JP2006176043A - ロック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ロック保持機能の確保と操作性の向上の両立を実現するロック装置を提供する。
【解決手段】 ストライカ12に係脱可能なロック溝41を備えたロックプレート4と、カム面51を備え該カム面51がロックプレート4の係合部42に係合することで該ロックプレート4のロック位置からロックオフ方向への回動を規制するカムプレート5を備えてなるロック装置において、カムプレート5によりロックプレート4がロック位置で回動規制された状態における係合部42とカム面51との接触角αを3°〜5°の範囲に設定する。係る構成とすることで、ストライカ12側からロックプレート4に過大な外力が入力され、該カムプレート5をロックオフ方向へ回動させるように作用する分力が発生したとしても、該分力の影響を受けることなくカムプレート5を規制位置で保持し、該カムプレート5によってロックプレート4を「ロック位置」で維持させることができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 ストライカ12に係脱可能なロック溝41を備えたロックプレート4と、カム面51を備え該カム面51がロックプレート4の係合部42に係合することで該ロックプレート4のロック位置からロックオフ方向への回動を規制するカムプレート5を備えてなるロック装置において、カムプレート5によりロックプレート4がロック位置で回動規制された状態における係合部42とカム面51との接触角αを3°〜5°の範囲に設定する。係る構成とすることで、ストライカ12側からロックプレート4に過大な外力が入力され、該カムプレート5をロックオフ方向へ回動させるように作用する分力が発生したとしても、該分力の影響を受けることなくカムプレート5を規制位置で保持し、該カムプレート5によってロックプレート4を「ロック位置」で維持させることができる。
【選択図】 図4
Description
本願発明は、例えば、車両用シートに備えられて、該シートを車体床面側に着脱自在に連結するためのロック装置に関するものである。
従来から、車両シート用のロック装置として、種々の構造のものが提案されているが(例えば、特許文献1、2参照)、これら各ロック装置は全て、車体側に固定配置されたストライカに係脱されるロックプレートと、該ロックプレートの回動規制を行なうカムプレートを備え、上記カムプレートにより上記ロックプレートをロック位置において回動規制することでロック状態を実現する一方、上記カムプレートによる上記ロックプレートの回動規制作用を解除することでロックオッフ状態を実現することを基本構成としている。
ところで、ロック装置においては、例えば、車両の衝突時等において、上記ストライカ側から上記ロックプレート側にこれをロックオフ方向へ回動させる方向に過大な外力が入力された場合であっても、この外力に係らず、上記ロックプレートをロック位置で保持してシートが車体側から離脱するのを確実に防止できること(即ち、「ロック保持機能の確保」)が要求される。
そして、上記カムプレートによる上記ロックプレートの「ロック位置」での保持は、図22に示すように、カムプレート102に設けたカム面104にロックプレート101に設けた係合部103が当接係合し、該ロックプレート101のロックオフ方向(矢印A方向)への回動が規制されることで実現されるが、その場合、これら両者の接触角が重要となる。
即ち、上記カムプレート102に設けたカム面104と上記ロックプレート101の係合部103との接触角は、カムプレート102の回動中心Gと接触部の中心Pとを結ぶ基準線L0に対して該接触部の中心Pにおける垂直線L1,L2がなす角度で規定される。そして、この接触角が0°の時、即ち、上記基準線L0と上記垂直線L1、L2が合致した状態では、上記ロックプレート101側から接触部へ入力される外力Fは、そのまま上記基準線L0に沿う圧縮力として作用し、該カムプレート101を回動させる方向への分力は生じない。
これに対して、例えば、上記基準線L0に対して正側に接触角α1が設定されている場合には、外力Fによって、上記カムプレート102を矢印C方向へ回動させる方向(即ち、規制解除方向)の分力が発生し、逆に、上記基準線L0に対して負側に接触角α2が設定されている場合には、外力Fによって、上記カムプレート102を矢印D方向へ回動させる方向(即ち、規制方向)の分力が発生する。この分力の発生によって、前者では、上記カムプレート102による上記ロックプレート101に対する回動規制作用が減殺される傾向となる。また、後者では、ロック状態の保持機能は向上するものの、上記カムプレート102を矢印C方向へ回動操作してロック解除する際の操作力が過大となり、操作性が低下する傾向となる。
従って、ロック装置の仕様決定に際しては、安全上最も要求される「ロック保持機能の確保」とともに、「操作性の向上」も考慮すべきであるが、従来一般には、「ロック保持機能の確保」を偏重して、接触角αを「0」に設定することが多く、このため、操作性という面において不満が残るものであった。
そこで本願発明では、ロック保持機能の確保と操作性の向上の両立を実現するロック装置を提供せんとしてなされたものである。
[発明の技術的背景]
上述のように、ロックプレートとカムプレートの間の接触部への外力によって発生し、カムプレートを回動させる方向に働く分力によってロック装置の性能が左右されることは上述の通りであるが、これを換言すれば、上記分力を適宜コントロールすることで、これをロック装置の性能向上に寄与させ得るということである。
[発明の技術的背景]
上述のように、ロックプレートとカムプレートの間の接触部への外力によって発生し、カムプレートを回動させる方向に働く分力によってロック装置の性能が左右されることは上述の通りであるが、これを換言すれば、上記分力を適宜コントロールすることで、これをロック装置の性能向上に寄与させ得るということである。
本願発明者は、係る思想の下、上記分力の影響を検討した。
即ち、ロックプレートとカムプレートの接触部には、該ロックプレート側からの外力に基づく上記分力の他に、該外力に基づく摩擦抵抗も作用する。
ここで、カムプレートを回動させる方向に働く上記分力は、外力Fと接触角αの積「F・sinα」として表される。一方、外力Fによって接触部に作用する摩擦抵抗は、外力Fと該接触部の摩擦係数μの積「F・μ」として表される。
そして、これら両者間には、「F・sinα=F・μ」、即ち、「sinα=μ」の条件下においては、上記分力と摩擦抵抗が釣り合う関係がある。また、「sinα<μ」の条件下においては、上記分力がカムプレートの回動に与える影響は少なく、現実的にはこれを無視することができる。さらに、上記摩擦係数μは、上記ロックプレートとカムプレートのように、熱処理された硬い金属同士が接触する構成の場合には、これを「0.1」とすることができる。
以上のことから、
(1) 「sinα<0.1」の条件下、即ち、接触角αが「5.7°」以下の条件下では、外力Fの影響を受けることなく、ロック保持機能を確保することが可能であり、
(2) 接触角αが「5.7°」以上の条件下では、上記分力を、カムプレートのロックオフ方向への回動力として作用させて、該カムプレートに対する操作力を軽減して操作性の向上を図ることができる、
ということが知見された。
(1) 「sinα<0.1」の条件下、即ち、接触角αが「5.7°」以下の条件下では、外力Fの影響を受けることなく、ロック保持機能を確保することが可能であり、
(2) 接触角αが「5.7°」以上の条件下では、上記分力を、カムプレートのロックオフ方向への回動力として作用させて、該カムプレートに対する操作力を軽減して操作性の向上を図ることができる、
ということが知見された。
本願発明では、係る知見に基づき、上記課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
本願の第1の発明では、ストライカ12に係脱可能なロック溝41を備えたロックプレート4と、カム面51を備え該カム面51が上記ロックプレート4の係合部42に係合することで該ロックプレート4のロック位置からロックオフ方向への回動を規制するカムプレート5を備えてなるロック装置において、上記カムプレート5により上記ロックプレート4がロック位置で回動規制された状態における上記係合部42と上記カム面51との接触角αを3°〜5°の範囲に設定したことを特徴としている。
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係るロック装置において、上記カムプレート5が上記ロックプレート4をロック位置で回動規制する規制位置から規制解除側へ回動操作されるに伴って、上記接触角αが上記設定角度から増大側へ変化するように構成したことを特徴としている。
本願の第3の発明では、上記第1の発明に係るロック装置において、上記係合部42と上記カム面51が略点接触する構成とするとともに、上記カムプレート5の上記カム面51を、上記接触角αを上記設定角度に維持し得る第1曲面部51aと上記接触角αを上記設定角度より大きい角度に設定し得る第2曲面部51bを備え、上記カムプレート5が上記ロックプレート4をロック位置で回動規制する位置から規制解除側へ回動操作されるに伴って、上記係合部42と上記カム面51の接点Pが、上記ロックプレート4の上記係合部42上を上記第1曲面部51a側から上記第2曲面部51b側へ移動するように構成したことを特徴としている。
本願発明では次のような効果が得られる。
(a)本願の第1の発明に係るロック装置によれば、ストライカ12に係脱可能なロック溝41を備えたロックプレート4と、カム面51を備え該カム面51が上記ロックプレート4の係合部42に係合することで該ロックプレート4のロック位置からロックオフ方向への回動を規制するカムプレート5を備えてなるロック装置において、上記カムプレート5により上記ロックプレート4がロック位置で回動規制された状態における上記係合部42と上記カム面51との接触角αを3°〜5°の範囲に設定しているので、例えば、上記ストライカ12側から上記ロックプレート4に過大な外力が入力され、これによって上記ロックプレート4の係合部42と上記カムプレート5のカム面51との接触部に、該カムプレート5をロックオフ方向へ回動させるように作用する分力が発生したとしても、該分力の影響を受けることなく上記カムプレート5を規制位置で保持し、該カムプレート5によって上記ロックプレート4を「ロック位置」で維持させることができ、その結果、ロック装置にとって最も重要な機能、即ち、過大な外力の入力時における「ロック保持機能」が高い信頼性をもって確保される。
(b)本願の第2の発明に係るロック装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、上記カムプレート5が上記ロックプレート4をロック位置で回動規制する規制位置から規制解除側へ回動操作されるに伴って、上記接触角αが上記設定角度から増大側へ変化するように構成しているので、上記カムプレート5が規制位置に設定された状態では上記接触角αが3°〜5°の範囲に設定されることで該カムプレート5が規制位置で位置保持され、上記ロックプレート4はロック位置においてその回動が阻止され、その結果、「ロック保持機能」が確保される。
一方、上記ロックプレート4をロック位置からロックオフ位置側へ位置変更させてロックオッフ状態とすべく上記カムプレート5に回動操作力が掛けられた場合には、該カムプレート5の回動に伴って上記接触角αが上記設定角度から増大側へ変化し、これによって、上記ロックプレート4側に入力された外力に基づいて接触部に発生し且つ上記カムプレート5を規制位置から規制解除位置側へ回動させるように作用する分力が、上記外力によって上記接触部に発生する摩擦抵抗を次第に上回り、上記回動操作力による上記カムプレート5のロックオフ方向への回動を助長するように作用し、上記分力の寄与分だけ上記カムプレート5に対する操作力が軽減され、操作性が向上することになる。
これらの相乗効果として、この第2の発明に係るロック装置によれば、「ロック保持機能の確保」と「操作性の向上」という二つの相反する要求を同時に満足させることができるものである。
(c)本願の第3の発明に係るロック装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、上記係合部42と上記カム面51が略点接触する構成とするとともに、上記カムプレート5の上記カム面51を、上記接触角αを上記設定角度に維持し得る第1曲面部51aと上記接触角αを上記設定角度より大きい角度に設定し得る第2曲面部51bを備え、上記カムプレート5が上記ロックプレート4をロック位置で回動規制する位置から規制解除側へ回動操作されるに伴って、上記係合部42と上記カム面51の接点Pが、上記ロックプレート4の上記係合部42上を上記第1曲面部51a側から上記第2曲面部51b側へ移動するように構成しているので、上記カムプレート5が規制位置に設定された状態では上記係合部42と上記カム面51の接点Pが、上記係合部42の上記第1曲面部51aにあり、上記接触角αが上記設定角度に維持されることで、上記カムプレート5が規制位置で位置保持され、その結果、上記ロックプレート4はロック位置においてその回動が阻止され「ロック保持機能」が確保される。
一方、上記ロックプレート4をロック位置からロックオフ位置側へ位置変更させてロックオッフ状態とすべく上記カムプレート5に回動操作力が掛けられて該カムプレート5が規制位置から規制解除位置側へ回動される場合、上記接点Pが、上記ロックプレート4の上記係合部42上を上記第1曲面部51a側から上記第2曲面部51b側へ移動し、上記接触角αが上記設定角度から増大側へ変化することで、上記ロックプレート4側に入力された外力に基づいて接触部に発生し且つ上記カムプレート5を規制位置から規制解除位置側へ回動させるように作用する分力が、上記外力によって上記接触部に発生する摩擦抵抗を次第に上回り、上記回動操作力による上記カムプレート5のロックオフ方向への回動を助長するように作用し、上記分力の寄与分だけ上記カムプレート5に対する操作力が軽減され、操作性が向上することになる。
これらの相乗効果として、この第3の発明に係るロック装置によれば、「ロック保持機能の確保」と「操作性の向上」という二つの相反する要求を同時に満足させることができるものである。
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
図1〜図3には本願発明の実施形態に係るロック装置Zを示している。また、図4には、上記ロック装置Zのロック状態における主要構成部材の相対位置関係を示し、さらに、図5には、上記ロック装置Zのロックオッフ状態における主要構成部材の相対位置関係を示している。
上記ロック装置Zは、次述のように、ベース体1内に、ロックプレート4とカムプレート5及びレリーズプレート6を取付けて構成される。
(1) ベース体1の構成
上記ベース体1は、図1〜図3に示すように、所定間隔をもって対向配置された一対のプレート1A,1Bで構成される。このベース体1の上記各プレート1A,1Bには、これら両者間に跨ってこれらの対向方向に貫通する左右一対の支軸、即ち、第1支軸2と第2支軸3が取付けられている。尚、これら各支軸2,3のうち、第1支軸2には次述のロックプレート4とレリーズプレート6が、第2支軸3には次述のカムプレート5が、それぞれ回転自在に支承される。また、上記各プレート1A,1Bの上記各支軸2,3の中間位置には、該各プレート1A,1Bの下縁に開口して上方へ延びる略矩形の開口溝14が形成されている。
上記ベース体1は、図1〜図3に示すように、所定間隔をもって対向配置された一対のプレート1A,1Bで構成される。このベース体1の上記各プレート1A,1Bには、これら両者間に跨ってこれらの対向方向に貫通する左右一対の支軸、即ち、第1支軸2と第2支軸3が取付けられている。尚、これら各支軸2,3のうち、第1支軸2には次述のロックプレート4とレリーズプレート6が、第2支軸3には次述のカムプレート5が、それぞれ回転自在に支承される。また、上記各プレート1A,1Bの上記各支軸2,3の中間位置には、該各プレート1A,1Bの下縁に開口して上方へ延びる略矩形の開口溝14が形成されている。
(2) ロックプレート4の構成
上記ロックプレート4は、図2及び図4に示すように、略扇形の金属プレートで構成されるものであって、その中心部4aが上記第1支軸2によって上記ベース体1側に支承され、該第1支軸2回りに矢印A−B方向へ回動自在とされている。また、このロックプレート4は、その一端側に略U字状のロック溝41を備える一方、他端側には、略径方向へ延びる係合部42を備えている。さらに、上記ロック溝41の上側口縁部には、これに連続して延びるガイド面43が設けられている。尚、上記係合部42の構成については、後述のカムプレート5におけるカム面51の構成と併せて、後に詳述する。
上記ロックプレート4は、図2及び図4に示すように、略扇形の金属プレートで構成されるものであって、その中心部4aが上記第1支軸2によって上記ベース体1側に支承され、該第1支軸2回りに矢印A−B方向へ回動自在とされている。また、このロックプレート4は、その一端側に略U字状のロック溝41を備える一方、他端側には、略径方向へ延びる係合部42を備えている。さらに、上記ロック溝41の上側口縁部には、これに連続して延びるガイド面43が設けられている。尚、上記係合部42の構成については、後述のカムプレート5におけるカム面51の構成と併せて、後に詳述する。
上記ロックプレート4は、図2及び図4に示す回動位置と、図6に示す回動位置の二位置に選択的に位置決め可能とされる。そして、図2及び図4に示す回動位置では、上記ロック溝41が横方向に延出し、上記ベース体1の上記開口溝14に対して略直交状態に交差してここに係入された上記ストライカ12を保持し得るようになっている。以下、この時のロックプレート4の回動位置を「 ロック位置」という。
これに対して、図5に示す状態では、上記ロックプレート4が上記 「ロック位置」から矢印A方向へ所定量回動して上記ロック溝41が斜め下方に開口している。この回動位置では、上記ロック溝41が上記ベース体1側の上記開口溝14と非重合とされ、該ロック溝41の口縁部を横切るようにして上記ガイド面43が該ロック溝41に重合している。以下、この時のロックプレート4の回動位置を「 ロックオフ位置」という。
そして、上記ロックプレート4は、上記第1支軸2の外側に嵌装された第1スプリング7によって常時A方向(即ち、「ロック位置」から「ロックオフ位置」側)へ回動付勢されるとともに、後述するカムプレート5によって「 ロック位置」にて位置保持可能とされる(図4参照)。さらに、上記ロックプレート4は、上記カムプレート5による位置保持作用が解除されると、上記第1スプリング7のバネ力によって、「ロック位置」から「ロックオフ位置」側へ自動的に位置設定される(図5参照)。尚、上記第1スプリング7は、その一端は上記ロックプレート4に、他端は後述のレリーズプレート6にそれぞれ連結されており、該第1スプリング7によって上記ロックプレート4は矢印A方向に、上記ロックプレート6は矢印B方向に、それぞれ回動付勢されている。
(3) カムプレート5の構成
上記カムプレート5は、レバー状の板材で一体形成されるもので、その一端5a側が上記第2支軸3によって支承されることで、該第2支軸3を中心として矢印C−D方向へ回動自在とされているとともに、上記ベース体1との間に配置した第2スプリング8によって常時矢印D方向へ回動付勢されている。そして、このカムプレート5は、その他端5b側に、上記ロックプレート4の係合部42と係合可能なカム面51を形成しており、図4に示すように、上記カム面51が上記ロックプレート4の上記係合部42に係合することで該ロックプレート4を「ロック位置」において位置保持する。以下においては、この時の上記カムプレート5の位置を「規制位置」という。
上記カムプレート5は、レバー状の板材で一体形成されるもので、その一端5a側が上記第2支軸3によって支承されることで、該第2支軸3を中心として矢印C−D方向へ回動自在とされているとともに、上記ベース体1との間に配置した第2スプリング8によって常時矢印D方向へ回動付勢されている。そして、このカムプレート5は、その他端5b側に、上記ロックプレート4の係合部42と係合可能なカム面51を形成しており、図4に示すように、上記カム面51が上記ロックプレート4の上記係合部42に係合することで該ロックプレート4を「ロック位置」において位置保持する。以下においては、この時の上記カムプレート5の位置を「規制位置」という。
これに対して、図5に示すように、上記ロックプレート4が上記「規制位置」から矢印C方向へ回動して、上記カム面51が上記ロックプレート4の係合部42から完全に離脱することで、該カムプレート5による上記ロックプレート4の「ロック位置」から「ロックオフ位置」側への回動規制が解除される。以下においては、この時の上記カムプレート5の位置を「規制解除位置」という。
さらに、上記カムプレート5の他端5b側には、係合ピン52が突設されている。この係合ピン52は、次述するレリーズプレート6の長溝61に係入し、これに沿って摺動することで、該レリーズプレート6の変位を上記カムプレート5に伝達してこれを回動させるように作用する。
尚、上記カムプレート5の「規制位置」と「規制解除位置」との間の位置変更は、操作ケーブル9のケーブルインナ10(図2参照)の押引操作によって、次述のレリーズプレート6を介して行なわれる。
(4) レリーズプレート6の構成
上記レリーズプレート6は、図2及び図4に示すように、略扇形の板材で一体形成されるものであって、その一端部6aが上記第1支軸2に支承され、矢印A−B方向に回動自在とされている。また、このレリーズプレート6の他端部6b側には、傾斜溝部61aと該傾斜溝部61aの上記第1支軸2から遠い側の端部に連続し上記第1支軸2の軸心を中心として円弧状に延びる円弧溝部61bからなる長溝61が形成されている。そして、図4に示すように上記カムプレート5が規制位置に設定されている状態では、上記係合ピン52は上記長溝61の傾斜溝部61a側の端部に位置し、図5に示すように上記カムプレート5が規制解除位置に設定されている状態では、上記係合ピン52は上記長溝61の円弧溝部61b側の端部に位置するように、該ロックプレート4とカムプレート5の相対位置が設定されている。
上記レリーズプレート6は、図2及び図4に示すように、略扇形の板材で一体形成されるものであって、その一端部6aが上記第1支軸2に支承され、矢印A−B方向に回動自在とされている。また、このレリーズプレート6の他端部6b側には、傾斜溝部61aと該傾斜溝部61aの上記第1支軸2から遠い側の端部に連続し上記第1支軸2の軸心を中心として円弧状に延びる円弧溝部61bからなる長溝61が形成されている。そして、図4に示すように上記カムプレート5が規制位置に設定されている状態では、上記係合ピン52は上記長溝61の傾斜溝部61a側の端部に位置し、図5に示すように上記カムプレート5が規制解除位置に設定されている状態では、上記係合ピン52は上記長溝61の円弧溝部61b側の端部に位置するように、該ロックプレート4とカムプレート5の相対位置が設定されている。
(5) ロックプレート4の係合部42とカムプレート5のカム面51の相対関係等
ここで、図6を参照して、上記ロックプレート4の係合部42と上記カムプレート5のカム面51の構成及びこれら両者間の相対関係を説明する。
ここで、図6を参照して、上記ロックプレート4の係合部42と上記カムプレート5のカム面51の構成及びこれら両者間の相対関係を説明する。
図6には、上記ロックプレート4の係合部42と上記カムプレート5のカム面51をそれぞれ拡大図示している。
先ず、上記ロックプレート4側の上記係合部42は、直線状に延出する直線部42aと、該直線部42aの端部に連続して延びる曲率半径の大きい第1曲面部42bと、該第1曲面部42bの端部に連続して延びる曲率半径の小さい第2曲面部42cを備えている。
一方、上記カムプレート5のカム面51は、曲率半径の小さい第1曲面部51aと該第1曲面部51an端部に連続する曲率半径の大きい第2曲面部51bを備えている。
また、上記カムプレート5側の上記第1曲面部51aは上記ロックプレート4側の上記直線部42aと対応し、上記カムプレート5側の上記第2曲面部51bは上記ロックプレート4側の上記第1曲面部42b及び第2曲面部51cの双方に対応するようになっている。
そして、上記カムプレート5の回動に伴って、該カムプレート5側の上記第1曲面部51aと上記ロックプレート4側の上記直線部42aの接点が該直線部42a上をその端部側から上記第2曲面部51b寄りへ移動する場合、該接点が上記直線部42a上に在る間はこれら両者間の接触角αが「α=4°」を維持するように上記第1曲面部51aの曲率半径が設定されている(図7〜図12参照)。
これに対して、上記カムプレート5の回動が進行し、該カムプレート5の第2曲面部51bが上記ロックプレート4側の第1曲面部42bに接触し、さらに第2曲面部42cに接触し、これらの接点が上記第1曲面部42bから上記第2曲面部42c側へ移動するときには、これら両者間の接触角αが「α=4°」を越えて次第に増大変化するように、上記カムプレート5の第2曲面部51bと上記ロックプレート4の第1曲面部42b及び第2曲面部42cの曲率半径が設定されている。
具体的には、上記接点が上記ロックプレート4の第1曲面部42b上を移動する間においては、上記接触角αが「α=4°」を越えて「α=4°」から「α=13.5°」程度まで増大変位し(図13〜図16参照)、さらに上記接点が上記第1曲面部42bを通過して上記第2曲面部42c上を移動する間においては、上記接触角αが「α=13.5°」から「α=32.5°」程度まで増大変位する(図13〜図16参照)ように設定されている。
(5) ロック装置Zの作動説明
ここで、図7〜図21を参照して、上記ロック装置Zの作動を説明する。
ここで、図7〜図21を参照して、上記ロック装置Zの作動を説明する。
図7は規制位置に設定された上記カムプレート5によって上記ホルダー4がロック位置に保持されている時の上記カムプレート5とロックプレート4の関係を示している。また図8は、その時の上記カムプレート5のカム面51と上記ロックプレート4の係合部42との係合状態を拡大図示している。
この状態では、上記カムプレート5側の第2曲面部51bが上記ロックプレート4側の直線部42aに接触し、該直線部42aの端部寄りに接点Pが位置しており、接触角αが「α=4°」とされている。この状態は、「α<5.7°」の条件下であるため、例え上記ロックプレート4側に過大な外力が入力されたとしても、該外力によって接触部に作用する上記分力(即ち、上記カムプレート5を規制位置から規制解除位置側へ回動させるように作用する分力)の影響は無視でき、上記過大な入力にも係らず上記カムプレート5は規制位置を維持することとなり、「ロック保持機能の確保」が実現され、高い信頼性と安全性をもつロック装置Zが得られる。
図7に示す状態から、上記カムプレート5に上記ロックプレート6を介して規制解除位置側への操作力がかけられ、該カムプレート5が「1°」回動した状態を図9及び図10に、さらに該カムプレート5が「2°」回動した状態を図11及び図12に、それぞれ示している。これら何れの状態においても、上記カムプレート5側の第2曲面部51bと上記ロックプレート4の直線部42aが接触し、上記接点Pは上記直線部42a上にあり、接触角αは「α=4°」を維持している。
従って、この時点まで、即ち、上記ロックプレート6を介して上記カムプレート5が若干回動操作されるまでの間は「ロック保持機能の確保」が図られている。このことは、例えば、操作者の意思によらずに、何らかの原因で上記カムプレート5が不用意に操作された場合には、該操作にかかわらずロック状態が保持され、安全性が確保されるということである。
図11に示す状態から、図13及び図15に示すように、さらに上記カムプレート5が回動操作され、該カムプレート5の回動角が「3°」から「4°」と順次移行した場合には、図14及び図16に示すように、上記カムプレート5側の接触点がその第2曲面部51b上を第1曲面部51a寄りへ移行し、又、上記ロックプレート4側の接触点はその直線部42aから第1曲面部42b側へ移行し且つ該第1曲面部42b上を第2曲面部42c寄りへ向けて移動する。この結果、上記接点Pは、上記第1曲面部42b上を上記第2曲面部42c寄りに向けて移動することになる。この接点Pの移動に伴って、接触角αは「9.1°」から「13.5°」と変化し、上記接点Pに作用する上記反力がこれに対抗する摩擦抵抗を上回り、次第に上記5を規制解除位置側へ回動させる力として働き、その分だけ上記ロックプレート6に掛けられる操作力を減ずることができ、結果的に、上記カムプレート5の回動操作をより小さな操作力で軽快に行うことができることになる。即ち、「操作性の向上」が実現されるものである。
図15に示す状態から、図17及び図19に示すように、さらに上記カムプレート5が回動操作され、該カムプレート5の回動角が「5°」から「6°」と順次移行した場合には、図18及び図20に示すように、上記カムプレート5側の接触点がその第2曲面部51bから第1曲面部51a側へ移行し、該第1曲面部51a上をその端部寄りへ移動し、又、上記ロックプレート4側の接触点はその第1曲面部42bから第2曲面部42c側へ移行し且つ第2曲面部42c上をその端部寄りへ向けて移動する。その結果、上記接点Pは、上記第2曲面部42c上をその端部寄りに向けて移動することになる。この接点Pの移動に伴って、接触角αは「17.9°」から「32.5°」と変化し、上記接点Pに作用する上記反力がこれに対抗する摩擦抵抗をさらに上回り、上記ロックプレート6に掛けられる操作力が減ぜられ、最終的には、操作力を加えずとも上記反力のみによって上記5は規制解除位置側へ回動され、図21に示す規制解除状態とされる。
以上のように、この実施形態のロック装置Zによれば、上記反力をうまくコントロールすることで、該反力をロック装置の性能向上に寄与させて、ロック保持機能の確保と操作性の向上の両立を実現できるものである。
1 ・・ベース体
2 ・・第1支軸
3 ・・第2支軸
4 ・・ロックプレート
5 ・・カムプレート
6 ・・レリーズプレート
7 ・・第1スプリング
8 ・・第2スプリング
9 ・・操作ケーブル
10 ・・ケーブルインナ
11 ・・緩衝ゴム
12 ・・ストライカ
13 ・・ケーブル止着部
41 ・・ロック溝
42 ・・係合部
43 ・・ガイド面
51 ・・カム面
52 ・・係合ピン
61 ・・長溝
63 ・・ワイヤ掛止部
Z ・・ロック装置
2 ・・第1支軸
3 ・・第2支軸
4 ・・ロックプレート
5 ・・カムプレート
6 ・・レリーズプレート
7 ・・第1スプリング
8 ・・第2スプリング
9 ・・操作ケーブル
10 ・・ケーブルインナ
11 ・・緩衝ゴム
12 ・・ストライカ
13 ・・ケーブル止着部
41 ・・ロック溝
42 ・・係合部
43 ・・ガイド面
51 ・・カム面
52 ・・係合ピン
61 ・・長溝
63 ・・ワイヤ掛止部
Z ・・ロック装置
Claims (3)
- ストライカ(12)に係脱可能なロック溝(41)を備えたロックプレート(4)と、カム面(51)を備え該カム面(51)が上記ロックプレート(4)の係合部(42)に係合することで該ロックプレート(4)のロック位置からロックオフ方向への回動を規制するカムプレート(5)を備えてなるロック装置であって、
上記カムプレート(5)により上記ロックプレート(4)がロック位置で回動規制された状態における上記係合部(42)と上記カム面(51)との接触角(α)が3°〜5°の範囲に設定されていることを特徴とするロック装置。 - 請求項1において、
上記カムプレート(5)が上記ロックプレート(4)をロック位置で回動規制する規制位置から規制解除側へ回動操作されるに伴って、上記接触角(α)が上記設定角度から増大側へ変化するように構成されていることを特徴とするロック装置。 - 請求項1において、
上記係合部(42)と上記カム面(51)が略点接触する構成であって、
上記カムプレート(5)の上記カム面(51)が、上記接触角(α)を上記設定角度に維持し得る第1曲面部(51a)と上記接触角(α)を上記設定角度より大きい角度に設定し得る第2曲面部(51b)を備え、上記カムプレート(5)が上記ロックプレート(4)をロック位置で回動規制する位置から規制解除側へ回動操作されるに伴って、上記係合部(42)と上記カム面(51)の接点(P)が、上記ロックプレート(4)の上記係合部(42)上を上記第1曲面部(51a)側から上記第2曲面部(51b)側へ移動するように構成されていることを特徴とするロック装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004372866A JP2006176043A (ja) | 2004-12-24 | 2004-12-24 | ロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004372866A JP2006176043A (ja) | 2004-12-24 | 2004-12-24 | ロック装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006176043A true JP2006176043A (ja) | 2006-07-06 |
Family
ID=36730555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004372866A Pending JP2006176043A (ja) | 2004-12-24 | 2004-12-24 | ロック装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006176043A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012506333A (ja) * | 2008-10-23 | 2012-03-15 | ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー | 特に調節装置、特に車両シートの調節装置のロック装置、および車両シート |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6432656A (en) * | 1987-07-29 | 1989-02-02 | Hitachi Chemical Co Ltd | Manufacture of substrate for loading semiconductor element |
JP2000094995A (ja) * | 1998-09-21 | 2000-04-04 | Aisin Seiki Co Ltd | 車両用シート支持装置 |
-
2004
- 2004-12-24 JP JP2004372866A patent/JP2006176043A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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