JP2006175308A - パターン形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、カラーフィルタ及びカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

パターン形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、カラーフィルタ及びカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 パターン形成領域を撥液化した後に、そのパターン形成領域内に液滴を吐出して形成したパターンの形状の均一性を向上したパターン形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、カラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタを提供する。
【解決手段】 正孔輸送層形成液からなる微小液滴を着弾面に吐出する前に、有機EL層形成領域に微小液滴を撥液する撥液層を形成し、同撥液層を形成した後に、有機EL層形成領域をオゾンの雰囲気に晒して、同有機EL層形成領域に紫外光を照射する親液処理を行うようにした。そして、微小液滴の撥液膜表面に対する接触角(隔壁接触角θ24)と微小液滴の着弾面に対する接触角(着弾面接触角θ20)の差分が、所定の値を保つように、上記親液化処理を行うようにした。
【選択図】 図10

Description

本発明は、パターン形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、カラーフィルタ及びカラーフィルタの製造方法に関する。
従来、発光素子を備えるディスプレイには、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を備える電気光学装置としての有機エレクロトルミネッセンスディスプレイ(有機ELディスプレイ)が知られている。
有機EL素子は、一般的に、その有機EL層の構成材料によって製造方法が大別される。すなわち、低分子有機材料を有機EL層の構成材料とする場合には、同低分子有機材料を蒸着して有機EL層を形成する、いわゆる気相プロセスが利用されている。一方、高分子有機材料を有機EL層の構成材料とする場合には、同高分子有機材料を有機溶媒等に溶解した溶液を塗布して乾燥する、いわゆる液相プロセスが利用されている。
なかでも、その液相プロセスにおけるインクジェット法は、前記溶液を微小な液滴(微小液滴)として吐出するため、他の液相プロセス(例えば、スピンコート等)に比べて、有機EL層の形成位置や膜厚等をより高い精度で制御することができる。しかも、インクジェット法は、有機EL層(パターン)を形成する領域(パターン形成領域)にのみ前記液滴を吐出するため、原材料である高分子有機材料の使用量を低減することができる。
ところが、インクジェット法では、パターンを形成する材料(パターン形成材料)と、そのパターン形成材料を溶解した溶媒等からなる溶液を吐出してパターンを形成する。従って、パターン形成領域内には、前記溶媒等の容量によって、パターン形成材料(パターン)よりも大きいサイズの液滴(パターン形成液滴)が形成されるようになる。そのため、パターン形成領域を囲う隔壁がパターン形成液滴に対する親液性を有すると、同パターン形成液滴の一部を他のパターン形成領域に漏らす虞がある。
そこで、インクジェット法では、従来より、こうしたパターン形成液滴の漏れを回避する提案がなされている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、パターン形成領域をフッ素系プラズマに晒すことによって、前記隔壁を撥液化し、パターン形成液滴の漏れを防止している。
特開2002−334782 号広報
しかしながら、特許文献1では、パターン形成領域全体にフッ素系プラズマを晒すため以下の問題を生じる。
すなわち、こうしたフッ素系プラズマ処理では、隔壁に加え、パターン形成領域内であって微小液滴の着弾する面(着弾面)も撥液化されるようになる。着弾面が撥液化されると、同着断面に対する液滴の濡れ性が低くなり(液滴の着弾面に対する接触角が大きくなり)、吐出した液滴が、パターン形成領域の一部に偏倚するようになる。その結果、各微小液滴間の境界等がパターンに形成され、同パターンの形状の均一性(例えば、パターン形成領域内の膜厚均一性やパターン形成領域間の膜厚均一性)を損なう問題となる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、パターン形成
領域を撥液化した後に、そのパターン形成領域内に液滴を吐出して形成したパターンの形状の均一性を向上したパターン形成方法、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、カラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタを提供することである。
本発明のパターン形成方法は、基板のパターン形成面上に形成した隔壁によって囲まれるパターン形成領域に、パターン形成材料を含む液滴を撥液する撥液性を付与した後に前記液滴を吐出することによってパターンを形成するようにしたパターン形成方法において、前記撥液性を付与した後に、前記液滴の前記隔壁に対する接触角と前記液滴の前記パターン形成面に対する接触角の差が、所定の値を保つように前記パターン形成領域を所定の時間だけ活性酸素に晒すようにした。
本発明のパターン形成方法によれば、液滴のパターン形成領域と隔壁の接触角の差を保ちつつ、かつパターン形成面の接触角を下げる事により、パターン形成面の液滴に対する親液性を向上することができる。従って、パターン形成領域からの液滴の漏れを回避して、パターン形成面に対する液滴の濡れ性を向上することができる。ひいては、パターンの形状を均一にすることができ、パターンの生産性を向上することができる。
このパターン形成方法において、前記液滴の前記隔壁に対する接触角が維持される時間だけ、前記パターン形成領域を前記活性酸素に晒すようにした。
このパターン形成方法によれば、隔壁の液滴に対する撥液性を確実に保持することができ、パターン形成面の液滴に対する濡れ性を向上することができる。
このパターン形成方法において、前記液滴の前記パターン形成面に対する接触角が、前記パターン形成面上に前記液滴を濡れ広げるための予め定めた角度になるまで、前記パターン形成領域を前記活性酸素に晒すようにした。
このパターン形成方法によれば、液滴のパターン形成面に対する接触角を、液滴を濡れ広げるための予め定めた角度にすることができる。従って、液滴の濡れ不足によるパターン形状のバラツキを確実に抑制することができる。
このパターン形成方法において、前記パターン形成領域をオゾン雰囲気内に配置することによって、前記パターン形成領域を前記活性酸素に晒すようにした。
このパターン形成方法によれば、パターン形成領域をオゾン雰囲気下に配置する分だけ、パターンの形状を均一にすることができる。
このパターン形成方法において、前記パターン形成領域をオゾン雰囲気内に配置するときに、前記パターン形成領域に紫外光を照射するようにした。
このパターン形成方法によれば、パターン形成領域に紫外光を照射する分だけ、より多くの活性酸素をパターン形成面に供給することができ、パターンの形状を均一にすることができる。
このパターン形成方法において、前記パターン形成領域を酸素プラズマ内に配置することによって、前記パターン形成領域を前記活性酸素に晒すようにした。
このパターン形成方法によれば、パターン形成領域を酸素プラズマ内に配置する分だけ、パターンの形状を均一にすることができる。
このパターン形成方法において、前記撥液性を付与する前に、あらかじめパターン形成領域が親液化される処理を行うようにした。
このパターン形成方法によれば、あらかじめパターン形成領域を親液化する分だけ、パ
ターン形成面の液滴に対する親液性を向上することができる。
このパターン形成方法において、前記液滴を濡れ広げるために、前記パターン形成領域の前記液滴の接触角は30°以下である。
このパターン形成方法によれば、パターン形成領域の液滴の接触角を30°以下にすることができ、パターン形成領域内に液滴を確実に濡れ広げることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、透明基板上のパターン形成領域に発光素子を形成するようにした電気光学装置の製造方法において、前記発光素子を上記するパターン形成方法によって形成するようにした。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、均一な形状の発光素子を有するため、電気光学装置の生産性を向上することができる。
本発明の電気光学装置は、上記する電気光学装置の製造方法によって形成した発光素子を備えた。
本発明の電気光学装置によれば、均一な形状の発光素子を有するため、その生産性を向上することができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基板上のパターン形成領域にカラーフィルタ層を形成するようにしたカラーフィルタの製造方法において、前記カラーフィルタ層を上記するパターン形成方法によって形成するようにした。
本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、均一な形状のカラーフィルタ層を有するため、カラーフィルタの生産性を向上することができる。
本発明のカラーフィルタは、上記するカラーフィルタの製造方法によって形成したカラーフィルタ層を備えた。
本発明のカラーフィルタによれば、均一な形状のカラーフィルタを有するため、その生産性を向上することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図12に従って説明する。図1は、電気光学装置としての有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機ELディスプレイ)を示す概略平面図である。
図1に示すように、有機ELディスプレイ10には基板としての透明基板11が備えられている。透明基板11は、四角形状に形成される無アルカリガラス基板であって、その表面(素子形成面11a)には、四角形状の素子形成領域12が形成されている。その素子形成領域12には、上下方向(列方向)に延びる複数のデータ線Lyが所定の間隔をおいて形成されている。各データ線Lyは、それぞれ透明基板11の下側に配設されるデータ線駆動回路Dr1に電気的に接続されている。データ線駆動回路Dr1は、図示しない外部装置から供給される表示データに基づいてデータ信号を生成し、そのデータ信号を対応するデータ線Lyに所定のタイミングで出力するようになっている。
また、素子形成領域12には、列方向に延びる複数の電源線Lvが所定の間隔をおいて各データ線Lyに併設されている。各電源線Lvは、それぞれ素子形成領域12の下側に形成される共通電源線Lvcに電気的に接続され、図示しない電源電圧生成回路の生成する駆動電源を各電源線Lvに供給するようになっている。
さらにまた、素子形成領域12には、データ線Ly及び電源線Lvと直交する方向(行
方向)に延びる複数の走査線Lxが所定の間隔をおいて形成されている。各走査線Lxは、それぞれ透明基板11の左側に形成される走査線駆動回路Dr2に電気的に接続されている。走査線駆動回路Dr2は、図示しない制御回路から供給される走査制御信号に基づいて、複数の走査線Lxの中から所定の走査線Lxを所定のタイミングで選択駆動し、その走査線Lxに走査信号を出力するようになっている。
これらデータ線Lyと走査線Lxの交差する位置には、対応するデータ線Ly、電源線Lv及び走査線Lxに接続されることによってマトリックス状に配列される複数の画素13が形成されている。その画素13内には、それぞれ制御素子形成領域14と発光素子形成領域15が区画形成されている。そして、素子形成領域12の上側を四角形状の封止基板16(図1における2点鎖線)で覆うことによって、画素13が保護されるようになっている。
尚、本実施形態における各画素13は、それぞれ対応する色の光を発光する画素であって、赤色の光を発光する赤色画素又は緑色の光を発光する緑色画素又は青色を発光する青色画素である。そして、これら各画素13によって、透明基板11の裏面(表示面11b)側にフルカラーの画像を表示するようになっている。
次に、上記する画素13について以下に説明する。図2は、制御素子形成領域14及び発光素子形成領域15のレイアウトを示す概略平面図である。図3及び図4は、それぞれ図2の一点鎖線A−A及びB−Bに沿った制御素子形成領域14を示す概略断面図であって、図5は、図2の一点鎖線C−Cに沿った発光素子形成領域15を示す概略断面図である。
まず、制御素子形成領域14の構成について以下に説明する。図2に示すように、各画素13の下側には、それぞれ制御素子形成領域14が形成され、その制御素子形成領域14には、それぞれ第1トランジスタ(スイッチング用トランジスタ)T1、第2トランジスタ(駆動用トランジスタ)T2及び保持キャパシタCsが形成されている。
図3に示すように、スイッチング用トランジスタT1は、その最下層に第1チャンネル膜B1を備えている。第1チャンネル膜B1は、素子形成面11a上に形成される島状のp型ポリシリコン膜であって、その中央位置には第1チャンネル領域C1が形成されている。その第1チャンネル領域C1を挟む左右両側には、活性化したn型領域(第1ソース領域S1及び第1ドレイン領域D1)が形成されている。つまり、スイッチング用トランジスタT1は、いわゆるポリシリコン型TFTである。
第1チャンネル領域C1の上側には、素子形成面11a側から順に、ゲート絶縁膜Gox及び第1ゲート電極G1が形成されている。ゲート絶縁膜Goxは、シリコン酸化膜等の光透過性を有する絶縁膜であって、第1チャンネル領域C1の上側及び素子形成面11aの略全面に堆積されている。第1ゲート電極G1は、タンタルやアルミニウム等の低抵抗金属膜であって、第1チャンネル領域C1と相対向する位置に形成され、図2に示すように、走査線Lxと電気的に接続されている。その第1ゲート電極G1は、図3に示すように、ゲート絶縁膜Goxの上側に堆積される第1層間絶縁膜IL1によって電気的に絶縁されている。
そして、走査線駆動回路Dr2が走査線Lxを介して第1ゲート電極G1に走査信号を入力すると、スイッチング用トランジスタT1は、その走査信号に基づいたオン状態となる。
第1ソース領域S1には、前記第1層間絶縁膜IL1及びゲート絶縁膜Goxを貫通す
るデータ線Lyが電気的に接続されている。また、第1ドレイン領域D1には、第1層間絶縁膜IL1及びゲート絶縁膜Goxを貫通する第1ドレイン電極Dp1が電気的に接続されている。これらデータ線Ly及び第1ドレイン電極Dp1は、図3に示すように、第1層間絶縁膜IL1の上側に堆積される第2層間絶縁膜IL2によって電気的に絶縁されている。
そして、走査線駆動回路Dr2が、走査線Lxを線順次走査に基づき1本ずつ順次選択すると、画素13のスイッチング用トランジスタT1が順次、選択期間中だけオン状態になる。スイッチング用トランジスタT1がオン状態となると、データ線駆動回路Dr1から出力されるデータ信号が、データ線Ly及びスイッチング用トランジスタT1(チャンネル膜B1)を介して第1ドレイン電極Dp1に出力される。
図4に示すように、駆動用トランジスタT2は、第2チャンネル領域C2、第2ソース領域S2及び第2ドレイン領域D2を有したチャンネル膜B2を備えるポリシリコン型TFTである。その第2チャンネル膜B2の上側には、ゲート絶縁膜Goxを介して第2ゲート電極G2が形成されている。第2ゲート電極G2は、タンタルやアルミニウム等の低抵抗金属膜であって、図2に示すように、スイッチング用トランジスタT1の第1ドレイン電極Dp1及び保持キャパシタCsの下部電極Cp1と電気的に接続されている。これら第2ゲート電極G2及び下部電極Cp1は、図4に示すように、ゲート絶縁膜Goxの上側に堆積される前記第1層間絶縁膜IL1によって電気的に絶縁されている。
第2ソース領域S2は、この第1層間絶縁膜IL1を貫通する保持キャパシタCsの上部電極Cp2に電気的に接続されている。その上部電極Cp2は、図2に示すように、対応する電源線Lvに電気的に接続されている。つまり、駆動用トランジスタT2の第2ゲート電極G2と第2ソース領域S2間との間には、図2及び図4に示すように、第1層間絶縁膜IL1を容量膜とする保持キャパシタCsが接続されている。第2ドレイン領域D2は、第1層間絶縁膜IL1を貫通する第2ドレイン電極Dp2に電気的に接続されている。これら第2ドレイン電極Dp2及び上部電極Cp2は、第1層間絶縁膜IL1の上側に堆積される第2層間絶縁膜IL2によって電気的に絶縁されている。
そして、データ線駆動回路Dr1から出力されるデータ信号がスイッチング用トランジスタT1を介して第1ドレイン領域D1に出力されると、保持キャパシタCsが、出力されたデータ信号に相対する電荷を蓄積する。続いて、スイッチング用トランジスタT1がオフ状態になると、保持キャパシタCsに蓄積される電荷に相対した駆動電流が、駆動用トランジスタT2(チャンネル膜B2)を介して第2ドレイン領域D2に出力される。
次に、発光素子形成領域15の構成について以下に説明する。
図2に示すように、各画素13の上側には、それぞれ四角形状の発光素子形成領域15が形成されている。
図5に示すように、その発光素子形成領域15であって前記第2層間絶縁膜IL2の上側には、陽極20が形成されている。陽極20は、ITO薄膜等からなる光透過性を有する透明導電膜である。その陽極20の一端は、図4に示すように、第2層間絶縁膜IL2を貫通して第2ドレイン領域D2に電気的に接続されている。
その陽極20の上側には、各陽極20を互いに絶縁するシリコン酸化膜等からなる第3層間絶縁膜IL3が堆積され、その第3層間絶縁膜IL3には、陽極20の略中央位置を上側に開口する四角形状の貫通孔21が形成されている。この貫通孔21が形成されることによって、陽極20上面であって貫通孔21と相対向する位置に、微小液滴25b(図11参照)の着弾するパターン形成面としての着弾面20aが区画形成されている。
この着弾面20a及び前記貫通孔21の内表面には、後述する親液化工程(図6におけるステップ13)によって、微小液滴25b(図11参照)に対する親液性を有した親液層Laが形成されるようになっている。尚、本実施形態における親液化工程は、微小液滴25bを撥液する撥液基を水酸基等の親液基に置換して、親液層Laを形成する工程であって、本実施形態における親液性は、微小液滴25bの接触角を20°以下にする性質する性質であるが、この値に限定されるものではない。
前記貫通孔21を有する第3層間絶縁膜IL3の上側には、撥液膜22が形成されている。撥液膜22は、所定の波長からなる露光光Lpr(図7参照)を露光すると、露光された部分のみがアルカリ性溶液等の現像液に可溶となる、いわゆるポジ型の感光性材料で形成され、例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリシラザン系樹脂等の有機高分子材料によって形成されている。その撥液膜22には、貫通孔21と相対向する位置を上側に向かってテーパ状に開口する収容孔23が形成されている。この収容孔23の内周面によって隔壁24が形成されている。
この撥液膜22の表面(隔壁24の表面)には、後述する撥液化工程(図6におけるステップ12)によって、微小液滴25b及び正孔輸送層液滴25D(図11参照)に対する撥液性を有した撥液層Lbが形成されるようになっている。尚、本実施形態における撥液化工程は、有機EL層形成領域S内表面(隔壁24の表面)に、フルオロ基やフルオロカーボン基等の微小液滴25bを撥液する撥液基を導入する工程であって、本実施形態における撥液性は、微小液滴25bの接触角を50°以上にする性質であるが、この値に限定されるものではない。
図5に示すように、これら着弾面20a及び貫通孔21(親液層La)、並びに収容孔23(撥液層Lb)によってパターン形成領域としての有機EL層形成領域Sが構成されている。
そして、本出願人は、図10に示すように、有機EL層形成領域S内の各部位に対する微小液滴25bの接触角が、撥液化工程(ステップS12)後に施す親液化工程(ステップS13)の処理時間Tに対して、それぞれ異なる依存性を示すことを見出した。
すなわち、撥液化工程(ステップS12)において、有機高分子材料で形成される隔壁24(撥液膜22)は、シリコン酸化物やITO等の無機酸化物で形成される貫通孔21及び着弾面20aよりも、フルオロ基やフルオロカーボン基等の撥液基との結合を強固にする。そのため、後述する撥液化工程(ステップS12)において、隔壁24(撥液膜22)は、貫通孔21及び着弾面20aよりも強固な撥液層Lbを形成する。
そして、親液化工程(ステップS13)では、撥液基との強固な結合によって、その酸化を遅延させる分だけ、隔壁24(撥液膜22)の撥液層Lbは、貫通孔21及び着弾面20aの撥液層Lbよりも長時間にわたり撥液性を維持する。
つまり、図10に示すように、親液化工程の処理時間Tに対して、微小液滴25bの隔壁24に対する接触角(隔壁接触角θ24)が、着弾面20a及び貫通孔21に対する接触角(着弾面接触角θ20及び接触貫通孔角θ20)よりも、その角度を長時間維持することを見出した。
収容孔23内であって着弾面20aの上側には、パターン形成材料としての正孔輸送層形成材料25s(図11参照)からなる正孔輸送層25が形成されている。
尚、本実施形態における正孔輸送層形成材料25sは、例えばベンジジン誘導体、スチ
リルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、及びヒドラゾン誘導体等の低分子化合物、又はこれらの構造を一部に含む高分子化合物や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、α−ナフチルフェニルジアミン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物(PEDOT/PSS)(Baytron P、バイエル社商標)等の高分子化合物である。
その正孔輸送層25の上側には、発光層形成材料27s(図12参照)からなる発光層27が積層されている。尚、本実施形態における発光層27は、それぞれ対応する色の発光層形成材料27s(赤色の光を発光する赤色発光層形成材料、緑色の光を発光する緑色発光層形成材料及び青色を発光する青色発光層形成材料)で形成されている。
そして、これら正孔輸送層25と発光層27によってパターンとしての有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)30が形成されている。
有機EL層30上側であって撥液膜22(隔壁24)の上側には、アルミニウム等の光反射性を有する金属膜からなる背面電極としての陰極31が形成されている。陰極31は、素子形成面11a側全面を覆うように形成され、各画素13が共有することによって各発光素子形成領域15に共通する電位を供給するようになっている。
すなわち、これら陽極20、有機EL層30及び陰極31によって、発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)が構成される。
そして、データ信号に応じた駆動電流が第2ドレイン領域D2を介して陽極20に供給されると、有機EL層30は、その駆動電流に応じた輝度で発光する。この際、有機EL層30から陰極31側(図4における上側)に向かって発光された光は、同陰極31によって反射される。そのため、有機EL層30から発光された光は、その殆どが、陽極20、第2層間絶縁膜IL2、第1層間絶縁膜IL1、ゲート絶縁膜Gox、素子形成面11a及び透明基板11を透過して透明基板11の裏面(表示面11b)側から外方に向かって出射する。すなわち、データ信号に基づく画像が有機ELディスプレイ10の表示面11bに表示される。
陰極31の上側には、エポキシ樹脂等からなる接着層32が形成され、その接着層32を介して素子形成領域12を覆う封止基板16が貼着されている。封止基板16は、無アルカリガラス基板であって、画素13及び各種配線Lx,Ly,Lvの酸化等を防止するようになっている。
次に、上記する有機ELディスプレイ10の製造方法について以下に説明する。図6は、有機ELディスプレイ10の製造方法を説明するフローチャートであって、図7〜図12は、同有機ELディスプレイ10の製造方法を説明する説明図である。
図6に示すように、はじめに透明基板11の素子形成面11aに各種配線Lx,Ly,Lv,Lvc及び各トランジスタT1,T2を形成し、隔壁24を形成する隔壁形成工程を行う(ステップS11)。図7は、有機EL層前工程を説明する説明図である。
すなわち、有機EL層前工程では、まず素子形成面11aの全面にエキシマレーザ等によって結晶化したポリシリコン膜を形成し、そのポリシリコン膜をパターニングして各チャンネル膜B1,B2を形成する。次に、各チャンネル膜B1,B2及び素子形成面11aの上側全面に、シリコン酸化膜等からなるゲート絶縁膜Goxを形成し、そのゲート絶縁膜Goxの上側全面にタンタル等の低抵抗金属膜を堆積する。そして、その低抵抗金属膜をパターニングして、各ゲート電極G1,G2、保持キャパシタCsの下部電極Cp1及び走査線Lxを形成する。
各ゲート電極G1,G2を形成すると、同ゲート電極G1,G2をマスクにしたイオンドーピング法によって、それぞれ各チャンネル膜B1,B2にn型不純物領域を形成する。これによって、各チャンネル領域C1,C2、各ソース領域S1,S2及び各ドレイン領域D1,D2を形成する。各チャンネル膜B1,B2にそれぞれ各ソース領域S1,S2及び各ドレイン領域D1,D2を形成すると、各ゲート電極G1,G2、下部電極Cp1、走査線Lx及びゲート絶縁膜Goxの上側全面にシリコン酸化膜等からなる第1層間絶縁膜IL1を堆積する。
第1層間絶縁膜IL1を堆積すると、その第1層間絶縁膜IL1であって各ソース領域S1,S2及び各ドレイン領域D1,D2と相対する位置に一対のコンタクトホールをパターニングする。次に、同コンタクトホール内及び第1層間絶縁膜IL1の上側全面にアルミニウム等の金属膜を堆積し、その金属膜をパターニングすることによって各ソース領域S1,S2に対応するデータ線Lyと保持キャパシタCsの上部電極Cp2をそれぞれ形成する。同時に、各ドレイン領域D1,D2に対応する各ドレイン電極Dp1,Dp2を形成する。そして、データ線Ly、上部電極Cp2、各ドレイン領域D1,D2及び第1層間絶縁膜IL1の上側全面にシリコン酸化膜等からなる第2層間絶縁膜IL2を堆積する。これによって、スイッチング用トランジスタT1及び駆動用トランジスタT2を形成する。
第2層間絶縁膜IL2を堆積すると、その第2層間絶縁膜IL2であって第2ドレイン領域D2と相対向する位置にビアホールを形成する。次に、そのビアホール内及び第2層間絶縁膜IL2の上側全面に、スパッタ法等によって、ITOからなる透明導電膜を堆積し、その透明導電膜をパターニングすることによって第2ドレイン領域D2と接続する陽極20を形成する。陽極20を形成すると、その陽極20及び第2層間絶縁膜IL2の上側全面にシリコン酸化膜等からなる第3層間絶縁膜IL3を堆積する。
第3層間絶縁膜IL3を堆積すると、図7に示すように、第3層間絶縁膜IL3の上側全面に、感光性ポリイミド樹脂等を塗布して撥液膜22を形成する。続いて、撥液膜22上にマスクMkを配設し、撥液膜22の陽極20と相対向する位置に、所定の波長からなる露光光Lprを露光して現像する。これによって、撥液膜22に、収容孔23をパターニングして隔壁24を形成する。
隔壁24を形成すると、収容孔23を有した撥液膜22をマスクにして、第3層間絶縁膜IL3をパターニングし、陽極20の上側に、収容孔23と連通する貫通孔21を形成する。これによって、前記隔壁24、貫通孔21及び着弾面20aによって囲まれる有機EL層形成領域Sを形成し、素子形成面11aに各トランジスタT1,T2及び隔壁24を形成する隔壁形成工程を終了する。
図6に示すように、隔壁形成工程を終了すると(ステップS11)、有機EL層形成領域Sに撥液層Lbを形成する撥液化工程を行う(ステップS12)。図8は、撥液化工程を説明する説明図である。
すなわち、撥液化工程では、図8に示すよう、透明基板11の素子形成面11a全面(有機EL層形成領域S)を、フッ素系のプラズマPs(例えば、CF4等のパーフルオロカーボンプラズマ)に晒す。これによって、有機EL層形成領域S内表面及び撥液膜22上面に、フルオロ基やフルオロカーボン基を有して、微小液滴25b(図11参照)を撥液する撥液層Lbを形成する。
そして、上記したように、有機高分子材料で形成される隔壁24(撥液膜22)は、シリコン酸化物やITO等の無機酸化物で形成される貫通孔21及び着弾面20aよりも、
フルオロ基やフルオロカーボン基等の撥液基との結合を強固にする。そのため、この撥液化工程(ステップS12)において、隔壁24(撥液膜22)は、貫通孔21及び着弾面20aよりも強固な撥液層Lbを形成する。
図6に示すように、撥液化工程を終了すると(ステップS12)、着弾面20a及び貫通孔21の内表面に親液層Laを形成する親液化工程を行う(ステップS13)。図9及び図10は、親液化工程を説明する説明図である。
すなわち、親液化工程では、図9に示すように、透明基板11の素子形成面11a上(有機EL層形成領域S内)をオゾン33の雰囲気に晒して、同素子形成面11aに紫外光ランプ34の出射する紫外光Luvを照射する。
尚、本実施形態では、この親液処理の処理時間Tを、図10に示す着弾面接触角θ20、貫通孔接触角θ21及び隔壁接触角θ24に基づいて、設定時間P2に設定する。
すなわち、図10において、着弾面接触角θ20(貫通孔接触角θ21)が、微小液滴25bを着弾面20a全面に濡れ広げるために必要な接触角(規定接触角θs)以下となる時間であって、かつ隔壁接触角θ24が親液処理前の角度を維持する時間にしている。つまり、着弾面20a表面及び貫通孔21内表面に親液層Laが形成され、収容孔23内容面及び撥液膜22上面に撥液層Lbが形成される時間にしている。しかも、隔壁接触角θ24に対する着弾面接触角θ20の差分が最大値(最大角差θm)を保つ時間、すなわち隔壁24及び撥液膜22表面の撥液性の低下を抑制することができる状態で、着弾面20aの微小液滴25bに対する濡れ性を最も向上することができる時間に設定している。尚、本実施形態では、規定接触角θsを20°とするが、これに限られるものではない。
そして、素子形成面11aへの紫外光Luvの照射を開始すると、着弾面20a及び貫通孔21の内表面は、活性化した酸素(活性酸素)によって、その撥液層Lbが親水性の化学吸着水(例えば、水酸基等)や物理吸着水に置換され、図10に示すように、着弾面接触角θ20及び貫通孔接触角θ21を急激に減少させる。すなわち、着弾面20a及び貫通孔21内表面には、図9に示すように、微小液滴25bに対する親液性を有した親液層Laが形成され、その微小液滴25bに対する濡れ性を向上するようになる。
続いて、処理時間Tが規定時間P1を経過すると、着弾面接触角θ20及び貫通孔接触角θ21は、規定接触角θs以下となって、やがて安定する。
一方、隔壁24(撥液膜22表面)は、着弾面20a及び貫通孔21内表面よりも強固な撥液層Lbを形成する分だけ、図10に示すように、着弾面接触角θ20(貫通孔接触角θ21)よりも、その隔壁接触角θ24を長時間維持する。すなわち、上記親液処理による撥液層Lbの消失を遅延させる。
そのため、上記する親液処理の処理時間Tが経過するに連れて、隔壁接触角θ24に対する着弾面接触角θ20(貫通孔接触角θ21)の差分が、親液処理前の値(初期角差θi:本実施形態では約30°)よりも大きくなる。
そして、処理時間Tが設定時間P2になると、有機EL層形成領域S内は、前記接触角の差分が最大となり、隔壁24及び撥液膜22表面の撥液性の低下が抑制される状態の中で、着弾面20aの濡れ性が最も向上する状態となる。つまり、着弾面20a及び貫通孔21内表面のみが親液化されるようになる。
図6に示すように、上記親液処理によって着弾面20a及び貫通孔21内表面のみを親液化すると、(ステップ13)、収容孔23内に正孔輸送層形成材料25sからなる正孔輸送層液滴25Dを形成して正孔輸送層25を形成する正孔輸送層形成工程を行う(ステ
ップS14)。図11は、その正孔輸送層形成工程を説明する説明図である。
まず、正孔輸送層液滴25Dを形成するための液滴吐出装置の構成について以下に説明する。
図10に示すように、本実施形成における液滴吐出装置を構成する液体吐出ヘッド35には、ノズルプレート36が備えられている。そのノズルプレート36の下面(ノズル形成面36a)には、液体を吐出する多数のノズル36nが上方に向かって形成されている。各ノズル36nの上側には、図示しない液体収容タンクに連通して液体をノズル36n内に供給可能にする液体供給室37が形成されている。各液体供給室37の上側には、上下方向に往復振動して液体供給室37内の容積を拡大縮小する図示しない振動板と、上下方向に伸縮して同振動板を振動させる図示しない圧電素子が配設されている。
そして、液滴吐出装置に搬送される透明基板11は、図11に示すように、素子形成面11aをノズル形成面36aと平行にして、かつ各着弾面20aの中心位置をそれぞれノズル36nの直下に配置して位置決めされる。
ここで、前記液体供給室37内に、正孔輸送層形成材料25sを下層溶媒に溶解して生成した正孔輸送層形成液25Lを供給する。尚、本実施形態における下層溶媒は、親水性の液体であって、例えば、N−メチルピロリドンや1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等である。
そして、液体吐出ヘッド35に正孔輸送層液滴25Dを形成するための駆動信号を入力すると、同駆動信号に基づいて圧電素子が伸縮して液体供給室37の容積が拡大縮小する。このとき、液体供給室37の容積が縮小すると、縮小した容積に相対する量の正孔輸送層形成液25Lが、各ノズル36nから微小液滴25bとして吐出される。吐出された微小液滴25bは、それぞれ有機EL層形成領域S内の着弾面20aに着弾する。続いて、液体供給室37の容積が拡大すると、拡大した容積分の正孔輸送層形成液25Lが、図示しない液体収容タンクから液体供給室37内に供給される。
つまり、液体吐出ヘッド35は、こうした液体供給室37の拡大縮小によって、所定の容量の正孔輸送層形成液25Lを着弾面20aに向かって吐出する。尚、この際、液体吐出ヘッド35は、正孔輸送層液滴25Dに含まれる正孔輸送層形成材料25sが所望する膜厚を形成する分だけ微小液滴25bを吐出する。
そして、着弾面20aに着弾した微小液滴25bは、上記する親液処理によって、着弾面接触角θ20(貫通孔接触角θ21)が規定接触角θs以下になる分だけ、着弾面20a(貫通孔21内)全体に均一に濡れ広がる。均一に濡れ広がる微小液滴25bは、やがて、図11の2点鎖線に示すように、その表面張力と収容孔23の撥液層Lbによって、半球面状の表面を呈する正孔輸送層液滴25Dを形成し、漏れることなく収容孔23(有機EL層形成領域S)内に収容される。
正孔輸送層液滴25Dを形成すると、続いて、透明基板11(正孔輸送層液滴25)を所定の減圧下に配置して同正孔輸送層液滴25Dの下層溶媒を蒸発させ、正孔輸送層形成材料25sを硬化する。硬化する正孔輸送層形成材料25sは、正孔輸送層液滴25Dが着弾面20aに均一に濡れ広がる分だけ、その形状(例えば、有機EL層形成領域S内の膜厚分布や有機EL層形成領域S間の膜厚分布等)を均一にした正孔輸送層25を形成する。
図6に示すように、正孔輸送層25を形成すると(ステップS14)、各発光層27を形成する発光層形成工程を行う(ステップS15)。図11は、発光層形成工程を説明す
る説明図である。
すなわち、発光層形成工程では、図11に示すように、正孔輸送層形成工程と同じく、各色の発光層形成材料27sを含有する発光層形成液27Lの微小液滴27bを、各ノズル36nから対応する正孔輸送層25上に吐出する。そして、吐出した微小液滴27bによって、収容孔23(有機EL層形成領域S)内に発光層液滴27Dを形成し、同発光層液滴27Dを乾燥することによって発光層27を形成する。
この際、正孔輸送層25上に吐出される微小液滴27bは、上記する親液処理によって正孔輸送層25の形状が均一に形成される分だけ均一に濡れ広がり、発光層27の形状を均一にする、すなわち有機EL層30の形状を均一にする。
図6に示すように、発光層27(有機EL層30)を形成すると(ステップS15)、発光層27(有機EL層30)及び撥液膜22上に陰極31を形成し、画素13を封止する有機EL層後工程を行う(ステップ16)。すなわち、有機EL層30及び撥液膜22の上側全面にアルミニウム等の金属膜からなる陰極31を堆積し、陽極20、有機EL層30及び陰極31からなる有機EL素子を形成する。有機EL素子を形成すると、陰極31(画素13)の上側全面にエポキシ樹脂等を塗布して接着層32を形成し、その接着層32を介して封止基板16を透明基板11に貼着する。
これによって、有機EL層30の膜厚分布を素子形成面11a内で均一にした有機ELディスプレイ10を製造することができる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、正孔輸送層形成液25Lからなる微小液滴25bを着弾面20aに吐出する前に、有機EL層形成領域S内表面及び撥液膜22上面に撥液層Lbを形成した。また、撥液層Lbを形成した後に、素子形成面11a上をオゾン33の雰囲気に晒して、同素子形成面11aに紫外光Luvを照射する親液処理を行うようにした。
そして、隔壁接触角θ24に対する着弾面接触角θ20(貫通孔接触角θ21)の差分が、親液処理前の値(初期角差θi)よりも大きくなるように上記親液処理を行うようにした。
従って、有機EL層形成領域S内において、隔壁24及び撥液膜22上面を親液性にすることなく、着弾面20a及び貫通孔21内表面のみに親液層Laを形成することができる。その結果、着弾面20aに着弾した微小液滴25bを着弾面20a及び貫通孔21内表面全面に濡れ広げることができ、かつ同微小液滴25bによって形成する正孔輸送層液滴25D及び発光層液滴27Dを収容孔23(有機EL層形成領域S)内に収容することができる。ひいては、有機EL層30の形状を均一にすることができ、有機ELディスプレイ10の生産性を向上することができる。
(2)上記実施形態では、親液処理の処理時間Tを設定時間P2に設定した。すなわち、着弾面接触角θ20(貫通孔接触角θ21)を規定接触角θs以下にして、かつ隔壁接触角θ24を親液処理前の角度に維持する時間(設定時間P2)だけ、上記親液処理を行うようにした。
従って、隔壁24及び撥液膜22上面に撥液層Lbを保持させることができ、かつ、有機EL層形成領域S内において、着弾面20a及び貫通孔21内表面にのみ親液層Laを形成することができる。ひいては、有機EL層30の形状を、さらに均一にすることができ、有機ELディスプレイ10の生産性を向上することができる。
(3)上記実施形態によれば、設定時間P2を、隔壁接触角θ24に対する着弾面接触角θ20の差分が最大角差θmとなる時間にした。従って、着弾面20aの微小液滴25bに対する濡れ性を最も向上することができ、しかも隔壁24及び撥液膜22上面の撥液性の低下を抑制することができる。ひいては、有機EL層30の形状を、さらに均一にすることができ、有機ELディスプレイ10の生産性を向上することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、設定時間P2を、隔壁接触角θ24に対する着弾面接触角θ20の差分が最大角差θmとなる時間にした。これに限らず、例えば図10に示すように、設定時T2よりも長い時間であって、隔壁接触角θ24に対する着弾面接触角θ20の差分が再び初期角差θiとなる時間(撥液層消失時間P3)よりも短い時間であってもよい。
あるいは、着弾面接触角θ20が規定接触角θsに到達する時間(規定時間P1)であってもよい。
・上記実施形態では、隔壁形成工程(ステップS11)の後に、撥液化工程(ステップS12)を行う構成にしたが、これに限らず、例えば隔壁形成工程と撥液化工程との間に、予め素子形成面11aを酸素プラズマに晒して有機EL層形成領域S内を親液化するようにしてもよい。
これによれば、着弾面20aを予め親液化する分だけ、親液化工程(ステップS13)前の着弾面接触角θ20を低くすることができ、初期角差θiを大きくすることができる。
・上記実施形態では、素子形成面11aをオゾン33の雰囲気に晒して、紫外光Luvを照射するようにしたが、これに限らず、例えばオゾン33の雰囲気に晒すだけであってもよい。さらには、素子形成面11aを酸素プラズマに晒して活性酸素を供給するようにしてもよい。
・上記実施形態では、有機EL素子をボトムエミッション型で構成したが、これに限らず、有機EL素子をトップエミッション型で構成してもよい。また、着弾面20a上に正孔輸送層25を形成すようにしたが、これに限らず、発光層を形成するようにしてもよい。・上記実施形態では、正孔輸送層形成材料25s及び発光層形成材料を有機高分子材料に具体化したが、これに限らず、公知の有機低分子材料あるいは無機材料によって構成してもよい。さらには、発光層27の上層にフッ化リチウムとカルシウムの積層膜等からなる電子注入層を設ける構成にしてもよい。
・上記実施形態では、制御素子形成領域14にスイッチング用トランジスタT1及び駆動用トランジスタT2を備える構成にしたが、これに限定されるものでなく、所望の素子設計によって、例えば1つのトランジスタや多数のトランジスタ、あるいは多数のキャパシタからなる構成にしてもよい。
・上記実施形態では、有機EL層30をインクジェット法によって形成する構成にした。これに限らず、有機EL層30の形成方法は、例えば、スピンコート法等であってもよく、液体を乾燥して硬化させることによって有機EL層30を形成する方法であればよい。・上記実施形態では、圧電素子によって微小液滴25bを吐出するようにしたが、これに限らず、例えば液体供給室37に抵抗加熱素子を設け、その抵抗加熱素子の加熱によって形成される気泡の破裂によって微小液滴25bを吐出するようにしてもよい。
・上記実施形態では、パターンを有機EL層30に具体化したが、これに限らす、例えば各色のカラーフィルタ層で構成してもよく、透明基板11をカラーフィルタとして構成してもよい。
・上記実施形態では、電気光学装置を有機ELディスプレイ10として具体化したが、これに限らず、例えば液晶パネルに装着されるバックライト等であってもよく、あるいは平面状の電子放出素子を備え、同素子から放出された電子による蛍光物質の発光を利用した
電界効果型ディスプレイ(FEDやSED等)であってもよい。
本発明を具体化した有機ELディスプレイを示す概略平面図。 同じく、画素を示す概略平面図。 同じく、制御素子形成領域を示す概略断面図。 同じく、制御素子形成領域を示す概略断面図。 同じく、発光素子形成領域を示す概略断面図。 同じく、電気光学装置の製造工程を説明するフローチャート。 同じく、電気光学装置の製造工程を説明する説明図。 同じく、電気光学装置の製造工程を説明する説明図。 同じく、電気光学装置の製造工程を説明する説明図。 同じく、電気光学装置の製造工程を説明する説明図。 同じく、電気光学装置の製造工程を説明する説明図。 同じく、電気光学装置の製造工程を説明する説明図。
符号の説明
10…電気光学装置としての有機ELディスプレイ、11…基板としての透明基板、15…発光素子形成領域、20a…パターン形成面としての着弾面、24…隔壁、25…パターンを構成する正孔輸送層、25D…正孔輸送層液滴、25s…パターン形成材料としての正孔輸送層形成材料、30…パターンとしての有機エレクトロルミネッセンス層、33…オゾン、Luv…紫外光、P2…設定時間、θs…予め定めた角度としての規定接触角。

Claims (12)

  1. 基板のパターン形成面上に形成した隔壁によって囲まれるパターン形成領域に、パターン形成材料を含む液滴を撥液する撥液性を付与した後に前記液滴を吐出することによってパターンを形成するようにしたパターン形成方法において、
    前記撥液性を付与した後に、前記液滴の前記隔壁に対する接触角と前記液滴の前記パターン形成面に対する接触角の差が、所定の値を保つように前記パターン形成領域を所定の時間だけ活性酸素に晒すようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  2. 請求項1に記載するパターン形成方法において、
    前記液滴の前記隔壁に対する接触角が維持される時間だけ、前記パターン形成領域を前記活性酸素に晒すようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載するパターン形成方法において、
    前記液滴の前記パターン形成面に対する接触角が、前記パターン形成面上に前記液滴を濡れ広げるための予め定めた角度になるまで、前記パターン形成領域を前記活性酸素に晒すようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載するパターン形成方法において、
    前記パターン形成領域をオゾン雰囲気内に配置することによって、前記パターン形成領域を前記活性酸素に晒すようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  5. 請求項4に記載するパターン形成方法において、
    前記パターン形成領域をオゾン雰囲気内に配置するときに、前記パターン形成領域に紫外光を照射するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1つに記載するパターン形成方法において、
    前記パターン形成領域を酸素プラズマ内に配置することによって、前記パターン形成領域を前記活性酸素に晒すようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載するパターン形成方法において、
    前記撥液性を付与する前に、あらかじめパターン形成領域が親液化される処理を行う事を特徴とするパターン形成方法。
  8. 請求項3において、前記液滴を濡れ広げるために、前記パターン形成領域の前記液滴の接触角は30°以下である事を特徴とするパターン形成方法。
  9. 透明基板上のパターン形成領域に発光素子を形成するようにした電気光学装置の製造方法において、
    前記発光素子を請求項1〜8のいずれか1つに記載するパターン形成方法によって形成するようにした電気光学装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載する電気光学装置の製造方法によって形成した発光素子を備えた電気光学装置。
  11. 透明基板上のパターン形成領域にカラーフィルタ層を形成するようにしたカラーフィルタの製造方法において、
    前記カラーフィルタ層を請求項1〜8のいずれか1つに記載するパターン形成方法によって形成するようにしたカラーフィルタの製造方法。
  12. 請求項11に記載するカラーフィルタの製造方法によって形成したカラーフィルタ層を備えたカラーフィルタ。
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