬送されるフィルム基板10の搬送速度を制御しなければならないためである。
また、送り室1と巻き取り室3の双方に駆動ロール14と、その駆動モータ15および保持ロール16を設けることもできる。この場合は、中間ロール室17に中間駆動ロール30などを設けなくてもよい。
このように、真空容器内でフィルム基板10の搬送路に沿って配置された複数の成膜手段に対して、送り機構と巻き取り機構とを兼ね備えた中間ロール18を設置するとともに、2つの仕切り扉33a,33bによって、中間ロール18と送りロール4の間、および中間ロール18と巻き取りロール5との間をそれぞれ仕切って、搬送路を複数に区分するように構成したので、1台の装置内でフィルム基板10の搬送経路を3つの経路パターンに変更して使用することができる。すなわち、仕切り扉33a,33bをともに開いておけば、送りロール4から巻き取りロール5に至る搬送経路となり、仕切り扉33a,33bの一方だけを開いておくことで、送りロール4から中間ロール18に至る搬送経路と、中間ロール18から巻き取りロール5に至る搬送経路とに切り換えて1つの薄膜形成装置を効率よく使用することができる。
すなわち、フィルム基板10がその両面に配置された放電電極部を通る経路パターンを選択したときは、その両面に同時成膜ができる。また、第1の仕切り扉33a、または第2の仕切り扉33bのいずれか一方のみを開いて、送りロール4から中間ロール18まで、あるいは中間ロール18から巻き取りロール5までの経路パターンを選択することもでき、その場合にはフィルム基板10のそれぞれ片面のみでの成膜が可能となる。したがって、メンテナンスや故障箇所に応じて、前述の経路パターンのいずれかを選択することによって、装置の停止時間を最小限に抑えることが可能となる。
つぎに、この発明の薄膜形成装置の変形例について説明する。
図4に示す薄膜形成装置は、中間ロール室17の機能を中間送り室34と中間巻き取り室37とに分割したものである。図1の装置と対応する部分には同一の符号を付けて、それらの説明を省略する。
このうち中間送り室34には送り室1と同様に、フィルム基板10の送り出しのための中間送りロール35と、この中間送りロール35を駆動する中間送りモータ36と、中間駆動モータ31で駆動する中間駆動ロール30と、この中間駆動ロール30に接触して中間保持ロール32が設置されている。また、中間巻き取り室37には巻き取り室3と同様に、フィルム基板10の巻き取りのための中間巻き取りロール38と、この中間巻き取りロール38を駆動する中間巻き取りモータ39とが設置されている。
中間送り室34と中間巻き取り室37の間には第3の仕切り扉33cが設置されていて、この第3の仕切り扉33cを閉じることにより、あたかも薄膜形成装置が2台独立して運転可能な状態になる。このとき、ポンプ44と複数の真空バルブ45からなる真空排気系は共通に設けられているが、真空バルブ45のそれぞれを開閉制御することによって、真空容器内の成膜室21,22の圧力と成膜室23,24の圧力とを独自にコントロールできる。
このように、図4に示す薄膜形成装置では搬送経路の中間に中間巻き取りロール38と中間送りロール35を設置して、中間送りロール35と中間巻き取りロール38との間で搬送経路を第1の搬送路と第2の搬送路とに分割し、第1の搬送路と第2の搬送路を区分するように第3の仕切り扉33cを設けている。したがって、図1の装置と同様に、1台の装置内でフィルム基板10の搬送経路を3つの経路パターンに変更して使用することができる。すなわち、第3の仕切り扉33cを開いておけば、第1の搬送路と第2の搬送路を跨ぐように、送りロール4から巻き取りロール5に至る搬送経路となり、第3の仕切り扉33cを閉じておくことで、送りロール4から中間巻き取りロール38に至る第1の搬送路だけの経路と、中間送りロール35から巻き取りロール5に至る第2の搬送路だけの経路とが独立して使用可能になる。
これにより、フィルム基板10がその両面に配置された放電電極部を通る経路パターンでは、その両面に同時成膜ができる。また、第3の仕切り扉33cによって第1の搬送路と第2の搬送路に区分した搬送パターンでは、フィルム基板10のそれぞれ片面のみでの成膜が可能となる。したがって、2つのフィルム基板10を各々搬送したときにはそれぞれで片面成膜が施され、この薄膜形成装置を真空排気系およびガス導入系以外について冗長化することが可能になる。
以上、この発明の薄膜形成装置では、真空容器内に設置された回転駆動する送りロール4から巻き取りロール5に向けて張力を加えながら搬送されるフィルム基板10を所定の温度に保持し、複数の放電電極により基板両面に同時に成膜するようにしている。しかも、フィルム基板10は幅方向が鉛直面内に保持された状態で搬送され、スパッタリングなどによりフィルム基板10以外の場所に堆積した生成物(フレーク)などが剥がれた際でも、フィルム基板10上やカソード7などの放電電極上に落ちることがなくなるから、膜質低下や異常放電等が起こりにくくなる。
また、複数の放電電極や加熱用のヒータ9を各搬送路に面した開閉扉41に固定して備えるようにしたので、開閉扉41を真空容器の各成膜室21〜24毎に固定された回転ヒンジ42を介して手動で回転させるだけで、重量物であるカソード7部分を容易に外部へ取り出すことができる。したがって、自動によるメンテナンス機構のような大掛かりなものが不要になるから、さらなる装置コストの低減とともにメンテナンス作業の効率性も向上する。
さらに、複数の成膜室21〜24にそれぞれ設けられる放電電極が、搬送されるフィルム基板10の厚さ方向に対して互いに異なる面に成膜を施す位置に配置されていることによって、一回の搬送でフィルム基板10の両面に同時に成膜を施すことができ、薄膜形成の生産性が向上する。
この発明の実施の形態に係る薄膜形成装置を示す平面断面図である。 図1の薄膜形成装置の一部分を示す平面断面図である。 図1の薄膜形成装置の一部分を示す平面断面図である。 この発明の薄膜形成装置の変形例を示す平面断面図である。 従来の薄膜形成装置の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 送り室
3 巻き取り室
4 送りロール
5 巻き取りロール
6 ガイドロール
7 カソード
8 アノード
9 ヒータ
10 フィルム基板
12 送りモータ
13 巻き取りモータ
14 駆動ロール
15 駆動モータ
16 保持ロール
17 中間ロール室
18 中間ロール
19 中間モータ
21 第1成膜室
22 第2成膜室
23 第3成膜室
24 第4成膜室
30 中間駆動ロール
31 中間駆動モータ
32 中間保持ロール
33a 第1の仕切り扉
33b 第2の仕切り扉
33c 第3の仕切り扉
34 中間送り室
35 中間送りロール
36 中間送りモータ
37 中間巻き取り室
38 中間巻き取りロール
39 中間巻き取りモータ
41 開閉扉
42 回転ヒンジ
43 直流電源
44 ポンプ
45 真空バルブ
71 ターゲット材
72 バッキングプレート
73 マグネット

Claims (6)

  1. 放電電極が配置された真空容器内で回転駆動する送りロールから巻き取りロールに向けて搬送される可撓性基板に対して、その表面に複数の電極層を順次に成膜する薄膜形成装置において、
    前記可撓性基板の厚さ方向の両側にそれぞれ保持された前記放電電極を含む複数の成膜手段と、
    前記可撓性基板が前記真空容器内で搬送される搬送路を複数に区分するための開閉自在の仕切り手段と、
    前記可撓性基板を前記仕切り手段により区分された前記真空容器内の各領域において前記可撓性基板の幅方向が鉛直面内に保持された状態で搬送する搬送手段と、
    を備えたことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記搬送手段は、前記送りロールから送り出される前記可撓性基板を巻き取り、かつ前記巻き取りロールに送り出す中間ロールを備え、
    前記送りロールから前記中間ロールまでの間の搬送路を区分する第1の仕切り扉と、前記中間ロールから前記巻き取りロールまでの間の搬送路を区分する第2の仕切り扉とによって前記仕切り手段が構成されることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  3. 前記搬送手段は、前記送りロールから第1の搬送路に送り出された前記可撓性基板を巻き取る中間巻き取りロールと、前記巻き取りロールに巻き取られる前記可撓性基板を第2の搬送路に送り出す中間送りロールを備え、
    前記第1の搬送路と前記第2の搬送路とを連結する第3の搬送路を区分する第3の仕切り扉によって前記仕切り手段が構成されることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  4. 前記搬送手段は、前記可撓性基板の張力を制御する張力制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  5. 前記成膜手段は、前記仕切り手段によって区分された各搬送路に沿って、それぞれ前記可撓性基板の互いに異なる面に成膜を施すように設けていることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  6. 前記成膜手段は、前記各搬送路に面して前記真空容器に設けられた開閉扉に固定していることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
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