JP2006176651A - ポリアリレートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 残留する触媒や着色物質が少なく、透明性に優れた純度の高いポリアリレートと、その経済的な製造方法とを提供する。
【解決手段】 2価の芳香族カルボン酸ハライドと2価フェノールとを界面重合反応する工程において、触媒として、下記式(1)で示される第4級アンモニウム塩を、2価フェノールに対して5〜20モル%使用し、界面重合反応停止前に、1価のカルボン酸ハライドを2価フェノールに対して3〜10モル%添加することを特徴とするポリアリレートの製造方法。
【化1】

(式中のYはエチル基またはベンジル基を示し、XはCl、Br、I、OH、またはHSO4を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色が少なく、純度の高いポリアリレート、およびそれを生産性よく経済的に製造する方法に関するものである。
2価フェノールと芳香族ジカルボン酸とから構成されるポリアリレートは、その高い耐熱性と低い熱収縮率により電気・電子材料分野を中心として使用されている。ポリアリレートを重合する方法は種々知られており、分子量が高く、かつ着色が少なく、しかも、純度の高いポリマーが得られる界面重合法が最適であるとされている。
ポリアリレートの耐熱性をさらに向上させるために、その骨格にビフェニル構造を導入したポリアリレートが開発されている。しかしながら、ビフェニル構造を有するポリアリレートを重合した場合、ポリアリレートの構造に起因して、重合触媒がポリアリレートに残留することがあり、ポリアリレート中に残存した重合触媒は、ポリアリレートの電気特性を低下させることがあった。
一方、ポリアリレートにビフェニル構造を導入するために、ポリアリレートのモノマーとしてビフェノール類が使用されている。このビフェノール類は、酸化されやすく、界面重合法により芳香族ジカルボン酸と重合反応させた場合に、その一部がジフェノキノン体に変化することがあった。特に、アルキル基を導入したジフェノキノン体は、着色の程度が高いものであり、これを含有したポリアリレートは著しく着色したものであった。そのため、透明性が要求される用途への応用が限られていた。また、ジフェノキノン体は、2価フェノールとともに絶縁性を低下させる傾向にあり、これらを含有したポリアリレートは、電気・電子分野への応用も限定されていた。
この問題点を解決するために、特許文献1では、ポリアリレートを減圧下に、180℃から該ポリアリレートのガラス転移温度までの温度で加熱処理することにより着色物質を除去し、着色と不純物が少ないポリアリレートを製造する方法が提案されている。しかし、この方法では180℃以上という高温で加熱処理されることにより、主鎖のエステル結合が切断されて分子量の低下が起こり、その結果、末端基が増加し、これによる電気特性が低下するという問題があった。
また、ジフェノキノン体や2価フェノールを溶解する有機溶剤を用いて、重合後のポリアリレートを洗浄することによって、これらを除去する方法もある。しかし、この方法はポリアリレートに対して大量の有機溶剤を用いるため、特別な設備が必要であり、経済的でなく、環境保護の問題、延いては、有機溶剤の再生利用も含めた総コストの上昇が著しいものであった。
特開2002−293944号公報
本発明が解決しようとする課題は、残留する触媒や着色物質が少なく、透明性に優れた純度の高いポリアリレートと、その経済的な製造方法とを提供することにある。
本発明者は、前記した課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する第四級アンモニウム塩を重合触媒として特定量用いて重合反応をおこない、また、重合反応停止前に1価のカルボン酸ハライドを添加することによって、残留モノマーとその酸化体が簡便に除去され分子量が高いポリアリレートを製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、下記のとおりである。
(1) 2価の芳香族カルボン酸ハライドと2価フェノールとを界面重合反応する工程において、触媒として、下記式(1)で示される第4級アンモニウム塩を、2価フェノールに対して5〜20モル%使用し、界面重合反応停止前に、1価のカルボン酸ハライドを2価フェノールに対して3〜10モル%添加することを特徴とするポリアリレートの製造方法。
(式中のYはエチル基またはベンジル基を示し、XはCl、Br、I、OH、またはHSO4を示す。)
(2) 下記式(2)で示されるポリアリレートであって、インヘレント粘度(ηinh)が0.85〜1.80dl/gであり、カルボキシル価が30mol/t以下であり、ガラス転移点(Tg)が195℃以上であり、2価フェノールの酸化キノン体の含有量が30ppm以下であり、かつ下記式(1)で示される第4級アンモニウム塩の含有量が20ppm以下であることを特徴とするポリアリレート。
(式中のYはエチル基またはベンジル基を示し、XはCl、Br、I、OH、またはHSO4を示す。)
(式中のR1〜R8は水素原子、または炭素数1〜8のアルキル基を示し、m/nは80/20〜20/80である。)
本発明によれば、高分子量でかつ残留する触媒量が著しく少なく、機械特性に優れると同時に、電気的特性、特に絶縁特性に優れたポリアリレートを生産性によく、経済的に製造することができる。また、本発明のポリアリレートは、汎用溶媒に溶解し易いので、溶媒に溶解させて塗工液を調製し、容易にフィルム化や表面被膜化することができる。したがって本発明のポリアリレートは、例えばフィルムとして、電気機器、モーター、発電機、相間絶縁膜等の絶縁材料、変圧器、コンデンサなどの誘電体フィルム、液晶の表示板や各種基板などへの応用、また表面被膜として、電線の被膜、絶縁被膜材などへの応用が可能であり、産業上の利用価値は極めて高い。
以下に、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のポリアリレートについて説明する。ポリアリレートは、2価フェノール残基と芳香族2価カルボン酸残基とから構成されているポリエステルである。本発明では、界面重合によって合成される。すなわち、アルカリ水溶液に溶解させた2価フェノール(水相)と、水に溶解しない有機溶剤に溶解させた2価カルボン酸ハライド(有機相)とを混合することによって行われる(W.M.EARECKSON,J.Poly.Sci.XL399 1959年、特公昭40−1959号公報)。界面重合法は、溶液重合法と比較して反応が速く、そのため酸ハライドの加水分解を最小限に抑えることが可能であり、本発明のような高分子量のポリアリレートを得る場合には有利な合成法である。
本発明に用いることのできる2価の芳香族カルボン酸ハライドとしては、テレフタル酸ハライド、イソフタル酸ハライド、フタル酸ハライド、あるいは、芳香核にアルキル基やハロゲン基が置換した混合物が挙げられる。好適には、テレフタル酸ハライド10〜90モル%とイソフタル酸ハライド90〜10モル%の混合物が用いられ、工業的に有利なのは両者の等量混合物である。
また、本発明に用いられる2価フェノールは、ビスフェノール類と、ビフェノール類とからなる。ビフェノール類の具体例としては、生成したポリアリレートの溶剤溶解性の観点から、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニルが好ましい。
ビスフェノール類としては、イソプロピリデン基を骨格の中心に持つビスフェノール類が用いられる。具体的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)などが挙げられる。2,2−ビス(3−メチルー4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)が、生成したポリアリレートの溶剤溶解性に優れている点で好ましい。
式(2)に示す共重合の比率(m/n)は、80/20〜20/80の範囲であることが必要であり、70/30〜30/70が好ましい。mが20%未満である場合、生成したポリアリレートの溶剤溶解性が低下するため分子量が上昇しない。一方、mが80%を超える場合、ビフェニル成分を共重合した効果が不十分であり、ポリアリレートのガラス点移転(Tg)を195℃以上とすることができず、高い耐熱性と低い熱収縮率を有するポリアリレートを得ることができない。
界面重合によってポリアリレートを合成する方法について詳細に説明する。まず、水相として、二価フェノールのアルカリ水溶液を調製し、続いて、重合触媒および分子量調整剤を添加した相を用いる。ここで用いることができるアルカリには、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が挙げられる。
本発明において、重合触媒は前記(1)式で示される、エチル基を3個または4個有する第4級アンモニウム塩であることが必要である。
重合触媒の具体例としては、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイト、トリエチルベンジルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイト、テトラエチルアンモニウムハイドロジェンサルフェートなどが挙げられる。その中でも、トリエチルベンジルアンモニウムクロライドが好適である。
上記重合触媒は、2価フェノールに対して5〜20モル%添加することが必要である。重合触媒を2価フェノールに対して5〜20モル%添加することで、高い分子量のポリアリレートを合成することができる。通常、界面重合法においては、重合触媒の添加量は、2価フェノールに対して1モル%以下にすることが常識であり、「触媒」の通常の概念では1モル%でも十分すぎる量といえる。
ところで、本発明のような高分子量のポリアリレートを得るには、活性のより高い重合触媒を使用する必要があり、そのためにはトリブチルベンジルアンモニウムクロライドのようなブチル基を3個有するものが好ましい。しかし、このような触媒は、ブチル基の方がエチル基より親油性が高いため反応性を上昇させることはできるものの、有機相側に残存する傾向が強くなり、反応終了後に簡単に洗浄除去することが困難となる。そこで、本発明では、かかる常識を打破し、逆に、親油性が比較的低く洗浄が容易である(1)式で示される触媒を通常より多量に添加することによって、反応性の上昇と洗浄性の維持を可能としたものである。
上述のように、重合触媒は2価フェノールに対して5〜20モル%添加することが必要であり、添加量が5モル%より少ないと、分子量が低く本発明の特性を有するポリアリレートを製造することができず、また20モル%より多くても逆に副反応であるエステルの加水分解反応が起こり、分子量が低下する。重合触媒の最適な添加量は7〜15モル%の範囲である。
上記重合触媒を使用することによって、ポリアリレート中に残留する重合触媒の量を20ppm以下にすることができる。重合触媒の種類によらず、触媒含有量が20ppmを超えると電気特性が低下し問題となることがある。
また水相には分子量調整剤として、1官能の化合物、具体的には、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール等を添加してもよい。
次に、有機相として、水と相溶せず、かつポリアリレートを溶解するような溶媒、具体的には、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−、m−、p−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、もしくはテトラヒドロフランなどに、二価の芳香族カルボン酸ハライドを溶解させた相を用いる。この有機相の溶液を前述の水相の溶液に混合し、25℃以下の温度で1〜5時間攪拌しながら界面重縮合反応をおこなうことによって、高分子量のポリアリレートを得ることできる。
本発明において、重合反応終了前に、残存する2価フェノールおよびジフェノキノン体を除去するために、それと反応する1価のカルボン酸ハライドを投入することが必要である。使用するカルボン酸ハライドは1価であることが必要である。2価以上のカルボン酸ハライドを用いた場合、確かに残存する2価フェノールやジフェノキノン体と反応しこれらを除去することはできるが、反応後に生成する2〜3量体は末端基がカルボン酸であるため、樹脂全体でのカルボキシル価を大きく上げることになり、最終的な電気特性を著しく低下することになるので、好ましくない。
1価のカルボン酸ハライドを添加する時期としては、重合の攪拌停止前が最も適している。重合初期段階に添加すると、重合のモルバランスを大きく崩すことになりポリアリレートの分子量が上昇しない。また、重合の途中段階で投入しても、モルバランスを大きく崩して解重合反応が生じ分子量が低下する。さらに、重合終了後に反応系を中和した後に添加すると、ビスフェノール類が析出してくるために効果はない。したがって、1価のカルボン酸ハライドを添加する時期としては、重合停止前が適当である。添加する時間の目安としては、重合停止前の5〜10分前ぐらいで適当であるが、装置の大きさと攪拌能力の違いによって効果が異なることから、この時間の前後最適な時間であればよい。また、1価のカルボン酸ハライドの添加量としては2価フェノールに対して3〜10モル%であることが必要である。3モル%未満では効果が十分に発揮されない。また、10モル%を超えると1価のカルボン酸同士が反応して酸無水物を生成し、これが樹脂中に含有されることになる。そして樹脂の使用時に熱等により酸無水物が容易に分解し、カルボン酸が再生し、樹脂のカルボキシル価を増大させ電気特性を低下させることになる。
具体的な1価のカルボン酸ハライドとしては、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化n−ブチリル、塩化n−バレリル、塩化ステアロイル、塩化ベンゾイル、塩化p−ニトロベンゾイル、塩化3,5−ジニトロベンゾイルなどの脂肪族および芳香族カルボン酸ハライドが挙げられる。その中でも、塩化ベンゾイルが好適なものである。
上述のように、重合停止前に1価のカルボン酸ハライドを添加することによって、本発明のポリアリレート中における酸化キノン体の含有量を、30ppm以下とすることができる。酸化キノン体の含有量が30ppmを超えると着色の程度が大きくなり、また電気特性にも影響するので好ましくない。
また、1価のカルボン酸ハライドを特定量添加することにより、本発明のポリアリレートのカルボキシル価の範囲を30mol/t以下とすることができる。カルボキシル価が30mol/tを超えると、塗膜にした場合に電気特性が著しく低下する。
本発明のポリアリレートのインヘレント粘度(ηinh)は、0.85〜1.80dl/gであり、最適には0.95〜1.50dl/gである。インヘレント粘度が0.85dl/g未満であるとポリアリレートの機械特性が不十分な場合や、溶媒に溶解させた塗工液を調製して被膜を形成させる際に、塗工液の溶液粘度が低すぎて塗工できない場合があるので好ましくない。一方1.80dl/gを超えても、効果が飽和するばかりか、かえって、塗工する際に曳糸性が生じたり、塗工液の粘度が上昇して取扱が困難になる場合があるので好ましくない。インヘレント粘度(分子量)は前記した重合触媒および分子量調整剤の添加量で制御できる。具体的には前記重合触媒量の適度な添加量で高分子量化が可能となり、微調整を分子量調整剤でおこなうことができる。
本発明のポリアリレートは、汎用溶媒に対して良好な溶解性を有しているので、溶媒に溶解させて容易に塗工液を調製でき、被膜形成用樹脂として用いることができる。そのような溶媒の具体例としては、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−、m−、p−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、もしくはテトラヒドロフランなどが挙げられる。塗工液とする際には、適宜選択される1種類もしくは2種類以上を混合した溶媒に、ポリアリレートを好ましくは10重量%以上の濃度になるように完溶させればよい。塗工液には必要に応じて各種添加物を含有させ、基材上に塗工した後に溶媒を除去して被膜を形成させ、被膜物として、あるいは、これを剥離してフィルムとして用いることができる。
本発明のポリアリレートは、バインダー樹脂やフィルム用樹脂として好適に用いられ、前記のような塗工液として流延法により、あるいは、溶融押出法またはカレンダー法により、耐磨耗性および電気特性に優れた被膜物やフィルムを製造することができ、特に電子材料分野へ応用することができる。
次に、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、種々の変形および応用が可能である。なお、評価方法は次の方法によっておこなった。
1)インヘレント粘度(ηinh)
1,1,2,2−テトラクロロエタンを測定溶媒として、濃度1g/dl、温度25℃の条件で測定した。
2)カルボキシル価
試料0.3gを20mlの塩化メチレンに三角フラスコ内で溶解した後、指示薬(フェノールレッド)を加え、0.1N KOH溶液で適定した。
3)ガラス転移温度(Tg)
示差熱分析計(Perkin−Elmer社製、DSC−7型)を用いて20℃/分の昇温速度で求めた。
4)酸化キノン体含有量
試料をアセトニトリルでソックスレー抽出した後、ディスクフィルター(孔径0.45μm)で濾過した液を下記条件にてHPLC測定を実施した。
(HPLC測定条件)
<装置>Hewlett Packard社製 HP1100 HPLCsystem
<カラム>Wakopak Wakosil 5C18−200T 4.6mm×150mm(40℃)
<検出器>UV 210nm
<注入量>10μm
<溶離液>MeCN/H20=40/60 (流量)1.0ml/min
5)重合触媒含有量
試料0.5gを10mlのクロロホルムに溶解させた後、40mlのメタノールを加えて再沈澱させた樹脂を取り除いた。このようにして抽出した残留触媒を含むメタノール溶液に、内部標準として一定量のジフェニルを添加し、これをガスクロマトグラフ装置(Hewlett Packard社製 HP−5890 seriesII)で分析し、残留触媒量を定量した。
実施例1
攪拌装置を備えた反応容器中、ビフェノール類として3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル(以下TMBPと略す)22.15g(0.091モル)、ビスフェノール類として2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールCと略す)23.43g(0.091モル)、分子量調整剤としてp−tert−ブチルフェノール(以下PTBPと略す)0.46g(0.003モル)、水酸化ナトリウム17.31g(0.433モル)、および重合触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド(以下TEBACと略す)4.16g(0.018モル、全2価フェノールに対して10モル%)を、水1223mlに溶解した(水相)。
これとは別に塩化メチレン715mlに、テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1混合物(以下MPCと略す)37.42g(0.184モル)を溶解した(有機相)。この有機相を先に調製した水相中に強攪拌下添加し、15℃で2時間界面重縮合反応をおこなった。重合停止(攪拌停止)10分前に塩化ベンゾイル1.28g(0.009モル)を添加した。その後、攪拌を停止した後、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相(アルカリ水)を抜取った有機相に等量のイオン交換水を投入して攪拌しながら、pHが中性になるまで酢酸を添加した。さらに、20分間攪拌後、20分間静置し、次いでデカンテーションして水相を抜き新たなイオン交換水に交換する洗浄作業を5回くり返した。洗浄後の有機相であるポリアリレート溶液を、ホモミキサーを装着した容器に入った50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させ、粉末状ポリアリレートを得た。この粉末状ポリアリレートを脱水した後、少量の水を含んだ含水粉末状ポリアリレートを真空乾燥機を使用して、減圧下120℃で24時間乾燥してポリアリレート樹脂を得た。
実施例2〜10、比較例1〜10
2価フェノールの組成、重合触媒の種類と添加量、1価のカルボン酸ハライドの添加量を変更した以外は実施例1と同じ方法でポリアリレート樹脂を製造した。
実施例および比較例で得られたポリアリレートの特性を評価した結果と併せて表1に示した。

Claims (2)

  1. 2価の芳香族カルボン酸ハライドと2価フェノールとを界面重合反応する工程において、触媒として、下記式(1)で示される第4級アンモニウム塩を、2価フェノールに対して5〜20モル%使用し、界面重合反応停止前に、1価のカルボン酸ハライドを2価フェノールに対して3〜10モル%添加することを特徴とするポリアリレートの製造方法。
    (式中のYはエチル基またはベンジル基を示し、XはCl、Br、I、OH、またはHSO4を示す。)
  2. 下記式(2)で示されるポリアリレートであって、インヘレント粘度(ηinh)が0.85〜1.80dl/gであり、カルボキシル価が30mol/t以下であり、ガラス転移点(Tg)が195℃以上であり、2価フェノールの酸化キノン体の含有量が30ppm以下であり、かつ下記式(1)で示される第4級アンモニウム塩の含有量が20ppm以下であることを特徴とするポリアリレート。
    (式中のYはエチル基またはベンジル基を示し、XはCl、Br、I、OH、またはHSO4を示す。)
    (式中のR1〜R8は水素原子、または炭素数1〜8のアルキル基を示し、m/nは80/20〜20/80である。)

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