JP2006181920A - 液体噴射装置および液体噴射装置の液体吸引装置 - Google Patents

液体噴射装置および液体噴射装置の液体吸引装置 Download PDF

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Abstract

【課題】顔料系液体や染料系液体のような異なる種類の液体を使用する場合にいずれの液体をも確実に吸収してヘッドのノズル面に影響を与えないことで、ヘッドの液体吐出性能を確保することができる液体噴射装置および液体噴射装置の液体吸引装置を提供すること。
【解決手段】液体を噴射するヘッド30のノズル面61から液体を吸引する液体吸引装置20を有する液体噴射装置10であって、液体吸引装置20は、ノズル面61を封止するための本体21と、本体21内に配置されてノズル面61の複数のノズル列から噴射される液体を吸収する吸収材22とを有し、本体21がノズル面61を封止した状態で、ノズル面61のノズル列に応じて吸収材22の材質が異なる。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体を噴射するようになっている液体噴射装置および液体噴射装置の液体吸引装置に関する。
ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、記録ヘッドから記録媒体に対してインク滴を噴射させて印刷を行うインクジェット式記録装置は、記録ヘッドのノズルから記録媒体に対して微小なインク滴を吐出させて、所望の文字や図形等の画像を記録する。
このインクジェット式記録装置は、記録動作時において、記録ヘッドが記録媒体と近接するために、インク滴が記録媒体と衝突した際に発生するインクの飛び散りが記録ヘッドのノズル面に跳ね返りノズル面を汚染することがある。
特にオンデマンド型のインクジェット式記録装置の記録ヘッドにおいては、インク滴の吐出がノズル近傍のインクへの微弱な加圧力によるために、インク滴の吐出エネルギーが小さく、記録媒体と数mm程度の間隔でしか配置されておらず、インクの飛び散りの跳ね返りがノズル面に付着しやすい。しかしながら加圧力が小さいため一旦ノズル内の目詰まりが発生すると、この目詰まりを容易に自己復帰させることはできない。
このため、記録ヘッドのノズルの目詰まりを予防あるいは回復するために、非印字動作中にノズル開口よりインクを吸引して目詰まりをしたインクを排出させるため、キャップ部材をノズル面に封止してノズル面を吸引する作業が行われる。
この種のキャップ部材の中には、インクを吸収するための吸収材が収容されているものがある(例えば特許文献1)。
特開平11−342633号公報(第4頁ないし第5頁、図4)
この種のキャップ部材の吸収材は、多孔質材であり、均一材質のものが使用されていてしかも長方形の部材である。
しかし、インクジェット式記録装置では、インクの種類が多様化しており、たとえば水性染料系インクや水性顔料系インクが使用され始めている。顔料系インクは、色材が粒子の状態で存在しているものであり、オゾンや光などに対する攻撃に強く、色褪せがしにくいという特徴がある。染料系インクは、インク滴が紙に染み込むことで色を再現するインクである。顔料系インクと染料系インクを1つのヘッドから別々のノズル列を通じて噴射する場合には、同一材質の吸収材を用いると、たとえば顔料インクの粒子が吸収材の表面に固化して堆積してしまい、堆積した粒子がヘッドのノズル面に付着する恐れがある。ここで顔料インクの粒子が吸収材に浸透するように吸収材全ての密度を大きくすると、吸収材がインクを保持できなくなり、吸収材のもう1つの機能であるキャップ内の保湿によりヘッドのノズル開口のインクの乾燥を防止する機能を損ねる恐れがある。
そこで本発明は上記課題を解消し、顔料系液体や染料系液体のような異なる種類の液体を使用する場合にいずれの液体をも確実に吸収してヘッドのノズル面に影響を与えないことで、ヘッドの液体吐出性能を確保することができる液体噴射装置および液体噴射装置の液体吸引装置を提供することを目的としている。
上記目的は、本発明にあっては、液体を噴射するヘッドのノズル面から前記液体を吸引する液体吸引装置を有する液体噴射装置であって、前記液体吸引装置は、前記ノズル面を封止するための本体と、前記本体内に配置されて前記ノズル面の複数のノズル列から噴射される前記液体を吸収する吸収材と、を有し、前記本体が前記ノズル面を封止した状態で、前記ノズル面の前記ノズル列に応じて前記吸収材の材質が異なることを特徴とする液体噴射装置により、達成される。
本発明の構成によれば、液体吸引装置の本体は、ノズル面を封止するためのものである。吸収材は、本体内に配置されてノズル面の複数のノズル列から噴射される液体を吸収する。この本体がノズル面を封止した状態で、ノズル面のノズル列に応じて吸収材の材質が異なる。
これにより、複数のノズル列から異なる種類の液体が噴射される場合に、ノズル列の噴射する異なる種類の液体に対応して、吸収材の材質を変えることにより、液体を確実に吸収することができる。したがって、ヘッドのノズル面における液体の噴射性能を確保することにより、液体噴射装置は確実に液体噴射することができる。
本発明は、固化しやすい前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記吸収材の第1部分の材質は、固化しにくい前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記吸収材の第2部分の材質に比べて密度が小さいことが望ましい。
これにより、固化しにくい液体側のノズル列に対応する吸収材の第2部分の材質に比べて、固化しやすい液体側のノズル列に対応する第1部分の密度が小さいことで固化しやすい液体を確実に吸収できる。
本発明は、固化しやすい前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記吸収材の第1部分の材質は、固化しにくい前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記吸収材の第2部分の材質に比べて浸透性が良いことが望ましい。
これにより、固化しやすい液体側のノズル列に対応する吸収材の第1部分が、第2部分に比べて浸透性が良好なので、固化しやすい液体を確実に吸収できる。
本発明は、前記固化しやすい液体は顔料系の液体であり前記固化しにくい液体は染料系の液体であることが望ましい。
これにより、顔料系の液体を確実に吸収できる。
本発明は、前記固化しやすい液体は前記固化しにくい液体より粘度が高いことが望ましい。
これにより、粘度の高い固化しやすい液体を確実に吸収できる。
本発明は、さらに、前記ノズル面の前記ノズル列に応じて、前記ノズル面と前記吸収材の表面との間の距離が変えて設定されていることが望ましい。
本発明の構成によれば、液体の種類に応じて、ノズル面と吸収材の表面との距離を変えることにより、粒子を含む液体を使用する場合に、この粒子が吸収材の表面に堆積することを考慮して距離を設定することができる。
本発明は、顔料系の前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記距離は、染料系の前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記距離に比べて大きく設定されていることが望ましい。
本発明の構成によれば、顔料系の液体が噴射されるノズル列に対応する距離は、染料系の液体が噴射されるノズル列に対応する距離に比べて大きく設定されている。
これにより、顔料系の液体の粒子が仮に吸収材の表面に堆積したとしても、ノズル列からは距離が離れているので、堆積した粒子がノズル面に対して影響を与えるのを防ぐことができる。
上記目的は、本発明にあっては、液体を噴射するヘッドを有する液体噴射装置において前記ヘッドのノズル面から前記液体を吸引する液体吸引装置であって、前記ノズル面を封止するための本体と、前記本体内に配置されて前記ノズル面の複数のノズル列から噴射される前記液体を吸収する吸収材と、を有し、前記本体が前記ノズル面を封止した状態で、前記ノズル面の前記ノズル列に応じて前記吸収材の材質が異なることを特徴とする液体噴射装置の液体吸引装置により、達成される。
これにより、複数のノズル列から異なる種類の液体が噴射される場合に、ノズル列の噴射する異なる種類の液体に対応して、吸収材の材質を変えることにより、液体を確実に吸収することができる。したがって、ヘッドのノズル面における液体の噴射性能を確保することにより、液体噴射装置は確実に液体噴射することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の液体噴射装置の好ましい実施形態であるインクジェット式記録装置10を示している。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、インクジェットプリンタとも呼んでいる。インクジェット式記録装置10は、本体部1を有している。この本体部1は、ガイドレール17、プラテン12、キャリッジ14、インク吸引装置20、記録ヘッド30を備えている。記録ヘッド30は、液体の噴射ヘッドの一例であり、印刷ヘッドとも言う。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、いわゆるオンキャリッジ型の記録装置であり、キャリッジ14の上部には、複数のインクカートリッジ2,3,4,5が着脱可能に装着できる。キャリッジ14の下部には、記録ヘッド30が設けられている。キャリッジ14は、ベルト15を介してモータ16に接続されている。モータ16が作動することによって、キャリッジ14はガイドレール17に沿ってプラテン12の軸方向である主走査方向Tに往復走行する。
ホームポジション18は、ガイドレール17の一方の端部に位置している。このホームポジション18は、キャリッジの走行経路の末端にある非印刷領域である。このホームポジション18には、本体部1の上にインク吸引装置20が配置されている。このインク吸引装置20は、キャッピングシステムもしくはキャッピング手段とも呼んでいる。図1のキャリッジ14の記録ヘッド30は、T1方向に沿ってホームポジション18に移動することで、インク吸引装置20のキャップ本体21に対面する。
インク吸引装置20は、記録ヘッド30のノズル開口のインクの乾燥を防止する機能と、吸引ポンプ19からの負圧をノズル開口に作用させてノズル開口からインクを強制的に吸引して排出させる機能を備える。この吸引ポンプ19は、インク吸引装置20を構成する一構成要素である。インク吸引装置20は、液体吸引装置の一例である。インクは液体の一例である。
この他に、インク吸引装置20の横には、ワイピング部材400が設けられている。このワイピング部材400は、必要に応じて記録ヘッド30のノズルプレート面に接触して、ノズルプレート面のインクを払拭する。
図2は、図1に示すインクジェット式記録装置10の電気的な接続例を示している。インクジェット式記録装置10の制御装置7は、ローカルプリンタケーブルまたは通信ネットワークを介してホストコンピュータ40のプリンタドライバ41に接続されている。プリンタドライバ41は、インクジェット式記録装置10に対して印刷やクリーニング動作あるいはインク吸引動作を実行させるためのコマンドを送るソフトウェアを搭載している。
図2に示すインクジェット式記録装置10は、制御装置7の他に、センサー8、インク吸引装置20、インクカートリッジ2,3,4,5、記録ヘッド30、キャリッジ14、用紙搬送機構15Aを含んでいる。
図1の実施形態では、複数のインクカートリッジ2,3,4,5が、キャリッジ14の上に直接搭載されているが、これに限らずインクカートリッジ2,3,4,5がキャリッジとは別の位置に搭載されている、いわゆるオフキャリッジ型のインクジェット式記録装置を採用しても勿論構わない。
図2の用紙搬送機構15Aは、図1の用紙29をプラテン12上を搬送するようになっている。用紙29は記録媒体の一種である。
図3は、図1に示す記録ヘッド30の構造例を示す断面図である。
インクジェット式記録装置10は、特にカラープリンタとして用いられる場合には、この記録ヘッド30は、種類の異なる複数種類のインクを吐出するために、インクの種類ごとに独立したインク経路50を有している。
各インクカートリッジ2,3,4,5からのインクは、インク供給針50Aを介してインク経路50に流入する。インクの種類ごとに独立したインク経路50は、それぞれ複数の圧力室51に接続されている。各圧力室51には、各ノズル開口列54A〜54Dが接続されている。圧力室51から押し出されたインク滴が、ノズル開口列54A〜54Dのノズル開口55A〜55Dから吐出される。
図4はノズルプレート面61におけるノズル開口列54A〜54Dの配列例を示している。異なるインクの種類とは、見かけ上の色の違いにとどまらず、インクの構成成分の種類や比率が異なることを意味する。各ノズル開口列54A〜54Dは、たとえば数10から数1000のノズル開口55A〜55Dから構成されている。
図4に示すように、各ノズル開口列54A〜54Dは、U方向に沿って間隔をおいて形成されておりたとえば4列形成されている。つまり各ノズル開口列54A〜54Dは、T方向に沿って間隔をおいて平行に配列されている。各ノズル開口列の長手方向はU方向である。
図示する実施形態では、たとえばノズル開口列54Aのノズル開口55Aは、水性顔料系のブラックインク(B)を噴射し、ノズル開口列54Bのノズル開口55Bは、水性顔料系のシアンインク(C)を噴射する。そして、たとえばノズル開口列54Cのノズル開口55Cは、水性染料系のマゼンタインク(M)を噴射し、ノズル開口列54Dのノズル開口55Dは、水性染料系のイエローインク(Y)を噴射する。
図4に示すノズルプレート面61は、ノズル面の一例であるが、ノズルプレート面61に撥水部800が形成されている。この撥水部800は撥液部の一例である。この撥水部800は、たとえばフッ素樹脂(4フッ化エチレン樹脂)を形成することにより得られる。
撥水部800は、各ノズル開口列54をすべて含む領域である。このように各ノズル開口列54をすべて含む領域に撥液部の一例である撥水部を形成することにより、各ノズル開口でのインクのメニスカス形状を安定させるとともに、ノズル開口からインクを吐出する際に、インクのドット(インク滴)の直進性を得るために、少なくともノズル開口の付近のインクに対する濡れ性を均一化することができる。
ノズルプレート面61のインクは、たとえばワイピング部材400と記録ヘッド30との相対的な移動によりワイピング部材400をノズルプレート面61に軽く当接するだけで、払拭してクリーニングすることができる構造になっている。図4の例では、実際には記録ヘッド30がワイピング部材400に対してたとえばT2方向に移動することにより、ワイピング部材400がノズルプレート面61のインクを機械的に軽く接触しながら払拭することができる。
図5は、本発明のインクジェット式記録装置の記録ヘッド30の内部構造例を示している。上述したインクカートリッジから供給されるインクは、インク経路50を通って圧力室51へ供給される。印刷の際には、圧力発生素子としての圧電振動子39が伸縮動作することによって、圧力室51の容積を変化させて、圧力室51内のインクに圧力変動を生じさせる。これによって、ノズル開口55A〜55Dからインク滴が吐出できる。
記録ヘッド30内のインク中に気泡が混入したり、インク経路50や圧力室51内に増粘したインクが存在すると、インクの正常な流れが阻害されて、正常なインクの吐出が行えないことがある。この場合には、図2に示すインク吸引装置20が用いられ、このインク吸引装置20によるインクの強制排出が必要となる。
また、インクジェット式記録装置10を最初に使用する際の開始時や、インクカートリッジを別の種類のインクカートリッジに交換した場合では、図3の記録ヘッド30内のインク経路50の中にインクを充填する必要がある。このような初期のインクの充填に際しても、インク吸引装置20が使用され、このインク吸引装置20は、図3の記録ヘッド30のノズル開口55A〜55Dから空気およびインクが強制的に吸引されてノズル開口55A〜55Dから排出される。
次に、図6と図7に示す液体吸引装置の一例であるインク吸引装置20について説明する。
図6は、インク吸引装置20のキャップ本体21が記録ヘッド30のノズルプレート面61から離れた待機状態を示しており、図7は、インク吸引装置20がノズルプレート面61を封止して吸引している状態の例を示している。
図6と図7に示すインク吸引装置20は、キャプ本体21、吸収材22、吸引部500、大気開放部600そして昇降手段250を有している。図8はキャップ本体21と記録ヘッド30の構造例を示す斜視図である。
キャップ本体21は、金属やプラスチックにより作られており、底部21Aと4つの側面部21Bを有している。キャップ本体21の上部には上部開口21Cが形成されている。上部開口21Cの大きさは、ノズルプレート面61の大きさよりもやや小さくなっていて、キャップ本体21の上端部は弾性変形可能な密着部材29を有している。この密着部材29は、ノズルプレート面61を封止できる。
図6に示すように、吸引部500は、吸引用パイプ501と吸引ポンプ19を有している。吸引用パイプ501の一端部はキャップ本体21の底部21Aに対して接続されている。吸引ポンプ19は吸引用パイプ501に接続されていて、吸引ポンプ19が作動することにより、キャップ本体21内のインクと気泡が廃インクタンク100側に廃棄できるようになっている。
大気開放部600は、大気開放パイプ601と大気開放バルブ605を有している。大気開放パイプ601の一端部はキャップ本体21の底部21Aに接続されている。大気開放バルブ605は大気開放パイプ601に接続されていて、たとえばソレノイドを作動することにより大気開放パイプ601を閉鎖したり開放したりすることができる。これにより、キャップ本体21内は負圧状態から大気圧状態に回復できる。
図6に示す昇降手段250は、キャップ本体21を待機状態から図7に示す上昇した位置までZ2方向に上昇させることができる。これによりキャップ本体21の密着部材29は、ノズルプレート面61に対して密着することで、キャップ本体21はノズルプレート面61のすべてのノズル開口列54A〜54Dを封止することができる。
逆に昇降手段250が作動することにより、キャップ本体21は図7に示すキャップ本体21の封止状態から図6に示す待機状態にZ1方向に沿って戻すことができる。
次に、図6と図7と図8に示す吸収材22について説明する。
吸収材22はキャップ本体21内に収容されている略直方体形状の部材である。吸収材22は、記録ヘッド30のノズルプレート面61のノズル開口列54Aないし54Dのノズル開口55Aないし55Dから噴射されるインクを吸収するための部材である。吸収材22は、たとえば発泡プラスチックであるポリビニルアルコール(PVA)を原料としたスポンジなどを用いることができる。このような発泡プラスチックは、好ましくは親水性を有する材質であり、このような親水性を有する材質を使用することが望ましい。
図6に示すように、この吸収材22は、第1部分22Aと第2部分22Bにより構成されている。
第1部分22Aは、2つのノズル開口列54Aとノズル開口列54Bに対応した位置に配置されている。同様にして第2部分22Bは、2つのノズル開口列54Cとノズル開口列54Dに対応して配置されている。図8では、この吸収材22の第1部分22Aと第2部分22Bがキャップ本体21内に収容された様子を示している。図9は、この吸収材22の形状例を示している。第1部分22Aと第2部分22Bは、それぞれ直方体形状であるが、第1部分22AのZ方向の高さH1は、第2部分22Bの高さH2に比べると小さく設定されている。つまり第1部分22Aの第1表面91が、第2部分22Bの第2表面92に比べて低い位置にある。
図6と図7に示すように、第1表面91は、第2表面92に比べてノズルプレート面61から離れた位置に位置していることになる。したがって、図7に示すようにキャップ本体21がノズルプレート面61に密着して封止した状態では、第1部分22Aの第1表面91とノズルプレート面61との距離D1は、第2部分22Bの第2表面92とノズルプレート面61の間の距離D2に比べて大きく設定されている。
このように第1表面91が第2表面92に比べて低く位置されていて、距離D1が距離D2に比べて大きく設定されているのは次のような理由からである。
ノズル開口列54A,54Bは、水性顔料系のインクを吐出するのに対して、ノズル開口列54C,54Dは水性染料系のインクを吐出する。水性顔料系のインクは、色材が粒子の状態で存在しているので、ノズル開口55A,55Bから水性顔料系のインクを噴射すると、粒子が第1表面91に堆積しやすい。
これに対して、水性染料系のインクがノズル開口55C,55Dから噴射されても、水性染料系のインク滴が紙のようなメディアに対して染み込むことで色を再現する仕組みであるので、粒子が第2表面92に堆積することはない。
このようなことから、第1表面91は、水性顔料系のインクの粒子が堆積することをあらかじめ考慮して、ノズルプレート面61から見ると第2表面92に比べて低く設定されている。もし第1表面91に対して水性顔料系のインクの粒子が堆積したとしても、距離D1が距離D2に比べて大きく設定されているので、堆積した粒子が直接接触することを確実に防ぐことができる。
このことから、ノズルプレート面61の各ノズル開口列のノズル開口からの液体の噴射性能を阻害せずに液体噴射性能を確保することができる。
吸収材22の第1部分22Aの組織密度は、第2部分22Bの組織密度に比べて異なっている。つまり第1部分22Aの組織は粗くなっていて、第2部分22Bの組織は第1部分22Aに比べて細かくなっている。言い換えれば第1部分22Aの材質は、第2部分22Bの材質に比べて密度が小さくなっている。
これによって、第1部分22Aは粒子を含む水性顔料系のインクを吸収しやすくしている。第2部分22Bは、水性染料系のインクを吸収するので、第1部分22Aに比べて組織を細かくしても水性染料系をインクを吸収することができる。
このような第1部分22Aと第2部分22Bの組織を変えることにより、ノズル開口55A,55Bから噴射される水性顔料系のインクと、ノズル開口55C,55Dから噴射される水性染料系のインクを、それぞれ第1部分22A、第2部分22Bを通じて、吸引ポンプ19の吸引により廃インクタンク100側にスムーズかつ確実に吸引して排出することができるのである。
次に、吸収材22が、キャップ本体21内において固定される構造について説明する。
図6と図8に示すように、吸収材22の第1部分22Aと第2部分22Bは、それぞれ複数本の突出部材150と、1つの押さえ部材130により確実に固定して保持されている。
突出部材150は、図6に示すように、キャップ本体21の内部にZ2方向に突出して平行に形成されている。突出部材150は、好ましくはノズル開口55Aないし55Dには対面せずにノズル開口からはずれた位置に形成されている。これにより、ノズル開口から噴射されるインクが直接突出部材150の上に載るのを防げる。突出部材150はたとえばプラスチックにより作られている。突出部材150はピン形状の部材であるが、図10に示すように突出部材150の先端には細径部分151を有している。
押さえ部材130は、図6と図8に示すように好ましくは弾性変形可能な金属材料により作られた薄板状の部材である。押さえ部材130は、たとえば薄板状の金属材料を打ち抜くことにより形成されている。押さえ部材130は、図10に示すように孔部131を有している。この孔部131は、各突出部材150の細径部分151に対応した位置にあり、孔部131の内径は細径部分151の外径に対応している。
図8に示すように、キャップ本体21内には第1部分22A、第2部分22Bが収容されているが、図9に示すように第1部分22Aと第2部分22Bは、それぞれ貫通孔133を有している。この貫通孔133は、各突出部材150に対応して形成されている。突出部材150が各対応する貫通孔133に通されることにより、図6に示すように第1部分22Aと第2部分22Bは、キャップ本体21内において保持される。
しかも、図10のように各突出部材150の細径部分151には、押さえ部材130の孔部131とされることにより、押さえ部材130が第1表面91と第2表面92に密着して配置される。その後、図10(B)に示すように、細径部分151をヒータ部材により加熱しながらZ1方向に押さえ付けて熱カシメすることにより固定部分155を形成する。
この固定部分155は、たとえば半球状に形成するのが望ましい。この固定部分155が、突出部材150に対して押さえ部材130を確実に機械的に固定することができ、押さえ部材130は第1部分22Aと第2部分22Bを、キャップ本体21の底面部21Aの内底面に対して押し付けるようにして確実に固定することができる。第1部分22Aと第2部分22Bは、突出部材150と押さえ部材130によりキャップ本体21内において確実に保持して固定することができる。
図10に示す固定部分155が半球状に形成できるようにすることで、仮に図7で示すノズル開口55Aないし55Dからインクが噴射された時にこの固定部分155にインクが載った場合であっても、固定部分155が半球状であるので、載ったインクは固定部分155を伝って第1表面91もしくは第2表面92側に確実に導くことができる。このことから固定部分155の上においてインクが固まってしまうような問題を解消することができる。
図9に示す第2部分22Bには大気開放口22Hが形成されている。この大気開放口22Hは、図6に示す大気開放部600の大気開放パイプ601に接続されている。これによって、図7に示すようにキャップ本体21がノズルプレート面61を封止した状態において、キャップ本体21内が負圧状態になった場合に、この負圧状態を大気圧状態に戻す場合に、キャップ本体21内は、大気開放パイプ601と図9に示す大気開放口22Hを通じて確実にかつスムーズに大気圧状態に戻すことができる。
図8に示すように押さえ部材130は、第1表面91と第2表面92をそれぞれ別々の部分130A,130Bにより押さえ付ける構造である。ただし、部分130A,130Bは、第1表面91と第2表面92の高さに応じてあらかじめ成形されている。このような部分130A,130Bを用いることにより、第1部分22Aの第1表面91と第2部分22Bの第2表面92の高さが異なった場合でも、確実にキャップ本体21内に吸収材22を機械的に押さえ付けることができるというメリットがある。
次に、図11を参照しながら、本発明の実施形態の液体噴射装置における液体噴射ヘッドの液体吸引方法の一例について説明する。
図1に示すインクジェット式記録装置10の最初の使用の開始時や、インクカートリッジを別のインクカートリッジに交換した場合には、記録ヘッド30のインク経路50の中にインクを充填する必要がある。この充填に際しては、インク吸引装置20によって、記録ヘッド30のノズル開口55から空気およびインクが強制的に吸引されて排出してクリーニングする場合がある。
また、記録ヘッド30のインク中に気泡が混入したりあるいはインク経路50に増粘したインクが存在すると、インクの正常な流れが阻害される場合がある。このような場合にも、インク吸引装置20によりインクの強制排出をしてクリーニングする場合がある。
図11に示す印刷ステップST1では、図1に示す記録ヘッド30とキャリッジ14は、印刷中にはインク吸引装置20から離れた印刷領域に位置している。これにより、キャリッジ14とともに記録ヘッド30が印刷領域で移動することにより、用紙29に対して印刷をすることができる。しかし、上述したように記録ヘッド30の吸引動作(クリーニングともいう)を行う必要がある場合には、図1のキャリッジ14および記録ヘッド30が、ヘッド移動方向T1に移動して図6に示すようにホームポジション18に位置決めされる。図6に示すように記録ヘッド30がホームポジション18に位置決めされると、記録ヘッド30のノズルプレート面61はインク吸引装置20の上部に位置する。
図11のステップST2では、図2に示す制御装置7がインク吸引装置20に対してインク吸引動作の実行指令を行う。
図11のステップST3では、図6に示す昇降手段250がキャップ本体21をZ2方向に上昇させることにより、図7に示すようにキャップ本体21の密着部材29がノズルプレート面61を封止する。
図11のインク吸引ステップST4では、図7に示す吸引ポンプ19を作動させて、インクをキャップ本体21の吸収材22側に吸引する。この時には大気開放バルブ605は閉じている。これによって、図9に示すようにノズルプレート面61のたとえばノズル開口55A,55B,55C,55Dに形成されているインク滴が、吸収材22の第1表面91と第2表面92を通じて吸収材22の中を通り、そして図7に示す吸引用パイプ501、ポンプ19を通じて廃インクタンク100側に排出することができる。
ステップST5では、キャップ本体21内の負圧を大気圧に戻す。つまり大気開放バルブ605が閉じた状態から開いた状態に変わり、これによりキャップ本体21内が負圧の状態から大気圧にスムーズに回復される。
その後、図11に示すように、ステップST6では図7に示す昇降手段250が作動して図7に示すキャップ本体21が図7の上昇状態から図6に示す待機状態に戻ることになる。
大気開放バルブ605は、キャップ本体21をノズルプレート面61から開ける前にキャップ本体21内を大気圧に戻すと共にキャップ内のインクを排出するのに有効である。もしもこの大気開放バルブ605がない場合には、キャップ本体21内を負圧から大気圧に戻すまでの時間は、長い場合では数10秒必要となり、またキャップを開放する際にキャップ内のインクがこぼれる恐れがあるためインクの吸引作業が効率よく行えない。
上述したような液体噴射ヘッドの液体吸引方法を行う場合に、図6と図7に示すような吸収材22の構造を採用していることから次のようなメリットがある。
図7に示すように、キャップ本体21の密着部分29がノズルプレート面61に対して密着することで、キャップ本体21がノズルプレート面61を封止している状態で、ノズル開口列54Aないし54Dのノズル開口55Aないし55Dからインクをたとえば噴射もしくはフラッシングする場合を考える。
この場合に、ノズル開口列54A,54Bからは、水性顔料系のインクが第1部分22Aの第1部分91に噴射される。ノズル開口列54C,54Dからは水性染料系のインクが第2部分22Bの第2表面92に噴射される。
水性顔料系のインクは、第1部分22Aに吸収されて吸引ポンプ19を通じて廃インクタンク100に排出される。これに対して水性染料系のインクは、第2部分22Bに吸収されて吸引ポンプ19により廃インクタンク100側に排出される。
図7に示すように、第1部分22Aの第1表面91の距離D1は、第2表面92の距離D2に比べて大きく設定されている。このことから、仮に水性顔料系のインクに含まれる粒子が第1表面91に堆積したとしても、あらかじめ距離D1が大きく確保されているので、堆積した粒子がノズルプレート面61に付着してしまいノズル開口を閉塞してしまうような現象は生じない。
また水性染料系のインクがノズル開口列54C,54Dから噴射された場合に、水性染料系のインクはミスト(霧状)になりやすい。しかし距離D2は距離D1よりも小さく設定されているので、水性染料系のインクがミスト状になる前に第2表面92に到達させやすいので、水性染料系のインクがミスト化するのを極力防ぐことができる。
もし水性染料系のインクがミスト化すると、キャップ本体21の封止を解除した後に、そのミストがインクジェット式記録装置の各部分に飛散して汚染する恐れがあるが、本発明の実施形態では、そのような現象を防ぐことができる。
ここで、図12を参照しながら、染料系インクと顔料系インクに対して、距離Dの大きさに対するインクのミスト形成の可能性、およびインクの粒子の堆積によるノズルプレート面への影響について例示する。
吸収材表面とノズルプレート面61との距離(間隔ともいう)Dは、図7および図12(B)に例示している。図12(A)では、染料系インクに関しては、インクのミスト形成の可能性を例示し、顔料系インクについてはインクの粒子の堆積によるノズルプレート面の影響について例示している。
吸収材表面とノズルプレート面61との距離Dの例としては、1mm,1.2mm,1.5mmを例に挙げている。染料系インクのミスト形成(ミスト浮遊)の可能性としては、距離Dが1mmである場合には、比較的小さいが、距離Dが1.2mmとやや大きいと可能性が大きくなり、そして1.5mmになるとミスト形成可能性は大きくなる。
これに対して、顔料系インクの粒子が吸収材の表面に堆積することによるノズルプレート面61への影響については、距離Dが1mmの場合には大きく、1.2mmの場合には中くらいであり、そして1.5mmの場合は小さくなる。
以上のことから、染料系インクを噴射する場合には、インクのミストの形成を防ぐためにできる限り距離Dを小さくするのが望ましい。これに対して、顔料系インクを噴射する場合には、仮にインクの粒子の堆積が生じた場合に堆積した粒子がノズルプレート面へ影響を与えるのを防ぐために、間隔Dを比較的大きくとるのが望ましいことが分かる。
本発明の他の実施形態
次に、本発明の他の実施形態について説明する。これから説明する本発明の他の実施形態において、図6と図7に示す実施形態と同じ箇所には、同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図13と図14に示す実施形態では、吸収材22の第1部分22Aが、ノズル開口列54Aのみに対応している。これに対して第2部分22Bは、3つのノズル開口列54Bないし54Dに対応している。この場合には、ノズル開口列54Aは水性顔料系のインクを噴射し、残りの3つのノズル開口列54Bないし54Dは水性染料系のインクを噴射する。第1部分22Aの距離D1は第2部分22Bの距離D2と比べて大きく設定されている。しかも第1部分22Aの組織は粗く、第2部分22Bの組織は第1部分22Aの組織に比べて細かくなっている。つまり第1部分22Aの材質は、第2部分22Bの材質に比べて密度が小さい。
このように図13と図14に示す実施形態は、1列のノズル開口列が水性顔料系のインクを吐出する場合に用いることができる。
図15の実施形態は、ノズル開口列54A,54Bに対応して第1部分22Aが配置されており、ノズル開口列54C,54Dに対応して第2部分22Bが配置されている。図15の実施形態が図7の実施形態と異なるのは、押さえ部材130が設けられていないことである。第1部分22A、第2部分22Bは、突出部材150だけでキャップ本体21内に保持して固定されている。この場合に突出部材150の先端部分には熱カシメなどにより固定部分150Aが形成されている。この固定部分150Aが第1部分22Aの第1表面91と第2部分22Bの第2表面92を押して固定している。
図16と図17の実施形態では、ノズル開口列54A,54Bは第1部分22Aに対応しており、ノズル開口列54C,54Dは第2部分22Bに対応している。ノズル開口列54A,54Bは水性顔料系のインクを噴射し、ノズル開口列54C,54Dは水性染料系のインクを噴射する。
図16,17に示す実施形態が図7に示す実施形態と異なるのは、押さえ部材130の形状である。押さえ部材130の部分130Aと部分130Bは別部材になっている。部分130Aは第1表面91を機械的に固定しており、部分130Bは第2表面92を機械的に固定している。このようにすることで押さえ部材130の形成が容易になる。
図18と図19の実施形態では、ノズル開口列54A,54Bが第1部分22Aに対応しており、ノズル開口列54C,54Dが第2部分22Bに対応している。しかし、図19に示すように、押さえ部材130の部分130A,130Bは、中央の突出部材150において折り曲げて形成されている。つまり吸収材22の第1部分22Aと第2部分22Bはこの突出部材150の中央位置で区切られている。押さえ部材130の部分130A,130Bは、接続部分130Cにより一体的に形成されている。
図20の実施形態では、吸収材22は、高さH1の第1部分22A、高さH2の第2部分22B、高さH3の第3部分22Cを有している。第1部分22Aの距離D1は、第2部分22Bの距離D2に比べて大きい。第2部分22Bの距離D2は、第3部分22Cの距離D3に比べて大きい。
この例では、ノズル開口列54Aが第1部分22Aの第1表面91に対面している。ノズル開口列54Bは、第2部分22Bの第2表面92に対面している。そしてノズル開口列54C,54Dは、第3部分22Cの第3表面93に対面している。ノズル開口列54C,54Dは、水性染料系のインクを噴射する。これに対して、ノズル開口列54A,54Bは、水性顔料系のインクを噴射する。ただし、たとえばノズル開口列54Aが噴射する水性顔料系の粒子の量は、ノズル開口列54Bが噴射する水性顔料系の粒子の量に比べて大きい場合である。
このようにすることで第1部分22Aの第1表面91には、第2部分22Bの第2表面92に比べてより大きい粒子が堆積したとしても、堆積した粒子がノズルプレート面61に対して影響を与えてしまうのを極力防ぐことができる。
図21,図22は、本発明のさらに別の実施形態を示している。
吸収材22の第1部分22Aの第1表面91と第2部分22Bの第2表面92は、同じ平面である。このため第1表面91と第2表面92とノズルプレート面61との距離Dは同じである。ただし第1部分22Aの組織は粗く、第2部分22Bの組織は第1部分22Aの組織に比べると細かくなっている。つまり第1部分22Aは第2部分22Bに比べて密度が小さい。ノズル開口列54A,54Bは、水性顔料系のインクを噴射し、ノズル開口列54C,54Dは水性染料系のインクを噴射する。
このように第1表面91と第2表面92の高さを変えずに、第1部分22Aと第2部分22Bの組織の粗さを変えることにより、2つの種類のインクを吸引ポンプ19を用いて確実に吸引して排出することができる。
これは、堆積は発生しないが、吸収材内でインクが固化して目詰まりを発生させるような場合に有効である。
本発明の各実施形態において、第1部分22A、第2部分22Bは、同じ材料を用いて、組織を変えることにより材質が異なるように設定されている。しかしこれに限らず第1部分22A、第2部分22Bは、異なる材料を用いて、第1部分22Aの組織が粗く第2部分22Bの組織が細かくなるようにして、吸収材の第1部分と第2部分の材質が異なるように設定しても構わない。また、同じ密度でも異なる材質にすることで液体の浸透性が異なるようにしても良い。例えば前述のPVAと不織布を組み合わせた場合、不織布の方が、浸透性が良い。
いずれにしても、第1部分22Aの材質は、第2部分22Bの材質に比べて浸透性が良くなるように設定されている。
本発明の実施形態では、複数のノズル列から異なる種類の液体が噴射される場合に、異なる種類の液体に応じて、吸収材の材質を変えることにより、液体を確実に吸収することができる。したがって、ヘッドのノズル面における液体の噴射性能を確保することにより、液体噴射装置は確実に液体噴射することができる。粒子を含む顔料系の液体は第1部分により確実に吸収することができる。染料系の液体は第2部分の材質により確実に吸収することができる。
本発明の実施形態では、液体の種類に応じて、ノズル面と吸収材の表面との距離を変えることにより、粒子を含む液体を使用する場合に、この粒子が吸収材の表面に堆積することを考慮して距離を設定することができる。顔料系の液体の粒子が仮に吸収材の表面に堆積したとしても、距離が離れているので、堆積した粒子がノズル面に対して影響を与えるのを防ぐことができる。
図示した本発明の実施形態においては、顔料系のブラックインクとシアンインク、染料系のマゼンタインクとイエローインクの各インクを使用する4つのインクカートリッジが、キャリッジに装着できるようになっている。しかし、これは一例であり、顔料系インクと染料系インクの色の種類や数は任意に選択できる。また、顔料系インクのみや染料系インクのみでも良い。同じ系列のインクでも、粘度が異なることで、固化の状況は変わるからである。
本発明は、インクジェット式記録装置としての上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。さらに、上述の各実施形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。また、本発明は、インクジェット式記録装置に限らず、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発行ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置等にも適用できる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
本発明の液体噴射装置の実施形態に係るインクジェット式記録装置を示す概略斜視図。 図1のインクジェット式記録装置の電気的接続例を示す図。 記録ヘッドの構造例を示す図。 ノズルプレート面とワイピング部材の形状例を示す図。 記録ヘッドの構造例を示す断面図。 インク吸引装置が待機状態である状態を示す図。 インク吸引装置が吸引状態になった状態を示す図。 図6と図7に示す記録ヘッドおよびインク吸引装置を示す斜視図。 図8の吸収材の形状例を示す斜視図。 突出部材と押さえ部材の固定例を示す図。 インク吸引装置によるインク吸引動作を示すフロー図。 染料系インクと顔料系インクに対する距離の関係例を示す図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。 図13の実施形態を示すインク吸引装置などの斜視図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。 図16の実施形態のインク吸引装置などを示す斜視図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。 図18に示す実施形態のインク吸引装置などを示す斜視図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。 図21に示す実施形態のインク吸引装置などを示す斜視図。
符号の説明
10・・・インクジェット式記録装置、20・・・インク吸引装置(液体吸引装置の一例)、21・・・キャップ本体(本体の一例)、22・・・吸収材、22A・・・第1部分、22B・・・第2部分、30・・・記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一例)、61・・・ノズルプレート面(ノズル面の一例)、130・・・押さえ部材、150・・・突出部材、D1,D2・・・ノズルプレート面と吸収材の表面との距離

Claims (8)

  1. 液体を噴射するヘッドのノズル面から前記液体を吸引する液体吸引装置を有する液体噴射装置であって、
    前記液体吸引装置は、
    前記ノズル面を封止するための本体と、
    前記本体内に配置されて前記ノズル面の複数のノズル列から噴射される前記液体を吸収する吸収材と、を有し、
    前記本体が前記ノズル面を封止した状態で、前記ノズル面の前記ノズル列に応じて前記吸収材の材質が異なることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 固化しやすい前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記吸収材の第1部分の材質は、固化しにくい前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記吸収材の第2部分の材質に比べて密度が小さいことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 固化しやすい前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記吸収材の第1部分の材質は、固化しにくい前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記吸収材の第2部分の材質に比べて浸透性が良いことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 前記固化しやすい液体は顔料系の液体であり前記固化しにくい液体は染料系の液体であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液体噴射装置。
  5. 前記固化しやすい液体は前記固化しにくい液体より粘度が高いことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液体噴射装置
  6. さらに、前記ノズル面の前記ノズル列に応じて、前記ノズル面と前記吸収材の表面との間の距離が変えて設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 顔料系の前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記距離は、染料系の前記液体が噴射される前記ノズル列に対応する前記距離に比べて大きく設定されていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  8. 液体を噴射するヘッドを有する液体噴射装置において前記ヘッドのノズル面から前記液体を吸引する液体吸引装置であって、
    前記ノズル面を封止するための本体と、
    前記本体内に配置されて前記ノズル面の複数のノズル列から噴射される前記液体を吸収する吸収材と、を有し、
    前記本体が前記ノズル面を封止した状態で、前記ノズル面の前記ノズル列に応じて前記吸収材の材質が異なることを特徴とする液体噴射装置の液体吸引装置。
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