JPH11349903A - 粘着剤転写材、その製造方法および粘着剤転写方法 - Google Patents

粘着剤転写材、その製造方法および粘着剤転写方法

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JPH11349903A
JPH11349903A JP16382998A JP16382998A JPH11349903A JP H11349903 A JPH11349903 A JP H11349903A JP 16382998 A JP16382998 A JP 16382998A JP 16382998 A JP16382998 A JP 16382998A JP H11349903 A JPH11349903 A JP H11349903A
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pressure
segment
layer
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Masako Iwabuchi
正子 岩渕
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PRECISION PLUS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性中間層を有する両面粘着性のセグメン
トにより、接着対象物を所望の接着目的個所に容易に接
着させることのできる粘着剤転写材およびその製造方法
を提供すること、および粘着剤転写方法の提供するこ
と。 【解決手段】 粘着剤転写材は、基材側粘着剤層、可撓
性中間層および表面側粘着剤層が積層された両面粘着性
のセグメントがシート基材上に設けられてなる。製造方
法は、シート基材上に、印刷法を利用して、複合粘着剤
セグメントを構成する層の少なくとも一つを形成する工
程を有する。またはシート基材上の基材側粘着剤層上に
設けられた中間層用シート材を所定の境界に沿って切断
し、その各片の表面上に表面側粘着剤層を形成して複合
粘着剤セグメントを形成する工程を有する。粘着剤転写
方法は、仲介転写用具を用いて粘着剤セグメントを接着
対象物の被接着面または接着対象物を接着させるべき接
着目的個所に転移させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着剤転写材、そ
の製造方法および粘着剤転写方法に関し、詳しくは、接
着すべき対象物を所望の接着目的個所に接着させるに際
して、当該接着対象物の被接着面または接着目的個所を
適用領域として、これに粘着剤を供給するための粘着剤
転写材、および当該粘着剤転写材の製造方法、並びに粘
着剤転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、或る物体を所望の目的個所に固
定する方法として接着剤を利用する方法が多用されてお
り、その一態様として、両面粘着テープを用いることが
その利便性から広く行われている。
【0003】両面粘着テープとしては、従来から粘着剤
層のみよりなるものが知られているが、一方、近年にお
いて、可撓性の材料よりなる中間層を有し、その両面に
感圧接着剤により粘着剤層を形成してなる多層粘着テー
プが知られている。この多層粘着テープは、可撓性中間
層が例えば各種の発泡体樹脂のシートにより形成され、
その両面に粘着剤が均一に塗布されて粘着剤層が形成さ
れ、更にその両外面に、一面が剥離性面とされた紙やフ
ィルムよりなる剥離ライナーが被着され、粘着剤層の表
面が保護された状態で製品とされている。
【0004】多層粘着テープの可撓性中間層を形成する
発泡体としては、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポ
リエチレン、ブチルゴム、クロロプレン、塩化ビニルな
どの発泡体が用いられており、また粘着剤としては、代
表的なものとして、水性アクリル系粘着剤、ホットメル
ト系粘着剤、紫外線硬化型アクリル系粘着剤、天然ゴム
系あるいは合成ゴム系の粘着剤などが用いられている。
そして、工業的には、粘着剤がロールコーターなどによ
って中間層用シート材の両面に塗布され、更にその表面
に剥離ライナーが被着されながら全体がロール状に巻き
取られ、このロールがスリッターによって分割されて適
宜の幅の多層粘着テープロールが製造されている。
【0005】この多層粘着テープは、両面の粘着剤の作
用によって高い接着力が得られると共に、可撓性中間層
の特性により、変形や変位に対する追随性、耐衝撃性、
応力緩和特性、制振効果などの作用が得られ、結局、接
着対象物に好適な固定状態が得られることから、家庭
用、業務用、工業用などとして広い分野において接着剤
に代わるものとして利用されるに至っており、実際に、
例えば自動車用サイドモールの固定、建築部材の仮固
定、ネームプレートの貼り付け、電子部品の一時的固
定、印刷版のロールへの装着などに利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】而して、以上のような
多層粘着テープを使用して接着対象物(貼り付けたい物
品)を接着目的個所(接着させたい面領域)に接着させ
る場合には、先ず、接着対象物の被接着面(いわゆる
「糊代」)の形状に従って粘着テープを鋏やカッターな
どで切断し、その切断テープ片から一方の剥離ライナー
を剥離除去して被接着面に粘着させ、上面の他方の剥離
ライナーを剥して粘着剤層を露出させ、これを接着を希
望する接着目的個所に押し当てるという作業手順、ある
いは、切断テープ片を接着目的個所に粘着させ、他方の
剥離ライナーを剥してこれに接着対象物の被接着面を押
し当てる作業手順がとられる。ここで、切断テープ片を
接着対象物と接着目的個所のいずれに粘着させるかは、
接着対象物の大きさや形状、被接着面の位置や形状、そ
の他の実際の条件に応じて適宜選択される。
【0007】このように、多層粘着テープを使用する場
合には、必要な長さのテープ部分の巻き出し、鋏などに
よる切断、作業者による両手を使っての切断テープ片の
摘持、接着目的個所への押し当て操作などの一連の作業
が必要であるが、これらの作業中においては期せずして
粘着剤層同志が接触して粘着したり、他の物体面に粘着
してしまうおそれが大きく、その場合には当該切断テー
プ片が無駄になる上、上記の作業を再度繰り返すことが
必要となる。また、接着対象物に比較的小面積の被接着
面が複数存在する場合には、作業者に指先の器用さや、
相当な熟練が要求されることも少なくない。
【0008】本発明は上記のような事情を背景としてな
されたものであって、その目的は、可撓性中間層を有す
る両面粘着性のセグメントにより、作業者が手指を粘着
剤層に触れることなしに、また大きな自由度で、接着対
象物を所望の接着目的個所にきわめて容易にかつ確実に
接着させることのできる粘着剤転写材を提供することに
ある。本発明の他の目的は、そのような粘着剤転写材を
容易にかつ有利に製造することのできる方法を提供する
ことにある。本発明の更に他の目的は、きわめて簡便に
接着目的個所に両面粘着性のセグメントを供給すること
のできる粘着剤転写方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着剤転写材
は、剥離性面を有するシート基材と、このシート基材の
剥離性面上に設けられた複合粘着剤セグメントとを有し
てなり、前記複合粘着剤セグメントは、基材側粘着剤層
と、可撓性中間層と、表面側粘着剤層とが積層されてな
ることを特徴とする。ここで、各複合粘着剤セグメント
の平面の面積が0.5mm2 〜25cm2 の範囲である
ことが好ましい。
【0010】本発明の粘着剤転写材の製造方法は、複合
粘着剤セグメントを構成する基材側粘着剤層、可撓性中
間層および表面側粘着剤層の少なくとも一つを、印刷法
を利用して形成する工程を有することを特徴とする。
【0011】また、本発明の粘着剤転写材の製造方法
は、シート基材の剥離性面上に形成された基材側粘着剤
層上に中間層用シート材を設け、この中間層用シート材
を所定の境界に沿って切断し、この切断されて形成され
た各片の表面上に表面側粘着剤層をして複合粘着剤セグ
メントを形成する工程を有することを特徴とする。
【0012】本発明の粘着剤転写方法は、シート基材の
剥離性面上に、両面に粘着面を有する粘着剤セグメント
が形成されてなる粘着剤転写材を用意し、粘着剤転写材
の粘着剤セグメントを仲介転写用具の仲介転写面に転移
させ、この仲介転写面上の粘着剤セグメントを、接着対
象物の被接着面または接着対象物を接着させるべき接着
目的個所に転移させることを特徴とする。ここに、粘着
剤転写材としては、既述の複合粘着剤セグメントが形成
されたものを用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。図1は、本発明に係る粘着剤転写材の一例の構
成を示す説明用拡大断面図、図2は粘着剤セグメント群
の配列の一例を示す平面図である。この粘着剤転写材1
0においては、剥離性面を有するシート基材11の当該
剥離性面上に、可撓性中間層14と、この可撓性中間層
14の両面に、その全面を覆うよう形成された基材側粘
着剤層16および表面側粘着剤層17との積層体よりな
る複合粘着剤セグメント(以下、単に「セグメント」と
いう。)20の多数が、各々互いに離間した状態で配列
されている。そして、表面側粘着剤層17の表面には、
その粘着性を利用して共通の保護シート材18の剥離性
面が被着されている。
【0014】上記のセグメント20は、例えば、図2に
示すように、その各々の形状が縦2mm、横2mmの方
形とされ、多数のものが縦横に規則的に配列された状態
で設けられる。そして、隣接するセグメント20間の離
間距離は例えば2mmとされている。しかし、各セグメ
ント20の形状および寸法は特に限定されるものではな
く、例えば図3に示すようなカプセル形であってもよ
く、また円形、楕円形、矩形、三角形、星形、その他の
形状であってもよい。そして、各セグメント20が同一
の形状であることも必須のことではなく、種々の形状の
ものが混在していてもよい。またセグメント20の各々
の寸法も限定されるものではなく、用途に応じた大きさ
とすることができる。
【0015】実際上、セグメント20の各々の大きさ
は、例えば方形の場合に一辺の長さが0.7mm以上で
あることが好ましく、それ未満の場合には、隣接するセ
グメント20の間の間隙の大きさを当該セグメントの径
より小さいものとすることが困難となり、互いに粘着す
るために所期の目的を達成することができなくなるおそ
れがある。一方、セグメント20の各々は、例えば使用
上の便宜から、平面の面積が0.5mm2 〜25cm2
の範囲であることが好ましい。
【0016】更に、シート基材11上におけるセグメン
ト20の配列も特に限定されるものではなく、縦横、斜
め、あるいは特定の曲線に沿って配列されたものであっ
てもよく、不規則的な配列であってもよい。配列におけ
る各セグメント20の隣接するもの同志の間の離間距離
は、当該セグメント20の径と同等またはそれ以下であ
ることが好ましい。この離間距離が過大の場合には、セ
グメントの占める面積割合が小さくなるため、所期の接
着力が得られなくなるおそれがある。
【0017】更に、多数の粘着剤セグメントを形成する
場合には、特定の数、例えば10個のセグメントを1群
とし、その1つまたは複数のものを1枚のシート基材1
1上に形成しておくことも可能であり、この場合には、
1群のセグメントを使用に供したときは、当該1群を使
用済みとして計数することにより、使用の回数を計数す
ることが容易となるので、工業上の使用に便利である。
【0018】セグメント20の可撓性中間層14を形成
する発泡体としては、ポリアクリレート、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ブチルゴム、クロロプレン、塩化ビ
ニルなどの発泡体を用いることができる。また、基材側
粘着剤層16および表面側粘着剤層17を形成する粘着
剤としては、常温において必要とされる粘着性を有する
ものであればよく、その具体的な材質が限定されるもの
ではないが、例えば代表的なものとして、水性アクリル
系粘着剤、ホットメルト系粘着剤、紫外線硬化型アクリ
ル系粘着剤、天然ゴム系あるいは合成ゴム系の粘着剤な
どを用いることができる。
【0019】以上の構成の粘着剤転写材10は、例えば
印刷法を利用して高い効率で容易に製造することができ
る。具体的に説明すると、シート基材11の剥離性面上
に、例えば印刷法により基材側粘着剤層16を形成し、
この基材側粘着剤層16上に積重するよう、中間層材を
印刷法により形成する。この中間層材の印刷法として
は、スクリーン印刷法あるいはステンシリング印刷法を
好適に利用することができる。
【0020】可撓性中間層の形成に印刷法を利用する場
合のインク剤としては、発泡性マイクロカプセルを配合
した光硬化性樹脂組成物、マイクロスフェアー(ガラス
バルーン、中空の高分子微小球等)やゴム粒子などを配
合した光硬化性樹脂組成物などが用いられ、当該組成物
を形成する樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、シリ
コーン系樹脂、ウレタン系樹脂などが用いられる。な
お、インク剤に配合される粒子の大きさによってはスク
リーン印刷法が適切でない場合があり、その場合にはス
テンシリング印刷法を利用すればよい。またインク剤と
して、アクリル系樹脂のエマルジョンにコア/シェル型
マイクロカプセルを配合して得られる発泡性コンパウン
ド液を用いて、ステンシリング印刷法によって可撓性中
間層14を形成することも可能である。
【0021】以上のようにして得られる可撓性中間層1
4上に、基材側粘着剤層16の形成と同様にして、例え
ば同一の粘着剤を同一の形状に印刷して表面側粘着剤層
17を形成し、これにより複合粘着剤セグメント20が
形成された粘着剤転写シートが得られる。この粘着剤転
写シートは、粘着性の表面側粘着剤層17が露出してい
るものであるので、この表面側粘着剤層17の上に、そ
の粘着性を利用して、共通の保護シート材18の剥離性
面を被着させることにより、図1に示されている構成の
粘着剤転写材10が製造される。
【0022】以上の保護シート材18は必ずしも必須の
ものではない。例えば、シート基材11として、その裏
面が、基材側粘着剤層16が形成されている表面より大
きい剥離性を有するものを用いた場合には、図4に示す
ように、当該粘着剤転写シート22を巻き取ってロール
23とすることにより、表面側粘着剤層17がシート基
材11の裏面により被覆された形態を有する粘着剤転写
材製品を得ることができる。
【0023】また、粘着剤転写シート22を一定の形状
に切断したものの複数を積重し、最上部の表面側粘着剤
層17にのみ保護シート材18を被着させるようにして
製品とすることもできる。更に、シート基材11として
剛性を有する比較的厚いものを用いて粘着剤転写シート
22を製造し、この粘着剤転写シート22を、複合粘着
剤セグメント20が外面に露出することがない状態に折
り曲げて箱状に組み立てて製品にすることもできる。
【0024】以上のように、印刷法を利用して、基材側
粘着剤層16、可撓性中間層14および表面側粘着剤層
17の全部あるいは少なくとも一部を製造することによ
り、きわめて容易に、かつ低いコストで所期の粘着剤転
写材10を製造することができる。そして、印刷法によ
る場合には、印刷版を変更することのみにより、セグメ
ント20の形状および配列並びにその形成領域を選定す
ることができるので、きわめて好適である。
【0025】図5は、本発明に係る粘着剤転写材の他の
例の構成を示す説明用拡大断面図である。この粘着剤転
写材30においては、各セグメント20は、隣接するも
のの可撓性中間層14が互いに接する状態で形成されて
おり、この可撓性中間層14の両面の基材側粘着剤層1
6および表面側粘着剤層17は、可撓性中間層14の両
表面の周縁部以外の全面が覆われるよう形成されてい
る。
【0026】このような構成の粘着剤転写材30は、後
にスリットカットにより切断されて可撓性中間層14と
なる、それ自体は連続して伸びる中間層用シート材を可
撓性中間層14の材料として用いる方法によって製造す
ることができる。この方法では、例えば既述の方法と同
様にして、シート基材11の剥離性面上に基材側粘着剤
層16を形成し、この基材側粘着剤層16上に、その粘
着性を利用して、中間層用シート材を配置して被着させ
る。この中間層用シート材は、例えば発泡処理加工した
ポリエチレン、アクリレートポリマー、ポリウレタンな
どよりなるシートである。発泡ポリエチレンシートなど
の一部には、表面エネルギーが低過ぎるために粘着剤の
付着性に劣る場合があるが、コロナ放電処理や放射線処
理などの表面処理によって実用上十分なものとすること
ができる。
【0027】このようにしてシート基材11と基材側粘
着剤層16と中間層用シート材との積重体が得られる
が、図6に示すように、この中間層用シート材15に対
し、例えばプレスカッターにより、基材側粘着剤層16
の隣接するもの同志の間の間隙の位置に沿って切目Cを
形成する。このように切断された中間層用シート材の各
々によって各セグメントの可撓性中間層14が形成され
る。この切断工程はいわゆる半抜き加工と称される方法
により、支持体であるシート基材11の切断を回避しな
ければならない。また、プレスカッターの刃を抜く際に
は、中間層用シート材15のカット面との摩擦より、刃
の移動と共に積重体の全体が移動するおそれがあるの
で、当該積重体を例えばシート基材11の下面を真空に
より吸引固定するなどの補助が必要となる場合もある。
【0028】その後、例えば既述の例と同様の方法によ
って表面側粘着剤層17を形成すると、既述のものと同
様の粘着剤転写シートが得られるので、これに保護シー
ト材18を被着させれば図5に示された粘着剤転写材3
0が製造され、あるいはロール状に巻取り、またはシー
ト基材11を箱状に成形する手段などによって製品とさ
れる。
【0029】本発明の粘着剤転写材は、次のようにして
使用される。まず、保護シート材18を剥離除去し、あ
るいはロール23を巻き出すなどの操作により、シート
基材11上のセグメント20を露出させる。この露出さ
れたセグメント20の表面側粘着剤層17に、接着対象
物の被接着面を押し当てて離間させると、この接着対象
物の被接着面の全領域に、押し当てられた領域のセグメ
ント20がシート基材11から離れて転移され、その結
果、基材側粘着剤層16が露出される。従って、この露
出した基材側粘着剤層16を接着目的個所に押し付けれ
ば、当該基材側粘着剤層16の粘着作用により、セグメ
ント20を介して、接着対象物が接着目的個所に接着固
定された状態が得られる。
【0030】すなわち、本発明の粘着剤転写材によれ
ば、連続的な多層粘着テープを用いる場合に必要であっ
た、鋏やカッターなどによる切断、両手指による定位置
への貼り付け、剥離ライナーの剥離などの非常に煩瑣で
注意力を要する作業が不要であって、単に露出した表面
側粘着剤層に接着対象物を押し当てて離す作業のみによ
って、接着対象物の被接着面にセグメントが供給され、
従ってこれを接着目的個所に押しつけるというきわめて
簡単な作業のみによって、接着対象物を接着目的個所に
接着固定することができ、従って作業時間もきわめて短
くてよく、工具類も不要であると共に、作業の信頼性も
大きなものとなる。
【0031】特に、接着対象物の被接着面の形状に対応
する領域におけるセグメントのみがいわば自動的に当該
被接着面に転移されるため、当該被接着面に常に過不足
のない状態でセグメントが接着対象物に転移されるの
で、きわめて便利である。そして、セグメント20は可
撓性中間層14を有するので、その特性により、変形や
変位に対する追随性、耐衝撃性、応力緩和特性、制振効
果などの作用が得られ、結局、接着対象物に好適な固定
状態が得られる。
【0032】また、本発明においては、シート基材の剥
離性面上に、両面に粘着面を有する粘着剤セグメントが
形成された粘着剤転写材を利用するに際して、仲介転写
用具を用いることにより、きわめて便利に、所期の個所
に粘着剤セグメントを供給することができる。図7は、
仲介転写用具40の一例を示し、この仲介転写用具40
は、作業者が手で持つことのできる把持部41と、この
把持部41と一体の仲介転写面42を有するヘッド部4
4とよりなる。仲介転写面42は、供給すべき粘着剤セ
グメントの粘着性に対して、そのシート基材よりは大き
な粘着性が得られるが、通常の物体の表面よりは大きな
剥離性を有するものとされる。
【0033】この仲介転写用具40を用い、その仲介転
写面42を粘着剤転写材の露出された粘着剤セグメント
に押し当てて離すと、当該仲介転写面42に粘着剤セグ
メントが転移される。従って、これを、粘着性を付与す
べき領域に押し当てると、粘着剤セグメントは仲介転写
面42から離れて粘着性付与領域にそれ自体の粘着性に
よって付着するので、これに粘着性を付与することがで
き、これを利用して、所望の物体の粘着を達成すること
ができる。粘着性付与領域は、具体的には接着対象物の
被接着面またはそれが接着されるべき接着目的個所のい
ずれかであり、これにより、当該接着対象物を接着目的
個所に接着固定する作業をきわめて簡便に達成すること
ができる。
【0034】また、このような仲介転写用具40を用い
ることにより、例えば被接着面として比較的小面積の部
分が複数存在する場合にも、仲介転写面42の小さな仲
介転写用具40を用いることにより、容易に粘着剤の転
写を行うことができる。更に、仲介転写用具40を利用
することにより、接着対象物や接着目的個所が直接的適
用に不適な場合であっても、粘着剤セグメントを確実に
かつ簡便に供給することができる。以上のような仲介転
写用具40を用いる場合には、粘着剤セグメントは、複
合粘着剤セグメントであることは必須ではない。
【0035】以上、本発明の好ましい実施の形態につい
て説明したが、本発明においては種々の変更を加えるこ
とが可能である。例えば、可撓性中間層の両側の2つの
基材側粘着剤層および表面側粘着剤層は、同一の粘着剤
層によって形成された同一の特性を有するものである必
要はなく、例えば粘着性の程度に差がある状態であって
もよい。このような異なる2層の粘着剤層を設ける場合
に、可撓性中間層がない構成とすれば、それ特有の接着
特性を有するものとなるので、新しい機能を有する両面
粘着材を提供することもできる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 この例は、図1に示された構成および図2に準ずる配列
に従って、各々の寸法が縦4mm、横4mmである複合
粘着剤セグメント(20)の多数を、セグメント間の間
隙の距離が2.0mm、長さ方向60mmの領域に10
個、幅方向30mmの領域に5個となる状態でシート基
材(11)上に均一に形成したものであり、その面積占
有率は約53%である。シート基材の剥離性面に、水性
アクリル粘着剤「スリーボンド1549」(スリーボン
ド社製)よりなるインク剤を、100メッシュスクリー
ンを用いて印刷して、乾燥厚膜50μmの基材側粘着剤
層(16)を形成した。そして、その上に、紫外線硬化
性アクリル系ゴム配合物「スリーボンド3075」(ス
リーボンド社製)を基本ビヒクルとし、マイクロバルー
ン「MFL−80CA」(松本油脂社製)を5重量%の
割合で配合したインク剤を用いたステンシリング印刷法
により、中間層形成層を形成した。
【0037】ここに得られた、未硬化の中間層形成層を
形成する各セグメント単位のインク剤は、ステンシルを
離脱させるときに周辺のインク剤の一部が失われるため
に、全体が平坦な層状のものではなくていわば断面形状
が山形を呈するものである。そこで、この中間層形成層
の上に、下面に乾性離型剤を塗布した平板状のシリカガ
ラスよりなる透明板を押圧することにより、山形のイン
ク剤を押し潰して基材側粘着剤層の全面上に均一に延展
させ、その状態で透明板を介して紫外線を照射してイン
ク剤を硬化させ、その後透明板を除去することにより、
厚みが約350〜400μmの可撓性中間層(14)を
形成した。そして、この可撓性中間層の上に、基材側粘
着剤層と同様にして乾燥厚膜50μmの表面側粘着剤層
(17)を形成し、もって全体の厚みが420〜450
μmの複合粘着剤セグメントを形成して、本発明の粘着
剤転写材を製造した。この粘着剤転写材に、直径20m
mの円盤状のテスト用接着対象物の円形の被接着面を押
し当てたところ、これには合計9個のセグメントが転写
された。この接着対象物はそのまま所望の接着目的個所
に強固に接着させることができるものであった。
【0038】実施例2 実施例1と同様にして、シート基材の剥離性面に基材側
粘着剤層(16)を形成したものを用い、その上に、予
め表面をコロナ放電加工により表面を活性化させて粘着
剤に対する付着力を高めた厚さ1.0mmの発泡ポリエ
チンシートよりなる中間層用シート材を配置して被着さ
せた。このようにして得られる積重体がの中間層用シー
ト材(15)に対し、6mm角の井桁状の押し切り刃を
有するプレスカッターにより、基材側粘着剤層(16)
の隣接するもの同志の間の間隙に沿って切目(C)を形
成した。このとき、押し切り刃に対する圧力を加減して
シート基材は切断されない状ようにし、もって図5に示
された構成を有する、全体の厚みが約1.1mmの複合
粘着剤セグメントを有する粘着剤転写材を製造した。こ
の粘着剤転写材を用い、実施例1と同様にして直径20
mmの円盤状のテスト用接着対象物の円形の一面を押し
当てたところ、合計11個のセグメントが転写された。
この接着対象物はそのまま所望の接着目的個所に強固に
接着させることができるものであった。
【0039】以上のように、本発明の粘着剤転写材によ
れば、接着対象物の被接着面あるいは当該接着対象物が
接着されるべき接着目的個所に対して、高性能の両面粘
着材を簡単な作業によって供給することができるので、
所望の接着作業をきわめて容易に達成することができ
る。本発明の粘着剤転写材は、その用途が限られるもの
ではなく、通常の接着剤による接着処理のほとんどの場
合に適用することができ、接着対象物およびその被接着
面、並びに接着目的個所が制限されるものではない。例
えば紙類の貼り付け、木材、タイヤ、石材などの粗面へ
の各種表示部材の貼り付け、構造部材の一時的仮固定、
建材などの一時的仮固定、金属部品の仮固定などの広い
分野において利用することができ、更に工業、商業、農
林水産業、サービス業などの各分野の工場、事務所、作
業現場、家庭、学校、その他の場において利用すること
ができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の粘着剤転写材によれば、必要と
される面積に応じた量の複合粘着剤セグメントを過不足
なく接着対象物の被接着面または接着目的個所にきわめ
て簡便に供給することができ、従って所望の接着作業を
きわめて容易に達成することができ、しかも当該複合粘
着剤セグメントは可撓性中間層を有するために、その作
用によってきわめて好適な接着固定状態を得ることがで
きる。また、本発明の製造方法によれば、上記のような
粘着剤転写材を容易にかつ有利に製造することができ
る。更に、本発明の粘着剤転写方法によれば、接着対象
物や接着目的個所が作業に不適な場合であっても、粘着
剤セグメントの供給を確実にかつ簡便に実行することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粘着剤転写材の一例の構成を示す
説明用拡大断面図である。
【図2】粘着剤セグメント群の一例を示す平面図であ
る。
【図3】粘着剤セグメント群の他の例を示す平面図であ
る。
【図4】粘着剤転写シートを巻き取ってロールとする場
合の説明図である。
【図5】本発明に係る粘着剤転写材の他の例の構成を示
す説明用拡大断面図である。
【図6】中間層用シート材を切断することにより可撓性
中間層を形成する場合の説明図である。
【図7】仲介転写用具40の一例を示す説明用斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 粘着剤転写材 11 シート基材 14 可撓性中間層 15 中間層用シート材 16 基材側粘着剤層 17 表面側粘着剤層 18 保護シート材 20 複合粘着剤セグメント 22 粘着剤転写シート 23 ロール 30 粘着剤転写材 40 仲介転写用具 41 把持部 42 仲介転写面 44 ヘッド部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離性面を有するシート基材と、このシ
    ート基材の剥離性面上に設けられた複合粘着剤セグメン
    トとを有してなり、 前記複合粘着剤セグメントは、基材側粘着剤層と、可撓
    性中間層と、表面側粘着剤層とが積層されてなることを
    特徴とする粘着剤転写材。
  2. 【請求項2】 複合粘着剤セグメントは、その平面の面
    積が0.5mm2 〜25cm2 の範囲であることを特徴
    とする請求項1に記載の粘着剤転写材。
  3. 【請求項3】 複合粘着剤セグメントを構成する基材側
    粘着剤層、可撓性中間層および表面側粘着剤層の少なく
    とも一つを、印刷法を利用して形成する工程を有するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粘着剤
    転写材の製造方法。
  4. 【請求項4】 シート基材の剥離性面上に形成された基
    材側粘着剤層上に中間層用シート材を設け、この中間層
    用シート材を所定の境界に沿って切断し、この切断され
    て形成された各片の表面上に表面側粘着剤層を形成して
    複合粘着剤セグメントを形成する工程を有することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の粘着剤転写材
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 シート基材の剥離性面上に、両面に粘着
    面を有する粘着剤セグメントが形成されてなる粘着剤転
    写材を用意し、 粘着剤転写材の粘着剤セグメントを仲介転写用具の仲介
    転写面に転移させ、 この仲介転写面上の粘着剤セグメントを、接着対象物の
    被接着面または接着対象物を接着させるべき接着目的個
    所に転移させることを特徴とする粘着剤転写方法。
  6. 【請求項6】 粘着剤転写材が請求項1または請求項2
    に記載の複合粘着剤セグメントを有する粘着剤転写材で
    あることを特徴とする請求項5に記載の粘着剤転写方
    法。
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