ここで、その実施例が添付図面で図示される、本開示の種々の例示的実施形態を詳細に参照する。可能な限り、同一の参照番号が、同一または類似部品を指すために図面の全体を通して使用されるであろう。
本明細書および添付の請求項の目的で、別様に指示されない限り、本明細書および請求項で使用される、数量、パーセンテージ、または割合および他の数値を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるもの(まだそのように修飾されていない限り)として理解されるものである。したがって、反対に指示されない限り、以下の明細書および添付の請求項に記載される数値的パラメータは、得られることが求められる所望の性質に応じて変動し得る、近似値である。少なくとも、請求項の範囲に対する均等物の教義の適用を限定する試行としてではなく、各数値的パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、通常の四捨五入技法を適用することによって解釈されるべきである。
本明細書および添付の請求項で使用されるように、「1つの(a、an)」および「該(the)」という単数形、ならびに任意の言葉の任意の単数の使用は、明示的かつ明白に1つの指示対象に限定されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本明細書で使用されるように、「含む」という用語およびその文法的変異形は、リストの中の項目の記述が、記載された項目に置換または追加することができる他の類似項目を除外しないように、非限定的であることを目的としている。
さらに、本説明の用語は、本発明を限定することを目的としていない。例えば、「下に」、「下方に」、「下の」、「上部」、「底部」、「上方に」、「上の」、「水平な」、「垂直な」、および同等物等の空間的相対用語が、図で図示されるような別の要素または特徴に対する1つの要素または特徴の関係を表すために使用されてもよい。これらの空間的相対用語は、図に示される位置および配向に加えて、使用または動作にデバイスの異なる位置(すなわち、場所)および配向(すなわち、回転配置)を包含することを目的としている。例えば、図中のデバイスがひっくり返される場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と表される要素は、次いで、他の要素または特徴の「上方に」あるか、またはそれを「覆う」であろう。したがって、「下方に」という例示的な用語は、デバイスの全体的配向に応じて、上方および下方の位置および配向の両方を包含することができる。デバイスは、別様に配向され(90度または他の配向で回転させられ)てもよく、本明細書で使用される空間的相対記述子は、適宜、解釈され得る。
本明細書で使用されるように、「ピクセル」は、発光ピクセルアレイの最小の機能的に完全な反復単位を意味することを目的としている。「サブピクセル」という用語は、必ずしも発光部分の全てではないが、ピクセルの離散発光部分を構成する、ピクセルの一部分を意味することを目的としている。例えば、フルカラーディスプレイでは、ピクセルは、赤、緑、および青等の3原色サブピクセルを含むことができる。モノクロディスプレイでは、サブピクセルおよびピクセルという用語は、同等であり、同義的に使用され得る。
「連結される」という用語は、電子構成要素を指すために使用されるとき、信号(例えば、電流、電圧、または光学信号)を一方からもう一方まで伝達することができるように、2つ以上の電子構成要素、回路、システム、または(1)少なくとも1つの電子構成要素、(2)少なくとも1つの回路、あるいは(3)少なくとも1つのシステムの任意の組み合わせの接続、結合、または関連を意味することを目的としている。2つ以上の電子構成要素、回路、またはシステムの接続、結合、または関連は、直接的であり得、代替として、中間接続、結合、または関連が存在してもよく、したがって、連結は、必ずしも物理的接続を必要とするわけではない。
当業者であれば、「高解像度」という用語が、概して、100ピクセルパーインチ(ppi)より大きい解像度を意味し、300ppiが、時として、超高解像度と称され得ることを容認するであろう。当業者であれば、ピクセル密度がディスプレイのサイズに直接相関しないことも認識するであろう。本明細書で開示される種々の例示的実施形態は、小型および大型ディスプレイサイズで高解像度を達成するために使用することができる。例えば、約3インチ〜約11インチのサイズを有するディスプレイを、高解像度ディスプレイとして実装することができる。また、最大55インチ以上のテレビディスプレイ等の大型サイズを有するディスプレイもまた、高解像度ディスプレイを達成するために、本明細書で説明される種々の例示的実施形態とともに使用することができる。
本明細書で使用されるように、表面の「上に」ある層または構造は、層が、それを覆って層が形成される表面に直接隣接または直接接触している場合、および表面を覆って形成されている層または構造の間に介在層または構造がある場合の両方を含む。
「反応表面活性材料」という用語は、ディスプレイの製造中に層の表面に適用されるときに、OLEDディスプレイの層の少なくとも1つの性質を修正するために使用することができる材料を意味することを目的とする。例えば、材料を放射に暴露させること等の反応表面活性材料が処理されるとき、反応表面活性材料と関連付けられる層の物理、化学、および/または電気性質のうちの少なくとも1つを変化させることができる。例示的実施形態では、「液体親和性領域」および「液体反発領域」という用語は、反応表面活性材料が処理される前および/または後に反応表面活性材料と関連付けられる層の表面上で生成される、結果として生じる相対表面エネルギーを指すために使用することができる。例えば、「液体親和性領域」は、液体が水性流体であるときに、液体親和性領域部分が、例えば、比較的親水性であり得るように、液体を引き付ける傾向がある表面エネルギーを有する、層の表面の一部分を指すために使用することができる。「液体反発領域」という用語は、液体が水性流体であるときに、液体反発部分が、例えば、比較的疎水性であり得るように、液体に反発する傾向がある表面エネルギーを有する、層の表面の一部分を指すために使用することができる。しかしながら、液体反発部分は、完全に流体に対して疎性である必要はない。換言すると、液体反発部分は、流体に完全に反発する表面エネルギーを有さないが、代わりに、液体反発部分が液体親和性領域に隣接するとき、液体は、液体反発領域から離れて移動し、液体親和性領域に引き付けられる傾向があろう。
種々の因子が、OLEDディスプレイ製造技法における有機発光層の堆積精度に影響を及ぼし得る。そのような因子は、例えば、ディスプレイ解像度、液滴径、標的液滴領域、液滴配置誤差、OLED層材料および1つ以上のキャリア流体の組み合わせから成るOLED層材料(例えば、活性OLED材料)インクと関連付けられる流体性質(例えば、表面張力、粘度、沸点)、および液滴が堆積させられる速度を含む。ディスプレイ解像度が、例えば、100ppi以上、または例えば、300ppi以上に増加すると、OLEDディスプレイ製造のためにインクジェット印刷技法を使用することに種々の問題が生じる。従来の印刷技法で使用される高精度インクジェットヘッドは、約1ピコリットル(pL)から約50ピコリットル(pL)に及ぶ液滴径を生成することができ、約10pLが、高精度インクジェット印刷用途のための比較的一般的なサイズである。従来のインクジェット印刷システムの液滴配置精度は、約±10μmである。種々の例示的実施形態では、液滴配置誤差を補償するように、閉じ込めウェルを基板上に提供することができる。閉じ込めウェルは、OLED材料が所望のサブピクセル領域を越えて移動することを防止する構造であり得る。液滴が、完全に閉じ込めウェル内等の基板上の所望の場所に着地することを確実にするために、種々の例示的実施形態は、システムの液滴配置誤差の2倍を加えた液滴直径と同じくらい幅が広くなるように閉じ込めウェルを構成する。例えば、10pL液滴の直径は、約25μmであり、したがって、前述のパラメータは、その最小寸法で少なくとも45μm(25μm+(2*10μm))の閉じ込めウェルの使用を示すであろう。1pL液滴についてさえも、液滴直径は、その最小寸法で少なくとも32μmの閉じ込めウェルを示す、12μmである。
その最小寸法で少なくとも45μmの閉じ込めウェルに依拠する種々のピクセルレイアウトを、最大100ppiの解像度を有するOLEDディスプレイで使用することができる。しかしながら、100ppi以上の高解像度ディスプレイでは、例えば、10pL液滴が大きすぎ、液滴配置精度が悪すぎるため、各サブピクセルの周囲で閉じ込めウェルの中への液滴の一貫した装填を確実に提供することができない。加えて、上記のように、高解像度ディスプレイについては、閉じ込めウェルを画定するために使用される構造で増大した量のディスプレイ領域を覆うことにより、各ピクセルの曲線因子に悪影響を及ぼし得、曲線因子は、全ピクセル領域に対するピクセルの発光領域の比として定義される。曲線因子が減少すると、各ピクセルは、同一の全体的ディスプレイ輝度を達成するように、より激しく駆動されなければならず、それによって、ディスプレイの各ピクセルの寿命および性能を減少させる。
超高解像度ディスプレイを用いた作業の上記の課題のうちのいくつかをさらに例証するために、図1は、1つの従来のピクセルレイアウト1700を図示する。ピクセル1750は、並んだ構成で配列されるサブピクセル1720、1730、1740を備えることができ、サブピクセル1720は、赤色スペクトル範囲内の発光と関連付けられ、サブピクセル1730は、緑色スペクトル範囲内の発光と関連付けられ、サブピクセル1740は、青色スペクトル範囲内の発光と関連付けられる。各サブピクセルは、サブピクセル1720、1730、1740に直接対応する閉じ込めウェルを形成する、閉じ込め構造1704によって包囲することができる。1つのサブピクセル電極は、電極1726がサブピクセル1720に対応し、電極1736がサブピクセル1730に対応し、電極1746がサブピクセル1740に対応するように、各閉じ込めウェルと関連付けることができる。サブピクセル1720は、幅Dを有することができ、サブピクセル1730は、幅Cを有することができ、サブピクセル1740は、幅Bを有することができ、これは、相互と同一であり得るか、または異なり得る。示されるように、全てのサブピクセルは、長さAを有することができる。加えて、寸法E、F、およびGは、閉じ込めウェル開口部の間の間隔を示すことができる。寸法E、F、Gに割り当てられる値は、場合によっては、特に、より低い解像度のディスプレイで、非常に大きく、例えば、100μmより大きくあり得る。しかしながら、より高い解像度のディスプレイについては、活性ピクセル領域を最大限化し、したがって、曲線因子を最大限化するために、これらの寸法を最小限化することが望ましい。図1で図示されるように、影付きの領域によって示される活性ピクセル領域は、サブピクセル閉じ込めウェルのそれぞれの内側の領域全体である。
種々の因子は、寸法E、F、Gに影響を及ぼし得、例えば、これらの寸法の最小値は、処理方法によって制限することができる。例えば、本明細書で説明される種々の例証的実施形態では、最小寸法としてE=F=G=12μmである。例えば、326ppi解像度を有するディスプレイでは、ピクセルピッチは、78μmに等しくあり得、E=F=G=12μmである。サブピクセル1720、1730、1740のそれぞれと関連付けられる閉じ込めウェルは、14μm×66μm(すなわち、寸法B×A、C×A、およびD×A)の標的液滴面積を有することができ、14μmは、10pLの体積を有するインクジェット液滴の使用に関して上記で議論される、45μmの最小寸法より有意に小さい。それはまた、1pL液滴について上記で議論される32μm寸法より小さい。加えて、活性ピクセル領域(すなわち、発光と関連付けられる領域)および全ピクセル領域の比として定義される、ピクセルの曲線因子は、46%である。換言すると、ピクセル領域の54%が、閉じ込め構造1704に対応する。同じように、440ppi解像度を有するディスプレイでは、ピクセルピッチPは、58μmに等しくあり得、E=F=G=12μmである。発光サブピクセル1720、1730、1740のそれぞれと関連付けられる閉じ込めウェルは、例えば、7μm×46μmの標的液滴面積を有することができ、7μmの直径は、10pLおよび1pLインクジェット液滴の両方の正確な液滴配置について上記で議論される最小寸法より有意に小さい。この場合において、440ppiを有するディスプレイの曲線因子は、約30%である。
本明細書で説明される種々の例示的実施形態による堆積技法は、例えば、高解像度ディスプレイ等の電子ディスプレイのための閉じ込めウェルの装填および活性OLED層の堆積において、向上した信頼性を提供することができる。活性OLED層は、例えば、以下の層のうちの1つ以上、すなわち、正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層、および正孔遮断層を含むことができる。上記で識別される活性OLED層のうちのいくつかの実装が好ましく、いくつかの活性OLED層の実装は、電子ディスプレイにとって随意的である。例えば、正孔注入層または正孔輸送層等の少なくとも1つの正孔伝導層、ならびに有機発光層が存在しなければならない。全ての他の上記で識別される層は、OLEDディスプレイ等の電子ディスプレイの発光および電力効率を変化させる(例えば、向上させる)ように、所望に応じて含まれてもよい。
本明細書で説明される閉じ込めウェル構成の種々の例示的実施形態は、高いピクセル解像度を維持しながら、閉じ込めウェルのサイズを増大させることができる。例えば、種々の例示的実施形態は、複数のサブピクセルに及ぶ、比較的大型の閉じ込めウェルを使用し、それによって、比較的高いピクセル密度も達成しながら、比較的達成可能な液滴径の使用、および活性OLED層の堆積における従来の印刷システム精度を可能にする。したがって、より小さい液滴体積を伴う特別に構成または再構成されたプリントヘッド、および入手可能である場合もあり、そうでない場合もある、新しい印刷システムを必要とするよりもむしろ、1pL〜50pLの範囲内の液滴体積を堆積させるインクジェットノズルを使用することができる。また、そのようなより大型の閉じ込めウェルを使用することによって、わずかな製造誤差が堆積精度に有意な悪影響を及ぼさず、堆積した活性OLED層は、閉じ込めウェル内に含有されたままとなることができる。
種々の例示的実施形態によると、インクジェット印刷技法は、活性OLED層の十分に一様な堆積を提供することができる。例えば、OLEDディスプレイで典型的に使用される種々の構成要素は、閉じ込めウェルの頂面層上の様々な高さ、例えば、約100ナノメートル(nm)以上だけ異なる高さのトポグラフィをもたらす。例えば、それぞれ、異なるサブピクセルと関連付けられる、別々にアドレス指定可能な電極を形成するために、間隙が隣接電極の間に形成されるように、電極等の構成要素が基板上に堆積されてもよい。どの活性OLED層がディスプレイの基板上に配置された電極を覆って堆積させられるかにかかわらず、電極の頂面の平面と、隣接電極間の領域中のディスプレイの基板の頂面との間の高度差は、後に堆積したOLED層のトポグラフィに寄与し得る。本開示による、例示的なインクジェット印刷技法および結果として生じるディスプレイは、活性OLED層の厚さが、例えば、活性電極領域にわたって十分に一様であるように、活性OLED層が堆積させられることを可能にし、活性電極領域は、そこから光が発せられる活性サブピクセル領域と関連付けられる電極の領域であり得る。例示的実施形態では、少なくとも活性電極領域にわたるOLED層の厚さは、サブピクセル電極の厚さより薄くあり得る。活性電極領域にわたるOLED層の十分に一様な厚さは、望ましくない視覚アーチファクトを低減させることができる。例えば、所与の堆積領域が電極および非電極領域の両方を含むときでさえも、その領域内で堆積薄膜の厚さの非一様性を最小限化するように、OLEDインク調合および印刷プロセスを実装することができる。換言すると、電極構造によって覆われない堆積領域内の部分は、それを覆ってOLED層が堆積領域内で堆積させられる基礎的構造にOLED層が十分に一致することができるように、OLED層トポグラフィに寄与し得る。堆積薄膜の厚さの非一様性を最小限化することにより、特定のサブピクセル電極がアドレス指定され、活性化されるときに、実質的に一様な発光を提供することができる。
さらに他の例示的実施形態によると、本開示によって考慮されるピクセルレイアウト構成は、活性領域の面積を増大させることができる。例えば、閉じ込め構造は、ディスプレイの非活性部分(例えば、閉じ込め構造と関連付けられる基板領域)が削減されるように、複数のサブピクセルに及ぶ隣接領域を有する、閉じ込めウェルを画定することができる。例えば、種々の従来のOLEDディスプレイのように各サブピクセル電極を包囲する閉じ込め構造よりもむしろ、各サブピクセル電極を異なるピクセルと関連付けることができる、閉じ込め構造によって、複数の個別にアドレス指定されたサブピクセル電極を包囲することができる。閉じ込め構造によって占められる面積を縮小することによって、各ピクセルの活性領域に対する非活性領域の比が増加させられるため、曲線因子を最大限化することができる。曲線因子のそのような増加を達成することにより、より小さいサイズのディスプレイにおいて高解像度を可能にするとともに、ディスプレイの寿命を向上させることができる。
さらに他の例示的実施形態によると、本開示は、基板上に配置される閉じ込め構造を含む、有機発光ディスプレイを考慮し、閉じ込め構造は、アレイ構成で複数のウェルを画定する。ディスプレイはさらに、各ウェル内に配置され、相互から離間される、複数の電極を含む。ディスプレイはさらに、複数のウェルのうちの少なくとも1つの中に第1、第2、および第3の有機発光層を含むことができ、各層は、それぞれ、第1、第2、および第3の発光波長範囲を有する。第1および第2の有機発光層と関連付けられるウェル内に配置される、いくつかの電極は、第3の有機発光層と関連付けられるウェル内に配置される、いくつかの電極とは異なる。
さらに他の例示的実施形態によると、本開示は、基板上に配置される閉じ込め構造を含む、有機発光ディスプレイを考慮し、閉じ込め構造は、第1のウェル、第2のウェル、および第3のウェルを含む、アレイ構成で複数のウェルを画定する。ディスプレイはさらに、第1のウェル内に配置され、異なるピクセルと関連付けられる、第1の複数の電極と、第2のウェル内に配置され、異なるピクセルと関連付けられる、第2の複数の電極と、第3のウェル内に配置される、少なくとも1つの第3の電極とを含むことができ、第1および第2のウェルのそれぞれの内側に配置される、いくつかの電極は、第3のウェル内に配置される、いくつかの電極とは異なる。ディスプレイはさらに、第1のウェルの中に配置される、第1の発光波長範囲を有する第1の有機発光層と、第2のウェルの中に配置される、第2の発光波長範囲を有する第2の有機発光層と、第3のウェルの中に配置される、第3の発光波長範囲を有する第3の有機発光層とを含むことができる。
種々の他の例示的実施形態によると、デバイスの寿命を延長させるように、ピクセルレイアウト構成を配列することができる。例えば、サブピクセル電極サイズは、対応する有機発光層の波長範囲に基づくことができる。例えば、青色波長範囲内の発光と関連付けられるサブピクセル電極は、それぞれ、赤色または緑色波長範囲内の発光と関連付けられるサブピクセル電極より大きくあり得る。OLEDデバイスの中の青色発光と関連付けられる有機層は、典型的には、赤色または緑色発光と関連付けられる有機層に対して、短縮した寿命を有する。加えて、低減した輝度レベルを達成するようにOLEDデバイスを操作することにより、デバイスの寿命を増加させる。(例えば、当業者に周知されているように、サブピクセルをアドレス指定するときに供給される電流を調整することによって)赤色および緑色サブピクセルの輝度より小さい相対輝度を達成するように、青色サブピクセルを駆動することに加えて、それぞれ、赤色または緑色サブピクセルに対して青色サブピクセルの放射領域を増大させることによって、青色サブピクセルは、ディスプレイの適正な全体的カラーバランスを依然として提供しながら、異なる色のサブピクセルの寿命の平衡をより良好に保つ働きをすることができる。この寿命の向上した平衡は、青色サブピクセルの寿命を延長させることによって、ディスプレイの全体的寿命を増加させることができる。
図2は、本開示の例示的実施形態による、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ100の1つの例示的なピクセル配列の部分平面図を図示する。図3Aは、OLEDディスプレイを形成するための種々の構造を描写する、基板の1つの例示的実施形態の図2で識別される断面3A−3Aに沿った断面図を図示する。図3Bは、OLEDディスプレイを形成するための種々の構造を描写する、基板の1つの例示的実施形態の図2で識別される断面3B−3Bに沿った断面図を図示する。
OLEDディスプレイ100は、概して、選択的に駆動されたときに、ユーザに表示される画像を生成することができる光を発する、例えば、点線境界150、151、152によって画定されるような複数のピクセルを含む。フルカラーディスプレイでは、ピクセル150、151、152は、異なる色の複数のサブピクセルを含むことができる。例えば、図2で図示されるように、ピクセル150は、赤色サブピクセルR、緑色サブピクセルG、および青色サブピクセルBを含むことができる。図2の例示的実施形態で見ることができるように、サブピクセルは、同一のサイズである必要はないが、例示的実施形態では、そうあり得る。ピクセル150、151、152は、ピクセルを画定するために付加的な構造が必要ではないように、発光を引き起こす回路を駆動することによって画定することができる。代替として、本開示の例示的実施形態は、複数のピクセル150、151、152の輪郭を描くように、ディスプレイ100内に含むことができる、ピクセル画定構造の種々の新しい配列を考慮する。当業者であれば、ピクセルおよびサブピクセルの間のより明瞭な描写を提供するために使用される、従来のピクセル画定構造の材料および配列を周知している。
図2に加えて、図3Aおよび3Bを参照すると、OLEDディスプレイ100は、基板102を含むことができる。基板102は、1つ以上の材料の1つ以上の層を含むことができる、任意の剛性または可撓性構造であり得る。基板102は、例えば、ガラス、ポリマー、金属、セラミック、またはそれらの組み合わせを含むことができる。簡単にするために図示されていないが、基板102は、当業者であれば周知している、付加的な電子構成要素、回路、または伝導性部材を含むことができる。例えば、以下でさらに詳細に議論される他の構造のうちのいずれかを堆積させる前に、薄膜トランジスタ(TFT)(図示せず)を基板上に形成することができる。TFTは、例えば、活性半導体層の薄膜、誘電体層、および金属接点のうちの少なくとも1つを含むことができ、当業者であれば、そのようなTFTの製造で使用される材料を周知するであろう。活性OLED層のうちのいずれかは、以下で議論されるように、基板102上に形成されるTFTまたは他の構造によって生成される任意のトポグラフィに一致するように堆積させることができる。
閉じ込め構造104が複数の閉じ込めウェルを画定するように、閉じ込め構造104を基板102上に堆積させることができる。例えば、閉じ込め構造104は、バンク構造であり得る。複数のサブピクセルを、各閉じ込めウェルと関連付けることができ、各閉じ込めウェル内に堆積させられる有機発光材料は、閉じ込めウェルと関連付けられる全てのサブピクセルが同一の発光色を有することを可能にする。例えば、図2の配列では、閉じ込めウェル120は、Rによって表される赤色光を発するサブピクセルと関連付けられる、OLEDインクの液滴を受容することができ、閉じ込めウェル130は、Gによって表される緑色光を発するサブピクセルと関連付けられる、OLEDインクの液滴を受容することができ、閉じ込めウェル140は、Bによって表される青色光を発するサブピクセルと関連付けられる、OLEDインクの液滴を受容することができる。当業者であれば、以下でさらに説明されるように、閉じ込めウェルがまた、例えば、付加的な有機発光材料および正孔伝導層を含むが、それらに限定されない、種々の他の活性OLED層も含むことができると理解するであろう。
閉じ込め構造104は、複数のサブピクセルと関連付けられる材料を閉じ込めるように、閉じ込めウェル120、130、140を画定することができる。加えて、閉じ込め構造104は、隣接ウェルの中へのOLEDインクの拡散を防止することができ、および/または堆積薄膜が閉じ込め構造104によって境界される領域内で連続的であるように、(適切な幾何学形状および表面化学を通して)装填および乾燥プロセスに役立つことができる。例えば、堆積薄膜の縁は、閉じ込めウェル120、130、140を包囲する閉じ込め構造104に接触することができる。閉じ込め構造104は、単一の構造であり得るか、または閉じ込め構造104を形成する複数の別個の構造から成ることができる。
閉じ込め構造104は、例えば、写真品質画像のポリマーまたは感光シリコーン誘電体等のフォトレジスト材料等の種々の材料で形成することができる。閉じ込め構造104は、処理後に、OLEDインクの腐食作用に対して実質的に不活性であり、低ガス放出を有し、閉じ込めウェル縁に浅い(例えば、<25度)側壁傾斜を有し、および/または閉じ込めウェルの中へ堆積させられるOLEDインクのうちの1つ以上に向かった高疎性を有し、所望の用途に基づいて選択され得る、1つ以上の有機成分を含むことができる。好適な材料の実施例は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PMGI(ポリメチルグルタルイミド)、DNQ−Novolacs(異なるフェノールホルムアルデヒド樹脂との化学ジアゾナフトキノンの組み合わせ)、SU−8レジスト(MicroChem Corp.製の一連の広く使用されている専売エポキシ系レジスト)、従来のフォトレジストおよび/または本明細書で記載される前述の材料のうちのいずれかのフッ素化変形例、および有機シリコーンレジストを含むが、それらに限定されず、それのそれぞれは、閉じ込め構造104の所望の特性をさらに調節するように、相互または1つ以上の添加剤とさらに組み合わせることができる。
閉じ込め構造104は、任意の形状、構成、または配列を有する、閉じ込めウェルを画定することができる。例えば、閉じ込めウェル120、130、140は、長方形、正方形、円形、六角形等の任意の形状を有することができる。単一のディスプレイ基板内の閉じ込めウェルは、同一の形状および/またはサイズ、あるいは異なる形状および/またはサイズを有することができる。異なる発光色と関連付けられる閉じ込めウェルは、異なる、あるいは同一の形状および/またはサイズを有することができる。また、隣接閉じ込めウェルを交互の発光色と関連付けることができ、または隣接閉じ込めウェルを同一の発光色と関連付けることができる。加えて、閉じ込めウェルは、列および/または行で配列することができ、列および/または行は、一様または非一様な整合を有することができる。
閉じ込めウェルは、例えば、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の種々の製造方法のうちのいずれかを使用して形成することができ、シャドウマスキング、1つ以上のフォトリソグラフィステップ(例えば、フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、そうでなければ堆積技法中に達成されない任意の付加的なパターン形成を達成することができる。
図2で図示されるように、種々の例示的実施形態による閉じ込めウェル120、130、140は、複数のピクセル150、151、152に及ぶように、閉じ込め構造104によって画定することができる。例えば、ピクセル150は、異なる閉じ込めウェル120、130、140の各部分である、赤色サブピクセルR、緑色サブピクセルG、および青色サブピクセルBを含む。各閉じ込めウェル120、130、140は、106、107、108、109、136、137、138、139、142、144等の複数の電極を含むことができ、閉じ込めウェル120、130、140内の電極は、間隙Sが閉じ込めウェル内の隣接電極の間に形成されるように、相互から離間することができる。例示的実施形態では、間隙Sは、任意の隣接電極から電極を電気的に単離するために十分なサイズであり得、具体的には、隣接電極の活性電極領域を相互から単離することができる。間隙または空間Sは、電流漏出を低減させ、サブピクセル画定および全体的ピクセル画定を向上させることができる。
例証を明確かつ容易にするために省略されているが、駆動回路を基板102上に配置することができ、そのような回路は、活性ピクセル領域(すなわち、発光領域)の下、または非活性ピクセル領域(すなわち、非発光領域)内のいずれかに配置することができる。加えて、図示されていないが、回路は、閉じ込め構造104の下に配置することもできる。駆動回路は、閉じ込めウェル内の他の電極から独立して、各電極を選択的にアドレス指定することができるように、各電極に連結することができる。電極の間の間隙Sにより生じる、非一様なトポグラフィの領域は、以下でさらに詳細に説明される。
閉じ込めウェル120、130、140内の各電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、異なるサブピクセルと関連付けることができる。例えば、図2で図示されるように、閉じ込めウェル120は、赤色発光と関連付けることができる。電極106、107、108、109は、各電極が異なるピクセル(例えば、ピクセル151および152が図示されている)のサブピクセルをアドレス指定するように動作可能である、閉じ込めウェル120内に位置付けることができる。少なくとも2つの電極を各閉じ込めウェル120、130、140内に位置付けることができる。閉じ込めウェル120、130、140内に位置付けられる電極の数は、同一であり得るか、他の閉じ込めウェルとは異なり得る。例えば、図2で図示されるように、閉じ込めウェル140は、青色発光と関連付けられる、2つのサブピクセル電極142、144を含むことができ、閉じ込めウェル130は、緑色発光と関連付けられる、4つのサブピクセル電極136、137、138、139を含むことができる。
例示的実施形態では、閉じ込め構造104は、電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144の一部分の上に配置することができる。図3Aおよび3Bで図示されるように、閉じ込めウェル120は、閉じ込め構造104によって画定することができ、閉じ込め構造104は、電極を覆うことなく、電極106、108の一部分を部分的に覆って、かつ基板102を直接部分的に覆って配置される。代替として、閉じ込め構造104は、隣接閉じ込めウェルの電極の間で基板102を覆って配置することができる。例えば、閉じ込め構造104が基板102上に直接配置され、電極のいかなる部分も覆って配置されないように、閉じ込め構造104は、異なるサブピクセル発光色と関連付けられる電極の間に形成される空間内で基板102上に配置することができる。そのような構成(図示せず)では、サブピクセルに対応する電極を、閉じ込め構造104に直接隣接して(隣接して)配置することができるか、またはサブピクセル画定を達成することができるように、電極を閉じ込め構造104から離間することができるかのいずれかである。
電圧が電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144に選択的に印加されるとき、ピクセル150、151、152等のピクセルのサブピクセル内で発光を生成することができる。電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、透明または反射性であり得、金属、混合金属、合金、金属酸化物、混合酸化物、またはそれらの組み合わせ等の伝導性材料で形成することができる。例えば、種々の例示的実施形態では、電極は、インジウムスズ酸化物、マグネシウム銀、またはアルミニウムで作製することができる。電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、任意の形状、配列、または構成を有することができる。例えば、図3Aを参照すると、電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、頂面106a、108aが実質的に平面であり、基板102の表面と平行であり得る一方で、電極の側縁106b、108bが実質的に基板の表面と垂直であり得るか、あるいは基板の表面に対して角度を成し、および/または丸みを帯び得るように、外形を有することができる。
さらに、電極の活性部分、すなわち、発光と関連付けられる部分は、電極表面とOLED層との間にいかなる介在絶縁基板構造も伴わずに、堆積したOLED層の直下に配置される電極のこれらの部分であることに留意されたい。一例として、図3Aを再度参照すると、閉じ込め構造104の下に配置される電極106および108の部分が、電極領域の活性部分から除外される一方で、電極106および108の領域の残りの部分は、電極領域の活性部分の中に含まれる。
電極は、熱蒸発、化学蒸着、またはスパッタリング方法によって等、種々の方法で堆積させられてもよい。電極のスパッタリングは、例えば、シャドウマスキングまたはフォトリソグラフィを使用して達成されてもよい。上記のように、電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、図3Aのような種々の断面図で最も良く示される、トポグラフィが基板102上に形成されるように、厚さを有し、離間することができる。例示的実施形態では、電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144は、60nm〜120nmに及ぶ厚さを有することができるが、この範囲は、非限定的であり、より大きいまたは小さい厚さも可能である。
図3Aおよび3Bに示される正孔伝導層110および有機発光層112等の1つ以上の活性OLED層を、各閉じ込めウェル120、130、140内に提供することができる。活性OLED層は、各閉じ込めウェル120、130、140内の電極106、107、108、109、136、137、138、139、142、144の厚さおよびその間の間隔、ならびにそれぞれの活性OLED層の厚さに起因する、トポグラフィに十分に一致することができるように堆積させることができる。例えば、活性OLED層は、ウェル内で連続的であり得、各閉じ込めウェル内に配置される基礎的電極構造の結果として生じたトポグラフィに十分に一致し、それに従うよう、厚さを有することができる。
したがって、堆積したOLED層は、基板と平行であり、かつ閉じ込めウェル全体にわたる単一の平面内に位置しない、表面トポグラフィをもたらし得る。例えば、OLED層110、112の一方または両方は、基板102上に配置される電極を含む、任意の表面特徴と関連付けられる相対的くぼみまたは突出により、ディスプレイの単一の平面内で非平面的かつ非連続的であり得る(ディスプレイの平面は、基板102と平行な平面として意図される)。示されるように、OLED層110、112は、OLED層の頂面が、基礎的表面特徴のトポグラフィに従う、結果として生じるトポグラフィを有することができるように、基礎的表面特徴トポグラフィに十分に一致することができる。換言すると、各堆積したOLED層は、基板102上に配置される全ての基礎的な層および/または表面特徴が、堆積させられた後にOLED層の結果として生じる非平面的な頂面トポグラフィに寄与するように、これらの基礎的な層に十分に一致する。このようにして、ディスプレイの平面と平行である閉じ込めウェルにわたる平面内で、層が平面に対して上昇および/または下降すると、層110または112、あるいは両方における非連続性が生じ得、既存の表面特徴が閉じ込めウェル内の電極、回路、ピクセル画定層等から提供される。活性OLED層110および/または112は、基礎的表面トポグラフィに完全には一致する必要がない(例えば、以下で説明されるように、縁領域および同等物の周囲で厚さの局所的な非一様性があり得る)が、材料の有意な蓄積または消耗がない、十分に共形のコーティングが、さらに均一で一様かつ再現可能なコーティングを助長することができる。
図3Aに示されるように、各層110、112は、各層が閉じ込めウェル120内の実質的に全ての表面特徴(例えば、サブピクセル電極、回路、ピクセル画定層等)を覆って配置され、各層の縁が閉じ込めウェル120を包囲する閉じ込め構造104に接触するように、閉じ込めウェル120全体内で実質的に連続的であり得る。種々の例示的実施形態では、完全に閉じ込めウェル内で離散的な連続層を形成して、ウェル内の層においていかなる非連続性(換言すると、活性OLED層材料が欠落しているウェル内の領域)も実質的に防止するように、活性OLED層材料を堆積させることができる。そのような非連続性は、サブピクセルの放射領域内で望ましくない視覚アーチファクトを引き起こし得る。各層110、112は、閉じ込めウェル内で実質的に連続的であるが、それでもなお、それを覆って層が堆積させられる閉じ込めウェルの中に配置された特徴の既存のトポグラフィに十分に一致すると、層の上昇/下降により、上記のように単一の平面内で非連続的であることに留意する価値がある。例えば、例示的実施形態では、そのような上昇および/または下降が、例えば、50nmである、ウェル内の堆積層の最も薄い部分の厚さより大きい、例えば、100nmである量によるものである場合、OLED材料層は、ウェル内のディスプレイと平行な平面内で連続的ではないであろう。
層110、112は、より一様な発光を提供し得る、実質的に一様な厚さを各閉じ込めウェル内で有することができる。本願の目的で、実質的に一様な厚さとは、活性電極領域を覆う等の平面領域を覆うOLED層の平均的な厚さを指すことができるが、また、後述のような厚さの微小変動または局所的な非一様性も包含することができる。図3Aの平面領域、例えば、106a、108a、および間隙の底面にわたって、実質的に一様なOLEDコーティングについて、OLED層の平均的な厚さからの厚さの変動は、±10%未満または±5%未満等の±20%未満であり得ることが予測される。
しかしながら、上記のように、厚さの局所的な非一様性が、表面トポグラフィおよび/または表面化学の変化を包囲する、層110、112の部分で生じ得、そのような領域中で、薄膜の厚さは、実質的に、上記で特定される±20%、±10%、または±5%パラメータから局所的に逸脱し得ることを考慮されたい。例えば、連続層の厚さの局所的な非一様性は、閉じ込めウェル構造104の縁で、(以下で議論される)ピクセル画定層の縁で、(例えば、106b、108bに沿った)電極縁側壁上で、または電極が基板表面に交わる場所で等、基板102上に配置される表面特徴と関連付けられるトポグラフィおよび/または基板102上に配置される表面特徴の間の表面化学の変化により、生じ得る。局所的な非一様性は、薄膜の厚さの偏差につながり得る。例えば、局所的な非一様性は、電極106、108の(例えば、106a、108aに沿った)活性電極領域を覆って提供される層110、112の厚さから逸脱し得る。非一様性は、電極、回路、ピクセル画定層等の縁等で、閉じ込めウェル内の基板102上に配置される、そのような表面特徴の周囲で約5μm〜10μmの範囲内の略限局性「縁効果」偏差を生成し得る。本願の目的で、そのような「縁効果」偏差は、ウェル内で「実質的に一様な厚さ」を有するものとしてOLED薄膜コーティングを表すときに包含されることを目的としている。
例示的実施形態では、各層110、112の厚さは、層が電極の活性領域間の間隙を横断すると形成される薄膜内のくぼみにより、各層の上面がディスプレイの平面と平行な単一の平面(すなわち、基板と平行な平面)内に位置しないように、電極の厚さ以下であり得る。これは、例えば、基板102の平面と平行である平面Pを図示するように鎖線が提供されている、図3Aで図示されている。示されるように、層110、112は、それぞれ、電極106、108の活性電極領域にわたって層110、112の領域内で実質的に一様である、平均的な厚さを有することができる。しかしながら、層110、112はまた、これらの表面特徴の縁(例えば、間隙に隣接する電極106、108の縁)の周囲等の表面特徴によって引き起こされる、トポグラフィ変化と関連付けられる領域中にわずかな限局性の非一様な厚さを含むこともできる。
層110、112は、任意の製造方法を使用して堆積させることができる。例示的実施形態では、正孔伝導層110および有機発光層112は、インクジェット印刷技法を使用して堆積させることができる。例えば、正孔伝導層110の材料は、閉じ込めウェルの中への確実かつ一様な装填を提供するように処方される、インクジェットインクを形成するように、キャリア流体と混合させることができる。正孔伝導層110を堆積させるためのインクは、インクジェットヘッドノズルから各閉じ込めウェルの中へ、高速で基板に送達することができる。種々の例示的実施形態では、全ての閉じ込めウェル120、130、140内で同一の正孔伝導層110の堆積を提供するよう、同一の正孔伝導材料を閉じ込めウェル120、130、140の全てに送達することができる。材料が正孔伝導層110を形成するように閉じ込めウェルの中へ装填された後、任意のキャリア流体が蒸発することを可能にするように、ディスプレイ100を乾燥させることができ、設定された期間にわたって、ディスプレイを熱、真空、または周囲条件に暴露することを含むことができる、プロセスである。乾燥に続いて、ディスプレイは、例えば、堆積した薄膜の品質または全体的なプロセスのために有益である、化学反応または変化を薄膜形態において誘発するように、堆積した薄膜材料を処理するよう、高温で焼き付けられてもよい。各有機発光層112と関連付けられる材料は、閉じ込めウェルの中への確実かつ一様な装填を提供するように処方されるインクジェットインクを形成するように、有機溶剤または溶剤の混合物等のキャリア流体と同様に混合させることができる。次いで、各発光色と関連付けられる適切な閉じ込めウェル120、130、140内でインクジェットプロセスを使用して、これらのインクをインクジェット堆積させることができる。例えば、赤色有機発光層と関連付けられるインク、緑色有機発光層と関連付けられるインク、および青色有機発光層と関連付けられるインクは、対応する閉じ込めウェル120、130、140の中へ別々に堆積させられる。異なる有機発光層112を同時または連続的に堆積させることができる。有機発光層と関連付けられるインクのうちの1つ以上を用いた装填後、ディスプレイは、正孔伝導層について上記で説明されるように、同様に乾燥させて焼き付けることができる。
図示されていないが、材料の付加的な活性OLED層を閉じ込めウェル内に配置することができる。例えば、OLEDディスプレイ100はさらに、正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、正孔遮断層、電子輸送層、電子注入層、湿気防止層、カプセル化層等を含むことができ、その全ては、当業者に周知であるが、ここでは詳細に議論されない。
正孔伝導層110は、有機発光層112の中への正孔の注入を促進する、材料の1つ以上の層を含むことができる。例えば、正孔伝導層110は、例えば、正孔注入層等の正孔伝導材料の単一の層を含むことができる。代替として、正孔伝導層110は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン:ポリ(スチレンスルホン)(PEDOT:PSS)等の正孔注入層、およびN,N′−Di−((1−ナフチル)−N,N′ −ジフェニル)−1,1′ −ビフェニル)−4,4′ −ジアミン(NPB)等の正孔輸送層のうちの少なくとも1つ等の複数の層を含むことができる。
有機発光層112が、電極によって生成されるトポグラフィ、電極の間の空間、および正孔伝導層のトポグラフィに十分に一致するように、有機発光層112は、正孔伝導層110を覆って堆積させることができる。有機発光層112は、有機エレクトロルミネセンス材料等の発光を促進する材料を含むことができる。
例示的実施形態では、OLEDスタック(例えば、閉じ込めウェル内の電極を覆って堆積させられる全ての活性OLED層)の厚さは、10nm〜250nmに及ぶことができる。例えば、正孔輸送層は、10nm〜40nmに及ぶ厚さを有することができ、正孔注入層は、60nm〜150nmに及ぶ厚さを有することができ、有機発光層は、30nm〜150nmに及ぶ厚さを有することができ、随意に、正孔遮断層、電子輸送層、および電子注入層は、10nm〜60nmに及ぶ、組み合わされた厚さを有することができる。
例示的実施形態では、層110、112のそれぞれを生成するために、約10pL以下の体積を有する液滴が使用され得ることが考慮される。種々の例示的実施形態では、5pL以下、3pL以下、または2pL以下の液滴体積が使用されてもよい。OLED層110、112は、上記の体積を有する、1個〜20個の液滴を使用して形成することができる。
1つの例示的かつ限定的な実施形態では、本開示は、隣接ウェル間の幅が本実施形態では12μmであり得る、326ppiの解像度(例えば、ピッチ=78um)を有するディスプレイについて、赤色、緑色、または青色発光と関連付けられるウェル120、130、140の面積が、66μm×66μmであり得るように配列される、閉じ込めウェルを考慮する。そのような配列の赤色または緑色サブピクセル発光と関連付けられる面積は、31.5μm×31.5μmであり得、青色サブピクセル発光と関連付けられる面積は、66μm×30μmであり得、図1を参照して説明される従来のRGB並列レイアウトに対する46%の曲線因子と比較して、65%の全体的ピクセル曲線因子につながる。別の例示的かつ非限定的実施形態である440ppiの解像度(例えば、ピッチ=58μm)を有するディスプレイについては、赤色、緑色、または青色発光と関連付けられるウェル120、130、140の面積が46μm×46μmであり得、再度、隣接ウェル間の幅が、本実施形態では12μmであるように、閉じ込めウェルを配列することが考慮される。そのようなディスプレイ構造の赤色または緑色サブピクセル発光と関連付けられる面積が、20.3μm×20.3μmである一方で、青色サブピクセル発光と関連付けられる面積は、76μm×49.1μmであり得、それによって、図1を参照して説明される従来のRGB並列レイアウトに対する30%の曲線因子と比較して、約46%の曲線因子を生成する。これらの実施形態では、隣接ウェル間の幅は、12μmであり得るが、上記で議論されるように、この幅が異なる値を帯びることができる一方で、(活性電極領域に割り当てられる基板領域のより大きな割合を提供するように)より小さい値が望ましくあり得、ウェル構造の形成への処理制約および回路レイアウト制約が、この寸法に下限を効果的に設定し得る。12μmという値は、これらの実施例の代表として選択されるが、当業者であれば、本開示および請求項の範囲から逸脱することなく、他の寸法、例えば、20μmのようなより大きい寸法、8μm、6μm、またはさらに1μmのようなより小さい寸法を使用できることを理解するであろう。当業者であればさらに、上記の実施例では、赤色、緑色、および青色閉じ込めウェルがそれぞれ、同一の寸法を有するが、他の配列も可能であることを理解することができる。例えば、異なる発光色と関連付けられる2つの閉じ込めウェルは、同一の寸法を有することができ、さらに別の異なる発光色と関連付けられる1つの閉じ込めウェルは、異なる寸法を有することができ、または各発光色と関連付けられる閉じ込めウェルは、異なる寸法を有することができる。
本開示による、これらの例示的な非限定的配列は、440ppiという超高解像度の場合にさえも45μmより大きい最小ウェル寸法を有する、閉じ込めウェルを提供し、したがって、例えば、約10pLの液滴体積が使用されることを可能にすることができ、それによって、既存のインクジェット印刷から利用可能な液滴体積の使用を可能にすることによって、製造を単純化する。加えて、上記の例示的な非限定的配列は、それぞれ、326ppiおよび440ppiの場合について約43%および84%だけ、従来のRGB並列レイアウトと比較してピクセル曲線因子を増加させる。より一般的には、本開示による種々の例示的実施形態は、40%以上の増進が可能である、超高解像度ディスプレイ等のインクジェットを使用して製造される高解像度ディスプレイの曲線因子の増進を提供する。
当業者に周知であるように、堆積に続いて、有機発光層112を覆って共通電極(図示せず)を配置することができる。共通電極が堆積させられた後、共通電極の結果として生じるトポグラフィは、有機発光層112のトポグラフィに十分一致することができる。共通電極は、任意の製造技法を使用して、例えば、真空熱蒸発、スパッタリング、化学蒸着、スプレーコーティング、インクジェット印刷、または他の技法によって、堆積させることができる。共通電極は、透明または反射性であり得、金属、混合金属、合金、金属酸化物、混合酸化物、またはそれらの組み合わせ等の伝導性材料で形成することができる。例えば、インジウムスズ酸化物またはマグネシウム銀の薄い層である。共通電極の厚さは、約30nm〜500nmに及ぶことができる。
加えて、共通電極は、任意の形状、配列、または構成を有することができる。例えば、共通電極は、単一のサブピクセルまたは単一のピクセルと関連付けられる離散層として配置することができる。代替として、共通電極は、複数のサブピクセルまたはピクセルを覆って、例えば、ディスプレイ100のピクセル配列全体を覆って配置することができる。例えば、共通電極は、閉じ込めウェル120、130、140内に、ならびに閉じ込め構造104を覆って堆積させられる、ブランケットであり得る。共通電極の堆積の前に、電子輸送層、電子注入層、および/または正孔遮断層等の付加的な活性OLED層(簡単にするために示されていない)を有機発光層112上に堆積させることができる。そのような付加的なOLED層は、インクジェット印刷によって、真空熱蒸発によって、または別の方法によって、堆積させることができる。
例示的実施形態によると、OLEDデバイス100は、上部放射構成または底部放射構成を有することができる。例えば、図3Aで図示されるように、上部放射構成では、電極106、108は、反射電極であり得、有機発光層を覆って配置される共通電極は、透明電極であり得る。代替として、底部放射構成では、電極106、108は、透明であり得、共通電極は、反射性であり得る。
別の例示的実施形態では、OLEDディスプレイ100は、能動マトリクスOLED(AMOLED)であり得る。AMOLEDディスプレイは、受動マトリクスOLED(PMOLED)ディスプレイと比較して、ディスプレイ性能を増進することができるが、基板上の薄膜トランジスタ(TFT)を含む、能動駆動回路に依拠し、そのような回路は、透明ではない。PMOLEDディスプレイは、透明ではない伝導性バスライン等のいくつかの要素を有するが、AMOLEDディスプレイは、不透明である実質的により多くの要素を有する。結果として、底部放射AMOLEDディスプレイについては、不透明回路要素の間で基板の底部を通して光を発することしかできないため、曲線因子がPMOLEDと比較して低減させられ得る。この理由により、AMOLEDディスプレイのための上部放射構成を使用することにより、OLEDデバイスがそのような不透明能動回路要素の上に構築されることを可能にし得るため、そのような構成を有することが望ましくあり得る。したがって、基礎的要素の不透明性の懸念を伴わずに、OLEDデバイスの上部を通して光を発することができる。一般に、発光が、基板102上に堆積させられる付加的な不透明要素(例えば、TFT、駆動回路構成要素等)によって遮断されないため、上部放射構造を使用することにより、ディスプレイ100の各ピクセル150の曲線因子を増加させることができる。
加えて、各ピクセルの非活性領域を、基板102上に形成される閉じ込め構造、表面特徴、および/またはピクセル画定層(その実施例は以下でさらに詳細に説明される)に限定することができる。上部放射OLED構造で使用される透明上部電極が典型的には低い伝導率を有するため生じ得る、ディスプレイ100にわたる望ましくない電圧降下を防止するように、伝導性グリッドも基板102上に配置することができる。共通電極が、閉じ込めウェル120、130、140内に、かつ閉じ込め構造104を覆って堆積させられるブランケットであるとき、伝導性グリッドは、基板102の非活性部分上に配置し、選択された閉じ込め構造104に形成されたビアホールを通して、共通電極に連結することができる。しかしながら、本開示は、上部放射活性マトリクスOLED構成に限定されない。本明細書で議論される技法および配列は、底部放射および/または受動ディスプレイ等の任意の他の種類のディスプレイとともに使用することができ、ならびに当業者であれば、適切な修正を使用して作製する方法を理解するであろう。
例示的実施形態では、図3Aで図示されるように、各閉じ込めウェルは、それぞれ、W1およびW2に及び、間隙Sによって分離され、幅CWを有するウェル内に閉じ込められる、複数の活性サブピクセル領域を含むことができる。寸法W1、W2、およびCWは、主に、ディスプレイの解像度(例えば、326ppi、440ppi)に相関するピクセルピッチに関係付けられる。間隙Sの寸法は、加工技法およびプロセス、ならびにレイアウトと関連付けられる制限に関係付けられる。一般に、間隙Sと関連付けられる寸法を最小限化することが望ましくあり得る。例えば、3μmが、最小寸法であってもよいが、当業者であれば、1μmほどの小ささから10μmより大きい寸法も可能であることを理解するであろう。閉じ込め構造104の高さHもまた、特定のディスプレイレイアウトまたは解像度よりもむしろ処理制限に関係付けられる。閉じ込め構造104の高さHの例示的な値は、1.5μmであってもよいが、高さHは、種々の例示的実施形態では0.5μm〜5μmに及ぶことができる。図3Bを参照すると、BWは、隣接ウェル(例えば、図3Bのウェル120および130)の間の閉じ込め構造104の幅である。上記で説明されるように、この寸法を最小限化することが望ましくあり得、例示的な値は、12μmである。しかしながら、当業者であれば、この値は、場合によっては任意に大きく(例えば、数百ミクロン)であり得、また、BWのそのような小さい値を可能にし得る、加工技法およびプロセスに応じて、1μmほども小さくあり得ることも理解するであろう。
ここで図4を参照すると、ディスプレイ200の閉じ込めウェル220の例示的実施形態の断面図が図示されている。図4の配列は、100の系列とは対照的に200の系列を使用することを除いて、類似要素を表すために使用される類似番号を用いて、図3Aを参照して上記で説明されるものに類似する。しかしながら、図示されるように、OLEDディスプレイ200はまた、電極206、208の間の間隙Sの中に配置される、付加的な表面特徴216も含む。
表面特徴216は、それを覆って配置されたOLED薄膜の中へ電流を直接提供せず、それによって、電極206および208と関連付けられる活性領域の間のピクセル領域の非活性領域を備える、任意の構造であり得る。例えば、表面特徴216はさらに、不透明材料を含むことができる。図4で描写されるように、表面特徴216によってトポグラフィで表されるように、そのような回路要素の一部分を覆って正孔伝導層210および有機発光層212を堆積させることができる。表面特徴216が電気的要素を含有する場合において、そのような要素はさらに、表面特徴216上に堆積させられたOLED薄膜からこれらの要素を電気的に単離するよう、電気絶縁材料でコーティングされてもよい。
例示的実施形態では、表面特徴216は、例えば、相互接続、バスライン、トランジスタ、および当業者に周知である他の回路を含むが、それらに限定されない、駆動回路を含むことができる。いくつかのディスプレイでは、駆動回路は、複雑な相互接続を最小限化するように、および電圧降下を低減させるように、そのような回路によって駆動されるピクセルの活性領域より近位に配置される。場合によっては、閉じ込めウェルは、個別サブピクセルを包囲し、そのような回路は、回路が活性OLED層でコーティングされないように閉じ込めウェル領域の外側にあり得る。しかしながら、図4の例示的実施形態、ならびに本明細書で説明される他の実施形態では、閉じ込めウェル220が、異なるピクセルと関連付けられる複数のサブピクセルを含有することができるため、そのような駆動回路要素を閉じ込めウェル内で提供することができ、これは、駆動電子機器の電気的性能を最適化し、駆動電子機器レイアウトを最適化し、および/または曲線因子を最適化し得る。
正孔伝導層210および有機発光層212は、(例えば、図3Aおよび3Bを参照して以前に議論されたように)層210、212が、基礎的表面特徴トポグラフィに十分に一致し、閉じ込めウェル内で実質的に一様な厚さを有し、非平面的な頂面を有する層210および212につながるように、閉じ込めウェル構造204によって画定される領域の中へ、かつ表面特徴216を覆って堆積させることができる。表面特徴216が、層210および212の一方または両方の厚さより大きい距離で電極の頂面の平面の上方に延在する構成では、次いで、これらの層の一方または両方はまた、ウェル220内のディスプレイの平面と平行な平面内で非連続的であろう。したがって、一方または両方の層210、212は、表面特徴216と関連付けられる突出により、ディスプレイの平面と平行な平面内で非平面的かつ非連続的であろう。上記のように、これは、例えば、電極206、208を覆って配置される212の表面と同一平面上にある平面Pを図示する、鎖線によって図示される。示されるように、層212は、閉じ込めウェル全体にわたって平面的ではなく、代わりに、間隙領域Sおよび突出216により、層212が非平面的な頂面を有するように、基礎的トポグラフィに十分に一致する。換言すると、層210、212の一方または両方は、層210、212の堆積に先立って、ウェルの既存のトポグラフィに十分に一致するように、閉じ込めウェルにわたって上昇および下降するであろう。
表面特徴216は、電極より大きい厚さを有するものとして図4で図示されているが、表面特徴216は、代替として、電極以下の厚さを有することができる。また、表面特徴216は、基板202上に配置されるものとして図4で図示されているが、表面特徴216はさらに、電極206、208の一方または両方を覆って配置することができる。表面特徴216は、アレイの中の各閉じ込めウェルについて異なり得、全ての閉じ込めウェルが表面特徴を含む必要があるわけではない。表面特徴216はさらに、サブピクセルの複数部分または全体的なピクセル配列を画定するために表面特徴216の不透明性を使用することができる、ピクセル画定層として機能することができる。
ここで図5Aおよび5Bを参照すると、本開示によるディスプレイ閉じ込めウェルの別の例示的実施形態の部分断面図が図示されている。図5Aおよび5Bの配列は、100の系列とは対照的に300の系列を使用することを除いて、類似要素を表すために使用される類似番号を用いて、図3Aおよび3Bを参照して上記で説明されるものに類似する。しかしながら、図5Aおよび5Bで図示されるように、OLEDディスプレイ300はまた、画定層314も含む。画定層314は、画定層314を覆って閉じ込め構造304を配置することができる、基板302上に配置することができる。加えて、画定層314は、電極306、308の非活性部分を覆って配置することができる。画定層314は、OLEDディスプレイ300の複数部分を画定するために使用される、電気絶縁性を有する任意の物理構造であり得る。実施形態では、画定層314は、ピクセルアレイ内のピクセルの輪郭を描くために使用される任意の物理構造であり得る、ピクセル画定層であり得る。画定層314はまた、サブピクセルの輪郭を描くこともできる。
図示されるように、例示的実施形態では、画定層314は、閉じ込め構造304を越えて、電極306、308の一部分を覆って延在することができる。画定層314が電流を防止し、したがって、サブピクセルの縁を通した発光を実質的に防止することによって、不要な視覚アーチファクトを低減させることができるように、画定層314は、電気抵抗材料で作製することができる。画定層314はまた、OLED薄膜が画定層の縁を覆ってコーティングする、非一様性の形成を軽減または防止する構造および化学的性質を有するように提供することもできる。このようにして、画定層314は、そうでなければピクセル領域の活性領域中に含まれ、次いで、ピクセルの非一様性に寄与するであろう、表面特徴の周囲に形成された薄膜の非一様性を覆い隠すことに役立つことができ、そのような非一様性は、例えば、OLED薄膜が閉じ込めウェルに接触する、各サブピクセルの外縁で、またはOLED薄膜が基板表面に接触する、各サブピクセルの内縁で、生じ得る。
正孔伝導層310および有機発光層312はそれぞれ、閉じ込めウェル320内に連続層を形成するよう、閉じ込め構造304によって画定される領域内で、かつピクセル画定層を覆って堆積させることができる。図3Aおよび3Bに関して上記で説明されるように、層310、312は、閉じ込めウェルの全体的なトポグラフィに十分に一致することができ、したがって、例えば、図5Aの平面Pによって図示されるように、非平面的な表面を有し、および/またはディスプレイの平面内で非連続的であり得る。図3Aの例示的実施形態を参照して上記で説明されるように、正孔伝導層310および有機発光層312の厚さは、上記で説明されるように、実質的に一様であり得る。
例示的実施形態では、図5Aで図示されるように、各閉じ込めウェルは、間隙Sによって分離されるW1およびW2を含み、幅CWを有する閉じ込めウェル内に含有される、複数の活性サブピクセル領域を含むことができ、W1、W2、およびCWは、主に、図3Aを参照して上記で議論されるように、ピクセルピッチに関係付けられる。同様に、間隙Sの寸法は、加工および処理技法、ならびにレイアウトに関係付けられ、Sは、例示的実施形態では、1μm〜10μm以上に及んでもよく、3μmがSの例示的な寸法である。閉じ込め構造304の高さHは、図3Aを参照して上記で説明される通りであってもよい。図5Bを参照すると、BWは、上記で説明されるように、隣接ウェルの間の閉じ込め構造304の幅であり、図3Bを参照して上記で説明されるように選択することができる。
画定層の厚さと関連付けられる寸法Tは、加工技法および処理条件、ならびに使用される画定層材料の種類に基づいて、可変であり得る。種々の例示的実施形態では、画定層の厚さと関連付けられる寸法Tは、25nm〜2.5μmに及ぶことができるが、100nm〜500nmを最も典型的な範囲と見なすことができる。閉じ込めウェル内の閉じ込め構造104の縁を越えた画定層の拡張と関連付けられる、図5AでB1、B2、および図5BでB1、B1’と標識される寸法を、所望に応じて選択することができる。しかしながら、より大きい寸法が、利用可能な活性ピクセル電極領域の量を低減させることによって曲線因子の低減に寄与し得る。したがって、概して、活性電極領域から縁の非一様性を除外することである、所望の機能を果たすであろう、最小寸法を選択することが望ましくあり得る。種々の例示的実施形態では、この寸法は、1μm〜20μmに及ぶことができ、例えば、2μm〜5μmに及んでもよい。
ここで図6を参照すると、ディスプレイ400の閉じ込めウェル420の例示的実施形態の断面図が図示されている。図6の配列は、300の系列とは対照的に400の系列を使用することを除いて、類似要素を表すために使用される類似番号を用いて、図5Aおよび5Bを参照して上記で説明されるものに類似する。しかしながら、示されるように、OLEDディスプレイ400はまた、電極406、408の間の間隙Sの中に配置される、付加的な画定層416も含む。図6に示されるように、画定層416は、付加的な画定層416の一部分が、基板402上の間隙Sの全体を通して、間隙に隣接する電極406、408の複数部分を覆って延在するという点で、図4の表面特徴とは若干異なる構造を有する、表面特徴であり得る。付加的な画定層416は、任意のトポグラフィを有することができ、図6で図示されるものは、例示的にすぎない。図6で図示されるように、切り込み417が、基板102から外方を向く付加的な画定層416の表面の中に存在し得る。切り込み417は、種々の方法を使用して形成することができる。例えば、切り込み417は、付加的な画定層416の堆積中に、層416が、概して、電極406、408等の閉じ込めウェル内に存在する任意のトポグラフィに一致することができるように、製造プロセスに起因し得、切り込み417は、電極406、408にわたる実質的に一様な厚さと、電極406、407の頂面と関連付けられない表面を伴う実質的に非一様な厚さとの間の異なる厚さによって形成される。代替として、切り込み417は、省略することができ、例えば、基礎的表面トポグラフィが滑らかにされるように、非共形堆積方法を使用して付加的な画定層416が堆積させられる場合において、付加的な画定層416の頂面は、実質的に平面的なトポグラフィを有することができる。
いずれか一方の構成で、上記で説明されているように、層410、412が付加的な画定層416のトポグラフィに十分に一致し、実質的に一様な厚さを有するように、(例えば、図3Aおよび3Bを参照して以前に議論されたように)正孔伝導層410および/または有機発光層412を堆積させることができる。
付加的な画定層416の頂面(すなわち、基板から外方を向く表面)と基板402との間の距離は、電極406、408の頂面と基板402との間の距離より大きく、または小さくあり得る。代替として、付加的な画定層416の頂面と基板402との間の距離は、電極406、408の頂面と基板402との間の距離に実質的に等しくあり得る。換言すると、付加的な画定層416の厚さは、基板の頂面と周辺閉じ込め構造404の頂面との間に位置付けられることから及ぶような、または実質的に閉じ込め構造404の頂面と同一の平面内に位置するようなものであり得る。代替として、付加的な画定層416は、付加的な画定層416が電極406、408の一部分に重複しないが、むしろそれらの間の間隙Sを充填するように、実質的に電極406、408と同一の高さであり得る。
正孔伝導層410および有機発光層412は、閉じ込め構造404を越えウェル420の中へ延在する、画定層414の複数部分を覆って配置することができ、層410、412は、閉じ込め構造404によって画定される閉じ込めウェル420内の付加的な画定層416を覆って延在することができる。付加的な画定層416が電流を防止することができ、したがって、サブピクセルの縁を通した発光を防止することによって、望ましくない視覚アーチファクトを低減させ得るように、付加的な画定層416は、電気抵抗材料で作製することができる。画定層414および付加的な画定層416は、同一または異なる材料で作製することができる。
例示的実施形態では、図6で図示されるように、各閉じ込めウェルは、間隙Sによって分離されるW1およびW2を含み、幅CWを有する閉じ込めウェル内に含有される、複数の活性サブピクセル領域を含むことができ、W1、W2、CW、およびSは、主に、上記で議論されるように、ピクセルピッチに関係付けられる。上記のように、3μmがSの最小寸法であってもよいが、当業者であれば、1μmほどの小ささから10μm以上までさえの寸法も可能であることを理解するであろう。閉じ込め構造404の高さHは、例えば、図3Aおよび3Bを参照して上記で説明されるような範囲を伴って選択することができる。
画定層の厚さと関連付けられる寸法T1、および付加的な画定層の厚さと関連付けられる寸法T2は、加工技法、処理条件、および使用される画定層材料の種類に基づいて、可変であり得る。結果として、画定層の厚さと関連付けられる寸法T1、および付加的な画定層の厚さと関連付けられる寸法T2は、50nm〜2.5μm、例えば、100nm〜500nmに及ぶことができる。閉じ込めウェルの縁の内側の画定層の拡張と関連付けられる寸法SB1、SB2、およびB2を、所望に応じて選択することができる。しかしながら、より大きい寸法が、利用可能な活性ピクセル電極領域の量を低減させることによって曲線因子の低減に寄与するであろう。したがって、概して、活性電極領域から縁の非一様性を除外することである、所望の機能を果たすであろう、最小寸法を選択することが望ましくあり得る。種々の例示的実施形態では、この寸法は、1μm〜20μmに及ぶことができ、例えば、2μm〜5μmに及んでもよい。
当業者であれば、本開示に基づいて理解するように、望ましいピクセル画定構成を達成する異なる方法の任意の組み合わせで、開示された画定層構成のうちのいずれかを使用することができる。例えば、画定層414および/または付加的な画定層416は、任意のピクセルおよび/またはサブピクセル領域、あるいは任意の部分的なピクセルおよび/またはサブピクセル領域を画定するように構成することができ、画定層414は、任意の閉じ込め構造404の下に堆積させられる画定層と関連付けることができ、付加的な画定層416は、閉じ込めウェル420の中等の電極間の閉じ込めウェル内に堆積させられる任意の画定層と関連付けることができる。当業者であれば、本開示内で示される断面図が、例証的な断面図にすぎず、したがって、本開示は、図示される特定の断面図に限定されるものではないことを認識するであろう。例えば、図3Aおよび3Bは、それぞれ、線3A−3Aおよび3B−3Bに沿って図示されているが、例えば、3A−3Aおよび3B−3Bに直交する方向を含む、異なる線に沿って得られる、異なる断面図が、異なる画定層構成を反映してもよい。例示的実施形態では、図2で図示されるピクセル150、151、152等のピクセルの輪郭を描くために、画定層を組み合わせで使用することができる。代替として、画定層が閉じ込めウェル内のサブピクセル電極を完全または部分的に包囲するように、画定層は、サブピクセルを画定するように構成することができる。
ここで図7を参照すると、さらに別の例示的実施形態の断面図が図示されている。OLEDディスプレイ500は、表面特徴516と、画定層514とを含むことができる。図7の配列は、200の系列とは対照的に500の系列を使用することを除いて、類似要素を表すために使用される類似番号を用いて、図4を参照して上記で説明されるものに類似する。しかしながら、図7で図示されるように、OLEDディスプレイ500はさらに、閉じ込め構造504の下に配置される画定層514を含む。画定層514は、OLEDディスプレイ500の複数部分を画定するために使用される、任意の物理構造であり得る。実施形態では、画定層514は、ピクセルアレイ内のピクセルおよび/またはピクセルを伴うサブピクセルの輪郭を描くために使用される任意の物理構造であり得る、画定層であり得る。図示されるように、例示的実施形態では、画定層514は、閉じ込め構造504を越えて、電極506、508の一部分を覆って延在することができる。画定層514が電流を防止し、したがって、サブピクセルの縁を通した発光を防止することによって、不要な視覚アーチファクトを低減させることができるように、画定層514は、電気抵抗材料で作製することができる。このようにして、画定層514は、縁乾燥効果により起こり得る、各サブピクセルの縁で形成される薄膜層の非一様性を覆い隠すことに役立つことができる。上記で説明されているように、層510、512が、基礎的表面特徴トポグラフィに十分に一致し、実質的に一様な厚さを有するように、(例えば、図3Aおよび3Bを参照して以前に議論されたように)正孔伝導層510および有機発光層512を堆積させることができる。
当業者であれば、種々の配列および構造、例えば、表面特徴、画定層等が、例示的にすぎず、種々の他の組み合わせおよび配列が想定され、本開示の範囲内に入り得ることを理解するであろう。
ここで図8−11を参照すると、OLEDディスプレイ600を製造する例示的な方法中の種々の例示的なステップを呈する、基板の部分断面図が図示されている。製造の方法は、ディスプレイ600を参照して以下で議論されるであろうが、他のOLEDディスプレイ、例えば、上記で説明されるOLEDディスプレイ100、200、300、400、および500を製造する際に、上記で説明されるステップのうちのいずれかおよび/または全てを使用することができる。図8で図示されるように、基板602を覆って電極606、608および表面特徴616を提供することができる。電極606、608、および表面特徴616は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の任意の製造方法を使用して形成することができ、シャドウマスキング、フォトリソグラフィ(フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、そうでなければ堆積技法に含まれない任意の付加的なパターン形成を達成することができる。電極606、608は、表面特徴616と同時に、あるいは電極または表面特徴のいずれか一方が最初に形成される、連続的に形成することができる。
次いで、図9で図示されるように、表面特徴616および電極606、608を覆って、画定層614および付加的な画定層618を堆積させることができる。層614および618は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の任意の製造方法を使用して形成することができ、シャドウマスキング、フォトリソグラフィ(フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、そうでなければ堆積技法に含まれない任意の必要とされる付加的なパターン形成を達成することができる。画定層614は、付加的な画定層618と同時に形成することができ、あるいは層614、618は、層614または618のいずれか一方が最初に形成される、連続的に形成することができる。
閉じ込め構造604が、画定層614を覆って提供される。閉じ込め構造604は、複数のピクセルに及びながら複数のサブピクセル電極606、608を包囲する、閉じ込めウェル620を画定するように形成することができる。閉じ込め構造604は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の任意の製造方法を使用して形成することができ、シャドウマスキング、フォトリソグラフィ(フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、そうでなければ堆積技法に含まれない任意の付加的なパターン形成を達成することができる。1つの例示的な技法では、図10で図示されるように、連続層604’内の基板602を覆って閉じ込め構造材料を堆積させることができ、次いで、サブピクセル電極606、608を露出するように層604’の一部分605を除去することができるように、マスク607を使用して、層をパターン形成することができる。閉じ込め構造604は、複数部分605が除去された後に残る層604’の材料によって形成される。代替として、堆積した閉じ込め構造604が境界を画定することができ、閉じ込めウェルが堆積した閉じ込め構造604の境界内に形成されるように、閉じ込め構造のみを形成するように材料を活発に堆積させることによって、閉じ込め構造604を形成することができる。
例示的実施形態では、図10で図示されるように、各閉じ込めウェルは、間隙Sによって分離されるW1およびW2を含む、複数の活性サブピクセル領域を含むことができる。上記のように、寸法W1、W2、およびCWは、主に、ピクセルピッチに関係付けられる。そして、間隙Sの寸法は、加工技法および処理、ならびにレイアウトと関連付けられる制限に関係付けられ、1μm〜10μm以上にさえ及んでもよく、3μmが例示的な最小寸法である。閉じ込めウェルの縁の内側の画定層の拡張と関連付けられる寸法SB1およびSB2を、所望に応じて選択することができる。しかしながら、より大きい寸法が、利用可能な活性ピクセル電極領域の量を低減させることによって曲線因子の低減に寄与するであろう。したがって、概して、活性電極領域から縁の非一様性を除外することである、所望の機能を果たすであろう、最小寸法を選択することが望ましくあり得る。種々の例示的実施形態では、この寸法は、1μm〜20μmに及ぶことができ、例えば、2μm〜5μmに及んでもよい。
図11で図示されるように、次いで、インクジェット印刷を使用して、正孔伝導層610を閉じ込めウェル620内に堆積させることができる。例えば、インクジェットノズル650は、閉じ込めウェル620内で画定される標的領域内で正孔伝導材料の液滴651を指向することができる。正孔伝導層610はさらに、2つの離散層、例えば、正孔注入層および正孔輸送層を備えてもよく、これらの層は、本明細書で説明されるようなインクジェット方法によって、連続的に堆積させることができる。加えて、インクジェット印刷を使用して、正孔伝導層610を覆って閉じ込めウェル620内に有機発光層612を堆積させることができる。インクジェットノズル650は、正孔伝導層610を覆う標的領域内で有機発光材料の液滴651を指向することができる。当業者であれば、単一のノズルが図11を参照して論議されているが、複数の閉じ込めウェル内に正孔伝導材料または有機発光材料を含有する液滴を提供するように、複数のノズルを実装できることを理解するであろう。当業者に周知であるように、いくつかの実施形態では、有機発光材料の同一または異なる色を複数のインクジェットノズルヘッドから同時に堆積させることができる。加えて、当業者に公知である技術を使用して、標的基板表面上の液滴放出および配置を行うことができる。
例示的実施形態では、赤色、緑色、または青色層等の単一の有機発光層612を閉じ込めウェル620内に堆積させることができる。代替的な例示的実施形態では、一方が他方を覆って、複数の有機発光層を閉じ込めウェル620内に堆積させることができる。そのような配列は、例えば、一方の発光層が発光するように活性化されるときに、他方の発光層が発光しないか、または第1の有機発光層の発光に干渉しないように、発光層が異なる発光波長範囲を有するときに機能することができる。例えば、赤色有機発光層または緑色有機発光層を閉じ込めウェル620内に堆積させることができ、次いで、赤色または緑色有機発光層を覆って青色有機発光層を堆積させることができる。このようにして、閉じ込めウェルが、2つの異なる発光層を含むことができる一方で、1つだけの発光層は、閉じ込めウェル内で発光するように構成される。
層610および612は、上記で説明されているように、画定層614、表面構造616、付加的な画定層618、および電極606、608のトポグラフィに十分に一致するよう堆積させることができ、かつ上記で説明されるように実質的に一様な厚さを有することができる。
図3A−11を参照して上記で説明される種々の側面は、本開示による種々のピクセルおよびサブピクセルレイアウトに使用することができ、図2は、1つの例示的かつ非限定的なそのようなレイアウトである。本開示によって考慮される種々の付加的な例示的レイアウトが、図12−18で描写されている。種々の例示的なレイアウトは、本明細書で説明される例示的実施形態を実装する多くの方法があることを図示する。多くの場合、任意の特定のレイアウトの選択は、例えば、電気回路の基礎的レイアウト、所望のピクセル形状(図示した実施形態では長方形または六角形として描写されているが、山形、円形、六角形、三角形、および同等物等の他の形状でもあり得る)、およびディスプレイの外観に関係付けられる要因(異なる構成について、およびテキスト、グラフィック、または動画等の異なる種類のディスプレイコンテンツについて観察することができる、視覚アーチファクト等)等の種々の要因によって駆動される。当業者であれば、いくつかの他のレイアウトが本開示の範囲内に入り、修正を通して、かつ本明細書で説明される原理に基づいて、それらを得ることができると理解するであろう。さらに、当業者であれば、簡単にするために、閉じ込めウェルを画定する閉じ込め構造のみが、図12−18の説明において以下で説明されるが、本明細書のピクセルレイアウトのうちのいずれかと組み合わせて、図3A−11を参照して上記で説明される、表面特徴、回路、ピクセル画定層、および他の層を含む、特徴のうちのいずれかを使用できることを理解するであろう。
図12は、OLEDディスプレイ700のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写し、以下で説明されているレイアウトのさらなる側面を伴って、図2のレイアウトに類似する。アレイ構成で複数の閉じ込めウェル720、730、740を画定するように、閉じ込め構造704、例えば、上記で議論されるようなバンク構造を基板上に提供することができる。各閉じ込めウェル720、730、740は、有機層が、閉じ込めウェル720、730、740を通って、閉じ込めウェルを包囲する閉じ込め構造704まで延在する、例えば、各ウェル720、730、740の中のOLED材料の層の縁が、閉じ込め構造704に接触し得るように、OLED材料の実質的に連続的な層(影付きの領域によって示される)を含むことができる。OLED層は、例えば、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料、正孔遮断材料、および異なる発光波長範囲の放射を提供する有機発光材料のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、閉じ込めウェル720は、赤色波長範囲内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、Rによって示され、閉じ込めウェル730は、緑色波長範囲内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、Gによって示され、閉じ込めウェル740は、青色波長範囲内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、Bによって示される。ウェル720、730、740は、相互に対するものを含む、種々の配列および構成(例えば、レイアウト)を有することができる。例えば、図12で図示されるように、それぞれ、赤色有機発光層Rおよび緑色有機発光層Gを含有する、閉じ込めウェル720および閉じ込めウェル730は、交互配列で行R1、R3の中に配列される。行R1およびR3と交互に、青色有機発光層Bを含有する閉じ込めウェル740の行R2、R4がある。閉じ込めウェル720、730はまた、代替として、行R1、R3内に配置することができる。
複数の電極706、707、708、709、736、737、738、739、および742、744は、それぞれ、各閉じ込めウェル720、730、740の中に配置することができ、各電極は、赤色、緑色、または青色発光等の特定の発光色と関連付けられるサブピクセルと関連付けることができる。鎖線によって図12で識別される、ピクセル750、751、752、753は、赤色発光を有する1つのサブピクセル、緑色発光を有する1つのサブピクセル、および青色発光を有する1つのサブピクセルを含むように画定することができる。例えば、各閉じ込めウェル720、730、740は、それぞれ、図12に示される電極輪郭に対応する、それらの関連電極活性領域が、相互から離間されるように構成される、複数の電極706、707、708、709、736、737、738、739、および742、744を含むことができる。閉じ込めウェル720、730、740は、閉じ込めウェル内に異なる数および/または配列の電極を有することができる。代替として、3つより多くのサブピクセル色を伴う、色の組み合わせを含む、赤色、緑色、および青色以外の色のセットを伴う配列等の付加的な配列が可能である。単一の色の1つより多くのサブピクセルが、特定のピクセルと関連付けられる、例えば、各ピクセルが、それと関連付けられる、1つの赤色、1つの緑色、および2つの青色サブピクセル、または特定の色のサブピクセルの数の他の組み合わせ、および色の他の組み合わせを有することができる、他の配列も可能である。また、異なる発光材料の複数の層が相互を覆って位置付けられる場合、異なる色のサブピクセルが相互に重複し得ることが考慮される。図12で図示されるように、サブピクセル電極は、閉じ込めウェルを画定する構造から離間することができる。代替実施形態では、電極と閉じ込め構造との間に間隙が生じないように、サブピクセル電極は、閉じ込めウェル構造に直接隣接するように堆積させることができる。加えて、閉じ込めウェル構造は、サブピクセル電極の一部分を覆って配置することができる。
加えて、隣接する閉じ込めウェルは、異なるサブピクセル配列を有することができる。例えば、図12で図示されるように、閉じ込めウェル720および730は、2×2活性電極領域配列を含み、閉じ込めウェル740は、1×2活性電極領域配列を含み、2×2配列内の活性電極領域は、同一のサイズの正方形であり、1×2配列内の活性電極領域は、同一のサイズの長方形である。上記のように、異なる閉じ込めウェル内の電極は、活性領域の異なる表面積を有することができる。
1つの例示的な配列では、青色波長範囲B内の発光のサブピクセルをアドレス指定するために使用される電極と関連付けられる活性領域は、赤色および/または緑色波長範囲R、G内の発光をアドレス指定するために使用される電極と関連付けられる活性領域より大きい表面積を有することができる。同一の面積輝度レベルで動作するときに、青色発光と関連付けられるサブピクセルが、多くの場合、赤色または緑色発光を有することと関連付けられるサブピクセルより実質的に短い寿命を有するため、青色波長範囲B内の発光を有するサブピクセルと関連付けられる電極の活性領域は、赤色または緑色発光と関連付けられるサブピクセル電極と関連付けられる活性領域より大きい表面積を有することが望ましくあり得る。青色発光と関連付けられるサブピクセルの相対活性領域を増加させることにより、同一の全体的ディスプレイ輝度を依然として維持しながら、比較的低い面積輝度で動作を可能にし、それによって、青色発光と関連付けられるサブピクセルの寿命およびディスプレイの全体的寿命を増加させる。赤色および緑色発光と関連付けられるサブピクセルは、青色発光と関連付けられるサブピクセルに関して、対応して低減させられ得ることに留意されたい。これは、赤色および緑色OLEDデバイス寿命を短縮し得る、青色発光と関連付けられるサブピクセルに関して、赤色および緑色発光と関連付けられるサブピクセルをより高い輝度レベルで駆動させることができる。しかしながら、赤色および緑色発光と関連付けられるサブピクセルの寿命は、青色サブピクセルと関連付けられるサブピクセルと関連付けられる寿命より十分長くあり得るため、青色発光と関連付けられるサブピクセルは、全体的ディスプレイ寿命に関して限定的なサブピクセルのままである。閉じ込めウェル740内の電極の活性領域は、図12で水平に延在するそれらの伸長方向で配列されるものとして図示されているが、電極は、代替として、それらの伸長方向が図12で垂直に延在するように配列することができる。
隣接する閉じ込めウェルの間の間隔は、ピクセルレイアウトの全体を通して等しくあり得るか、または変動し得る。例えば、図12を参照すると、閉じ込めウェル720、730の間の間隔b’は、閉じ込めウェル720または730および740の間の間隔f’以上であり得る。換言すると、行の中の隣接する閉じ込めウェルの間の水平間隔は、図12の配向で、隣接する行の中の隣接する閉じ込めウェルの間の垂直間隔とは異なり得る。また、行R1、R3の中の水平間隔b’は、R2、R4の中の水平間隔a’と等しくあり得るか、またはそれとは異なり得る。
異なる閉じ込めウェル720、730、740のそれぞれの内側の電極の活性領域の間の間隔(間隙)はまた、同一であり得るか、または異なり得、かつ間隔の方向(例えば、水平または垂直)に応じて変動し得る。1つの例示的実施形態では、閉じ込めウェル720、730、740内の電極の活性領域の間の間隙dおよびeは、同一であり得、かつ閉じ込めウェル740内の電極の活性領域の間の間隙とは異なり得る。さらに、種々の例示的実施形態では、閉じ込めウェル内の隣接活性電極領域の間の間隙は、同一または異なる行のいずれか一方の中で、隣接する閉じ込めウェルの中の隣接活性電極領域の間の間隙より小さい。例えば、c、d、およびeは、図12のa、b、またはfのいずれか一方より小さくあり得る。
図12では、各閉じ込めウェル、例えば、720の内縁と、その閉じ込めウェル内で関連付けられる活性電極領域、例えば、706、707、708、709のそれぞれの外縁との間の間隙が示されている。しかしながら、図2で図示されるように、種々の例示的実施形態によると、そのような間隙は、存在しなくてもよく、活性電極領域のそれぞれの外縁は、閉じ込めウェルの内縁と同一であり得る。この構成は、例えば、図3Aで図示されるもののような構造を使用して達成することができ、そのような間隙が存在する、図12に示される構成は、例えば、図5Aで図示されるもののような構造を使用して達成することができる。しかしながら、他の構造もまた、図2および12で図示される同一の構成を達成することが可能であり得る。
ピクセル750、751、752、753は、閉じ込めウェル配列および対応するサブピクセルレイアウトに基づいて画定することができる。ピクセル750、751、752、753の全体的間隔またはピッチは、ディスプレイの解像度に基づくことができる。例えば、ディスプレイ解像度が高いほど、ピッチが小さい。加えて、隣接ピクセルは、異なるサブピクセル配列を有することができる。例えば、図12で図示されるように、ピクセル750は、左上部分に赤色サブピクセルR、右上部分に緑色サブピクセルG、およびピクセルの底部分の大部分に及ぶ青色サブピクセルBを含む。ピクセル751のサブピクセルレイアウトは、緑色サブピクセルGおよび赤色サブピクセルRの相対位置が切り替えられ、左上部分に緑色サブピクセルGがあり、右上部分に赤色サブピクセルRがあることを除いて、ピクセル750のレイアウトに類似する。それぞれ、ピクセル751、750に隣接し、それらの下にあるピクセル752および753は、それぞれ、ピクセル751、750の左右対称像である。したがって、ピクセル752は、上部分に青色サブピクセルB、左下部分に緑色サブピクセルG、および右下部分に赤色サブピクセルRを含む。そして、ピクセル753は、上部分に青色サブピクセル、左下部分に緑色サブピクセル、および右下部分に赤色サブピクセルを含む。
図12による、326ピクセルパーインチ(ppi)を有する、高解像度ディスプレイの例示的実施形態では、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および青色サブピクセルを含むピクセルは、326ppiを達成するために必要とされるディスプレイの全体的ピッチに対応する、約78μm×78μmの全体的寸法を有することができる。本実施形態については、以前に議論されたように、閉じ込め領域の間の最先端の最小間隔を反映する、a’=b’=f=12μmを仮定し、さらに、閉じ込めウェル縁の内側で3μm延在する画定層が利用される場合を反映する、a=b=f=12μm+6μm=18μmを仮定し、最終的に、閉じ込めウェル内の電極活性領域の間の典型的な間隙としてc=d=e=3μmを仮定すると、赤色および緑色サブピクセルのそれぞれと関連付けられる面積は、28.5μm×28.5μmであり得、青色サブピクセルと関連付けられる面積は、60μm×27μmであり得る。青色サブピクセルの表面積は、上記で説明されるように全体的ディスプレイ寿命を増加させるように、赤色および緑色サブピクセルのそれぞれより大きくあり得る。そのようなレイアウトは、66μm×66μmの寸法を有する、2×2赤色および緑色サブピクセルのグループ化と関連付けられる閉じ込めウェルと、66μm×66μmの寸法を有する、1×2青色サブピクセルのグループ化と関連付けられる閉じ込めウェルとを有することができる。そのような寸法は、53%等の50%より大きい、高い曲線因子を伴う高解像度ディスプレイも提供しながら、従来のインクジェットプリントヘッドおよび印刷システムを用いて、活性OLED材料の簡単な装填を提供する。そのような寸法はまた、閉じ込めウェル壁に直接隣接する薄膜領域を通る電流を遮断することによって、活性電極領域内で増進した薄膜の一様性を提供することができる、画定層を有する構造の中でそのような特徴を提供することができる。
440ピクセルパーインチ(ppi)を有する、高解像度ディスプレイの対応する例示的実施形態では、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および青色サブピクセルを含む、ピクセルは、約58μm×58μmの全体的寸法を有することができ、直前の実施例のように、寸法a、b、c、d、e、f、a’、b’、およびf’の同一の値を仮定すると、赤色および緑色サブピクセルのそれぞれと関連付けられる面積は、18.5μm×18.5μmであり得、青色サブピクセルと関連付けられる面積は、40μm×17μmであり得る。青色サブピクセルの表面積は、上記で説明されるように、全体的ディスプレイ寿命を増加させるように、赤色および緑色サブピクセルのそれぞれより大きくあり得る。そのようなレイアウトは、46μm×46μmの寸法を有する、2×2赤色および緑色サブピクセルのグループ化と関連付けられる閉じ込めウェルと、46μm×46μmの寸法を有する、1×2青色サブピクセルのグループ化と関連付けられる閉じ込めウェルとを有することができる。そのような寸法は、40%の高い曲線因子を伴う高解像度ディスプレイも提供しながら、従来のインクジェットプリントヘッドおよび印刷システムを用いて、活性OLED材料の比較的簡単な装填を提供する。
上記の例示的実施形態のそれぞれでは、寸法a、b、c、d、e、f、a’、b’、f’の種々の値を実装することができる。しかしながら、当業者であれば、これらの寸法が変動することを認識するであろう。例えば、以前に議論されたように、大きいppiについて、1μmほどの小ささから数百ミクロンほどの大きさまで、閉じ込め壁の間の間隔(a’、b’、f’)を変動させることができる。閉じ込めウェル内の活性電極領域の間の間隙(c、d、e)は、上記で議論されるように、1μmほどの小ささから数十ミクロンほどの大きさまで変動し得る。活性電極領域と閉じ込め壁の縁との間の間隙(それぞれ、効果的に、a’とa、b’とb’、およびf’とfとの間の差異の半分)もまた、上記で議論されるように、1μmほどの小ささから10μmほどの大きさまで変動し得る。さらに、これらの寸法が変動させられると、閉じ込めウェル寸法およびその中に含有される活性電極領域に許容される値の範囲を限定する、(ディスプレイの全体的ピッチを判定する)ppiとともに、制約を適用する。上記の例示的実施形態では、簡単にするために、同一の寸法の正方形の閉じ込めウェルが、3つ全ての色に使用される。しかしながら、閉じ込めウェルは、正方形である必要はなく、かつ全て同一のサイズである必要はない。加えて、図12で提供される寸法は、種々の共通寸法、例えば、赤色閉じ込めウェルおよび緑色閉じ込めウェル内の活性電極領域の間の間隙を示すが、いくつかの例示的実施形態では、これらの間隙は、共通寸法ではないが、相互とは異なる。
図13は、OLEDディスプレイ800の別の例示的なピクセル/サブピクセルレイアウトの部分平面図を描写する。以前に議論された例示的実施形態に共通する特徴は説明されない。簡単にするために、差異について議論する。
ディスプレイ800は、例えば、図12で図示されるようなディスプレイ700のサブピクセル電極より、閉じ込めウェル内のサブピクセル電極と関連付けられる活性領域の間で大きい分離を有することができる。それぞれの閉じ込めウェル820、830、840内の電極806、807、808、809、836、837、838、839、および842、844と関連付けられる隣接活性領域の間の間隔は、隣接する閉じ込めウェルの中の隣接活性電極領域の間の間隙より大きくあり得る。例えば、電極836と関連付けられる活性領域は、所定の距離gで相互から離間することができ、電極838と関連付けられる活性領域にも同様である。隣接する閉じ込めウェル820、830の中の隣接活性電極領域の間の間隔kは、電極836、838と関連付けられる活性領域の間の間隔gより小さくあり得、電極842(および同様に電極844)と関連付けられる活性領域の間の間隔mは、隣接する閉じ込めウェル840および閉じ込めウェル820、830の中の隣接活性電極領域の間の間隔nより大きくあり得る。そのような間隔は、単一の画定されたピクセルと関連付けられるサブピクセル電極のより密接な配列を提供しながら、閉じ込めウェル内に配置され、かつ同一の発光色と関連付けられる、サブピクセル電極の間により大きい間隔を提供することができる。この間隔は、ディスプレイが、密接して配列されたRGB3色のアレイであると考えられ、密接して配列されたRRRR4色、GGGG4色、およびBBペアのアレイであると考えられないように、望ましくない視覚アーチファクトを低減させることができる。
本開示によるディスプレイのための別の例示的なピクセル/サブピクセルレイアウトが、図14で描写されている。閉じ込め構造904は、アレイ構成で複数の閉じ込めウェル920、930、940を画定するように基板上に提供することができる。各閉じ込めウェル920、930、940は、有機層の縁が、閉じ込めウェル920、930、940の全体を通して、閉じ込めウェルを包囲する閉じ込め構造904まで延在する、例えば、各ウェル920、930、940の中のOLED材料の層の縁が閉じ込め構造904に接触し得るように、(影付き領域によって示される)OLED材料の実質的に連続的な層を含むことができる。活性OLED層は、例えば、限定ではないが、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料、正孔遮断材料、および異なる発光波長範囲の発光を提供する有機発光材料のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、閉じ込めウェル920は、赤色波長範囲R内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、閉じ込めウェル930は、緑色波長範囲G内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができ、閉じ込めウェル940は、青色波長範囲B内の発光と関連付けられる有機発光層を含むことができる。有機発光層は、任意の配列および/または構成でウェル内に配置することができる。例えば、閉じ込めウェル920、930、940の中に配置される有機発光層は、各行内に交互配列を有して配列される。隣接する行は、同一の配列、または異なる配列を有することができる。加えて、閉じ込めウェル920、930、940の隣接する行が、一様な整合を有するものとして図示される一方で、閉じ込めウェル920、930、940の隣接する行は、代替として、オフセット配列等の非一様な整合を有することができる。また、閉じ込めウェル920および930を代替的なパターンで逆転させることができる。
各ウェル920、930、940の構成は、各ウェルが垂直方向に細長いように、長方形を有することができる。ウェル920、930、940は、伸長垂直方向に略同一の寸法を有することができる。加えて、ウェル920、930、940は、略同一の幅を有することができる。しかしながら、青色有機発光層と関連付けられるウェル940全体は、単一のサブピクセル、したがって、ピクセルに相関することができる一方で、赤色および緑色有機発光層と関連付けられるウェル920、930は、複数のサブピクセル、したがって、複数のピクセルに相関することができる。例えば、閉じ込めウェル920、930は、各電極が異なるピクセルの異なるサブピクセルと関連付けられるように、複数の電極を含むことができる。図14で図示されるように、ウェル920は、2つの電極926、928を含み、2つの異なるピクセル950、951と関連付けられる。
異なる数の電極926、928、936、938、946を異なる閉じ込めウェル内に配置することができる。例えば、いくつかの閉じ込めウェル920、930が、同一の閉じ込めウェルの中に配置される電極を選択的にアドレス指定するよう、複数の電極926、928、および936、938を含むが、異なるピクセルの中の異なるサブピクセルのための発光を生成することができる一方で、他の閉じ込めウェル940は、1つのピクセルと関連付けられる1つの閉じ込めウェルの中に配置される電極をアドレス指定するように、1つだけの電極946を含む。代替として、閉じ込めウェル940の中に配置される電極の数は、他の閉じ込めウェル920、930の中に配置される電極の数の半分であり得る。加えて、異なる閉じ込めウェル内の電極は、異なる表面積を有することができる。例えば、青色波長範囲内の発光と関連付けられる電極は、ディスプレイ900の寿命を向上させて電力消費を低減させるように、赤色および/または緑色波長範囲内の発光と関連付けられる電極より大きい表面積を有することができる。
ピクセル950、951は、閉じ込めウェル配列および対応するサブピクセルレイアウトに基づいて画定することができる。ピクセル950、951の全体的な間隔またはピッチは、ディスプレイの解像度に基づくことができる。例えば、ディスプレイ解像度が高いほど、ピッチが小さい。加えて、隣接ピクセルは、異なるピクセル配列を有することができる。例えば、図14で図示されるように、ピクセル950は、左側に緑色サブピクセルG、中央に青色サブピクセルB、および右側に赤色サブピクセルRを含むことができる。ピクセル951は、左側に赤色サブピクセルR、中央に青色サブピクセルB、および右側に緑色サブピクセルGを含むことができる。
図15は、OLEDディスプレイ1000のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写する。上記で議論される実施形態に共通する特徴は説明されない(但し、図15で1000の系列を用いて類似標識を見出すことができる)。簡単にするために、差異について議論する。閉じ込め構造1004は、複数のウェル1020、1030、1040を画定するように構成することができる。赤色発光および緑色発光と関連付けられるウェル(例えば、1020、1030)が、単一の行内で交互になり、青色発光と関連付けられるウェル(例えば、1040)が、単一の行内にある、一様な行の中でウェル1020、1030、1040が整合させられるように、ウェル1020、1030、1040を配列することができる。加えて、ウェル1020、1040の列がウェル1030、1040の行と交互になるように、ウェル1020、1030、1040が一様な列内で整合させられるように、ウェル1020、1030、1040を構成することができる。閉じ込めウェル1020および1030は、代替として、閉じ込めウェル1030が交互パターンを開始するように配列することができる。
各閉じ込めウェル1020、1030、1040は、略同一のサイズであり得る。しかしながら、各ウェル1020、1030、1040と関連付けられる電極の数は、異なり得る。例えば、図15で図示されるように、赤色発光1020と関連付けられるウェルは、電極1026、1027、1028、1029を含むことができ、緑色発光1030と関連付けられるウェルは、電極1036、1037、1038、1039を含むことができ、青色発光1040と関連付けられるウェルは、電極1046、1048を含むことができる。閉じ込めウェル1040内の電極は、水平に離間して配列されるものとして図示されているが、電極は、代替として、垂直に離間されるよう配列することができる。
電極1026、1027、1028、1029、1036、1037、1038、1039は、正方形を有するものとして図15で図示され、電極1046、1048は、長方形を有するものとして図示されるが、例えば、円形、山形、六角形、非対称、不規則な曲率等の任意の形状を有する電極が、本開示の範囲内として考慮される。電極の複数の異なる形状を単一の閉じ込めウェル内で実装することができる。加えて、異なる閉じ込めウェルが、異なる形状の電極を有することができる。電極のサイズおよび形状は、電極間の距離、したがって、ディスプレイの全体的なレイアウトに影響を及ぼし得る。例えば、形状が相補的であるとき、隣接電極間の電気的単離を依然として維持しながら、電極をともにより近く離間させることができる。加えて、電極の形状および間隔は、生成される視覚アーチファクトの程度に影響を及ぼし得る。望ましくない視覚アーチファクトを低減させ、画像混合を増進して連続画像を生成するように、電極形状を選択することができる。
鎖線に示されるピクセル1050、1051は、閉じ込めウェル配列および対応するサブピクセルレイアウトに基づいて画定することができる。ピクセル1050、1051の全体的な間隔またはピッチは、ディスプレイの解像度に基づくことができる。例えば、ディスプレイ解像が高いほど、ピッチが小さい。加えて、ピクセルは、非対称形状を有するものとして画定することができる。例えば、図15で図示されるように、ピクセル1050、1051は、「L」字形を有することができる。
図16は、OLEDディスプレイ1100のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写する。上記で議論される例示的実施形態に共通する特徴は説明しない(但し、図16で1100の系列を用いて類似標識を見出すことができる)。閉じ込め構造1104は、複数の列C1、C2、C3、C4の中の複数の閉じ込めウェル1120、1130、1140を画定するように構成することができる。列C1、C2、C3、C4は、交互の配列を生成するように配列することができる。例えば、列C1およびC3の中の閉じ込めウェルは、列C2およびC4からオフセットし、一様な列配列を維持しながら、交互の行配列を生成することができる。ピクセル1150、1151は、閉じ込めウェル配列のピッチに基づいて画定することができる。閉じ込めウェル配列のピッチは、ディスプレイの解像度に基づくことができる。例えば、ピッチが小さいほど、ディスプレイ解像度が高い。加えて、ピクセルは、非対称形状を有するものとして画定することができる。例えば、鎖線によって図16で図示されるように、ピクセル1150、1151は、非一様な形状を有することができる。
図17は、OLEDディスプレイ1200のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写する。上記で議論される例示的実施形態に共通する特徴は説明されない(但し、図17で1200の系列を用いて類似標識を見出すことができる)。図17で図示されるように、閉じ込め構造1204は、複数の閉じ込めウェル1220、1230、1240を画定するように構成することができる。各閉じ込めウェル1220、1230、1240は、異なる面積を有することができる。例えば、赤色発光Rと関連付けられるウェル1220は、緑色発光Gと関連付けられるウェル1230より大きい面積を有することができる。加えて、閉じ込めウェル1220、1230、1240は、異なる数のピクセルと関連付けることができる。例えば、閉じ込めウェル1220は、ピクセル1251、1252、1254、1256と関連付けることができ、閉じ込めウェル1230、1240は、ピクセル1251、1252と関連付けることができる。ウェル1220、1230、1240は、一様な行R1、R2、R3、R4、R5の中で構成することができる。行R2、R3、およびR5は、青色発光ウェル1240と関連付けることができ、行R1およびR4は、交互の赤色発光ウェル1220および緑色発光ウェル1230と関連付けることができる。閉じ込め構造1204は、種々の寸法D1、D2、D3、D4を有することができる。例えば、D1は、D2、D3、またはD4より大きくあり得、D2は、D1、D3、またはD4より小さくあり得、D3は、D4に略等しくあり得る。
図18は、OLEDディスプレイ1300のためのピクセルおよびサブピクセルレイアウトの例示的実施形態の部分平面図を描写する。上記、例えば図17で議論される例示的実施形態に共通する特徴は説明されない(但し、図18で1300の系列を用いて類似標識を見出すことができる)。閉じ込め構造1304は、複数の閉じ込めウェル1320、1330、1340を画定するように構成することができる。ウェル1320、1330、1340は、赤色発光1320および緑色発光1330と関連付けられるウェルを、青色発光1340と関連付けられるウェルと行内で交互にすることができるように、配列することができる。
種々のピクセルおよびサブピクセルレイアウトが上記で説明されているが、例示的実施形態は、説明されるような複数のピクセルに及ぶ閉じ込めウェルの形状、配列、および/または構成をいかようにも限定しない。代わりに、インクジェット印刷製造方法と組み合わせて本開示と関連付けられる閉じ込めウェルは、可撓性ピクセルレイアウト配列が選択されることを可能にする。
インクジェット印刷を使用して高解像度OLEDディスプレイを可能にすることができる、種々のピクセルレイアウトが考慮される。例えば、図19で図示されるように、閉じ込め構造1404は、ピクセル1450が、赤色発光Rと関連付けられる閉じ込めウェル1420、緑色発光Gと関連付けられる閉じ込めウェル1430、および青色発光Bと関連付けられる閉じ込めウェル1440を備えることができるように、六角形パターンを作成することができる。ピッチ、閉じ込めウェルの形状、および閉じ込めウェルをともにより近接して詰め込む能力により、インクジェット印刷を使用して、高解像度を有するOLEDディスプレイを作成することができる。
本開示の例示的実施形態による種々の側面を使用して、いくつかの例示的な寸法およびパラメータは、曲線因子の増加とともに高解像度OLEDディスプレイを獲得することにおいて有用であり得る。表1−3は、従来の寸法およびパラメータ、ならびに326ppiの解像度を有するOLEDディスプレイと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的実施例を含み、表1は、赤色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表2は、緑色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表3は、青色発光と関連付けられるサブピクセルを説明する。表4−6は、従来の寸法およびパラメータ、ならびに440ppiの解像度を有するディスプレイと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的実施例を含み、表4は、赤色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表5は、緑色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表6は、青色発光と関連付けられるサブピクセルを説明する。
表7は、従来の寸法およびパラメータ、ならびに326ppiの解像度を有するディスプレイ内のピクセルと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的実施例を含み、ピクセルは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および緑色サブピクセルを含む。
上記の表7で図示されるように、本開示による種々の例示的実施形態は、従来の閉じ込め構造と比べて曲線因子の向上を達成することができることが考慮される。例えば、図3Aおよび3Bで図示される閉じ込め構造を考慮する、ディスプレイの曲線因子は、従来の構造と比べて曲線因子を約43%増加させ、それによって、65%の全曲線因子を達成することができる。別の実施形態では、図5Aおよび5Bで図示されるような閉じ込め構造を考慮する、ディスプレイの曲線因子は、従来の構造と比べて曲線因子を約51%増加させ、それによって、53%の全曲線因子を達成することができる。
表8は、従来の寸法およびパラメータ、ならびに440ppiの解像度を有するディスプレイ内のピクセルと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的実施例を含み、ピクセルは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および緑色サブピクセルを含む。
上記の表8で図示されるように、本開示による種々の例示的実施形態は、従来の閉じ込め構造と比べて曲線因子の向上を達成することができることが考慮される。例えば、図3Aおよび3Bで図示される閉じ込め構造を考慮する、ディスプレイの曲線因子は、従来の構造と比べて曲線因子を約84%増加させ、それによって、55%の全曲線因子を達成することができる。別の実施形態では、図5Aおよび5Bで図示されるような閉じ込め構造を考慮する、ディスプレイの曲線因子は、従来の構造と比べて曲線因子を約116%増加させ、それによって、40%の全曲線因子を達成することができる。
上記で議論されているように、種々の因子が、OLEDディスプレイのインクジェットベースの製造技法における有機発光層の堆積精度および一様性に影響を及ぼし得る。そのような因子は、例えば、ディスプレイ解像度、液滴径、標的液滴領域、液滴配置誤差、OLED層材料および1つ以上のキャリア流体の組み合わせから成るOLED層材料(例えば、活性OLED材料)インクと関連付けられる流体性質(例えば、表面張力、粘度、沸点)、および液滴が堆積させられる速度を含む。
種々の例示的実施形態では、各ピクセルまたはサブピクセルを包囲する閉じ込め構造(例えば、バンク)によって画定される複数の閉じ込めウェルを提供する代わりに、閉じ込め領域を画定するために異なる表面エネルギー(例えば、液体親和性および液体反発領域)のパターン化領域を利用することにより、製造プロセスの単純化を提供することができる。バンク構造の使用は、パターン化バンク層を堆積させるように付加的な処理ステップを含むことができる。加えて、バンク構造を使用するとき、多くの場合、サブピクセルの全てに共通する種々のデバイス層を各サブピクセルの中で堆積させるために、パターン化堆積方法、例えば、インクジェットを使用する必要がある。例えば、種々の実施形態では、RGB OLED構造は、異なる赤色、緑色、および青色EMLコーティングを、対応する色のサブピクセルの中へ提供する前に、赤色、緑色、および青色サブピクセルのそれぞれに共通HILおよび共通HTLコーティングを有することができる。バンク構造が使用されるとき、これらのHITおよびHTLコーティングは、インクジェットを使用して、パターン的に各ウェルの中へ堆積させられる。しかしながら、そのような場合において、これらのHILおよびHTL層をピクセルの全ての上に堆積させるために、一様なブランケットコーティング技法を使用し、次いで、EMLにパターン的堆積技法を使用するように、製造プロセスを単純化することができる。バンク構造の存在は、一様なブランケットコーティングの堆積において困難を増加させ得る。上記で議論されるように、種々の構造を覆う、さらに、ピクセル電極の比較的小さいクラスタを備える領域を覆うコーティングは、種々の課題を提起する。閉じ込めウェルを画定するようにバンク構造を排除し、代わりに、ブランケット堆積技法を使用してHILおよびHTLを提供し、次いで、サブピクセル色層を画定するために使用されるEMLインクを閉じ込めるよう、HTLの頂面上で液体親和性および液体反発領域を画定する化学閉じ込め機構を利用することによって、製造プロセスが単純化されてもよい。
そのような液体親和性および液体反発領域はまた、バンク構造と同様にOLED発光インク液滴配置誤差を補償することに役立つこともでき、製造プロセスをより堅調にし得る乾燥に先立って、液体親和性および液体反発領域の間の境界上に部分的に落下し得る、任意のインク液滴を自然に液体反発領域から反発し、液体親和性領域に引き付けることができるため、OLED発光材料の堆積中に許容液滴配置のより大きい限界を可能にする。また、以下でさらに詳細に説明されるように、潜在的な液滴配置の不正確性にさらに適応するために、液体親和性領域限界を採用することができる。上記で議論されるように、従来の印刷技法で使用される高精度インクジェットヘッドは、約1ピコリットル(pL)〜約50ピコリットル(pL)に及ぶ液滴径を生じることができ、約10pLが高精度インクジェット印刷用途のための比較的一般的なサイズである。従来のインクジェット印刷システムの液滴配置精度は、約±10μmである。
種々の例示的実施形態では、発光層閉じ込め領域が、液体親和性領域に対応することができ、液体反発領域が、堆積材料を含有し、その移動を防止する境界として機能するように、正孔伝導層は、液体親和性領域および液体反発領域を生成するように構成することができる。発光層閉じ込め領域は、有機発光材料および他の活性OLED材料の堆積と関連付けられる乾燥効果を考慮するように画定することができる。例えば、サブピクセルの活性領域内の非一様な縁は、望ましくない視覚アーチファクトを生成し得る。発光層閉じ込め領域は、任意の非一様な縁がサブピクセルの活性領域の外側にあるように画定されるときに、縁乾燥効果を考慮することができる。加えて、発光層閉じ込め領域は、有機発光材料および各材料と関連付けられる乾燥効果に基づいて、個別に構成することができる。また、付加的な材料および製造ステップ(例えば、閉じ込め構造の形成)は、各サブピクセルと関連付けられる閉じ込めウェルを画定するように付加的な閉じ込め構造を提供するために必要とされなくてもよい。ピクセル画定層等の付加的な画定層は、場合によっては、発光層閉じ込め領域および有機発光層の後続の堆積が、サブピクセルおよびピクセルの十分な画定を提供するため、省略されてもよい。しかしながら、当業者であれば、異なる表面エネルギーの領域によって画定される閉じ込め領域を使用する、開示された実施形態と併せて、ピクセル画定層を使用できることを理解するであろう。
本明細書で説明される種々の例示的実施形態によると、OLED製造プロセスに有意な融通性を導入する、製造技法を実装することができる。例えば、ピクセルレイアウトおよびサブピクセル配列は、液体親和性領域および液体反発領域を画定することにより、これらのレイアウトを画定することにおいて達成される融通性を踏まえて、種々の形状、配列、および構造を含むことができる。概して、OLEDディスプレイ内の電気回路は、活性OLED層から単離され、回路は、閉じ込めウェルの外側にあり、サブピクセル電極を個別にアドレス指定する。しかしながら、本明細書で説明される例示的実施形態によると、活性OLED層は、駆動電子機器の電気的性能を向上させるとともに、各ピクセルの曲線因子を増加させるように、基板の活性領域内で電気回路を覆って堆積させることができる。
ディスプレイの活性領域内のピクセル/サブピクセルレベルで閉じ込めウェルを画定する閉じ込め構造を排除することができるが、異なる表面エネルギーの表面領域を介して閉じ込め領域を画定する例示的実施形態では、それでもなお、基板の活性領域全体を包囲する単一活性領域ディスプレイウェルを形成するように、閉じ込め構造を基板の非活性部分の上に配置することができる。例えば、閉じ込め構造は、ディスプレイの画像生成部分内のピクセルと関連付けられる電極の全てを包囲するように配置することができる。活性ピクセル領域の外側に閉じ込め構造を位置付けることによって、閉じ込め構造と接触または接近している活性OLED層の縁で引き起こされる非一様性を活性ディスプレイの外側に閉じ込めることができ、それによって、望ましくない視覚アーチファクトを最小限化し、材料がディスプレイの非活性領域の中へ移動することを防止することによって、製造中に使用される材料を削減する。そのような構成はまた、製造中の精度要求を低減させることもできる。例えば、特定の精密に線引きされた領域上への活性有機材料の堆積の精度は、もはや活性OLED層の堆積ほど重要ではない。液滴が正孔注入層および/または正孔輸送層等の正孔伝導層を形成するように堆積させられるとき、単一活性領域ディスプレイウェル内に堆積させられる全ての液滴は、実質的に一様な厚さを有する連続層を生成するように融合することができる。
また、活性領域ディスプレイウェルを画定するようにOLEDディスプレイ基板の非活性部分の中で単一の閉じ込め構造を実装することにより、OLEDディスプレイを製造する容易性を向上させることができる。例えば、インクジェットノズルは、高解像度ディスプレイの中で活性OLED層を堆積させるために使用することができ、閉じ込め領域内で単一の連続正孔伝導薄膜を形成するように、液滴をともに混合することから生じる平均化により、いかなる液滴体積変動も、全体的なディスプレイ品質体積に大きな影響を及ぼさないであろう。例えば、正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくとも1つ等の正孔伝導層は、基板の活性領域中の活性領域ディスプレイウェル内の電極の全てを覆って堆積させることができる。液体の全ての液滴が融合すると、液滴堆積の任意の変動がわずかであり、結果として生じる層に影響を及ぼさないため、堆積が促進され、一様性が増加させられてもよい。加えて、ディスプレイの非活性部分から活性OLED層を除去する付加的な製造ステップがなく、それによって、全体的な製造プロセスを短縮する。
上記で説明される例示的実施形態によると、異なる表面エネルギーの領域によって画定される閉じ込め領域を使用する実施形態はまた、活性領域の面積を増大させるピクセル配列を組み込むこともできる。例えば、ピクセル/サブピクセルレベルで閉じ込めウェルを画定する閉じ込め構造を用いた上記のように、各ピクセルの非活性部分が縮小されるように、発光層閉じ込め領域(異なる表面エネルギーの表面領域によって画定される)は、異なるピクセルと関連付けられる複数のサブピクセルに及ぶ領域を含むように画定することができる。例えば、発光層閉じ込め領域は、複数の個別にアドレス指定されたサブピクセル電極を覆って画定することができ、各サブピクセル電極は、異なるピクセルと関連付けることができる。画定された発光層閉じ込め領域の面積を増大させることによって、全ピクセル領域に対する活性領域の比が増加させられるため、曲線因子を最大限化することができる。曲線因子のそのような増加を達成することにより、より小さいサイズのディスプレイにおいて高解像度を可能にするとともに、ディスプレイの寿命を向上させることができる。
さらに、図2および12−19を参照して説明される種々のピクセル配列に関して上記で説明されるように、そのようなピクセルレイアウト配列と組み合わせて発光層閉じ込め領域を使用する実施形態は、デバイスの寿命を延長させることができる。例えば、サブピクセル電極サイズは、対応する有機発光層波長放射に基づくことができる。例えば、青色発光と関連付けられるサブピクセル電極は、赤色または緑色発光と関連付けられるサブピクセル電極より大きくあり得る。OLEDデバイスの中の青色発光と関連付けられる有機層は、赤色または緑色発光と関連付けられる有機層に対して、短縮した寿命を有することができる。加えて、より低い輝度レベルを達成するようにOLEDデバイスを操作することにより、デバイスの寿命を増加させる。赤色および緑色サブピクセルに対して青色サブピクセルの放射領域を増大させるとともに、青色サブピクセルより高い輝度を達成するように赤色および緑色サブピクセルを駆動しながら、相対輝度を達成するように青色サブピクセルを駆動することによって、ディスプレイの適正な全体的カラーバランスを依然として提供しながら、異なる色のサブピクセルの寿命の平衡をより良好に保つ働きをすることができる。この寿命の向上した平衡は、青色サブピクセルの寿命を延長させることによって、ディスプレイの全体的寿命の向上を可能にする。
当業者であれば、青色のほかに異なるサブピクセル色の寿命を延長させるために、代替的な構成が可能であることも理解するであろう。例えば、赤色サブピクセルは、赤色サブピクセルの寿命を延長させるよう、他のサブピクセルより広い面積を有することができる。代替として、緑色サブピクセルは、緑色サブピクセルの寿命を延長させるよう、他のサブピクセルより広い面積を有することができる。そのような構成はまた、閉じ込めウェルを画定する閉じ込め構造を備えるOLEDディスプレイ、ならびに閉じ込め領域を画定するために液体親和性および液体反発領域を使用するOLEDディスプレイに適用することもできる。
ここで図22−39を参照すると、OLEDディスプレイ、およびOLEDディスプレイ1900を製造するための例示的なステップが図示されている。ディスプレイ1900を参照して製造する方法を議論するが、他のOLEDディスプレイ、例えば、図20および21を参照して説明されるOLEDディスプレイ1500、1600を製造する際に、本明細書で説明されるステップのうちのいずれかおよび/または全てを使用することができる。OLEDディスプレイ1900は、図22の平面図、および図23で描写される図22の線23−23に沿った断面図で図示されるように、基板1902と、閉じ込め構造1904と、複数の電極1906とを含む。
基板1902は、電極1906を包含する領域によって画定される活性領域1908(境界が図22、23の鎖線によって示される)と、非活性領域1910とを含むことができる。基板1902は、任意の剛性または可撓性かつ略平面的構造であり得、1つ以上の材料の1つ以上の層を含むことができる。基板1902は、例えば、ガラス、ポリマー、金属、セラミック、またはそれらの組み合わせで作製することができる。
閉じ込め構造1904が単一の活性領域ディスプレイウェルWを画定するように、閉じ込め構造1904(例えば、バンク)を基板1902上に配置することができる。閉じ込め構造1904は、例えば、写真品質画像のポリマーまたは感光シリコーン誘電体等のフォトレジスト材料等の種々の材料で形成することができる。閉じ込め構造1904は、処理後に、OLEDインクの腐食作用に対して実質的に不活性であり、低いガス放出を有し、活性領域ディスプレイウェル縁に浅い(例えば、<25度)側壁傾斜を有し、および/または活性領域ディスプレイウェルの中へ堆積させられるOLEDインクのうちの1つ以上に向かった高疎性を有し、所望の用途に基づいて選択され得る、1つ以上の有機成分を含むことができる。好適な材料の実施例は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PMGI(ポリメチルグルタルイミド)、DNQ−Novolacs(異なるフェノールホルムアルデヒド樹脂との化学ジアゾナフトキノンの組み合わせ)、SU−8レジスト(MicroChem Corp.製の一連の広く使用されている専売エポキシ系レジスト)、従来のフォトレジストおよび/または本明細書で記載される前述の材料のうちのいずれかのフッ素化変形例、および有機シリコーンレジストを含むが、それらに限定されず、それのそれぞれは、閉じ込め構造1904の所望の特性をさらに調節するように、相互または1つ以上の添加剤とさらに組み合わせることができる。
加えて、閉じ込め構造1904は、閉じ込め構造1904によって境界されるウェルWの領域内で連続的かつ一様な層を形成するように、適切な幾何学形状および表面化学を通して、活性OLED材料の装填および乾燥プロセスに役立つことができる。閉じ込め構造1904は、単一の構造であり得るか、または閉じ込め構造1904を形成する複数の別個の構造から成ることができる。閉じ込め構造1904は、任意の断面形状を有することができる。加えて、閉じ込め構造1904は、基板1902と垂直な側縁を有するものとして図22で図示されているが、閉じ込め構造1904は、代替として、基板1902の表面に対して角度を成す、および/または丸みを帯びた縁を有することができる。
閉じ込め構造1904は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の任意の製造方法を使用して、形成することができる。シャドウマスキング、フォトリソグラフィ(フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、そうでなければ堆積技法に含まれない任意の付加的なパターン形成を達成することができる。
活性領域ディスプレイウェルWを画定する閉じ込め構造1904は、基板1902上で堆積させられる活性OLED材料を閉じ込めることができる。例えば、閉じ込め構造1904は、基板1902の非活性部分1910上に配置し、活性領域1908を包囲することができる。図22−23に示されるような種々の例示的実施形態では、例えば、閉じ込め構造1904は、距離Dだけ活性領域の外側に位置付けることができる。Dは、縁乾燥効果に基づいて判定することができ、基板1902の活性領域1908内の望ましくない視覚アーチファクトを最小限化するように選択することができる。例えば、閉じ込め構造1904は、任意の縁乾燥非一様性が、ピクセルからの観察された発光に寄与すること、および製造プロセス中にウェル内に活性OLED材料を堆積させるために必要とされる装填精度を低減させることを防止するように、電極1906のいずれかから十分離れて位置付けることができる。同時に、ディスプレイ領域の外側、およびディスプレイへの外部電気接続を行うために提供される領域内の非活性領域の幅を最小限化することも望ましい。非活性領域の幅を最小限化することにより、単一の基板シート上の複数のディスプレイの密接な充詰を提供し、それによって、製造効率を増加させる。これはまた、無駄な空間があまりない、より小型の完成ディスプレイ製品を作製するために望ましい、ディスプレイの外側の斜面の幅を縮小することも提供する。
例示的実施形態では、Dは、約10μm〜約500μmに及ぶことができ、例えば、Dは、約50μmであってもよい。閉じ込め構造1904は、約10μm〜約5mmに及ぶ幅Bを有することができ、Bは、約20μmであり得る。加えて、閉じ込め構造1904は、約0.3μm〜約10μmに及ぶ高さTを有することができ、高さは、約1.5μmであり得る。
電極1906が選択的に駆動されるときに、ユーザに表示される画像を生成するよう光を発することができるように、複数の電極1906を活性領域1908内の基板1902上に提供することができる。各電極1906が、例えば、赤色発光と関連付けられるサブピクセル、緑色発光と関連付けられるサブピクセル、青色発光と関連付けられるサブピクセル等の異なるサブピクセルと関連付けられるように、電極1906は、ピクセルアレイを画定するように配置することができる。代替として、各電極1906は、代わりに、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および青色サブピクセルを含む、ピクセルと関連付けることができる。電極1906は、任意の形状、配列、および/または構成を有することができる。例えば、図22で図示されるように、電極1906は、正方形を有することができる。代替として、電極1906は、長方形、円形、山形、六角形、非対称、不規則な湾曲形状、またはそれらの組み合わせを有することができる。電極1906は、頂面が実質的に平面的であり、かつ基板の主要表面と平行である一方で、電極の側縁が基板1902の表面と実質的に垂直であり得るか、またはそれに対して角度を成し、および/または丸みを帯び得るような外形を有することができる。
電極1906は、透明または反射性であり得、金属、混合金属、合金、金属酸化物、混合酸化物、またはそれらの組み合わせ等の伝導性材料で形成することができる。例えば、種々の例示的実施形態では、電極は、インジウムスズ酸化物、マグネシウム銀、またはアルミニウムで作製することができる。
電極1906は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の任意の製造方法を使用して形成することができる。シャドウマスキング、フォトリソグラフィ(フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、そうでなければ堆積技法に含まれない任意の付加的なパターン形成を達成することができる。
電極1906のピッチに基づいて、ピクセルを画定することができる。電極のピッチは、ディスプレイの解像度に基づくことができる。例えば、ピッチが小さいほど、ディスプレイ解像度が高い。ピクセルは、対称または非対称等の任意の種類の配列を有し、望ましくない視覚アーチファクトを低減させ、画像混合を増進して連続画像を生成するように選択することができる。
例証を明確かつ容易にするために省略されているが、さらなる付加的な電気的構成要素、回路、および/または伝導性部材を基板1902上に配置することができる。電気的構成要素、回路、および/または伝導性部材は、例えば、相互接続、バスライン、トランジスタ、および当業者に周知である他の回路を含むが、それらに限定されない、駆動回路を含むことができる。電気的構成要素、回路、および/または伝導性部材は、他の電極から独立して各電極を選択的にアドレス指定することができるように、各電極1906に連結することができる。例えば、閉じ込め構造1904および/または電極1906等の他の構造のうちのいずれかを堆積させる前および/または後に、薄膜トランジスタ(TFT)(図示せず)を基板1902上に形成することができる。以下で議論されるように、基板1902の活性領域1908中に配置される任意の電気的構成要素、回路、および/または伝導性部材を覆って、活性OLED層を堆積させることができる。
図24で図示されるように、例えば、TFTを含む、電極1906および他の回路(図示せず)が堆積させられた後に、閉じ込め構造1904によって画定される活性領域ディスプレイウェルW内に第1の正孔伝導材料1911を堆積させることができる。第1の正孔伝導材料1911は、有機発光層の中への正孔の注入を促進する材料の1つ以上の層として堆積させることができる。例えば、第1の正孔伝導材料1911は、正孔注入材料等の単一の正孔伝導材料の層として堆積させることができる。代替として、正孔伝導材料1911は、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン:ポリ(スチレンスルホン)(PEDOT:PSS)等の少なくとも1つの正孔注入材料を用いて、複数の異なる正孔伝導材料として堆積させることができる。
第1の正孔伝導材料1911は、インクジェット印刷を使用して堆積させることができる。例えば、インクジェットノズル1914は、活性領域ディスプレイウェルW内で正孔伝導材料を含む流体組成物の複数の液滴1916を指向することができる。当業者であれば、単一のノズルが図24で図示されているが、活性領域ディスプレイウェルW内で正孔伝導材料の複数の液滴を同時に堆積させるように、複数のノズルを実装できることを理解するであろう。
第1の正孔伝導材料1911は、活性領域ディスプレイウェルW内で確実かつ一様な装填を提供するように調合されるインクジェット組成物を形成するように、キャリア流体と混合することができる。第1の正孔伝導材料1911を装填するための液滴は、インクジェットヘッドノズルから高速で基板に送達することができる。第1の正孔伝導層を形成する液滴1916は、図24に示されるように、融合して実質的に一様な厚さを有する連続層を生成するよう、全てのそれぞれのインクジェットノズルからウェルW内に堆積させることができる。第1の正孔伝導材料1911は、乾燥および/または焼き付けに先立って、材料の高さが閉じ込め構造1904の高さより大きくあり得るように堆積させることができるが、閉じ込め構造1904以下の高さもまた、使用されてもよい。
図25で図示されるように、正孔伝導材料が活性領域ディスプレイウェルWの中に装填された後に、第1の正孔伝導層1912を形成するようにディスプレイ1900を処理することができる。例えば、ディスプレイ1900は、乾燥プロセスを介して等、任意のキャリア流体が第1の正孔伝導材料1911から蒸発することを可能にするように処理することができる。本プロセスは、ある期間にわたって基板1902を熱、真空、および/または周囲条件に暴露することを含むことができる。乾燥に続いて、基板1902は、例えば、堆積した薄膜の品質または全体的なプロセスのために有益である、化学反応または変化を薄膜形態において誘発するように、堆積した薄膜材料を処理するよう、高温で焼き付けられてもよい。
第1の正孔伝導層1912は、層1912が活性領域ディスプレイウェルW内の全ての表面特徴(例えば、電極1906、回路(図示せず)等)を覆って配置され、層1912の縁が活性領域ディスプレイウェルWを包囲する閉じ込め構造1904に接触するように、活性領域ディスプレイウェルW全体内で実質的に連続的であり得る。層1912は、非平面的な頂面を有するものとして図示されるが、正孔伝導層1912は、代替として、電極1906および任意の回路(図示せず)等の基礎的表面特徴のトポグラフィに従うことができ、それによって、例えば、堆積層が表面トポグラフィに従う、図3−11の例示的実施形態に関して上記で説明されるものと同様に、基礎的表面特徴と関連付けられる非平面的な頂面を生成する。
図26で図示されるように、閉じ込め構造1904によって画定される活性領域ディスプレイウェルW内で第1の正孔伝導層1912を覆って、第2の正孔伝導材料1917を堆積させることができる。第2の正孔伝導材料1917は、例えば、N,N′−Di−((1−ナフチル)−N,N′−ジフェニル)−1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン(NPB)等の正孔輸送材料を含むことができる。
第1の正孔伝導材料1911と同様に、第2の正孔伝導材料1917は、インクジェット印刷を使用して堆積させることができる。例えば、インクジェットノズル1914は、活性領域ディスプレイウェルW内で正孔伝導材料を含む流体組成物の複数の液滴1920を指向することができる。当業者であれば、単一のノズルが図26で図示されているが、活性領域ディスプレイウェルW内で正孔伝導材料1920の複数の液滴を同時に堆積させるように、複数のノズルを実装できることを理解するであろう。加えて、インクジェットノズル1914は、第1の正孔伝導材料1911を堆積させるために使用される同一のインクジェットノズルであるものとして図示されているが、第2の正孔伝導材料1917を堆積させるために使用されるインクジェットノズルは、異なり得る。したがって、第2の正孔伝導材料1917と関連付けられる液滴1920の液滴体積は、第1の正孔伝導材料1916の液滴体積と同一であり得るか、または異なり得る。
第2の正孔伝導材料1917は、活性領域ディスプレイウェルW内で確実かつ一様な装填を提供するように調合されるインクジェット組成物を形成するように、キャリア流体と混合することができる。第2の正孔伝導材料1917を装填するための液滴は、インクジェットヘッドノズル1914から高速で基板に送達することができる。第2の正孔伝導材料1917の液滴1920は、図26に示されるように、融合して実質的に一様な厚さを有する連続層を生成するよう、全てのそれぞれのインクジェットノズルからウェルW内に堆積させることができる。第2の正孔伝導材料1917は、乾燥および/または焼き付けに先立って、材料の高さが閉じ込め構造1904の高さより大きくあり得るように堆積させることができるが、閉じ込め構造1904以下の高さもまた、使用されてもよい。
図27で図示されるように、第2の正孔伝導材料1917が活性領域ディスプレイウェルWの中に装填された後に、第2の乾燥した正孔伝導層1918を形成するようにディスプレイ1900を処理することができる。例えば、ディスプレイ1900は、乾燥プロセスを介して等、任意のキャリア流体が第2の正孔伝導材料1917から蒸発することを可能にするように処理することができる。本プロセスは、ある期間にわたって基板1902を熱、真空、および/または周囲条件に暴露することを含むことができる。乾燥に続いて、基板1902は、例えば、堆積した薄膜の品質または全体的なプロセスのために有益である、化学反応または変化を薄膜形態において誘発するように、堆積した薄膜材料1917を処理するよう、高温で焼き付けられてもよい。
第2の正孔伝導層1918は、層1918が活性領域ディスプレイウェルW内の全ての表面特徴(例えば、電極206、回路(図示せず)、第1の正孔伝導層1912等)を覆って配置され、層1918の縁が活性領域ディスプレイウェルWを包囲する閉じ込め構造1904に接触するように、活性領域ディスプレイウェルW全体内で実質的に連続的であり得る。
図28で図示されるように、第2の正孔伝導層1918は、第2の正孔伝導層1918の複数部分の表面エネルギーまたは親和性を修正して発光層閉じ込め領域を画定するよう、処理することができる。例えば、反応表面活性材料を層1918の表面に適用することができる。例示的実施形態では、マスク1922を通して、反応表面活性材料を放射源1923からの放射に暴露することができ、層1918内で異なる表面エネルギー(例えば、液体親和性領域および液体反発領域)の領域を画定し、それによって、発光層閉じ込め領域をもたらすために、マスク内の開口部(図示せず)を使用することができる。代替実施形態では、層1918はさらに、放射源1923を使用して第2の正孔伝導層1918を暴露することによって、発光層閉じ込め領域を画定することができるように、反応表面活性材料を含むことができる。例示的実施形態では、各電極1906の幅および長さに基づいてマスク1922内の各開口部が整合させられるように、電極1906に対してマスク1922を位置付けることができる。
反応表面活性(RSA)材料は、少なくとも1つの放射線感受性材料の組成物を含むことができる。RSA材料が放射に暴露されるとき、放射に暴露された関連層の表面エネルギーまたは親和性を修正することができる。例えば、放射に暴露される層1918の複数部分が、放射に暴露されない層1918の複数部分の表面エネルギーまたは親和性とは異なる表面エネルギーまたは親和性を有するように、放射に暴露されるRSA材料と関連付けられる層1918の複数部分は、RSA材料と関連付けられない、および/または光源1923からの放射に暴露されない、層1918の複数部分からの少なくとも1つの物理的、化学的、および/または電気的性質の変化を有し得る。
放射源1923は、RSA材料と組み合わせて、少なくとも1つの物理的、化学的、および/または電気的性質を修正するために使用することができる、任意の放射源を備えることができる。例えば、放射源1923は、赤外線放射源、可視波長放射源、紫外線放射源、それらの組み合わせ等を備えることができる。
使用される放射の種類は、RSAの感受性に依存し得る。暴露は、ブランケット、全体的暴露であり得、または暴露は、パターン的であり得る。本明細書で使用されるように、「パターン的」という用語は、材料または層の選択された部分のみが暴露されることを示す。パターン的暴露は、任意の既知の撮像技法を使用して達成することができる。一実施形態では、パターンは、マスクを通して暴露することによって達成される。一実施形態では、パターンは、レーザで選択された部分のみを暴露することによって達成される。暴露の時間は、使用されるRSAの特異的化学に応じて、数秒〜数分に及ぶことができる。レーザが使用されるとき、レーザの出力に応じて、はるかに短い暴露時間が各個別領域に使用される。暴露ステップは、材料の感受性に応じて、空中で、または不活性雰囲気中で実行することができる。
一実施形態では、放射は、同時および連続処理を含む、紫外線放射(10nm〜390nm)、可視光放射(390nm〜770nm)、赤外線放射(770nm〜106nm)、およびそれらの組み合わせから選択することができる。別の実施形態では、放射は、加熱によって実行されるような熱放射であり得る。加熱ステップのための温度および持続時間は、いかなる基礎的な層も損傷することなく、RSAの少なくとも1つの物理的性質が変化させられるようなものである。例示的実施形態では、加熱温度は、150℃未満等の250℃未満であり得る。
例示的実施形態では、放射は、放射をパターン的に印加することができ、RSAの暴露領域およびRSAの非暴露領域をもたらす、紫外線または可視光放射であり得る。放射へのパターン的暴露後に、RSAの暴露または非暴露領域のいずれか一方を除去するように、第1の層を処理することができる。
別の例示的実施形態では、放射へのRSAの暴露は、溶剤中のRSAの可溶性または分散性の変化をもたらし得る。例えば、暴露がパターン的に実行されるとき、湿式現像処理が暴露ステップの後に続くことができる。処理は、一種類の領域を溶解させ、分散させ、または持ち上げる、溶剤で洗浄することを含むことができる。放射へのパターン的暴露は、RSAの暴露領域の不溶化をもたらし得、溶剤を用いた処理は、RSAの非暴露領域の除去をもたらす。
別の例示的実施形態では、可視光または紫外線放射へのRSAの暴露は、暴露領域中のRSAの揮発度を減少させる反応をもたらし得る。暴露がパターン的に実行されるとき、この後には熱現像処理が続くことができる。処理は、非暴露材料の揮発または昇華温度を上回り、材料が熱的に反応性である温度を下回る温度まで加熱することを伴うことができる。例えば、重合可能単量体については、昇華温度を上回り、熱重合温度を下回る温度で材料を加熱することができる。しかしながら、揮発温度に近い、またはそれを下回る、熱反応性の温度を有するRSA材料は、このようにして現像できない場合があることに留意されたい。
別の例示的実施形態では、放射へのRSAの暴露は、材料が融解、軟化、または流動する、温度の変化をもたらし得る。暴露がパターン的に実行されるとき、この後には乾燥現像処理が続くことができる。乾燥現像処理は、より軟質の部分を吸収するか、または吸い取る吸収表面と要素の最外表面を接触させることを含むことができる。この乾燥現像は、最初に暴露されていない領域の性質にさらに影響を及ぼさない限り、高温で実行することができる。
RSA材料が放射に暴露された後、暴露部分が非暴露部分からの表面エネルギーの増加または減少を有することができるように、層1918の物理的性質を修正することができる。例えば、暴露部分は、層1918の複数部分を、液体材料中で多かれ少なかれ可溶性または分散性、多かれ少なかれ粘着性、多かれ少なかれ軟質、多かれ少なかれ流動性、多かれ少なかれ上昇可能、多かれ少なかれ吸収性、特定の溶剤またはインクに対して接触角度が大きいまたは小さい、特定の溶剤またはインクに対して多かれ少なかれ液体親和性等にさせることができる。層1918の任意の物理的性質に影響を及ぼすことができる。
RSA材料は、1つ以上の放射線感受性材料を含むことができる。例えば、RSA材料は、オレフィン、アクリレート、メタクリル酸、ビニルエーテル、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリケトン、ポリスルホン、それらの共重合体、およびそれらの混合物等の放射線重合可能基を有する、材料を含むことができる。RSA材料はさらに、2つ以上の重合可能基を含むことができる。RSA材料が2つ以上の重合可能基を含むとき、架橋結合が結果として生じ得る。
例示的実施形態では、RSA材料は、少なくとも1つの反応材料と、少なくとも1つの放射線感受性材料とを含むことができ、放射線感受性材料は、放射に暴露されたときに反応材料の反応を開始する、活性種を生成することができる。放射線感受性材料の実施例は、フリーラジカル、酸、またはそれらの組み合わせを生成するものを含むことができるが、それらに限定されない。一実施形態では、反応材料は、重合可能または架橋結合可能であり得る。材料重合または架橋結合反応は、活性種によって開始または触媒される。放射線感受性材料は、概して、RSA材料の全重量に基づいて、0.001%〜10.0%の量で存在する。
例示的実施形態では、RSA材料の反応材料は、エチレン性不飽和化合物であり得、RSA材料の放射線感受性材料は、放射に暴露されたときにフリーラジカルを生成することができる。エチレン性不飽和化合物は、アクリレート、メタクリル酸、ビニル化合物、およびそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。フリーラジカルを生成する、既知の部類の放射線感受性材料のうちのいずれかを使用することができる。例えば、キノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、アリルケトン、過酸化物、ビイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシルアルキルフェニルアセトフェノン、ジアルコキシアセトフェノン、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド誘導体、アミノケトン、ベンゾイルシクロヘキサノール、メチルチオフェニルモルホリノケトン、ホルモリノフェニルアミノケトン、アルファハロゲノアセトフェノン、オキシスルホニルケトン、スルホニルケトン、オキシスルホニルケトン、スルホニルケトン、ベンゾイルオキシムエステル、チオキサントン、カンファキノン、ケトクマリン、およびミヒラーのケトンである。代替として、放射線感受性材料は、化合物の混合物であってもよく、そのうちの1つは、放射によって活性化される感作物質によってそのようにさせられるときに、フリーラジカルを提供する。一実施形態では、放射線感受性材料は、可視光または紫外線放射に対して感受性であり得る。
例示的実施形態では、反応材料は、酸によって開始される重合を受けることができ、放射線感受性材料を放射に暴露することにより、酸を生成する。そのような反応材料の実施例は、エポキシを含むが、それらに限定されない。酸を生成する放射線感受性材料の実施例は、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート等のスルホニウムおよびヨードニウム塩を含むが、それらに限定されない。代替実施形態では、反応材料は、フェノール樹脂を含むことができ、放射線感受性材料は、ジアゾナフトキノンであり得る。
RSA材料はさらに、フッ素化材料を含むことができる。例えば、RSA材料は、フッ素化アクリレート、フッ素化エステル、またはフッ素化オレフィン単量体等の1つ以上のフルオロアルキル基を有する、不飽和材料を含むことができる。例示的実施形態では、フルオロアルキル基は、2個〜20個の炭素原子を有する。
図29は、放射源1923がマスク1922を通してRSAで処理された第2の正孔伝導層1918を照射した後に形成される、液体親和性領域1924および液体反発領域1926を図示する。図30は、図29で図示される拡大部分Mの例示的な断面図であり、図31は、図29で図示される拡大部分Mの例示的な平面図である。液体親和性領域1924および液体反発領域1926は、第2の正孔伝導層1918の厚さ全体内で画定されるものとして図29で図示されていることに留意されたい。しかしながら、当業者であれば、層1918の一部分のみに、例えば、層1918の頂面上に、領域1924および/または1926を形成できることを理解するであろう。
例示的実施形態では、液体反発領域1926の間に液体親和性領域1924を画定することができる。液体反発領域は、約3μm〜100μm以上に及ぶ液体親和性領域の間の幅を有することができる。液体親和性領域1924が、各電極1906の表面積よりわずかに大きい表面積を有し、電極1906の活性領域の外側に画定される液体親和性領域1924の複数部分が、液体親和性領域限界1930を提供するように、液体親和性領域1924を画定することができる。例えば、図30および31で図示されるように、液体親和性領域1924が有機発光材料を液体親和性領域1924内に閉じ込めることができるように、液体親和性領域1924は、有機発光材料の堆積と関連付けられる乾燥効果を考慮するように画定することができる。各液体親和性領域1924は、電極1906の活性領域と関連付けられる(図30の影付き部分によって示される)領域1928と、電極1906の活性領域の外側に配置される液体親和性領域限界1930(存在する場合)とを備えることができる。有機発光材料が第2の正孔伝導層1918上に堆積させられるとき、有機発光材料は、各液体親和性領域1924の領域1928および液体親和性領域限界1930内に実質的に閉じ込めることができる。例えば、有機発光材料が処理される(例えば、乾燥させられる)とき、非一様性が液体親和性領域限界1930内に含有されるように、各有機発光層の縁に非一様性を生成することができる。換言すると、有機発光材料が処理されるとき、液体親和性領域1924の領域1928内の材料の一部分は、一様な頂面を有し、それによって、知覚された視覚アーチファクトを低減させる。液体親和性領域1924は、任意の非一様な縁が電極1906の活性領域の外側にある距離が、縁乾燥効果に基づいて変動し得るように、画定されるときに縁乾燥効果を考慮することができる。そのような縁乾燥効果はまた、液体親和性領域の形状を画定するときに考慮することもできる。例えば、種々の実施形態(図示せず)では、有機発光材料は、より一様な乾燥薄膜を提供するよう、図で概略的に図示される鋭い角よりもむしろ、丸みを帯びた縁をもたらし得る。加えて、液体親和性領域1924は、有機発光材料および各材料と関連付けられる乾燥効果に基づいて、柔軟に構成することができる。種々の例示的実施形態では、約20μm以下、または約10μm以下、または約5μm以下、または約3μm以下の(発光領域に及ぼす縁乾燥効果の影響が最小限化されるように提供される)液体親和性領域限界1930が実装されてもよい。発光領域に対して液体親和性領域のサイズを増大させることはまた、パターン的放射暴露プロセスの整合誤差を補償することに役立ち得る。例えば、1つの例示的実施形態では、パターン的放射暴露プロセスは、約2μmの整合精度を有することができる。したがって、液体親和性領域の増大したサイズは、下層の発光領域に対して約プラスまたはマイナス2μmの起こり得る不整合に対処することができる。
上記で議論されるように、電極1906は、異なる形状、配列、および/または構成を有することができる。例えば、OLEDデバイスの中の青色発光と関連付けられる有機発光層が、典型的には、赤色および緑色発光と関連付けられる有機発光層に対して短縮した寿命を有するため、青色発光と関連付けられる電極は、赤色または緑色発光と関連付けられる電極より大きくあり得る。加えて、低減した輝度レベルを達成するようにOLEDデバイスを操作することにより、デバイスの寿命を増加させる。赤色および緑色発光と関連付けられる電極に対して青色発光と関連付けられる電極の放射領域を増大させることによって、赤色および緑色発光と関連付けられる電極の輝度より小さい輝度を達成するように、青色発光と関連付けられる電極を駆動することができ、それによって、異なる有機発光材料の寿命のより良好な平衡を生成するとともに、ディスプレイの適正な全体的カラーバランスを提供する。この寿命の向上した平衡は、青色発光と関連付けられる有機発光材料の寿命を延長させることができるため、ディスプレイの全体的寿命をさらに向上させる。加えて、液体親和性領域は、電極1906の異なる形状、配列、および/または構成に対応することができる。例えば、図31に類似する図を示す、別の例示的実施形態では、図32は、液体親和性領域1924rが、赤色発光を達成するために使用される電極と関連付けられ、液体親和性領域1924gが、緑色発光を達成するために使用される電極と関連付けられ、液体親和性領域1924bが、青色発光を達成するために使用される電極と関連付けられるように、液体親和性領域1924r、1924g、1924bを、異なる形状のそれぞれの電極と関連付けることができることを図示する。
図29で図示される拡大部分Mの例示的実施形態でもある、図33で図示される代替実施形態では、電極1906が基板1902上に配置された後にピクセル画定層1938を堆積させることができる。ピクセル画定層1938は、電極1906の一部分を覆って堆積させることができ、液体親和性領域1924は、液体親和性領域限界1930がピクセル画定層1938の少なくとも一部分を重ね合わせることができるように画定することができる。ピクセル画定層1938は、ディスプレイ1900の活性領域1908のピクセルアレイ内でピクセルを線引きするために使用される、任意の物理的構造であり得る。ピクセル画定層1938は、画定層1938が電流を防止し、したがって、電極1906の縁を通る発光を実質的に防止することによって不要な視覚アーチファクトを低減させることができるように、電気抵抗材料で作製することができる。例示的実施形態では、ピクセル画定層1938は、約50nm〜約1500nmの範囲内の厚さを有することができる。
図34で図示されるように、閉じ込め構造1904によって画定される活性領域ディスプレイウェルW内に有機発光材料1932を堆積させることができる。例えば、有機発光材料1932は、インクジェット印刷を使用して、第2の正孔伝導層1918内でパターン形成される発光層閉じ込め領域を覆って堆積させることができる。インクジェットノズル1914は、例えば、ノズル1914および/または基板1902の相対走査運動を介して、液体親和性領域1924を覆って、有機発光材料を含有するインクの液滴1934を指向することができる。有機発光材料の液滴1934は、材料が(例えば、液体親和性領域限界1930内の)液体親和性領域1924の縁で固定するように、液体親和性領域1924内で均等に拡散することができる。当業者であれば、単一のノズルが図34を参照して議論され、示されているが、有機発光材料を含有するインクを提供するように、複数のノズルを実装できることを理解するであろう。異なる発光色と関連付けられる、同一または異なる有機発光材料を含有するインクは、同時または連続的に複数のインクジェットノズルヘッドから堆積させることができる。
堆積した有機発光材料1932は、赤色、緑色、および/または青色発光と関連付けられる有機エレクトロルミネセンス材料等の発光を促進する材料を含むことができる。しかしながら、黄色および/または白色発光と関連付けられる有機エレクトロルミネセンス材料等の他の発光色と関連付けられる有機エレクトロルミネセンス材料も使用することができる。
有機エレクトロルミネセンス材料は、液体親和性領域1924内で確実かつ一様な装填を提供するように調合されるインクジェットインクを形成するように、キャリア流体と混合することができる。有機発光材料1932を生成するように堆積させられるインクは、インクジェットヘッドノズル1914から高速で液体親和性領域1924上に送達することができる。
有機発光材料1932は、概して、液体親和性領域1924によって画定される表面積内で保持することができる。例えば、有機発光材料1932は、液体親和性領域1924内にインクの液滴1934を堆積させることによって、基板1902上に装填することができる。液体親和性領域1924の表面エネルギー特性により、有機発光材料1932の液滴は、液体親和性領域1924内で均等に拡散し、液体親和性領域限界1930内の縁で固定することができる。
種々の例示的実施形態では、有機発光材料1932を堆積させる際に、約10pL以下の体積を有する複数のインク液滴1934が使用され得ることが考慮される。種々の例示的実施形態では、約5pL以下、約3pL以下、または約2pL以下のインク液滴体積が使用されてもよい。本開示による、パターン形成された液体親和性領域1924および液体反発領域1926を使用することによって、既存のインクジェットノズル技術と一致する、比較的大きい液滴体積サイズを利用することができる。加えて、液体親和性領域限界1930により生成される、液滴配置制度の付加的な限界がある。
インク1934が液体親和性領域1924上に装填された後、任意のキャリア流体が図35で図示されるように蒸発して有機発光層1933を生成することを可能にするように、ディスプレイ1900を処理することができる。乾燥プロセスは、所定の期間にわたって、ディスプレイを熱、真空、および/または周囲条件に暴露することを含むことができる。乾燥に続いて、ディスプレイ1900はさらに、例えば、堆積した薄膜の品質または全体的なプロセスのために有益である、化学反応または変化を薄膜形態において誘発するように、堆積した薄膜材料を処理するよう、高温で焼き付けることができる。乾燥および/または焼き付けプロセス中の有機発光層1933内の任意の縁変形は、図30および31で図示され、それらに関して議論されるように、液体親和性領域限界1930内に含有することができる。
図36で図示されるように、次に、乾燥した有機発光層1933を覆って、閉じ込め構造1904によって画定される活性領域ディスプレイウェルWの中に第2の電極層1936を堆積させることができる。代替実施形態では、第2の電極層1936はさらに、閉じ込め構造1904を越えて延在することができる。例えば、第2の電極層1936は、第2の電極層1936によって搬送される電流を供給または排出するように、基板1902上に配置される外部伝導性経路(図示せず)と接触することができる。第2の電極層1936は、透明または反射性であり得、金属、混合金属、合金、金属酸化物、混合酸化物、またはそれらの組み合わせ等の伝導性材料で形成することができる。例えば、第2の電極層1936は、インジウムスズ酸化物またはマグネシウム銀であり得る。図36では単一の層として図示されているが、第2の電極層1936は、複数の伝導性層を含む、任意の形状、配列、および/または構成を有することができる。1つの例示的実施形態では、第2の電極層1936は、電極1936がディスプレイ1900の活性領域1908全体を覆う単一の電極をもたらすように、ブランケット技法を使用して形成することができる(図22および23参照)。代替実施形態では、第2の電極層1936は、それぞれ、1つの第2の電極が各電極1906と関連付けられる(例えば、重ね合わせる)、複数の電極を含むことができる。加えて、第2の電極層1936は、図36で平面的な頂面を有するものとして図示されているが、第2の電極層1936は、層1936が基礎的トポグラフィを反映し、非平面的な頂面をもたらすように、堆積させることができる。
第2の電極層1936は、インクジェット印刷、ノズル印刷、スリットコーティング、スピンコーティング、真空熱蒸発、スパッタリング(または他の物理蒸着方法)、化学蒸着等の任意の製造方法を使用して形成することができる。堆積後に、シャドウマスキング、フォトリソグラフィ(フォトレジストコーティング、露出、現像、および剥離)、ウェットエッチング、ドライエッチング、リフトオフ等を使用することによって、そうでなければ堆積中に行われない任意の付加的なパターン形成を達成することができる。
第2の電極層1936が活性領域ディスプレイウェルWに及ぶ連続層であるとき、層1936は、以前に配置された層によって形成されるトポグラフィを覆うことができる。例えば、第2の電極層1936は、液体反発領域1926内の第2の正孔伝導層1918、および第2の正孔伝導層1918の液体親和性領域1924を覆って形成される有機発光層1933に接触することができる。
第2の電極層1936を提供する前に、有機発光層1933を覆って、付加的なOLED層を堆積させることができ、例えば、付加的なOLED層は、電子輸送層、電子注入層、正孔遮断層、湿気防止層、および/または保護層を含んでもよい。そのような付加的なOLED層は、例えば、インクジェット印刷等の当業者に公知である種々の技法によって、真空熱蒸発によって、または別の方法によって、堆積させることができる。
代替的な例示的実施形態では、ディスプレイ1900は、例えば、図28で図示されるような第1の正孔伝導層1912および第2の正孔伝導層1918よりもむしろ、図37で図示されるような単一の正孔伝導層1913を備えることができる。液体親和性領域1924は、液体親和性領域限界1930が、電極1906の活性領域の外側の単一の正孔伝導層1913の複数部分内で画定されるように、単一の正孔伝導層1913の中で画定することができる。正孔伝導層1913は、1つ以上の正孔伝導材料を含むことができる。例えば、正孔伝導層1913は、正孔注入材料および/または正孔輸送層を含むことができる。
概して、図37で図示されるように、正孔伝導層1913および第2の電極層1936は、正孔伝導層1913および/または第2の電極層1936の頂面が非平面的であるように、基礎的トポグラフィに一致することができる。例えば、堆積したOLED層は、基板と平行であり、かつ活性領域ディスプレイウェルW全体にわたる単一の平面内に位置しない、表面トポグラフィをもたらし得る。例えば、層1913、1936の一方または両方は、基板1902上に配置される電極を含む、任意の表面特徴と関連付けられる相対的くぼみまたは突出により、ディスプレイの単一の平面内で非平面的かつ非連続的であり得る(ディスプレイの平面は、基板1902と平行な平面として意図される)。示されるように、層1913、1936は、OLED層の頂面が、基礎的表面特徴のトポグラフィに従う、結果として生じるトポグラフィを有することができるように、基礎的表面特徴トポグラフィに十分に一致することができる。換言すると、各堆積したOLED層は、基板1902上に配置される全ての基礎的な層および/または表面特徴が、堆積させられた後にOLED層の結果として生じる非平面的な頂面トポグラフィに寄与するように、これらの基礎的な層に十分に一致する。このようにして、ディスプレイの平面と平行である活性領域ディスプレイウェルにわたる平面内で、層が平面に対して上昇および/または下降すると、層1913または1936、あるいは両方における非連続性が生じ得、既存の表面特徴が活性領域ディスプレイウェル内の電極、回路、ピクセル画定層等から提供される。層1913および/または1936は、基礎的表面トポグラフィに完全には一致する必要がない(例えば、上記で説明されるように、縁領域および同等物の周囲で厚さの局所的な非一様性があり得る)が、材料の有意な蓄積または消耗がない、十分に共形のコーティングが、さらに均一で一様かつ再現可能なコーティングを助長することができる。当業者であれば、正孔注入層および正孔輸送層の一方または両方が基礎的表面特徴に十分に一致し、いずれか一方の層の頂面が、基礎的表面特徴のトポグラフィに従う、結果として生じるトポグラフィを有することができるように、そのような層の両方を備える正孔伝導層に、上記で説明される同一の考慮事項を適用できることを理解するであろう。
種々の実施形態では、閉じ込め構造1904を省略することができ、代わりに、ディスプレイの非活性領域内に堆積させられる任意の流体に反発することを促進するよう、ディスプレイ活性領域の外側の領域中で液体反発領域を形成するように、インク調合および印刷プロセスを設計することができる。例えば、図38および39で図示されるように、第1の正孔伝導層1912および第2の正孔伝導層1918は、ディスプレイ1900の非活性領域1910中にある電極1906および基板1902の複数部分を覆って堆積させることができる。例示的実施形態では、層1912および1918は、基板全体を覆ってブランケットコーティングすることができる。第2の正孔伝導層1918は、第2の正孔伝導層1918の複数部分の表面エネルギーまたは親和性を修正して発光層閉じ込め領域を画定するよう、処理することができる。加えて、ディスプレイの非活性領域1910内の液体反発部分1925は、閉じ込め領域CAを画定することができ、液体反発部分1925は、活性領域1908を包囲することができる。上記のように、放射源1926は、マスク1922を通して、RSA材料で処理された第2の正孔伝導層1918の表面に影響を与える放射を提供することができる。放射源1926からの放射は、液体親和性領域1924を形成するように、RSA材料の少なくとも1つの性質を修正することができる。液体反発部分1925は、これらの部分の中で液体反発領域をもたらす、表面エネルギーを有することができる。本実施形態では、ディスプレイの活性領域を含み、かつその直接周囲にある領域に、全ての印刷層を閉じ込める構造がないように、ディスプレイの活性領域全体の周囲に閉じ込め構造がない(例えば、活性領域ディスプレイウェルがない)。これは、同時に、非活性ディスプレイ領域から材料の少なくとも一部分を除去するために、付加的な後続処理ステップを潜在的に必要としながら、ある処理の単純化を提供することができる。有機発光材料1932を液体親和性領域1924内に堆積させることができる。また、有機発光材料1932は、液体反発部分1925により、実質的にディスプレイ1900の活性領域1908内に閉じ込めることができる。
図40は、図39で図示される拡大部分の断面図であり、電極1906の活性領域および液体親和性限界領域1930と関連付けられる一部分1928を備える、液体親和性領域1924を図示する。第2の正孔伝導層の液体反発部分1925は、非活性領域1910に隣接する活性領域1908中の各電極1906と関連付けられる、液体親和性限界領域1930から離間させることができる。液体反発部分1925は、任意の有機発光材料がディスプレイ1900の非活性部分1910の中へ移動することを防止することができる。
例示的実施形態によると、図22−40のOLEDデバイスは、上部放射構成または底部放射構成を有することができる。例えば、上部放射構成では、図22−40で図示される複数の電極1906は、反射電極であり得、図36および37で図示される第2の電極層1936は、透明電極であり得る。代替として、底部放射構成では、複数の電極1906は、透明であり得、第2の電極層1936は、反射性であり得る。
別の例示的実施形態では、図22−40のOLEDディスプレイは、能動マトリクスOLED(AMOLED)であり得る。AMOLEDディスプレイは、受動マトリクスOLED(PMOLED)ディスプレイと比較して、ディスプレイ性能を向上させることができるが、基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を含む能動駆動回路を必要とし、そのような回路は、透明ではない。PMOLEDディスプレイは、透明ではない伝導性バスライン等のいくつかの要素を有するが、AMOLEDディスプレイは、不透明である実質的により多くの要素を有する。結果として、底部放射AMOLEDディスプレイについては、不透明回路要素の間で基板の底部を通して発光することしかできないため、曲線因子がPMOLEDと比較して低減させられ得る。この理由により、OLEDデバイスをそのような能動回路要素の上に構築することができ、基礎的要素の不透明性の懸念を伴わずに、OLEDデバイスの上部を通して発光することができるため、AMOLEDディスプレイのための上部放射構成を使用することが望ましくあり得る。一般に、発光が、基板1902上に堆積させられる付加的な不透明要素(例えば、TFT、駆動回路構成要素等)によって遮断されないため、上部放射構造が、ディスプレイ1900内で画定される各ピクセルの曲線因子を増加させることができる。しかしながら、本開示は、上部放射活性マトリクスOLED構成に限定されない。本明細書で議論される技法および配列は、底部放射および/または受動ディスプレイ等の任意の他の種類のディスプレイ、ならびに当業者であれば適切な修正を使用して作製する方法を理解するであろうものとともに使用することができる。
図22−40を参照して上記で説明される種々の側面は、本開示による種々のピクセルおよびサブピクセルレイアウトに使用することができる。本開示によって考慮される1つの例示的なレイアウトが、図41で描写されている。
例示的実施形態では、ピクセルの非活性部分が縮小されるように、発光層閉じ込め領域は、複数のサブピクセルに及ぶ領域を含むように画定することができる。例えば、図41で図示されるように、発光層閉じ込め領域は、複数の個別にアドレス指定されたサブピクセル電極を覆って画定することができ、各サブピクセル電極は、異なるピクセルと関連付けることができる。発光層閉じ込め構造の面積を増大させることによって、全ピクセル領域に対する活性領域の比が増加させられるため、曲線因子を最大限化することができる。曲線因子のそのような増加を達成することにより、より小さいサイズのディスプレイにおいて高解像度を可能にするとともに、ディスプレイの寿命を向上させることができる。
図41は、選択的に駆動されたときに、ユーザに表示される画像を生成することができる光を発する、例えば、点線境界2050、2051、2052によって画定されるような複数のピクセルを含む、ディスプレイ2000の部分平面図を図示する。フルカラーディスプレイでは、ピクセル2050、2051、2052は、異なる色の複数のサブピクセルを含むことができる。例えば、ピクセル2050は、赤色サブピクセルR、緑色サブピクセルG、および青色サブピクセルBを含むことができる。発光層閉じ込め領域2034、2036、2038は、第2の正孔伝導層2026内に閉じ込めることができ、発光層閉じ込め領域2034は、赤色波長範囲内の放射を有する有機発光材料と関連付けることができ、発光層閉じ込め領域2036は、緑色波長範囲内の放射を有する有機発光材料と関連付けることができ、発光層閉じ込め領域2036は、青色波長範囲内の放射を有する有機発光材料と関連付けることができる。各発光層閉じ込め領域2034、2036、2038は、複数の電極2006、2007、2008、2009、2016、2017、2018、2019、2022、2024と関連付けることができる。複数の電極と関連付けられるように発光層閉じ込め領域2034、2036、2038を構成することによって、例えば、高解像度ディスプレイ等において、ディスプレイ2000の全体的曲線因子を向上させることができる。
図41の例示的なレイアウトは、限定的であることを目的としておらず、むしろ本開示を実装する多数の方法がある。多くの場合、特定のレイアウトの具体的選択は、電気回路の基礎的レイアウトへの制約、長方形、山形、円形、六角形、三角形、および同等物等の所望のピクセル形状、およびディスプレイの外観に関係付けられる要因(異なる構成について、およびテキスト、グラフィック、または動画等の異なる種類のディスプレイコンテンツについて観察することができる、視覚アーチファクト等)によって駆動され得る。当業者であれば、いくつかの他のレイアウトが本開示の範囲内に入り、修正を通して、かつ本明細書で説明される原理に基づいて、それらを得ることができると理解するであろう。さらに、当業者であれば、簡単にするために、発光層閉じ込め領域のみが、図41の例示的レイアウトの説明において説明されるが、本明細書のピクセルレイアウトのうちのいずれかと組み合わせて、図22−40を参照して上記で説明される、電極、表面特徴、回路、ピクセル画定層、および他の層を含む、特徴のうちのいずれかを使用できることを理解するであろう。
本開示の例示的実施形態による種々の側面を使用して、いくつかの例示的な寸法およびパラメータは、曲線因子の増加とともに高解像度OLEDディスプレイを獲得することにおいて有用であり得る。表9−11は、326ppiの解像度を有するOLEDディスプレイと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的実施例を含み、表9は、赤色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表10は、緑色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表11は、青色発光と関連付けられるサブピクセルを説明する。表12−14は、従来の寸法およびパラメータ、ならびに440ppiの解像度を有するディスプレイと関連付けられる本開示の例示的実施形態による、先見的な非限定的実施例を含み、表12は、赤色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表13は、緑色発光と関連付けられるサブピクセルを説明し、表14は、青色発光と関連付けられるサブピクセルを説明する。
任意のOLEDディスプレイにおいて高解像度を達成するために、本明細書で開示される実施形態を使用することができる。したがって、本明細書で説明されるデバイス、システム、および技法を種々の電子ディスプレイ装置に適用することができる。そのような電子ディスプレイ装置のいくつかの非限定的実施例は、テレビのディスプレイ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、頭部装着型ディスプレイ、カーナビゲーションシステム、ディスプレイを含むオーディオシステム、ラップトップパーソナルコンピュータ、デジタルゲーム機器、携帯用情報端末(タブレット、モバイルコンピュータ、携帯電話、モバイルゲーム機器、または電子書籍等)、記録媒体を提供された画像再生デバイスを含む。2種類の電子ディスプレイ装置の例示的実施形態が、図20および21で図示されている。
図20は、本開示によるOLEDディスプレイのうちのいずれかを組み込む、テレビのモニタおよび/またはデスクトップパーソナルコンピュータのモニタを図示する。モニタ1500は、フレーム1502、支持材1504、およびディスプレイ部分1506を含むことができる。本明細書で開示されるOLEDディスプレイの実施形態は、ディスプレイ部分1506として使用することができる。モニタ1500は、任意のサイズのディスプレイ、例えば、最大55インチ以上であり得る。
図21は、本開示によるOLEDディスプレイのうちのいずれかを組み込む、モバイルデバイス1600(携帯電話、タブレット、携帯情報端末等)の例示的実施形態を図示する。モバイルデバイス1600は、本体1062と、ディスプレイ部分1604と、動作スイッチ1606とを含むことができる。本明細書で開示されるOLEDディスプレイの実施形態は、ディスプレイ部分1604として使用することができる。
当業者であれば、図1−43は概略図であり、代表的にすぎないと見なされるものであることを認識するであろう。例えば、種々の閉じ込め構造1904および他の構造は、基板と垂直に配置される平行壁を有し、かつ鋭い縁を有するものとして図示され得るが、これらの構造は、丸みを帯びた縁および/または角度を成す壁を含む、任意の形状を有することができる。加えて、層、ウェル、および/または閉じ込め領域のうちのいずれかは、丸みを帯びた、角度を成す等の非一様な縁を有することができる。
上記で説明され、本開示に関連する種々の例示的実施形態は、その中にOLED材料液滴が装填される、閉じ込めウェル/閉じ込め領域のサイズを増大させることによって、比較的高いピクセル密度および増加した曲線因子を有する、OLEDディスプレイのインクジェット印刷を可能にし、それによって、本開示による、達成可能な液滴径および達成可能なインクジェットシステム液滴配置精度の使用を可能にすることができる。より大きい閉じ込めウェルおよび領域により、インクジェット機器設計および印刷技法において極めて困難な課題を提起し得る、過度に小さい液滴体積または過剰に高い液滴配置精度を利用する必要なく、十分に大きいインクジェット液滴体積および達成可能な液滴配置精度を使用して、高解像度OLEDディスプレイを製造することができる。本開示の種々の実施形態による、複数のサブピクセルに及ぶ閉じ込めウェルまたは閉じ込め領域を実装することなく、閉じ込め構造を利用するとき、液滴が過度に大きい体積を有し、各サブピクセル閉じ込めウェルまたは領域を過充填し、従来の液滴配置精度が、標的閉じ込めウェルまたは領域の完全または部分的に外側のいずれか一方で液滴の誤配置につながり、その両方が、薄膜堆積の望ましくない誤差、および最終ディスプレイ外観において対応する視覚欠陥につながるであろうため、液滴径およびシステム液滴配置誤差が、既存のインクジェットヘッドを使用して製造される任意の高解像度ディスプレイにおいて問題を有意に増加させ得る。既存の液滴体積および液滴配置精度を用いて高いピクセル密度を達成する能力は、本明細書で説明される種々の例示的な技法が、例えば、スマートフォンおよび/またはタブレットで見出されるような小型サイズディスプレイから、例えば、超高解像度テレビ等の大型サイズディスプレイまで、多くの用途のための比較的高い解像度のディスプレイの製造で利用されることを可能にする。
また、例示的実施形態による、基礎的トポグラフィに十分に一致する実質的に一様な厚さのOLED材料層を達成することにより、全体的なOLEDディスプレイの性能および品質を助長することができ、具体的には、望ましい性能および品質が高解像度OLEDディスプレイにおいて達成されることを可能にすることができる。
上記の実施形態のうちの1つ以上はまた、増加した曲線因子を達成することもできる。従来のピクセル配列では、300ppi〜440ppiの範囲内の解像度を有するディスプレイの曲線因子は、40%未満、頻繁には30%未満の曲線因子を有する。対照的に、本開示の例示的実施形態は、300ppi〜440ppiの範囲内の解像度を有するディスプレイについて、40%より大きい、場合によっては、60%ほども高い曲線因子を達成してもよい。例示的実施形態は、高解像度ディスプレイ内のピクセル配列を含む、任意のピクセルサイズおよび配列に使用することができる。
例示的実施形態は、任意のサイズのディスプレイとともに、より具体的には、高解像度を有する小型ディスプレイとともに使用することができる。例えば、本開示の例示的実施形態は、3インチ〜70インチの範囲内の対角サイズを有し、かつ100ppiより大きい、例えば、300ppiより大きい解像度を有する、ディスプレイとともに使用することができる。
説明される種々の例示的実施形態は、インクジェット印刷技法を利用することを考慮するが、本明細書で説明される種々のピクセルおよびサブピクセルレイアウト、ならびにOLEDディスプレイのためのこれらのレイアウトを生成する方法はまた、熱蒸発、有機気相堆積、および有機蒸気ジェット印刷等の他の製造技法を使用して、製造することもできる。例示的実施形態では、代替的な有機層パターン形成も行うことができる。例えば、パターン形成方法は、(熱蒸発と併せた)シャドウマスキングおよび有機蒸気ジェット印刷を含むことができる。具体的には、同一の色の複数のサブピクセルがともにグループ化され、および/または堆積したOLED薄膜層がグループ化サブピクセル領域内の大幅なトポグラフィに及ぶ、本明細書で説明されるピクセルレイアウトが、インクジェット印刷用途のために着想されているが、そのようなレイアウトはまた、パターン形成ステップがシャドウマスキングを使用して達成される、OLED薄膜層堆積のための真空熱蒸発技法への有益な代替的適用を有することもできる。本明細書で説明されるようなレイアウトは、より大きいシャドウマスク穴、およびそのような穴の間の増大した距離を提供し、それによって、そのようなシャドウマスクの全体的な機械的安定性および一般実用性を潜在的に向上させる。シャドウマスクを用いた真空熱蒸発技法は、インクジェット技法より高価ではない場合があるが、本開示によるピクセルレイアウトの使用、および同一の色と関連付けられるグループ化サブピクセル内の大幅なトポグラフィに及ぶOLED薄膜層コーティングの使用もまた、本明細書で説明される本開示の潜在的に重要な用途を表す。
上記で説明され、本開示に準じる種々の例示的実施形態は、本開示に従って、従来のインク液滴径および従来のインクジェットシステム液滴配置精度の使用を可能にすることによって、有機発光材料のインクジェット液滴を閉じ込めるように、発光層閉じ込め領域を使用してピクセルの非活性領域を減少させることによって、比較的高いピクセル密度および増加した曲線因子を有する、OLEDディスプレイのインクジェット印刷を可能にすることができる。画定された発光層閉じ込め領域により、インクジェット機器設計および印刷技法において極めて困難な課題を提起し得る、小さすぎる液滴体積または過度に高い液滴配置精度を利用する必要なく、十分に大きいインクジェット液滴体積および従来の液滴配置精度を使用して、高解像度OLEDディスプレイを製造することができる。液滴径およびシステム液滴配置誤差への要件は、従来のインクジェットヘッドを使用して製造される任意の高解像度ディスプレイにおいて有意に増加し得る。従来の液滴体積および従来の液滴配置精度とともに高ピクセル密度を達成する能力は、例えば、スマートフォンおよび/またはタブレットで見出されるような小型サイズディスプレイから、例えば、超高解像度テレビ等の大型サイズディスプレイまで、多くの用途のための比較的高い解像度のディスプレイの製造で、本明細書で説明される技法が利用されることを可能にする。上記の実施形態のうちの1つ以上は、従来のピクセル配列を利用するときに低減した曲線因子を達成することができる。従来のピクセル配列では、300ppi〜440ppiの範囲内の解像度を有するディスプレイの曲線因子は、非活性ピクセル領域への閉じ込めウェル構造の寄与により、40%未満、頻繁には、30%未満の曲線因子を有する。対照的に、本開示の例示的実施形態は、300ppi〜440ppiの範囲内の解像度を有するディスプレイについては、40%より大きい、場合によっては60%ほども高い曲線因子を有することができる。例示的実施形態は、任意のピクセルサイズおよび配列に、より具体的には、高解像度ディスプレイ内のピクセル配列に使用することができる。
例示的実施形態は、任意のサイズのディスプレイとともに、より具体的には、高解像度を有する小型ディスプレイとともに使用することができる。例えば、本開示の例示的実施形態は、100ppiより大きい、より具体的には、300ppiより大きい解像度を有する、3〜70インチの範囲内のディスプレイとともに使用することができる。
いくつかの例示的実施形態のみが上記で詳細に説明されているが、当業者であれば、本開示から物質的に逸脱することなく、多くの修正が例示的実施形態で可能であることを理解するであろう。したがって、全てのそのような修正は、以下の請求項で定義されるような本開示の範囲内に含まれることを目的としている。
さらなる側面が、以下の節で開示される。
第1の側面は、有機発光ディスプレイを製造する方法に関する。第1の側面は、基板上に複数の電極を提供するステップを含むことができる。インクジェット印刷を介して、基板上の複数の電極を覆って、第1の正孔伝導層を堆積させることができる。発光層閉じ込め領域を画定するように、第1の正孔伝導層の選択された表面部分の液体親和性質を変化させることができる。各発光層閉じ込め領域は、それぞれ、基板上に提供される複数の電極の各々に対応する、一部分を有することができる。インクジェット印刷を介して、各発光層閉じ込め領域内に有機発光層を堆積させることができる。
第1の側面による第2の側面では、本方法はさらに、インクジェット印刷を介して、複数の電極と第1の正孔伝導層との間に第2の正孔伝導層を堆積させるステップを含むことができる。
先行側面のうちのいずれか1つによる第3の側面では、本方法はさらに、複数の電極を包囲する、基板上に提供される閉じ込め構造を含むことができる。
先行側面のうちのいずれか1つによる第4の側面では、本方法はさらに、ディスプレイの活性領域内に配置される複数の電極を含むことができる。
先行側面のうちのいずれか1つによる第5の側面では、本方法はさらに、各有機発光層を覆って堆積させられる第2の電極を含むことができ、複数の電極は、複数の第1の電極である。
先行側面のうちのいずれか1つによる第6の側面では、本方法はさらに、複数の電極の各々の一部分を覆って堆積させられるピクセル画定層を含むことができる。
先行側面のうちのいずれか1つによる第7の側面では、本方法はさらに、50nm〜1500nmに及ぶ厚さを有する、ピクセル画定層を含むことができる。
先行側面のうちのいずれか1つによる第8の側面では、本方法はさらに、マスクの開口部を通して第1の正孔伝導層の選択表面部分を放射することによって、表面の液体親和性質を変化させるステップを含むことができる。
先行側面のうちのいずれか1つによる第9の側面では、本方法はさらに、赤外線放射、可視波長放射、および紫外線放射のうち少なくとも1つを含む、放射を含むことができる。
先行側面のうちのいずれか1つによる第10の側面では、本方法はさらに、材料の実質的に連続的な層を形成するように複数の電極を覆って堆積させられる、第1の正孔伝導層ブランケットを含むことができ、基板から外方を向く第1の正孔伝導層の表面は、非平面的なトポグラフィを有することができる。
先行側面のうちのいずれか1つによる第11の側面では、本方法はさらに、材料の実質的に連続的な層を形成するように第2の正孔伝導層を覆って堆積させられる、第1の正孔伝導層ブランケットを含むことができ、第2の正孔伝導層から外方を向く第1の正孔伝導層の表面は、非平面的なトポグラフィを有することができる。
第12の側面は、有機発光ディスプレイに関する。第12の側面は、基板上に配置される複数の電極を含むことができる。複数の電極は、アレイ構成で配列することができる。閉じ込め構造を基板上に配置することができる。閉じ込め構造は、複数の電極を包囲することができる。閉じ込め構造内で複数の電極を覆って、第1の正孔伝導層を配置することができる。第1の正孔伝導層の表面部分の液体親和性質は、第1の正孔伝導層内で発光層閉じ込め領域を画定するように変化させることができる。有機発光層を各発光層閉じ込め領域内に配置することができる。
第12の側面による第13の側面では、ディスプレイはさらに、複数の電極と第1の正孔伝導層との間に配置される、第2の正孔伝導層を含むことができる。
第12または13の側面による第14の側面では、ディスプレイはさらに、液体反発領域によって包囲することができる、各発光層閉じ込め領域を含むことができる。
第12〜第14の側面による第15の側面では、ディスプレイはさらに、閉じ込め構造によって個別に包囲することができない、各発光層閉じ込め領域を含むことができる。
第12〜第15の側面による第16の側面では、ディスプレイはさらに、ディスプレイの活性領域内に配置される複数の電極を含むことができる。
第17の側面は、プロセスによって作製される有機発光ディスプレイに関する。第17の側面は、基板上に配置される複数の電極を備える、基板を提供するステップを含むことができる。インクジェット印刷を介して、基板上の複数の電極を覆って、少なくとも1つの正孔伝導層を堆積させることができる。少なくとも1つの正孔伝導層の表面上で発光層閉じ込め領域を画定するように、少なくとも1つの正孔伝導層の選択表面部分の液体親和性質を変化させることができる。インクジェット印刷を介して、少なくとも1つの正孔伝導層内で画定される各発光層閉じ込め領域内に有機発光層を堆積させることができる。
第17の側面による第18の側面では、本プロセスによって作製されるディスプレイは、基板上に提供される閉じ込め構造を含むことができ、閉じ込め構造は、複数の電極を包囲するウェルを画定する。
第17の側面または第18の側面による第19の側面では、本プロセスによって作製されるディスプレイは、インクジェット印刷を介して、基板上の複数の電極を覆って堆積させられる、第1の正孔伝導層を含むことができ、発光層閉じ込め領域は、第1の正孔伝導層の表面上で画定することができる。
第17〜第19の側面による第20の側面では、本プロセスによって作製されるディスプレイは、インクジェット印刷を介して、基板上の複数の電極を覆って堆積させられる、第1の正孔伝導層と、第1の正孔伝導層を覆う第2の正孔伝導層とを含むことができ、発光層閉じ込め領域は、第2の正孔伝導層の表面上で画定することができる。
第17〜第20の側面による第21の側面では、本プロセスによって作製されるディスプレイは、ディスプレイの活性領域内に配置される、複数の電極を含むことができる。
本明細書で示され、説明される種々の実施形態は、例示的と解釈されるものであることを理解されたい。本明細書の説明の利益を有した後に、全て当業者に明白となるように、要素および材料、ならびにこれらの要素および材料の配列は、本明細書で図示および説明されるものと置換されてもよく、かつ複数部分が逆転されてもよい。それらの均等物を含む、本開示および以下の請求項の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明される要素に変更が行われ得る。
当業者であれば、本教示の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される例示的実施形態の構成および方法に種々の修正が行われ得ることを認識するであろう。
当業者であれば、また、たとえ適切な修正を伴う他の例示的実施形態との組み合わせが本明細書で明示的に開示されていなくても、本明細書の1つの例示的実施形態に関して開示される種々の特徴が、そのような組み合わせで使用され得ることも理解するであろう。
本開示および添付の請求項の範囲から逸脱することなく、本開示のデバイス、方法、およびシステムに種々の修正および変更を行うことができることが、当業者に明白となるであろう。本開示の他の実施形態が、本明細書で開示される本開示の明細書および実践の考慮から、当業者に明白となるであろう。本明細書および実施例は、例示的のみと考慮されることが意図される。