JP2010102892A - 有機el表示パネルの製造方法および装置 - Google Patents

有機el表示パネルの製造方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010102892A
JP2010102892A JP2008272131A JP2008272131A JP2010102892A JP 2010102892 A JP2010102892 A JP 2010102892A JP 2008272131 A JP2008272131 A JP 2008272131A JP 2008272131 A JP2008272131 A JP 2008272131A JP 2010102892 A JP2010102892 A JP 2010102892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
area
coating liquid
partitioned
display panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008272131A
Other languages
English (en)
Inventor
Morimi Hashimoto
母理美 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008272131A priority Critical patent/JP2010102892A/ja
Publication of JP2010102892A publication Critical patent/JP2010102892A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】 バンクで囲まれた区画領域内に有機EL塗布液を吐出して有機化合物層を形成して有機EL表示パネルを製造する方法において、バンク形成時のパターニング誤差による区画領域内の面積変動により、有機化合物層の層厚が設計値からずれてしまう。特に、1枚の基板から複数枚の有機EL表示パネルを製造する量産時には大きな問題である。
【解決手段】 事前に区画領域それぞれの面積を取得し、取得した面積に応じて有機EL塗布液の量を制御しながら区画領域内に前記塗布液を吐出することにより、有機化合物層の層厚のずれを低減する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL表示パネルの製造方法および装置に関するものである。
有機EL素子は、EL発光性能を持つ、有機低分子あるいは有機高分子からなる有機化合物層を有する素子であり、自己発光のため広い視野角性能を有し、また耐衝撃性に優れるなど、表示素子として理想的な特長を有している。このため、有機EL素子を複数配置した有機EL表示パネルの実用化に向け、各種の分野において研究開発が精力的に進められている。
有機化合物層の製造方法として、真空蒸着法、印刷法、インクジェット法、ディスペンス法などが広く研究開発されている。
この中でも特に、インクジェット法(特許文献1)やディスペンス法(特許文献2)は有機化合物の材料利用効率に優れ、量産に適した方法である。これらの溶媒に有機化合物材料を溶解した有機EL塗布液を塗布する製造方法において、有機EL塗布液を塗り分ける目的で、塗布領域をバンク(隔壁)で区画する構造が用いられている。
また、製造コスト低減を目的に、1枚の大判基板に複数の有機EL表示パネルを形成した後、基板を分割して有機EL表示パネルを生産する方法が用いられる。これにより、1枚の大判基板から、複数の表示パネルを効率良く生産することができる。
特開平10−12377号公報 特開2004−209409号公報
高精細の小型パネルの場合、バンクによって区画される領域(以下、区画領域と表記する)の幅は70μm以下、バンクの幅は10μm以下、と非常に微細なパターンを有する。さらに、区画領域内に形成する有機化合物層の層厚が薄いため、有機EL塗布液の塗布量はごく微量である。これらの理由から、バンクをパターニングする時の露光装置アライメント精度や感光性レジストのエッチング精度に起因するパターン形成誤差、すなわち区画領域の面積変動が無視できなくなる。現在、一般的に表示パネルの製造に用いられている、露光装置の精度や感光性レジストの性能では、設計通りにパターニングすることは難しく、平均すると設計パターンから1〜1.5μmの誤差ができてしまう。
つまり、インクジェット法等により区画領域内に有機EL塗布液を塗布する際、設計した面積に合わせて吐出量を一定に制御すると、パターニングにより区画領域の面積が変動するため、溶媒の揮発後に形成される有機化合物層の層厚は設計値からずれてしまう。
例えば、バンク幅が5μm、幅(画素幅に等しい)が27μmのストライプ状の区画領域を有する3インチVGAパネルを形成する場合を考える。バンクを構成する感光性レジストのパターン形成誤差により、バンク幅が片側0.5μmずつ変動した時、固形分濃度2%の塗布液を一定の液量で塗布すると溶媒揮発後の有機化合物層の層厚は約5%変動してしまう。
人の目でみて輝度むらのない表示パネルを実現するためには、有機化合物層の層厚誤差は、表示パネル全体で設計値の3%以下に抑えなければならない。前述したように、区画領域ごとに有機化合物層の膜厚が設計値からずれると、表示パネルの輝度むらという製品不良の原因となり、生産歩留まりを低下させる。
本発明は、上記の課題を解決する為に、基板面内に電極の間に配置された有機化合物層を含む有機EL素子を有し、前記有機化合物層は有機化合物材料を溶媒に溶かした塗布液を区画された領域内に塗布して形成される有機EL表示パネルを、1枚の基板から複数形成する有機EL表示パネルの製造方法であって、前記区画された領域それぞれの面積を取得する工程と、前記取得された面積に応じて前記塗布液の量あるいは濃度を制御しながら、前記区画された領域内に前記塗布液を吐出する工程と、を有することを特徴とする。
また、塗布液を、基板面内の区画された領域内に塗布する塗布装置であって、前記基板面内の一部の区画された領域の画像を取得する手段と、前記取得した画像から前記一部分の区画された領域それぞれの面積を算出する手段と、前記算出した基板面内の一部について算出した面積と予め設定されたアルゴリズムとから、前記基板面内の全体の区画された領域それぞれに塗布する塗布液の量あるいは濃度を算出する手段と、前記算出した量あるいは濃度の塗布液を吐出する吐出量制御手段と、前記塗布液を吐出する吐出口と、を有することを特徴とする塗布装置を用いる。
本発明によると、1枚の基板から複数の高精細な有機EL表示パネルを塗布法により製造する際、基板面内の各有機EL表示パネルに形成された区画領域の面積を取得し、各区画領域の面積に応じて有機EL塗布液の吐出量を制御する。これにより、溶媒揮発後の有機化合物層の層厚を設計値通りに形成することが出来、輝度むらの少ない有機EL表示パネルを量産することができる。
また、本発明は、区画領域の面積を事前に計測し、面積データを吐出制御装置にフィードバックして区画領域毎の吐出量を制御するという簡単な手法により、有機化合物層を設計通りの層厚に形成することができるため、装置コストも安価である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。まず、1枚の有機EL表示パネルについて構成要素に分けて説明する。基板に複数形成される個々の有機EL表示パネルも、同様に構成される。なお、各層や各部材を図面で認識可能な大きさで記述したため、図中の縮尺は実際とは異なっている。
図4は、本発明にかかるボトムエミッションタイプの有機EL表示パネルの一例を説明する断面模式図である。不図示のTFT回路が形成された基板101上に、透明な画素電極103、画素間にバンク102が形成される。以下、支持基板上にTFT回路が形成されたものを単に基板と呼ぶ。
画素電極103上には有機化合物層301が形成され、有機化合物層301の上に上部電極(カソード電極)401が形成される。さらにガラスからなる封止部材402にて封止される。
図5は、本発明にかかるトップエミッションタイプの有機EL表示パネルの断面模式図である。画像を表示する表示領域には、基板101上に各画素を駆動する画素回路、画素回路の凹凸形状を平坦化する平坦化層、平坦化層に形成されたコンタクトホール(いずれも不図示)を介してTFTと導通する反射層501および画素電極103が形成される。表示領域には、さらに有機化合物層を形成する領域を区画するバンク102、各区画領域に有機化合物層301、有機化合物層上に上部電極401が形成される。反射層501は、有機化合物層301から基板側に放射された光を、光取り出し側、つまり上部電極401側へと反射するための層である。
さらに、外気に曝されて水分や酸素等により劣化したり、外力により破壊されるのを防ぐため、ガラス基板やSiN膜などの封止部材402により封止される。
本発明にかかる有機EL表示パネルは、前述した構成に限定されるものではなく、他に表示領域の電気抵抗を下げるための補助電極や有機EL表示パネルの特性を向上させるための機能層等を追加しても良い。
(支持基板および駆動回路)
有機EL表示パネルに用いる支持基板には、ガラスなどの絶縁性材料が用いられ、表示領域に画素回路、表示領域の周辺にゲートドライバ、ソースドライバ、インターフェースドライバ等の駆動回路が形成される。
画素をアクティブ駆動する場合の画素回路の例を図9に示す。画素回路は画素ごとに配置されており、ドライブトランジスタT1、スイッチングトランジスタT2、保持容量Ch、OLED(有機EL素子)から構成されている。OLED(有機EL素子)に、本発明の方法によって形成された有機化合物層が適用される。画素をマトリックス状に配置した場合、支持基板上に形成される回路は、図10に示すような回路となる。
図11は、前記のマトリックス状の回路とインターフェースドライバとを有する有機EL表示パネルの一例を示したものである。マトリックス状の回路は、さらにインターフェースドライバに接続されている。外部からインターフェイスドライバに入力される画像情報は、ゲートドライバ、ソースドライバを介して各画素回路へと送られ、各画素が画像情報に応じて点灯して画像を表示する。駆動回路は、図11のように、表示領域が形成された基板と同一基板上に設けても良いし、ガラスなどの別体に形成した後、基板上にマウントしても良い。
(平坦化膜)
前述の回路の表面を覆うように、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料からなる平坦化膜を形成する。平坦化膜は、回路による凹凸を緩和し、その上に積層される膜が、その凹凸部で不連続になるのを防止する。
平坦化膜には、スイッチングトランジスタと後に形成する画素電極とを、電気的に接続するためのコンタクトホールが形成される。
(画素電極)
アクティブマトリックス駆動の場合、画素電極は画素ごとに形成される。画素電極は、Al、Ag、Au、ITO、IZO、IWZO、IGO、IGZO、ZnO等、有機EL素子の電極として公知の材料を用いることができる。
トップエミッション構造の有機EL表示パネルの場合は、画素電極の下に反射層を形成しても良い。ボトムエミッション構造の有機EL表示パネルの場合は、画素電極には透明な材料を用いる。
(バンク)
バンクは有機化合物層を形成する領域、すなわち、有機EL塗布液の塗布領域を区画するものである。区画領域ごとに異なる材料を形成する場合、隣接する区画領域間で材料が混合するのも防止する。区画の仕方は、画素ごと(格子状パターン)であってもよいし、画素の配列次第で行、もしくは列ごと(ストライプ状パターン)であっても良い。
バンクの材料には絶縁材料が好適に用いられ、特にフッ素樹脂を含有する感光性エポキシ樹脂や、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂材料が好適に用いられる。フッ素樹脂を含有しない材料を用いる場合、バンクの表面にフッ素ラジカルを用いた公知の撥水処理を施してもよい。
バンクの材料は、まず基板全面にスピンコーター等で塗布された後、フォトリソによりパターニングされる。
前述したように、表示パネルの製造に用いられる露光装置やレジストによって形成されるパターニンには、設計パターンから平均で±1〜1.5μmの誤差が生じる。
ここで、塗布法で形成する場合の区画領域のパターン誤差と有機化合物層の設計層厚からの変動との関係を、図3を用いて説明する。
図3は、ストライプ状パターンのバンクで区画された素子の断面斜視図である。
バンク102による区画領域の幅(ここでは画素幅と等しい)をW1、バンクの幅をW2とする。さらに区画領域の長さをL1、塗布法で形成する有機化合物層の設計層厚をd1、バンクのパターニング誤差による区画領域の変動幅をΔWとすると、その時の層厚dxは、以下の式で表わされる。
dx=W1*d1*L1/(W1+ΔW)*L1
dx/d1=W1/(W1+ΔW)
区画領域の幅が小さくなる方向に、両幅のバンクに1μmずつ誤差が生じ、ΔWが2μmとなった時、層厚の変動率は図6のようになり、変動が3%以内に収まるのは、区画領域の幅、つまり画素幅は70μm以上の場合である。
ここでは、ストライプ状パターンに形成された区画領域を例にとって計算したので、L1はW1より十分に長いと仮定し、L1は一定とした。L1が短くなるほど、例えばバンク102を格子状パターンに形成した場合には、L1にもフォトリソによる変動分が大きく影響してくる。
具体的に説明すると、図7のように、基板101上に形成したバンク802の片側にのみパターン誤差が発生した場合(805<803=804=806、ピッチ812〜814は等しい)、区画領域809の幅は他の区画領域よりも広くなる。バンクによる区画領域の幅の違いは区画領域の面積の違いとなり、有機EL塗布液を同じ量ずつ塗布すると、区画領域809に形成される有機化合物層301の層厚は薄くなってしまう。
(有機化合物層)
画素電極上に形成される有機化合物層には、ホール注入層、インターレイヤー、発光層等が含まれるが、インターレイヤーは材料の組み合わせによって省略することもできる。
塗布法では、水や有機溶媒などの溶媒に有機化合物材料を溶かした有機EL塗布液を用いる。水溶性の有機化合物材料や有機溶媒に溶ける有機化合物材料を積層形成する場合、一旦形成した膜がその後塗布した有機化合物材料の溶媒に影響を受けないように、積層順に注意が必要である。特に、有機化合物層は水分によって非常に劣化しやすいため、一旦形成した有機化合物層の上に水溶性の有機化合物材料を塗布形成することはできない。
一般的な塗布法による有機化合物層の積層方法は、まず水溶性のホール注入層材料を塗布し、水分を充分に揮発させてホール注入層を形成する。その後、有機溶媒に溶かしたインターレイヤーや発光層等の有機化合物材料を重ねて塗布し、溶媒を揮発させてインターレイヤーや発光層を形成する。このような順序で形成すれば、水溶性のホール注入層材料が有機溶媒に溶け出すことはなく、ホール注入層が水分で劣化することもない。
ここで、インターレイヤーとは、ホール注入層と発光層の間に設け、ホール注入層に含まれる物質、例えば酸性イオンが発光層に拡散して特性を劣化させるのを防止する層である。
発光層の上にさらに電子注入層等の機能層を積層する場合は、蒸着法等の乾式法で形成することができる。
(上部電極)
有機化合物層上には上部電極が形成される。上部電極には画素電極と同様の材料を用いることができる。ただし、発光した光を取り出すためには、画素電極と上部電極のいずれか一方を透明にしておかなければならない。光取り出し側に形成する電極には、透明導電膜や薄膜金属からなる半透過導電膜、あるいはそれらを積層した透光性の膜を用いる。
(封止構成)
上部電極までを形成した有機EL表示パネルは、水分や衝撃等の外部要因から保護するために封止される。ガラス等の透湿性の低い材料を、UV硬化性樹脂やガラスフリット等の接着剤で基板に接着した封止構成を用いることができる。また、SiNやSiO等の透湿性の低い無機膜や、樹脂膜と透湿性の低い無機膜との積層膜等で有機EL素子を覆う封止構成を用いることもできる。
トップエミッション構造の有機EL表示パネルの場合は、ガラスやSiN等の光透過率の高い材料を用い、ボトムエミッション構造の有機EL表示パネルの場合は、金属等の透過性の低い材料からなる封止管や膜を用いることができる
(製造方法)
続いて、本発明の特徴である有機化合物層の形成工程について図1と図2を用いて詳しく説明する。有機化合物層の形成以外の工程には、従来の製造方法を用いることができる。
図1は有機EL材料を塗布して有機化合物層を形成する装置の模式図である。まず、画素電極103とバンク102とが形成された基板101は、その表面を画像取り込み装置104で撮影される。取得した画像データは画像処理装置105で画像処理され、バンク102による区画領域の位置と面積が算出される。位置データおよび面積データは吐出量制御装置106へ転送され、吐出量制御装置106はそれらのデータに応じて区画領域毎に吐出量を制御する。その結果、各区画領域には、それぞれの面積に応じた量の有機EL塗布液が塗布されるので、溶媒が揮発した後に各区画領域内に形成される有機化合物層の層厚は、ほぼ設計通りにすることができる。
また、区画領域の面積変動は、バンクをパターニングする際の露光工程および現像工程の基板内のむらに起因する。同一の露光装置および現像装置を用いた同一工程においては、むらの発生する傾向が同じである。そこで、パターニングする際の露光工程および現像工程の基板面内のむらを事前に計測し、その結果に基づくアルゴリズムを吐出量制御装置に設定しておいても良い。そうすれば、同一装置かつ同一工程によって形成されるバンクに有機EL塗布液を塗布する際には、基板の一部の区画領域の面積を計測し、前記アルゴリズムによって基板面内の全体の区画領域を塗布することができる。これにより、タクトタイムを格段に短縮することができる。
図2(a)は、1枚の大判基板内に表示パネルを複数形成する際に、各表示パネルの区画領域毎の吐出量を制御する方法として、吐出装置107の吐出口の走査速度を変える例を示した図である。図2(b)は(a)の表示パネル1つを拡大した図である。表示パネルにはストライプ状パターンのバンクが形成されている。バンクは有機EL塗布液の塗布方向と並行な方向だけでなく、その開始端と終端にも設けられ、有機EL塗布液を塗布する領域はバンク102で区画されている。各表示パネルの区画領域ごとに吐出量を制御するには、位置データおよび面積データに応じて、吐出装置107に設けられた吐出口の走査速度υを制御することが簡便で、現実的である。ここで、吐出口の走査速度υは、基板と吐出口の相対速度の意味であって、吐出口を動かしても良いし、基板を動かしても良いし、その両方を動かしても良い。
吐出口の走査速度υによって区画領域内の吐出量を制御する方法は、ディスペンス法に最適であるが、インクジェット法にも用いることができる。インクジェット法を用いる場合は、各表示パネル毎の区画領域の位置データおよび面積データに応じて、各区画領域内の吐出回数を変えても良い。
また、吐出量制御装置106は、吐出量の制御の他に塗布液の濃度を制御するものであってもよい。この場合、吐出量制御装置106は、装置内に基準濃度の有機EL塗布液と溶媒とを備え、区画領域の面積に応じて高速で塗布液中の有機化合物材料の濃度を制御することができる。基準濃度の塗布液に流量制御された溶媒が混合され、濃度が調整される。濃度調整された有機EL塗布液は、吐出口から各区画領域に塗布される。その結果、有機EL塗布液の吐出量を調整した場合と同様に、区画領域の面積に応じて、ほぼ設計値通りの層厚の有機化合物層を形成することができる。
画像取り込み装置104は、塗布動作以前に画像処理と吐出装置の制御データが形成できれば、図1のように吐出装置107とは別の装置であっても良いし、吐出装置107と一体化されていても良い。
(実施例1)
図1は、本発明にかかる製造装置の有機化合物層形成装置の模式図である。
ITOからなる画素電極103などを作製した基板101上の画素間に、ポリイミド樹脂でバンク102を形成した。バンク102にはフッ素ラジカルを用いて撥水処理が行われている。バンクの幅は設計値5μmを中心値として、±1μmの範囲内でばらついていた。バンクは画素の長さ方向に区画するストライプ状とし、区画領域すなわち画素の幅は27μmとした。
300mm×350mmサイズの基板101に、2.5インチ(対角2.5インチ)の大きさの表示パネルを縦に4個、横に3個、合計12個(パネル201〜212)を形成した。図2(a)に表示パネルが形成された基板101の平面図を示す。
まず、基板面内に形成した区画領域の形状を画像取り込み装置104で撮影し、取得した画像データを画像処理装置105で処理して各区画領域の面積を算出し、面積データを吐出量制御装置106へ転送した。吐出量制御装置は、面積データに応じて画領域毎に吐出口の走査速度を制御し、吐出装置107から吐出する塗布液の量を適宜変化させた。1つの区画領域内の塗布速度をυとすると、図8のようにυをパネル毎に変化した。
塗布方式は、塗布液をパルス的に吐出するインクジェット法を採用した。
特開2007−200836有機EL塗布液には、純水に溶かしたホール注入材料のPEDOT/PSS液を用いた。
パネル201〜212のすべてのパネルにおける溶媒揮発後のPEDOT/PSS層の層厚は、設計層厚50nmに対して50nm±0.9nmと、ずれは3%以内であった。
(比較例1)
実施例1と同様の基板に、画像取り込み装置104や、画像処理装置105を取り外し、吐出量を一定に保つ吐出装置を用いて、実施例1と同じPEDOT/PSS液を塗布形成した。乾燥後に得られたPEDOT/PSS層の膜厚を測定したところ、パネル201〜212の全体で、設計層厚に50nmに対して50nm±3.5nmとなり、層厚の目標スペックとしている±3%以下を達成しなかった。
(実施例2)
本実施例では、吐出量の制御に変えて、塗布液の濃度を制御して有機化合物層を塗布した。
フッ素樹脂が含有された感光性エポキシ樹脂でバンク102を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてバンクまでを形成した。バンクはそのままで撥液能力が備わっている。
バンクによる区画領域の形状を画像取り込み装置104で撮影し、取得したデータを画像処理装置105で処理して各区画領域の面積を算出し、吐出量制御装置106へ転送した。吐出量制御装置106は面積データに応じて区画領域毎吐出装置107から吐出する塗布液の濃度を適宜変化させた。塗布液濃度をc、溝内液量をV、膜厚dの関係は、図13に示した通りである。このとき、速度υは一定とした。
塗布方式は、塗布液を連続的に吐出するディスペンス法を採用した。
有機EL塗布液として、発光層材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体poly[2−methoxy,5−(2´−ethylhexoxy)−1,4−phenylen vinylene]をアニソールで希釈したものを塗布した。
パネル201〜212のすべてのパネルにおける乾燥後の発光層の層厚は、設計値80nmに対して、80nm±1.8nmとずれは3%以内であった。
(実施例3)
本実施例では、パネル2個分が入るサイズのフォトマスクを用い、365mm×460mmサイズの基板上に、縦に6個、横に6個の計36個のパネルに該当するバンクをフォトリソにて形成した。図14に本実施例にかかるパネルの一部分を示した。
基板上にバンクを形成する際の露光装置のフォトマスク903のサイズは、図14に示すようにパネル2個分とした。このフォトマスク903を用いて、同一の露光装置でパネル2個分の露光を繰り返し、基板面内の全体にフォトリソ工程を施した。
バンクの材料には実施例2と同じ材料を用いたところ、バンクの幅は設計値5μmを中心値として、±1μmの範囲でばらついていた。バンクによって区画される領域の幅は27μmとした。
まず、基板面内の一部分、つまり1回の露光でパターニングされる2個のパネル(901と902)の区画領域の形状を、画像取り込み装置104で撮影した。そして、基板上の他のパネルの区画領域の形状は、前記露光パターンの繰り返し、つまり、前記画像データの繰り返しであると仮定して、画像処理装置105で基板全体の画像データに処理し、吐出量制御装置106へ転送した。吐出量制御装置は、該画像データに応じてバンクによる区画領域ごとに有機EL塗布液の濃度を制御し、吐出装置107から吐出する有機化合物材料の量を適宜変化させた。塗布液の濃度をc1、溝内液量をV1、膜厚d1の関係は、図13に示した通りである。このとき、速度υは一定とした。
塗布方式は、塗布液を連続的に吐出するディスペンス方式を採用した。
有機EL塗布液は、発光層材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体poly[2−methoxy,5−(2´−ethylhexoxy)−1,4−phenylen vinylene]をアニソールで希釈したものを用いた。
基板面内のすべての表示パネルにおける乾燥後の発光層の膜厚は、80nm±2.0nmであった。
以上より、大型の基板に対して、フォトマスク1枚を複数回繰り返して使用する場合、できあがった区画領域の形状は、フォトマスク1回使用時の繰り返しとなる。すなわち、大型の基板上の区画領域の形状は、その部分的な計測をもって全体が容易に予想され、区画領域毎に濃度を変化させるによって膜厚を制御することができた。
本実施例では有機EL塗布液の濃度を制御したが、本実施例と同様に、基板の区画領域の部分的な計測をもって全体を予想し、吐出口の速度を制御しても膜厚を制御することができる。
(実施例4)
図4は本発明による有機EL表示パネルの模式図である。300mm×350mmのガラス基板101上に、長さ90μmのITO電極103、感光性エポキシ樹脂でバンク102を形成した。バンク102は、実施例2と同様に後処理無しで撥液性がある。バンクの幅は設計値5μmを中心値として、±1μmの範囲内でばらついていた。区画領域の幅は27μmとした。本実施例の基板も、実施例1と同様、1枚の大判基板で、パネル数12個が一度に作製出来る。
ディスペンス法を用いた他は実施例1と同様にして、区画領域の面積に応じて吐出口の走査速度変化させてPEDOT/PSS層を塗布し、その後溶媒を充分揮発させてホール注入層50nmを形成した。続いて、発光層材料には、ポリパラフェニレンビニレン誘導体poly[2−methoxy,5−(2´−ethylhexoxy)−1,4−phenylen vinylene]を用いた。実施例2と同様にアニソールで希釈してホール注入層の上に塗布し、溶媒を充分乾燥させて80nmの発光層を形成した。
その後、電子注入層としてCsCoを35nmと、上部電極としてAl層401を100nmを真空蒸着で形成し、表示パネルごとに封止部材402としてガラスキャップをUV硬化性樹脂で接着し、封止した。
最後に大判基板をスクライバーで切断し、12個の表示パネルに分割した。
作製した表示パネルの取り出し電極に電源と外部回路を接続して発光させたところ、輝度は約300cd/cm2で、官能試験で人間の目には輝度バラツキを見つけることはできなかった。表示パネルにおけるホール注入層および発光層の設計値からの層厚誤差を検査するため、表示パネル内の複数箇所の断面SEM観察したところ、ホール注入層および発光層のどちらも設計層厚からの誤差は3%以内であった。
このような有機発光パネルは、図12に示すようなデジタルカメラ1401、携帯端末1402、テレビ1403などに応用することが可能である。
本発明による湿式の有機EL製造装置の模式図 (a)本発明にかかる複数の表示パネルを形成した湿式の有機EL製造装置の平面模式図、(b)本発明の1表示パネルに形成された有機EL素子のバンク構造を説明する平面模式図 本発明のバンク製造精度と塗布膜厚の関係を説明する有機EL素子のバンク近傍(1つの溝内に塗布した場合)の概念図 本発明による有機EL素子(ボトムエミッションタイプ)の断面模式図 本発明による有機EL素子(トップエミッションタイプ)の断面模式図 本発明の説明に用いた塗布溝幅と膜厚変動率の関係を計算した結果 従来の湿式の有機EL製造方法で作製した有機EL素子の断面模式図 本発明による大判基板で複数のパネルを形成する湿式の有機EL製造装において、隣接パネル間の塗布速度が異なる結果を示した図 本発明の有機EL素子とそれを駆動するための回路とを示す模式図 本発明の有機EL素子のマトリックス回路 有機EL表示パネルの一例を示した模式図 図11で示した有機EL表示装置を搭載した機器を示す模式図 実施例2にかかる塗布液濃度c、溝内液量V、膜厚dの関係を示した図 実施例3にかかる複数の表示パネルを配置した基板の一部分を示した平面模式図
符号の説明
101 基板
102、802、815 バンク(隔壁)
103、816 画素電極
104 画像取り込み装置
105 画像処理装置
106 吐出量制御装置
107 吐出装置
108 塗布装置から吐出した溶液
109 有機EL塗布液の乾燥前の液面高さ
201〜212、901、902 パネル
301 有機化合物層
401 上部電極(カソード電極)
402 封止部材
501 反射電極
803、804、805、806 バンク幅
807、808、809、810 区画領域幅
811、812、813、814 画素ピッチ
903 バンクパターニング用のフォトマスク
1401 デジタルカメラ
1402 携帯端末
1403 テレビ

Claims (4)

  1. 基板面内に電極の間に配置された有機化合物層を含む有機EL素子を有し、前記有機化合物層は有機化合物材料を溶媒に溶かした塗布液を区画された領域内に塗布して形成される有機EL表示パネルを、1枚の基板から複数形成する有機EL表示パネルの製造方法であって、
    前記区画された領域それぞれの面積を取得する工程と、
    前記取得された面積に応じて前記塗布液の量あるいは濃度を制御しながら、前記区画された領域内に前記塗布液を吐出する工程と、
    を有することを特徴とする有機EL表示パネルの製造方法。
  2. 前記区画された領域それぞれの面積を取得する工程は、前記基板面内の一部に設けられた区画された領域の面積を取得する工程であり、
    前記取得された面積に応じて前記塗布液の量を制御しながら、前記区画された領域内に前記塗布液を吐出する工程は、前記基板面内の一部の区画された領域の面積と予め設定されたアルゴリズムとに従って塗布液の量を制御する工程であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  3. 前記塗布液を吐出する工程はディスペンス法、もしくはインクジェット法によるものであって、前記塗布液を吐出する吐出口の走査速度を制御することにより、前記区画された領域内に吐出する塗布液の量を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  4. 塗布液を、基板面内の区画された領域内に塗布する塗布装置であって、
    前記基板面内の一部の区画された領域の画像を取得する手段と、
    前記取得した画像から前記一部の区画された領域それぞれの面積を算出する手段と、
    前記算出した基板面内の一部について算出した面積と予め設定されたアルゴリズムとから、前記基板面内の全体の区画された領域それぞれに塗布する塗布液の量あるいは濃度を算出する手段と、
    前記算出した量あるいは濃度の塗布液を吐出する吐出量制御手段と、
    前記塗布液を吐出する吐出口と、
    を有することを特徴とする塗布装置。
JP2008272131A 2008-10-22 2008-10-22 有機el表示パネルの製造方法および装置 Pending JP2010102892A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008272131A JP2010102892A (ja) 2008-10-22 2008-10-22 有機el表示パネルの製造方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008272131A JP2010102892A (ja) 2008-10-22 2008-10-22 有機el表示パネルの製造方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010102892A true JP2010102892A (ja) 2010-05-06

Family

ID=42293378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008272131A Pending JP2010102892A (ja) 2008-10-22 2008-10-22 有機el表示パネルの製造方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010102892A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013188737A (ja) * 2012-02-16 2013-09-26 Tdk Corp 液体材料吐出装置
WO2022180481A1 (ja) * 2021-02-26 2022-09-01 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置および電子機器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013188737A (ja) * 2012-02-16 2013-09-26 Tdk Corp 液体材料吐出装置
WO2022180481A1 (ja) * 2021-02-26 2022-09-01 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置および電子機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10985217B2 (en) High resolution organic light-emitting diode devices, displays, and related methods
JP3915810B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置、その製造方法、及び電子機器
JP4211804B2 (ja) デバイス、膜形成方法及びデバイスの製造方法
US7897211B2 (en) Method for forming film pattern and method for manufacturing an organic EL device, a color filter substrate and a liquid crystal display device
JP6494525B2 (ja) 高解像度有機発光ダイオードデバイス、ディスプレイ、および関連方法
JP4998710B2 (ja) 表示装置の製造方法
JP2005331665A (ja) 電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP2008091070A (ja) 発光装置及び電子機器
JP2007311235A (ja) デバイス、膜形成方法、及びデバイスの製造方法
JP2007311236A (ja) デバイス、膜形成方法及びデバイスの製造方法
JP4497156B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置及び電子機器
JP2009081097A (ja) 電気光学装置および電子機器
JP2007080603A (ja) 膜パターンの形成方法、デバイスの製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置
JP2007280866A (ja) 薄膜デバイス、有機el装置および液晶表示装置、電子機器、薄膜デバイスの製造方法、有機el装置の製造方法および液晶表示装置の製造方法
JP2007044582A (ja) 表面処理方法、電気光学装置の製造方法及び電気光学装置
JP2005276479A (ja) 電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP4306599B2 (ja) パターン形成基板、電気光学装置及び電気光学装置の製造方法
JP2008066054A (ja) 電気光学装置およびその製造方法
JP2010102892A (ja) 有機el表示パネルの製造方法および装置
JP2007061674A (ja) 機能膜の形成方法、有機el表示パネルの製造方法、液晶表示パネルの製造方法、プラズマディスプレイパネルの製造方法、カラーフィルタの製造方法、及び電子機器
JP2007090134A (ja) 膜パターンの形成方法、デバイスの製造方法
JP2004198486A (ja) 画像表示素子及びその製造方法
JP2005078911A (ja) パターニングが施された基板およびその製造方法、並びに有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法
JP2005063870A (ja) 有機el装置とその製造方法、並びに電子機器
JP2010092595A (ja) 有機el素子の製造方法および製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100201

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100630