JP2006179235A - 電池 - Google Patents

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康彦 大澤
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Abstract

【課題】PVdFゲル電解質を用いた電池において、PVdFゲル電解質の熱可塑性をほとんど低下させずに、当該電解質における電解液の保液性を向上させうる手段を提供する。
【解決手段】正極活物質層、電解質層、および負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有し、前記正極活物質層、前記電解質層、および前記負極活物質層の少なくとも1つが、PVdFゲル電解質を含む電池において、前記PVdFゲル電解質に、数平均分子量が10000〜1000000の、下記化学式1:
Figure 2006179235

で示される炭酸エステル構造を有するポリマーを含ませる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池に関する。特に本発明は、ゲル電解質を含む電池の電池特性を向上させるための改良に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している(例えば、特許文献1を参照)。
かようなリチウムイオン二次電池は、電解質層を構成する電解質の種類に応じて、液体電解質電池、ゲル電解質電池、および全固体電解質電池に分類される。
このうち、ゲル電解質電池の電解質層を構成する電解質は、マトリックスポリマーと、可塑剤(有機溶媒)と、前記可塑剤に溶解した電解質塩(リチウム塩)とからなるのが一般的である。
従来、電池のサイクル特性を向上させることを目的として、フッ化ビニリデン(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー(以下、単に「VdF−HFPコポリマー」とも称する)を、ゲル電解質のマトリックスポリマーとして用いる技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2003−7345号公報 特開2002−216848号公報
しかしながら、VdF−HFPコポリマーをマトリックスポリマーとして含むゲル電解質(以下、単に「PVdFゲル電解質」とも称する)は、保液性がそれほどよくない。従って、電池製造時に、かようなゲル電解質から構成されるゲル電解質層に圧力が加えられると、ゲル電解質層中に含まれる電解液が電解質層から漏れてしまい、電池出力の低下や作業性の悪化を誘発する虞がある。
かような問題を解決すべく、PVdFゲル電解質の保液性を向上させる手段としては、例えば化学架橋ポリアルキレンオキシド(PAO)系ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド)などの保液性に優れるポリマーを電解質中に含ませることが挙げられる。しかしながら、かような手段を用いてゲル電解質の保液性の向上を図ろうとすると、電極の活物質層と電解質層との間の接触抵抗が増加し、電池の出力が低下する虞がある。すなわち、PVdFゲル電解質は熱可塑性であるため、電池要素の積層後の加熱処理によって軟化し、ゾル状に流動して、活物質層と電解質層との界面における接着性の向上に寄与している。これに対し、上記の化学架橋PAO系ポリマーを電解質中にさらに含ませると、ゲル電解質を加熱してもゾル状に流動することができなくなり、活物質層と電解質層との界面において充分な接着性が得られなくなってしまう。その結果、電解質の保液性は向上しても、その一方で電池の出力は低下してしまうのである。
そこで本発明は、PVdFゲル電解質を用いた電池において、PVdFゲル電解質の熱可塑性をほとんど低下させずに、当該電解質における電解液の保液性を向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明は、正極活物質層、電解質層、および負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有し、前記正極活物質層、前記電解質層、および前記負極活物質層の少なくとも1つが、PVdFゲル電解質を含む電池であって、前記PVdFゲル電解質が、数平均分子量が10000〜1000000の、下記化学式1:
Figure 2006179235
で示される炭酸エステル構造を有するポリマーを含む、電池である。
本発明によれば、PVdFゲル電解質を用いた電池において、PVdFゲル電解質の熱可塑性をほとんど低下させることなく、当該電解質における電解液の保液性を向上させうる。このため本発明は、電池出力のより一層の向上に貢献しうる。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
(構成)
本発明は、正極活物質層、電解質層、および負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有し、前記正極活物質層、前記電解質層、および前記負極活物質層の少なくとも1つが、PVdFゲル電解質を含む電池であって、前記ゲル電解質が、数平均分子量が10000〜1000000の、下記化学式1:
Figure 2006179235
で示される炭酸エステル構造を有するポリマーを含む、電池である。
図1は、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(以下、「バイポーラ電池」とも称する)である、本実施形態の電池の概要を示す断面図である。なお、本明細書においては、バイポーラ電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図1に示す本実施形態のバイポーラ電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。
図1に示すように、本実施形態のバイポーラ電池10の電池要素21は、集電体11の一方の面に正極活物質層13が形成され他方の面に負極活物質層15が形成された複数のバイポーラ電極を有する。各バイポーラ電極は、電解質層17を介して積層されて電池要素21を形成する。この際、一のバイポーラ電極の正極活物質層13と前記一のバイポーラ電極に隣接する他のバイポーラ電極の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各バイポーラ電極および電解質層17が積層されている。
そして、隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、1つの単電池層19を構成する。従って、バイポーラ電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する集電体11間を絶縁するための絶縁層31が設けられている。なお、電池要素21の最外層に位置する集電体(最外層集電体)(11a、11b)には、片面のみに、正極活物質層13(正極側最外層集電体11a)または負極活物質層15(負極側最外層集電体11b)のいずれか一方が形成されている。
さらに、図1に示すバイポーラ電池10では、正極側最外層集電体11aが延長されて正極タブ25とされ、外装であるラミネートシート29から導出している。一方、負極側最外層集電体11bが延長されて負極タブ27とされ、同様にラミネートシート29から導出している。
本実施形態のバイポーラ電池10は、正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15の全てがPVdFゲル電解質を含み、前記PVdFゲル電解質が、所定のポリマーを含む点に特徴を有する。詳細には、正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、マトリックスポリマーであるVdF−HFPコポリマー、電解質塩であるリチウム塩(LiPF、Li(CSOなど)を含むゲル電解質(PVdFゲル電解質)を含み、さらに、前記PVdFゲル電解質が所定のポリマーを含む点に特徴を有する。ただし、PVdFゲル電解質の成分組成が、上記の形態のみに制限されるわけではない。
なお、本発明の電池においては、必ずしも正極活物質層、電解質層、および負極活物質層の全てがPVdFゲル電解質を含む必要はない。例えば、電解質層のみがPVdFゲル電解質を含む形態であってもよいし、活物質層のみがPVdFゲル電解質を含む形態であってもよい。また、活物質層や電解質層がPVdFゲル電解質を含む場合であっても、全てのPVdFゲル電解質が所定のポリマーを含む必要はない。例えば、電解質層に含まれるPVdFゲル電解質のみが所定のポリマーを含み、正極活物質層および負極活物質層に含まれるPVdFゲル電解質は所定のポリマーを含まない形態であってもよい。ただし、本発明の作用効果をより一層発揮させうるという観点からは、本実施形態のように、全ての活物質層および電解質層に、所定のポリマーを含むPVdFゲル電解質が含まれることが好ましい。
まず、PVdFゲル電解質について詳細に説明する。
「PVdFゲル電解質」とは、上述の通り、VdF−HFPコポリマーをマトリックスポリマーとするゲル電解質であり、物理ゲルの性質を示す。従って、活物質層および電解質層の少なくとも一方にこのPVdFゲル電解質が含まれると、電池要素作製時に加熱することによって当該電解質が軟化し、ゾル状に流動して、活物質層と電解質層との界面が接着されうる。その結果、活物質層と電解質層との界面における接触抵抗が減少し、電池の出力が向上しうる。
PVdFゲル電解質のマトリックスポリマーであるVdF−HFPコポリマーにおけるVdFおよびHFPの組成は、特に制限されず、適宜調節されうる。例えば、耐熱性などの性能を重視する場合には、当該コポリマーにおけるVdFの組成を多くするとよい。一方、密着性向上のための低温流動性などの性能を重視する場合には、当該コポリマーにおけるHFPの組成を多くするとよい。一例を挙げると、VdF−HFPコポリマーにおけるHFPの含有量は、通常は1〜15質量%程度であり、好ましくは2〜6質量%である。ただし、これらの範囲を外れる形態が採用されてもよいことは勿論である。
PVdFゲル電解質に含まれる電解液の形態も、特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。
電解液は、電解質塩であるリチウム塩、および前記リチウム塩を溶解させるための可塑剤である有機溶媒を含むのが一般的である。電解液に含まれるリチウム塩としては、例えば、Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。また、電解液に含まれる有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどのカーボネート類などが例示される。これら以外のリチウム塩および有機溶媒が用いられうることは勿論である。なお、電解液におけるリチウムイオン濃度は、通常、0.5〜2.0モル/L程度である。
PVdFゲル電解質におけるマトリックスポリマーと電解液との配合比は、特に制限されない。一般的には、マトリックスポリマーと電解液との合計量を100質量%として、マトリックスポリマーが5〜20質量%程度、および電解液が70〜95質量%程度配合されうる。
続いて、本実施形態のバイポーラ電池10における特徴的な構成である、上記のPVdFゲル電解質に含まれる所定のポリマーについて説明する。
本実施形態のバイポーラ電池10において、正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15に含まれるPVdFゲル電解質は、数平均分子量が10000〜1000000の、下記化学式1:
Figure 2006179235
で示される炭酸エステル構造を有するポリマー(以下、単に「炭酸エステル含有ポリマー」とも称する)を含む点に特徴を有する。
かような炭酸エステル含有ポリマーをPVdFゲル電解質中に含ませることで、PVdFゲル電解質の熱可塑性による活物質層と電解質層との界面における接着性をほとんど低下させずに、PVdFゲル電解質の保液性を向上させることが可能となる。保液性向上のメカニズムについては明らかではないが、炭酸エステル含有ポリマーを介してのPVdFマトリックスと電解液との相互作用が増大することによるものと推測される。ただし、かようなメカニズムはあくまでも推測に過ぎず、その他のメカニズムによって電解質の保液性が向上していたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
炭酸エステル含有ポリマーの具体的な形態は特に制限されず、所望の保液性や加工性などを考慮して、好ましい形態が適宜選択されうる。以下、炭酸エステル含有ポリマーの好ましい形態について説明するが、下記の形態のみには制限されない。
上記の化学式1に含まれるR基は、炭素原子数1〜10、好ましくは2〜5のアルキレン基である。アルキレン基は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよい。かようなアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、メチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、エチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、プロピルエチレン基、1−エチル−2−メチルエチレン基、ブチルエチレン基、ペンチルエチレン基、ヘキシルエチレン基、オクチルエチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシルエチレン基、ビニルエチレン基、アリルエチレン基、イソプロペニルエチレン基などが挙げられる。これらのアルキレン基は、1つの炭酸エステル含有ポリマー中に1種のみが単独で含まれてもよく、2種以上が併用されて含まれてもよい。
炭酸エステル含有ポリマーには、上記化学式1で示される炭酸エステル構造が少なくとも1つ含まれていればよい。
炭酸エステル含有ポリマーの数平均分子量は、上述したように、10000〜1000000であり、好ましくは200000〜500000である。この数平均分子量が10000未満であると、炭酸エステル含有ポリマーの添加による保液性の向上効果が充分に得られない虞がある。一方、この数平均分子量が1000000を超えると、炭酸エステル含有ポリマーを含む活物質層や電解質層を作製する際に、これらの活物質層や電解質層への浸透性が低下し、作業効率が低下する虞がある。
炭酸エステル含有ポリマーの具体例としては、例えば、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリブチレンカーボネート、ポリペンチレンカーボネートなどのポリアルキレンカーボネートが挙げられる。かようなポリアルキレンカーボネートを炭酸エステル含有ポリマーとして採用すると、保液性の向上効果に優れるため、好ましい。ただし、かような形態のみには制限されず、その他の炭酸エステル含有ポリマーが採用されてもよい。
活物質層や電解質層における、炭酸エステル含有ポリマーの含有量は、特に制限されないが、PVdFゲル電解質の全量に対して、好ましくは0.1〜10質量%である。炭酸エステル含有ポリマーの含有量が少なすぎると、炭酸エステル含有ポリマーの添加による保液性の向上効果が充分に得られない虞がある。一方、炭酸エステル含有ポリマーの含有量が多すぎると、PVdFゲル電解質のゲル特性が失われてしまう虞がある。
以下、本実施形態のバイポーラ電池10を構成する部材について簡単に説明するが、下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。ただし、本発明の電池においては、正極活物質層、電解質層、および負極活物質層の少なくとも1つが、炭酸エステル含有ポリマーを含むPVdFゲル電解質を含む。
[集電体(最外層集電体を含む)]
集電体11および最外層集電体(11a、11b)は、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。最外層集電体以外の集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体の大きさは、バイポーラ電池10の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[活物質層]
正極活物質層13は、正極活物質を含む。正極活物質としては、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、例えば、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物やLiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質層15は、負極活物質を含む。負極活物質としては、上記のリチウム遷移金属−複合酸化物や、カーボンが好ましい。カーボンとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。
正極活物質層13および負極活物質層15には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、バインダ、導電助剤等が含まれうる。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダ等が挙げられる。
導電助剤とは、正極活物質層13または負極活物質層15の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイト、気相成長炭素繊維などが挙げられる。
本実施形態のバイポーラ電池において、正極活物質層および負極活物質層は、電解質としてPVdFゲル電解質を含む。そして、前記PVdFゲル電解質は、炭酸エステル含有ポリマーをさらに含む。ただし、上述したように、これらの活物質層にはPVdFゲル電解質が含まれずに後述の電解質層にのみPVdFゲル電解質が含まれる形態もまた、採用されうる。かような形態において、活物質層には、PVdFゲル電解質以外の電解質が含まれてもよい。すなわち、従来公知の電解質(支持電解質であるリチウム塩、およびイオン伝導性ポリマー)が含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
リチウム塩(支持塩)としては、Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、光重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
正極活物質層13および負極活物質層15中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
[電解質層]
電解質層17を構成する電解質は、イオン伝導性ポリマー(マトリックスポリマー)から構成され、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。ただし、本実施形態のように、電解質としてPVdFゲル電解質が採用されることが好ましく、前記PVdFゲル電解質は炭酸エステル含有ポリマーを含むことがさらに好ましい。
場合によっては、PVdFゲル電解質以外の電解質により電解質層が構成されてもよい。かような場合には、従来公知のゲル電解質により電解質層が構成されることが好ましい。
また、電解質層を構成する電解質がゲル電解質である場合、前記電解質層は、高分子ゲル原料溶液を不織布などのセパレータに含浸させた後、上記の種々の方法を用いて重合することにより形成されたものであってもよい。セパレータを用いることにより、電解液の充填量を高めることができるとともに、電池内部の熱伝導性が確保される。
[絶縁層]
バイポーラ電池10においては、通常、各単電池層19の周囲に絶縁層31が設けられる。この絶縁層31は、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、電池要素21における単電池層19の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こるのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質のバイポーラ電池10が提供されうる。
絶縁層31としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
[タブ]
バイポーラ電池10においては、電池外部に電流を取出す目的で、最外層集電体(11a、11b)に電気的に接続されたタブ(正極タブ25および負極タブ27)が外装の外部に取り出される。具体的には、正極用最外層集電体11aに電気的に接続された正極タブ25と、負極用最外層集電体11bに電気的に接続された負極タブ27とが、外装の外部に取り出される。
タブ(正極タブ25および負極タブ27)の材質は、特に制限されず、バイポーラ電池用のタブとして従来用いられている公知の材質が用いられうる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極端子25と負極端子27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。なお、本実施形態のように、最外層集電体(11a、11b)を延長することによりタブ(25、27)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[外装]
バイポーラ電池10においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、好ましくはラミネートシート29などの外装内に収容される。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
(製造方法)
続いて、本実施形態のバイポーラ電池10の製造方法について説明する。
本実施形態のバイポーラ電池10を製造する際には、まず、集電体11の一方の面に正極活物質層13を形成し、他方の面に負極活物質層15を形成して、バイポーラ電極を作製する。最外層集電体については、正極側最外層集電体11aの一方の面に正極活物質層13のみを形成し、負極側最外層集電体11bの一方の面に負極活物質層15のみを形成する。
次に、バイポーラ電極に形成された正極活物質層13が電解質層17を介して他のバイポーラ電極に形成された負極活物質層15と向き合う向きに、上記で作製したバイポーラ電極と電解質層17とを積層する。この際、積層体の最上面および最下面には、活物質が形成されていない面が露出するように最外層集電体(11a、11b)を積層する。また、正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15としては、炭酸エステル含有ポリマーを含むPVdFゲル電解質を含有するものを用いる。
かような活物質層は、例えば、活物質、導電助剤、およびバインダを適当な溶媒に添加してスラリーを調製し、このスラリーを集電体の表面上に塗布し、乾燥させることによって、製造されうる。バイポーラ電極を作製したい場合には、1枚の集電体の両面に、正極活物質を含むスラリーと負極活物質を含むスラリーとを塗布することで、活物質層を形成すればよい。当該スラリー中の各成分の配合比は特に制限されず、作製される活物質における各成分の所望の含有量を考慮して、調整すればよい。
続いて、PVdFゲル電解質を形成するためのプレゲル溶液を調製し、上記で作製した電極の活物質層に浸透させて、乾燥させることによって、ゲル電解質を含む活物質層が作製されうる。
上記のプレゲル溶液は、例えば、適当な溶媒にマトリックスポリマーであるVdF−HFPコポリマーを溶解させ、次いで電解液(リチウム塩および可塑剤)を添加し、さらに炭酸エステル含有ポリマーを添加して、混合することにより、調製されうる。このプレゲル溶液中の各成分の配合比についても特に制限されず、適宜調整されうる。なお、上記のプレゲル溶液中に添加する炭酸エステル含有ポリマーとしては、市販の商品を購入して用いてもよいし、自ら製造することが可能な場合には、自ら製造したものを用いてもよい。炭酸エステル含有ポリマーとして、例えばポリアルキレンカーボネートを用いる場合、自らポリアルキレンカーボネートを製造する手法としては、例えば、(1)炭酸ジメチルなどの炭酸エステルとグリコールとをエステル交換させる手法、(2)グリコールとホスゲンとを反応させる手法、(3)環状カーボネートを開環させる手法、(4)エポキシドと炭酸ガスとを亜鉛含有固体触媒成分下に共重合させる手法などが採用されうる。
上記のプレゲル溶液は、バイポーラ電池の電解質層を作製する際にも、用いられうる。かような電解質層の作製は、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂製セパレータに、上記で調製したプレゲル溶液を浸透させて、乾燥させることによって、行われうる。
電池要素21の積層中には、正極活物質層13、電解質層17および負極活物質層15からなる単電池層19を包囲するように、隣接する集電体11の間に絶縁層31を挟み込む。積層後、積層体の縁部をホットプレスして絶縁層31を集電体11と熱融着させることにより、積層された状態のバイポーラ電池の電池要素21が完成する。
その後、正極タブ25および負極タブ27を最外層集電体(11a、11b)に接合し、正極タブ25および負極タブ27が導出するように電池要素21をラミネートシート29により封止する。最外層集電体とタブとを接合する手法は特に制限されず従来公知の溶接方法などが用いられうる。溶接方法としては、例えば、超音波溶接、スポット溶接などが例示される。なかでも、低温での接合が可能であることから、超音波溶接が好ましく用いられる。
ラミネートシート29は、例えば、ヒートシール、インパルスシール、超音波融着、高周波融着などによって、封止されうる。
以上の工程により、複数の単電池層19を有する本実施形態のバイポーラ電池10が完成する。なお、電解質層17がゲル電解質を含む場合、電解質層17への電解液の注入は、絶縁層31のホットプレス前に行ってもよいし、ホットプレス後に行ってもよい。
(作用)
本実施形態のバイポーラ電池の電池としての作用については、一般的なバイポーラ電池の作用と同様であるため、ここでは説明を省略する。以下では、正極活物質層、電解質層、および負極活物質層に、炭酸エステル含有ポリマーを含むPVdFゲル電解質が含まれることに基づく作用について、主に説明する。
本実施形態のバイポーラ電池においては、活物質層および電解質層に熱可塑性の物理ゲルであるPVdFゲル電解質が含まれることで、電池の作製時における活物質層と電解質層との界面における接着性が充分に確保されうる。また、前記PVdFゲル電解質が、炭酸エステル含有ポリマーをさらに含むことにより、PVdFゲル電解質の熱可塑性をほとんど低下させることなく、ゲル電解質における電解液の保液性が向上しうる。従って、本発明によれば、出力特性等の電池性能に優れる電池が提供されうる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、上記の第1実施形態のバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図2は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図2に示すように、組電池40は、上記の第1実施形態に記載のバイポーラ電池が複数個接続されることにより構成される。各バイポーラ電池10の正極タブ25および負極タブ27がバスバーを用いて接続されることにより、各バイポーラ電池10が接続されている。組電池40の一の側面には、組電池40全体の電極として、電極ターミナル(42、43)が設けられている。
組電池40を構成する複数個のバイポーラ電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池40の長期信頼性が向上しうる。
本実施形態の組電池40によれば、上記の第1実施形態のバイポーラ電池10を用いて組電池化することにより、高出力の電池が提供されうる。
なお、組電池40を構成するバイポーラ電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記の第1実施形態のバイポーラ電池10、または第2実施形態の組電池40をモータ駆動用電源として搭載して、車両を構成する。バイポーラ電池10または組電池40をモータ用電源として用いる車両としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車が挙げられる。
参考までに、図3に、組電池40を搭載する自動車50の概略図を示す。自動車50に搭載される組電池40は、上記で説明したような特性を有する。このため、組電池40を搭載する自動車50は出力特性に優れる。
以上、本発明の幾つかの好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。例えば、以上の説明ではバイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)を例に挙げて説明したが、本発明の電池の技術的範囲がバイポーラ電池のみに制限されることはなく、例えば、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池であってもよい。参考までに、図4に、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60の概要を示す断面図を示す。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
実施例1
<プレゲル溶液の調製>
ゲル電解質のマトリックスポリマーとして、VdF−HFPコポリマーであるKynar(登録商標)2801(エルフ・アト・ケム社製)を準備した。また、電解液として、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)との等体積混合液にリチウム塩であるLiPFを1モル/Lの濃度で溶解させた溶液を準備した。
続いて、プレゲル溶液調製溶媒であるジメチルカーボネート(DMC)(30質量部)に、上記で準備したマトリックスポリマー(1質量部)を添加し、加熱により溶解させた。その後、同じく上記で準備した電解液(9質量部)を添加し、さらに炭酸エステル含有ポリマーであるポリプロピレンカーボネート(数平均分子量:250000)を所定量添加して、プレゲル溶液を調製した。
<バイポーラ電極の作製>
正極活物質であるスピネル系マンガン酸リチウム(LiMn)(平均粒子径:0.8μm)(75質量部)、導電助剤であるアセチレンブラック(10質量部)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(15質量部)を混合し、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加してさらに混合し、正極活物質スラリーを調製した。
一方、負極活物質であるハードカーボン(85質量部)、導電助剤であるアセチレンブラック(5質量部)、およびバインダであるPVdF(10質量部)を混合し、溶媒であるNMPを適量添加してさらに混合し、負極活物質スラリーを調製した。
上記で調製した負極活物質スラリーを、集電体であるステンレス(SUS316L)箔(厚さ:15μm)の一方の面にダイコーターを用いて間欠塗工し、加熱乾燥させて、負極活物質層を形成させた。なお、形成された負極活物質層の厚さは40μmであり、電極のサイズは幅180mm、長さ250mmであった。
一方、上記で調製した正極活物質スラリーを、上記のステンレス箔の他方の面にダイコーターを用いて間欠塗工し、加熱乾燥させて、正極活物質層を形成させた。なお、形成された正極活物質層の厚さは35μmであり、電極のサイズは幅170mm、長さ240mmであった。
次いで、集電体の面に形成された負極活物質層に上記で調製したプレゲル溶液を所定量塗布し、浸透させ、加熱乾燥によりDMCを揮発させて、負極活物質層中にゲル電解質を含有させた。同様の手法により、正極活物質層中にもゲル電解質を含有させて、バイポーラ電極を完成させた。なお、完成したバイポーラ電極の正極活物質層および負極活物質層中のゲル電解質におけるポリプロピレンカーボネートの含有量は、2質量%であった。
<ゲル電解質層の作製>
ゲル電解質層用のセパレータとして、ポリプロピレン製微多孔膜(厚さ:16μm)を準備した。このセパレータに、上記で準備したプレゲル溶液を所定量塗布し、浸透させ、加熱乾燥によりDMCを揮発させて、ゲル電解質層を完成させた。なお、完成したゲル電解質層中のゲル電解質におけるポリプロピレンカーボネートの含有量は、2質量%であった。
<バイポーラ型電池要素の作製>
上記で作製したバイポーラ電極5枚を、同じく上記で作製したゲル電解質層と交互に積層し、4つの単電池層を有するバイポーラ型電池要素を作製した。この際、最外層に積層されるバイポーラ電極としては、正極活物質層または負極活物質層のいずれか一方のみが集電体の面に形成されたものを用いた。また、後述の充放電試験用の電池要素作製時には、バイポーラ電極とゲル電解質層とを積層する際に、ポリプロピレンからなる絶縁層(厚さ:50μm)を、各単電池層を包囲するように配置した。一方、後述の保液性試験用の電池要素作製時には、かような絶縁層は配置しなかった。
実施例2
正極活物質層、負極活物質層、およびゲル電解質層中のゲル電解質におけるポリプロピレンカーボネートの含有量を3質量%としたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、バイポーラ型電池要素を作製した。
実施例3
炭酸エステル含有ポリマーとして、ポリプロピレンカーボネートに代えてポリエチレンカーボネート(数平均分子量:50000)を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、バイポーラ型電池要素を作製した。
比較例1
プレゲル溶液に、炭酸エステル含有ポリマーを添加しなかったこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、バイポーラ型電池要素を作製した。
比較例2
炭酸エステル含有ポリマーとして、ポリプロピレンカーボネートに代えてポリエチレンカーボネート(数平均分子量:3000)を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、バイポーラ型電池要素を作製した。
<充放電試験>
上記で作製した充放電試験用の電池要素を、積層方向に加圧し、初回充放電を行った。次いで、各単電池層を包囲する絶縁層をそれぞれ一部開放させ、初回充放電により発生したガスを減圧除去した。開放させた絶縁層を再度シール後、90℃にて1時間、電池要素の積層方向にホットプレスすることにより、それぞれの活物質層とゲル電解質層との界面を接着させた。
さらに1回充電後、上記の各実施例において作製された電池要素について、定電流パルス放電による10秒目の出力特性を、比較例1の電池要素の出力特性と比較した。その結果、各実施例とも、比較例1と比べて15%以上の出力の低下は確認されなかった。
すなわち、本発明の電池においては、活物質層および電解質層中のゲル電解質に炭酸エステル含有ポリマーを添加しても、VdF−HFPコポリマーをマトリックスポリマーとして採用することによるゲル電解質の熱可塑性がほとんど低下せずに活物質層と電解質層との界面における接着性が充分に確保され、電池出力の低下がそれほど問題とはならないことが示唆される。
<保液性試験>
上記で作製した保液性試験用の電池要素に、1kg/cmの荷重を負荷して24時間放置し、その間の電池要素からの電解液の染み出しを観察した。その結果、各比較例においては多くの電解液の染み出しが観察されたのに対し、各実施例においては電解液の染み出しはほとんど観察されなかった。
上記の充放電試験の結果も併せて考えると、本発明の電池においては、ゲル電解質中に炭酸エステル含有ポリマーを添加することで、電池の出力を低下させることなく、ゲル電解質における電解液の保液性が向上しうることが示唆される。
第1実施形態のバイポーラ電池の概要を示す断面図である。 第2実施形態の組電池を示す斜視図である。 第2実施形態の組電池を搭載する第3実施形態の自動車の概略図である。 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池の概要を示す断面図である。
符号の説明
10 バイポーラ電池、
11 集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 電池要素、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 ラミネートシート、
31 絶縁層、
33 正極集電体、
35 負極集電体、
40 組電池、
42、43 電極ターミナル、
50 自動車、
60 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池。

Claims (6)

  1. 正極活物質層、電解質層、および負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層を有し、
    前記正極活物質層、前記電解質層、および前記負極活物質層の少なくとも1つが、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーをマトリックスポリマーとするゲル電解質を含む電池であって、
    前記ゲル電解質が、数平均分子量が10000〜1000000の、下記化学式1:
    Figure 2006179235
    で示される炭酸エステル構造を有するポリマーを含む、電池。
  2. 前記ゲル電解質が前記炭酸エステル構造を有するポリマーを含む前記正極活物質層、前記電解質層、または前記負極活物質層の少なくとも1つにおいて、前記ゲル電解質の全量に対する前記炭酸エステル構造を有するポリマーの含有量が、0.1〜10質量%である、請求項1に記載の電池。
  3. 前記炭酸エステル構造を有するポリマーが、ポリアルキレンカーボネートである、請求項1または2に記載の電池。
  4. バイポーラ型リチウムイオン二次電池である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池を用いた組電池。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池、または請求項5に記載の組電池を搭載する車両。
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