JP2004330749A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル形成面を良好に拭き取ることのできるクリーニングブレードを具備する液体噴射装置を提供する。
【解決手段】クリーニングブレード30を、弾性部材からなるワイピング材31とワイピング材31の一方面側に設けられたラビング材32とで構成し、且つラビング材32の少なくとも記録ヘッドのノズル形成面との摺接部を超極細繊維で形成されたシート部材34で構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】クリーニングブレード30を、弾性部材からなるワイピング材31とワイピング材31の一方面側に設けられたラビング材32とで構成し、且つラビング材32の少なくとも記録ヘッドのノズル形成面との摺接部を超極細繊維で形成されたシート部材34で構成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴を吐出する記録ヘッドを備えた液体噴射装置に関し、特に、ノズル開口と連通する圧力発生室に供給されたインクを圧電素子によって加圧することによりノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来技術】
液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置は、例えば、圧電素子や発熱素子によりインク滴吐出のための圧力を発生させる複数の圧力発生室と、各圧力発生室にインクを供給する共通のリザーバと、各圧力発生室に連通するノズル開口とを備えたインクジェット式記録ヘッドを具備している。そして、印字信号に対応するノズルと連通した圧力発生室内に圧力を付与することによりノズル開口からインク滴を吐出させる。このようなインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、圧力発生手段として圧力発生室内に駆動信号によりジュール熱を発生する抵抗線を設けたタイプのものや、圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させてノズル開口からインク滴を吐出させるタイプのもの等が挙げられる。
【0003】
また、このようなインクジェット式の記録ヘッドは、ノズル開口からインク滴を記録媒体上に吐出しているため、ノズル開口近傍の周縁部にインクが付着することにより、また付着したインクが固化することにより、例えば、インク滴の吐出方向が安定しない等の吐出不良が発生するという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば、記録ヘッドのノズル開口面を封止してインクの乾燥を防止するためのキャッピング手段と共に、ノズル開口が穿設されたノズルプレートの表面に摺接してクリーニングするクリーニング手段を備えたインクジェット式記録装置がある。このクリーニング手段は、具体的には、例えば、ゴム板からなるワイピング材と、不織布等で形成されたラビング材とが一体的に積層形成されたブレードである。そして、記録ヘッドが搭載されたキャリッジの一方向への移動によってワイピング材がノズルプレートの表面に接触することにより、ノズルプレート表面のインクカスや紙粉が掻き取られて除去される。また、キャリッジの反対方向への移動によってラビング材がノズルプレートの表面に接触することにより、ノズルプレートの表面に付着しているインク等が吸収されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−127417号公報(第2図、第3図、段落[0011]〜[0020])
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなラビング材として用いられる不織布は、例えば、15μm程度と比較的太い繊維で形成されているため、ノズルプレートの表面(ノズル形成面)を十分に拭き取ることができない場合がある。例えば、顔料インクを用いた場合には、顔料インクに含まれる樹脂成分がノズルプレートの表面に付着して薄い樹脂膜が形成される場合がある。この樹脂膜は、従来のラビング材で拭き取ることは難しく、この樹脂膜に起因する吐出不良が発生してしまうという問題がある。
【0007】
また、顔料インクとは別に、インクに作用して発色性等を高める反応液を吐出するタイプのインクジェット式記録装置では、ノズル形成面で顔料インクと反応液とが混合すると顔料インクが凝集してしまうため、インクと反応液とをラビング材によって確実に拭き取る必要がある。
【0008】
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、インク以外の液体を吐出する他の液体噴射ヘッドであっても発生する場合がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑み、ノズル形成面を良好に拭き取ることのできるクリーニングブレードを具備する液体噴射装置を提供することを課題とする。
【0010】
【発明が解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、複数のノズル開口からなるノズル列と、各ノズル開口に連通する圧力発生室とを具備し、該圧力発生室内に圧力を付与することにより前記ノズル開口からインク滴を吐出する記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル形成面に摺接されて当該ノズル形成面を払拭するクリーニングブレードとを具備する液体噴射装置において、前記クリーニングブレードが、弾性部材からなるワイピング材と該ワイピング材の一方面側に設けられたラビング材とで構成され、且つ該ラビング材の少なくとも前記記録ヘッドのノズル形成面との摺接部が超極細繊維で形成されたシート部材で構成されていることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0011】
かかる第1の態様では、ラビング材によるノズル形成面の拭き取り効果が著しく向上し、ノズル形成面に付着した液滴に起因する吐出不良が確実に防止される。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ラビング材が前記シート部材のみからなることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0013】
かかる第2の態様では、ラビング材によるノズル形成面の拭き取り効果がさらに向上する。
【0014】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記ラビング材は、芯材の表面の少なくとも一部を覆って前記シート部材が設けられたものであることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0015】
かかる第3の態様では、芯材の表面に設けられたシート部材によってノズル形成面が良好に拭き取られる。
【0016】
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記芯材が、前記液滴を吸収可能な材料で形成されていることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0017】
かかる第4の態様では、シート部材で拭き取られた液滴が芯材に吸収されるため、ラビング材の拭き取り効果が長期間に亘って保持される。
【0018】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記ラビング材の前記記録ヘッド側の端面が、前記ワイピング材の端面よりも突出していることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0019】
かかる第5の態様では、ラビング材によってノズル形成面を拭き取る際の圧力が増加するため、拭き取り効果がさらに向上する。
【0020】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記超極細繊維が0.1デニール以下であることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0021】
かかる第6の態様では、ラビング材に所定の太さ以下の超極細繊維を用いることによって、ノズル形成面を良好に拭き取ることができる。
【0022】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記超極細繊維が高分子相互配列体繊維から形成されたものであることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0023】
かかる第7の態様では、吸収性に優れたシート部材を形成でき、拭き取り効果の高いラビング材が得られる。
【0024】
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様において、前記記録ヘッドが搭載されたキャリッジの一方側への移動により前記ワイピング材が前記記録ヘッドのノズル形成面に摺接され、前記キャリッジの他方側への移動により前記ラビング材が前記記録ヘッドのノズル形成面に摺接されることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0025】
かかる第8の態様では、記録ヘッドのノズル形成面が良好に払拭され、吐出不良が防止される。
【0026】
本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様において、前記液滴が、インク組成物、及び該インク組成物と反応して当該インク組成物を定着させる反応液であることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0027】
かかる第9の態様では、ラビング材によってインク組成物と反応液とが確実に拭き取られ、ノズル形成面でのインク組成物と反応液との反応物の生成が防止される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の概略斜視図であり、図2は、液体噴射装置の内部構造を示す要部断面図である。本実施形態の液体噴射装置であるインクジェット式記録装置10は、図示するように、インク滴を吐出する記録ヘッド11がキャリッジ12に固定され、このキャリッジ12には、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等の複数の異なる色の顔料インクが貯留されたインクカートリッジ13(13B,13C,13M,13Y)と、これらのインクとの反応性を有する反応液が貯留された反応液カートリッジ14とが着脱可能に搭載されている。本実施形態の反応液は、インクを定着させるための定着液であり、インクとは別に記録媒体に付着させることによってインク中の顔料の凝集を促して、記録画像の発色性及び光沢性を向上させる効果がある。なお、定着液としては、例えば、水と、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリイミドポリアミン、ポリアミジン、ポリジメチルアミノエチルメタクリート、ポリジメチルアミノエチルアクリレート等のカチオン性樹脂とを主成分として含有し、着色剤を含まないクリアインク組成物を挙げることができる。
【0029】
このようなインクカートリッジ13等が搭載されたキャリッジ12は、装置本体15に取り付けられたキャリッジ軸16に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モータ17の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト18を介してキャリッジ12に伝達されることで、キャリッジ12はキャリッジ軸16に沿って移動される。一方、装置本体15にはキャリッジ軸16に沿ってプラテン19が設けられており、図示しない給紙装置などにより給紙された紙等の被記録媒体Sがプラテン19上を搬送されるようになっている。
【0030】
また、キャリッジ12のホームポジションに対応する位置、すなわち、キャリッジ軸16の一方の端部近傍には、記録ヘッド11のノズル形成面11aを封止するキャップ部材20を有するキャッピング装置21が設けられている。このキャップ部材20によってノズル形成面11aを封止することにより、インクの乾燥を防止している。また、このキャップ部材20は、フラッシング動作時のインク受けとしても機能する。さらに、キャップ部材20には、チューブポンプ等で構成される吸引装置22が接続されている。そして、所定のタイミングで、吸引装置22によってキャップ部材20内を吸引してノズル開口からインク等を強制的に排出させる吸引動作を実行することにより、ノズル詰まり等による吐出不良の発生を防止している。なお、吸引動作によって排出されたインクは、吸引装置22に接続された排出管23を介して廃液タンク24内の廃液吸収材25によって吸収される。
【0031】
また、このキャッピング装置21に隣接して、記録ヘッド11のノズル形成面11aをクリーニングするためのクリーニングブレード30が設けられている。そして、所定のタイミングでキャリッジ12の移動により記録ヘッド11のノズル形成面11aにクリーングブレード30の先端部を摺接させ、ノズル形成面11aを払拭するクリーニング動作が実行される。
【0032】
このクリーニングブレード30は、本実施形態では、図3に示すように、例えば、ゴム板等の弾性部材からなるワイピング材31と、ワイピング材31の一方面に接着固定されたラビング材32とで構成されている。また、クリーニングブレード30は、上下方向に移動可能な基台33に固定され、クリーニング動作実行時にこの基台33が記録ヘッド11側に移動することによって、クリーニングブレード30の先端部がノズル形成面11aに弾接されるようになっている。
【0033】
本実施形態のクリーニングブレード30を構成するラビング材32は、超極細繊維で形成されたシート部材34からなる。また、ここでいう超極細繊維とは、具体的には、0.1デニール以下の繊維であり、例えば、本実施形態では、ラビング材32は、0.06デニール程度の超極細繊維の繊維束で形成されたシート部材からなる。また、この超極細繊維は、高分子相互配列体繊維(海島型繊維)から海成分を溶出除去することによって形成したものであることが好ましい。なお、超極細繊維の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリアミド等を用いることが好ましく、本実施形態のシート部材34は、ポリエステル長繊維で形成されている。
【0034】
ここで、このようなクリーニングブレード30を用いたクリーニング動作について説明する。図4は、クリーニングブレード30によるクリーニング動作を示す図である。クリーニングブレード30によるクリーニング動作は、例えば、吸引動作が終了後に実行され、吸引動作によって記録ヘッド11のノズル形成面11aに付着したインク等を除去する。具体的には、ホームポジション、すなわち、キャッピング装置21に対向する領域で吸引動作が終了すると、図4(a)に示すように、クリーニングブレード30は、その先端部が記録ヘッド11のノズル形成面11aよりも若干上方に突出するように移動される。そして、図4(b)に示すように、記録ヘッド11が固定されたキャリッジ12が、ホームポジションからキャリッジ軸16に沿って一方側(図中左側)に移動する。この移動により、クリーニングブレード30の先端部が弾性変形することでワイピング材31がノズル形成面11aに摺接される。これにより、ノズル形成面11aに付着したインク及び反応液が機械的に掻き取られる。そして、キャリッジ12がクリーニングブレード30のホームポジションとは反対側の領域まで移動すると、キャリッジ12は、移動方向を反転させて再びホームポジションまで移動する。この移動に伴って、図4(c)に示すように、クリーニングブレード30が弾性変形してラビング材32がノズル形成面11aに摺接される。これにより、ワイピング材31で掻き取りきれなかったインク及び反応液がラビング材32によって吸収されて除去される。
【0035】
このようなクリーニング動作によれば、記録ヘッド11のノズル形成面11aに付着したインク及び反応液を良好に除去することができる。特に、本発明では、ラビング材32が超極細繊維で形成されたシート部材34からなり拭き取り効果が著しく向上しているため、ノズル形成面11aに付着したインク及び反応液が確実に除去される。したがって、印刷時に、ノズル形成面11aに付着したインク等によって、吐出されるインク滴の飛行方向のズレ等、吐出不良の発生を確実に防止することができ、印刷品質を著しく向上することができる。また、本実施形態に係る記録ヘッド11は、顔料インクと反応液とを吐出して印刷を行うものであるため、顔料インクに含まれる樹脂成分がノズル形成面11aに付着して薄い樹脂膜が形成される虞があるが、本発明のラビング材32であれば、顔料インクの樹脂成分も確実に拭き取ることができるため、樹脂膜が形成されることもない。また、ラビング材32によってインク組成物と反応液とを確実に拭き取ることができるため、ノズル形成面11aでのインク組成物と反応液との反応物の生成(顔料の凝集)を防止することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、クリーニングブレード30は、ワイピング材31の端面とラビング材32の端面とが同一高さとなるように形成されているが、これに限定されず、例えば、図5に示すように、ラビング材32の端部がワイピング材31の端面よりも突出するように形成されていてもよい。これにより、クリーニング動作実行時に、ラビング材32がノズル形成面11aに押圧される力が増加し、ラビング材32によるノズル形成面11aの拭き取り効果をより一層向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、ラビング材32は、超極細繊維で形成されたシート部材34のみで構成されているが、これに限定されず、少なくともノズル形成面11aと摺接される摺接部が超極細繊維で形成されたシート部材34で構成されていればよい。例えば、図6に示すように、ラビング材32は、芯材35と、この芯材35の表面を覆って設けられるシート部材34Aとで構成されていてもよい。このような構成とする場合、芯材35の材料は、吸水性を有する材料を用いることが好ましい。これにより、ラビング材32によって吸収されたインク等がこの芯材35によって吸収されるため、ラビング材32の拭き取り効果を良好に維持することができる。
【0038】
なお、このようなインクジェット式記録装置に搭載される記録ヘッドの構造は、特に限定されるものではない。以下にその一例を示す。図7は、本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。本実施形態の記録ヘッド11は、縦振動型の圧電素子を有するタイプのものであり、流路形成基板50には複数の圧力発生室51が並設されている。また、各圧力発生室51の長手方向一端部側には、リザーバ52が供給口53を介して各圧力発生室51に連通されている。
また、流路形成基板50の圧力発生室51の開口面側は振動板54で封止され、他方面側にはノズル開口55が穿設されたノズルプレート56が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着されている。
【0039】
振動板54上には、インクカートリッジ又は反応液カートリッジに接続される供給路を有するヘッドケース57が固定されており、且つこのヘッドケース57には、圧電素子ユニット58が高精度に位置決めされて固定されている。この圧電素子ユニット58は、圧電素子59と、圧電素子59の振動に寄与しない不活性領域に接合された固定基板60とからなる。圧電素子59は、圧電材料61と、電極形成材料62及び63とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層して形成され、各圧電素子59の先端が振動板54上の各圧力発生室51に対応する領域に設けられた各アイランド部64に当接されて固定されている。
【0040】
このように構成された記録ヘッド11では、インクカートリッジに連通されるインク供給路を介してリザーバ52にインクが供給され、供給口53を介して各圧力発生室51に分配される。実際には、圧電素子59に電圧を印加することにより圧電素子59を収縮させる。これにより、振動板54が圧電素子59と共に引き上げられて圧力発生室51の容積が広げられ、圧力発生室51内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口55に至るまで内部をインクで満たした後、駆動配線65に実装された駆動回路66からの記録信号に従い、圧電素子59に印加していた電圧を解除すると、圧電素子59が伸張されて元の状態に戻る。これにより、振動板54も変位して元の状態に戻るため圧力発生室51が収縮され、内部圧力が高まりノズル開口55からインク滴が吐出される。また、本実施形態では、反応液カートリッジに貯留されている反応液も、インクと同様に圧力発生室51内に供給され、圧電素子59の駆動によりノズル開口55から吐出される。
【0041】
なお、記録ヘッドとしては、このような縦振動型の他、例えば、たわみ振動型の記録ヘッド、あるいは圧力発生室内に抵抗線を設けた電気熱変換式の記録ヘッド等が挙げられる。また、本実施形態では、顔料系のインクを吐出する記録ヘッドを一例として説明したが、勿論、染料系のインクを吐出する記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置であっても本発明を適用できる。
【0042】
さらに、本実施形態では、液体噴射装置としてインクを吐出する記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置を一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射装置全般を対象としたものである。インクジェット式記録装置以外の液体噴射装置としては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等として利用可能な液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体噴射装置の概略斜視図である。
【図2】液体噴射装置の内部構造を示す要部断面図である。
【図3】クリーニングブレードの斜視図である。
【図4】クリーニング動作を説明する概略図である。
【図5】クリーニングブレードの他の例を示す断面図である。
【図6】クリーニングブレードの他の例を示す断面図である。
【図7】記録ヘッドの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 インクジェット式記録装置、 11 記録ヘッド、 11a ノズル形成面、 12 キャリッジ、 13 インクカートリッジ、 14 反応液カートリッジ、 20 キャップ部材、 21 キャッピング装置、 30 クリーニングブレード、 31 ワイピング材、 32 ラビング材、 33 基台、
34,34A シート部材、 35 芯材
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴を吐出する記録ヘッドを備えた液体噴射装置に関し、特に、ノズル開口と連通する圧力発生室に供給されたインクを圧電素子によって加圧することによりノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来技術】
液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置は、例えば、圧電素子や発熱素子によりインク滴吐出のための圧力を発生させる複数の圧力発生室と、各圧力発生室にインクを供給する共通のリザーバと、各圧力発生室に連通するノズル開口とを備えたインクジェット式記録ヘッドを具備している。そして、印字信号に対応するノズルと連通した圧力発生室内に圧力を付与することによりノズル開口からインク滴を吐出させる。このようなインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、圧力発生手段として圧力発生室内に駆動信号によりジュール熱を発生する抵抗線を設けたタイプのものや、圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させてノズル開口からインク滴を吐出させるタイプのもの等が挙げられる。
【0003】
また、このようなインクジェット式の記録ヘッドは、ノズル開口からインク滴を記録媒体上に吐出しているため、ノズル開口近傍の周縁部にインクが付着することにより、また付着したインクが固化することにより、例えば、インク滴の吐出方向が安定しない等の吐出不良が発生するという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば、記録ヘッドのノズル開口面を封止してインクの乾燥を防止するためのキャッピング手段と共に、ノズル開口が穿設されたノズルプレートの表面に摺接してクリーニングするクリーニング手段を備えたインクジェット式記録装置がある。このクリーニング手段は、具体的には、例えば、ゴム板からなるワイピング材と、不織布等で形成されたラビング材とが一体的に積層形成されたブレードである。そして、記録ヘッドが搭載されたキャリッジの一方向への移動によってワイピング材がノズルプレートの表面に接触することにより、ノズルプレート表面のインクカスや紙粉が掻き取られて除去される。また、キャリッジの反対方向への移動によってラビング材がノズルプレートの表面に接触することにより、ノズルプレートの表面に付着しているインク等が吸収されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−127417号公報(第2図、第3図、段落[0011]〜[0020])
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなラビング材として用いられる不織布は、例えば、15μm程度と比較的太い繊維で形成されているため、ノズルプレートの表面(ノズル形成面)を十分に拭き取ることができない場合がある。例えば、顔料インクを用いた場合には、顔料インクに含まれる樹脂成分がノズルプレートの表面に付着して薄い樹脂膜が形成される場合がある。この樹脂膜は、従来のラビング材で拭き取ることは難しく、この樹脂膜に起因する吐出不良が発生してしまうという問題がある。
【0007】
また、顔料インクとは別に、インクに作用して発色性等を高める反応液を吐出するタイプのインクジェット式記録装置では、ノズル形成面で顔料インクと反応液とが混合すると顔料インクが凝集してしまうため、インクと反応液とをラビング材によって確実に拭き取る必要がある。
【0008】
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、インク以外の液体を吐出する他の液体噴射ヘッドであっても発生する場合がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑み、ノズル形成面を良好に拭き取ることのできるクリーニングブレードを具備する液体噴射装置を提供することを課題とする。
【0010】
【発明が解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、複数のノズル開口からなるノズル列と、各ノズル開口に連通する圧力発生室とを具備し、該圧力発生室内に圧力を付与することにより前記ノズル開口からインク滴を吐出する記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル形成面に摺接されて当該ノズル形成面を払拭するクリーニングブレードとを具備する液体噴射装置において、前記クリーニングブレードが、弾性部材からなるワイピング材と該ワイピング材の一方面側に設けられたラビング材とで構成され、且つ該ラビング材の少なくとも前記記録ヘッドのノズル形成面との摺接部が超極細繊維で形成されたシート部材で構成されていることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0011】
かかる第1の態様では、ラビング材によるノズル形成面の拭き取り効果が著しく向上し、ノズル形成面に付着した液滴に起因する吐出不良が確実に防止される。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ラビング材が前記シート部材のみからなることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0013】
かかる第2の態様では、ラビング材によるノズル形成面の拭き取り効果がさらに向上する。
【0014】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記ラビング材は、芯材の表面の少なくとも一部を覆って前記シート部材が設けられたものであることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0015】
かかる第3の態様では、芯材の表面に設けられたシート部材によってノズル形成面が良好に拭き取られる。
【0016】
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記芯材が、前記液滴を吸収可能な材料で形成されていることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0017】
かかる第4の態様では、シート部材で拭き取られた液滴が芯材に吸収されるため、ラビング材の拭き取り効果が長期間に亘って保持される。
【0018】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記ラビング材の前記記録ヘッド側の端面が、前記ワイピング材の端面よりも突出していることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0019】
かかる第5の態様では、ラビング材によってノズル形成面を拭き取る際の圧力が増加するため、拭き取り効果がさらに向上する。
【0020】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記超極細繊維が0.1デニール以下であることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0021】
かかる第6の態様では、ラビング材に所定の太さ以下の超極細繊維を用いることによって、ノズル形成面を良好に拭き取ることができる。
【0022】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記超極細繊維が高分子相互配列体繊維から形成されたものであることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0023】
かかる第7の態様では、吸収性に優れたシート部材を形成でき、拭き取り効果の高いラビング材が得られる。
【0024】
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様において、前記記録ヘッドが搭載されたキャリッジの一方側への移動により前記ワイピング材が前記記録ヘッドのノズル形成面に摺接され、前記キャリッジの他方側への移動により前記ラビング材が前記記録ヘッドのノズル形成面に摺接されることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0025】
かかる第8の態様では、記録ヘッドのノズル形成面が良好に払拭され、吐出不良が防止される。
【0026】
本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様において、前記液滴が、インク組成物、及び該インク組成物と反応して当該インク組成物を定着させる反応液であることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0027】
かかる第9の態様では、ラビング材によってインク組成物と反応液とが確実に拭き取られ、ノズル形成面でのインク組成物と反応液との反応物の生成が防止される。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の概略斜視図であり、図2は、液体噴射装置の内部構造を示す要部断面図である。本実施形態の液体噴射装置であるインクジェット式記録装置10は、図示するように、インク滴を吐出する記録ヘッド11がキャリッジ12に固定され、このキャリッジ12には、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等の複数の異なる色の顔料インクが貯留されたインクカートリッジ13(13B,13C,13M,13Y)と、これらのインクとの反応性を有する反応液が貯留された反応液カートリッジ14とが着脱可能に搭載されている。本実施形態の反応液は、インクを定着させるための定着液であり、インクとは別に記録媒体に付着させることによってインク中の顔料の凝集を促して、記録画像の発色性及び光沢性を向上させる効果がある。なお、定着液としては、例えば、水と、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリイミドポリアミン、ポリアミジン、ポリジメチルアミノエチルメタクリート、ポリジメチルアミノエチルアクリレート等のカチオン性樹脂とを主成分として含有し、着色剤を含まないクリアインク組成物を挙げることができる。
【0029】
このようなインクカートリッジ13等が搭載されたキャリッジ12は、装置本体15に取り付けられたキャリッジ軸16に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モータ17の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト18を介してキャリッジ12に伝達されることで、キャリッジ12はキャリッジ軸16に沿って移動される。一方、装置本体15にはキャリッジ軸16に沿ってプラテン19が設けられており、図示しない給紙装置などにより給紙された紙等の被記録媒体Sがプラテン19上を搬送されるようになっている。
【0030】
また、キャリッジ12のホームポジションに対応する位置、すなわち、キャリッジ軸16の一方の端部近傍には、記録ヘッド11のノズル形成面11aを封止するキャップ部材20を有するキャッピング装置21が設けられている。このキャップ部材20によってノズル形成面11aを封止することにより、インクの乾燥を防止している。また、このキャップ部材20は、フラッシング動作時のインク受けとしても機能する。さらに、キャップ部材20には、チューブポンプ等で構成される吸引装置22が接続されている。そして、所定のタイミングで、吸引装置22によってキャップ部材20内を吸引してノズル開口からインク等を強制的に排出させる吸引動作を実行することにより、ノズル詰まり等による吐出不良の発生を防止している。なお、吸引動作によって排出されたインクは、吸引装置22に接続された排出管23を介して廃液タンク24内の廃液吸収材25によって吸収される。
【0031】
また、このキャッピング装置21に隣接して、記録ヘッド11のノズル形成面11aをクリーニングするためのクリーニングブレード30が設けられている。そして、所定のタイミングでキャリッジ12の移動により記録ヘッド11のノズル形成面11aにクリーングブレード30の先端部を摺接させ、ノズル形成面11aを払拭するクリーニング動作が実行される。
【0032】
このクリーニングブレード30は、本実施形態では、図3に示すように、例えば、ゴム板等の弾性部材からなるワイピング材31と、ワイピング材31の一方面に接着固定されたラビング材32とで構成されている。また、クリーニングブレード30は、上下方向に移動可能な基台33に固定され、クリーニング動作実行時にこの基台33が記録ヘッド11側に移動することによって、クリーニングブレード30の先端部がノズル形成面11aに弾接されるようになっている。
【0033】
本実施形態のクリーニングブレード30を構成するラビング材32は、超極細繊維で形成されたシート部材34からなる。また、ここでいう超極細繊維とは、具体的には、0.1デニール以下の繊維であり、例えば、本実施形態では、ラビング材32は、0.06デニール程度の超極細繊維の繊維束で形成されたシート部材からなる。また、この超極細繊維は、高分子相互配列体繊維(海島型繊維)から海成分を溶出除去することによって形成したものであることが好ましい。なお、超極細繊維の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリアミド等を用いることが好ましく、本実施形態のシート部材34は、ポリエステル長繊維で形成されている。
【0034】
ここで、このようなクリーニングブレード30を用いたクリーニング動作について説明する。図4は、クリーニングブレード30によるクリーニング動作を示す図である。クリーニングブレード30によるクリーニング動作は、例えば、吸引動作が終了後に実行され、吸引動作によって記録ヘッド11のノズル形成面11aに付着したインク等を除去する。具体的には、ホームポジション、すなわち、キャッピング装置21に対向する領域で吸引動作が終了すると、図4(a)に示すように、クリーニングブレード30は、その先端部が記録ヘッド11のノズル形成面11aよりも若干上方に突出するように移動される。そして、図4(b)に示すように、記録ヘッド11が固定されたキャリッジ12が、ホームポジションからキャリッジ軸16に沿って一方側(図中左側)に移動する。この移動により、クリーニングブレード30の先端部が弾性変形することでワイピング材31がノズル形成面11aに摺接される。これにより、ノズル形成面11aに付着したインク及び反応液が機械的に掻き取られる。そして、キャリッジ12がクリーニングブレード30のホームポジションとは反対側の領域まで移動すると、キャリッジ12は、移動方向を反転させて再びホームポジションまで移動する。この移動に伴って、図4(c)に示すように、クリーニングブレード30が弾性変形してラビング材32がノズル形成面11aに摺接される。これにより、ワイピング材31で掻き取りきれなかったインク及び反応液がラビング材32によって吸収されて除去される。
【0035】
このようなクリーニング動作によれば、記録ヘッド11のノズル形成面11aに付着したインク及び反応液を良好に除去することができる。特に、本発明では、ラビング材32が超極細繊維で形成されたシート部材34からなり拭き取り効果が著しく向上しているため、ノズル形成面11aに付着したインク及び反応液が確実に除去される。したがって、印刷時に、ノズル形成面11aに付着したインク等によって、吐出されるインク滴の飛行方向のズレ等、吐出不良の発生を確実に防止することができ、印刷品質を著しく向上することができる。また、本実施形態に係る記録ヘッド11は、顔料インクと反応液とを吐出して印刷を行うものであるため、顔料インクに含まれる樹脂成分がノズル形成面11aに付着して薄い樹脂膜が形成される虞があるが、本発明のラビング材32であれば、顔料インクの樹脂成分も確実に拭き取ることができるため、樹脂膜が形成されることもない。また、ラビング材32によってインク組成物と反応液とを確実に拭き取ることができるため、ノズル形成面11aでのインク組成物と反応液との反応物の生成(顔料の凝集)を防止することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、クリーニングブレード30は、ワイピング材31の端面とラビング材32の端面とが同一高さとなるように形成されているが、これに限定されず、例えば、図5に示すように、ラビング材32の端部がワイピング材31の端面よりも突出するように形成されていてもよい。これにより、クリーニング動作実行時に、ラビング材32がノズル形成面11aに押圧される力が増加し、ラビング材32によるノズル形成面11aの拭き取り効果をより一層向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、ラビング材32は、超極細繊維で形成されたシート部材34のみで構成されているが、これに限定されず、少なくともノズル形成面11aと摺接される摺接部が超極細繊維で形成されたシート部材34で構成されていればよい。例えば、図6に示すように、ラビング材32は、芯材35と、この芯材35の表面を覆って設けられるシート部材34Aとで構成されていてもよい。このような構成とする場合、芯材35の材料は、吸水性を有する材料を用いることが好ましい。これにより、ラビング材32によって吸収されたインク等がこの芯材35によって吸収されるため、ラビング材32の拭き取り効果を良好に維持することができる。
【0038】
なお、このようなインクジェット式記録装置に搭載される記録ヘッドの構造は、特に限定されるものではない。以下にその一例を示す。図7は、本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。本実施形態の記録ヘッド11は、縦振動型の圧電素子を有するタイプのものであり、流路形成基板50には複数の圧力発生室51が並設されている。また、各圧力発生室51の長手方向一端部側には、リザーバ52が供給口53を介して各圧力発生室51に連通されている。
また、流路形成基板50の圧力発生室51の開口面側は振動板54で封止され、他方面側にはノズル開口55が穿設されたノズルプレート56が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着されている。
【0039】
振動板54上には、インクカートリッジ又は反応液カートリッジに接続される供給路を有するヘッドケース57が固定されており、且つこのヘッドケース57には、圧電素子ユニット58が高精度に位置決めされて固定されている。この圧電素子ユニット58は、圧電素子59と、圧電素子59の振動に寄与しない不活性領域に接合された固定基板60とからなる。圧電素子59は、圧電材料61と、電極形成材料62及び63とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層して形成され、各圧電素子59の先端が振動板54上の各圧力発生室51に対応する領域に設けられた各アイランド部64に当接されて固定されている。
【0040】
このように構成された記録ヘッド11では、インクカートリッジに連通されるインク供給路を介してリザーバ52にインクが供給され、供給口53を介して各圧力発生室51に分配される。実際には、圧電素子59に電圧を印加することにより圧電素子59を収縮させる。これにより、振動板54が圧電素子59と共に引き上げられて圧力発生室51の容積が広げられ、圧力発生室51内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口55に至るまで内部をインクで満たした後、駆動配線65に実装された駆動回路66からの記録信号に従い、圧電素子59に印加していた電圧を解除すると、圧電素子59が伸張されて元の状態に戻る。これにより、振動板54も変位して元の状態に戻るため圧力発生室51が収縮され、内部圧力が高まりノズル開口55からインク滴が吐出される。また、本実施形態では、反応液カートリッジに貯留されている反応液も、インクと同様に圧力発生室51内に供給され、圧電素子59の駆動によりノズル開口55から吐出される。
【0041】
なお、記録ヘッドとしては、このような縦振動型の他、例えば、たわみ振動型の記録ヘッド、あるいは圧力発生室内に抵抗線を設けた電気熱変換式の記録ヘッド等が挙げられる。また、本実施形態では、顔料系のインクを吐出する記録ヘッドを一例として説明したが、勿論、染料系のインクを吐出する記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置であっても本発明を適用できる。
【0042】
さらに、本実施形態では、液体噴射装置としてインクを吐出する記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置を一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射装置全般を対象としたものである。インクジェット式記録装置以外の液体噴射装置としては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等として利用可能な液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体噴射装置の概略斜視図である。
【図2】液体噴射装置の内部構造を示す要部断面図である。
【図3】クリーニングブレードの斜視図である。
【図4】クリーニング動作を説明する概略図である。
【図5】クリーニングブレードの他の例を示す断面図である。
【図6】クリーニングブレードの他の例を示す断面図である。
【図7】記録ヘッドの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 インクジェット式記録装置、 11 記録ヘッド、 11a ノズル形成面、 12 キャリッジ、 13 インクカートリッジ、 14 反応液カートリッジ、 20 キャップ部材、 21 キャッピング装置、 30 クリーニングブレード、 31 ワイピング材、 32 ラビング材、 33 基台、
34,34A シート部材、 35 芯材
Claims (9)
- 複数のノズル開口からなるノズル列と、各ノズル開口に連通する圧力発生室とを具備し、該圧力発生室内に圧力を付与することにより前記ノズル開口から液滴を吐出する記録ヘッドと、該記録ヘッドのノズル形成面に摺接されて当該ノズル形成面を払拭するクリーニングブレードとを具備する液体噴射装置において、
前記クリーニングブレードが、弾性部材からなるワイピング材と該ワイピング材の一方面側に設けられたラビング材とで構成され、且つ該ラビング材の少なくとも前記記録ヘッドのノズル形成面との摺接部が超極細繊維で形成されたシート部材で構成されていることを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項1において、前記ラビング材が前記シート部材のみからなることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項1において、前記ラビング材は、芯材の表面の少なくとも一部を覆って前記シート部材が設けられたものであることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項3において、前記芯材が、前記液滴を吸収可能な材料で形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記ラビング材の前記記録ヘッド側の端面が、前記ワイピング材の端面よりも突出していることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記超極細繊維が0.1デニール以下であることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記超極細繊維が高分子相互配列体繊維から形成されたものであることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項1〜7の何れかにおいて、前記記録ヘッドが搭載されたキャリッジの一方側への移動により前記ワイピング材が前記記録ヘッドのノズル形成面に摺接され、前記キャリッジの他方側への移動により前記ラビング材が前記記録ヘッドのノズル形成面に摺接されることを特徴とする液体噴射装置。
- 請求項1〜8の何れかにおいて、前記液滴が、インク組成物、及び該インク組成物と反応して当該インク組成物を定着させる反応液であることを特徴とする液体噴射装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009012237A (ja) * | 2007-07-03 | 2009-01-22 | Kyocera Mita Corp | クリーニング装置及びインクジェット記録装置 |
JP2012148577A (ja) * | 2012-05-16 | 2012-08-09 | Kyocera Document Solutions Inc | ブレード及びインクジェット記録装置 |
JP2014226808A (ja) * | 2013-05-20 | 2014-12-08 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出装置、及び、拭き取り部材の洗浄方法 |
JP2016101698A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 記録ヘッドの回復システム及びそれを備えたインクジェット記録装置 |
-
2003
- 2003-05-12 JP JP2003133567A patent/JP2004330749A/ja active Pending
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