JP2006177248A - 副室式内燃機関 - Google Patents

副室式内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2006177248A
JP2006177248A JP2004371566A JP2004371566A JP2006177248A JP 2006177248 A JP2006177248 A JP 2006177248A JP 2004371566 A JP2004371566 A JP 2004371566A JP 2004371566 A JP2004371566 A JP 2004371566A JP 2006177248 A JP2006177248 A JP 2006177248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion chamber
sub
chamber
main combustion
cross
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004371566A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Terachi
淳 寺地
Toru Noda
徹 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004371566A priority Critical patent/JP2006177248A/ja
Publication of JP2006177248A publication Critical patent/JP2006177248A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】 リーン限界を拡大することができる副室式内燃機関を提供する。
【解決手段】 副室式内燃機関100は、主燃焼室63と、副燃焼室161と、第1連通路162a,162dと、第2連通路162b,162cとを備える。副燃焼室161は、主燃焼室63に隣接する。第1連通路162a,162dは、主燃焼室63と副燃焼室161とを連通している。第1連通路162a,162dは、主燃焼室63に近い部分の断面積が副燃焼室161に近い部分の断面積よりも大きい。第2連通路162b,162cは、主燃焼室63と副燃焼室161とを連通している。第2連通路162b,162cは、主燃焼室63に近い部分の断面積が副燃焼室161に近い部分の断面積以下である。
【選択図】 図7

Description

本発明は、副室式内燃機関に関する。
従来から、主燃焼室及びその主燃焼室に隣接して設けられる副燃焼室を備えた副室式内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭60−45716(第1−5頁、第1−12図)
しかし、従来の技術では、主燃焼室と副燃焼室との間でガス交換が十分に行われない場合、副燃焼室内に残留ガスが滞留して、副燃焼室における着火性が悪化することがある。このため、リーン限界の拡大が困難になる傾向がある。
本発明の課題は、リーン限界を拡大することができる副室式内燃機関を提供することにある。
本発明に係る副室式内燃機関は、主燃焼室と、副燃焼室と、第1連通路と、第2連通路とを備える。副燃焼室は、主燃焼室に隣接する。第1連通路は、主燃焼室と副燃焼室とを連通している。第1連通路は、主燃焼室に近い部分の断面積が副燃焼室に近い部分の断面積よりも大きい。第2連通路は、主燃焼室と副燃焼室とを連通している。第2連通路は、主燃焼室に近い部分の断面積が副燃焼室に近い部分の断面積以下である。
この副室式内燃機関では、第1連通路は、主燃焼室に近い部分の断面積が副燃焼室に近い部分の断面積よりも大きい。このため、第1連通路を介して主燃焼室から副燃焼室へ新気混合気を容易に導入することができる。また、第2連通路は、主燃焼室に近い部分の断面積が副燃焼室に近い部分の断面積以下である。このため、第2連通路を介して副燃焼室から主燃焼室へ副燃焼室内の残留ガスを容易に排出することができる。
本発明に係る副室式内燃機関では、第1連通路を介して主燃焼室から副燃焼室へ新気混合気を容易に導入することができ、第2連通路を介して副燃焼室から主燃焼室へ副燃焼室内の残留ガスを容易に排出することができるので、主燃焼室と副燃焼室との間のガス交換を促進することができる。このため、副燃焼室内の残留ガスを低減することができ、副燃焼室における着火性を向上することができる。この結果、リーン限界を拡大することができる。
<本発明の前提となる副室式内燃機関の構成及び動作>
本発明の前提となる副室式内燃機関の構成及び動作について、図1〜図6を参照しながら説明する。
(副室式内燃機関の概略構成)
図1に、副室式内燃機関1の断面図を示す。
副室式内燃機関1は、主として、主燃焼室63,副燃焼室61,点火栓29,連通路62a,62b,62c,62d(以下、62a〜62dとする),シリンダブロック10,シリンダヘッド20,ピストン3,燃料噴射弁27,吸気ポート23,排気ポート24,吸気バルブ21,排気バルブ22,吸気用カム25及び排気用カム26を備える。
主燃焼室63は、シリンダブロック10,シリンダヘッド20及びピストン3に囲まれた室である。主燃焼室63は、シリンダ軸CBを中心軸とする略円筒形状である。主燃焼室63の容積は、ピストン3がシリンダブロック10のシリンダ内周面63aに沿って往復運動することにより変化する。
副燃焼室61は、主燃焼室63に隣接して設けられており、副燃焼室壁64に囲まれた室である。副燃焼室61は、副室中心軸CAを中心軸とする略円筒形状である。ここで、副室中心軸CAは、副燃焼室61の容積中心を通り主燃焼室63のシリンダ軸CBに平行な軸である。図1では、副室中心軸CAは、主燃焼室63のシリンダ軸CBと同一直線上にある。点火栓29の先端部分29aは、副燃焼室61に突出している。連通路62a〜62dは、主燃焼室63と副燃焼室61とを連通している。
吸気ポート23及び排気ポート24は、それぞれ、シリンダヘッド20に形成されている。吸気バルブ21は、吸気ポート23の下流部分であって主燃焼室63の入口に位置している。排気バルブ22は、排気ポート24の上流部分であって主燃焼室63の出口に位置している。吸気用カム25及び排気用カム26は、それぞれ、吸気バルブ21及び排気バルブ22の上部に位置しており、クランク軸の回転に従って回転することで吸気バルブ21及び排気バルブ22を開閉させる。燃料噴射弁27は、吸気ポート23を貫通するように設けられている。燃料噴射弁27の先端は、吸気ポート23に突出している。
(副室式内燃機関の概略動作)
副室式内燃機関1では、吸気ポート23に導入された新気空気に、燃料噴射弁27から燃料が噴射され、新気混合気が形成される。そして、吸気行程において、吸気用カム25により吸気バルブ21は開状態とされ、新気混合気は吸気ポート23から主燃焼室63へ導入される。このとき、吸気ポート23から主燃焼室63を経由して排気ポート24へ向かうような新気混合気の流れ(図4,図5に示す流れA1,A5,A6参照)が形成される。吸気ポート23から導入された新気混合気は、主燃焼室63において概ね均質になる。
圧縮行程において、主燃焼室63で新気混合気が圧縮されるとともに、主燃焼室63の均質な新気混合気の一部は、連通路62a〜62dを介して主燃焼室63から副燃焼室61へ導入される。
副燃焼室61では、点火栓29の先端部分29aにより新気混合気が所定のタイミングで火花点火され、火花点火された燃焼ガス(以下、火炎とする)が、連通路62a〜62dを介して副燃焼室61から主燃焼室63へトーチ状に噴射される。主燃焼室63の均質な新気混合気は、火炎によりトーチ点火され、燃焼する。
膨張行程において、均質な新気混合気が燃焼して発生した燃焼圧力によって、ピストン3が押し下げられる。
排気行程において、排気用カム26により排気バルブ22は開状態とされ、主燃焼室63で燃焼された後のガス(以下、既燃ガスとする)は、主燃焼室63から排気ポート24へ排出される。
(副燃焼室の詳細構成)
図2に、副燃焼室61の拡大断面図を示す。図2に示す断面図は、シリンダ軸CBに平行な断面図である。図3は、図2のIII−III断面図である。
副燃焼室61は、図2に示すように、副燃焼室壁64に囲まれた室である。副燃焼室61は、略円筒形状である。副燃焼室61には、連通路62a〜62dと対向する位置であって上部の位置に点火栓29が設けられている。点火栓29の先端部分29aは、副燃焼室61の内部において副燃焼室61の副室中心軸CAの近傍で且つ主燃焼室63から離れた位置に配置されている。点火栓29の先端部分29aは、副燃焼室61に突出している。
また、図3に示すように、副燃焼室壁64には、連通路62a〜62dが形成されている。連通路62a〜62dは、副燃焼室61の副室中心軸CAに対してオフセットされている。連通路62aは、主燃焼室63に近い直径d1a1の部分の断面積と、副燃焼室61に近い直径d1a2の部分の断面積とが同じである。連通路62bは、主燃焼室63に近い直径d1b1の部分の断面積と、副燃焼室61に近い直径d1b2の部分の断面積とが同じである。連通路62cは、主燃焼室63に近い直径d1c1の部分の断面積と、副燃焼室61に近い直径d1c2の部分の断面積とが同じである。連通路62dは、主燃焼室63に近い直径d1d1の部分の断面積と、副燃焼室61に近い直径d1d2の部分の断面積とが同じである。ここで、連通路62bと連通路62cとは、吸気側連通路であり、連通路62aと連通路62dとは、排気側連通路である。吸気側連通路62b,62cは、副室中心軸CAに対して吸気側にオフセットされた連通路である(図4参照)。排気側連通路62a,62dは、副室中心軸CAに対して排気側にオフセットされた連通路である(図4参照)。
(副燃焼室の詳細動作)
図4に示すように、吸気行程において、吸気ポート23から主燃焼室63を経由して排気ポート24へ向かうような新気混合気の流れA1,A5,A6が形成される。
新気混合気の流れA1,A5,A6のうち、副燃焼室61に近い流れA1は、主燃焼室63から吸気側連通路62b,62c(図3参照)を介して副燃焼室61へ導かれ、新気混合気の流れA2となる。
また、新気混合気の流れA2により発生する残留ガスの流れA3は、副燃焼室61から排気側連通路62a,62dを介して主燃焼室63へ導かれ、残留ガスの流れA4となる。
すなわち、吸気行程には、吸気ポート23側の主燃焼室63から、吸気側連通路62b,62cと副燃焼室61と排気側連通路62a,62dとを経由して、排気ポート24側の主燃焼室63へ向かう円滑な流れが要求されている。このような流れにより、副燃焼室61に新気混合気が容易に導入されることが期待され、副燃焼室61内の残留ガスが容易に掃気されることが期待されるからである。
ところが、実際には、図5に示すように、新気混合気の流れA1は、吸気側連通路62b,62cに導かれた際に、吸気側連通路62b,62cに渦V1,V2,・・・を生成する。この渦V1,V2,・・・により、新気混合気の流れA1は、流量が低減され、より低流量の流れA2となる。すなわち、副燃焼室61に新気混合気が容易に導入されないおそれがある。なお、図5では、矢印の幅で流れの流量を示している。
また、副燃焼室61に導入された新気混合気の流れA2が低流量であり、副燃焼室61から排出される残留ガスの流れA3が新気混合気の流れA2により発生するので、残留ガスの流れA3も同様に低流量となる。その残留ガスの流れA3は、排気側連通路62a,62dに導かれた際に、排気側連通路62a,62dに渦V3,V4,・・・を生成する。この渦V3,V4,・・・により、残留ガスの流れA3は、流量がさらに低減され、より低流量の流れA4となる。すなわち、副燃焼室61内の残留ガスが容易に掃気されないおそれがあり、副燃焼室61内に残留ガスが滞留する傾向がある。
圧縮行程において、主燃焼室63内の均質な新気混合気の一部は、連通路62a〜62dを介して主燃焼室63から副燃焼室61へ導入される。ところが、残留ガスは、副燃焼室61内に滞留しているので、連通路62a〜62dを介して導入された新気混合気に押されて、点火栓29の先端部分29aの近傍に多く滞留することになる。そして、残留ガスが着火しにくいので、点火栓29の先端部分29aでスパークが発生しても、副燃焼室61における着火は安定性を欠くことになる。
点火栓29の先端部分29aは、スパークを発生させて新気混合気を火花点火する。火花点火された新気混合気は、火炎として、連通路62a〜62dへ到達する。
連通路62a〜62dへ到達した火炎は、連通路62a〜62dを介して、副燃焼室61から主燃焼室63へとトーチ状に噴射される。ここで、連通路62a〜62dが点火栓29に対して主燃焼室63側に設けられているので、火炎は副燃焼室61から主燃焼室63へと向かう方向(図1における斜め下方向)へ噴射される。すなわち、火炎は、副燃焼室61から主燃焼室63へ効率よく噴射される。
(連通路の詳細構成及び詳細動作)
連通路62bは、図2及び図3に示すように、主燃焼室63に近い直径d1b1の部分の断面積と副燃焼室61に近い直径d1b2の部分の断面積とが同じである。連通路62bがこのような形状であることにより、図6に示すように、連通路62bの内周面62baと副燃焼室壁64の外壁面64aとのなす角θ1,θ2は略90度になる。このため、連通路62b内の主燃焼室63側の開口部62bb付近では、渦V1,V2が生成される。
新気混合気の流れA1は、連通路62bに導かれた際に、その大部分が渦V1,V2の存在により流量が低減し、より低流量の流れA2となる。すなわち、渦V1,V2の存在により、連通路62bを介して副燃焼室61に導入される新気混合気の量は、流れA1により供給される新気混合気の量に対して、大幅に低減することになる。
なお、図6では、矢印の幅で流れの流量を示している。他の連通路62a,62c,62dも連通路62bと同様である。
<本発明の第1実施形態に係る副室式内燃機関の構成及び動作>
本発明の第1実施形態に係る副室式内燃機関100について、図7〜図11を参照しながら、本発明の前提となる上記の副室式内燃機関1と異なる点を中心に説明する。
(副燃焼室の詳細構成)
図7に、副燃焼室161の拡大断面図を示す。図7に示す断面図は、シリンダ軸CBに平行な断面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面図である。なお、前提となる上記の副室式内燃機関1と同様の構成要素は、同じ番号で示している。
図7及び図8に示すように、副燃焼室壁164には、連通路162a〜162dが形成されている。連通路162a(第2連通路)は、主燃焼室63に近い直径d2a1の部分の断面積が副燃焼室161に近い直径d2a2の部分の断面積よりも小さい。連通路162b(第1連通路)は、主燃焼室63に近い直径d2b1の部分の断面積が副燃焼室161に近い直径d2b2の部分の断面積よりも大きい。連通路162c(第1連通路)は、主燃焼室63に近い直径d2c1の部分の断面積が副燃焼室161に近い直径d2c2の部分の断面積よりも大きい。連通路162d(第2連通路)は、主燃焼室63に近い直径d2d1の部分の断面積が副燃焼室161に近い直径d2d2の部分の断面積よりも小さい。ここで、連通路162bと連通路162cとは、吸気側連通路であり、連通路162a及び連通路162dよりも吸気ポート23に近い(図9参照)。連通路162aと連通路162dとは、排気側連通路であり、連通路162b及び連通路162cよりも排気ポート24に近い(図9参照)。
(副燃焼室の詳細動作)
図9に示すように、吸気行程において、吸気ポート23から主燃焼室63を経由して排気ポート24へ向かうような新気混合気の流れA1,A5,A6が形成される。この点は本発明の前提となる副室式内燃機関1と同様である。
しかし、図10に示すように、新気混合気の流れA1は、吸気側連通路162b,162cに導かれた際に、吸気側連通路162b,162cに渦を生成せず副燃焼室161内に渦V101,V102,・・・を生成する点で、本発明の前提となる副室式内燃機関1と異なる。すなわち、渦V1,V2,・・・(図5参照)が生成されないことにより、新気混合気の流れA1は、流量がほとんど低減されず、流量が概ね同じである流れA102となる。すなわち、副燃焼室161に新気混合気が容易に導入される。なお、渦V101,V102,・・・は、流れA102の流量に対して特に影響を与えない。図10では、矢印の幅で流れの流量を示している。
また、副燃焼室161に導入された新気混合気の流れA102が十分な量であり、副燃焼室161から排出される残留ガスの流れA103が新気混合気の流れA102により発生するので、残留ガスの流れA103も同様に十分な量となる。その残留ガスの流れA103は、排気側連通路162a,162dに導かれた際に、排気側連通路162a,162dに渦V3,V4,・・・を生成しない。この渦V3,V4,・・・が生成されないことにより、残留ガスの流れA103は、流量が低減されず、流量が概ね同じである流れA104となる。すなわち、副燃焼室161内の残留ガスは容易に掃気される。そして、副燃焼室161内に残留ガスが滞留することが低減される。
すなわち、吸気行程には、吸気ポート23側の主燃焼室63から、吸気側連通路162b,162cと副燃焼室161と排気側連通路162a,162dとを経由して、排気ポート24側の主燃焼室63へ向かう円滑な流れが生成される。このような流れにより、副燃焼室161に新気混合気が容易に導入され、副燃焼室161内の残留ガスが容易に掃気される。
圧縮行程において、主燃焼室63内の均質な新気混合気の一部は、連通路162a〜162dを介して主燃焼室63から副燃焼室161へ導入される。このとき、副燃焼室161に新気混合気が容易に導入されており、残留ガスが副燃焼室161内から容易に掃気されているので、点火栓29の先端部分29aの近傍には、新気混合気が多く分布することになる。そして、新気混合気が残留ガスよりも着火しやすいため、点火栓29の先端部分29aでスパークが発生した際に、副燃焼室161での着火は安定化する。
また、残留ガスが副燃焼室161内から容易に掃気されているので、副燃焼室161内には、多くの新気混合気が存在することになる。このため、点火栓29の先端部分29aがスパークを発生させて新気混合気を火花点火した後において、副燃焼室161における燃焼速度は、本発明の前提となる副室式内燃機関1よりも向上する。このため、火炎が連通路162a〜162dへ到達する時間が短くなり、副燃焼室161から連通路162a〜162dを介して主燃焼室63へ火炎が噴射される速度も、本発明の前提となる副室式内燃機関1よりも向上する。これにより、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(連通路の詳細構成及び詳細動作)
連通路162bは、図7及び図8に示すように、主燃焼室63に近い直径d2b1の部分の断面積が副燃焼室161に近い直径d2b2の部分の断面積よりも大きい。連通路162bがこのような形状であることにより、図11に示すように、連通路162bの内周面162baと副燃焼室壁164の外壁面164aとのなす角θ101,θ102はともに鈍角になる。このため、連通路162b内の主燃焼室63側の開口部162bb付近では、渦が生成されにくい。一方、連通路162bの内周面162baと副燃焼室壁164の内壁面164bとのなす角θ103,θ104はともに鋭角になる。このため、連通路162bの副燃焼室161側の開口部162bcに近い内壁面164b付近では、渦V101,V102が生成される。
新気混合気の流れA1は、連通路162bに導かれた際に、その大部分が連通路162bを通過して流量が低減されず、流れA1と流量が概ね同じである流れA102となる。すなわち、連通路162bに渦が生成されにくいことにより、流れA102により連通路162bを介して副燃焼室161に導入される新気混合気の量は、流れA1により供給される新気混合気の量に対して、概ね同じになる。
なお、渦V101,V102,・・・は、流れA102の流量に対して特に影響を与えない。図11では、矢印の幅で流れの流量を示している。他の連通路162cも連通路162bと同様である。
新気混合気の流れA103は、連通路162aに導かれた際に、その大部分が連通路162aを通過して流量が低減されず、流れA103と流量が概ね同じである流れA104となる。すなわち、連通路162aに渦が生成されにくいことにより、流れA104により連通路162aを介して副燃焼室161から排出される残留ガスの量は、流れA103により供給される残留ガスの量に対して、概ね同じになる。
なお、渦V103,V104,・・・は、流れA102の流量に対して特に影響を与えない。図11では、矢印の幅で流れの流量を示している。他の連通路162dも連通路162bと同様である。
(副室式内燃機関に関する特徴)
(1)
ここでは、連通路162b,162cは、主燃焼室63に近い直径d2b1,d2c1の部分の断面積が副燃焼室161に近い直径d2b2,d2c2の部分の断面積よりも大きい。このため、新気混合気は、連通路162b,162cを介して主燃焼室63から副燃焼室161へ容易に導入される。また、連通路162a,162dは、主燃焼室63に近い直径d2a1,d2d1の部分の断面積が副燃焼室161に近い直径d2a2,d2d2の部分の断面積よりも小さい。このため、副燃焼室161内の残留ガスは、連通路162a,162dを介して副燃焼室161から主燃焼室63へ容易に排出される。
このように、連通路162b,162cを介して主燃焼室63から副燃焼室161へ新気混合気が容易に導入され、連通路162a,162dを介して副燃焼室161から主燃焼室63へ副燃焼室161内の残留ガスが容易に排出されるので、主燃焼室63と副燃焼室161との間のガス交換は促進される。このため、副燃焼室161内の残留ガスが低減されるので、副燃焼室161における着火性は向上する。この結果、リーン限界は拡大する。
(2)
ここでは、連通路162b,162cは、連通路162a,162dよりも吸気ポート23に近い。このため、吸気行程において吸気ポート23から主燃焼室63に導入された新気混合気は、主燃焼室63から連通路162b,162cを介して副燃焼室161へ容易に導入される。また、連通路162a,162dは、連通路162b,162cよりも排気ポート24に近い。このため、吸気行程において副燃焼室161内の残留ガスは、副燃焼室161から連通路162a,162dを介して排気ポート24付近の主燃焼室63へ容易に排出される。
このように、吸気行程において、吸気ポート23から主燃焼室63と連通路162b,162cと副燃焼室161と連通路162a,162dと主燃焼室63とを経由して排気ポート24へ向かう円滑な流れが生成される。
(第1実施形態の変形例)
燃料噴射弁27は、吸気ポート23に燃料を噴射する代わりに、主燃焼室63に直接燃料を噴射してもよい。副燃焼室161は、副室中心軸CAを中心軸とする略円筒形状であることが好ましいが、それに限定されるものではない。
吸気ポート23から主燃焼室63を経由して排気ポート24へ向かうような新気混合気の流れ(図9,図10に示す流れA1,A5,A6参照)は、吸気バルブ21は開状態とされてから排気バルブ22が閉状態となるまでの期間であるバルブオーバーラップ期間に、特に形成される。
<本発明の第2実施形態に係る副室式内燃機関の構成及び動作>
本発明の第2実施形態に係る副室式内燃機関200について、図12〜図14を参照しながら、本発明の前提となる上記の副室式内燃機関1と異なる点を中心に説明する。
吸気ポート23から主燃焼室63を経由して排気ポート24へ向かうような新気混合気の流れ(図4,図5に示す流れA1,A5,A6参照)は、吸気バルブ21は開状態とされてから排気バルブ22が閉状態となるまでの期間であるバルブオーバーラップ期間に、よく形成される。
(副燃焼室の詳細構成)
図12に、副燃焼室261の拡大断面図を示す。図12に示す断面図は、シリンダ軸CBに平行な断面図である。図13は、図12のXIII−XIII断面図である。なお、前提となる上記の副室式内燃機関1や第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様の構成要素は、同じ番号で示している。
図12及び図13に示すように、副燃焼室壁264には、連通路162b,162c,62a,62dが形成されている。連通路62a(第2連通路)は、主燃焼室63に近い直径d2a1の部分の断面積と副燃焼室261に近い直径d2a2の部分の断面積とが同じである。連通路162b(第1連通路)は、主燃焼室63に近い直径d2b1の部分の断面積が副燃焼室261に近い直径d2b2の部分の断面積よりも大きい。連通路162c(第1連通路)は、主燃焼室63に近い直径d2c1の部分の断面積が副燃焼室261に近い直径d2c2の部分の断面積よりも大きい。連通路62d(第2連通路)は、主燃焼室63に近い直径d2d1の部分の断面積と副燃焼室261に近い直径d2d2の部分の断面積とが同じである。ここで、連通路162bと連通路162cとは、吸気側連通路であり、連通路62a及び連通路62dよりも吸気ポート23に近い(図14参照)。連通路62aと連通路62dとは、排気側連通路であり、連通路162b及び連通路162cよりも排気ポート24に近い(図14参照)。
(副燃焼室の詳細動作)
図14に示すように、吸気行程において、吸気ポート23から主燃焼室63を経由して排気ポート24へ向かうような新気混合気の流れA1,A5,A6が形成される。この点は本発明の前提となる副室式内燃機関1と同様である。
しかし、図10に示すように、新気混合気の流れA1は、吸気側連通路162b,162cに導かれた際に、吸気側連通路162b,162cに渦を生成せず副燃焼室261内に渦V101,V102,・・・を生成する点で、本発明の前提となる副室式内燃機関1と異なる。すなわち、渦V1,V2,・・・(図5参照)が生成されないことにより、新気混合気の流れA1は、流量がほとんど低減されず、流れA1と流量が概ね同じである流れA102となる。すなわち、副燃焼室261に新気混合気が容易に導入される。なお、渦V101,V102,・・・は、流れA102の流量に対して特に影響を与えない。図14では、矢印の幅で流れの流量を示している。
また、図14に示すように、副燃焼室261に導入された新気混合気の流れA102が十分な量であり、副燃焼室261から排出される残留ガスの流れA103が新気混合気の流れA102により発生するので、残留ガスの流れA103も同様に十分な量となる。その残留ガスの流れA103は、排気側連通路62a,62dに導かれた際に、排気側連通路62a,62dに渦V3,V4,・・・(図5参照)を生成する。ところが、残留ガスの流れA103の流量が十分大きいので、残留ガスの流れA3は、流量が低減されても、流れA4(図4参照)よりも流量の大きな流れA204となる。すなわち、副燃焼室261内の残留ガスはより容易に掃気される。そして、副燃焼室261内に残留ガスが滞留することが低減される。
すなわち、吸気行程には、吸気ポート23側の主燃焼室63から、吸気側連通路162b,162cと副燃焼室261と排気側連通路62a,62dとを経由して、排気ポート24側の主燃焼室63へ向かう円滑な流れが生成される。このような流れにより、副燃焼室261に新気混合気が容易に導入され、副燃焼室261内の残留ガスが容易に掃気される。
圧縮行程において、主燃焼室63内の均質な新気混合気の一部は、連通路62a,162b,162c,62dを介して主燃焼室63から副燃焼室261へ導入される。このとき、副燃焼室261に新気混合気が容易に導入されており、残留ガスが副燃焼室261内から容易に掃気されているので、点火栓29の先端部分29aの近傍には、新気混合気が多く分布することになる。そして、新気混合気が残留ガスよりも着火しやすいため、点火栓29の先端部分29aでスパークが発生した際に、副燃焼室261での着火は安定化する。
また、残留ガスが副燃焼室261内から容易に掃気されているので、副燃焼室261内には、多くの新気混合気が存在することになる。このため、点火栓29の先端部分29aがスパークを発生させて新気混合気を火花点火した後において、副燃焼室261における燃焼速度は、本発明の前提となる副室式内燃機関1よりも向上する。このため、火炎が連通路62a,162b,162c,62dへ到達する時間が短くなり、副燃焼室261から連通路62a,162b,162c,62dを介して主燃焼室63へ火炎が噴射される速度も、本発明の前提となる副室式内燃機関1よりも向上する。これにより、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(連通路の詳細構成及び詳細動作)
連通路162b,162cについては、第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様である。連通路62a,62dについては、本発明の前提となる上記の副室式内燃機関1と同様である。
(副室式内燃機関に関する特徴)
(1)
ここでは、連通路162b,162cは、主燃焼室63に近い直径d2b1,d2c1の部分の断面積が副燃焼室261に近い直径d2b2,d2c2の部分の断面積よりも大きい。このため、新気混合気は、連通路162b,162cを介して主燃焼室63から副燃焼室261へ容易に導入される。また、連通路62a,62dは、主燃焼室63に近い直径d1a1,d1d1の部分の断面積が副燃焼室261に近い直径d1a2,d1d2の部分の断面積と同じである。しかし、連通路62a,62dへ導かれる副燃焼室261内の残留ガスは、十分な量であるため、連通路62a,62dを介して副燃焼室261から主燃焼室63へ容易に排出される。
このように、連通路162b,162cを介して主燃焼室63から副燃焼室261へ新気混合気が容易に導入され、連通路62a,62dを介して副燃焼室261から主燃焼室63へ副燃焼室261内の残留ガスが容易に排出されるので、主燃焼室63と副燃焼室261との間のガス交換は促進される。このため、副燃焼室261内の残留ガスが低減されるので、副燃焼室261における着火性は向上する。この結果、リーン限界は拡大する。
また、連通路62a,62dは、主燃焼室63に近い部分の断面積が副燃焼室261に近い部分の断面積と同じであるので、容易に形成される。
(2)
ここでは、連通路162b,162cは、連通路62a,62dよりも吸気ポート23に近い。このため、吸気行程において吸気ポート23から主燃焼室63に導入された新気混合気は、主燃焼室63から連通路162b,162cを介して副燃焼室261へ容易に導入される。また、連通路62a,62dは、連通路162b,162cよりも排気ポート24に近い。このため、吸気行程において副燃焼室261内の残留ガスは、副燃焼室261から連通路62a,62dを介して排気ポート24付近の主燃焼室63へ容易に排出される。
このように、吸気行程において、吸気ポート23から主燃焼室63と連通路162b,162cと副燃焼室261と連通路62a,62dと主燃焼室63とを経由して排気ポート24へ向かう円滑な流れが生成される。
(第2実施形態の変形例)
吸気ポート23から主燃焼室63を経由して排気ポート24へ向かうような新気混合気の流れ(図14に示す流れA1,A5,A6参照)は、吸気バルブ21は開状態とされてから排気バルブ22が閉状態となるまでの期間であるバルブオーバーラップ期間に、特に形成される。
<本発明の第3実施形態に係る副室式内燃機関の構成及び動作>
本発明の第3実施形態に係る副室式内燃機関300について、図15を参照しながら、本発明の前提となる上記の副室式内燃機関1と異なる点を中心に説明する。
図15に、シリンダ軸CB方向視の透視図を示す。なお、前提となる上記の副室式内燃機関1や第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様の構成要素は、同じ番号で示している。
(副室式内燃機関における副燃焼室の位置)
副燃焼室361の副室中心軸CAは、主燃焼室63のシリンダ軸CBに対して、吸気側にOF1の長さだけオフセットしている。このため、火炎の噴射方向Da,Ddについての排気側連通路162a,162dから主燃焼室63のシリンダ内周面63aまでの距離は、火炎の噴射方向Db,Dcについての吸気側連通路162b,162cから主燃焼室63のシリンダ内周面63aまでの距離よりも大きくなっている。
(副燃焼室から放射される火炎の動作)
点火栓29の先端部分29aは、スパークを発生させて新気混合気を火花点火する。図15に示すように、副燃焼室361で火花点火された新気混合気は、火炎Fa1,Fb1,Fc1,Fd1(以下、Fa1〜Fd1とする)として、連通路162a〜162dを介して副燃焼室361から主燃焼室63へトーチ状に噴射される。
仮に、図16に示すように、副燃焼室361と同等の副燃焼室361aが主燃焼室63のシリンダ軸CBに対してオフセットされていない場合を考える。このとき、副燃焼室361aから排気側連通路162a,162dを介して主燃焼室63へ火炎Fa1,Fd1が噴射される速度は、吸気側連通路162b,162cを介して火炎Fb1,Fc1が噴射される速度よりも大きい。そして、火炎の噴射方向Da,Db,Dc,Dd(以下、Da〜Ddとする)についての各連通路162a〜162dから主燃焼室63のシリンダ内周面63aまでの距離は概ね同じであるので、火炎Fa1,Fd1はシリンダ内周面63aに衝突してさらに火炎Fa2,Fa3,Fd2,Fd3となって伝播する時点では、火炎Fb1,Fc1はシリンダ内周面63aに到達していないことになる。このため、主燃焼室63の排気バルブ22付近における燃焼は、主燃焼室63の吸気バルブ21付近における燃焼よりも速い。この結果、主燃焼室63において不均質な火炎伝播が生成され、主燃焼室63における燃焼は不安定になる傾向がある。
それに対して、本実施形態では、図15に示すように、副燃焼室361の副室中心軸CAは、主燃焼室63のシリンダ軸CBに対して、吸気側にOF1の長さだけオフセットしている。このとき、副燃焼室361から排気側連通路162a,162dを介して主燃焼室63へ火炎Fa1,Fd1が噴射される速度は、吸気側連通路162b,162cを介して火炎Fb1,Fc1が噴射される速度よりも大きい。ところが、火炎の噴射方向Da,Ddについての排気側連通路162a,162dから主燃焼室63のシリンダ内周面63aまでの距離は、火炎の噴射方向Db,Dcについての吸気側連通路162b,162cから主燃焼室63のシリンダ内周面63aまでの距離よりも大きい。このため、火炎Fa1,Fd1が噴射されてからシリンダ内周面63aに到達するまでの時間は、火炎Fb1,Fc1が噴射されてからシリンダ内周面63aに到達するまでの時間と概ね同じになる。このため、主燃焼室63の排気バルブ22付近における燃焼は、主燃焼室63の吸気バルブ21付近における燃焼と概ね同じ速度になる。この結果、主燃焼室63において均質な火炎伝播が生成され、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(副燃焼室の詳細構成)
第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様である。
(副燃焼室の詳細動作)
第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様である。
(連通路の詳細構成及び詳細動作)
第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様である。
(副室式内燃機関に関する特徴)
(1)
ここでは、連通路162b,162cは、主燃焼室63に近い直径d2b1,d2c1の部分の断面積が副燃焼室361に近い直径d2b2,d2c2の部分の断面積よりも大きい。このため、新気混合気は、連通路162b,162cを介して主燃焼室63から副燃焼室361へ容易に導入される。また、連通路162a,162dは、主燃焼室63に近い直径d2a1,d2d1の部分の断面積が副燃焼室361に近い直径d2a2,d2d2の部分の断面積よりも小さい。このため、副燃焼室361内の残留ガスは、連通路162a,162dを介して副燃焼室361から主燃焼室63へ容易に排出される。
このように、連通路162b,162cを介して主燃焼室63から副燃焼室361へ新気混合気が容易に導入され、連通路162a,162dを介して副燃焼室361から主燃焼室63へ副燃焼室361内の残留ガスが容易に排出されるので、主燃焼室63と副燃焼室361との間のガス交換は促進される。このため、副燃焼室361内の残留ガスが低減されるので、副燃焼室361における着火性は向上する。この結果、リーン限界は拡大する。
(2)
ここでは、連通路162b,162cは、連通路162a,162dよりも吸気ポート23に近い。このため、吸気行程において吸気ポート23から主燃焼室63に導入された新気混合気は、主燃焼室63から連通路162b,162cを介して副燃焼室361へ容易に導入される。また、連通路162a,162dは、連通路162b,162cよりも排気ポート24に近い。このため、吸気行程において副燃焼室361内の残留ガスは、副燃焼室361から連通路162a,162dを介して排気ポート24付近の主燃焼室63へ容易に排出される。
このように、吸気行程において、吸気ポート23から主燃焼室63と連通路162b,162cと副燃焼室361と連通路162a,162dと主燃焼室63とを経由して排気ポート24へ向かう円滑な流れが生成される。
(3)
ここでは、点火栓29の先端部分29aは、主燃焼室63から副燃焼室361に導入された新気混合気を点火する。点火された新気混合気は、火炎Fa1〜Fd1として、連通路162a〜162dを介して副燃焼室361から主燃焼室63へトーチ状に噴射される。このとき、副燃焼室361の副室中心軸CAが主燃焼室63のシリンダ軸CBに対して吸気側にOF1の長さだけオフセットしているので、火炎Fa1〜Fd1がそれぞれシリンダ内周面63aに到達するまでの時間は互いに概ね同じになる。
このように、火炎Fa1〜Fd1がそれぞれシリンダ内周面63aに到達するまでの時間が互いに概ね同じになるので、主燃焼室63では均質な火炎伝播が生成される。このため、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
<本発明の第4実施形態に係る副室式内燃機関の構成及び動作>
本発明の第4実施形態に係る副室式内燃機関400について、図17〜図20を参照しながら、本発明の前提となる上記の副室式内燃機関1と異なる点を中心に説明する。
図17に、副燃焼室461の拡大断面図を示す。図17に示す断面図は、シリンダ軸CBに平行な断面図である。図18は、図17のXVIII−XVIII断面図である。図19に、シリンダ軸CB方向視の透視図を示す。なお、前提となる上記の副室式内燃機関1や第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様の構成要素は、同じ番号で示している。
(副燃焼室の詳細構成)
排気側連通路162a,162dの数は2であり、吸気側連通路162b,162c,162eの数は3である(図18参照)。すなわち、副燃焼室461の副燃焼室壁464には、吸気側連通路162b,162c,162eの数が排気側連通路162a,162dの数よりも多くなるように、連通路が形成されている。
連通路162e(第1連通路)は、主燃焼室63に近い直径d2e1の部分の断面積が副燃焼室461に近い直径d2e2の部分の断面積よりも大きい。
その他の点は、第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様である。
(副燃焼室から放射される火炎の動作)
点火栓29の先端部分29aは、スパークを発生させて新気混合気を火花点火する。図19に示すように、副燃焼室461で火花点火された新気混合気は、火炎Fa1、Fb1,Fc1,Fd1,Fe1(以下、Fa1〜Fe1とする)として、連通路162a,162b,162c,162d,162e(以下、162a〜162eとする)を介して副燃焼室461から主燃焼室63へトーチ状に噴射される。
仮に、図20に示すように、吸気側連通路162b,162cの数が排気側連通路162a,162dの数と同じ2になるように、副燃焼室461と同等の副燃焼室461aの副燃焼室壁464aに連通路が形成されている場合を考える。このとき、副燃焼室461aから排気側連通路162a,162dを介して主燃焼室63へ火炎Fa1,Fd1が噴射される速度は、吸気側連通路162b,162cを介して火炎Fb1,Fc1が噴射される速度よりも大きい。そして、火炎の噴射方向Da〜Ddについての各連通路162a〜162dから主燃焼室63のシリンダ内周面63aまでの距離は概ね同じであるので、火炎Fa1,Fd1はシリンダ内周面63aに衝突してさらに火炎Fa2,Fa3,Fd2,Fd3となって伝播する時点では、火炎Fb1,Fc1はシリンダ内周面63aに到達していないことになる。このため、主燃焼室63の排気バルブ22付近における燃焼は、主燃焼室63の吸気バルブ21付近における燃焼よりも密度が大きい。この結果、主燃焼室63において不均質な火炎伝播が生成され、主燃焼室63における燃焼は不安定になる傾向がある。
それに対して、本実施形態では、図19に示すように、吸気側連通路162b,162c,162eの数(3つ)が排気側連通路162a,162dの数(2つ)よりも多くになるように副燃焼室461の副燃焼室壁464に連通路が形成されている。このとき、副燃焼室461から排気側連通路162a,162dを介して主燃焼室63へ火炎Fa1,Fd1が噴射される速度は、吸気側連通路162b,162c,162eを介して火炎Fb1,Fc1,Fe1が噴射される速度よりも大きい。そして、火炎の噴射方向Da〜Deについての各連通路162a〜162eから主燃焼室63のシリンダ内周面63aまでの距離は概ね同じであるので、火炎Fa1,Fd1はシリンダ内周面63aに衝突してさらに火炎Fa2,Fa3,Fd2,Fd3となって伝播する時点では、火炎Fb1,Fc1,Fe1はシリンダ内周面63aに到達していないことになる。ところが、吸気側連通路162b,162c,162eの数(3つ)が排気側連通路162a,162dの数(2つ)よりも多い。このため、主燃焼室63の排気バルブ22付近における燃焼は、主燃焼室63の吸気バルブ21付近における燃焼と概ね同じ密度になる。この結果、主燃焼室63において均質な火炎伝播が生成され、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(副燃焼室の詳細動作)
第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様である。
(連通路の詳細構成及び詳細動作)
第1実施形態に係る副室式内燃機関100と同様である。
(副室式内燃機関に関する特徴)
(1)
ここでは、連通路162b,162c,162eは、主燃焼室63に近い直径d2b1,d2c1,d2e1の部分の断面積が副燃焼室461に近い直径d2b2,d2c2,d2e2の部分の断面積よりも大きい。このため、新気混合気は、連通路162b,162c,162eを介して主燃焼室63から副燃焼室461へ容易に導入される。また、連通路162a,162dは、主燃焼室63に近い直径d2a1,d2d1の部分の断面積が副燃焼室461に近い直径d2a2,d2d2の部分よりも断面積が小さい。このため、副燃焼室461内の残留ガスは、連通路162a,162dを介して副燃焼室461から主燃焼室63へ容易に排出される。
このように、連通路162b,162c,162eを介して主燃焼室63から副燃焼室461へ新気混合気が容易に導入され、連通路162a,162dを介して副燃焼室461から主燃焼室63へ副燃焼室461内の残留ガスが容易に排出されるので、主燃焼室63と副燃焼室461との間のガス交換は促進される。このため、副燃焼室461内の残留ガスが低減されるので、副燃焼室461における着火性は向上する。この結果、リーン限界は拡大する。
(2)
ここでは、連通路162b,162c,162eは、連通路162a,162dよりも吸気ポート23に近い。このため、吸気行程において吸気ポート23から主燃焼室63に導入された新気混合気は、主燃焼室63から連通路162b,162c,162eを介して副燃焼室461へ容易に導入される。また、連通路162a,162dは、連通路162b,162c,162eよりも排気ポート24に近い。このため、吸気行程において副燃焼室461内の残留ガスは、副燃焼室461から連通路162a,162dを介して排気ポート24付近の主燃焼室63へ容易に排出される。
このように、吸気行程において、吸気ポート23から主燃焼室63と連通路162b,162c,162eと副燃焼室461と連通路162a,162dと主燃焼室63とを経由して排気ポート24へ向かう円滑な流れが生成される。
(3)
ここでは、点火栓29の先端部分29aは、主燃焼室63から副燃焼室461に導入された新気混合気を点火する。点火された新気混合気は、火炎Fa1〜Fe1として、連通路162a〜162eを介して副燃焼室461から主燃焼室63へトーチ状に噴射される。このとき、吸気側連通路162b,162c,162eの数(3つ)が排気側連通路162a,162dの数(2つ)よりも多いので、主燃焼室63の排気バルブ22付近における燃焼は、主燃焼室63の吸気バルブ21付近における燃焼と概ね同じ火炎の密度になる。
このように、主燃焼室63の排気バルブ22付近における燃焼が主燃焼室63の吸気バルブ21付近における燃焼と概ね同じ密度になるので、主燃焼室63には、均質な火炎伝播が生成される。このため、主燃焼室63における燃焼が均一になり、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(第4実施形態の変形例)
連通路162a〜162eの数は、吸気側連通路の数が排気側連通路の数より多くなっており主燃焼室63における火炎の密度が吸気側と排気側とで略同一となるような数であることが好ましい。
本発明に係る副室式内燃機関は、リーン限界を拡大することができるという効果を有し、副室式内燃機関等として有用である。
前提となる副室式内燃機関の断面図。 前提となる副室式内燃機関に係る副燃焼室の断面図。 図2のIII−III断面図。 新気混合気の流れ及び残留ガスの流れを説明する図。 新気混合気の流れ及び残留ガスの流れを説明する図。 渦を説明する図。 本発明の第1実施形態に係る副燃焼室の断面図。 図7のVIII−VIII断面図。 新気混合気の流れ及び残留ガスの流れを説明する図。 新気混合気の流れ及び残留ガスの流れを説明する図。 渦を説明する図。 本発明の第2実施形態に係る副燃焼室の断面図。 図12のXIII−XIII断面図。 新気混合気の流れ及び残留ガスの流れを説明する図。 本発明の第3実施形態に係るシリンダ軸CB方向視の透視図。 図15の比較例を示すシリンダ軸CB方向視の透視図。 本発明の第4実施形態に係る副燃焼室の断面図。 図17のXVIII−XVIII断面図。 本発明の第4実施形態に係るシリンダ軸CB方向視の透視図。 図19の比較例を示すシリンダ軸CB方向視の透視図。
符号の説明
1,100,200,300,400 副室式内燃機関
21 吸気バルブ
22 排気バルブ
23 吸気ポート
24 排気ポート
29 点火栓
61,161,261,361,461 副燃焼室
62a,62d,162a,162d 連通路(第1連通路、排気側連通路)
62b,62c,162b,162c,162e 連通路(第2連通路、吸気側連通路)
63 主燃焼室
64,164,264,464 副燃焼室壁
CA 副室中心軸
CB シリンダ軸

Claims (6)

  1. 主燃焼室と、
    前記主燃焼室に隣接する副燃焼室と、
    前記主燃焼室と前記副燃焼室とを連通しており、前記主燃焼室に近い部分の断面積が前記副燃焼室に近い部分の断面積よりも大きい第1連通路と、
    前記主燃焼室と前記副燃焼室とを連通しており、前記主燃焼室に近い部分の断面積が前記副燃焼室に近い部分の断面積以下である第2連通路と、
    を備えた、
    副室式内燃機関。
  2. 前記第2連通路は、前記主燃焼室に近い部分の断面積が前記副燃焼室に近い部分の断面積よりも小さい、
    請求項1に記載の副室式内燃機関。
  3. 前記第2連通路は、前記主燃焼室に近い部分の断面積が前記副燃焼室に近い部分の断面積と同じである、
    請求項1に記載の副室式内燃機関。
  4. 前記第1連通路は、前記第2連通路よりも吸気ポートに近い、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  5. 前記副燃焼室の容積中心を通り前記主燃焼室のシリンダ軸に平行な軸である副室中心軸は、前記主燃焼室のシリンダ軸に対して吸気側にオフセットしている、
    請求項4に記載の副室式内燃機関。
  6. 前記第1連通路と前記第2連通路とを含み前記主燃焼室と前記副燃焼室とを連通する連通路の数は、3以上であり、
    前記副燃焼室の容積中心を通り前記主燃焼室のシリンダ軸に平行な軸である副室中心軸に対して吸気側にオフセットされた前記連通路である吸気側連通路の数は、前記副室中心軸に対して排気側にオフセットされた前記連通路である排気側連通路の数よりも多い、
    請求項4に記載の副室式内燃機関。
JP2004371566A 2004-12-22 2004-12-22 副室式内燃機関 Pending JP2006177248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004371566A JP2006177248A (ja) 2004-12-22 2004-12-22 副室式内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004371566A JP2006177248A (ja) 2004-12-22 2004-12-22 副室式内燃機関

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006177248A true JP2006177248A (ja) 2006-07-06

Family

ID=36731579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004371566A Pending JP2006177248A (ja) 2004-12-22 2004-12-22 副室式内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006177248A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010096089A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Osaka Gas Co Ltd エンジン及びエンジン用点火プラグ
WO2012159756A1 (de) * 2011-05-25 2012-11-29 Mtu Friedrichshafen Gmbh Zündkerze, gasmotor
WO2014046185A1 (ja) * 2012-09-20 2014-03-27 三菱重工業株式会社 副室式ガスエンジン
RU2563561C2 (ru) * 2013-11-20 2015-09-20 Николай Борисович Болотин Двигатель внутреннего сгорания и воспламенитель
EP2971634A4 (en) * 2013-03-15 2016-11-02 Cummins Inc PRECOMBUSTION CHAMBER FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE
CN108425741A (zh) * 2017-02-13 2018-08-21 丰田自动车株式会社 内燃机
JP2018155149A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
CN108691635A (zh) * 2017-03-31 2018-10-23 本田技研工业株式会社 内燃机
JP2019031961A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
CN110173341A (zh) * 2019-06-06 2019-08-27 江苏大学 一种点火室式发动机旋转射流燃烧系统
EP3591775A1 (de) * 2018-07-04 2020-01-08 Robert Bosch GmbH Vorkammerkappe mit konischen durchströmungsöffnungen für eine vorkammer-zündkerze sowie eine vorkammer-zündkerze und einem herstellungsverfahren der vorkammerkappe
WO2020196684A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 三菱自動車工業株式会社 副室式内燃機関
WO2021161554A1 (ja) * 2020-02-10 2021-08-19 三菱自動車工業株式会社 副室式エンジン
JP2022063214A (ja) * 2020-10-09 2022-04-21 マール パワートレイン,エルエルシー 水素燃料内燃機関の作動方法

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010096089A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Osaka Gas Co Ltd エンジン及びエンジン用点火プラグ
WO2012159756A1 (de) * 2011-05-25 2012-11-29 Mtu Friedrichshafen Gmbh Zündkerze, gasmotor
US10202891B2 (en) 2012-09-20 2019-02-12 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Precombustion chamber gas engine
WO2014046185A1 (ja) * 2012-09-20 2014-03-27 三菱重工業株式会社 副室式ガスエンジン
JP2014062484A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 副室式ガスエンジン
EP2899381A4 (en) * 2012-09-20 2015-07-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd GAS ENGINE WITH VORKAMMER
EP2971634A4 (en) * 2013-03-15 2016-11-02 Cummins Inc PRECOMBUSTION CHAMBER FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE
US9797296B2 (en) 2013-03-15 2017-10-24 Cummins Inc. Pre-chamber for internal combustion engine
RU2563561C2 (ru) * 2013-11-20 2015-09-20 Николай Борисович Болотин Двигатель внутреннего сгорания и воспламенитель
CN108425741A (zh) * 2017-02-13 2018-08-21 丰田自动车株式会社 内燃机
JP2018131911A (ja) * 2017-02-13 2018-08-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
CN108425741B (zh) * 2017-02-13 2020-01-17 丰田自动车株式会社 内燃机
JP2018155149A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
CN108691635A (zh) * 2017-03-31 2018-10-23 本田技研工业株式会社 内燃机
CN108691635B (zh) * 2017-03-31 2020-12-08 本田技研工业株式会社 内燃机
JP2019031961A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関
EP3591775A1 (de) * 2018-07-04 2020-01-08 Robert Bosch GmbH Vorkammerkappe mit konischen durchströmungsöffnungen für eine vorkammer-zündkerze sowie eine vorkammer-zündkerze und einem herstellungsverfahren der vorkammerkappe
WO2020196684A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 三菱自動車工業株式会社 副室式内燃機関
CN110173341A (zh) * 2019-06-06 2019-08-27 江苏大学 一种点火室式发动机旋转射流燃烧系统
WO2021161554A1 (ja) * 2020-02-10 2021-08-19 三菱自動車工業株式会社 副室式エンジン
JP2022063214A (ja) * 2020-10-09 2022-04-21 マール パワートレイン,エルエルシー 水素燃料内燃機関の作動方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4389777B2 (ja) 副室式内燃機関
JP2006177248A (ja) 副室式内燃機関
JPS5949407B2 (ja) 内燃機関の燃焼室
JP2006144648A (ja) 副室式火花点火内燃機関
JP6038339B2 (ja) 副室式ガスエンジン用のピストンおよび副室式ガスエンジン
JP2007154827A (ja) 内燃機関の燃焼制御装置
WO2018110326A1 (ja) 副室式ガスエンジン
JP2007247420A (ja) 副室式内燃機関
JP2006348785A (ja) 2サイクル内燃エンジン
WO2022049839A1 (ja) 2ストロークエンジン
JP7260331B2 (ja) 副燃焼室付き内燃機関
JP2009215973A (ja) 副室式内燃機関
JP4438726B2 (ja) 火花点火式エンジンの燃焼室構造
JP5085419B2 (ja) エンジン及びエンジン用点火プラグ
JPH11182249A (ja) 直噴火花点火式内燃機関
WO2022054344A1 (ja) 点火装置を備えた2ストロークエンジン
WO2020196682A1 (ja) 副室式内燃機関
JP4912221B2 (ja) 内燃機関のスキッシュ流発生方法とその構造
JP2007146710A (ja) 圧縮天然ガスエンジン
JP6795985B2 (ja) 副室式ガスエンジン
JP3995766B2 (ja) 2サイクル内燃エンジン
JP2006177254A (ja) 内燃機関の燃焼室構造
JP2021067234A (ja) 副燃焼室を有する内燃機関
JP4457999B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関
JPS5968518A (ja) 副室式機関の燃焼室