JP2008239692A - ポリアリレートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
【発明が解決しようとする課題】
残留する着色物質が少なく、透明性に優れた純度の高いポリアリレートの洗浄方法を提供する。
【解決手段】
2価の芳香族カルボン酸ハライドとビフェニル構造とビスフェノール構造を含んでなる2価フェノールとを界面重縮合反応によって生成した下記式(1)のポリアリレートの製造工程で、ポリアリレートをかさ密度0.20〜0.50g/cmの粒子状にした後、有機溶剤で洗浄する工程において、ポリアリレートに対して200〜500質量%の有機溶剤で洗浄した後、攪拌を停止する前に、該有機溶剤の3〜10質量%の水を添加することを特徴とするポリアリレートの製造方法。
【化1】

(式中のR1〜R8は水素原子、または炭素数1〜8のアルキル基を示し、m/nは80/20〜20/80である)
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアリレートの製造方法に関するものであり、着色が少なく、純度の高いポリアリレートの製造する方法に関するものである。
ポリアリレートは、その高い耐熱性と低い熱収縮率により電気・電子材料分野を中心として使用されている。ポリアリレートを重合する方法は種々知られており、分子量が高く、かつ着色が少なく、しかも、純度の高いポリマーが得られる界面重合法が最適であるとされている。
ポリアリレートの耐熱性をさらに向上させるために、その骨格にビフェニル構造を導入したポリアリレートが開発されている。ビフェニル構造を導入するために、ポリアリレートのモノマーとしてビフェノール類が使用されている。しかしながら、このビフェノール類は、酸化されやすく、界面重合法により芳香族ジカルボン酸と反応させた場合に、その一部がジフェノキノン体に変化することがあった。特に、アルキル基を導入したジフェノキノン体は、着色の程度が高いものであり、これを含有したポリアリレートは著しく着色したものであった。そのため、透明性が要求される用途への応用が限られていた。また、ジフェノキノン体は、2価フェノールとともに絶縁性を低下させる傾向にあり、これらを含有したポリアリレートは、電気・電子分野への応用も限定されていた。
この問題を解決するために、特許文献1では、ポリアリレートを減圧下に、180℃から該ポリアリレートのガラス転移温度までの温度で加熱処理することにより着色物質を除去し、着色と不純物が少ないポリアリレートを製造する方法が提案されている。しかし、この方法では180℃以上という高温で加熱処理されることにより、主鎖のエステル結合が切断されて分子量の低下が起こり、その結果、末端基が増加し、これによる電気特性が低下するという問題があった。
また、ジフェノキノン体や2価フェノールを溶解する有機溶剤を用いて、重合後のポリアリレートを洗浄除去する方法がある。しかし、これらの溶剤はポリアリレートの表面を若干溶解させる傾向にあり、洗浄後に攪拌を停止して、溶剤を抜取る場合にポリアリレート同士が粘着してしまい、粒子径の増大、さらに全体が一体となる場合があった。このような場合、さらなる洗浄をする場合には表面積の低下による洗浄効率のダウンや、さらには攪拌不可の状態で、作業の続行が不可能となり、問題となっていた。
特開2002−293944号公報
本発明が解決しようとする課題は、残留する触媒や着色物質が少なく、透明性に優れた純度の高いポリアリレートと、その経済的な製造方法とを提供することにある。
本発明者は、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアリレートを重合するにあたり、有機溶剤を用いて重合上がりのポリマーを洗浄、さらに水を添加することで分子量が高く、かつ着色が少なく、純度の高いポリアリレートを得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は次のとおりである。
(a)2価の芳香族カルボン酸ハライドとビフェニル構造およびビスフェノール構造を含んでなる2価フェノールとを界面重縮合反応させ、生成した下記式(1)のポリアリレートであって、2価フェノールの酸化キノン体の含有量が10ppm以下であることを特徴とするポリアリレート。
(式中のR1〜R8は水素原子、または炭素数1〜8のアルキル基を示し、m/nは80/20〜20/80である)
(b) インヘレント粘度が0.85〜1.80dl/gであり、カルボキシル価が30mol/t以下であり、ガラス転移温度(Tg)が195℃以上であることを特徴とする(a)に記載のポリアリレート。
(c) 生成したポリアリレートのポリマー液から、塩化メチレンを乾燥・除去するにあたり、乾燥温度45〜65℃で行うことで、かさ密度0.20〜0.50g/cmの粒子を得る(a)、(b)に記載のポリアリレートの製造方法。
(d) 粒子状のポリアリレートを有機溶剤で洗浄する工程において、ポリアリレートに対して200〜500質量%の有機溶剤で洗浄した後、攪拌を停止する前に、該有機溶剤に対して3〜10質量%の水を添加することを特徴とする(a)〜(c)に記載のポリアリレートの製造方法。
(e) 洗浄するための溶媒がアセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンである(d)に記載のポリアリレートの製造方法。
本発明によれば、残留する2価フェノールの酸化キノン体が少なく、電気的特性、特に絶縁特性に優れたポリアリレートを生産性よく、経済的に製造することができる。また、本発明のポリアリレートは、汎用溶媒に溶解し易いので、溶媒に溶解させて塗工液を調整し、容易にフィルム化や表面被膜化することができる。したがって本発明のポリアリレートは、例えばフィルムとして、電気機器、モーター、発電機、相間絶縁膜等の絶縁材料、変圧器、コンデンサなどの誘電体フィルム、液晶の表示板や各種基板などへの応用、また表面被膜として、電線の被膜、絶縁被膜材などへの応用が可能であり、産業上の利用価値は極めて高い。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明にいうポリアリレートについて説明する。ポリアリレートは、2価フェノール残基と芳香族2価カルボン酸残基とから構成されているポリエステルであり、本発明の製造方法では、界面重合によって合成される。すなわち、アルカリ水溶液に溶解させた2価フェノール(水相)と、水に溶解しない有機溶剤に溶解させた2価カルボン酸ハライド(有機相)とを混合することによって行われ(W.M.EARECKSON,J.Poly.Sci.XL399 1959年、特公昭40−1959号公報)、溶液重合と比較して反応が速く、そのため酸ハライドの加水分解を最小限に抑えることが可能である。本発明のような高分子量のポリアリレートを得る場合には有利な合成法である。有機相に用いる水に溶解しない有機溶剤としては、塩化メチレンが好適である。
本発明に用いることのできる2価の芳香族カルボン酸ハライドとしては、テレフタル酸ハライド、イソフタル酸ハライド、フタル酸ハライド、あるいは、芳香核にアルキル基やハロゲン基が置換した混合物が挙げられが、好適には、テレフタル酸ハライド10〜90モル%とイソフタル酸ハライド90〜10モル%の混合物が用いられ、工業的に有利なのは両者の等量混合物である。
また、本発明に用いられる2価フェノールは、ビスフェノール類と、ビフェノール類とからなる。ビフェノール類の具体例としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2−メチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−メチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,3’−ジメチル−4,4’−ジヒロキシビフェニル、3,3’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、2,2’ 3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノールが挙げられる。生成したポリアリレートの溶剤溶解性の観点から、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4−ジヒドロキシビフェニルが好ましい。
ビスフェノール類としては、イソプロピリデン基を骨格の中心に持つビスフェノール類が用いられる。具体的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)などが挙げられる。2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)が、生成したポリアリレートの溶剤溶解性に優れている点で好ましい。
式(1)に示す共重合の比率(m/n)は、80/20〜20/80の範囲であることが必要であり、70/30〜30/70が好ましい。mが20%未満である場合、生成したポリアリレートの溶剤溶解性が低下するため分子量が上昇しない。一方、mが80%を超える場合、ビフェニル成分を共重合した効果が不十分であり、ポリアリレートのガラス転移点(Tg)を195℃以上とすることができず、高い耐熱性と低い熱収縮率を有するポリアリレートを得ることができない。
界面重合によってポリアリレートを合成する方法についてさらに詳細に説明する。まず、水相として、二価フェノールのアルカリ水溶液を調製し、続いて、重合触媒および分子量調整剤を添加する。ここで用いることができるアルカリには、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等がある。
重合触媒としては、エチル基またはブチル基を3個または4個有する第4級アンモニウム塩であることが必要である。具体的な物質としては、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイト、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキサイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェートなどが挙げられる。
前記重合触媒は、2価フェノールに対して0.3〜1.5モル%添加することが必要である。添加量が0.3モル%より少ないと、分子量が低く本発明の特性を有するポリアリレートを製造することができず、また1.5モル%より多くても逆に副反応であるエステルの加水分解が起こり、分子量が低下する。重合触媒の最適な添加量は0.5〜1.2モル%の範囲が適切である。
また、2価フェノールをアルカリ溶液中で酸化させないために、酸化防止剤を添加する必要がある。特に、本発明においては、2価フェノールとして酸化してジフェノキノン化し易いビフェノール類を使用するために、重合反応の安定性から必須である。
酸化防止剤としては、亜硫酸塩が好適である。亜硫酸塩としては、種々のものが挙げられる。具体的には、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム(別名:ハイドロサルファイト)、二酸化硫黄、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。その中でも、酸化防止の効果および環境負荷の低減からも次亜硫酸ナトリウムが最適である。
本発明の構成要件としては、ポリアリレートをかさ密度0.20〜0.50g/cmの粒子状にすることが必要である。かさ密度が0.20g/cm未満であると、洗浄効率は良好であるが、製品重量の割りに体積が大きくなり、運送コストや資材費がかかり問題であり、また、製品を取扱う場合においても、飛散しやすく問題である。一方、かさ密度が0.50g/cmより大きくなると洗浄効率が極端に悪くなる傾向となり、洗浄回数が増大し、これもコストアップとなり問題である。また、造粒は、重合の完了したポリアリレートのポリマー液から、有機相として用いた塩化メチレンを除去することで、ポリアリレートの粒として取り出す。その際、塩化メチレンを乾燥・除去する温度条件を変更することで、かさ密度を変化させることができる。なお、造粒は、気相中、水相中何れの方法で行っても良く、水相中の場合は、温水を用いて行うと効率的に、しかも品質良く行うことが出来る。
温度を上げて塩化メチレンを早く除去すれば軽い粒(かさ密度が低い)が生成し、温度を下げて塩化メチレンをゆっくり除去すれば重い粒(かさ密度が高い)が生成する。塩化メチレンの乾燥温度は、ポリアリレートの製造工程での一連の操作の制約から、45〜65℃で行われる。
また、本発明においては、ポリアリレートの製造工程で、ポリアリレートを粒子状にした後、有機溶剤で洗浄する工程にいて、ポリアリレートに対して200〜500質量%の有機溶剤で洗浄することが好ましい。200質量%未満であると、粒子同士が粘着して粒子径が増大し、洗浄効率のダウン、さらには全体が一体化して工程を進めることができなくなる。一方、500質量%より多くしても、洗浄効果が飽和するばかりでなくコストの面からも不合理である。通常、溶剤量を増やせば洗浄効率はアップするものであるが、この場合、ある程度以上の分散性が確保できれば洗浄効率は飽和する傾向にある。洗浄するための有機溶剤としては、ポリアリレートをある程度膨潤させることができ、かつ、完全に溶解させない溶媒が好適である。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類が好適であり、特に、アセトンは沸点も低く、安価でありより好適である。
また、本発明においては、有機溶剤で洗浄した後、攪拌を停止する前に、ポリアリレートを洗浄した該有機溶剤に対して3〜10質量%の水を添加することが好ましい。3質量%未満であると、十分に粒子同士の粘着を防止できず、粒子同士が粘着して粒子径が増大し、洗浄効率が低下する。一方、10質量%より大きいと、粒子同士の粘着を防止させる効果は高いが、必要以上に水を添加することで、洗浄後の液を回収して再生させる工程で必要以上のエネルギーコストと時間を必要とし、コスト面から問題である。
ポリアリレート中における該ビスフェノールの酸化キノン体の残留量は、10ppm以下であることが好ましい。10ppmを超えると、電気特性に影響するので好ましくない。
また水相には分子量調整剤として、重合時に1官能の化合物、具体的にはフェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール等を添加してもよい。
次に、有機相として、水と相溶せず、かつ、ポリアリレートを溶解するような溶媒、具体的には塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、もしくはテトラヒドロフランなどに、二価の芳香族カルボン酸ハライドを溶解させる。この有機相の溶液を前述の水相の溶液に混合し、25℃以下の温度で1時間〜5時間攪拌しながら界面重縮合反応をおこなうことによって、高分子量のポリアリレートが得られる。
本発明のポリアリレートのインヘレント粘度(ηinh)は、0.85〜1.80dl/gであり、最適には0.95〜1.50dl/gである。インヘレント粘度が0.85dl/g未満であるとポリアリレートの機械特性が不十分な場合や、溶媒に溶解させた塗工液を調製して被膜を形成させる際に、塗工液の溶液粘度が低すぎて塗工できない場合があるので好ましくない。一方1.80dl/gを超えても、効果が飽和するばかりか、かえって、塗工する際に曳糸性が生じたり、塗工液の粘度が上昇して取扱が困難になる場合があるので好ましくない。インヘレント粘度(分子量)は前記した重合触媒および分子量調整剤の添加量で制御できる。具体的には前記重合触媒量の適度な添加量で高分子量化が可能となり、微調整を分子量調整剤でおこなうことができる。
本発明におけるポリアリレートのカルボキシル価の範囲は、30mol/t以下であることが好ましい。30mol/tを超えると、塗膜にした場合に電気特性が著しく低下する。
本発明におけるポリアリレートのガラス転移温度(Tg)は195℃以上であることが好ましい。195℃より低いと、耐熱性の点で問題となる。
本発明の方法で製造されたポリアリレートは、汎用溶媒に対して良好な溶解性を有しているので、溶媒に溶解させて容易に塗工液を調製でき、被膜形成用樹脂として用いることができる。そのような溶媒の具体例としては、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、もしくはテトラヒドロフランなどが挙げられる。塗工液とする際には、適宜選択される1種類もしくは2種類以上を混合した溶媒に、ポリアリレートを好ましくは10質量%以上の濃度になるように完溶させればよい。塗工液には必要に応じて各種添加物を含有させ、基材上に塗工した後に溶媒を除去して被膜を形成させ、被膜物して、あるいは、これを剥離してフィルムとして用いることができる。
本発明によって製造されるポリアリレートは、バインダー樹脂やフィルム用樹脂として好適に用いられ、前記のような塗工液として流延法により、あるいは、溶融押出法またはカレンダー法により、耐磨耗性および電気特性に優れた被膜物やフィルムを製造することができ、特に電子材料分野へ応用することができる。
次に、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、種々の変形および応用が可能である。
1)インヘレント粘度(ηinh)
1,1,2,2−テトラクロロエタンを測定溶媒として、濃度1g/dl、温度25℃の条件で測定した。
2)カルボキシル価
試料0.3gを20mlの塩化メチレンに三角フラスコ内で溶解した後、指示薬(フェノールレット゛)を加え、0.1N KOH溶液で適定した。
3)ガラス転移温度(Tg)
示差熱分析計(Perkin−Elmer社製、DSC−7型)を用いて
20℃/分の昇温速度で求めた。
4)酸化キノン体含有量
試料をアセトニトリルでソックスレー抽出した後、ディスクフィルター(孔径0.45μm)で濾過した液を下記条件にてHPLC測定を実施した。
(HPLC測定条件)
<装 置>Hewlett Packard社製 HP1100 HPLCsystem
<カラム>Wakopak Wakosil 5C18-200T 4.6mm×150mm(40℃)
<検出器>UV 210nm
<注入量>10μm
<溶離液>AcCN/H20=40/60 (流量)1.0ml/min.
実施例1 攪拌装置を備えた反応容器中に、2価フェノールとして3,3’,5,5’―テトラメチル−4、4’−ジヒドロキシビフェニル(以下TMBPと略す)10.76kg(44.39モル)と2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールCと略す)11.38kg(44.39モル)、酸化防止剤として次亜硫酸ナトリウムを2価フェノールに対して20質量%計量して2.21kg、末端停止剤であるp−tert−ブチルフェノール(以下PTBPと略す)226.7g(1.51モル)、水酸化ナトリウム8.41kg(210.22モル)、重合触媒であるトリ−n−プロピルベンジルアンモニウムクロライド(以下TPBACと略す)を全ビスフェノールのモル数に対して0.7モル%仕込むため321.0g(0.59モル)、水590lに溶解した(水相)。これとは別に塩化メチレン348lに、テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1/1混合物(以下MPCと略す)18.18kg(89.53モル)を溶解した(有機相)。この有機相を先に調整した水相中に強攪拌下で添加し、15℃で2時間界面重縮合反応をおこなった。重合停止後、水相と有機相をデカンテーションして分離させた。水相(アルカリ水)を抜取った後等量のイオン交換水を投入して攪拌しながら、pH=4になるまで酢酸を添加した。さらに、20分間攪拌した後20分間デカンテーションして水相を抜いて新たなイオン交換水に交換する作業を3回くり返した。洗浄後の有機相であるポリマー溶液を、ホモミキサーを装着した容器に入った50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させかさ密度0.30g/cmの粉末状ポリマーを得た。
この粉末状ポリマー30kgに対して、アセトン90kg(300質量%)を投入し、20分間攪拌洗浄した後、4.5kg(5質量%)の純水を投入して10分間攪拌後停止した。この洗浄作業を5回繰り返した。その後、得られた洗浄後のポリマーを真空乾燥機を使用して、温度120℃で24時間乾燥した。
実施例2〜9 実施例1の有機溶剤の種類、有機溶剤の量、塩化メチレンの乾燥温度、添加する水の量を変更した以外は実施例1と同じ方法でポリアリレート樹脂を製造した。
比較例1〜9 実施例1の有機溶剤の種類、有機溶剤の量、塩化メチレンの乾燥温度、添加する水の量を変更した以外は実施例1と同じ方法でポリアリレート樹脂を製造した。
実施例および比較例で得られたポリアリレートの特性を評価した結果と併せて表1にした。
実施例1〜9において、適正なかさ密度、酸化キノン体の含有量の少ないポリアリレートを得ることが出来た。
比較例1はBPC/TMBP=1/9であったためηinhは低かった。比較例2はBPC/TMBP=0/10であったため十分な分子量をもったポリアリレートが生成しなかった。比較例3はBPC/TMBP=9/1であったためTg=192℃と低かった。比較例4は十分な量の有機溶剤で洗浄しなかったため酸化キノン体含有量が高かった。比較例5はアリレートのかさ密度が低かったので酸化キノン体含有量が高かった。比較例6は、アリレートのかさ密度が高かったので酸化キノン体含有量が高かった。比較例7は有機溶剤洗浄後の水洗いが不十分であったため酸化キノン体含有量が高かった。比較例8は有機溶剤がメタノールであったため酸化キノン体含有量が高かった。比較例9は有機溶剤を使わず水のみによる洗浄であったため酸化キノン体含有量が高かった。
















Claims (5)

  1. 2価の芳香族カルボン酸ハライドとビフェニル構造およびビスフェノール構造を含んでなる2価フェノールとを界面重縮合反応させ、生成した下記式(1)のポリアリレートであって、2価フェノールの酸化キノン体の含有量が10ppm以下であることを特徴とするポリアリレート。
    (式中のR1〜R8は水素原子、または炭素数1〜8のアルキル基を示し、m/nは80/20〜20/80である)
  2. インヘレント粘度が0.85〜1.80dl/gであり、カルボキシル価が30mol/t以下であり、ガラス転移温度(Tg)が195℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリレート。
  3. 界面重合法で生成したポリアリレートのポリマー液から、塩化メチレンを乾燥・除去するにあたり、乾燥温度45〜65℃で行うことで、かさ密度0.20〜0.50g/cmの粒子を得る請求項1〜2に記載のポリアリレートの製造方法。
  4. 粒子状のポリアリレートを有機溶剤で洗浄する工程において、ポリアリレートに対して200〜500質量%の有機溶剤で洗浄した後、攪拌を停止する前に、該有機溶剤に対して3〜10質量%の水を添加することを特徴とする請求項1〜3に記載のポリアリレートの製造方法。
  5. 洗浄するための溶媒がアセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンである請求項4に記載のポリアリレートの製造方法。








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