JP2003209302A - 圧電アクチュエータとその製造方法 - Google Patents

圧電アクチュエータとその製造方法

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JP2003209302A
JP2003209302A JP2002005913A JP2002005913A JP2003209302A JP 2003209302 A JP2003209302 A JP 2003209302A JP 2002005913 A JP2002005913 A JP 2002005913A JP 2002005913 A JP2002005913 A JP 2002005913A JP 2003209302 A JP2003209302 A JP 2003209302A
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Kiyoshi Oshima
清 大嶋
Tomoyoshi Kato
友好 加藤
Kiyoto Shibata
清人 柴田
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Taiheiyo Cement Corp
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MEGASERA KK
Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電圧で駆動が可能な圧電アクチュエータと
その製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 バイモルフ素子10は、圧電板21a〜
21eと電極22a・22bとが交互に積み重ねられた
積層型圧電体11aと、圧電板23a〜23eと電極2
2a´・22b´とが交互に積み重ねられた積層型圧電
体11bとが貼り合わされた構造を有する。圧電板21
a〜21e・23a〜23eの厚みを10μm以上50
μm以下とし、かつ、貼り合わされた2個の積層型圧電
体11a・11bの総厚みを0.1mm以上2mm以下
とした。これによりバイモルフ素子10に低電圧で大き
な屈曲変位を発生させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低電圧で屈曲変位
を生じさせることができる圧電アクチュエータとその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分極された圧電体の厚み−横変位(d
31モードの変位)を利用して、屈曲変位を生じさせる
アクチュエータとして、バイモルフ型の圧電アクチュエ
ータ(以下「バイモルフ素子」という)が知られてい
る。図15は積層型圧電体を用いて構成されたバイモル
フ素子の概略構造を示す断面図である。バイモルフ素子
90は、シム材と呼ばれる矩形の金属板92(その長手
方向をX方向とし、厚み方向をZ方向とする)の表裏面
にそれぞれ積層型圧電体91a・91bが貼り付けられ
た構造を有している。バイモルフ素子90はX方向の一
端が図示しない固定治具等に固定され、X方向の他端が
駆動端となる。
【0003】積層型圧電体91aは、薄板状の圧電体9
3aと薄膜状の電極94aがZ方向に交互に積層され、
電極94aは1層おきに電気的に接続されている。積層
型圧電体91aは、表面に現れている2層の電極と中央
部の1層の電極を高電位とし、残りの2層をアース電極
として圧電体93aの分極処理が行われている。
【0004】積層型圧電体91bは、積層型圧電体91
aと同様に、薄板状の圧電体93bと薄膜状の電極94
bが交互に積層され、電極94bが1層おきに電気的に
接続された構成を有するが、表面に現れている2層の電
極と中央部の1層の電極をアース電極とし、残りの2層
を高電位として圧電体93bの分極処理が行われてい
る。なお、図15には圧電体93a・93bの分極の向
きは示していない。
【0005】このような分極構造の異なる積層型圧電体
91a・91bを金属板92に接着剤を用いて貼り合わ
され、電極94a・94bが1層おきに接続された圧電
アクチュエータ90に所定の電圧を印加すると、例え
ば、積層型圧電体91aを構成する圧電体93aに分極
方向と同じ順方向の電圧が印加された際には、積層型圧
電体91bを構成する圧電体93bには分極方向と逆方
向の電圧が印加されることとなる。したがって、積層型
圧電体91aがX方向に伸びるときには積層型圧電体9
1bはX方向に縮み、その結果としてバイモルフ素子9
0の駆動端がZ方向下側へ移動するような屈曲変位が発
生する。同様に、積層型圧電体91aがX方向に縮むと
きには積層型圧電体91bはX方向に伸び、その結果と
してバイモルフ素子90はその駆動端がZ方向上側へ移
動するように全体的に屈曲する。
【0006】圧電体93a・93bとしては、圧電セラ
ミックスが好適に用いられ、具体的にはチタン酸ジルコ
ン酸鉛系セラミックスが用いられている。また積層型圧
電体91a・91bは、好ましくはセラミックスグリー
ンシートを用いた一体焼成法(同時焼成法)により製造
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バイモルフ素子90は、圧電体93a・93bの1層の
厚みが70μm以上120μm以下と厚いために、低電
圧での駆動によって所望の変位量を得ることが困難であ
る。また積層型圧電体91a・91bの焼成に1200
℃以上1300℃以下という高い温度が必要であるため
に、電極94a・94bとしてパラジウム(Pd)を3
0%超含む銀(Ag)/パラジウム(Pd)電極を用い
る必要があり、これにより製造コストが嵩む問題があ
る。さらに鉛を含むセラミックス材料は、高い温度で焼
成した際に鉛成分が蒸発して組成ずれが生じ、このため
に目標とする圧電特性を得ることができなくなるおそれ
がある。さらにまた蒸発した鉛成分が焼成炉を汚染し
て、焼成炉の寿命を短くするという問題を引き起こす。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、低電圧駆動により所望する変位を得ること
ができる圧電アクチュエータを提供することを目的とす
る。また本発明は、低温での焼成による製造が可能な積
層型圧電体を用いた圧電アクチュエータを提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、薄板状
の圧電体と電極とが交互に積み重ねられた積層型圧電体
と、前記積層型圧電体の表面に貼り付けられた補強板と
を具備する圧電アクチュエータであって、前記薄板状の
圧電体の厚みが10μm以上50μm以下であり、か
つ、前記積層型圧電体の総厚みが0.05mm以上1m
m以下であることを特徴とする圧電アクチュエータ、が
提供される。
【0010】この圧電アクチュエータは、いわゆるユニ
モルフ素子であり、積層型圧電体に厚み−横変位を生じ
させることによって屈曲変位を得ることができる。この
ユニモルフ素子の補強板に別の積層型圧電体を貼り付け
て、バイモルフ素子とすることができる。このようなバ
イモルフ素子においては、2個の積層型圧電体に厚み−
横変位を生じさせた際の変位の向きは、互いに逆向きと
なるようにする。
【0011】また本発明によれば、薄板状の圧電体と電
極とが交互に積み重ねられた2個の積層型圧電体がその
表面で互いに貼り合わされてなる圧電アクチュエータで
あって、前記薄板状の圧電体の厚みが10μm以上50
μm以下であり、かつ、貼り合わされた前記2個の積層
型圧電体の総厚みが0.1mm以上2mm以下であるこ
とを特徴とする圧電アクチュエータ、が提供される。
【0012】このアクチュエータは補強板を用いていな
いバイモルフ素子であり、2個の積層型圧電体は、厚み
−横変位を生じさせた際の変位の向きが互いに逆向きと
なるように駆動される。このような圧電アクチュエータ
において、薄板状の圧電体としては平均粒径が3μm以
下の圧電セラミックスが好適に用いられ、これにより薄
板状の圧電体の厚みを10μm以上50μm以下としつ
つも、良好な特性を示す積層型圧電体を得ることができ
る。積層型圧電体の電極の取り出しには、積層型圧電体
の総厚みが薄いこと等を考慮して、スルーホール電極が
好適に用いられる。
【0013】さらに本発明によれば、このような圧電ア
クチュエータにおいての製造方法、つまり、薄板状の圧
電体と電極とが交互に積み重ねられた積層型圧電体を有
する圧電アクチュエータの製造方法であって、平均粒径
が0.5μm以下のチタン酸ジルコン酸鉛−マグネシウ
ムニオブ酸鉛系酸化物粉末を用いてグリーンシートを成
形する第1工程と、前記グリーンシートにパラジウム含
有量が30%以下の銀/パラジウムペーストを用いて所
定の電極パターンを印刷する第2工程と、前記電極パタ
ーンが印刷された所定枚数のシートを積層圧着してシー
ト積層体を得る第3工程と、前記シート積層体を100
0℃以上1200℃未満の温度で焼成する第4工程と、
前記第4工程において得られた焼成体を分極処理する第
5工程と、を有することを特徴とする圧電アクチュエー
タの製造方法、が提供される。
【0014】このような製造方法では、平均粒径の小さ
い粉末を用いて厚みの薄いグリーンシートを成形するこ
とができ、また従来の焼成温度よりも低い温度での焼成
が可能となる。これによりパラジウム(Pd)含有量の
少ない電極ペーストを用いることが可能となるため、製
造コスト(製品コスト)を下げることが可能となる。第
3工程においては、電極パターンが印刷されたシートを
奇数枚積層し、第5工程においては、第4工程において
得られた焼成体の表面に現れている電極に直流電圧を印
加可能な端子を接触させることによって分極処理を行う
と、分極処理を容易に行うことができ、生産性が高めら
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の圧電アクチュエー
タの実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の圧電アクチュエータの一実施形態である
バイモルフ型の圧電アクチュエータ10(以下「バイモ
ルフ素子10」という)を示す断面図であり、図2はバ
イモルフ素子10に設けられたスルーホール電極の一実
施形態を示す断面図であり、図3はバイモルフ素子10
を構成する積層型圧電体11aに設けられた電極のパタ
ーンの一実施形態を示す平面図であり、図4はバイモル
フ素子10を構成する積層型圧電体11bに設けられた
電極のパターンの一実施形態を示す平面図である。
【0016】バイモルフ素子10は、薄板状の圧電セラ
ミックス(以下「圧電板」という)と電極とが交互に積
み重ねられた2個の積層型圧電体11a・11bが接着
剤を用いて直接に貼り合わされた構造を有する。
【0017】最初に積層型圧電体11aの構造について
説明する。図1および図3に示されるように、積層型圧
電体11aは、概略、下から順に、下面に電極22bが
設けられ上面に電極22aが設けられた圧電板21e、
上面に電極22bが設けられた圧電板21d、上面に電
極22aが設けられた圧電板21c、上面に電極22b
が設けられた圧電板21b、上面に電極22aが設けら
れた圧電板21aが積み重ねられた構造を有する。
【0018】なお、積層型圧電体11aにおいて圧電板
21a〜21eが互いに連通している理由は、後に説明
するように、バイモルフ素子10がグリーンシートを用
いた一体焼成法(同時焼成法)によって製造されるため
である。また、図3(a)〜(d)の各図は、バイモル
フ素子10の上面側(積層型圧電体11a側)から下面
側(積層型圧電体11b側)を見た状態を示しており、
図3(d)では圧電板21eを透かして電極22b等が
見えている状態が示されている。
【0019】図2に示されるように、積層型圧電体11
aにおいては、電極22a・25aは、圧電板21a〜
21eに設けられた孔部31a(図3参照)を利用した
スルーホール電極28aによって電気的に接続されてい
る。また電極22b・25bは、圧電板21a〜21e
に設けられた孔部31b(図3参照)を利用したスルー
ホール電極28bによって電気的に接続されている。
【0020】電極22a・22bは、圧電板21a〜2
1eに電界を印加して積層型圧電体11aに変位を生じ
させる電極(駆動用電極)である。また、電極25aは
スルーホール電極28aを形成するために製造過程で設
けられる電極であり、電極25aのY方向の隣に設けら
れている電極22bと絶縁されている(図3(b)・
(d)参照)。同様に電極25bは、スルーホール電極
28bを形成するために製造過程で設けられる電極であ
り、電極25bのY方向の隣に設けられている電極22
aと絶縁されている(図3(a)・(c)参照)。
【0021】積層型圧電体11aにおいては、電極22
a(スルーホール電極28a)を高電位とし、かつ、電
極22b(スルーホール電極28b)をアース電極(0
V)として、圧電板21a〜21eに分極処理が施され
ている。このために、図1に示されるように、圧電板2
1a・21c・21eにはZ方向上向きの分極が生じ、
圧電板21b・21dにおいてはZ方向下向きの分極が
生じた状態となっている。
【0022】次に積層型圧電体11bの構造について説
明する。図1および図4に示されるように、積層型圧電
体11bは、概略、下から順に、下面に電極22a´が
設けられ上面に電極22b´が設けられた圧電板23
e、上面に電極22a´が設けられた圧電板23d、上
面に電極22b´が設けられた圧電板23c、上面に電
極22a´が設けられた圧電板23b、上面に電極22
b´が設けられた圧電板23aが積み重ねられた構造を
有する。
【0023】図2に示されるように、積層型圧電体11
bにおいては、電極22a´・25a´は、圧電板23
a〜23eに設けられた孔部31a´(図4参照)を利
用したスルーホール電極28a´によって電気的に接続
されている。また電極22b´・25b´は、圧電板2
3a〜23eに設けられた孔部31b´(図4参照)を
利用したスルーホール電極28b´によって電気的に接
続されている。
【0024】電極22a´・22b´は、圧電板23a
〜23eに電界を印加して積層型圧電体11bに変位を
生じさせる駆動用電極である。また、電極25a´はス
ルーホール電極28a´を形成するために製造過程で設
けられる電極であり、電極25a´のY方向の隣に設け
られている電極22b´と絶縁されている(図4(a)
・(c)参照)。同様に電極25b´は、スルーホール
電極28b´を形成するために製造過程で設けられる電
極であり、電極25b´のY方向の隣に設けられている
電極22a´と絶縁されている(図4(b)・(d)参
照)。このように、積層型圧電体11a・11b間の接
着面を対称面として、積層型圧電体11bは積層型圧電
体11aと対称な構造を有している。
【0025】積層型圧電体11bにおいては、電極22
a´(スルーホール電極28a´)をアース電極(0
V)とし、かつ、電極22b´(スルーホール電極28
b´)を高電位として、圧電板23a〜23eに分極処
理が施されている。このために、図1に示されるよう
に、圧電板23a・23c・23eにはZ方向上向きの
分極が生じ、圧電板23b・23dにおいてはZ方向下
向きの分極が生じた状態となっている。
【0026】バイモルフ素子10は、積層型圧電体11
a・11bが、スルーホール電極28aとスルーホール
電極28a´が電気的に接続され、かつ、スルーホール
電極28bとスルーホール電極28b´が電気的に接続
されるように、接着剤27(図2参照)によって接着さ
れた構造を有している。スルーホール電極28a・28
a´間の電気的接続は、積層型圧電体11aの裏面に設
けられた電極25aと積層型圧電体11bの表面に設け
られた電極25a´とを接触させることによって行われ
る。またスルーホール電極28b・28b´間の電気的
接続は、積層型圧電体11aの裏面に設けられた電極2
2bと積層型圧電体11bの表面に設けられた電極22
b´とを接触させることによって行われる。
【0027】積層型圧電体11aと積層型圧電体11b
の接着は、積層型圧電体11a・11bについて分極処
理が個別に終了した後に、積層型圧電体11aの裏面
(圧電板21e側)と、積層型圧電体11bの表面(圧
電板23a側)とを接着することによって行われてい
る。積層型圧電体11a・11bを接着した後に分極処
理を行うと、スルーホール電極28a・28a´間の電
気的接続およびスルーホール電極28b・28b´間の
電気的接続によって、図1に示すような圧電板21a〜
21e・23a〜23e(以下「圧電板21a等」とい
う)の分極状態を得ることができなくなる。
【0028】バイモルフ素子10の駆動は、例えば、ス
ルーホール電極28aと導通して表面に露出している電
極22aを高電位側のターミナルとし、かつ、スルーホ
ール電極28bに導通して表面に露出している電極25
bをアース電極用のターミナルとして、これらの電極2
2a・25b間に所定の直流電圧を印加することによっ
て行うことができる。この場合には、積層型圧電体11
aの圧電板21a〜21eにはそれぞれ分極の向きと同
じ向きに電界が掛かるために積層型圧電体11aはX方
向に収縮し、一方、積層型圧電体11bの圧電板23a
〜23eにはそれぞれ分極の向きとは逆向きの電界が掛
かるために積層型圧電体11bはX方向に伸びる。これ
によりバイモルフ素子10は、その駆動端がZ方向上側
へ移動するように屈曲する。
【0029】電極22aと電極25bに印加する電位を
逆にすると、駆動端がZ方向下側へ移動するようにバイ
モルフ素子10を屈曲させることができ、電極22a・
電極25b間に交流電圧を印加すると、駆動端にZ方向
の振動を生じさせることができる。さらに、バイモルフ
素子10のX方向両端を固定した状態で電極22a・電
極25b間に交流電圧を印加することによって、バイモ
ルフ素子10のX方向中心を腹とし、X方向両端を節と
する振動変位を生じさせることも可能である。なお、バ
イモルフ素子10を駆動するには、バイモルフ素子10
の表面に露出している電極22a・22a´のいずれか
一方と電極25b・25b´のいずれか一方との間に電
圧を印加すればよい。
【0030】このような構造を有するバイモルフ素子1
0において、圧電板21a等の厚みは10μm以上50
μm以下、好ましくは15μm以上40μm以下、さら
に好ましくは20μm以上30μm以下とする。これに
より、バイモルフ素子10は、例えば、10V以下の低
電圧でも十分に大きな変位を示す。圧電板21a等の厚
みが薄い場合には、絶縁破壊が起こる可能性が高くなっ
たり、圧電板21a等を挟む電極どうしが導通する等の
不良が発生し易くなる。一方、圧電板21a等の厚みが
厚い場合には所望する変位量を得るために高い駆動電圧
が必要となる。
【0031】圧電板21a等の厚みをこのように薄くし
た状態で高い信頼性を維持するために、圧電板21a等
には平均粒径が3μm以下の圧電セラミックスが用いら
れる。圧電板21a〜21eの平均粒径は、2.5μm
以下であることが好ましく、2μm以下であることがさ
らに好ましい。平均粒径の下限は原料粉末の粒径によっ
て決定されるが、おおよそ0.5μmである。バイモル
フ素子10の製造においては、良好な圧電特性を示すジ
ルコン酸チタン酸鉛−マグネシウムニオブ酸鉛(PZT
−PMN)系材料が好適に用いられる。
【0032】後述するように、圧電板21a等の平均粒
径を3μm以下とするために、バイモルフ素子10の製
造においては、平均粒径が0.5μm以下のPZT−P
MN系材料粉末が用いられる。このような微粉末を用い
ることによって、10μm以上50μm以下の厚みを有
する圧電板21a等を得るためのグリーンシートを製造
することが可能となる。PZT−PMN系材料の具体的
な組成例としては、例えば、特公平4−78582号公
報に開示されている一連の組成を挙げることができる。
【0033】平均粒径が0.5μm以下のPZT−PM
N系材料の粉末は、焼結性が高いために1000℃以上
1200℃未満での焼成が可能であり、この温度は、従
来のPZT材料の一般的な焼成温度である1200℃以
上1300℃以下よりも低い。これによりバイモルフ素
子10では、電極22a・22b・25a・25bとし
て、従来一般的に用いられていたパラジウム(Pd)含
有量が30%超の銀(Ag)/パラジウム(Pd)電極
材料に代えて、パラジウム(Pd)含有量が19.5%
以上30%以下、好ましくは19.5%以上25%以
下、より好ましくは19.5%以上20.5%未満(約
20%)の銀(Ag)/パラジウム(Pd)電極材料が
用いられる。
【0034】こうしてパラジウム(Pd)の使用量を減
らすことにより製造コストを下げることが可能となる。
また、高い温度で焼成した際の鉛成分の蒸発を抑制して
組成ずれを防止することができ、目標とする圧電特性を
得ることが容易となる。さらに蒸発した鉛成分による焼
成炉の汚染を抑制することができ、焼成炉の寿命を長く
保持することも可能となる。
【0035】接着された積層型圧電体11a・11bの
総厚み、つまりバイモルフ素子10の総厚みは0.1m
m以上2mm以下、好ましくは0.2mm以上1mm以
下、さらに好ましくは0.2mm以上0.7mm以下で
ある。バイモルフ素子10の総厚みが薄い場合には、変
位量は大きくなるが発生力が小さく、また機械的強度が
小さくなる。一方、バイモルフ素子10の総厚みが厚く
なると、発生力と機械的強度は大きくなるが、変位量が
小さくなる。圧電板21a等の厚みとバイモルフ素子1
0の総厚みは、バイモルフ素子10の用途等を考慮し
て、適宜適切な条件に定められる。
【0036】バイモルフ素子10は、その総厚みが2m
m以下と薄いために、積層型圧電体11a・11bから
の電極の取り出しをこれらの側面で行うことが困難であ
る。そこで、バイモルフ素子10においては、スルーホ
ール電極28a・28b・28a´・28b´を用いる
ことによってこの問題を解決している。バイモルフ素子
10のX方向端の一方を図示しない固定治具に固定する
際に、この固定治具に表面に露出した電極22a・25
bの電気的接続が可能な電極端子を設けることにより、
バイモルフ素子10自体にリード線を設ける必要がない
構造とすることができる。
【0037】次に、バイモルフ素子10の製造方法につ
いて説明するが、積層型圧電体11a・11bは同様の
工程によって製造されるために、ここでは積層型圧電体
11aの製造工程を中心にして説明することとする。図
5はバイモルフ素子10の製造方法の一実施形態を示す
フローチャートである。最初に原料粉末を調製する(ス
テップ1)。このステップ1では、PZT−PMN系材
料の粗粉末を粉砕処理して平均粒径を0.5μm以下と
する。このような原料粉末において、1μm以上の粉末
が全体に占める割合は10%(体積%)以下であること
が好ましく、5%(体積%)以下であるとより好まし
い。これにより均一な組織を有する圧電板21a等を得
ることができる。
【0038】粗粉末の粉砕方法としては、特開平9−2
872号公報に開示されている強度撹拌式ミルを用いる
方法が好ましく、これにより所望する粒径の原料粉末を
容易に得ることができる。図6は強度撹拌式ミルによる
粉砕処理が終了した原料粉末の粒度分布をHORIBA
製LA−920を用いて測定した結果を示す説明図であ
り、平均粒径が0.439μm(メジアン径)の原料粉
末が得られていることがわかる。
【0039】得られた原料粉末に溶剤、バインダ等を添
加して均一に混合し、シート成形用のスラリーを製造す
る(ステップ2)。このスラリーの製造にはボールミル
等の粉砕混合装置が好適に用いられる。続いてドクター
ブレード法やカレンダロール法等により、製造したスラ
リーを用いてグリーンシートを成形する(ステップ
3)。ステップ3で製造するグリーンシートの厚みは焼
成収縮を考慮して適切な値に設定される。ステップ3に
おいては、ステップ1において調製した原料粉末を用い
ることにより、ステップ3においては、厚みが約20μ
m以上60μm以下の薄くかつ厚みの均一なグリーンシ
ートを成形することができる。
【0040】続いて、成形された帯状のグリーンシート
を一定の大きさ(例えば、1辺の長さが250mmの正
方形)に切断し(ステップ4)、得られたシートの周縁
をフレームに貼り付ける(ステップ5)。ステップ4に
おいて切断するシートの大きさは、作業者による取り扱
いが容易であり、かつ、例えば、図3(a)に示す電極
パターンを縦横に並べて複数箇所に印刷することができ
るような大きさとすることが好ましい。これにより生産
性が高められる。このステップ4は、グリーンシートの
厚みが薄い場合に、グリーンシートのハンドリングを行
い易くするために行われるものであり、必ずしも必要な
工程ではない。
【0041】次いで、フレームに貼り付けられたシート
の所定位置にスルーホール電極28a・28bを形成す
るための孔部31a・31bを形成する(ステップ
6)。この孔部31a・31bの形成は、金型によるパ
ンチングやレーザ加工によって行うことができる。孔部
31a・31bを形成する位置は、次のステップ7にお
ける電極ペーストの印刷位置に合わせて予め定められ
る。
【0042】孔部31a・31bが形成されたシートの
所定位置に、パラジウム(Pd)含有量が約20%の銀
(Ag)/パラジウム(Pd)ペーストを所定のパター
ンで印刷する(ステップ7)。この電極ペーストの印刷
はスクリーン印刷法を用いて好適に行われ、先に図3
(a)に示した電極パターンが印刷されたシートと、図
3(b)に示した電極パターンが印刷されたシートの2
種類のシートが製造される。
【0043】ここで、シートの厚みが約60μm以下と
薄い場合には、シートに形成された孔部31a・31b
を塗りつぶすように電極ペーストの印刷を行うことによ
り、この孔部31a・31bの内周壁面にも電極ペース
トが塗られる。これにより後に説明するステップ10に
おいてシートどうしの熱圧着を行い、さらにステップ1
1において焼成を行った際に、この孔部31a・31b
の内周壁面に塗られた電極ペーストがどうしが接触し
て、スルーホール電極28a・28bが形成される。
【0044】なお、グリーンシートを用いた一体焼成法
により積層型圧電素子を製造する場合において、その積
層型圧電素子にスルーホール電極を設ける方法として
は、グリーンシートに形成した孔部を樹脂埋めして、そ
の後に電極ペーストの印刷を行い、焼成後に樹脂が焼失
することによって形成されるホールに電極材料を塗布ま
たは充填する方法が知られている。しかし、バイモルフ
素子10の製造工程においては、孔部31a・31bを
樹脂埋めする等の工程を必要とすることなく、スルーホ
ール電極28a・28bを形成することができるため
に、製造時間を短縮することができる。
【0045】続いて、電極パターンが印刷された一定面
積(例えば、1辺が200mmの正方形の領域)を、パ
ンチングによりシートから打ち抜く(ステップ8)。フ
レームに貼り付けられたシートの残りの部分はフレーム
から剥離された後に粉末の状態に戻される等して再利用
され、フレームは洗浄処理されて再びステップ4に用い
られる。ステップ8において、図3(a)に示した電極
パターンが印刷されたシートから得られたシート(以下
「シートA」とする)と、図3(b)に示した電極パタ
ーンが印刷されたシートから得られたシート(以下「シ
ートB」とする)を、位置合わせを行いながら交互に積
み重ねる(ステップ9)。
【0046】積層型圧電体11aを製造する場合のステ
ップ9の処理は、最終的に圧電板21a・21c・21
eとなる3枚のシートAと、最終的に圧電板21b・2
1dとなる2枚のシートBを交互に積み重ねる。同様
に、積層型圧電体11bを製造する場合には、最終的に
圧電板23a・23c・23eとなる3枚のシートB
と、最終的に圧電板23b・23dとなる2枚のシート
Aを交互に積み重ねればよい。
【0047】なお、積層型圧電体11aを製造する場合
のステップ9の処理においては、最終的に圧電板21c
・21eとなる2枚のシートAと、最終的に圧電板21
b・21dとなる2枚のシートBを交互に積み重ね、さ
らに圧電板21bとなるシートBの上に、圧電板21a
となるグリーンシートであって電極ペーストが印刷され
ていないものを積み重ねてもよい。同様に、積層型圧電
体11bを製造する場合には、最終的に圧電板23c・
23eとなる2枚のシートBと、最終的に圧電板23b
・23dとなる2枚のシートAを交互に積み重ね、さら
に圧電板23bとなるシートAの上に、圧電板23aと
なるグリーンシートであって電極ペーストが印刷されて
いないものを積み重ねてもよい。
【0048】ステップ9におけるシートAとシートBの
積み重ね数の合計を奇数とすると、後のステップ14に
おける分極処理を容易に行うことができる。また所定枚
数のシートAとシートBを積み重ねた後に、シートAと
同じ形状に加工された樹脂フィルムを積み重ね、さらに
この樹脂フィルムの上に所定枚数のシートAとシートB
を積み重ねる、という一連の作業を所定回数繰り返すこ
とにより、次のステップ10における熱プレスの回数を
減らして製造時間を短縮することができる。樹脂フィル
ムとしては、熱プレスを行った際にシートAおよびシー
トBと溶着しない性質を有するものが好適に用いられ
る。
【0049】こうして積み重ねられたシートAとシート
Bに熱プレス処理を施す(ステップ10)。これにより
シートAとシートBが熱圧着されて一体化されたグリー
ンボードが得られる。次いでこのグリーンボードを焼成
する(ステップ11)。ステップ11は、グリーンボー
ドの面積が広い場合には1枚のグリーンボードを複数に
分割した後に行うことが好ましく、1枚のグリーンボー
ドの面積が狭い場合にはそのままの状態で行ってもよ
い。
【0050】グリーンボードを構成する原料粉末は粒径
が小さくて焼結性が高いために、グリーンボードの焼成
は、1000℃以上1200℃未満の範囲、好ましくは
1100℃以上1150℃以下の範囲で行うことができ
る。これにより、ステップ7において、電極ペーストと
してパラジウム(Pd)含有量が少ないものを用いるこ
とが可能となっている。図7はステップ11で得られた
焼成体の微構造を示すSEM写真である。平均粒径は約
1.2μmであり、かつ、緻密に焼結している圧電板2
1a〜21eが得られている状態を確認することができ
る。当然に、図7に示される微構造は、積層型圧電体1
1aまたは積層型圧電体11bを構成する圧電板21a
等の微構造である。
【0051】ステップ11により得られる焼成体であっ
て、積層型圧電体11aとして製造されたものには、そ
の一方の表面(圧電板21a側)に電極22a・25b
が形成されているが、他方の表面(圧電板21e側)に
は電極が形成されていないものとなる。そこで、銀ペー
ストを用いて、焼成体の圧電板21e側の表面に図3
(d)に示す電極パターンを印刷し、焼成温度よりも低
い温度で焼き付けて、電極25a・22bを形成する
(ステップ12)。ステップ12においては、圧電板2
1a側の表面に形成されている電極22a・25bにも
銀ペーストを上塗りして、焼き付けることが好ましい。
【0052】同様に、ステップ11により得られる焼成
体であって、積層型圧電体11bとして製造されたもの
には、その一方の表面(圧電板23a側)に電極22b
´・25a´が形成されているが、他方の表面(圧電板
23e側)には電極が形成されていないものとなる。そ
こで、銀ペーストを用いて、焼成体の圧電板23e側の
表面に図4(d)に示す電極パターンを印刷し、焼成温
度よりも低い温度で焼き付けて、電極22a´・25b
´を形成する。このとき圧電板23a側の表面に形成さ
れている電極22b´・25a´にも銀ペーストを焼き
付けることが好ましい。
【0053】なお、先のステップ9においてシートAお
よびシートBを積層する際に、電極ペーストが印刷され
ていないグリーンシートを最上段に積み重ねていた場合
には、ステップ11により得られる焼成体は、その両面
に電極が形成されていないものとなる。この場合には、
焼成体の両面にそれぞれ所定の電極パターンを銀ペース
トを用いて印刷し、その後に焼き付け処理を行うことに
よって、焼成体の表面に所定の電極を形成する。例え
ば、積層型圧電体11aの場合には、圧電体21a側に
図3(a)に示す電極パターンを印刷し、圧電体21e
側に図3(d)に示す電極パターンを印刷し、焼き付け
処理を行う。
【0054】ステップ12の終了後には、銀ペーストが
焼き付けられた焼成体を個々の積層型圧電体に切断して
(ステップ13)、複数の積層型圧電体11a(および
複数の積層型圧電体11b)を得て、その後にこれらの
分極処理を行う(ステップ14)。積層型圧電体11a
の場合、シートAとシートBの積み重ね数が奇数であれ
ば、積層型圧電体11aの表面に設けられた面積の広い
駆動用の電極22a・22b(ステップ12において銀
ペーストを焼き付けて形成された電極22a・22b)
の間に所定の電圧を印加することにより、容易に分極処
理を行うことができる。同様に、積層型圧電体11bの
場合においてシートAとシートBの積み重ね数が奇数で
あれば、積層型圧電体11bの表面に設けられた面積の
広い駆動用の電極22a´・22b´の間に電圧を印加
して分極処理を行うことができる。なお、ステップ13
とステップ14は逆の順序で行うことができる。但し、
分極処理時に焼成体にクラック等の損傷が入らないこと
が前提条件とされる。
【0055】ステップ14の終了後に得られた積層型圧
電体11aと積層型圧電体11bを接着剤で貼り合わせ
る(ステップ15)ことにより、バイモルフ素子10が
得られる。さらに必要に応じて、表面に露出している電
極22a(または22a´)・25b(または25b
´)にリード線をハンダ付け等して取り付ける。
【0056】ステップ15においては、積層型圧電体1
1aと積層型圧電体11bが接着された後に、例えば、
電極22a・25b間に電圧を印加したときに、積層型
圧電体11aを構成する圧電板21a〜21eに分極の
向きと同じ向きに電界が印加された場合には、積層型圧
電体11bを構成する圧電板23a〜23eには分極の
向きとは逆向きの電界が印加されるようにし、逆に積層
型圧電体11aを構成する圧電板21a〜21eに分極
の向きと逆向きの電界が印加された場合には、積層型圧
電体11bを構成する圧電板23a〜23eには分極の
向きと同じ向きに電界が印加されるようにする必要があ
る。このため、積層型圧電体11aと積層型圧電体11
の接着面を間違えないように注意する必要がある。
【0057】ところで、圧電アクチュエータ10の製造
に用いる原料粉末の平均粒径が0.5μm超である場合
には、次のような問題が生じるために、圧電アクチュエ
ータ10を製造することは困難である。例えば、HOR
IBA製LA−920を使用して測定された図8に示す
粒度分布を有するPZT−PMN系セラミックス原料粉
末を用いてスラリーを作製した場合には、厚みが約20
μm以上60μm以下の薄くかつ均一な厚みを有するグ
リーンシートを作製することが困難である。また、グリ
ーンボードが作製できたとしても、これを1000℃以
上1200℃未満の温度で焼成した場合には、粉末の焼
結性が悪いために焼結が進まず、これにより空孔率が大
きくなって所望する圧電特性を得ることができない。こ
のためにグリーンボードを1200℃以上1300℃以
下の温度で焼成すると、図9のSEM写真に示すように
緻密な微構造を有する圧電セラミックスを得ることがで
きるが、その平均粒径は大きく、機械的強度も小さい。
さらに、電極材料としてパラジウム(Pd)含有量が2
0%の銀(Ag)/パラジウム(Pd)ペーストが用い
られているグリーンボードを1200℃以上1300℃
以下の温度で焼成した場合には、銀(Ag)がグリーン
ボードから流れ出すために駆動可能な積層型圧電体を得
ることができない。結果的に、グリーンボードの作製に
あたって、パラジウム(Pd)含有量が30%超の銀
(Ag)/パラジウム(Pd)ペーストを用いる必要が
生ずるために、圧電アクチュエータ10の製造コストが
高くなる。
【0058】次に、本発明の圧電アクチュエータの別の
実施の形態について説明する。図10の断面図に示すバ
イモルフ素子10aは、上述したバイモルフ素子10を
構成する積層型圧電体11a・11b間に、いわゆるシ
ム材として金属板41が挟まれた構造を有している。積
層型圧電体11a・11bの構造は先に説明した通りで
ある。金属板41としては、リン青銅等のバネ性を有す
る金属が好適に用いられ、その厚みは10μm以上20
0μm以下の範囲のものが好適に用いられる。
【0059】積層型圧電体11a・11bを直接に金属
板41に接着すると、全てのスルーホール電極28a・
28a´・28b・28b´が金属板41と電気的に接
続されてしまい、バイモルフ素子10aを駆動すること
ができなくなる。これを防止する方法としては、以下に
示す方法が挙げられる。
【0060】第1の方法は、図11の断面図に示すよう
に、例えば、スルーホール電極28b・28b´は金属
板41を介して電気的に接続されるが、スルーホール電
極28a・28a´は金属板41と絶縁されるように、
金属板41の特定部分に絶縁性樹脂42をコーティング
する方法である。この絶縁性樹脂42の厚みが厚くなる
と、金属板41と積層型圧電体11a・11bとを接着
する際に積層型圧電体11a・11bが割れるおそれが
ある。このために絶縁性樹脂42の厚さは10μm以下
とすることが好ましい。
【0061】第2の方法は、図12の断面図に示すよう
に、積層型圧電体11aを製造する際に、圧電板21e
となるシートAについては、孔部31aを形成しない方
法である。これによりスルーホール電極28aは金属板
41と導通することができなくなる。この場合にはさら
に、圧電板21eに設けられる電極22bの電極面積を
圧電板21e全体に拡げることができる。ここで、積層
型圧電体11aと金属板41との接着には、嫌気性の接
着剤が好適に用いられるために、電極22bを圧電板2
1eの表面全体に設けた場合には、金属材料どうしの接
着面積が広くなり、これにより接着面の信頼性を高める
ことができる。同様に、積層型圧電体11bを製造する
際には、圧電板23aとなるシートBについては、孔部
31a´を形成せず、圧電板23aに設けられる電極2
2b´の電極面積を圧電板23a全体に拡げる。これに
よりスルーホール電極28a´の金属板41との導通が
防止され、積層型圧電体11bと金属板41の接着面の
信頼性も高められる。
【0062】バイモルフ素子10aの駆動は、例えば、
金属板41とスルーホール電極28a・28a´に導通
して表面に露出している電極22aとの間に電圧を印加
することにより行うことができる(図10参照)。バイ
モルフ素子10aは、金属板41を有するために強度が
大きくなる。但し、金属板41によって積層型圧電体1
1a・11bの変位が阻害されるために、一般的に変位
量は小さくなる。
【0063】ところで、バイモルフ素子に用いるシム材
は金属板41に限定されるものではない。例えば、図1
3は、プリント配線基板80を積層型圧電体11a・1
1bで挟んだ構造を有するバイモルフ素子10bの構造
を示す断面図である。プリント配線基板80は、図13
(b)に示すように、樹脂基板85の表裏面に設けられ
た第1電極81が第1スルーホール82の壁面を通じて
導通し、表裏面に第1電極81と絶縁して設けられた第
2電極83が第2スルーホール84の壁面を通じて導通
した構造を有している。
【0064】図13(a)に示すように、第2電極83
の平面形状は電極22b・22b´の形状に一致させる
ことができる。同様に、第1電極81の平面形状は電極
25a・25a´の形状に一致させることができる。な
お、第1スルーホール82と第2スルーホール84を設
けることなく、樹脂基板85の側面を通じて第1電極8
1どうしを導通させ、また第2電極83どうしを導通さ
せることもできる。
【0065】このようなプリント配線基板80と積層型
圧電体11a・11bとを、第1電極81とスルーホー
ル電極28a・28a´(電極25a・25a´)間が
導通し、かつ、第2電極83とスルーホール電極28b
・28b´(電極22b・22b´)間が導通するよう
に接着する。これによりバイモルフ素子10bの一方の
表面、例えば積層型圧電体11a側の表面から電極リー
ドを取り出して、バイモルフ素子10bを駆動すること
ができる。バイモルフ素子10bは、バイモルフ素子1
0aと比較すると、制振性に優れるという特徴を有す
る。
【0066】次に、圧電アクチュエータのさらに別の実
施の形態について説明する。図14の断面図に示すユニ
モルフ素子10cは、金属板41に1個の積層型圧電体
11aを貼り付けて構成される圧電アクチュエータであ
る。ユニモルフ素子10cにおいても、スルーホール電
極28a・28bがともに金属板41に導通することが
ないように、スルーホール電極28a(金属板側41と
の接着面にある電極25a)と金属板41との間に絶縁
性樹脂42が塗布されている。
【0067】ユニモルフ素子10cの駆動は、例えば、
金属板41とスルーホール電極28aと導通して表面に
露出している電極22aとの間に電圧を印加することに
より行う。ユニモルフ素子10cでは、圧電板21a〜
21eの分極の向きと同じ向きに電界が印加されるよう
に駆動電圧を印加することが好ましい。
【0068】ユニモルフ素子10cは、バイモルフ素子
10・10aと比較すると、駆動電圧が同じ場合に得ら
れる変位量は小さくなる。しかし、バイモルフ素子10
・10aにおいては、駆動の際に積層型圧電体11a・
11bのいずれか一方の圧電板21a〜21eに分極の
向きとは反対の向きの電界を掛けなければならない。こ
のためにバイモルフ素子10・10aにおいては、長時
間の駆動や高い電圧の駆動によって分極が消滅して、駆
動できなくなるおそれがある。しかし、ユニモルフ素子
10cではこのような問題が生じない利点がある。
【0069】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるもので
はない。例えば、バイモルフ素子10等を構成する積層
型圧電体11a・11bについては、圧電板が5層構造
となっているものを示したが、積層型圧電体11a・1
1bの総厚み等の条件が満たされる限りにおいて、圧電
板の積層数に制限はない。また電極22等のパターンに
ついても、図3の各図に示されるパターンに限定されな
い。さらにバイモルフ素子10aにおいては、金属板4
1に絶縁性樹脂42を設けることでスルーホール電極2
8a・28a´間の導通を防止しているが、例えば絶縁
性樹脂42を設ける代わりにスルーホール電極28a・
28a´間の導通を防止するホールを金属板41に設け
てもよい。本発明に係るバイモルフ素子10等の用途と
しては、例えば、低電圧で駆動可能な圧電リレーや携帯
電話のバイブレータ、パネル型スピーカ等を挙げること
ができるが、勿論、これらの用途に限定されるものでは
ない。
【0070】
【発明の効果】上述の通り、本発明の圧電アクチュエー
タとその製造方法によれば、平均粒径の小さい粉末を用
いることによって厚みの薄いグリーンシートを成形する
ことが可能なために、圧電板の一層の厚みを薄くするこ
とができる。これにより10V以下の低電圧でも十分に
駆動することが可能となるために、特に電池を電源とし
て利用する携帯型情報端末への種々の応用が可能とな
る。また、平均粒径の小さい粉末を用いることによって
従来の焼成温度よりも低い温度での焼成が可能となるた
めに、パラジウム(Pd)含有量の少ない電極ペースト
を用いることが可能となる。これにより製造コスト(製
品コスト)を下げることが可能となる効果も得られる。
電極パターンが印刷されたシートを奇数枚積層すること
により、焼成体の表面に表れる駆動用の電極を用いて分
極処理を行うことが可能となり、これにより生産性が高
められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電アクチュエータの一実施形態であるバイモ
ルフ素子を示す断面図。
【図2】図1に示すバイモルフ素子設けられたスルーホ
ール電極の一実施形態を示す断面図。
【図3】図1に示すバイモルフ素子を構成する一方の積
層型圧電体に設けられた電極のパターンの一実施形態を
示す平面図。
【図4】図1に示すバイモルフ素子を構成する他方の積
層型圧電体に設けられた電極のパターンの一実施形態を
示す平面図。
【図5】図1に示すバイモルフ素子の製造方法の一実施
形態を示す説明図。
【図6】原料粉末の粒度分布を示す説明図。
【図7】バイモルフ素子を構成する圧電板の微構造を示
すSEM写真。
【図8】従来の原料粉末の粒度分布を示す説明図。
【図9】従来のバイモルフ素子を構成する圧電板の微構
造を示すSEM写真。
【図10】バイモルフ素子の別の形態を示す断面図。
【図11】バイモルフ素子の電極構造の一実施形態を示
す断面図。
【図12】バイモルフ素子の電極構造の別の実施形態を
示す断面図。
【図13】バイモルフ素子の電極構造のさらに別の実施
形態を示す断面図。
【図14】圧電アクチュエータの別の実施形態であるユ
ニモルフ素子を示す断面図。
【図15】従来のバイモルフ素子の概略構造を示す断面
図。
【符号の説明】
10・10a・10b;バイモルフ素子 10c;ユニモルフ素子 11a・11b;積層型圧電体 21a〜21e・23a〜23e;圧電板 22a・22a´・22b・22b´・25a・25a
´・25b・25b´;電極 27;接着剤 28a・28a´・28b・28b´;スルーホール電
極 31a・31a´・31b・31b´;孔部 41;金属板 42;絶縁性樹脂 80;プリント配線基板 81;第1電極 82;第1スルーホール 83;第2電極 84;第2スルーホール 85;樹脂基板 90;バイモルフ素子 91a・91b;積層型圧電体 92;金属板 93a・93b;圧電体 94a・94b;電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 友好 埼玉県日高市大字原宿7番地5 株式会社 メガセラ内 (72)発明者 柴田 清人 埼玉県日高市大字原宿7番地5 株式会社 メガセラ内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板状の圧電体と電極とが交互に積み重
    ねられた積層型圧電体と、前記積層型圧電体の表面に貼
    り付けられた補強板とを具備する圧電アクチュエータで
    あって、 前記薄板状の圧電体の厚みが10μm以上50μm以下
    であり、かつ、前記積層型圧電体の総厚みが0.05m
    m以上1mm以下であることを特徴とする圧電アクチュ
    エータ。
  2. 【請求項2】 前記補強板の表面に貼り付けられた別の
    積層型圧電体をさらに具備し、 前記積層型圧電体と前記別の積層型圧電体に厚み−横変
    位を生じさせた際の変位の向きが互いに逆向きとなって
    いることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエ
    ータ。
  3. 【請求項3】 薄板状の圧電体と電極とが交互に積み重
    ねられた2個の積層型圧電体がその表面で互いに貼り合
    わされてなる圧電アクチュエータであって、 前記薄板状の圧電体の厚みが10μm以上50μm以下
    であり、かつ、貼り合わされた前記2個の積層型圧電体
    の総厚みが0.1mm以上2mm以下であることを特徴
    とする圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記2個の積層型圧電体は、前記2個の
    積層型圧電体の貼り合わせ面について互いに対称な構造
    を有することを特徴とする請求項3に記載の圧電アクチ
    ュエータ。
  5. 【請求項5】 前記薄板状の圧電体は圧電セラミックス
    であり、 前記圧電セラミックスの平均粒径が3μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に
    記載の圧電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記積層型圧電体は、前記電極を1層お
    きに電気的に接続するスルーホール電極を有することを
    特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載
    の圧電アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 薄板状の圧電体と電極とが交互に積み重
    ねられた積層型圧電体を有する圧電アクチュエータの製
    造方法であって、 平均粒径が0.5μm以下のチタン酸ジルコン酸鉛−マ
    グネシウムニオブ酸鉛系酸化物粉末を用いてグリーンシ
    ートを成形する第1工程と、 前記グリーンシートにパラジウム含有量が30%以下の
    銀/パラジウムペーストを用いて所定の電極パターンを
    印刷する第2工程と、 前記電極パターンが印刷された所定枚数のシートを積層
    圧着してシート積層体を得る第3工程と、 前記シート積層体を1000℃以上1200℃未満の温
    度で焼成する第4工程と、 前記第4工程において得られた焼成体を分極処理する第
    5工程と、 を有することを特徴とする圧電アクチュエータの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記第3工程においては、前記電極パタ
    ーンが印刷されたシートが奇数枚積層され、 前記第5工程においては、前記第4工程において得られ
    た焼成体の表面に現れている電極に直流電圧を印加可能
    な端子を接触させることによって分極処理が行われるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の圧電アクチュエータの
    製造方法。
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