JP2005186494A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液体流路内の気泡がフィルタ部材を覆って液体の供給を阻害することを防止すると共に、吸引排出動作によって気泡をより効率的に吸引排出することが可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】 インク導入針19におけるインク導入路41内に気泡干渉部材44を配設する。気泡干渉部材44は、内部に排出路60が形成された細長い中空管状の気泡排出管部61と、この気泡排出管部61の外周面から外側に向けて突出した気泡干渉リブ62とから構成され、インク導入路41内のフィルタ18の上流側面に配設されている。気泡干渉リブ62によって、インク導入路41の内面との間に間隙Sを区画している。また、気泡排出管部61の上流側端部は、気泡干渉リブ62よりも上流側に突出させて形成し、インク導入路41の長手方向略中央に位置するように構成されている。
【選択図】 図13

Description

本発明は、インクジェット式記録装置、ディスプレー製造装置、電極形成装置、或いは、バイオチップ製造装置等、液体噴射ヘッドを用いて液体を噴射する液体噴射装置、及び、その駆動制御方法に係り、特に、カートリッジに貯留された液体を液体導入針を介して液体噴射ヘッド側に導入するものに関する。
液体を液滴の状態で吐出可能な液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置としては、例えば、インク滴を吐出して記録紙上に画像等を記録する画像記録装置、液状の電極材を基板上に吐出して電極を形成する電極形成装置、生体試料を吐出してバイオチップを製造するバイオチップ製造装置、或いは、所定量の試料を容器に吐出するマイクロピペットが提案されている。この種の液体噴射装置では、吐出する液体を貯留容器に貯留し、この液体を液体噴射ヘッドに供給して吐出させている。
この種の液体噴射装置には、流通に乗せ易く取り扱いが容易なカートリッジを液体の貯留容器として用いるものが提案されている。例えば、画像記録装置の一種であるインクジェット式プリンタでは、液体状のインクを封入したインクカートリッジを使用するものが広く普及している。この構成では、カートリッジをカートリッジ装着部に装着して液体導入針をカートリッジ内に挿入することで、この液体導入針の先端側に開設された液体導入孔を通じてカートリッジ内の液体を液体噴射ヘッド側に導入している。例えば、上記のプリンタでは、キャリッジに設けたカートリッジホルダにインクカートリッジを装着することで、インクカートリッジ内に封入されたインクを記録ヘッド側に導入している。
カートリッジを用いる上記構成では、液体導入針から液体噴射ヘッドまでの液体流路が使用液体で満たされている状態が望ましいが、未使用のカートリッジ内の液体貯留空間は脱気(負圧)状態に調整されているため、カートリッジに液体導入針を挿入してカートリッジ内の弁を開いた際に、カートリッジと液体導入針の境界部分に空気が入り込んでしまう。そして、液体噴射ヘッド内への液体の充填時に、この空気が気泡として液体と一緒に液体導入針内に導入される。この気泡が使用時における液体の流れに乗って液体噴射ヘッド側に移動してしまうと、液体の吐出に不具合が生じる可能性がある。例えば、液体導入針の下流端に配設された異物濾過用のフィルタに気泡が接触して、このフィルタの表面を気泡が覆った状態で留まってしまうことがある。この場合、フィルタを覆った気泡によって液体のフィルタの通過が妨げられるので液体の供給量が不足し、多くのノズル開口から液体が吐出されない所謂多ノズル抜けの状態が生じる。また、気泡がフィルタを通り抜けてしまうと、この気泡はノズル開口からヘッド外部に排出されてしまうので、このノズル開口から液滴が吐出されない所謂ドット抜けの状態が生じる。
このような気泡による不具合を防止するため、工場から出荷された装置に初めてカートリッジを装着した際、或いは、それまで装着していたカートリッジを取り外して別のカートリッジを装着した際に吸引排出動作を行う装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置によれば、新たなカートリッジが装着されると吸引排出動作が適宜行われる。この吸引排出動作では、ノズル形成面がキャップ部材によって封止され、この封止状態でポンプユニット13が作動してキャップ部材の負圧空部が負圧化される。負圧空部の負圧化により、この負圧空部に臨んでいるノズル開口を通じて、液体噴射ヘッド内の液体が負圧空部側に吸引される。このとき、液体と一緒に液体内の気泡も排出されるので、液体導入針内の気泡に起因する不具合を防止できる。
ところが、液体導入針の液体導入孔から液体流路内に入り込んだ直後の気泡は、比較的小さな気泡に分かれた状態で浮遊しているので液体の流れに乗り難い。従って、この気泡を排除するためには、液体の流れを十分に速くし、且つ、長時間に亘って液体を吸引する必要がある。その結果、新たなカートリッジを装着する毎に大量の液体が消費されることとなり、使用可能な液体量が減少してしまう。
一方、液体の流速を抑えたり液体の吸引時間を短くしたりして液体の消費量を抑えてしまうと、上記の気泡は排出されずに針内に残る可能性が高い。この場合、これらの気泡はその後合体してより大きな気泡となる。合体後の気泡は、流れてくる液体中の空気を吸収する等してさらに大きな気泡に成長する。そして、過度に成長した気泡が液体の流れによって下流側に移動すると、上記したドット抜け等の不具合の原因となる。
そのため、新たなカートリッジが装着されて液体が液体噴射ヘッド内に導入された時点から所定の時間(インターバル時間)をおいた後、充填時よりも吸引量を多く設定した吸引排出動作を実行することにより、上記インターバル時間において合体して比較的大きくなった気泡を排出するようにしたものも提案されている。
特開2001−239679号公報
しかしながら、この場合、インターバル時間を設ける必要があるため、その分、吐出動作の開始までの時間が長くなってしまう問題があった。
また、より大きな気泡を完全に除去するためには、比較的多い吸引量に設定する必要があり、液体を過剰に消費してしまう問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体流路内の気泡がフィルタ部材を覆って液体の供給を阻害することを防止すると共に、吸引排出動作によって気泡をより効率的に吸引排出することが可能な液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、液体貯留部材内の液体を先端側に開設された液体導入孔から液体流路内に導入する液体導入針と、前記液体流路内の液体を濾過するフィルタ部材とを有し、前記液体導入針から前記液体流路内に導入された液体を前記フィルタ部材を通じて圧力室側に案内し、圧力発生手段の作動によって前記圧力室内の液体をノズル開口から液滴として吐出可能な液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置において、
前記フィルタ部材の上流側の液体流路内に、該液体流路の内面との間に液体が通過可能な間隙を形成する遊動可能状態で気泡干渉部材を配設したことを特徴とする。
上記構成において、前記気泡干渉部材が、前記フィルタ部材に対して点接触する状態で配設する構成を採ることが望ましい。
この構成において、前記気泡干渉部材が外側に向けて突出した突出部を有し、該突出部を前記フィルタ部材に点接触させた状態で前記気泡干渉部材を配設する構成を採ることもできる。
また、上記各構成において、前記気泡干渉部材が、前記液体よりも比重が大きい素材で作製されていることが望ましい。
また、上記各構成において、前記液体流路内に複数の気泡干渉部材を配設する構成を採ることもできる。
さらに、上記各構成において、前記液体流路の前記フィルタ部材よりも上流側の内面から液体導入針の径中心方向に向けて吐出するリブを配設する構成を採用することもできる。
また、本発明の液体噴射装置は、液体貯留部材内の液体を先端側に開設された液体導入孔から液体流路内に導入する液体導入針と、前記液体流路内の液体を濾過するフィルタ部材とを有し、前記液体導入針から前記液体流路内に導入された液体を前記フィルタ部材を通じて圧力室側に案内し、圧力発生手段の作動によって前記圧力室内の液体をノズル開口から液滴として吐出可能な液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置において、
前記液体流路内における前記フィルタ部材の上流側に気泡干渉部材を設け、
該気泡干渉部材は、中空管状の気泡排出管部と、該気泡排出管部の外周面から外側に向けて突出した気泡干渉部とから構成し、
前記ノズル開口から前記液体流路内の液体及び気泡を強制的に吸引排出する吸引排出動作において、前記気泡干渉部材よりも上流側の気泡を前記気泡排出管部を通じて吸引排出可能に構成したことを特徴とする。
上記構成において、前記気泡干渉部材を、前記液体よりも比重が大きい素材で作製する構成を採るのが望ましい。
また、上記構成において、前記気泡排出管部の上流側端部を、前記液体流路内の配設状態における前記気泡干渉部よりも上流側に突出させて形成する構成を採用するのが望ましい。
また、前期気泡排出管部を、上流側から下流側に向けて拡径した形状に構成するのが望ましい。
本発明によれば、フィルタ部材の上流側の液体流路内に、該液体流路の内面との間に液体が通過可能な間隙を形成する遊動可能状態で気泡干渉部材を配設したので、この気泡干渉部材が液体流路内の気泡に対して障害物として機能し、気泡のフィルタ部材側への進入を抑制する。このため、気泡がフィルタ部材を覆って液体の供給を阻害することを防止することができる。
また、気泡干渉部材は、液体噴射ヘッドの往復移動(走査)に伴って動くので、液体流路内の液体を攪拌することができる。これにより、液体流路内の気泡が分散され、液体流路内で成長した気泡が液体流路やフィルタ部材を閉塞する等の不具合を低減することができると共に、ノズル開口から液体流路内の液体及び気泡を強制的に吸引排出する吸引排出動作において気泡を排出し易くすることができる。また、液体の攪拌により、気泡が浮力によって浮上しやすくなり、気泡がフィルタ部材に付着するのを低減することができる。
また、上記間隙は、気泡干渉部材が配設されていない状態における液体流路よりも狭小であるので、吸引排出動作での間隙における液体の流速を、気泡干渉部材を配設しない場合よりも高めることができる。これにより、気泡の排出効率が向上し、吸引排出動作における液体の消費量を低減することが可能となる。
さらに、吸引排出動作において気泡が間隙を通過する際に、気泡をより細かい気泡に分散させることができる。したがって、比較的大きな気泡でも効率よく排除することが可能となる。
また、気泡干渉部材をフィルタ部材に対して点接触する状態で配設した場合には、気泡干渉部材とフィルタ部材との間にも間隙を形成することができ、フィルタ部材の液体に対する濾過可能面積を確保することが可能となる。
また、液体流路内に複数の気泡干渉部材を配設した場合には、気泡干渉部材と液体流路の内面との間に、より多くの間隙を設けることができ、これにより、吸引排出動作時において気泡をさらに細かい気泡に分散させることができ、比較的大きい気泡をより確実に排出することが可能となる。
さらに、液体流路のフィルタ部材よりも上流側の内面から液体導入針の径中心方向に向けてリブを配設した場合には、液体流路内で気泡が成長して比較的大きくなった場合において、このリブが気泡に対する障害物として機能し、気泡による液体流路の閉塞を防止する。これにより、液体の圧力室側への供給路を確保し、多ノズル抜け等の不具合を低減することができる。
また、本発明によれば、中空管状の気泡排出管部と、この気泡排出管部の外周面から外側に向けて突設した気泡干渉部とから構成した気泡干渉部材を、前記液体流路内における前記フィルタ部材の上流側に配設したので、この気泡干渉部材が液体流路内の気泡に対して障害物として機能し、気泡のフィルタ部材側への浸入を抑制する。このため、気泡がフィルタ部材を覆って液体の供給を阻害することを防止することができる。
また、吸引排出動作において、前記フィルタ部材よりも上流側に浮いた気泡を前記気泡排出管部を通じて吸引排出することができる。これにより、気泡の排出効率がより向上し、吸引排出動作における液体の消費量をより低減することができる。
また、気泡排出管部の上流側端部を、液体流路内の配設状態における気泡干渉部よりも上流側に突出させて形成した場合には、気泡干渉部材の上流側に比較的大きな気泡が存在するときに、この気泡に気泡排出管部の上流側端部を接触又は挿入させることができ、この気泡をより確実に吸引排出することが可能となる。
さらに、気泡排出管部を、上流側から下流側に向けて拡径した形状に形成した場合には、気泡排出管部の上流側の流速を高めることが可能となる。これにより、気泡の排出効率が一層向上し、吸引排出動作における液体の消費量をさらに低減することができる。また、比較的大きな気泡についても一層確実に吸引排出することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面等を参照して詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の説明は、代表的な液体噴射装置であるインクジェット式記録装置を例に挙げて行う。
まず、インクジェット式記録装置(以下、プリンタという)の概略構成について、図1を参照して説明する。このプリンタ1は、記録紙等の記録媒体(着弾対象物)2の表面へ液体状のインクを吐出して画像等の記録を行う装置である。そして、例示したプリンタ1は、インクを噴射するインクジェット式記録ヘッド3(本発明における液体噴射ヘッドの一種に相当。以下、「記録ヘッド」という)、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、記録媒体2を副走査方向に移送するプラテンローラ6等を備えている。ここで、上記のインクは、本発明の液体の一種であり、インクカートリッジ7(本発明における液体貯留部材の一種)に貯留されている。このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモータ等のパルスモータ9により駆動される。従って、パルスモータ9が作動すると、キャリッジ4は、プリンタ1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(プラテンローラ6の軸方向)に移動する。
プリンタ1の非記録領域であるホームポジションには、例えばキャリッジ4に搭載された記録ヘッド3のノズル面(ノズルプレート25/図2参照)を払拭(ワイピング)するワイピング機構11が配設されている。このワイピング機構11は例えばワイパーブレード11´を有している。そして、このワイパーブレード11´としては、ゴムやエラストマー等の弾性部材により構成される。このワイピング機構11は、ワイピング時において、ワイパーブレード11´をその先端部が記録ヘッド3のノズル面の移動軌跡と交差するように位置付ける。そして、記録ヘッド3の通過に伴ってワイパーブレード11´の先端部がノズル面を摺接し、ノズル面が払拭される。
このワイピング機構11に隣接して、上記ホームポジション若しくはその近傍に、キャッピング機構12が配設されている。キャッピング機構12は、例えば、記録ヘッド3のノズル形成面に当接し得るトレイ状のキャップ部材12´を有する。このキャッピング機構12では、キャップ部材12´内の空間が封止空部として機能し、この封止空部内に記録ヘッド3のノズル開口26を臨ませた状態でノズル面に密着させる。そして、この密着状態で封止空部(密閉空間)内を負圧化すると、ノズル開口26から記録ヘッド3内のインクが吸引されてキャップ部材12´の封止空部内に排出される。これにより、記録ヘッド3内のインクや気泡を強制的に吸引排出動作を行う構成にされている。このキャッピング機構12にはポンプユニット13が接続されており、このポンプユニット13の作動によって封止空部内を負圧化する。したがって、キャッピング機構12及びポンプユニット13によって、吸引排出手段が構成されている。なお、吸引排出動作の詳細については後述する。
次に、記録ヘッド3の構成について説明する。ここで、図2は、キャリッジ4に収容される記録ヘッド3の概略斜視図であり、図3は、記録ヘッド3の平面図であり、図4は記録ヘッド3の断面図である。例示した記録ヘッド3は、カートリッジ基台15(以下、「基台」という)を有している。この基台15には、図4に示すように、ヘッドケース16が取り付けられる。このヘッドケース16の先端部には流路ユニット17が取り付けられる(配設される)。この基台15は例えば合成樹脂によって成型されており、図3に示すように、その上面には複数の区画15´(液体貯留部材装着部)が設けられている。各区画15´には、フィルタ18(本発明におけるフィルタ部材の一種)を介在させてインク導入針19(本発明における液体導入針の一種に相当)がそれぞれ取り付けられている。そして、これらの区画15´にはインクカートリッジ7が装着される。即ち、インクカートリッジ7はこの基台15上に配置される。なお、インクカートリッジ7とインク導入針19の詳細については後述する。
上記区画15´とは反対側となる基台15の他面には、図2に示すように、回路基板20が取り付けられる。この回路基板20は電子部品の一種であり、例えば圧電振動子30´(図5参照)への駆動信号の供給を制御するためのドライブ回路や、プリンタ本体側との接続のためのコネクタ、インク供給用の貫通孔等を備えている。そして、この回路基板20は、パッキンとして機能するシート部材21を介して基台15に取り付けられている。なお、このシート部材21には、インク供給用の貫通孔21´が形成されている。
ヘッドケース16は、基台15に固定されるものであり、圧電振動子30´を有する振動子ユニット22を収容するためのケーシングである。このため、ヘッドケース16には、振動子ユニット22を収容可能な収容空部32(図5参照)が形成されている。そして、振動子ユニット22は、この収容空部32内に挿入され、接着等によって固定されている。そして、ヘッドケース16の基台15の取付面とは反対側の先端面には、流路ユニット17が接着剤等により固定されている。この流路ユニット17は、弾性板23、流路形成基板24、及びノズルプレート25を順次積層し、接着剤等で固定して一体化することにより作製されている。ここで、ノズルプレート25は例えばステンレス製の薄板から作製された板状部材であり、プリンタ1のドット形成密度に対応したピッチで微細なノズル開口26が列状に形成されている。また、ヘッドカバー27は、本発明におけるヘッド保護部の一種であり、例えば金属製の薄板部材によって構成されている。このヘッドカバー27は、ノズルプレート25の外側からその周縁部を包囲するようにヘッドケース16の先端部に取り付けられる。そして、このヘッドカバー27は、流路ユニット17やヘッドケース16の先端部を衝撃等から保護する。
図5は、記録ヘッド3の要部断面図である。上記の振動子ユニット22は、圧力発生手段としての圧電振動子群30と、この圧電振動子群30が接合される固定板31と、圧電振動子群30に回路基板20からの駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル(図示せず)等から構成される。本実施形態の圧電振動子群30は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子30´を備える。各圧電振動子30´は、固定端部が固定板31上に接合され、自由端部が固定板31の先端面よりも外側に突出している。即ち、各圧電振動子30´は、所謂片持ち梁の状態で固定板31上に取り付けられている。また、各圧電振動子30´を支持する固定板31は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。なお、圧力発生手段としては、上記圧電振動子以外にも、静電アクチュエータ、磁歪素子、発熱素子等を用いることができる。
ヘッドケース16の内部には、上記の振動子ユニット22を収納可能な収納空部32を、ヘッドケース16の高さ方向を貫通させた状態で形成している。そして、固定板31の背面を、収納空部32を区画するケース内壁面に接着することで、振動子ユニット22は収納空部32内に収納されている。
流路形成基板24は、共通インク室33となる空部、インク供給口34となる溝部、及び、圧力室35となる空部を隔壁で区画した状態で各ノズル開口26に対応させて複数形成した板状の部材である。この流路形成基板24は、例えば、シリコンウェハーのエッチング処理等によって作製される。上記の圧力室35は、ノズル開口26の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。また、共通インク室33は、ヘッドケース16の高さ方向を貫通して形成されたインク連通路37を介してインク導入針19のインク導入路41(図7参照)と連通し、インクカートリッジ7に貯留されたインクが導入される室である。そして、導入されたインクをインク供給口34を通じて各圧力室35に供給する。
弾性板23は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この弾性板23の圧力室35に対応する部分には、圧電振動子30´の自由端部の先端を接合するための島部36が形成されており、この部分がダイヤフラム部として機能する。また、弾性板23は、共通インク室33となる空部の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部としても機能する。このコンプライアンス部として機能する部分については弾性フィルムだけにしている。
この記録ヘッド3は、圧電振動子30´を素子長手方向に伸縮させると、島部32が圧力室35に近接する方向或いは離隔する方向に移動する。これにより、圧力室35の容積が変化し、圧力室35内のインクに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル開口26からインク滴(液滴の一種)が吐出される。
次に、上記インクカートリッジ7について説明する。インクカートリッジ7は、本発明の液体貯留部材の一種として機能して記録ヘッド3に供給するインクを貯留する部材である。本実施形態のプリンタ1は、8種類のインク、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、マットブラック、フォトブラック、レッド、ブルー、及び、グロスオプティマイザ(クリア)からなる8色のインクを吐出可能に構成されており、記録ヘッド3には、各インクを個別に貯留した合計8つのインクカートリッジ7が装着される。各インクカートリッジ7の底面には、図6に示すように、針挿入口40が設けられている。この針挿入口40は、インク導入針19が挿入される部分である。未使用時において、この針挿入口40はフィルム(図示せず)で封止されており、空気のカートリッジ内部への侵入を防止している。これは、インクカートリッジ7内のインクは脱気(負圧)状態で貯留されているので、使用直前までこの脱気状態を保つためである。
上記インクカートリッジ7に挿入されるインク導入針19は、図7に示すように、上流側の先端が円錐状に形成されると共に、内部にインク導入路41が形成された中空針であり、下半部分が上流側から下流側に向けて拡開するテーパー形状に形成されている。また、このインク導入針19の先端側には、外部空間とインク導入路41とを連通するインク導入孔42(本発明における液体導入孔の一種)が開設されている。
このインク導入針19は、フィルタ18を介在させた状態で、例えば超音波溶着によって基台15に取り付けられる。これにより、インク導入針19のインク導入路41とヘッドケース16のインク連通路37とが連通する。このインク導入路41とインク連通路37とは、本発明における液体流路として機能する。
そして、インクカートリッジ7を基台15の区画15´に装着すると、インク導入針19がインクカートリッジ7の針挿入口40内に挿入され、インクカートリッジ7の内部空間とインク導入針19内のインク導入路41とがインク導入孔42を介して連通する。その後、インクカートリッジ7に貯留されたインクは、インク導入孔42を通じてインク導入路41内に導入され、インク連通路37を通じて記録ヘッド3側に供給(充填)される。
この際、上記したようにインクカートリッジ7の内部空間は脱気状態となっているため、インク導入針19の先端が針挿入口40内に設けられている弁(図示せず)を押し上げたときに、インクカートリッジ7とインク導入針19の境界部分に空気が入り込んでしまう。そして、記録ヘッド3内へのインクの充填時に、この空気が気泡としてインクと一緒にインク導入路41内に導入される可能性がある。そして、この気泡がインクの流れに乗ってフィルタ18に付着して閉塞したり、フィルタ18を通過して記録ヘッド3の圧力室35側に移動したりすると、インクの吐出に不具合が生じる虞がある。
そこで、この気泡による不具合を防止するため、図7に示すように、フィルタ18の上流側の液体流路内、即ち、インク導入路41内には、気泡干渉部材44を配設している。なお、図7(a)は、インク導入針19の長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材44の配設位置におけるインク導入針19の径方向の断面図である。本実施形態における気泡干渉部材44は、例えば、ガラスや金属等のインクよりも比重の大きい材料を用いて、配設位置におけるインク導入路41の内径よりも若干小さい直径の球形状に作製されており、フィルタ18の上面(上流側面)に点接触する状態、且つ、遊動可能な状態で配設されている。このため、この気泡干渉部材44とインク導入路41の内面との間には間隙Sが形成されている。なお、この間隙Sに関し、図7においては気泡干渉部材44の周囲の間隙Sの間隔を均等に現しているが、気泡干渉部材44は遊動可能であるので、この気泡干渉部材44がインク導入路41の偏った位置に移動すれば、この位置とは反対側に偏って間隙Sが現れる。この偏った状態における間隙Sは、吸引排出動作時以外の通常の使用時においては、フィルタ18を覆う虞のある比較的大きな気泡が通過し難く、一方、吸引排出動作によればこの大きな気泡でも通過可能な程度の大きさに設定することが望ましい。
上記気泡干渉部材44は、後述する吸引排出動作時以外の通常時においてインク導入路41内の気泡に対して障害物として機能し、気泡のフィルタ18側への進入を抑制する。これにより、フィルタ18を覆ってインクの供給を阻害するのを防止することができる。一方、間隙Sではインクのフィルタ18側への進入を許容するので、インクの圧力室35側への供給路を確保することができる。また、この間隙Sは、気泡干渉部材44が配設されていない状態における液体流路(インク導入路41、インク連通路37)よりも狭小なため、吸引排出動作では、この間隙Sにおけるインクの流速が、気泡干渉部材44を配設しない場合よりも高まるように構成されている。さらに、気泡干渉部材44はフィルタ18に点接触した状態で配設されているため、フィルタ18のインクに対する濾過可能面積を確保することが可能となる。また、気泡干渉部材44は、キャリッジ4の往復移動に伴って動くので、インク導入針19のインク導入路41内のインクを攪拌することができる。これにより、インク導入路41内の気泡が分散され、インク導入路41内で成長した気泡がインク導入路41を閉塞する等の不具合を低減することができると共に、吸引排出動作において気泡を排出し易くすることができる。また、インクが攪拌されることにより、気泡が浮力によって浮上し易くなり、気泡がフィルタ18に付着するのを低減することができる。
次に、このプリンタ1の電気的構成について説明する。図8に示すように、このプリンタ1は、プリンタコントローラ47と、プリントエンジン48とから概略構成されている。プリンタコントローラ47は、CPU49,ROM50,RAM51を備えた制御部52と、記録ヘッド3に供給するための駆動信号を発生する駆動信号発生回路54とを備えている。一方、プリントエンジン48は、パルスモータ9と、キャッピング機構12と、ポンプユニット13と、記録ヘッド3とを備えている。そして、これらの各部は、上記の制御部52によってその動作が制御可能に構成されている。
また、上記のプリンタコントローラ47(制御部52)には、メンテナンススイッチ55、及び、電源スイッチ56が電気的に接続されている。メンテナンススイッチ55は、使用者によって操作されるものであり、吸引排出動作を使用者からの指示によって行う際に操作される。電源スイッチ56は、このプリンタ1に電源を投入する際、及び、電源の供給を停止する際に操作される。これらのスイッチからの操作信号は、制御部52によって認識される。
上記の制御部52は、このプリンタ1における制御を行う部分であり、例えば、図示しないホストコンピュータ等の外部装置からの印刷データに基づいてドットパターンデータを生成したり、生成したドットパターンデータを記録ヘッド3に転送したりする。また、制御部52は、駆動信号発生回路54を制御する。例えば、記録動作時においては駆動信号発生回路54から記録用の駆動信号を発生させ、フラッシング動作時においては駆動信号発生回路54からフラッシング用の駆動信号を発生させる。また、制御部52は、パルスモータ9を作動させてキャリッジ4(記録ヘッド3)を所望の位置に移動させたり、ポンプユニット13を作動させたりもする。さらに、制御部52は、吸引排出動作制御手段としても機能し、例えば、電源スイッチ56の投入、インクカートリッジ7の交換、メンテナンススイッチ55の操作等に連動してなされる吸引排出動作(クリーニング動作)や、記録動作とは関係なくインクを吐出する動作(フラッシング動作)も制御する。
次に、上記プリンタ1における吸引排出動作について説明する。この吸引排出動作では、ノズル開口26側からインクを吸引し、インク導入針19内に存在する気泡を記録ヘッド3の外部に排出する。即ち、制御部52は、キャリッジ4をホームポジションに位置付けると共に、キャッピング機構12のキャップ部材12´によってノズルプレート25を封止し、この封止状態でポンプユニット13を作動させる。ここで、制御部52は、ポンプユニット13による吸引条件(吸引力,吸引時間)に関し、気泡の排出性を考慮した条件に設定する。本実施形態では、例えば、インクカートリッジ7が装着されたときのインク充填動作でのインク吸引量よりも多い吸引量に設定する。
上記したように、インク導入路41内に、このインク導入路41の内径よりも狭小な間隙Sが形成される状態で気泡干渉部材44を配設しているので、この吸引排出動作では間隙Sにおけるインクの流速が、気泡干渉部材44を配設しない場合よりも高まる。これにより、比較的小さく細かい気泡をインクの流れに乗せることができ、気泡の排出効率が向上する。このため、吸引排出動作におけるインクの消費量を低減することができる。
そして、吸引排出動作における間隙Sでは、その流路抵抗が気泡に作用するので、吸引排出動作時において間隙Sを通過する際に気泡がより細かい気泡に分断され易くなる。また、上述したように、気泡干渉部材44は、遊動可能な状態で配設されているため、気泡干渉部材44がインク導入路41内における偏った位置に移動した場合には、その位置とは反対側に形成された間隙Sに気泡を誘導することができる。したがって、比較的大きな気泡でも容易に排除することが可能となる。
この吸引排出動作の終了によって、インク導入路41内の気泡はその大部分が除去される。これにより、気泡による不具合を可及的に防止することができる。そして、吸引排出動作の終了後、制御部52は、記録媒体2に対する画像等の記録が可能な記録可能状態に移行する。
次に、上記気泡干渉部材44の他の実施形態について説明する。
図9は、上記気泡干渉部材44の第2の実施形態を示す図であり、(a)は、インク導入針19の長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材44の配設位置におけるインク導入針19の径方向の断面図である。なお、便宜上、気泡干渉部材44については断面で表していない。この変形例における気泡干渉部材44は、外側に向けて突出した複数の突出部44´、この例では、4つの突出部44´を有するテトラポッド(登録商標)状、即ち、凹凸を有する形状に形成されており、4つの突出部44´のうち3つの先端部をフィルタ18に接触(点接触)させた状態で配設されている。このように、気泡干渉部材44を凹凸形状に形成することで、インク導入路41との間やフィルタ18との間に間隙Sを積極的に設けることができる。このように、気泡干渉部材44をより複雑な凹凸形状にすることにより、吸引排出動作におけるインクの流れを複雑にすることができる。これにより、比較的大きい気泡でもより細かい気泡に分断して排出することができる。
また、狭小な間隙Sをより多く設けるという観点から、図10に示す第3の実施形態のように、気泡干渉部材44を複数(図10の例では3つ)配設してもよい。なお、同図(a)は、インク導入針19の長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材44の配設位置におけるインク導入針19の径方向の断面図であり、気泡干渉部材44については断面で表していない。このように、気泡干渉部材44を複数配設することにより、より多くの狭小な間隙Sが形成されるので、吸引排出動作において、気泡をより細かい気泡に分断させることができる。
また、図11に示す第4の実施形態のように、複数の気泡干渉部材44を積層して配設しても良い。この変形例の場合、下段(フィルタ18側)に3つの気泡干渉部材44をフィルタ18に接する状態で配設すると共に、その上段(インク導入針先端側)に、1つの気泡干渉部材44を下段の3つの気泡干渉部材44に接する状態で配設している。即ち、この例では、気泡干渉部材44を2段に積層した構成としている。このように複数の気泡干渉部材44を複数段積層することで、より多くの間隙Sを形成することができる。
図12は、上記気泡干渉部材44の第5の実施形態を示す図であり、(a)は、インク導入針19の長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材44の配設位置におけるインク導入針19の径方向の断面図である。本実施形態においては、インク導入路41内に気泡干渉部材44を配設すると共に、インク導入路41の内面からインク導入針19の径中心方向に向けて突出した複数のリブ58をインク導入路41の下流端から上流端に亘って設けたことを特徴とする。具体的には、周方向に約90度ずつ位相を変えて4つのリブ58をインク導入針19と一体成型で作製している。このリブ58は、通常時において、インク導入路41内で気泡が成長して比較的大きくなったとき、気泡干渉部材44と共にこの気泡に対する障害物として機能し、気泡によるインク導入路41やフィルタ18の閉塞を防止する。これにより、インクの圧力室35側への供給路を確保し、多ノズル抜け等の不具合を低減することができる。また、吸引排出動作において、リブ58と気泡干渉部材44とで、インクの流れを一層複雑化することができる。これにより、気泡がより細かい気泡に分散され易くなる。したがって、比較的大きな気泡でもさらに効率よく排除することが可能となる。
なお、リブ58に関して、上記の説明ではインク導入針19と一体成型とした例を示したが、インク導入針19とは別体に成型してインク導入路41内に配設することもできる。
図13は、上記気泡干渉部材44の第6の実施形態を示す図であり、(a)は、インク導入針19の長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材44の配設位置におけるインク導入針19の径方向の断面図である。本実施形態における気泡干渉部材44は、内部に排出路60が形成された細長い中空管状の気泡排出管部61と、この気泡排出管部61の外周面から外側に向けて突出した気泡干渉リブ62(本発明における気泡干渉部の一種に相当)とから構成され、インク導入路41内のフィルタ18の上流側面に配設されている。この気泡干渉部材44は、例えば、インクよりも比重の大きい合成樹脂等を用いて一体成型により作製され、気泡排出管部61の外周面に4枚の気泡干渉リブ62を突設し、この4枚の気泡干渉リブ62によって、インク導入路41の内面との間に4つの間隙Sを区画している。また、気泡排出管部61の上流側端部は、気泡干渉リブ62よりも上流側に突出させて形成し、インク導入路41の長手方向略中央に位置するように構成されている。
上記のように構成した気泡干渉部材44は、上記各実施形態と同様に、通常時において、インク導入路41内の気泡に対して障害物として機能し、気泡のフィルタ18側への進入を抑制する。また、吸引排出動作時において、インクの流速を高めると共に気泡を分断するように作用する。そして、本実施形態の気泡干渉部材44は、吸引排出動作において、気泡干渉部材44よりも上流側の気泡を気泡排出管部61によって積極的に吸引し、下流側に排出可能であることに特徴を有する。これにより、気泡の排出効率がさらに向上し、吸引排出動作におけるインクの消費量を可及的に低減することができる。特に、インク導入路41内で成長してより大きくなった気泡は、インク導入路41の上流側半分(ストレート部)と下流側半分(テーパー部)との境界である略中央部分に滞留し易く、この位置に気泡排出管部61の上流側端部、即ち、排出路60の上流端開口を位置付けることにより、気泡排出管部61を気泡に接触又は気泡内に挿入させることができる。このため、比較的大きな気泡をより確実に排出することが可能となる。
なお、気泡排出管部61の上流側端部に関し、図13(c)に示すように、斜めに切り欠いたテーパー形状にすることもできる。これにより、気泡に対する排出路60の上流端開口面積を広くすることができ、比較的大きな気泡に対して有効である。
図14は、上記気泡干渉部材44の第7の実施形態を示す図であり、(a)は、インク導入針19の長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材44の配設位置におけるインク導入針19の径方向の断面図である。本実施形態における気泡干渉部材44は、上記第6の実施形態とほぼ同様の構成となっているが、気泡排出管部61を、上流側から下流側に向けて拡径した形状に形成した点が相違している。これにより、排出路60の上流側における流速をより高めることができ、これにより、気泡の排出効率が一層向上し、吸引排出動作におけるインクの消費量をさらに低減することができる。また、比較的大きな気泡についても一層確実に吸引排出することが可能となる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、気泡干渉部材44に関し、上記各実施形態において例示した形状には限らず、任意の形状を採ることができる。要は、凹凸を有する形状であるのが好ましく、また、フィルタ18に対して点接触するものがより好ましい。また、気泡干渉部材44の上流側に存在する気泡を吸引排出可能な排出路を有するものが一層好ましい。
以上は、液体噴射装置の一種であるプリンタ1を例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタを製造するディスプレー製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーやFED(面発光ディスプレー)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,極く少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
プリンタの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する分解斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する平面図である。 記録ヘッドの内部構造を説明する断面図である。 記録ヘッドの内部構造を説明する部分断面図である。 インクカートリッジの構成を説明する斜視図である。 インク導入針の構成を説明する断面図であり、(a)は、針長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材の配設位置における針径方向断面図である。 プリンタの電気的構成を説明するブロック図である。 第2実施形態におけるインク導入針の構成を説明する断面図であり、(a)は、針長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材の配設位置における針径方向断面図である。 第3実施形態におけるインク導入針の構成を説明する断面図であり、(a)は、針長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材の配設位置における針径方向断面図である。 第4実施形態におけるインク導入針の構成を説明する断面図であり、(a)は、針長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材の配設位置における針径方向断面図である。 第5実施形態におけるインク導入針の構成を説明する断面図であり、(a)は、針長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材の配設位置における針径方向断面図である。 第6実施形態におけるインク導入針の構成を説明する断面図であり、(a)は、針長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材の配設位置における針径方向断面図である。 第7実施形態におけるインク導入針の構成を説明する断面図であり、(a)は、針長手方向の断面図、(b)は、気泡干渉部材の配設位置における針径方向断面図である。
符号の説明
1…プリンタ,2…記録媒体,3…記録ヘッド,4…キャリッジ,5…キャリッジ移動機構,6…プラテンローラ,7…インクカートリッジ,8…タイミングベルト,9…パルスモータ,10…ガイドロッド,11…ワイピング機構,12…キャッピング機構,13…ポンプユニット,15…基台,16…ヘッドケース,17…流路ユニット,18…フィルタ,19…インク導入針,20…回路基板,21…シート部材,22…振動子ユニット,23…弾性板,24…流路形成基板,25…ノズルプレート,26…ノズル開口,27…ヘッドカバー,30…圧電振動子群,31…固定板,32…収納空部,33…共通インク室,34…インク供給口,35…圧力室,36…島部,37…インク連通口,40…針挿入口,41…インク導入路,42…インク導入孔,44…気泡干渉部材,47…プリンタコントローラ,48…プリントエンジン,49…CPU,50…ROM,51…RAM,52…制御部,54…駆動信号発生回路,55…メンテナンススイッチ,56…電源スイッチ,60…排出路,61…気泡排出管部,62…気泡干渉リブ

Claims (10)

  1. 液体貯留部材内の液体を先端側に開設された液体導入孔から液体流路内に導入する液体導入針と、前記液体流路内の液体を濾過するフィルタ部材とを有し、前記液体導入針から前記液体流路内に導入された液体を前記フィルタ部材を通じて圧力室側に案内し、圧力発生手段の作動によって前記圧力室内の液体をノズル開口から液滴として吐出可能な液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置において、
    前記フィルタ部材の上流側の液体流路内に、該液体流路の内面との間に液体が通過可能な間隙を形成する遊動可能状態で気泡干渉部材を配設したことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記気泡干渉部材を、前記フィルタ部材に対して点接触する状態で配設したことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記気泡干渉部材は、外側に向けて突出した突出部を有し、該突出部を前記フィルタ部材に点接触させた状態で配設されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記気泡干渉部材は、前記液体よりも比重が大きい素材で作製されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の液体噴射装置。
  5. 前記液体流路内に複数の気泡干渉部材を配設したことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の液体噴射装置。
  6. 前記液体流路の前記フィルタ部材よりも上流側の内面から液体導入針の径中心方向に向けて突出するリブを配設したことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の液体噴射装置。
  7. 液体貯留部材内の液体を先端側に開設された液体導入孔から液体流路内に導入する液体導入針と、前記液体流路内の液体を濾過するフィルタ部材とを有し、前記液体導入針から前記液体流路内に導入された液体を前記フィルタ部材を通じて圧力室側に案内し、圧力発生手段の作動によって前記圧力室内の液体をノズル開口から液滴として吐出可能な液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置において、
    前記液体流路内における前記フィルタ部材の上流側に気泡干渉部材を設け、
    該気泡干渉部材は、中空管状の気泡排出管部と、該気泡排出管部の外周面から外側に向けて突出した気泡干渉部とから構成し、
    前記ノズル開口から前記液体流路内の液体及び気泡を強制的に吸引排出する吸引排出動作において、前記気泡干渉部材よりも上流側の気泡を前記気泡排出管部を通じて吸引排出可能に構成したことを特徴とする液体噴射装置。
  8. 前記気泡干渉部材は、前記液体よりも比重が大きい素材で作製されていることを特徴とする請求項7に記載の液体噴射装置。
  9. 前記気泡排出管部の上流側端部を、前記液体流路内の配設状態における前記気泡干渉部よりも上流側に突出させて形成したことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の液体噴射装置。
  10. 前期気泡排出管部を、上流側から下流側に向けて拡径した形状に構成したことを特徴とする請求項7から請求項9の何れかに記載の液体噴射装置。
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