JP2006175762A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイピング耐性に優れ、製造工程においてノズル基板に割れや欠けが生じることがなく加工を簡易かつ確実に行うことができる液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】ノズル部7が形成されているノズル基板4と、ノズル基板4のノズル部7に連通する吐出室13とを備え、吐出室13内の液をノズル部7から吐出させる液滴吐出ヘッド1であって、ノズル基板4のノズル部7の吐出側にテーパ状に拡径したテーパ部8を設け、テーパ部8に撥液膜9を形成した。この場合、ノズル基板4のノズル部7の裏面側に拡径部6を有する。また、撥液膜9が、フッ素基含有のシランカップリング剤よりなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法に関し、特に
ワイピング耐性等に優れた液滴吐出ヘッド等に関する。
インクジェットヘッドのノズル基材表面に凹部を形成し、この凹部内にノズル吐出口を形成することで、ノズル吐出口周辺に形成されている撥インク膜を擦れ等の機械的な破壊から保護する技術が知られている。
このようなインクジェットヘッドとして、インクを吐出するノズルと、このノズル近傍に単一の基板により形成され、かつ表面に撥水処理が施された凹部を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、このようなインクジェットヘッドの製造方法として、ノズル基材表面においてインク吐出口が形成される部位の周辺に凹部を形成する工程と、ノズル基材表面に撥インク膜を形成する工程と、撥インク膜の表面に保護部材を加熱及び加圧することにより密着させて貼付する工程と、保護部材が貼付されたノズル基材にインク吐出口を形成する工程と、保護部材を除去する工程とを有するものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許第3060526号公報(第2頁、図1,図3,図4) 特開2003−276204号公報(第4〜6頁、図1,図4,図6)
上記のようなインクジェットヘッドによれば、ノズル基板表面の撥インク膜は、画像記録時における記録媒体との擦れやワイピング時における接触等に対する耐久性が十分ではなく、磨耗や剥離等によって撥インク性が損なわれやすく、インク吐出口周辺にインクが付着し、吐出されるインクに曲がりが発生して画像品質を低下させるおそれがあった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ノズル基板の形成後はワイピング耐性等に優れた液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、ノズル部が形成されているノズル基板と、ノズル基板のノズル部に連通する吐出室とを備え、吐出室内の液を前記ノズル部から吐出させる液滴吐出ヘッドであって、ノズル基板のノズル部の吐出側にテーパ状に拡径したテーパ部を設け、テーパ部に撥液膜を形成したものである。
ノズル基板のノズル部は構造をテーパ状にしここに撥液膜を塗布したので、ノズル吐出口周辺に形成されている撥液膜を擦れやワイピング等の機械的な破壊から保護することができ、このため、液滴吐出口周辺に液滴が付着することによって吐出液の曲がりが発生することもなく、画像品質を低下させることもない。こうして、ワイピング耐性に優れたノズル基板を備えた液滴吐出ヘッドを提供することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、ノズル基板のノズル部の裏面側に拡径部を有するものである。
ノズル部の裏面側に設けた拡径部によってインク吐出も確実になり、画像品質が良好に維持される。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、撥液膜がフッ素基含有のシランカップリング剤よりなるものである。
ノズル基板の液吐出面の構造をテーパ状にし、ここに下地との密着力の強いフッ素基含有のシランカップリング剤により撥液膜を形成したので、ワイピング耐性に優れる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、撥液膜がチタネート系、又はアルミネート系のカップリング剤よりなるものである。
ノズル基板の液吐出面の構造をテーパ状にし、ここに下地との密着力の強いチタネート系、又はアルミネート系のカップリング剤により撥液膜を形成したので、ワイピング耐性に優れる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、テーパ部の深さを2μm〜10μmとしたものである。
ノズル基板の液吐出面の構造をテーパ状にし、テーパ部の深さを2μm〜10μmとしたので、ワイピング耐性に優れる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、テーパ部の深さを4μm〜8μmとしたものである。
ノズル基板の液吐出面の構造をテーパ状にし、テーパ部の深さを4μm〜8μmとしたので、ワイピング耐性に非常に優れる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、テーパ部のテーパ角を5°<θ<27°としたものである。
ノズル基板の液吐出面の構造をテーパ状にし、テーパ部のテーパ角を5°<θ<27°としたので、ワイピング耐性に優れる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、テーパ部のテーパ角を12°<θ<20°としたものである。
ノズル基板の液吐出面の構造をテーパ状にし、テーパ部のテーパ角を12°<θ<20°としたので、ワイピング耐性に非常に優れる。
本発明に係る液滴吐出装置は、上記いずれかに記載の液滴吐出ヘッドを有するものである。
液滴吐出面の構造をテーパ状にしここに下地との密着力の強い撥液膜を塗布したノズル基板を備えた液滴吐出ヘッドを搭載したので、ワイピング耐性に優れ、液滴吐出口周辺に液滴が付着して吐出する液滴の曲がりが発生することもなく、画像品質を低下させることもない。このため、ワイピングを何万回行っても液吐出特性が変化することはない。また、紙ジャムなどの問題が起こりにくい。さらに、撥液面のテーパ部のテーパ角及び深さを調整することができ、この調整によって好ましいワイピング耐性を確保することができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、ノズル部が形成されているノズル基板と、ノズル基板のノズル部に連通する吐出室とを備え、吐出室内の液をノズル部から吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法であって、ノズル基板を、ノズル基材の裏面側より表面側に第1の押圧部材によって押圧してノズル部を形成する工程と、ノズル基材の表面側より第2の押圧部材によって押圧してノズル部の表面側にテーパ状に拡径したテーパ部を形成する工程と、テーパ部近傍のノズル基材の表面に撥液処理を行って撥液膜を形成する工程とによって形成したものである。
実施の形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る液滴吐出ヘッドを示す縦断面図で、静電駆動方式でフェイスインジェクトタイプのインクジェットヘッドを示している。図2は図1のノズル部近傍を示す縦断面図である。図に示すように、インクジェットヘッド1は、キャビティ基板2、電極基板3及びノズル基板4を接合することにより構成されている。
ノズル基板4はステンレス等を素材とする平板状の基板からなり、キャビティ基板2との接合面11側にテーパ状に拡径した拡径部6を有するノズル部7を設けてある。ノズル部7のインク吐出面10側には、このノズル部7と一体の基板に形成され、インク吐出面10側にテーパ状に拡径されたテーパ部8を備えている。この場合、ノズル部7の拡径部6と、ノズル部7の上部に位置するテーパ部8の中心軸が、高い精度で一致しているものとする。これにより、ノズル部7からインクを吐出する際のインクの直進性が向上する。
テーパ部8のテーパ表面からその近傍にかけては、下地との密着力の強いフッ素基含有のシランカップリング剤よりなる撥液膜9が塗布されている。なお、フッ素基含有のシランカップリング剤にかえて、チタネート系、又はアルミネート系のカップリング剤よりなる撥液膜を塗布してもよい。
テーパ部8の深さlは、例えば、2μm〜10μm、好ましくは4μm〜8μmの範囲がよい。また、ノズル部8の立設面とテーパ部9のテーパ面とのなす角度θは、5°<θ<27°の範囲、好ましくは、12°<θ<20°の範囲がよい。
キャビティ基板2は、例えば単結晶シリコンからなり、底壁が振動板12である吐出室13となる凹部が複数形成されている。なお、複数の吐出室13は、図1の紙面手前側から紙面奥側にかけて平行に並んで形成されている。また、キャビティ基板2には、各吐出室13にインクを供給するためのリザーバ14となる凹部と、このリザーバ14と各吐出室13を連通する細溝状のオリフィス15となる凹部が形成されている。図1に示すインクジェットヘッド1では、リザーバ14は単一の凹部から形成されており、オリフィス15は各吐出室13に対して1つずつ形成されている。
さらに、キャビティ基板2の全面には、例えばCVD又は熱酸化によって酸化シリコン等からなる絶縁膜16が形成されている。この絶縁膜16は、液滴吐出ヘッド1の駆動時の絶縁破壊やショートを防止し、また吐出室13やリザーバ14の内部の液滴によりキャビティ基板2がエッチングされるのを防止する。
キャビティ基板2の振動板12側には、例えばホウ珪酸ガラスからなる電極基板3が接合されている。電極基板3には、振動板12と対向する複数の電極17が形成されている。この電極17は、例えばITO(Indium Tin Oxide)をスパッタすることにより形成する。また、電極基板3には、リザーバ14と連通するインク供給孔18が形成されている。このインク供給孔18は、リザーバ14の底壁に設けられた孔と繋がっており、リザーバ14にインク等の液滴を外部から供給するために設けられている。
なお、キャビティ基板2が単結晶シリコンからなり、電極基板3がホウ珪酸ガラスからなる場合には、キャビティ基板2と電極基板3の接合を陽極接合によって行うことができる。
図3は、ノズル基板4を液滴吐出面10側から見た上面図である。図3に示すように、テーパ状に拡径されたテーパ部8を備えたノズル部7が、ノズル基板4の液滴吐出面10側に複数開口している。なお、拡径部6は、図3の個々のノズル部7の紙面奥側に形成されている。また、キャビティ基板2の吐出室13は、個々のテーパ部8(ノズル部7)ごとに形成されており、個々の吐出室13は図3のA−A線方向に細長いものとする。
上記のインクジェットヘッド1にはこれを清掃するためのクリーニング機構部が設けられており、クリーニング機構部に設けた清掃用布やエラストマーゴム等によってインクジェットヘッドを清掃するようにしてある(図示せず)。このクリーニング機構部には駆動モーターが設けられており、この駆動モーターを駆動させることによって、クリーニング機構部をインクジェットヘッドの駆動方向と直角方向にガイド軸に沿って駆動させる。
なお、キャビティ基板2と個々の電極17との間には、駆動回路21が接続されている。
次に、図1に示すインクジェットヘッド1の動作について説明する。キャビティ基板2と個々の電極17との間に接続された駆動回路21によって、キャビティ基板2と電極17の間にパルス電圧が印加されると、振動板12が電極17の側に撓み、リザーバ14の内部に溜まっていたインクが吐出室13に流れ込む。そして、キャビティ基板2と電極17との間に印加されていた電圧がなくなると、振動板12が元の位置に戻って吐出室13の内部の圧力が高くなり、ノズル部7からインクが吐出される。
上記動作ののち、クリーニング機構部の駆動モーターを駆動させると、クリーニング機構部はガイド軸に沿って移動し、クリーニング機構部に設けられた清掃用布によってインクジェットヘッド1のノズル部7を清掃する。このとき、ノズル基板4のテーパ部8は撥液面がテーパ形状を構成しているため、ワイピングの際にワイパーがテーパ部8に接触したとしてもテーパ部8には下地との密着力のつよい撥液膜9を塗布してあるので、ワイピングを繰り返し行ってもノズル部7の吐出特性が変化することはない。
図4はノズル基材4aからノズル基板4を製造する工程を示す説明図である。以下、ノズル基板4の製造工程について説明する。なお、図4は、図3のA−A線に沿った縦断面におけるノズル部7の周辺部を示している。
まず、図4(a)に示すように、ノズル基板4となる例えばステンレスよりなるノズル基材4aを準備し、ついで、図4(b)に示すように、ノズル基材4aの裏面11a側より表面10a側に、第1の押圧部材であるポンチ30を矢印方向に移動させてパンチし、裏面11a側に拡径部6となるテーパ状の裏面孔6aを形成するとともに、この裏面孔6aと連通し裏面孔6aと共にノズル部7となる貫通孔7aを形成する。この際、押圧された材料4bがノズル基材4aの表面10a側に押し出される。
次に、図4(c)に示すように、ノズル基材4aの表面10a側に押し出された材料4bを、ノズル基材4aの表面10aに沿って矢印方向に移動するポリッシュ40によって切断して除去し、貫通孔7aを貫通させる。
次に、図4(d)に示すように、ノズル基材4aの表面10a側より第2の押圧部材であるポンチ31を矢印方向に移動させてパンチし、表面10a側にテーパ部8となるテーパ状の表面孔8aを形成する。
この際の表面孔8aの深さlは、例えば2μm〜10μmの範囲とし、テーパ角θを、5°<θ<27°の範囲とする。
こうして表面孔8aを形成したのち、表面孔8aの近傍にフッ素基含有のシランカップリング剤によって撥インク処理を施し、撥液膜9を形成する。この際のシランカップリング剤の濃度は、例えば0.05〜0.30wt%、特に0.10〜0.17wt%、動粘土は4e−7〜1.4e−5m2/sとする。
こうしてノズル基材4aからノズル基板4を製造し、このノズル基板4を、電極基板3とキャビティ基板2とからなる接合基板に接合して、インクジェットヘッド1を製造する。
すなわち、図5に示すように、ノズル基板4の裏面である接合面11側に接着剤等を転写して接着剤層11aを形成し、電極基板3が接合されたキャビティ基板2と、ノズル基板4とを接合する。
最後に、キャビティ基板2、電極基板3及びノズル基板4が接合された接合基板をダイシング(切断)により分離して、液滴吐出ヘッド1が完成する。
図6及び図7は、キャビティ基板2及び電極基板3を接合した接合基板の製造工程を示す縦断面図である。以下、キャビティ基板2及び電極基板3を接合した接合基板の製造工程について説明する。
まず、図6(a)に示すように、ホウ珪酸ガラス等からなるガラス基材3aを、金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより凹部19を形成する。なお、この凹部19は、電極17の形状より少し大きい溝状のものであって複数形成するものとする。
そして、凹部19の内部に、スパッタによってITO(Indium Tin Oxide)からなる電極17を形成する。
その後、ドリル等によってインク供給孔18となる孔部18aを形成して、電極基板3を形成する。
次に、図6(b)に示すように、シリコン基材2aの両面を鏡面研磨した後に、シリコン基材2aの片面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によってTEOS(TetraEthyl Ortho Silicate)からなるシリコン酸化膜22を形成する。なお、シリコン酸化膜22を形成する前に、エッチングストップのためのボロンドープ層を形成するようにしてもよい。振動板12をボロンドープ層から形成することにより、厚み精度の高い振動板12を形成することができる。
そして、図6(c)に示すように、図6(b)に示すシリコン基材2aと、図6(a)に示す電極基板3を例えば360℃に加熱し、シリコン基材2aに陽極、電極基板3に陰極を接続して800V程度の電圧を印加し、陽極接合を行う。
シリコン基材2aと電極基板3を陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等で接合基板をエッチングすることにより、シリコン基材2aの全体を薄板化する(図6(d))。
それから、シリコン基材2aの上面(電極基板3が接合されている面の反対面)の全面に、プラズマCVDによってTEOS膜を形成する。
そしてこのTEOS膜に、吐出室13となる凹部13a、リザーバ14となる凹部14a及びオリフィス15となる凹部15aとなる部分を形成するためのレジストをパターニングし、この部分のTEOS膜をエッチング除去する。
その後、図7(e)に示すように、シリコン基材2aを水酸化カリウム水溶液等でエッチングすることにより、吐出室13となる凹部13a、リザーバ14となる凹部14a及びオリフィス15となる凹部15aを形成する。このとき、電極取出し部23となる部分もエッチングして薄板化しておく。なお、図7(e)のウェットエッチングの工程では、例えば初めに35重量%の水酸化カリウム水溶液を使用し、その後、3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。これにより、振動板12の面荒れを抑制することができる。
シリコン基材2aのエッチングが終了した後に、図7(f)に示すように、接合基板をフッ酸水溶液でエッチングして、シリコン基材2aに形成されたTEOS膜を除去する。また、電極基板3のインク供給孔18となる孔部18aにレーザー加工を施し、インク供給孔18が電極基板3を貫通するようにする。
次に、シリコン基材2aの吐出室13となる凹部13a等の形成された面に、図7(g)に示すように、例えばCVDによってTEOS等からなる液滴保護膜24を形成する。
それから、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取出し部23を開放する。また、シリコン基材2aに機械加工又はレーザー加工を行って、インク供給孔18をリザーバ14となる凹部14aまで貫通させる。これにより、キャビティ基板2と電極基板3が接合された接合基板5が完成する(図7(h))。
この接合基板5は、図5の工程において示したように、ノズル基板4と接合されることとなる。
なお、電極取出し部23に、振動板12と電極17の間の空間を封止するための封止剤(図示せず)を塗布するようにしてもよい。
上記の説明では、駆動手段に静電気力を利用した静電駆動方式のインクジェットヘッドについて説明したが、本発明は上記に限定するものではなく、駆動手段に圧電素子(ピエゾ素子)を利用したいわゆる圧電駆動方式のインクジェットヘッドや、駆動手段に発熱素子を利用したいわゆるバブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッドに適用することもできる。
本実施の形態1によれば、インク吐出面の構造をテーパ状にし、ここに下地との密着力の強い撥液膜9を塗布したノズル基板4を備えたインクジェットヘッド1を構成したので、ワイピング耐性に優れ、インク吐出口周辺に液滴が付着して吐出液の曲がりが発生することがなく、画像品質を低下させることもない。このため、何万回ワイピングを行っても吐出特性が変化することはない。また、紙ジャムなどの問題も起こりにくい。さらに、撥液面のテーパ角θ及び深さlを調整することができ、この調整を行うことによって、種々のワイピング機構に対処することが可能となる。
また、インクジェットヘッド1の製造工程において、ステンレス等のノズル基材4aを用いるものであっても、第1、第2のポンチ30,31を使用することによってノズル基材4aを容易に加工することができ、さらにノズル機材4aの割れや欠けが生じることがなく、容易かつ確実に加工を行うことができる。
実施の形態2.
図8は、本実施の形態2に係るインクジェットヘッドを搭載した印刷装置の概略を示す説明図である。この印刷装置はいわゆるシリアル型の装置で、被印刷物であるプリント紙50を支持するドラム51と、プリント紙50にインクを吐出し記録を行うインクジェットヘッド52とを備えている。また、インクジェットヘッド52にインクを供給するためのインク供給手段、及びインクジェットヘッド52を清掃するためのクリーニング機構部が設けられている(図示せず)。プリント紙50は、ドラム51の軸方向に平行に設けられた紙圧着ローラー53により、ドラム51に圧着して保持される。そして、送りネジ54がドラム51の軸方向に平行に設けられ、インクジェットヘッド52が螺合されている。そして、送りネジ54を回転することによって、インクジェットヘッド52がドラム51の軸方向に移動するようになっている。
一方、ドラム51は、ベルト55等を介してモータ56により回転駆動される。また、プリント制御手段57は、印画データ及び制御信号に基づいて送りネジ54、モータ56、クリーニング機構部等を駆動させ、また、インクジェットヘッド52にある駆動回路21を駆動させて振動板12を振動させ、制御しながら印刷を行わせる。
本実施の形態2によれば、インクジェットヘッド52を製造する工程において、ステンレス等の機材からなるノズル基材4aの両面から穿孔を行うことにより表面10a及び裏面11aともにテーパ状を有するノズル基板4を得るようにしたので、ワイピングを何万回行っても吐出特性が変化することがなく、高精度の印刷を行うことができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、実施の形態1で示したインクジェットヘッドを印刷装置に搭載した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液滴吐出ヘッドを液滴吐出装置に搭載する場合に適用される。DNA(Deoxyribo Nucleic Acid:デオキシリボ核酸)、他の核酸(例えば、Ribo Nucleic Acid:リボ核酸、Peptide Nucleic Acid:ペプチド核酸等)等、他のバイオ、ウイルス等の生体化学に関する分子(生体分子)のマイクロアレイ、物質検査のマイクロアレイ等を製造、検査等するスポッタ等の装置にも利用することができる。また、カラーフィルタを形成するための化合物を含む溶液、染料の吐出等、他のあらゆる工業用途、家庭用途に、実施の形態1のようにして製造した液滴吐出ヘッドを用いた印刷装置、記録装置に用いることができる。
本発明に係るインクジェットヘッド1のワイピング耐性を調べるため、ワイピングを実施した後のノズル外観異状発生率を調べた。
表1に示すように、テーパ部8の深さlを、2μm〜4μm、4μm〜8μm、8μm〜10μmの3通りに分け、それぞれの深さlに対して、テーパ角θを、5°<θ<12°、12°<θ<20°、20°<θ<27°、27°<θの4通りに分けて、ノズル外観異状の発生を調べた。この際、テーパ部8のテーパ面近傍に、フッ素基含有のシランカップリング剤(例えば、ダイキン工業のオプツールDSX)を塗布して撥インク処理し、撥液膜9を形成した。この際のシランカップリング剤の濃度は、例えば0.05〜0.30wt%、好ましくは0.10〜0.17wt%であり、動粘土は4e−7〜1.4e−5m2/sであった。
表1はワイピングを2万回実施した後のノズル外観異状発生率を調べたものであり、表2はワイピングを4万回実施した後のノズル外観異状発生率を調べたものである。
〇はノズル外観に問題なし、△は一部のノズル外観に問題あり、×は全ノズル外観に問題あり、を示している。
Figure 2006175762
Figure 2006175762
以上の結果から、テーパ部8の深さlが2μm〜10μmの範囲にあり、テーパ角θが12°<θ<20°の範囲にある場合が最もワイピング耐性に優れていることがわかった。
本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドを示した縦断面図。 図1のノズル基板の要部の縦断面図。 図1のノズル基板をインク吐出面側から見た上面図。 実施の形態1に係るノズル基板の製造工程を示した縦断面図。 ノズル基板の裏面側に電極基板が接合されたキャビティ基板を接合した状態を示す縦断面図。 キャビティ基板と電極基板を接合した接合基板の製造工程を示す縦断面図。 図6の製造工程の続きの工程を示した縦断面図。 実施の形態1により製造されたインクジェットヘッドを搭載した印刷装置を示した斜視図。
符号の説明
1 インクジェットヘッド、2 キャビティ基板、3 電極基板、4 ノズル基板、4a ノズル基材、4b ノズル基材の表面側に押し出された材料、6 拡径部、6a 裏面孔、7 ノズル部、7a 貫通孔、8 テーパ部、8a 表面孔、9 撥液膜、10 インク吐出面、10a ノズル基材の表面、11 接合面、11a ノズル基材の裏面、12 振動板、13 吐出室、14 リザーバ、15 オリフィス、17 電極、18 インク供給孔、21 駆動回路、30 第1のポンチ(第1の押圧部材)、31 第2のポンチ(第2の押圧部材)、θ テーパ部のテーパ角、l テーパ部の深さ。

Claims (11)

  1. ノズル部が形成されているノズル基板と、該ノズル基板のノズル部に連通する吐出室とを備え、該吐出室内の液を前記ノズル部から吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記ノズル基板のノズル部の吐出側にテーパ状に拡径したテーパ部を設け、該テーパ部に撥液膜を形成したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記ノズル基板のノズル部の裏面側に拡径部を有することを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記撥液膜が、フッ素基含有のシランカップリング剤よりなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記撥液膜が、チタネート系、又はアルミネート系のカップリング剤よりなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記テーパ部の深さを2μm〜10μmとしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記テーパ部の深さを4μm〜8μmとしたことを特徴とする請求項5記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 前記テーパ部のテーパ角を5°<θ<27°としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  8. 前記テーパ部のテーパ角を12°<θ<20°としたことを特徴とする請求項7記載の液滴吐出ヘッド。
  9. 前記ノズル基板がステンレスであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを有することを特徴とする液滴吐出装置。
  11. ノズル部が形成されているノズル基板と、該ノズル基板のノズル部に連通する吐出室とを備え、該吐出室内の液を前記ノズル部から吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記ノズル基板を、ノズル基材の裏面側より表面側に第1の押圧部材によって押圧してノズル部を形成する工程と、前記ノズル基材の表面側より第2の押圧部材によって押圧して前記ノズル部の表面側にテーパ状に拡径したテーパ部を形成する工程と、前記テーパ部近傍のノズル基材の表面に撥液処理を行って撥液膜を形成する工程とによって形成したことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
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