JP2017141620A - 車両の前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の前部構造は、エンジンフードの車両前方側となる下面に設けられるストライカと、エンジンルームの開口の前縁部に設けられ、ストライカを噛合保持するラッチ装置と、ラッチ装置に並設され、ストライカがラッチ装置から解放された場合にラッチ装置から解放されたストライカを係合保持するセカンダリラッチと、を備え、セカンダリラッチは、車両前方側に延在して設けられるアーム部と、該アーム部の先端部に設けられる操作部とを有し、セカンダリラッチに係合保持されたストライカを解放するセカンダリレバーを含み、アーム部の上面、又はアーム部の上方域に設けられたカバー部材の下面の少なくとも一方にエンジンフードの下面に対する操作部の干渉を規制する規制部を有する。
【選択図】 図2
Description
上記(2)の構成によれば、規制部は、アーム部の上面とカバー部材の下面との間の隙間をエンジンフードの下面と操作部との間の隙間よりも小にするので、エンジンフードを必要以上に高い位置から落とした場合にもアーム部の上面とカバー部材の下面とが当接し、操作部がエンジンフードの下面に干渉することがない。これにより、エンジンフードの下面に施された塗装が傷ついたり、セカンダリレバーが変形したりするのを防止できる。
上記(3)の構成によれば、規制部は、カバー部材の下面に設けられ、車幅方向に延在するリブからなるので、カバー部材を屈曲形成する必要がなく、カバー部材の見栄えを損なうのを防止ができる。
上記(4)の構成によれば、リブがカバー部材の車両前方側の前縁部に設けられるので、カバー部材の車両前方側の前縁部の剛性を高めることができる。
上記(5)の構成によれば、リブは、アーム部の移動軌跡に沿ってアーム部の上面とリブの下面との間の隙間を一定にする高さの規制面を有するので、アーム部がどこにあってもアーム部の上面とリブの下面との間の隙間を一定に保つことができる。これにより、アーム部の上面がリブの下面に引っかかるのを防止できる。
上記(6)の構成によれば、規制部は、アーム部の上面に設けられ、アーム部の長手方向に沿って設けられるビードからなるので、アーム部の剛性を高めることができる。
上記(7)の構成によれば、ラッチ作動部は、ストライカに当接可能であって、エンジンフードの閉塞にともなってストライカに当接され、セカンダリラッチをストライカの解放を許容する解放位置からストライカの解放を阻止する係合位置に移動させるので、セカンダリラッチが引っ掛かっていてもセカンダリラッチを解放位置から係合位置に移動させることができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両1の前部構造2は、車両前方側にエンジンを搭載するためのエンジンルーム3が設けられ、該エンジンルーム3の上面がエンジンフード4で閉塞されている。エンジンフード4は、運転席側にヒンジ(図示せず)が設けられ、前方側が持ち上げられるタイプと、フロントグリル5側にヒンジが設けられ、後方側が持ち上げられるタイプとがあるが、本発明の実施形態に係る車両1の前部構造2は、前方側が持ち上げられるタイプである。
図2に示すように、本発明の実施形態に係る車両1の前部構造2では、走行風によってエンジンフード4が持ち上がり運転席から前方が見えなくなるという危険を回避すべく、エンジンフード4側にストライカ7が設けられ、車両側にフードロック装置6(ラッチ装置61及びセカンダリラッチ65)が設けられている。これにより、エンジンフード4が閉塞されるとエンジンフード4側に設けられたストライカ7が車両側に設けられたフードロック装置6に噛合保持される。
ストライカ7は、エンジンフード4の前方側下面中央部に設けられている。ストライカ7は、棒状の鋼材を側面視矩形に折り曲げて形成され、一方の脚71と他方の脚72とが互いに反対方向に延びてエンジンフード4の下面に固定されている。
ラッチ装置61は、エンジンフード4が閉塞された場合にエンジンフード4の下面に設けられたストライカ7を噛合保持するためのものであり、アッパーバー8の車幅方向中央部前面に固定されている。ラッチ装置61は、ケース62と、ケース62に収容されたラッチ(図示せず)(以下「メインラッチ」という)とを有して構成されている。
係合溝651は、ラッチ軸67の径方向に沿って形成されたものであり、ストライカ7を収容することができる幅に形成されている。
フック部652は、係合溝651を上方に向けて開口させた場合に係合溝651よりも外周側に設けられる部分である。フック部652は、図3−1及び図3−3に示すように、セカンダリラッチ65を時計まわりに回転させた場合にストライカ7の進入軌跡を横切る位置(係合位置)で停止する一方、図3−2に示すように、セカンダリラッチ65を反時計まわりに回転させた場合にストライカ7の進入軌跡を解放する位置(解放位置)で停止するように構成されている。
また、フック部652は、内周側652a及び外周側652bが基部から先端部に向けてラッチ軸67からの距離が漸次(徐々に)小さくなるように形成されている。フック部652の外周側652bは、ラッチ軸67からの距離が小さくなる割合がフック部652の内周側652aよりも大きく、図3−1及び図3−3に示すように、セカンダリラッチ65が係合位置にある場合に基部から先端部に向けて漸次(徐々に)低くなるように形成されている。
ラッチ作動部654は、係合溝651を挟んでフック部652と反対側に位置する部分である。ラッチ作動部654は、係合溝651の端部からセカンダリラッチ65の外周に向けてラッチ軸67からの距離が漸次大きくなるように形成されている。ラッチ作動部654は、図3−2に示すように、セカンダリラッチ65を解放位置で停止させた場合にストライカ7の進入軌跡を横切り、かつ、ストライカ7の進入軌跡の進入方向(車両上下方向下方)に向けて漸次下方に傾斜する。
アーム部661は、セカンダリラッチ65、より詳しくは、係合溝651を挟んでフック部652と反対側となる部分から車両前方側に向けて延在する部分である。アーム部661は、基端部から先端部に向けて徐々に高くなるように傾斜して設けられている。また、アーム部661は、その基端部(セカンダリラッチ65側)と先端部(操作部662側)とにビード663,664が設けられている。基端部と先端部とに設けられたビード663,664は、ともにアーム部661の長手方向の剛性を高めるものであり、上が凸、下が凹となる横断面を有している。基端部に設けられたビード663と先端部に設けられたビード664は、それぞれアーム部661の長手方向に沿って設けられている。
操作部662は、セカンダリレバー66の先端に折り曲げて形成され、セカンダリラッチ65がラッチ位置に位置する場合に車両上下方向に沿って配置される。
そして、セカンダリレバー66に設けられた操作部662から手を離すと、セカンダリラッチ65はラッチバネ68の弾性復元力により解放位置から元の位置(係合位置)に復帰する。
図2に示すように、本発明の実施形態に係る車両1の前部構造2は、さらに、アッパーバーカバー9を備えている。
アッパーバーカバー9は、エンジンルーム3の前方域に設けられたラジエータ(図示せず)やフードロック装置6をエンジンフード4を開閉するユーザーから隔離するとともに、フロントグリル5から入ってきた走行風を整流するためのカバー部材を構成する。
アッパーバーカバー9は、エンジンルーム3の前部に設けられたフロントグリル5とアッパーバー8との間に架設されている。アッパーバーカバー9は、例えば、合成樹脂で構成されている。合成樹脂は、例えば、つや消しが施されたポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が用いられる。
規制部10は、アーム部661の上面とアッパーバーカバー9(カバー部材)の下面との間の隙間L1をエンジンフード4の下面と操作部662との間の隙間L2よりも小にしている(図2参照)。これにより、エンジンフード4を必要以上に高い位置から落とすと、セカンダリレバー66(アーム部661)の弾性変形により操作部662が跳ね上がるが、アッパーバーカバー9(カバー部材)で上方への変位量を隙間L1以下に規制することができる。したがって、エンジンフード4を必要以上に高い位置から落とした場合でも操作部662がエンジンフード4の下面に干渉することがない。これにより、エンジンフード4の下面に施された塗装が傷ついたり、セカンダリレバー66が変形したりするのを防止することができる。
規制部10がアッパーバーカバー9の下面に設けられ、車幅方向に延在するリブ92からなる場合には、リブ92がアッパーバーカバー9に隠れるのでアッパーバーカバー9の見栄えを損なうのを防止することができる。
一方、規制部10がアーム部661の上面に設けられ、アーム部661の長手方向に沿って設けられるビード664からなる場合には、アーム部661の剛性を高めることができる。
2 前部構造
3 エンジンルーム
4 エンジンフード
5 フロントグリル
6 フードロック装置
61 ラッチ装置
62 ケース
621 突起
622 バネ取付部
64 取付金具
65 セカンダリラッチ
651 係合溝
652 フック部
652a 内周側
652b 外周側
654 ラッチ作動部
655 凹部
656 第1規制部
657 第2規制部
658 バネ取付部
66 セカンダリレバー
661 アーム部
662 操作部
663,664 ビード
67 ラッチ軸
68 ラッチバネ
7 ストライカ
8 アッパーバー
9 アッパーバーカバー(カバー部材)
91 開口
911 リブ
92 リブ
921 規制面
10 規制部
Claims (7)
- エンジンフードの車両前方側となる下面に設けられるストライカと、
エンジンルームの開口の前縁部に設けられ、前記ストライカを噛合保持するラッチ装置と、
前記ラッチ装置に並設され、前記ストライカが前記ラッチ装置から解放された場合に前記ラッチ装置から解放された前記ストライカを係合保持するセカンダリラッチと、
を備え、
前記セカンダリラッチは、車両前方側に延在して設けられるアーム部と、該アーム部の先端部に設けられる操作部とを有し、前記セカンダリラッチに係合保持された前記ストライカを解放するセカンダリレバーを含み、
前記アーム部の上面、又は前記アーム部の上方域に設けられたカバー部材の下面の少なくとも一方に前記エンジンフードの下面に対する前記操作部の干渉を規制する規制部を有すること
を特徴とする車両の前部構造。 - 前記規制部は、前記アーム部の上面と前記カバー部材の下面との間の隙間を前記エンジンフードの下面と前記操作部との間の隙間よりも小にすることを特徴とする請求項1に記載の前部構造。
- 前記規制部は、前記カバー部材の下面に設けられ、車幅方向に延在するリブからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の前部構造。
- 前記リブは、前記カバー部材の車両前方側の前縁部に設けられることを特徴とする請求項3に記載の車両の前部構造。
- 前記リブは、前記アーム部の移動軌跡に沿って前記アーム部の上面と前記リブの下面との間の隙間を一定にする高さの規制面を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の車両の前部構造。
- 前記規制部は、前記アーム部の上面に設けられ、前記アーム部の長手方向に沿って設けられるビードからなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両の前部構造。
- 前記セカンダリラッチは、前記ストライカに当接可能であって、前記エンジンフードの閉操作にともなって前記ストライカに当接され、前記セカンダリラッチを前記ストライカの解放を許容する解放位置から前記ストライカの解放を阻止する係合位置に移動させるラッチ作動部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両の前部構造。
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