JP2006179715A - セラミック積層体の製造方法 - Google Patents

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Shigeru Kadotani
成 門谷
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Abstract

【課題】生産効率の向上が可能であり、優れた形状精度が得られるセラミック積層体の製造方法を提供すること。
【解決手段】セラミック積層体の製造方法は、グリーンシート110を作製するグリーンシート作製工程と、グリーンシート110上に電極材料200を印刷して電極印刷シート31、32を形成する電極印刷工程と、電極印刷シート31、32の外周を囲う外枠部材51内に、電極印刷シート31、32を1枚ずつ順次積層すると共に、1枚積層するごとに、電極印刷シート31、32における分割すべき位置に切り込み溝43を設け、予備積層体100を形成する積層・切り込み工程と、予備積層体100を外枠部材51から取り出すと共に切り込み溝43に沿って分割し、ユニット体を形成する分割工程と、ユニット体を焼成する焼成工程とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、セラミック層を複数積層してなるセラミック積層体を製造する方法に関する。
セラミック積層体は、例えば、自動車の燃料噴射用インジェクタにおける圧電アクチュエータの高性能部品として適用される場合がある。
上記圧電アクチュエータには、セラミック層と内部電極層とを交互に積層して構成されたセラミック積層体が用いられる。
例えば、上記のセラミック積層体を製造するには、まず、セラミック層となるグリーンシート(以下、適宜、シートという)を作製し、そのシート上に内部電極層となる電極材料を印刷する。次に、印刷を施したシートを積層し、加熱・加圧して圧着を行った後、所定の大きさに切断してユニット体を形成する。そして、得られた複数のユニット体を焼成し、接着剤によって接着積層する方法、又は複数のユニットを圧着し、一体化させてから焼成する方法等によりセラミック積層体を製造する。
なお、セラミック積層体の製造方法については、特許文献1〜5等にも示されている。
しかしながら、上記の製造方法において、積層したシートの形状を維持しながら切断することは困難であり、切断面に凹凸や歪みが発生するおそれがある。また、その不具合は、シートの積層数が多くなればなるほど顕著なものとなる。そのため、形成されたユニット体及びそれを用いて製造されたセラミック積層体は、形状精度が低いものとなるおそれがある。したがって、形状精度を維持しようとすれば、必然的にシートの積層数が限られたものとなり、セラミック積層体の製造に多くのユニット体が必要となる。
また、上記の製造方法は、多くの工程を必要とするため、生産効率が悪いという問題もある。さらに、上記に示したシートの切断の問題のために、シートの積層数を増やすことができない等、生産効率の向上を図ることが困難であった。
特開平8−165364公報 特開平9−537565公報 特開2002−314161号公報 特開2002−370217号公報 特開2003−17779号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、生産効率の向上が可能であり、優れた形状精度が得られるセラミック積層体の製造方法を提供する。
本発明は、セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなるセラミック積層体を製造する方法において、
上記セラミック層となる部分を幅方向に複数含む幅広のグリーンシートを作製するグリーンシート作製工程と、
上記グリーンシート上に上記内部電極層となる電極材料を印刷して電極印刷シートを形成する電極印刷工程と、
上記電極印刷シートの外周を囲う外枠部材内に、上記電極印刷シートを1枚ずつ順次積層すると共に、1枚積層するごとに、該電極印刷シートにおける分割すべき位置に切り込み溝を設けて予備積層体を形成する積層・切り込み工程と、
上記予備積層体を上記外枠部材から取り出すと共に上記切り込み溝に沿って分割し、ユニット体を形成する分割工程と、
上記ユニット体を焼成する焼成工程とを含むことを特徴とするセラミック積層体の製造方法にある(請求項1)。
本発明のセラミック積層体の製造方法は、上記のごとく、積層・切り込み工程において、上記電極印刷シートの外周を囲う外枠部材内に、上記電極印刷シートを1枚ずつ順次積層すると共に、1枚積層するごとに、該電極印刷シートにおける分割すべき位置に切り込み溝を設けて予備積層体を形成する。
即ち、上記電極印刷シートにおける分割すべき位置に上記切り込み溝を設けておくことにより、その後の上記分割工程において、分割・切断する装置等を用いることなく、上記予備積層体を上記切り込み溝に沿って容易に分割することができる。そのため、上記分割工程において、上記予備積層体から上記ユニット体を形成する時間を大幅に短縮することができ、生産効率の向上を図ることができる。
また、上記切り込み溝により、上記電極印刷シートの積層数を増やした場合においても、上記と同様に、上記予備積層体を容易に分割することができる。そして、上記電極印刷シートの積層数を増やすことが可能となれば、上記セラミック積層体の製造に必要な上記ユニット体の個数を減らすことができる。これにより、さらに生産効率を向上させることができる。
また、上記外枠部材内に上記電極印刷シートを積層し、1枚積層するごとに上記切り込み溝を設ける。そのため、上記電極印刷シートの同じ位置に正確に上記切り込み溝を設けることができると共に、該切り込み溝の表面は、複数枚の上記電極印刷シートを積層してから切断した場合に比べて凹凸や歪みが少ない。そのため、形成された上記ユニット体及びそれを用いて製造した上記セラミック積層体は、形状精度の優れたものとなる。
また、上記の形状精度の向上によって、従来行っていた上記セラミック積層体の側面の研磨工程を省略することが可能となる場合もある。
以上のごとく、本発明によれば、生産効率の向上が可能であり、優れた形状精度が得られるセラミック積層体の製造方法を提供することができる。
本発明において、上記電極印刷工程では、上記内部電極層の上に、積層時に接着機能を発揮する接着層を印刷することが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記接着層の接着機能により、上記電極印刷シートを接着しながら積層することができる。そのため、積層した上記電極印刷シート同士を充分に接合することができる。
また、積層・切り込み工程の後に、上記電極印刷シートを上記外枠部材内で積層した状態の上記予備積層体を、加熱すると共に積層方向に加圧する圧着工程を行うことが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記予備積層体を圧着することにより、積層した上記電極印刷シート同士を充分に接合することができる。また、上記電極印刷工程において、上記内部電極層の上に上記接着層を印刷しておけば、上記予備積層体の圧着に必要な加圧力を低くすることができる。
また、上記圧着工程では、その加圧力を0.5〜8MPa(単位面積あたり)とすることが好ましい。
上記加圧力が0.5MPaより小さい場合、上記予備積層体を充分に圧着できないため、積層した上記電極印刷シート同士を確実に接合することができないおそれがある。
上記加圧力が8MPaより大きい場合、上記圧着工程後の上記電極印刷シートの密度にばらつきが生じるおそれがある。そのため、焼成工程後、上記ユニット体の上記セラミック層にクラックや剥離等が発生するおそれがある。
また、上記圧着工程では、その加熱温度を110〜130℃とすることが好ましい。
上記加熱温度が110℃より低い場合、上記予備積層体を充分に圧着できないため、積層した上記電極印刷シート同士を確実に接合することができないおそれがある。
上記加熱温度が130℃より高い場合、上記電極印刷シートが変形し、上記圧着工程後の上記予備積層体の形状精度が低下するおそれがある。
また、上記積層・切り込み工程で形成する上記切り込み溝は、断面形状が略V字状であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記分割工程において、上記熱圧着積層体を上記切り込み溝に沿ってさらに容易に分割することができる。
また、上記積層・切り込み工程では、先端が鋭角状の刃物を上記電極印刷シートに押し付けることによって上記切り込み溝を形成することが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記切り込み溝の表面において、凹凸や歪みの発生を抑制することができる。そのため、上記ユニット体及びそれを用いて製造される上記セラミック積層体は、形状精度の優れたものとなる。
また、上記電極印刷工程では、上記電極材料に隣接して電極控え部を形成する部分にスペーサ層を印刷することが好ましい(請求項6)。
従来、内部電極層の端部を内方に控えた電極控え構造を有するセラミック積層体を製造する場合、上記グリーンシート上において、上記内部電極層の端部を内方に控える部分には何も印刷を施さないため、上記電極材料を印刷した部分と印刷しない部分との間に段差が生じていた。そのため、積層した上記シートに圧着工程を行う必要があり、その圧着工程時には、高い圧力を加えて上記シートを変形させることによって段差を埋めていた。さらに、上記の圧着方法では、上記シートへの加圧力が不均一となり、圧着した該シートの密度にばらつきが生じ、焼成時において、セラミック層にクラックや剥離等が発生しやすいという問題があった。
しかしながら、この場合には、上記電極控え部を形成する部分に上記スペーサ層を印刷するため、上記電極印刷シートにおける上記電極控え部となる部分を含み、最終的に上記内部電極層と同じ層となる印刷面全体に段差が生じない。そのため、従来のように、高圧で圧着して段差を埋める必要がないため、必ずしも上記圧着工程を必要としない。これにより、生産効率を向上させることが可能となる。
また、上記圧着工程が必要な場合においても、印刷面全体に段差がなく、上記電極印刷シートを精度高く積層することができるため、上記予備積層体を比較的低圧で充分に圧着することができる。これにより、上記圧着工程後の上記電極印刷シートの密度にばらつきが小さくなり、焼成工程後の上記ユニット体において、上記セラミック層におけるクラックや剥離等の発生を抑制することができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるセラミック積層体の製造方法について、図1〜図10を用いて説明する。
本例のセラミック積層体1の製造方法は、図1〜図10に示すごとく、セラミック層11と内部電極層20とを交互に積層してなるセラミック積層体1を製造する方法であり、少なくとも、以下の工程を含む。
なお、本例で製造するセラミック積層体1は、内部電極層20の端部の一部を内方に控えた、いわゆる電極控え構造を有するものである。
グリーンシート作製工程は、セラミック層11となる部分を幅方向に複数含む幅広のグリーンシート110を作製する。
電極印刷工程は、グリーンシート110上に内部電極層20となる電極材料200を印刷して電極印刷シート31、32を形成する。
積層・切り込み工程は、電極印刷シート31、32の外周を囲う外枠部材51内に、電極印刷シート31、32を1枚ずつ順次積層すると共に、1枚積層するごとに、電極印刷シート31、32における分割すべき位置に切り込み溝43を設け、予備積層体100を形成する。
分割工程は、予備積層体100を外枠部材51から取り出すと共に切り込み溝43に沿って分割し、ユニット体10を形成する。
焼成工程は、ユニット体10を焼成する。
以下、これを詳説する。
<グリーンシート作製工程>
まず、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等のセラミック原料粉末を準備し、800〜950℃で仮焼する。次に、仮焼粉に純水、分散剤を加えてスラリー状とし、パールミルにより湿式粉砕する。この粉砕物を乾燥、粉脱脂した後、溶剤、バインダ、可塑剤、分散剤等を加えてボールミルにより混合し、得られたスラリーを真空装置内で撹拌機により撹拌しながら真空脱泡、粘度調整をする。
そして、ドクターブレード法により、上記スラリーをキャリアフィルム上に塗布し、厚さ90μmの長尺のグリーンシートを成形する。この長尺のグリーンシートを所定の大きさに切断し、セラミック層11となる部分を幅方向に複数含む幅広のグリーンシート110(図1、図2)を作製する。
なお、グリーンシート110の成形方法としては、本例で用いたドクターブレード法のほか、押出成形法やその他種々の方法を用いることができる。
<電極印刷工程>
次に、図1、図2に示すごとく、幅広のグリーンシート110上に内部電極層20となる電極材料200を印刷し、第1電極印刷シート31と第2電極印刷シート32の2種類のシートを形成する。
なお、本例では、電極印刷工程において、同図に示すごとく、内部電極層20に隣接して電極控え部29(図10)を形成する部分に、印刷した電極材料200と略同厚みのスペーサ層111を印刷し、さらに、電極材料200及びスペーサ層111の上に、積層時に接着機能を発揮する接着層112を印刷する。
以下、電極印刷シート31、32の形成について説明する。
第1電極印刷シート31の形成に当たっては、図1に示すごとく、グリーンシート110上の印刷領域41において、最終的に内部電極層20となる部分に電極材料200を印刷する。そして、印刷領域41において、電極材料200を印刷した部分と他の部分との印刷高さを略一致させるため、電極材料200が印刷されていない部分、即ち、最終的に電極控え部29となる部分に、グリーンシート110を構成している上記スラリーよりなるスペーサ層111を印刷する。さらに、電極材料200及びスペーサ層111の上に、積層時に接着機能を発揮し、スペーサ層111と同材料の上記スラリーよりなる接着層112を印刷する。以上により、第1電極印刷シート31を形成する。
第2電極印刷シート32の形成に当たっては、図2に示すごとく、グリーンシート110上の印刷領域41において、第1電極印刷シート31と同様に、内部電極層20となる部分に電極材料200を、電極控え部29となる部分に上記スラリーよりなるスペーサ層111をそれぞれ印刷し、電極材料200及びスペーサ層111の上に、上記スラリーよりなる接着層112を印刷する。以上により、第2電極印刷シート32を形成する。
なお、本例では、電極材料200として、ペースト状のAg/Pd合金を用いた。また、上記以外にも、Ag、Pd、Cu、Ni等の単体、Cu/Ni等の合金を用いることができる。
また、電極印刷工程では、図1、図2に示すごとく、後工程の分割工程において分割される部分を避けるように間隙42を設けて、電極材料200、スペーサ層111、及び接着層112の印刷を行う。つまり、グリーンシート110上の隣接する印刷領域41の間に間隙42を設けて印刷を行う。また、電極材料200及びスペーサ層111は、印刷する順序を変更してもかまわない。
<積層・切り込み工程>
次に、図3に示すごとく、電極印刷シート31、32の外周を囲うことができる大きさの外枠部材51内に、第1電極印刷シート31及び第2電極シート32を1枚ずつ交互に材料を印刷した部分を積層方向に揃えて積層し、予備積層体100を形成する。なお、最上部には、印刷を施していないグリーンシート110を積層しておく。
本例では、電極印刷シート31、32に接着層112を印刷してあるため、予備積層体100は、上下の電極印刷シート31、32が互いに接着された状態となっている。また、予備積層体100には、50枚の電極印刷シート31、32が積層されている。
ここで、図3に示した電極印刷シート31、32の積層時において、1枚積層するごとに切り込み溝43を形成しておく。具体的には、図4、図5に示すごとく、電極印刷シート31、32における分割すべき位置、即ち、電極印刷工程時に間隙42を設けた位置に、先端が鋭角状のトムソン刃52を押し付けることによって切り込み溝43を形成する。なお、切り込み溝43は、最上部のグリーンシート110にも形成しておく。形成された切り込み溝43は、断面形状が略V字状となっている。
また、切り込み溝43を形成する際、図4、図5に示すごとく、電極印刷シート31、32を精度高く積層するために、トムソン刃52の先端を電極印刷シート31、32のグリーンシート110部分を貫通させず、少しの厚みを残して切り込み溝43を形成する。
<分割工程>
次に、図6に示すごとく、分割すべき位置に切り込み溝43を設けた予備積層体100を外枠部材51から取り出す。
そして、図7、図8に示すごとく、予備積層体100を切り込み溝43に沿って分割し、ユニット体10を形成する。なお、予備積層体100は、切り込み溝43のどの場所から、どのような順序で分割してもかまわない。
<焼成工程>
次に、ユニット体10を加熱し、脱脂を行う。加熱条件は、80時間かけて徐々に500℃まで昇温し、5時間保持する。これにより、グリーンシート110に含有されているバインダ樹脂を90%以上除去する。
そして、脱脂したユニット体10を焼成する。焼成条件は、12時間かけて徐々に1065℃まで昇温し、2時間保持後、炉内で徐々に冷却する。
焼成工程後、図9に示すごとく、9個のユニット体10に接着剤13を介して接着積層し、上下両端にグリーンシート110よりなる保護層12を設ける。これにより、図10に示すごとく、セラミック積層体1を完成させた。
なお、本例では、接着剤13としてシリコン接着剤を用いた。また、上記以外にも、ポリイミド接着剤等を用いることができる。
製造されたセラミック積層体1は、図10に示すごとく、複数のユニット体10を含み、グリーンシート110より形成されたセラミック層11と電極材料200より形成された内部電極層20とを交互に積層してなる。そして、スペーサ層111より形成された電極控え部29によって内部電極層20の端部の一部を内方に控えた、いわゆる電極控え構造を有している。
なお、図9及び図10では、ユニット体10の個数を省略して図示してある。
本例のセラミック積層体1の製造方法における作用効果について説明する。
本例のセラミック積層体1の製造方法は、積層・切り込み工程において、電極印刷シート31、32の外周を囲う外枠部材51内に、電極印刷シート31、32を1枚ずつ順次積層すると共に、1枚積層するごとに、電極印刷シート31、32における分割すべき位置に切り込み溝43を設けて予備積層体100を形成する。
即ち、電極印刷シート31、32における分割すべき位置に切り込み溝43を設けておくことにより、分割工程において、分割・切断する装置等を用いることなく、予備積層体100を切り込み溝43に沿って容易に分割することができる。そのため、分割工程において、予備積層体100からユニット体10を形成する時間を大幅に短縮することができ、生産効率の向上を図ることができる。
また、切り込み溝43を設けることにより、電極印刷シート31、32の積層数を増やした場合においても、上記と同様に、予備積層体100を容易に分割することができる。そして、電極印刷シート31、32の積層数を増やすことが可能となれば、セラミック積層体1の製造に必要なユニット体10の個数を減らすことができる。これにより、さらに生産効率を向上させることができる。
また、外枠部材51内に電極印刷シート31、32を積層し、1枚積層するごとに切り込み溝43を設けるため、電極印刷シート31、32の同じ位置に正確に切り込み溝43を設けることができると共に、切り込み溝43の表面は、複数枚の電極印刷シート31、32を積層してから切断したときの切断面に比べて凹凸や歪みが少ない。そのため、形成されたユニット体10の側面は整った形状を呈しており、そのユニット体10を用いて製造されたセラミック積層体1は、形状精度の優れたものとなる。
また、本例において、電極印刷工程では、内部電極材料200及びスペーサ層111の上に、積層時に接着機能を発揮する接着層111を印刷する。そのため、上記接着層の接着機能により、電極印刷シート31、32を接着しながら積層することができる。それ故、積層した電極印刷シート31、32を充分に接合することができる。
また、積層・切り込み工程で形成する切り込み溝43は、断面形状が略V字状である。そのため、分割工程において、予備積層体100を切り込み溝43に沿ってさらに容易に分割することができる。
さらに、切り込み溝43の断面形状が略V字状であるために、製造されるセラミック積層体1の側面はジグザグ状となる。例えば、セラミック積層体1を用いて積層型圧電素子を製造する場合、セラミック積層体1の側面に、導電性を有するペースト状の金属よりなる側面電極及び樹脂中に金属を分散してなる導電性接着剤等を介して電極を接合する。配設された上記の側面電極及び導電性接着剤等は、セラミック積層体1の側面がジグザグ状であるため、そのアンカー効果によって接着強度が高くなる。そのため、このようなセラミック積層体1を圧電アクチュエータ等に用いて作動させた場合、耐久性に優れたものとなる。
また、積層・切り込み工程では、先端が鋭角状のトムソン刃52を電極印刷シート31、32に押し付けることによって切り込み溝43を形成する。そのため、切り込み溝43の表面において、凹凸や歪みの発生を抑制することができる。それ故、ユニット体10及びそれを用いて製造されるセラミック積層体1は、側面の形状が整った精度高いものとなる。
また、これにより、従来、シート切断時に発生した切断面の凹凸や歪みにより、製造されたセラミック積層体1の側面の形状を整えるために行っていた研磨工程を行う必要がなくなる。そのため、さらなる生産効率の向上を図ることができる。
また、電極印刷工程では、内部電極層20に隣接して電極控え部29を形成する部分に、印刷した電極材料200と略同厚みでスペーサ層111を印刷する。これにより、電極印刷シート31、32における電極控え部29となる部分を含み、最終的に内部電極層20と同じ層となる印刷面全体に段差が生じない。そのため、従来のように、積層した電極印刷シート31、32を圧着して段差を埋める必要がなくなる。
それ故、本例のように、電極印刷工程で接着層112を印刷した場合においては、積層した電極印刷シート31、32を充分に接着して接合することができるため、必ずしも圧着工程を行う必要がなくなる。これにより、長時間を要する圧着工程を省くことができ、圧着するための装置等を必要としなくなるため、生産効率を向上させることが可能となると共に、コストを削減することができる。
以上のごとく、本例によれば、生産効率の向上が可能であり、優れた形状精度が得られるセラミック積層体の製造方法を提供することができる。
本例では、ユニット体10からセラミック積層体を製造する際に、複数のユニット体10を焼成した後、接着剤13によって接着して積層する方法を用いたが、複数のユニット体10を熱圧着等によって一体化させた後、焼成する方法やその他種々の方法を用いることができる。
また、本例のセラミック積層体1は、電極控え構造を呈しているが、内部電極層20の端部のすべてをセラミック積層体1の外周面に露出させた全面電極構造を採用してもよい。この場合には、電極印刷工程において、スペーサ層111を印刷する必要がなく、印刷領域41に電極材料200のみを印刷すればよい。
(実施例2)
本例は、実施例1の製造方法において、電極印刷工程で接着層112を印刷せず、積層・切り込み工程の後に、電極印刷シート31、32を外枠部材51内で積層した状態で、加熱すると共に積層方向に圧着する圧着工程を行う例である。
本例は、電極印刷工程において、グリーンシート110上の印刷領域41に、電極材料200とスペーサ層111を印刷する。そして、積層・切り込み工程を行い、予備積層体100を形成した後、外枠部材51内に電極印刷シート31、32を積層した状態の予備積層体100を120℃で加熱すると共に、積層方向に4MPaで加圧して圧着する。
その他は、実施例1と同様である。
この場合には、予備積層体100を加熱しながら圧着することにより、積層した電極印刷シート31、32同士を充分に接合することができる。また、本例の圧着工程における加圧力は4MPa、加熱温度は120℃であるため、積層した電極印刷シート31、32同士を確実に圧着して接合することができる。
また、実施例1と同様に、電極印刷工程では、内部電極層20に隣接して電極控え部29を形成する部分に、印刷した電極材料200と略同厚みでスペーサ層111を印刷してある。これにより、従来のように、積層した電極印刷シート31、32を高圧で圧着して段差を埋める必要がなく、電極印刷シート31、32を精度高く積層することができる。
そして、それ故に、予備積層体100を比較的低圧で充分に圧着することができる。さらに、圧着工程後の電極印刷シート31、32の密度にばらつきが小さくなり、焼成工程後のユニット体10において、セラミック層11におけるクラックや剥離等の発生を抑制することができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、実施例1と同様に、電極印刷工程で接着層112を印刷し、積層・切り込み工程後に圧着工程を行うこともできる。この場合には、接着層112による接着効果と、圧着工程による圧着効果とにより、積層した電極印刷シート31、32同士をより確実に接合することができる。
実施例1における、第1電極印刷シートを形成する工程を示す説明図。 実施例1における、第2電極印刷シートを形成する工程を示す説明図。 実施例1における、外枠部材内に電極印刷シートを積層する工程を示す説明図。 実施例1における、電極印刷シートに切り込み溝を形成する工程を示す説明図。 実施例1における、電極印刷シートに切り込み溝を形成する工程を示す説明図。 実施例1における、外枠部材から取り出した予備積層体を示す説明図。 実施例1における、分割途中の予備積層体を示す説明図。 実施例1における、ユニット体を示す説明図。 実施例1における、ユニット体に接着剤を介して積層する工程を示す説明図。 実施例1における、セラミック積層体の構造を示す説明図。
符号の説明
1 セラミック積層体
10 ユニット体
100 予備積層体
11 セラミック層
110 グリーンシート
111 スペーサ層
112 接着層
20 内部電極層
29 電極控え部
200 電極材料
31 第1電極印刷シート(電極印刷シート)
32 第2電極印刷シート(電極印刷シート)
43 切り込み溝
51 外枠部材

Claims (6)

  1. セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなるセラミック積層体を製造する方法において、
    上記セラミック層となる部分を幅方向に複数含む幅広のグリーンシートを作製するグリーンシート作製工程と、
    上記グリーンシート上に上記内部電極層となる電極材料を印刷して電極印刷シートを形成する電極印刷工程と、
    上記電極印刷シートの外周を囲う外枠部材内に、上記電極印刷シートを1枚ずつ順次積層すると共に、1枚積層するごとに、該電極印刷シートにおける分割すべき位置に切り込み溝を設け、予備積層体を形成する積層・切り込み工程と、
    上記予備積層体を上記外枠部材から取り出すと共に上記切り込み溝に沿って分割し、ユニット体を形成する分割工程と、
    上記ユニット体を焼成する焼成工程とを含むことを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  2. 請求項1において、上記電極印刷工程では、上記電極材料の上に、積層時に接着機能を発揮する接着層を印刷することを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、積層・切り込み工程の後に、上記電極印刷シートを上記外枠部材内で積層した状態で、加熱すると共に積層方向に加圧する圧着工程を行うことを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記積層・切り込み工程で形成する上記切り込み溝は、断面形状が略V字状であることを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記積層・切り込み工程では、先端が鋭角状の刃物を上記電極印刷シートに押し付けることによって上記切り込み溝を形成することを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記電極印刷工程では、上記電極材料に隣接して電極控え部を形成する部分にスペーサ層を印刷することを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
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