JP2006176232A - 合紙把持装置、及び搬送装置 - Google Patents

合紙把持装置、及び搬送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 搬送物に重ねた合紙を同搬送物に対して所期の位置に保持できる合紙把持装置、及び搬送装置を低コストで提供する。
【解決手段】 搬送装置10に設けられる合紙把持装置3は、パレットPの上方に配置された把持手段4と、移送方向Xに対向して把持手段4を前進させる押出手段5と、保持手段1に固定され保持手段1と共に移動する規制手段6とを備える。把持手段4は合紙Iをその真上から確実に把持できる。また、把持手段4の位置又は動作状態を検知するためのセンサ類を使用しなくて済むので、搬送装置10の全体の製造コストを抑えられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラス板等の搬送物に重ねた合紙を保持する合紙把持装置、及び搬送装置に関する。
図11は、複数のガラス板W(W1,W2を含む)の搬送及び積載に係る工程を例示している。製造ライン等からガラス板W1が搬出されると、先ずはガラス板W1の一面に、図に表れていない合紙を重ね合わせ、この合紙を介してガラス板W1の一面を吸盤Sを用いて吸引する。この状態で、ガラス板W1を合紙と共に起立する姿勢で保持しつつ、パレットPの上まで搬送する。ガラス板W1が、パレットPに斜めに立上げた背枠Fの近傍に達したところで、吸盤Sによる吸引を断つと、ガラス板W1は、背枠Fに受け止められた立掛け状態で、パレットPに積載される。
ガラス板W1に続き、製造ライン等から次のガラス板W2が搬出されると、ガラス板W2を既述の要領で、その一面に重ね合わせた合紙と共にパレットPの上まで搬送する。そして、ガラス板W2が、既にパレットPに積載された先のガラス板W1の近傍に達したところで、吸盤Sによる吸引を断つと、ガラス板W2は、先のガラス板W1に重ね合わせた合紙を介して、ガラス板W1に受け止められる。これにより、ガラス板W2も先のガラス板W1に倣った立掛け状態で、パレットPに積載される。以上の工程を繰り返すことにより、複数のガラス板Wを順にパレットPに積載し、複数のガラス板Wのそれぞれの間に合紙を介在することができる。
また、合紙としては、ガラス板Wの全体を余すことなく被覆できるように、ガラス板Wの外形よりも更に広いサイズのものが適用される。このため、同図の仮想線Aで囲んだ部分にわたる複数のガラス板Wの間に介在する合紙Iの片端部Ieは、図12(a)に示すように、個々のガラス板Wの上縁よりも突出する。
合紙Iは、ガラス板Wを保護するために不可欠であるが、安価に準備できることが望ましい。例えば、再生紙を合紙Iとして用いる場合、再生紙は撓み易い材質であるため、パレットPに一のガラス板W1が積載された後、他のガラス板W2が積載されるまでの間に、先のガラス板W1に重ね合わせた合紙Iの片端部Ieが自重で垂れ下がることがある。そして、片端部Ieが、同図(b)に示すように、ガラス板W1,W2の間に折れ込むという不具合が起こる。
上記の不具合を回避するには合紙Iの片端部Ieを保持する必要がある。例えば、下記の特許文献1には、複数のガラス板をパレットに順次載せる工程において、ガラス板をパレットの背枠に立掛けた時点で、合紙の片端部へ向けてノズルから圧縮空気を噴射することにより、合紙の片端部が垂れ下がるのを予防することが開示されている。また、下記の特許文献2には、パレットの上方に設置した合紙押え部材で、同パレットに積層した複数のガラス板のそれぞれの上縁に合紙の片端部を押付けることにより、合紙の片端部が垂れ下がるのを予防することが開示されている。更に、ガラス板の枚数が増減するとその積層方向の厚みが変化するので、パレットの最も外側に位置するガラス板の上縁付近に合紙押え部材が位置できるように、合紙押え部材を、合紙押え部材走行装置によって適宜に移動させられることも開示されている。
特開2001−139138号公報 特開2000−351449号公報
特許文献1のように、合紙の片端部へ向けて圧縮空気を噴射する場合、圧縮空気が合紙を煽るので、合紙をガラス板に重ねて安定させるのは困難である。また、ノズルがガラス板を吸着する吸盤と共に移動するので、パレットに積載したガラス板から吸盤が離れると、同ガラス板に重ねた合紙まで圧縮空気が届かなくなる。そのため、合紙の垂れ下がりを完全には防止できない。
特許文献2に開示の技術は、予め積層されてパレットに載せられた複数のガラス板を、同パレットから1枚ずつ取出すことを専らとする。例えば、他所に置かれた複数のガラス板を順にパレットに積載する過程で、合紙の片端部を同文献に記載の通りパレットの背枠の方へ折り曲げるには、単に合紙押え部材を昇降させるだけでは足らず、合紙押え部材を、パレットの背枠へ向けて僅かでも移動させる必要がある。従って、1枚の新たなガラス板をパレットに積載する毎に、既に積載されたガラス板の上縁から合紙押え部材を上昇させ、合紙押え部材を、新たなガラス板の上縁まで下降させながら、パレットの背枠へ向けて移動させなければならない。
このような合紙押え部材の小刻みな動作を実現するには、合紙押え部材の位置又は動作状態を検知できるセンサ類を多用しなければならず、ガラス板を搬送する装置全体の製造コストが高騰する。また、センサ類の取付け位置の調整、又はセンサ類による検知精度に不具合が生じると、パレットに向って搬送されるガラス板と、合紙押え部材とが衝突する惧れがある。
本発明は、上記の実情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、搬送物に重ねた合紙を同搬送物に対して所期の位置に保持できる合紙把持装置、及び搬送装置を低コストで提供することにある。
本発明は、板状の搬送物と共に該搬送物の一面に重ねた合紙を起立姿勢で着脱自在に保持できる保持手段と、前記保持手段に保持される前記搬送物及び前記合紙をパレット上へ移送する移送手段とを備え、前記搬送物及び前記合紙を前記パレット上で前記保持手段から解放することにより、前記搬送物及び前記合紙を前記パレットに起立姿勢で受け止めさせる搬送装置に、設けられる合紙把持装置に係るものであって、前記パレットの上方に配置され、前記合紙を着脱自在に把持できる把持手段と、前記移送手段が前記搬送物及び前記合紙を移送する移送方向に対向して、前記把持手段を前進させる押出手段と、前記パレットに受け止められた前記搬送物及び前記合紙の真上に、前記把持手段を位置決めする規制手段とを備えることを特徴とする。
更に、本発明に係る合紙把持装置は、前記規制手段が前記保持手段と共に移動することを特徴とする。
更に、本発明に係る合紙把持装置は、前記把持手段が、前記移送方向に開閉自在な一対の挟着片と、該一対の挟着片を開閉させる開閉駆動手段とを備え、前記開閉駆動手段は、前記押出手段が前記把持手段を前進させる過程で前記一対の挟着片を開き、前記規制手段が前記押出手段を前記パレットに受け止められた前記搬送物及び前記合紙の真上で位置決めした状態で閉じることを特徴とする。
更に、本発明に係る合紙把持装置は、前記押出手段が、前記把持手段に接続した作動ロッドを前記移送方向に進退させる進退駆動手段と、前記把持手段を前記移送方向に案内する案内手段とを備えることを特徴とする。
更に、本発明に係る合紙把持装置は、前記パレット上で前記保持手段から解放された前記搬送物及び前記合紙を鉛直軸に対して傾斜する姿勢で着脱自在に保持する傾斜保持手段と、該傾斜保持手段に保持された前記合紙を押圧する押圧手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、板状の搬送物と共に該搬送物の一面に重ねた合紙を起立姿勢で着脱自在に保持できる保持手段と、前記保持手段に保持される前記搬送物及び前記合紙をパレット上へ移送する移送手段とを備え、前記搬送物及び前記合紙を前記パレット上で前記保持手段から解放することにより、前記搬送物及び前記合紙を前記パレットに起立姿勢で受け止めさせる搬送装置に係るものであって、前記パレットの上方に配置され、前記合紙を着脱自在に把持できる把持手段と、前記移送手段が前記搬送物及び前記合紙を移送する移送方向に対向して、前記把持手段を前進させる押出手段と、前記パレットに受け止められた前記搬送物及び前記合紙の真上に、前記把持手段を位置決めする規制手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る合紙把持装置、又は搬送装置によれば、パレットの上方に配置した把持手段を、押出手段によって移送手段が搬送物及び合紙を移送する移送方向に対向して前進させる一方、把持手段をパレットに受け止められた搬送物及び合紙の真上に位置決めできるので、移送手段がパレットに板ガラス及び合紙を積載するためにパレット上の何処で停止しても、把持手段と合紙までの相対距離を一定に保つことができる。
従って、把持手段が合紙を把持できるので、従来のように合紙の片端部へ向けて圧縮空気を噴射することに比較して、合紙を搬送物に安定して重ねることができる。また、把持手段の位置又は動作状態を検知できるセンサ類を多用しなくて済むので、当該装置全体の製造コストを抑えることができる。
更に、規制手段が保持手段と共に移動する構造により、把持手段の位置又は動作状態を検知するためのセンサ類を全く用いることなく、それらを検知することが可能となり、当該装置全体の製造コストを抑えることができる。
更に、把持手段は、一対の挟着片を開閉駆動手段によって移送方向に開閉させるので、把持手段を規制手段によって位置決めする精度が必ずしも高くなくても、一対の挟着片の間に合紙を確実に挟むことができる。また、開閉駆動手段は、押出手段が把持手段を前進させる過程で一対の挟着片を開き、規制手段が押出手段をパレットに受け止められた搬送物及び合紙の真上で位置決めした状態で閉じるので、搬送物をパレットに積載した直後に、一対の挟着片の間に合紙を挟むことができる。このため、搬送物をパレットに積載した後に合紙が垂れ下がることはない。
更に、押出手段は、進退駆動手段の作動ロッドを把持手段に接続した簡単な構造により、把持手段を移送方向に進退させる動作を実現することができる。更に、傾斜保持手段は、パレット上で保持手段から解放された搬送物及び合紙を鉛直軸に対して傾斜する姿勢で着脱自在に保持できるので、搬送物及び合紙が保持手段から外れ、パレットに受け止められるまでの間に、搬送物から合紙が離れ、又は合紙が垂れ下がるという事態を防止することができる。
また、本発明に係る合紙把持装置、又は搬送装置が、傾斜保持手段に保持された合紙を押圧する押圧手段を備える場合、把持手段が搬送物の一面に向って撓むのを積極的に抑制できるので、一層確実に合紙の垂れ下がりを予防することができる。
本発明の実施形態を図面に基づき説明する。以下で、搬送装置と同装置に設けられる合紙把持装置の概要を述べた上で、合紙把持装置の詳細を実施例として述べる。また、従来の技術として既に述べた要素には同じ符号を付し、その説明又は図示は省略する。
本発明の実施形態に係る搬送装置10は、図1に示すように、搬送物の一例であるガラス板Wと共に合紙Iを起立姿勢で着脱自在に保持できる保持手段1と、保持手段1に保持されるガラス板W及び合紙Iを矢印Xで指した水平方向(以下で「移送方向X」と記す。)へ移送する移送手段2と、合紙把持装置3とから構成される。合紙把持装置3は、パレットPの上方に配置された把持手段4と、移送方向Xに対向して把持手段4を前進させる押出手段5と、保持手段1に固定され保持手段1と共に移動する規制手段6とを備える。
次に、保持手段1、移送手段2、及び合紙把持装置3の動作を説明する。移送手段2は、保持手段1と共にガラス板W及び合紙Iを移送方向Xに移送し、ガラス板WがパレットPの背枠Fの近傍に達したところで停止する。同時に、規制手段6の先端が、仮想線で表したようにガラス板Wの上縁の真上付近に達する。
この時点で、保持手段1は、ガラス板W及び合紙IをパレットP上で解放するが、図2に示すように、ガラス板Wの上縁付近は合紙Iを介して後述の傾斜保持手段7の吸引力によって保持される。そして、傾斜保持手段7の作動ロッド71がパレットPの背枠Fへ向って前進することにより、ガラス板W及び合紙Iは鉛直軸に対して傾斜する姿勢となる。この状態で、ガラス板W及び合紙Iは、背枠Fに受け止められて、パレットPに積載されることになる。
一方、把持手段4は、移送方向Xに沿う向きに開閉自在な一対の挟着片41,42を、小型のエアシリンダを主体とする開閉駆動手段8の伸縮動作に従わせて開閉できる。更に、把持手段4は、エアシリンダを主体とする押出手段5の作動ロッド51の先端に接続され、パレットPの背枠F、又はガラス板Wの上縁の真上よりも、移送方向Xへ後退する位置で待機している。そして、上記の通り、ガラス板W及び合紙IがパレットPに積載された時点で、押出手段5が作動ロッド51を伸長させると、これに従って移送方向Xに対向する方向へ把持手段4は前進する。そして、把持手段4の当接部材43が、既にガラス板Wの上縁の真上付近に達している規制手段6の先端に突き当ることにより、把持手段4はガラス板Wの上縁の真上に位置決めされる。従って、把持手段4が前進するストロークは、上記の待機位置から規制手段6の先端までの距離となる。
また、ガラス板W及び合紙IがパレットPに積載された時点で、又はその直前に、一対の挟着片41,42が一旦開いて直ちに閉じるので、一対の挟着片41,42の間に合紙Iの片端部Ieが挟まれ、合紙Iは把持手段4によって把持されることになる。従って、合紙Iの片端部Ieが垂れ下がることはない。更に、傾斜保持手段7の吸引を断ち、ガラス板Wの上縁付近から傾斜保持手段7を離反させた後、移送手段2は、保持手段1をパレットPから離反させ、保持手段1に新たなガラス板Wを保持させることができる。以上の動作を保持手段1、移送手段2、及び合紙把持装置3が繰り返せば、複数のガラス板WをパレットPに積載することができる。
ガラス板Wは、その一端の形状が図1及び図2に表れているが、ガラス板Wを移送手段2の方から正面視すると移送方向Xに対して直交する水平方向に長尺な方形を成している。ガラス板Wの厚みは約2.5mmである。また、合紙把持装置3は、図中に1基だけ表れているが、ガラス板Wの長手方向に2基以上並べることが望ましい。
保持手段1は、ガラス板Wの一面に平行な枠体11に複数の吸盤Sを配置し、それらの吸盤Sをガラス板Wの一面に合紙Iを介して密接させつつ、吸盤Sの内側を真空引きすることにより、ガラス板Wを合紙Iと共に吸着できるものである。また、枠体11は、その適所に棒材から成る規制手段6を固定する支持体の役割も果たす。移送手段2は、保持手段1の枠体11をヒンジ部21を支点に旋回でき、枠体11を水平に倒すことで、水平な姿勢で置かれたガラス板Wを保持手段1に保持させることができる。更に、図示のように枠体11を起立させれば、これを図に表れていない軌道に沿わせて移動し、又は停止させることができる。保持手段1及び移送手段2には周知の技術を適用できる。
図3乃至図5に示すように、把持手段4は、折曲鋼板から成る基材44の下片に、一対の挟着片41,42の一方の挟着片41を固定し、基材44の中片の前面に固定した前方ブラケット45に、他方の挟着片42を旋回自在に取付けている。前方ブラケット45は、ガラス板Wに対してその長手方向に延びるピンから成る水平軸46を有し、水平軸46を支点にして他方の挟着片42が旋回できる。一対の挟着片41,42のそれぞれの先端にはゴム等の弾性部材47が取付けられている。更に、基材44は、その中片の上部からボルトから成るステー48を前方へ突出している。当接部材43は、ステー48の前端に直立する姿勢で固定した鋼板から成る。符号49は、当接部材43に設けた貫通孔40を経て、規制手段6が当接部材43に接触する位置に在るか否かを検知できる近接センサを指している。
また、基材44の上片には、開閉駆動手段8のシリンダ本体を支持する後方ブラケット80が固定され、基材44の中片には、開閉駆動手段8の作動ロッド81を通過させるための開口82が設けられている。他方の挟着片42は、水平軸46の上方へ腕部83を延出している。そして、腕部83に開閉駆動手段8の作動ロッド81がピン84を介して接続しているので、他方の挟着片42は作動ロッド81の伸縮動作に従って移送方向Xに沿う向きに開閉する。
押出手段5は、把持手段4の基材44の中片に作動ロッド51を接続し、そのシリンダ本体が、図に表れていない架台等によりパレットPの上方に支持されている。押出手段5は、パレットPの位置に対して移送方向Xに前後しないよう位置決めする必要があるが、押出手段5を支持する架台等は、何ら限定されるものではない。また、押出手段5のシリンダ本体は、図5に示すように、把持手段4を移送方向Xに沿う向きに案内するガイドレール52、及びガイドレール52を滑動自在に保持する直線運動軸受53から成る案内手段54を一体化したものである。
図6に示すように、傾斜保持手段7は、図1で示した保持手段1の枠体11の適所、好ましくは規制手段6の付近に、作動ロッド71の先端をガラス板Wに向ける姿勢で固定されるエアシリンダを主体とし、作動ロッド71の先端に吸盤72を設け、吸盤72がガラス板Wの姿勢の変化に従って首振りできるように、作動ロッド71と吸盤72の間に自在継手73を介在させている。吸盤72の内側は真空ポンプ等に接続され、作動ロッド71の伸縮動作に関わらず、吸盤72はガラス板W及び合紙Iを適時に保持し、又は解放できる。
次に、合紙把持装置3の動作を詳細に説明する。図2に示した通り、1枚目のガラス板WがパレットPに積載された後、保持手段1が2枚目のガラス板Wを保持し、既述の動作工程を繰り返すことにより、2枚目のガラス板WをパレットPに積載する。同様にして、3枚目以降のガラス板WをパレットPに積載することができる。
図7は、6枚目のガラス板WをパレットPに積載した直後を表している。図示の通り、6枚目のガラス板W及び合紙IをパレットP上に移送した移送手段2は、6枚目のガラス板Wが5枚目のガラス板Wの近傍に達したところで停止する。つまり、パレットPに積載されるガラス板Wの枚数が1枚増す毎に、その厚みdwに相当する距離分、移送手段2がパレットPの背枠Fに対して停止する位置は遠くなるよう設定されている。合紙把持装置3は、このような既成の機能に対応するための位置決め動作を実現できる。
即ち、先行してパレットPに積載されるガラス板Wを移送手段2がパレットP上に移送した時点で、規制手段6によって把持手段4は位置決めされる。続いて、移送手段2は、パレットPに更に積載される後続のガラス板WをパレットP上に移送する過程で、先行のガラス板Wの厚み分、パレットPの背枠Fに接近する距離を控えて停止する。従って、把持手段4の当接部材43と、移送手段2に固定された規制手段6の先端との間には、ガラス板Wの厚みdwに相当する距離dが開くことになる。この状態で、押出手段5が作動ロッド51を伸長させると、移送方向Xに対向する方向へ把持手段4が前進して、当接部材43が規制手段6の先端に突き当るので、把持手段4は規制手段6によって後続のガラス板Wの真上に位置決めされる。同時に、近接センサ49が規制手段6を検知するので、この検知信号に基づき押出手段5の動作を停止させる。
更に、押出手段5が作動ロッド51を伸長させるのと同時に、又はその直前に、開閉駆動手段8が一対の挟着片41,42を開き、把持手段4が規制手段6によって位置決めされた時点で、図8に示すように、一対の挟着片41,42を閉じれば、一対の挟着片41,42の間に、後続のガラス板Wに重ねた合紙Iの片端部Ieを挟み、この合紙Iを把持することができる。これにより後続のガラス板Wに重ねた合紙Iの片端部Ieが垂れ下がることはない。
また、一対の挟着片41,42を開いた時に、先行のガラス板Wに重ねた合紙Iの片端部Ieが一対の挟着片41,42から抜けても、これが後続のガラス板Wの一面に向って垂れ下がることはない。更に、パレットPに積載したガラス板Wの枚数が増しても、最後に積載したガラス板Wに重ねた合紙Iのみを把持手段4によって確実に把持できれば、既にパレットPに積載したガラス板Wに重ねた合紙Iの片端部Ieが、最後に積載したガラス板Wの一面に向って垂れ下がることはない。最後に積載したガラス板Wとは、図8の例では6枚目のガラス板Wに相当する。
以上に述べたように、把持手段4を押出手段5によって移送手段2がガラス板W及び合紙Iを移送する移送方向Xに対向して前進させる一方、移送手段2と共に移動する規制手段6によって、把持手段4をパレットPに受け止められたガラス板W及び合紙Iの真上に位置決めできるので、移送手段2がパレットPにガラス板W及び合紙Iを積載するためにパレットP上の何処で停止しても、把持手段4と合紙Iまでの相対距離を一定に保つことができる。
従って、把持手段4は合紙Iをその真上から確実に把持できるので、従来のように合紙Iの片端部Ieへ向けて圧縮空気を噴射するのに比較して、合紙Iをガラス板Wに安定して重ねることができる。また、把持手段4の位置又は動作状態を検知するためのセンサ類を使用しなくて済むので、当該装置全体の製造コストを抑えることができる。
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様で実施できるものである。例えば、傾斜保持手段7に加えて、図9に示すような押圧手段74を設けても良い。押圧手段74は、作動ロッド71の先端付近に、両片75をガラス板Wに向けて各々突出した溝形鋼板76を接続し、溝形鋼板76の両片75に、それぞれ湾曲したゴムシート等の弾性材料77を固定したものである。弾性材料77は、傾斜保持手段7がガラス板Wを合紙Iを介して保持する状態で、合紙Iの片端部Ieを押圧するので、把持手段4が保持手段1に向って撓むのを積極的に抑制できる。従って、一対の挟着片41,42が開いた時に合紙Iの片端部Ieが垂れ下がるのを確実に予防できる。
また、規制手段6として移送手段2の枠体11を利用する場合、図10に示すように、当接部材43に、先端が枠体11まで届くような形状の当接棒61を設けても良い。また、規制手段6としてサーボモータやセンサを用いることにより、保持手段1とは独立した位置に規制手段6を設け、これにより把持手段4を位置決めするようにしても良い。また、他方の挟着片42を旋回させるのに、サーボモータ9を開閉駆動手段として代用しても良い。或いは、以上に述べた総てのエアシリンダに代えて、リニアモータにより既述の作動ロッドを進退させても良い。
本発明は、ガラス板に限らず、あらゆる搬送物にその搬送の過程で重ねられる合紙を位置決めし、合紙の折れ曲がり、又は合紙の一部が搬送物から離脱するのを未然に防止できる技術である。
本発明の実施形態に係る合紙把持装置を取付けた搬送装置の初期動作の一例を示す側面図。 本発明の実施形態に係る合紙把持装置を取付けた搬送装置の初期動作の他例を示す側面図。 本発明の実施形態に係る合紙把持装置の待機状態を示す側面図。 本発明の実施形態に係る合紙把持装置の動作状態を示す側面図。 本発明の実施形態に係る合紙把持装置の待機状態を示す平面図。 本発明の実施形態に係る合紙把持装置に適用した傾斜保持手段の側面図。 本発明の実施形態に係る合紙把持装置を取付けた搬送装置の動作の一例を示す側面図。 本発明の実施形態に係る合紙把持装置を取付けた搬送装置の動作の他例を示す側面図。 (a)は本発明の実施形態に係る合紙把持装置に適用した傾斜保持手段の傾斜保持手段の変形例を示す平面図、(b)はその正面図。 本発明の実施形態に係る合紙把持装置の変形例を示す側面図。 従来の搬送装置の動作例を示す側面図。 (a)は図11のA部の側面図、(b)はその不具合を例示する側面図。
符号の説明
1:保持手段
2:移送手段
3:合紙把持装置
4:把持手段
5:押出手段
6:規制手段
7:傾斜保持手段
8,9:開閉駆動手段
10:搬送装置
41,42:挟着片
43:当接部材
54:案内手段
74:押圧手段
I:合紙
Ie:片端部
P:パレット

Claims (6)

  1. 板状の搬送物と共に該搬送物の一面に重ねた合紙を起立姿勢で着脱自在に保持できる保持手段と、前記保持手段に保持される前記搬送物及び前記合紙をパレット上へ移送する移送手段とを備え、前記搬送物及び前記合紙を前記パレット上で前記保持手段から解放することにより、前記搬送物及び前記合紙を前記パレットに起立姿勢で受け止めさせる搬送装置に、設けられる合紙把持装置であって、
    前記パレットの上方に配置され、前記合紙を着脱自在に把持できる把持手段と、
    前記移送手段が前記搬送物及び前記合紙を移送する移送方向に対向して、前記把持手段を前進させる押出手段と、
    前記パレットに受け止められた前記搬送物及び前記合紙の真上に、前記把持手段を位置決めする規制手段と、
    を備えることを特徴とする合紙把持装置。
  2. 前記規制手段は、前記保持手段と共に移動することを特徴とする請求項1に記載の合紙把持装置。
  3. 前記把持手段は、前記移送方向に開閉自在な一対の挟着片と、該一対の挟着片を開閉させる開閉駆動手段とを備え、前記開閉駆動手段は、前記押出手段が前記把持手段を前進させる過程で前記一対の挟着片を開き、前記規制手段が前記押出手段を前記パレットに受け止められた前記搬送物及び前記合紙の真上で位置決めした状態で閉じることを特徴とする請求項1又は2に記載の合紙把持装置。
  4. 前記押出手段は、前記把持手段に接続した作動ロッドを前記移送方向に進退させる進退駆動手段と、前記把持手段を前記移送方向に案内する案内手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の合紙把持装置。
  5. 前記パレット上で前記保持手段から解放された前記搬送物及び前記合紙を鉛直軸に対して傾斜する姿勢で着脱自在に保持する傾斜保持手段と、該傾斜保持手段に保持された前記合紙を押圧する押圧手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の合紙把持装置。
  6. 板状の搬送物と共に該搬送物の一面に重ねた合紙を起立姿勢で着脱自在に保持できる保持手段と、前記保持手段に保持される前記搬送物及び前記合紙をパレット上へ移送する移送手段とを備え、前記搬送物及び前記合紙を前記パレット上で前記保持手段から解放することにより、前記搬送物及び前記合紙を前記パレットに起立姿勢で受け止めさせる搬送装置であって、
    前記パレットの上方に配置され、前記合紙を着脱自在に把持できる把持手段と、
    前記移送手段が前記搬送物及び前記合紙を移送する移送方向に対向して、前記把持手段を前進させる押出手段と、
    前記パレットに受け止められた前記搬送物及び前記合紙の真上に、前記把持手段を位置決めする規制手段と、
    を備えることを特徴とする搬送装置。
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