JP2006182984A - 粘着ロールテープ側面の非粘着化方法 - Google Patents

粘着ロールテープ側面の非粘着化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 容易にロールテープ側面の「べたつき」を防止することができ、また、使用時にも「べたつき」防止機能が維持されうる、粘着ロールテープ側面の非粘着化方法を提供する。
【解決手段】 剥離処理された基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に形成された、0.1〜50μmの厚みをもった粘着ロールテープの側面を非粘着化させるための薄膜とを含む転写フィルムを、前記薄膜を具備した面が粘着ロールテープの側面に接するようにして前記粘着ロールテープの側面に適用し、そして前記薄膜を前記粘着ロールテープの側面に転写させることを含む、粘着ロールテープの側面の非粘着化方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粘着ロールテープ側面の非粘着化方法に関する。本発明は、より詳細には、粘着ロールテープ側面に非粘着化処理フィルムを適用する非粘着化方法に関する。
基材上に粘着剤を塗布してなる粘着ロールテープにおいて、用いられた粘着剤の種類によっては、粘着剤がテープの側面にはみ出すことによって、ロールテープ側面の「べたつき」が生じることがある。ロールテープの側面に「べたつき」がある場合、テープの製造、梱包、輸送、使用および保管に際し不便である。具体的には、以下のような問題点がある。
(1)ロールテープの側面に「べたつき」があるため、パッケージ袋などで個別包装される場合に、その包装しているパッケージ袋にロールテープ側面が貼りつきこのパッケージ袋から、ロールテープを取り出すのが容易でなない。
(2)ロールテープの側面を下にして、机の上などに放置した場合、ロールテープが机に付着したりして不便である。
(3)ロールテープをポケットに入れて持ち歩いたりした場合、衣服に付着するなどして使用するのに不便である。
(4)ロールテープの側面に空気中の塵や、保管場所周辺の塵、汚れなどが付着し易いため、ロールテープを清潔に保つことができない。そのために特に清潔に保っておきたい医療用テープ(サージカルテープ)などの用途においては忌み嫌われることが多い。
粘着ロールテープの使用前までの上記のような問題を緩和するため、離型紙(セパレータとして用いる方法)をロールテープの側面に貼りあわせる方法がある。この方法では包装時には塵などの付着を防ぐことは出来るが、使用に際してこの離型紙をロールテープ側面よりはずしてしまう。このため、使用開始後においてはロールテープの側面に「べたつき」がある状態となる。
また、粘着ロールテープ側面の形状にあったドーナッツ状の離型紙をロールテープの側面に貼り付け、その状態で使用することも考えられている。しかし、ロールテープの側面形状にあわせたドーナッツ状の離型紙を事前に整形し用意しておく必要があるためロールテープ側面の形状が変わるたびに、それにあわせてドーナッツ状の離型紙の形状を整形する必要があり当該事業者にとって負担が大きい。さらに、ロールテープの使用に伴って、ロールの巻き径が小さくなるにつれて、少なくとも当初の巻き径サイズの離型紙がロールテープの側面において存在するので、離型紙が邪魔になってロールテープの巻き出しがしにくくなるという問題もある。
同様に、ロールテープの側面を保護するために、ロールテープをディスペンサーにセットすることも考えられるが、ロールテープ側面の「べたつき」が大きい場合、ディスペンサー内壁にロールテープが貼りついてしまい、使用時にテープの巻き出しが不便である。
このような従来の問題に基づいて、粘着テープの側面に非粘着処理剤を適用する技術も存在する。
例えば、特許文献1(特開平05−302069号公報)、特許文献2(特開平07−34045号公報)には、粘着ロールテープの製造過程において、原料粘着テープを粘着ロールテープ製品幅にスリットする時に、スリット刃に離型剤がエマルジョン化された処理液を供給してスリットし、ロールテープの側面にエマルジョンの薄膜もしくは離型剤粒子を付着させてロールテープ側面の「べたつき」を抑える方法が示されている。このよう方法では、処理剤が液体であるから、切断時に生じたロールテープ側面の微小な空隙などを通り道として、処理剤がテープロールの側面から内側にまで浸透することがある。そしてその結果として、粘着ロールテープの粘着面を汚染してテープ縁がめくれ上がりやすくなってしまうことがある。このことは、テープの支持基材が不織布などの液体が染み込みやすい材料である場合に顕著である。また、スリット後、経時的に粘着剤の染み出しが生じた場合に効果が薄れてしまうといったデメリットがあった。
また例えば、特許文献3(特開昭53−118440号公報)、特許文献4(特開平05−65461号公報)、特許文献5(特開平08−193184号公報)、特許文献6(特開2002−371249号公報)には、粘着ロールテープ側面へ処理液をコーティングすることが示されている。この場合には、コーティング装置が必要となりコスト高となるばかりか、場合によってはコーティング処理液が支持基材内側にまで染み込んだり、切断時に生じたロールテープ側面の微小な空隙などを通り道としてコーティング処理液がロールテープのエッジのみならず内側まで浸透してしまい、使用時にテープエッジがめくれ上がりやすくなったりする。また、巻き出し時に巻き出し力に異常を生じる恐れもある。さらに、処理剤がエマルジョン型処理剤もしくは溶液系処理剤である場合はコーティング後の乾燥工程にて乾燥固化させる必要がある。乾燥装置が必要となるためコスト高になるばかりか、ロールテープに熱をかけて処理液の乾燥固化を促すため、ロールテープの粘着剤が乾燥時に柔らかくなりさらに粘着剤の染み出しを助長する。さらに、加熱による粘着剤の熱劣化を促進させてしまう問題点もある。また処理剤が紫外線硬化型の場合はコーティング後に紫外線照射をして硬化させる必要があり、紫外線照射装置が必要となるためコスト高になるばかりか、ロールテープに直接紫外線を照射してしまうためロールテープの紫外線劣化を促す。紫外線硬化型の粘着剤を用いた場合、粘着剤のさらなる硬化を促しうる、といった問題点がある。
また例えば、特許文献7(特開昭58−38776号公報)に示されているように、非粘着微粉末をロールテープの側面にまぶし、側面の「べたつき」を抑止することも知られているが、微粉末をロールテープの側面にまぶすための静電コーターなどの設備が必要になるためコスト高になる。また、経時的に粘着剤の染み出しが生じた場合に効果が薄れてしまう問題点もある。また特に例えば医療用サージカルテープなどの用途にロールテープが供される場合、傷口の近傍でロールテープが使用されることも想定され、側面に隣りかけられた微粉末が傷口を汚染する恐れがあり好ましくない。
他には、テープはスコアスリットによってスリットする際に、ひだ形状の刃を有するスリット刃を使用してスリットし、ロールテープ側面をジグザグ状にすることによってロールテープ側面の「べたつき」を低減させることが知られている。しかし、完全に側面の「べたつき」を抑えることができないばかりか、特殊なスリット刃を使用しなければならないため、製造準備に時間がより多くとられたりするなどしてコスト高になるなどの問題点がある。
一方、ロールテープ側面の「べたつき」を解消する目的ではないが、特許文献8(特開平10−158594号公報)および特許文献9(特開平10−157021号公報)には、フィルム基材表面にシリコーンに対して剥離性を示す第1コート層と、シリコーン第2コート層と、シリコーンに対して粘着性を示す粘着剤からなる第3コート層とを順次積層してなることを特徴とするシリコーン転写フィルムを開示している。このフィルムは、プラスティック成形体などの成形体の表面にシリコーン層を転写することで該成形体を保護するためのものである。したがって、成形体表面上においてシリコーン層自体が保護膜としての強度を示さなければならないと考えられ、以下に示す本発明とは全く異なる技術的特性が求められるものとなっている。
特開平05−302069号公報 特開平07−34045号公報 特開昭53−118440号公報 特開平05−65461号公報 特開平08−193184号公報 特開2002−371249号公報 特開昭58−38776号公報 特開平10−158594号公報 特開平10−157021号公報
本発明の目的は、新たな設備投資も必要なく、しかも作業性も簡便で、容易にロールテープ側面の「べたつき」を防止することができ、また、使用時にも「べたつき」防止機能が維持されうる、粘着ロールテープ側面の非粘着化方法を提供することである。
本発明の1つの態様によると、剥離処理された基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に形成された、0.1〜50μmの厚みをもった粘着ロールテープの側面を非粘着化させるための薄膜とを含む転写フィルムを、前記薄膜を具備した面が粘着ロールテープの側面に接するようにして前記粘着ロールテープの側面に適用し、そして前記薄膜を前記粘着ロールテープの側面に転写させることを含む、粘着ロールテープの側面の非粘着化方法が提供される。
本発明の粘着ロールテープ側面の非粘着化方法では、粘着ロールテープの側面を非粘着化させるための薄膜を固体膜として転写するものであるから、新たな設備投資も必要なく、しかも作業性も簡便で、容易にロールテープ側面の「べたつき」を防止することができる。また、従来の液体の剥離処理剤塗布による方法と異なり、乾燥工程を要せず、処理剤の浸透によるテープエッジのめくれ上がりを生じない。
薄膜が転写された後には、側面に薄膜が付着した状態でそのままロールテープを巻きだすことができ、使用時にも「べたつき」防止機能が維持されうる。
本発明の方法
本発明の粘着ロールテープの非粘着化方法を図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の方法で用いる転写フィルム(「非粘着処理用転写フィルム」、「非粘着処理用フィルム」又は「フィルム」とも言う)の第一の態様の断面図が示されている。転写フィルム10は、基材フィルム1と、その上に剥離可能に形成された、粘着ロールテープの側面を非粘着化するための薄膜2とを具備する。図2には本発明の方法の工程図が示されている。図2において、まず、転写フィルム10と粘着ロールテープ20とを用意する(工程(a))。次に、転写フィルム10の薄膜2に接するようにして粘着ロールテープ20の側面を配置する(工程(b))。粘着ロールテープ20の側面は粘着剤により粘着性を有し、一方、薄膜2は基材フィルム1から剥離可能である。このため、転写フィルム10上に配置された粘着ロールテープ20を引き離すと、薄膜2は粘着テープロール20の側面に転写され、粘着ロールテープ20の側面を非粘着化させる(工程(c))。また、薄膜2は厚みが0.1〜50μmであり、引き裂き強度は低いので、粘着ロールテープの側面に付着した状態で粘着ロールテープを用いたとしても、ロールの巻き出し時に顕著な負荷力が生じることがない。
図3には、本発明の方法で用いる転写フィルムの第二の態様の断面図が示されている。この転写フィルム10の基材フィルム1はその両面が軽剥離処理されており、その両面に薄膜2が形成されている。このような転写フィルム10は転写フィルムの両側に粘着ロールテープ20の側面が配置されて積層された状態でパッケージを行なう場合のセパレータとして便利に用いることができる。
図4には、転写フィルムの第三の態様が示されている。この態様においては、転写フィルム10は、基材フィルム1と、その上に剥離可能に形成された、粘着ロールテープの側面を非粘着化するための薄膜2と、さらに、その上に付着性向上膜3とを具備する。粘着ロールテープの側面は粘着性を有するものであり、通常は、付着性向上膜3がなくても薄膜2を転写フィルム10から粘着ロールテープの側面に転写することが可能である。しかし、転写性をさらに上げるために付着性向上膜3を具備することもできる。
図5には、転写フィルムをパッケージ袋として用いる場合の本発明の方法についての工程図が示されている。転写フィルム10の薄膜2の上に粘着ロールテープ20の側面を配置する(工程(a))。次に、転写フィルム10で粘着ロールテープ20を包囲する(工程(b))。さらに、転写フィルム10を熱溶着もしくは超音波溶着することで粘着ロールテープ20をパッケージ化する(工程(c))。
図6には、転写フィルムをセパレータとして複数の粘着ロールテープをパッケージする場合の本発明の方法について工程図が示されている。転写フィルム10の薄膜2上に粘着ロールテープ20の側面を配置し(工程(a))、次いで、両面に薄膜2を有する転写フィルム10を粘着ロールテープ20の反対側面に配置し(工程(b))、さらに、粘着ロールテープ20を積み上げる(工程(c))。このようにして、積層状態の複数の粘着ロールテープ20を形成することができる。
基材フィルム
本発明の粘着ロールテープの側面の非粘着化方法に使用する転写フィルムは、上述のとおり、側面に粘着性がある粘着ロールテープの側面を非粘着化するための薄膜(非粘着化膜)と、この膜を固体膜の形態として支持するための基材フィルムとを含む。非粘着処理用転写フィルムで用いられる基材フィルムは、薄膜を粘着ロールテープ側面に転写することができるように薄膜が形成される面に剥離性が与えられている。このような基材フィルムとして、少なくともその片面にシリコーンなどの剥離剤で軽剥離処理がなされた、離型フィルムを用いることができる。剥離処理剤は公知のものであってよく、特に限定されない。
本発明の方法では、転写フィルムは薄膜が具備されている面を内側として粘着ロールテープの製品を包装するためのパッケージ袋として用いることもできる。パッケージ袋として用いる場合には、基材フィルムは熱融着もしくは超音波融着で自己接着できるような熱可塑性樹脂を含んでいると、従来の粘着ロールテープのパッケージ化工程において、転写フィルムを適用することができるので好ましい。
非粘着化用薄膜
基材フィルム上に形成された、粘着ロールテープの側面を非粘着化するための薄膜(非粘着化膜)は、粘着ロールテープの粘着性の側面に適用されたときに、基材フィルムから剥離して粘着ロールテープの側面に転写される。側面に転写された後には、粘着ロールテープはそのまま使用される。このため、非粘着化膜は、ロールテープ側面の「べたつき」を抑止するために十分であるが、ロールテープを巻き出す際に異常な巻き出し力が発生しないような特性を有する膜である。非粘着化膜として使用できる材料は、例えば、剥離処理剤、印刷インク、ワックスなどである。
剥離処理剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、長鎖アルキル系剥離処理剤、例えば、長鎖アルキル基を有するアクリル酸エステル系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、シリコーン系剥離処理剤(シリコーンと他のポリマーとのブレンドもしくは共重合体、熱硬化型シリコーン(付加反応型、縮合反応型)、光硬化型(UV硬化型、EB硬化型))が挙げられる。長鎖アルキル系剥離処理剤としては、一方社油脂製 ピーロイル1050(商品名)が挙げられる。また、シリコーン系剥離処理剤としては、GE東芝シリコーン製のUV9300(商品名)(UV硬化型)、GE東芝シリコーン製のTPR6700(商品名)(付加反応型)、GE東芝シリコーン製のXS56−A3075(商品名)(縮合反応型)が挙げられる。非粘着化膜を形成するための材料として剥離処理剤を用いると、ロールテープ側面へ転写されても目立ちにくい膜を形成することができる。
また、非粘着化膜のために印刷インクを用いることもできる。かかる印刷インクは、例えば、公知のグラビア印刷用インクである。例えば、大日精化製NT−ハイラミック(商品名)などの溶液状のグラビア用印刷インクを基材フィルム上に塗工し、乾燥することで基材上に膜を得ることができる。非粘着化膜を形成するための材料として印刷インクを用いた場合、カラフルで意匠性に富んだ柄を膜に付与することも可能であり、ロールテープの側面の「べたつき」を抑止するばかりでなく、その側面に意匠性をも付与することが可能となる。さらに、非粘着化膜のために、流動パラフィン、ポリエチレンワックスなどのワックスを用いることもできる。ワックスを溶融し、基材フィルム上に塗布して冷却することで膜を得ることができる。
非粘着化膜中において、剥離処理剤、印刷インク又はワックスは単独で又はそれらの混合物として用いられる。また、非粘着化膜は、基材フィルム上及び転写後の粘着ロールテープ側面上での膜強度を維持するために、剥離処理剤、印刷インク又はワックス以外に他のポリマー成分を含むこともできる。例えば、ポリウレタン、ビニル樹脂(例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなど)、セルロース(例えば、ニトロセルロースなど)、アクリル樹脂などを含んでよい。また、非粘着化膜を形成するための材料として、剥離処理剤、印刷インク又はワックス以外に、ウレタン系、不飽和ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系、エポキシアクリレート系などの紫外線(UV)もしくは電子線(EB)硬化型のポリマー前駆体を含んでもよい。この場合には、ポリマー前駆体を含む材料を基材フィルム上に塗布し、UVもしくはEB照射することで、基材フィルム上に非粘着化膜を形成することができる。
非粘着化膜は、上述のとおり、ロールテープ側面の「べたつき」を抑止するために十分であるが、ロールテープを巻き出す際に異常な巻き出し力が発生しないような特性を有する膜である。ロールテープを巻き出すときに異常な巻き出し力とならないようにするためには、巻き出し力を低く一定に維持する必要がある。このためには、非粘着化膜は薄く、膜の厚みは0.1〜50μmの範囲である。さらに好ましくは0.1〜20μmの範囲である。0.1μmを下回る膜を成膜することが困難であるとともに、ロールテープ側面にこの膜を転写させたときに側面の「べたつき」を抑えられないことがある。また膜の厚みが50μmを上回ると、ロールテープ巻き出し時に、異常な巻き出し力を生じさせることがある。さらに、上述のとおり、非粘着化膜は基材フィルムの軽剥離処理面から剥離されて、粘着ロールテープの側面に転写される必要がある。したがって、非粘着化膜は、粘着ロールテープの側面に対する付着力よりも低い基材フィルムに対する剥離力を有する。好ましくは、基材フィルムの軽剥離処理面からの非粘着化膜の剥離力は0.03N/25mm〜0.5N/25mmである。なお、「剥離力」の測定方法については、実施例に記載されるとおりである。基材フィルムの軽剥離処理面から非粘着化膜の剥離力が0.03N/25mmを下回ると、基材フィルムから薄膜があまりにも容易に剥離してしまうために、転写フィルムの取り扱いが困難になる。特に、転写フィルムをパッケージ袋として用いる場合には、梱包作業中などに非粘着化膜が脱落してしまい、好ましくない。また、基材フィルムの軽剥離処理面から非粘着化膜の剥離力が0.5N/25mmを上回ると、非粘着化膜をロールテープ側面に容易に転写できなくなるため好ましくない。
付着性向上膜
本発明に用いる転写フィルムでは、通常、粘着ロールテープの側面の粘着性によって非粘着化膜を付着することで基材フィルムからの非粘着化膜の転写を行なう。しかし、粘着ロールテープの側面の粘着性が低く、転写が容易でない場合には、転写フィルムは、非粘着化膜の上に、粘着ロールテープとの付着性を改良する付着性向上膜をさらに有することもできる。サージカルテープなどの医療用粘着ロールテープの場合、比較的に低い粘着力の粘着剤を用い、ロールテープの側面の粘着性も低い。しかし、かかる粘着テープは埃や塵などの付着を衛生管理上の観点から極端に嫌う。このような用途では、衛生管理上、本発明のフィルムにより側面が非粘着化されることが好ましい。このような粘着ロールテープに用いる場合には、転写フィルムが付着性向上膜を有すると、非粘着化膜の転写性不足を補うことが可能である。
付着性向上膜としては微タックを有する粘着剤を用いることができる。微タックを有する粘着剤は凝集力が低いものが好ましく、また、適当な溶剤に溶解して塗工(グラビア塗工)されるものがよい。具体的には、微タックを有する粘着剤として、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、水糊などの公知の粘着剤が使用できる。また、かかる粘着剤は溶剤系スプレー、水系スプレーなどで容易にスプレーされることも望ましい。スプレーされた粘着剤は等方性であり、転写フィルムからの転写膜(非粘着化膜及び付着性向上膜)の引き裂き強度を高めることがない。結果として、転写膜は、粘着ロールテープの巻き出し力を高めることがない。
付着性向上膜は好ましくは15μm以下の厚みで形成され、また、非粘着化膜と付着性向上膜の合計の厚みは好ましくは50μm以下である。
本発明に用いる転写フィルムは、剥離処理された基材フィルム上に、非粘着化膜を形成するための材料を含む溶液を塗工し、そして溶剤を除去することで形成できる。または、剥離処理された基材フィルム上に、非粘着化膜を形成するための材料の溶融物を塗工し、そして冷却固化させることで形成できる。または、UVもしくはEB硬化型の剥離処理剤などを用いた場合、剥離処理された基材フィルム上に、非粘着化膜を形成するための材料を塗工し、そしてUVもしくはEBを照射して硬化させて形成することもできる。また、非粘着化膜の上に付着向上膜をさらに有するフィルムを形成するためには、付着性向上膜を形成するための材料の溶液を塗工し、溶剤を除去する。非粘着化膜の非粘着化機能を損なわない範囲で、非粘着化膜はドット状などの不連続膜として形成してよく、また、付着性向上膜も同様の不連続膜として形成してよい。不連続膜としてこれらの膜を形成すると、粘着ロールテープの巻き出し力を高めることがない。
本発明の方法の利用性
(1)側面に「べたつき」のあるロールテープの側面に、転写フィルムの非粘着化膜を具備している面を接触させることによって、非粘着化膜をロールテープ側面のみに転写させることによって、側面の「べたつき」を制御したロールテープを得ることができる。非粘着化膜は透明で非常に薄くすることができるので、無地の場合には目立たない。一方、印刷インクなどのように着色剤を含有する場合には、装飾層として機能することもできる。さらに、有色の場合には、非粘着化膜が粘着ロールテープの側面に付与されていることの目印として機能することもできる。
側面に「べたつき」のあるロールテープの側面同士を接するように梱包する場合、ロールテープの間に、転写フィルム(基材フィルムの両面に非粘着化膜を有する)をセパレータ代わりに挟み込ませる。この場合、複数のロールテープが転写フィルム(セパレータ)を介して積層された状態で出荷されることができる。ロールテープを取り出すときに、ロールテープの側面のみに非粘着化膜が転写されており、側面の「べたつき」を制御したロールテープとなる。また、非粘着化膜を転写した後の残渣は、薄膜の厚みが非常に薄いため、転写フィルム上に残された薄膜(転写されなかった部位)が目立ちにくい。
側面に「ベたつき」のあるロールテープを1巻づつ袋詰して梱包する場合、本発明のフィルムの非粘着化膜を具備している面を内側にして梱包用パッケージ袋を作成し、この中にロールテープを梱包する。パッケージ袋からロールテープを取り出すときに、ロールテープの側面のみに非粘着化膜が転写される。
以下、実施例にしたがって本発明を具体的に説明する。
実施例1
基材フィルムとして、シリコーンにより軽剥離処理された紙(商品名:SLK−50W、カイト化学製)の軽剥離処理面に、シリコーン系剥離処理剤 東芝GE製 TPR6510をUV硬化後の厚みが5μmとなるように全面塗工し、その後UV照射させて、非粘着化膜を基材フィルム上に形成し、本発明で用いる転写フィルムを形成した。
ロールテープ側面に「べたつき」のあるサージカルロールテープ(商品名: ニチバン H25、ニチバン製)の側面に、上記の本発明のフィルムの非粘着化膜面を密着させてロールテープ側面に、非粘着化膜を転写させた。
実施例2
基材フィルムとして、シリコーンにより軽剥離処理された離型紙(商品名:SLK−50W、カイト化学製)の軽剥離処理面に、印刷インク(商品名:ハイラミック 青色 大日精化製)を乾燥後の厚みが5μmとなるように全面グラビア塗工し、その後70℃のオーブンにてこのインク層を乾燥させて非粘着化膜を基材フィルムに形成した。
ロールテープ側面に「べたつき」のあるサージカルロールテープ(商品名: ニチバン H25、ニチバン製)の側面に、上記の本発明のフィルムの非粘着化膜面を密着させてロールテープ側面に、非粘着化膜を転写させた。
実施例3
基材フィルムとして、片面に軽剥離処理を施してある厚み60μmのポリプロピレン(PP)フィルムライナー(RS02 サン・トックス株式会社製)を基材フィルムとして用いた。この基材フィルムの軽剥離処理面に印刷インク(商品名:ハイラミック 青色 大日精化製)を乾燥後の厚みが5μmとなるようにグラビアロールを用いて全面グラビア塗工し、その後70℃のオーブンにて乾燥させて、非粘着化膜を基材フィルム上に形成し、本発明のフィルムを形成した。
ロールテープ側面に「べたつき」のあるサージカルロールテープ(商品名: ニチバン H25、ニチバン製)の側面に、上記の本発明のフィルムの非粘着化膜面を密着させてロールテープ側面に、非粘着化膜を転写させた。
実施例4
基材フィルムとして、厚み60μmのポリプロピレン(PP)フィルム片面に軽剥離処理を施してある厚み60μmのポリプロピレン(PP)フィルムライナー(RS02 サン・トックス株式会社製)を基材フィルムとして用いた。この基材フィルムの軽剥離処理面にシリコーン系剥離処理剤 東芝GE製 TPR6510をUV硬化後の厚みが5μmとなるように全面塗工し、その後UV照射させて、非粘着化膜を基材フィルム上に形成し、非粘着化膜を基材フィルム上に形成した。さらにその上に印刷インク(商品名:ハイラミック 透明 大日精化製)を乾燥後の厚み3μmとなるように全面グラビア塗工し、その後70℃のオーブンにてこのインク層を乾燥させて2層の薄膜を基材フィルムの軽剥離処理面上に形成し、転写フィルムを得た。ここで、印刷インキの層は付着性を改良し、非粘着化膜を強固にロールテープ側面に付着させることが可能となる。
ロールテープ側面に「べたつき」のあるサージカルロールテープ商品名: ニチバン H25、ニチバン製)の側面に、上記の本発明のフィルムの非粘着化面を密着させてロールテープ側面に、非粘着化膜を転写させた。
実施例5
実施例3と同様に転写フィルムを得た。
上記のフィルムを、非粘着化膜を内側として袋状に加工した。このとき袋の端部は超音波溶着機(富士インパルス製 オートシーラー)にて転写フィルムを溶融させて成型し、袋状とした。
ロールテープ側面に「べたつき」のあるサージカルロールテープ(商品名: ニチバン H25、ニチバン製)1巻を、上記の袋の開いている口より袋の中に入れ、袋の入り口を超音波溶着機(富士インパルス製 オートシーラー)で溶融密封してパッケージングした。
実施例6
基材フィルムとして、厚み60μmのポリプロピレン(PP)フィルム片面に軽剥離処理を施してある厚み60μmのポリプロピレン(PP)フィルムライナー(RS02 サン・トックス株式会社製)を基材フィルムとして用いた。この基材フィルムの軽剥離処理面にシリコーン系剥離処理剤(東芝GE製 TPR6510)を、全面塗工し、その後UV照射させて、第1の非粘着化膜を形成した。その際、UV硬化後の第1の非粘着化膜の厚みが5μmとなるようにした。さらに、シリコーン系剥離処理剤の上に、印刷インク(商品名:ハイラミック 透明 大日精化製)を全面グラビア塗工し、その後、70℃のオーブンにてこのインク層を乾燥させて、第2の非粘着化膜を形成した。その際、乾燥後の第2の非粘着化膜の厚みは3μmとなるようにした。つぎに、第2の非粘着化膜の上に、粘着剤溶液をドット状にグラビア塗工し、その後120℃のオーブンにて乾燥させて付着性向上膜を形成した。本実施例で、粘着剤溶液は、クレイトン D1107(クレイトンポリマー社製)とウイングタックプラス(グッドイヤー製)を1:1で混ぜ、トルエン溶液中で固形分が10重量%となるよう希釈するように調製されたものである。また、乾燥後の付着性向上膜の厚みは3μmとなるようにした。
ロールテープ側面に「べたつき」のあるサージカルロールテープ(商品名: ミリオンカブレステープ NO.19、共和製)の側面に、上記の転写フィルムの非粘着化面を密着させてロールテープ側面に、非粘着化膜を転写させた。
比較例1
ロールテープ側面に「べたつき」のあるサージカルロールテープ(商品名: ニチバン H25、ニチバン製)の側面になにも処理を行なわなかった。
評価試験
上記の実施例、および比較例で作成されたサンプルについて以下のような評価を行った。
1.「べたつき感」触診
ロールテープの側面を触診して側面の「べたつき感」を以下のごとく評価した。
+:ロールテープの側面に「べたつき」がない
−:ロールテープの側面に「べたつき」がある
2.非粘着化膜の基材フィルムからの剥離力
上記剥離力は、引張試験機を用いて、温度23℃、剥離速度300mm/min、剥離角度180°で測定を以下のように行なった。
測定方法:転写フィルムの非粘着化膜が具備された面に、幅25mmの粘着テープ(幅25mmのサージカルテープ(商品名:マイクロポア 3M製))を貼付し、2kgローラで圧着した後に(圧着スピード300mm/min)、上記引張試験機にて剥離力(積分距離15〜55mmとした)を測定した。
上記評価の評価結果を下記の表1にまとめた。
Figure 2006182984
上記の結果より、本発明のフィルムにより、粘着ロールテープ側面の「べたつき」を容易に制御することが可能となり、なおかつ使用時においてもその側面の「べたつき」の制御が継続するため、非常に使い易いロールテープを提供することができることがわかった。
転写フィルムの第一の態様の断面図を示す。 本発明の方法の工程図を示す。 転写フィルムの第二の態様の断面図を示す。 転写フィルムの第三の態様の断面図を示す。 転写フィルムをパッケージ袋として用いる場合の本発明の方法の工程図を示す。 転写フィルムをセパレータとして複数の粘着ロールテープをパッケージする場合の本発明の方法の工程図を示す。
符号の説明
10 転写フィルム
20 粘着ロールテープ
1 基材フィルム
2 薄膜
3 付着性向上膜

Claims (5)

  1. 剥離処理された基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に形成された、0.1〜50μmの厚みをもった粘着ロールテープの側面を非粘着化させるための薄膜とを含む転写フィルムを、前記薄膜を具備した面が粘着ロールテープの側面に接するようにして前記粘着ロールテープの側面に適用し、そして前記薄膜を前記粘着ロールテープの側面に転写させることを含む、粘着ロールテープの側面の非粘着化方法。
  2. 前記非粘着化フィルムは、前記薄膜が具備されている面を内側としたパッケージ袋として用いる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記薄膜は剥離処理剤、印刷インク又はワックスからなる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記薄膜の前記基材フィルムからの剥離力は0.03〜0.5N/25mmの範囲である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記基材フィルムは熱溶着もしくは超音波溶着可能な熱可塑性樹脂を含んでおり、熱溶着もしくは超音波溶着によって自己融着が可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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JP2013244127A (ja) * 2012-05-25 2013-12-09 Fujipatsuku Kk 廃棄用テープ
JP2014019859A (ja) * 2012-07-24 2014-02-03 Kuninori Kondo 粘着テープの包装用フィルム
JP2018511668A (ja) * 2015-02-20 2018-04-26 テーザ・ソシエタス・ヨーロピア 接着テープロールの巻き取りレベルの粘着性を低減する方法
EP3589711B1 (de) 2017-03-02 2022-02-16 Biologische Insel Lothar Moll GmbH & Co. KG Seitenpassivierung

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