JP2005238581A - 液体噴射装置および液体噴射装置における液体噴射方法 - Google Patents

液体噴射装置および液体噴射装置における液体噴射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保湿目的のために液体の吐出動作を行う場合に、カシメ部分等には液体が噴射されないようにして液体の跳ね返りやメニスカスの壊れるのを防ぎ、ノズル開口からの液体の噴射不良を防ぐことができる液体噴射装置および液体噴射装置における液体噴射方法を提供すること。
【解決手段】 液体を噴射する液体噴射ヘッド30のノズル面61に当てて前記ノズル面から液体を噴射してノズル面を保湿する液体噴射ヘッドの液体吸引装置を備える液体噴射装置であって、ノズル面に密着してノズル開口を封止可能な本体80と、本体内に配置されてノズル開口からの液体を吸収する吸収材90とを有し、ノズル面の対向側の吸収材が被覆されている被覆範囲の外の領域に対応するノズル面61のノズル開口を選択して液体を噴射させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面に当ててノズル面を保湿する液体噴射装置および液体噴射装置における液体噴射方法に関する。
パーソナルコンピュータ等の発達によりグラフィック処理が比較的簡単に実行できるようになったため、ディスプレイに表示されるたとえばカラー画像のハードコピーを高品質で出力できる記録装置が求められている。
ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、記録ヘッドから記録媒体に対してインク滴を噴射させて印刷を行うインクジェット式記録装置が知られていた。そして、このようなインクジェット式記録装置は、記録ヘッドのノズルから記録媒体に対して微小なインク滴を吐出させて、所望の文字や図形等の画像を記録する。
このインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
インクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、記録ヘッドをキャリッジ上で記録用紙の幅方向に移動させながら記録用紙に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。
そして共通のキャリッジ上に、たとえばブラックインクを吐出するブラック用記録ヘッドと、イエロー、シアン、マゼンタの各インクの吐出が可能なカラー用記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
インクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入等によりノズル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズルプレートを清掃するクリーニング装置を備えている。
このキャッピング手段は、印刷の休止時にノズル開口のインクの乾燥を防止する保湿機能を発揮するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャップ部材によりノズルプレート面を封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインク滴を吸引してノズル開口の目詰まりを解消する機能をも備えている。
この種のキャッピング手段を備えたインクジェット式記録装置が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2000−62202号公報(第6頁、図8)
特許文献1のインクジェット式記録装置では、キャップ内には押さえ部材とピンを有していて、押さえ部材はインク吸収材がインクを吸収した時の膨潤による盛り上がりを押さえるようになっている。この押さえ部材はピンの先端に設けたカシメ部分により保持している。そしてキャップ装置がノズル面側にキャッピングした状態でノズル面のノズル開口からインクをフラッシング動作することにより、キャップ内を保湿してノズル面の保湿を行い、ノズル開口におけるインクの増粘を防いで良好なインクの噴射(吐き出し)状態を保つようにしている。
しかし、キャップ装置でキャッピング動作を行った状態で、保湿目的のためにノズル開口からキャッピング装置内にインクをフラッシングする場合には、記録ヘッドのノズルプレート面にあるすべてのノズル開口からインクを噴射する。このようにすべてのノズル開口からインクを噴射すると、ピンのカシメ部分においてインクが跳ね返ってインクがノズルプレート面に付着してしまう。また、カシメ部分にたまったインクが毛細管現象によりノズル開口に達してノズル開口のインクのメニスカスを壊すこともある。これらの対策として、ノズル開口の下にピンのカシメ部分を配置しないようにしている。しかし、ノズルプレートとキャップ装置の構造上、多数あるノズル開口の真下の位置またはその周辺位置にカシメ部分が配置されてしまうこともある。このような場合、キャッピング装置内に保湿目的のフラッシングができなくなり、ノズル開口の目詰まりが発生しやすくなり、それを解消するためにインクが無駄に消費されてしまう。
そこで本発明は上記課題を解消し、保湿目的のために液体の吐出動作を行う場合に、カシメ部分等には液体が噴射されないようにして液体の跳ね返りやメニスカスの壊れるのを防ぎ、ノズル開口からの液体の噴射不良を防ぐことができる液体噴射装置および液体噴射装置における液体噴射方法を提供することを目的としている。
上記目的は、第1の発明にあっては、液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面に当てて前記ノズル面から液体を噴射してノズル面を保湿する液体噴射ヘッドの液体吸引装置を備える液体噴射装置であって、前記ノズル面に密着してノズル開口を封止可能な本体と、前記本体内に配置されて前記ノズル開口からの前記液体を吸収する吸収材と、を有し、前記ノズル面の対向側の吸収材が被覆されている被覆範囲の外の領域に対応する前記ノズル面の前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする液体噴射装置により、達成される。
第1の発明の構成によれば、本体は、ノズル面に密着してノズル開口を封止可能である。吸収材は、本体内に配置されてノズル開口からの液体を吸収する。
ノズル面の対向側の吸収材が被覆されている被覆範囲外の領域に対応するノズル面のノズル開口を選択して液体を噴射するようになっている。
これにより、ノズル面から液体を噴射して保湿する際に、ノズル面の対向側の吸収材が何らかの部材により覆われていない領域には、ノズル開口から液体が噴射されるが、ノズル面の対向側の吸収材が被覆されている範囲、つまり吸収材が何らかの部材により覆われている範囲ではノズル開口が液体を噴射させないようにする。これによって、吸収材が露出している領域においてだけ液体が吸収材側に噴射されることになる。吸収材とノズル面の間に何らかの別の部材があったとしても、液体がノズル面側に跳ね返って付着することがない。したがってノズル開口の液体のメニスカスが壊れずに、ノズル開口からの液体の噴射不良を防ぐことができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記本体内に設けられた固定手段により固定することで前記吸収材を押さえる押さえ部材を有し、前記本体内の前記固定手段に位置が対応する前記被覆範囲の外の前記領域にある前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、本体内に設けられた固定手段により固定することで吸収材を押さえる押さえ部材を有している。本体内の固定手段に位置が対応する被覆範囲の外の領域にあるノズル開口を選択して液体を噴射させる。
これにより、本体内の固定手段には液体が載ったり、液体がこの固定手段からノズル面へ跳ね返らずに液体が付着することがない。
第3の発明は、第1の発明の構成において、前記本体内に設けられた固定手段により固定することで前記吸収材を押さえる押さえ部材を有し、前記固定手段と前記押さえ部材に位置が対応する前記被覆範囲の外の前記領域の前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、本体内に設けられた固定手段により固定することで吸収材を押さえる押さえ部材を有している。固定手段と押さえ部材に位置が対応する被覆範囲の外の領域のノズル開口を選択して液体を噴射させる。
これにより、ノズル開口から噴射された液体は固定手段と押さえ部材には載らずに液体がノズル面に跳ね返ることがなくノズル面に液体が付着しない。
第4の発明は、第1の発明の構成において、押さえ部材を用いずに固定手段により前記吸収材を押さえており、前記固定手段に位置が対応する前記被覆範囲の外の前記領域の前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、吸収材は押さえ部材を用いずに固定手段により押さえている。固定手段に位置が対応する被覆範囲の外の領域のノズル開口を選択して液体を噴射させる。
これにより、ノズル開口から噴射された液体は固定手段の上には載らず跳ね返ることがないので、ノズル面には液体が付着しない。
第5の発明は、第2の発明ないし第4の発明のいずれかの構成において、前記固定手段は、前記本体内に設けられた突出部材の端部をカシメて形成したカシメ部分である。
これにより、固定手段は突出部材の端部をカシメるだけで形成されたカシメ部分であり、これにより簡単に固定手段を作ることができる。
第6の発明は、第2または第4の発明の構成において、前記被覆範囲にある前記ノズル開口は、前記固定手段の直上位置の周辺の前記ノズル開口であることを特徴とする。
これにより、固定手段の直上位置の周辺のノズル開口からの液体は、保湿時に噴射されないので、固定手段において液体の跳ね返りがなくなる。
第7の発明は、第3の発明の構成において、前記被覆範囲にある前記ノズル開口は、前記固定手段の直上に位置する前記ノズル開口とその周辺の前記ノズル開口であることを特徴とする。
これにより、固定手段の直上に位置するノズル開口とその周辺のノズル開口からは液体を噴射しないので、固定手段には液体が載らず跳ね返ることがない。
第8の発明は、第6の発明または第7の発明の構成において、各前記ノズル開口に対応して前記ノズル開口から前記液体を噴射させる圧力発生素子を備え、前記被覆範囲の外の前記領域にある選択された前記ノズル開口の前記圧力発生素子を動作させて、前記本体内の前記吸収材へ前記液体を噴射させることを特徴とする。
これにより、カシメ部分に位置が対応する被覆範囲の外の領域のノズル開口からだけ、保湿する時に選択的に液体を噴射して、本体内およびノズル面の保湿を行うことができる。
上記目的は、第9の発明にあっては、液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面に当てて前記ノズル面から液体を噴射してノズル面を保湿する液体吸引装置を用いる液体噴射装置における液体の噴射方法であって、前記ノズル面に密着してノズル開口を封止可能な本体内には前記ノズル開口からの前記液体を吸収する吸収材を設けており、前記ノズル面の対向側の吸収材が被覆されている被覆範囲外の領域に対応する前記ノズル面の前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする液体噴射装置における液体噴射方法により、達成される。
これにより、ノズル面から液体を噴射して保湿する際に、ノズル面の対向側の吸収材が何らかの部材により覆われていない領域には、ノズル開口から液体が噴射されるが、ノズル面の対向側の吸収材が被覆されている範囲、つまり吸収材が何らかの部材により覆われている範囲ではノズル開口が液体を噴射させないようにする。これによって、吸収材が露出している領域においてだけ液体が吸収材側に噴射されることになる。吸収材とノズル面の間に何らかの別の部材があったとしても、液体がノズル面側に跳ね返って付着することがない。したがってノズル開口の液体のメニスカスが壊れずに、ノズル開口からの液体の噴射不良を防ぐことができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の液体噴射装置の実施形態であるインクジェット式記録装置10を示している。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、インクジェットプリンタとも呼んでいる。インクジェット式記録装置10は、本体部1を有している。この本体部1は、ガイドレール17、プラテン12、キャリッジ14、インク吸引装置20、記録ヘッド30を備えている。記録ヘッド30は、印刷ヘッドとも言う。
このインクジェット式記録装置10は、いわゆるオンキャリッジ形の記録装置であり、キャリッジ14の上部には、例えば複数のインクカートリッジ2A,2B,2,3,4,5,5A,5Bが着脱可能に装着できる。キャリッジ14の下部には、記録ヘッド30が設けられている。キャリッジ14は、ベルト15を介してモータ16に接続されている。モータ16が作動することによって、キャリッジ14はガイドレール17に沿ってプラテン12の軸方向である主走査方向Tに往復走行する。
本体部1のホームポジション18は、ガイドレール17の一方の端部に位置している。このホームポジション18は、キャリッジ14の走行経路の末端にある非印刷領域である。このホームポジション18には、本体部1の上にインク吸引装置20が配置されている。このインク吸引装置20は、液体吸引装置の一例であり、キャッピングシステムもしくはキャッピング手段とも呼んでいる。
インク吸引装置20は、以下の2つの機能を有する。すなわち、インク吸引装置20は、長時間放置された時に記録ヘッド30のノズル開口のインクの乾燥を防止する保湿機能と、吸引ポンプ19からの負圧をノズル開口に作用させてノズル開口からインクを強制的に吸引して排出させる吸引機能を備える。この吸引ポンプ19は、インク吸引装置20を構成する一構成要素である。各インクカートリッジ2A,2B,2,3,4,5,5A,5Bの各インクは液体の一例である。
この他に、インク吸引装置20の横には、ワイピング部材400が設けられている。このワイピング部材400は、必要に応じて記録ヘッド30のノズルプレート面のインクを払拭する。
図2は、図1に示すインクジェット式記録装置10の電気的な接続例を示している。インクジェット式記録装置10の制御装置7は、ローカルプリンタケーブルまたは通信ネットワークを介してホストコンピュータ40のプリンタドライバ41に接続されている。プリンタドライバ41は、インクジェット式記録装置10の各構成要素に対して印刷やクリーニング動作あるいはインク吸引動作を実行させるためのコマンドを送るソフトウェアを搭載している。
図2に示すインクジェット式記録装置10は、制御装置7の他に、センサー8、インク吸引装置20、インクカートリッジ2A,2B,2,3,4,5,5A,5B、記録ヘッド30、キャリッジ14、用紙搬送機構15Aを含んでいる。
図1の実施形態では、複数のインクカートリッジ2A,2B,2,3,4,5,5A,5Bが、キャリッジ14の上に直接搭載されているが、これに限らずインクカートリッジはキャリッジとは別の位置に搭載している、いわゆるオフキャリッジ形のインクジェット式記録装置を採用しても勿論構わない。
図2の用紙搬送機構15Aは、図1の用紙29をプラテン12上を搬送するようになっている。用紙29は記録媒体の一種である。
図3は、図1に示す記録ヘッド30の構造例を示す断面図である。
インクジェット式記録装置10は、特にカラープリンタとして用いられる場合には、この記録ヘッド30は、互いに種類の異なる複数種類のインクを吐出するために、インクの種類ごとに独立したインク経路50を有している。
各インクカートリッジ2A,2B,2,3,4,5,5A,5Bからのインクは、インク供給針50Aを介してインク経路50に流入する。インクの種類ごとに独立したインク経路50は、それぞれ複数の圧力室51に接続されている。各圧力室51には、各ノズル開口列54A,54B,54C,54D,54E,54F,54G,54Hが接続されている。
ノズルプレート62はノズルプレート面61を有していて、このノズルプレート面61には複数のノズル開口列54A〜54Hが設けられている。圧力室51から押し出されたインク滴が、ノズル開口列54A〜54Hのノズル開口55A〜55Hから吐出される。
図4は、ノズルプレート面61におけるノズル開口列54A〜54Hの配列例を示している。異なるインクの種類とは、見かけ上の色の違いにとどまらず、インクの構成成分の種類や比率が異なることを意味する。各ノズル開口列54A〜54Hは、例えば180個のノズル開口55A〜55Hから構成されている。図4の例では、2列のノズル開口列ごとに比較的近付いた位置に形成されている。
図3に示す各インクカートリッジ2A,2B,2,3,4,5,5A,5Bは、例えばそれぞれ異なる種類の色のインクを収容している。例えばインクの色としては、マットブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、フォトブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、グレーのインクであり、これらの色がそれぞれのインクカートリッジに収容されている。
図5は、本発明のインクジェット式記録装置の記録ヘッド30の内部構造例を示している。上述したインクカートリッジから供給されるインクは、インク経路50を通って圧力室51へ供給される。印刷の際には、圧力発生素子としての圧電振動子39が伸縮動作することによって、圧力室51の容積を変化させて、圧力室51内のインクに圧力変動を生じさせる。これによって、ノズル開口55A〜55Hからインク滴が吐出できる。
記録ヘッド30内のインク中に気泡が混入したり、インク経路50や圧力室51内に増粘したインクが存在すると、インクの正常な流れが阻害されて、正常なインクの吐出が行えないことがある。この場合には、図2に示すインク吸引装置20が用いられ、このインク吸引装置20によるインクの強制排出が必要となる。
各ノズル開口55A〜55Hにはそれぞれ圧電振動子39が対応して設けられている。図8に示す制御部としての制御装置7は、各圧電振動子39を別々に動作させることができる。
また、インクジェット式記録装置10を最初に使用する際の開始時や、インクカートリッジを別の種類のインクカートリッジに交換した場合では、図3の記録ヘッド30内のインク経路50の中にインクを充填する必要がある。このような初期のインクの充填に際しても、インク吸引装置20が使用され、このインク吸引装置20を用いることで、図3の記録ヘッド30のノズル開口55A〜55Hから空気およびインクが、強制的に吸引されてノズル開口55A〜55Hから排出される。
図6と図7は、インクジェット式記録装置のインク吸引装置20、記録ヘッド30およびインクカートリッジ2A,2B,2,3,4,5A,5B,5の構造例を示している。図6では、インク吸引装置20はノズルプレート面61から離れた待機状態である。図7では、インク吸引装置20はノズルプレート面61に密着もしくは圧着されて、ノズルプレート面61を封止している保湿状態(キャッピング状態)を示している。
図6と図7においては、記録ヘッド30とインクカートリッジ2A,2B,2,3,4,5A,5B,5が、ホームポジション18に位置決めされており、この記録ヘッド30は、インク吸引装置20の上方に位置決めされている。
図1に示すキャリッジ14は、記録ヘッド30とともに、ガイドレール17に沿って主走査方向Tに沿って往復移動可能である。キャリッジ14とともに記録ヘッド30は、ヘッド移動方向T1に移動することにより、記録ヘッド30は図1および図6に示すホームポジション18に位置決めすることができる。
記録ヘッド30は、液体噴射ヘッドの一種であるが、この記録ヘッド30はキャリッジ14の下面側に設けられている。記録ヘッド30の下面は、ノズルプレート面61である。このノズルプレート面61は、ノズル面の一例であり、図3と図4にノズルプレート面61の形状例を示している。ノズルプレート面61は、ノズルプレート62の下面である。
ノズルプレート62は、上述したような複数のノズル開口列、図4の図示例では8列のノズル開口列54A〜54Hを有している。各ノズル開口列54A〜54Hは、図4に示すT方向とは直交するU方向に沿っており、平行に形成されている。
図7では、インク吸引装置20がノズルプレート面61を封止しているノズルプレート面61の保湿状態の例を示している。この場合にはインク吸引装置20は、昇降手段250の動作により、図6の待機状態から図7に示すようにZ2方向に押し上げられた状態になっている。
次に、図6と図7,図9,図10を参照しながらインク吸引装置20の構造について説明する。
インク吸引装置20は、液体吸引装置の一例であるが、図6に示すようにホームポジション18に配置されていて、このインク吸引装置20はキャップ本体80、吸収材90、吸引ポンプ19、押さえ部材130を有している。
図9は、記録ヘッド30、押さえ部材130、吸収材90、そしてキャップ本体80等を示す分解斜視図である。図10は、図6においてインク吸引装置20をE方向から見た平面図である。
図6,図9に示すようにキャップ本体80は、底部92、側面部93,94,95,96を有している箱形状の部材である。キャップ本体80は、例えばプラスチックにより作られている。キャップ本体80は上部に上部開口270を有している。
4つの側面部93ないし96は、それぞれ上端部97を有している。この上端部97は、ノズルプレート面61に圧着もしくは密着することにより、キャップ本体80が各ノズル開口列54Aないし54Hを含むノズルプレート面61の領域を封止する構造になっている。このため上端部97は弾性変形可能な柔軟性のある材料で作られているのが望ましい。
図6に示すように、キャップ本体80の底部92は、例えば2つの排出部240,241を有している。排出部240,241は、チューブ19Aを介して吸引ポンプ19に着脱可能に接続されている。吸引ポンプ19は、廃インクタンク100に接続されている。この廃インクタンク100は、インク吸引装置20から吸引されてくるインクを廃棄するためのタンクである。
キャップ本体80は、図示の例では単純な箱形状になっている。しかしこれに限らず、キャップ本体の構造は、吸収材90を支える内側部分と、その内側部分を外側から支えるキャップホルダーを有する2層構造にしても勿論構わない。
キャップ本体80の内側の底部92Aには、複数本のピン150がZ2方向に突出して垂直に形成されている。このピン150は突出部材の一例である。ピン150は好ましくは円柱状の部材であり、図6に示す内側の底部92Aから一体的に形成されている。
図9と図10に示すように各ピン150は、ノズル開口列に平行になるように直線状に配列されている。例えば図10に示すように最も左側の2本のピン150は、ノズル開口列54A,54Bの間の領域に間隔をおいて配置されている。隣の3本のピン150は、ノズル開口列54C,54Dの間の領域に間隔をおいて直列に配列されている。さらに隣の3本のピン150は、ノズル開口列54E,54Fの間の領域に間隔をおいて直列に配置されている。最も右側の2本のピン150は、ノズル開口列54G,54Hの間の領域において間隔をおいて直列に配置されている。
次に、図6と図9に示す吸収材90は、液体としてのインクを吸収するためのものであり、例えば好ましくは上部吸収材90Aと下部吸収材90Bの二層構造になっている。吸収材90は、キャップ本体80内に収容される例えば直方体形状のものであり、弾性変形可能でインクを吸収することができる例えばPVA(ポリビニルアルコール)のようなスポンジ等の発泡プラスチックにより作られている。
次に、図6と図9および図10に示す押さえ部材130について説明する。
図9に示す押さえ部材130は、吸収材90の表面90Cの上に配置されて、吸収材90がインクを吸収したことによる吸収材90の膨潤による盛り上がりを機械的に押さえるための部材である。押さえ部材130は、弾性変形可能で耐蝕性に優れる、例えばステンレス鋼により作ることができる。
押さえ部材130は、図9に示すように複数個のランド部133と、これらのランド部133を接続する接続部134を有している。ランド部133は、上述したキャップ本体80の各ピン150の位置に対応した位置にある。ランド部133はピン150の先端151が挿入できるような孔135をそれぞれ有している。
図11は、押さえ部材130と、ピン150および吸収材90の積層構造例を示している。
ピン150の先端151は、図11(A)〜図11(C)に示すように平坦面になっている。ピン150は吸収材90の貫通孔90Dを通り押さえ部材130のランド部133の孔135を通すことにより、図11(B)に示すように押さえ部材130と底部92の内側の底部92Aの間において吸収材90が挟み込まれる。この貫通孔90Dは吸収材90にあらかじめ設けておいてもよいし、ピン150に突きさして形成してもよい。
図11(B)の状態で、熱カシメ用の工具700を用いて端部151を熱カシメする。これによって図11(C)に示すようにピン150にはカシメ部分170が形成される。このカシメ部分170は、吸収材90と押さえ部材130をキャップ本体80内に固定するための固定手段の一例である。カシメ部分170は、押さえ部材130を吸収材90側に押し付けるようにして吸収材90を内側の底部92Aに対して保持することができる。この状態では押さえ部材130は、吸収材90がインクを吸引したことにより膨潤する現象を抑えて、吸収材90の形状変形を防ぐことができる。
図10に戻ると、この実施形態では、カシメ部分170は対応するノズル開口列の間に位置している。
図4は、このカシメ部分170と各ノズル開口列54Aないし54Hの位置関係の例を示す平面図である。ノズル開口列54Aないし54Hは、U方向に平行に形成されている。
すなわちインク吸引装置のキャップ本体の上端部がノズルプレート面に密着した状態で、キャップ本体内の保湿およびノズルプレート面の保湿を行う場合に、もしも本発明の実施形態とは異なり従来のように、図13に比較して示すように、ノズル開口列の全てのノズル開口1001からインク1000を噴射すると、カシメ部分1170に対してもインク1000が噴射されて、このインク1000がカシメ部分1170により跳ね返ってしまう恐れがある。跳ね返ったインクがノズル面に付着してしまうと、印字不良となる可能性がある。また、インクがカシメ部分1170上にたまってしまうと、カシメ部分1170上のインクが毛細管現象によりノズル開口内のメニスカスを壊すおそれもある。
そこで、この問題を解消するために、本発明の実施形態では、図4に示すように各カシメ部分170の直上位置の周辺にある複数のノズル開口からのインクの噴射を、図7における保湿状態におけるフラッシング動作時には噴射しないようにするのが特徴的である。
ここで、キャップ本体80の保湿は吸収材90をインクで湿らせればよいため、ノズル開口列の全てのノズル開口からインクを噴射する必要はない。
なお、全てのノズル開口からインクを噴射させる場合は、キャップ本体80内には噴射せず、図1に示すようにガイドレール17のインク吸引装置20とは反対側の端部に配置されたインク噴射滴受け750に噴射する。
図4と図12の例では、各カシメ部分170に位置が対応する対象領域Mのノズル開口55Aからはインクを噴射しないように、図8に示す制御装置7が対象領域Mのノズル開口55Aないし55Hの圧電振動子39の動作を行わせないようにする。図7に示す保湿状態においてフラッシング動作を行わせるために、対象領域M以外の図4に示す非対象領域Rのノズル開口55Aないし55Hからはインクを噴射させる。つまり制御装置は、非対象領域Rのノズル開口55Aないし55Hの図8に示す圧電振動子39だけを動作させるのである。
図4に示す対象領域Mにおけるノズル開口55Aないし55Hの数は、例えばカシメ部分170の付近の複数個もしくは数十個のノズル開口である。これは、記録ヘッド30とキャップ本体80の位置ずれ、ピン150の成形上の倒れ、カシメ部分170の大きさのバラツキ、カシメ部分170上でのインクのたまり方、記録ヘッド30からの噴射速度などにより決まる。
ここで、図14を参照しながら、上述したインクジェット式記録装置10におけるインク吸引装置のフラッシング動作例について説明する。このフラッシング動作は本発明の液体噴射装置における液体噴射方法の好ましい実施形態である。
このフラッシング動作は、図7に示すように、キャップ本体80がノズルプレート面61に対して密着もしくは圧着した状態でキャップ本体80内の吸収材90およびノズルプレート面61を保湿するための動作である。
図14のステップST1では、図1に示すように記録ヘッド30およびキャリッジ14は、印刷中にはインク吸引装置20からは離れた印刷領域に位置している。
しかし、上述したように記録ヘッド30のノズルプレート面61とインク吸引装置20内の保湿を行う必要がある場合には、キャリッジ14および記録ヘッド30が、ヘッド移動方向T1へ移動して図1に示すホームポジション18に位置決めされる。記録ヘッド30がホームポジション18に移動されると、図6に示すように記録ヘッド30はインク吸引装置20の上部に位置決めされることになる。
図14のステップST2では、図2の制御装置7がインク吸引装置20に対してインク吸引動作による保湿のためのフラッシング動作の実行指令を行う。そして、封止ステップST3に移る。
このステップST3では、インク吸引装置20が図6の待機位置から図7のインク吸引状態に上昇する。これによって、図7に示すように、インク吸引装置20の本体80の上端部97は、ノズルプレート面61に対して密着もしくは圧着される。
図14の噴射ステップST4では、保湿目的のためにキャップ本体80内へインクのフラッシング動作をする。
このフラッシング動作においては、図8に示す制御装置7は、図4に示す非対象領域Rにある複数のノズル開口55Aないし55Hを選択して、これらのノズル開口に対応する圧電振動子39を駆動させることで選択したノズル開口からインクを噴射する。つまり、図8の制御装置7は、対象領域Mに位置する複数のノズル開口55Aないし55Hからはインクを噴射させないのである。
これによって、図13に示す比較例の場合と異なり、図12に示す本発明の実施形態では、各カシメ部分170に対してはインク1000が選択的に噴射されずに、カシメ部分170においてインク1000がノズルプレート面側へ跳ね返る現象が無くなる。インク1000の跳ね返り現象が無くなるので、インク1000がノズルプレート面に付着することが無い。また、インク1000はカシメ部分170の上にたまることがなく、ノズル開口内のインクのメニスカスが破壊されない。したがって、印字不良となる原因を無くすことができる。
このように、カシメ部分170に対してインクが付着する可能性がある対象領域Mに位置するノズル開口55Aないし55Hからは、フラッシング動作時にインクを噴射させないようにしている。このようにフラッシング動作のシーケンスを制御装置が制御して、カシメ部分170にはインクがたまらないようにして、ノズルプレート面におけるインク噴射不良現象を防止するのである。
本発明の実施形態では、インクがカシメ部分に載ったりカシメ部分において跳ね返る現象を防ぐことができる。
ステップST4が終了したら、ステップST5において、インク吸引装置20が図7の上昇位置から図6の下降位置に戻る。なお、図14ではノズルプレート面に密着した状態でのフラッシング動作を示したが、密着せずに接近した状態でも問題ない。また、ステップST4時にキャップ本体内のインクが多い場合はステップST5の後に、キャップ本体内のインクを排出する空吸引動作を行ってもよい。
本発明の他の実施形態
図15と図16は、本発明の好ましい他の実施形態を示している。
図15に示す本発明の実施形態は、図6の実施形態と略同じであり、同じ箇所には同じ符号を記してその説明を用いる。
図15の実施形態が図6の実施形態と異なるのは、次の点である。
ノズル開口列54A,54B、ノズル開口列54C,54D、ノズル開口列54E,54F、ノズル開口列54G,54Hの4組のノズル開口列群の間の対応する位置には、キャップ本体80内に隔壁700が設けられている。この隔壁700は、吸収材90を途中で分割している。このことにより、各組のノズル開口列に対応する吸収材同士間のインクの混色を防止することができる。そして各ノズル開口列の組に対応して排出部240が設けられている。この排出部240はそれぞれチューブ19Aを用いて吸引ポンプ19に接続されている。
図16は、本発明のさらに別の実施形態を示している。図16の実施形態は、図10の実施形態と似ているが、ノズル開口列の数が異なる。図10の実施形態ではノズル開口列が8列形成されている。これに対して、図16の実施形態では4つのノズル開口列54Aないし54Dが記録ヘッドのノズルプレート面に設けられている。
図16(A)では、これらのノズル開口列54Aないし54Dには、キャップ本体80内の押さえ部材130のランド部133とピンのカシメ部分170が対応している。つまり各ランド部133とカシメ部分170は、ノズル開口列54Aのノズル開口の真下に位置している。
この例では、図16(B)に示すように、各ノズル開口列54Aないし54Dのノズル開口55Aないし55Dが、カシメ部分170の直上に位置しているのが特徴的である。
このような場合であっても、各ノズル開口列54Aないし54Dの中で、対象領域Mに位置している例えば3つのノズル開口からインクを噴射しないように、制御装置が圧電振動子の動作を停止する。それ以外の非対象領域Rに位置する各ノズル開口列54Aないし54Dのノズル開口55Aないし55Dからは、制御装置が圧電振動子を動作させることにより、それぞれフラッシング動作時に液体を噴射させる。
以上のように、図10に示す本発明の実施形態では、対象領域にあるノズル開口は、カシメ部分の直上位置の周辺のノズル開口である。あるいは本発明の実施形態において対象領域にあるノズル開口は図16(B)に示すように直上に位置するノズル開口とその周辺のノズル開口である。
上述した実施形態では、例えば図7に示すように、固定手段であるカシメ部分170と押さえ部材130が、キャップ本体80内において吸収材90を保持している構造である。この場合には、キャップ本体内の固定手段であるカシメ部分に位置が対応する被覆されている被覆範囲の外の領域にあるノズル開口を選択して液体であるインクを噴射させる。
しかしこれに限らず、例えば図17に示すように、突出部材であるピン150とその上端のカシメ部分170だけを用いて、押さえ部材は用いずに吸収材90をキャップ本体80内に保持する構造も採用できる。つまり、押さえ部材は用いずに、固定手段であるカシメ部分に位置が対応する被覆されている被覆範囲の外の領域のノズル開口を選択して液体であるインクを噴射させる。
この場合には、図2の制御装置7が記録ヘッド30側の図5に示す圧電振動子39に対して信号を送ることにより、図17のカシメ部分170に相当する被覆範囲の外の領域に対応するノズル開口だけからインクを噴射するようにすればよい。このように押さえ部材が不要になるのは、例えば吸収材としては、水分を吸収しやすい繊維は膨張し易いが、繊維と繊維の間に水分を保持する吸収材は膨張しない。したがってこのような材質の場合には押さえ部材が必ずしも必要ではない。
また図7において、押さえ部材130とカシメ部分170の両方の直上部分だけ、あるいは直上部分およびその周辺領域にあるノズル開口からは液体を噴射しないようにすることもできる。この場合には、押さえ部材130とカシメ部分170に対応する被覆範囲の外の領域にあるノズル開口を選択して液体を噴射させるのである。
これによって、カシメ部分170と押さえ部材130のいずれにおいてもインクが載ったり跳ね返ったりすることがないので、ノズルプレート面がインクにより汚れることがない。
また、図18は、本発明のさらに別の実施形態を示している。
図18では、吸収材90は、キャップ本体80の中において、板状の押さえ部材985と引っ掛け形状部990により保持して固定されている。この引っ掛け形状部990は、キャップ本体80の上端部97の付近に設けられていて、一部分がノズル開口55A,55Hに近い。引っ掛け形状部990は押さえ部材985を介して吸収材90をキャップ本体80内に固定している。
このような押さえ部材985と引っ掛け形状部990に対応する被覆範囲の外の領域のノズル開口を選択して液体を噴射させる。これによって、引っ掛け形状部990と押さえ部材985にはインクが載ったり跳ね返ったりすることがなく、インクがノズルプレート面に付着するのを防ぐ。この押さえ部材985は枠形状のものが採用できる。
本発明の実施形態は、その他に次のようなものが考えられる。
図7に示すピン150は、キャップ本体80とは別体に形成したものを採用できる。この別体に形成したピンはキノコ状の先端部を有している。このキノコ状の先端部は固定手段に相当し、図7の例のカシメ部分170の形状に似ている。このキノコ状のピンは吸収材に対して圧入することにより、吸収材をキャップ本体内に固定することができる。
また別の例では吸収材や押さえ部材は、上述したようなキノコ状のピンにより突き刺して圧入して固定することもできる。
さらに別の例では、キャップ本体内を大気開放させるためのバルブの口や吸引ポンプの吸引口がキャップ本体の内部まで筒状に伸びている場合に、そのバルブ口や吸引ポンプの吸引口の上に吸収材がない場合には、そのバルブ口は吸引ポンプの吸引口に対応する範囲の外の領域のノズル開口を選択して液体を噴射させる。つまりバルブ口や吸引ポンプの吸引口に対応する範囲の領域にはノズル開口からは液体を噴射させないのである。
以上説明したように本発明の実施形態では、本体がノズル面に密着してノズル開口を封止可能である。そして吸収材は本体内に配置されてノズル開口からの液体を吸収することができる。しかも、ノズル面の対向側の吸収材が被覆された被覆範囲の外側の領域に対応するノズル面のノズル開口が選択されて、その選択されたノズル開口から液体を噴射させるようになっている。このように選択したノズル開口から液体を噴射させるのは制御装置の指令により圧電振動子を作動して行う。つまり、ノズル面の対向側の吸収材が何らかの部材により被覆された範囲のノズル面のノズル開口は選択しないで、吸収材の露出していない範囲のノズル開口からは液体を噴射させないのである。吸収材が露出していない範囲とは、既に述べたように固定手段であるカシメ部分や、押さえ部材あるいは引っ掛け形状部のような部材により吸収材の表面が被覆されている領域である。
本発明の実施形態では、ノズルプレート面がキャップ本体によりキャッピングされた状態で、ノズル開口からインク滴をフラッシング動作をすることにより、キャップ本体内を保湿して、ノズル開口のインクの増粘を防いで、インクの良好な吐出状態を保つことができる。
図示した実施形態においては、8つのインクカートリッジが使用されている。しかし、例えばブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの各インクを使用する4つのインクカートリッジが、キャリッジに装着してもよい。このインクカートリッジはこれに限らず、ブラックインク用のインクカートリッジだけを備えているものや、上述したように2つのインクカートリッジを備えていたり、ブラックインクを除いた3色のカラーインク用の3つのインクカートリッジを備えているものや、5つ以上7以下のインクカートリッジ、あるいは9つ以上の数のインクカートリッジがキャリッジに装着できるようなものであってもよい。
本発明は、インクジェット式記録装置としての上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。さらに、上述の各実施形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。また、本発明は、インクジェット式記録装置に限らず、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置等にも適用できる。
本発明の液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を示す斜視図。 図1のインクジェット式記録装置の電気的接続例を示す図。 インクジェット式記録装置の記録ヘッドとインクカートリッジの構造例を示す断面図。 記録ヘッドのノズルプレート面の形状例のノズル開口列とカシメ部分の位置関係を示す図。 記録ヘッドの圧電振動子の付近を示す図。 インク吸引装置と記録ヘッドを示しており、本体がノズルプレート面から離れた待機状態を示す図。 本体がノズルプレート面を封止している状態を示す図。 記録ヘッドの各圧電振動子とその動作を制御する制御装置の例を示す図。 記録ヘッド、押さえ部材、吸収材およびキャップ本体の構造例を示す分解斜視図。 図6におけるE方向から見たキャップ本体内の構造例を示す図。 ピンにより押さえ部材と吸収材が固定される様子を示す図。 ピンのカシメ部分に対応する対象領域のノズル開口と非対象領域のノズル開口の例を示す図。 従来の比較例を示しており、カシメ部分においてインクが跳ね返っている様子を示す図。 本発明の液体噴射装置の液体噴射方法の一例であるインクジェット式記録装置におけるフラッシング動作の例を示すフロー図。 本発明の別の実施形態を示す図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。 本発明のさらに別の実施形態を示す図。
符号の説明
2A,2B,2,3,4,5,5A,5B・・・インクカートリッジ、7・・・制御装置(制御部)、10・・・インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、19・・・吸引ポンプ、20・・・インク吸引装置(液体吸引装置の一例)、30・・・記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一例)、54A,54B,54C,54D,54E,54F,54G,54H・・・ノズル開口列、55A,55B,55C,55D,55E,55F,55G,55H・・・ノズル開口、61・・・ノズルプレート面(ノズル面の一例)、80・・・キャップ本体(本体の一例)、90・・・吸収材、130・・・押さえ部材、M・・・対象領域、R・・・非対象領域

Claims (9)

  1. 液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面に当てて前記ノズル面から液体を噴射してノズル面を保湿する液体噴射ヘッドの液体吸引装置を備える液体噴射装置であって、
    前記ノズル面に密着してノズル開口を封止可能な本体と、
    前記本体内に配置されて前記ノズル開口からの前記液体を吸収する吸収材と、を有し、
    前記ノズル面の対向側の吸収材が被覆されている被覆範囲の外の領域に対応する前記ノズル面の前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記本体内に設けられた固定手段により固定することで前記吸収材を押さえる押さえ部材を有し、前記本体内の前記固定手段に位置が対応する前記被覆範囲の外の前記領域にある前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記本体内に設けられた固定手段により固定することで前記吸収材を押さえる押さえ部材を有し、
    前記固定手段と前記押さえ部材に位置が対応する前記被覆範囲の外の前記領域の前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 押さえ部材を用いずに固定手段により前記吸収材を押さえており、前記固定手段に位置が対応する前記被覆範囲の外の前記領域の前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  5. 前記固定手段は、前記本体内に設けられた突出部材の端部をカシメて形成したカシメ部分である請求項2〜4のいずれかに記載の液体噴射装置。
  6. 前記被覆範囲にある前記ノズル開口は、前記固定手段の直上位置の周辺の前記ノズル開口であることを特徴とする請求項2または請求項4に記載の液体噴射装置。
  7. 前記被覆範囲にある前記ノズル開口は、前記固定手段の直上に位置する前記ノズル開口とその周辺の前記ノズル開口であることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  8. 各前記ノズル開口に対応して前記ノズル開口から前記液体を噴射させる圧力発生素子を備え、前記被覆範囲にある選択された前記ノズル開口の前記圧力発生素子を動作させて、前記本体内の前記吸収材へ前記液体を噴射させることを特徴とする請求項6または7に記載の液体噴射装置。
  9. 液体を噴射する液体噴射ヘッドのノズル面に当てて前記ノズル面から液体を噴射してノズル面を保湿する液体吸引装置を用いる液体噴射装置における液体の噴射方法であって、
    前記ノズル面に密着してノズル開口を封止可能な本体内には前記ノズル開口からの前記液体を吸収する吸収材を設けており、前記ノズル面の対向側の吸収材が被覆されている被覆範囲外の領域に対応する前記ノズル面の前記ノズル開口を選択して前記液体を噴射させることを特徴とする液体噴射装置における液体噴射方法。
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JP2007253609A (ja) * 2006-02-22 2007-10-04 Ricoh Co Ltd ヘッド用キャップ部材、ヘッドの維持回復装置、液滴を吐出する装置、画像形成装置

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