JP2006174704A - Ebウイルス核抗原−2に対するモノクローナル抗体 - Google Patents

Ebウイルス核抗原−2に対するモノクローナル抗体 Download PDF

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Abstract

【課題】EBNA−2、特にリン酸化の度合いが低いEBNA−2を検出することができ、ウイルスのタイプを問わずEBウイルスを検出することができる手段を提供すること。
【解決手段】EBNA−2と結合し特定の配列のアミノ酸番号:1〜58からなる領域のポリペプチドと結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片;FERM AP−20307のハイブリドーマ;該抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、該抗体又はその抗体断片とEBNA−2との複合体の形成の有無を検出する、EBNA−2若しくはEBウイルスの検出方法又はEBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法;並びに該抗体又はその抗体断片を含有した、EBNA−2又はEBウイルスの検出用キット。
【選択図】なし

Description

本発明は、EBウイルス核抗原−2(EBNA−2)に対する抗体、該抗体を産生するハイブリドーマ、及びEBNA−2の検出方法、EBウイルスの検出方法EBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法及びEBNA−2又はEBウイルスの検出用キットに関する。
EB〔エプスタイン−バール(Epstein−Barr)〕ウイルスは、幼少期に不顕性で感染し、終生体内に潜伏感染をするヒトヘルペスウイルスの1つである。また、前記EBウイルスは、試験管内で、ヒトの初代B細胞に感染して増殖し、形質転換、いわゆる、「試験管内発癌」を起こすウイルスであり、ヒトのリンパ腫などの悪性腫瘍との関連が疑われている癌ウイルスでもある(非特許文献1)。
「微生物学・免疫学」、第242頁、株式会社医学教育出版社、1998年4月24日改訂第2版発行
本発明は、1つの側面では、EBウイルス核抗原−2(EBNA−2)、特にリン酸化の度合いが低いEBNA−2を検出すること、ウイルスのタイプを問わずEBウイルスを検出すること、EBウイルスに関連する疾患を検査すること、EBウイルスに関連する疾患の検査のための試薬を製造すること、EBNA−2の構造及び機能の研究を行なうこと等の少なくとも1つを可能にする、モノクローナル抗体又はその抗体断片を提供することに関する。また、本発明は、他の側面では、前記モノクローナル抗体を効率よく産生させることができる、ハイブリドーマを提供することに関する。さらに、本発明は、別の側面では、EBNA−2を、高感度、かつ簡便に検出することができる、被験試料中のEBNA−2の検出方法を提供することに関する。また、本発明は、他の側面では、被験試料中のEBウイルスの存在を、ウイルスのタイプを問わず、高感度かつ簡便に検出することができる、被験試料中のEBウイルスの検出方法を提供することに関する。さらに、本発明は、別の側面では、EBウイルスを含む被験試料を、高感度かつ簡便に検出することができる、EBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法を提供することに関する。本発明は、さらに別の側面では、EBNA−2の検出、EBウイルスの検出及びEBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別を、高感度かつ簡便に行なうことができる、EBNA−2又はEBウイルスの検出用キットを提供することに関する。
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕 EBウイルス核抗原−2(EBNA−2)と結合し、該EBNA−2のアミノ末端側のアミノ酸1〜58(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58)からなる領域のポリペプチドと結合する、モノクローナル抗体又はその抗体断片、
〔2〕 配列番号:1のアミノ酸番号:1とアミノ酸番号:96〜194とからなるポリペプチドとは結合せず、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58からなるポリペプチドと結合する、前記〔1〕記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片、
〔3〕 EBNA−2のアミノ末端側のアミノ酸1−116(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜116)からなるポリペプチドに対して生じさせたものである、前記〔1〕又は〔2〕記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片、
〔4〕 受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕であるハイブリドーマにより産生される、前記〔1〕〜〔3〕いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片、
〔5〕 EBNA−2に対して、受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕であるハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体と競合的に結合する抗体、
〔6〕 受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕のハイブリドーマ、
〔7〕 前記〔1〕〜〔5〕いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、ついで、該モノクローナル抗体又はその抗体断片とEBウイルス核抗原−2(EBNA−2)との複合体の形成の有無を検出することを特徴とする、EBNA−2の検出方法、
〔8〕 前記〔1〕〜〔5〕いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、ついで、該モノクローナル抗体又はその抗体断片とEBウイルス核抗原−2(EBNA−2)との複合体の形成の有無を検出することを特徴とする、EBウイルスの検出方法、
〔9〕 前記〔1〕〜〔5〕いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、ついで、該モノクローナル抗体又はその抗体断片とEBウイルス核抗原−2(EBNA−2)との複合体の形成の有無を検出することを特徴とする、EBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法、並びに
〔10〕 前記〔1〕〜〔5〕いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含有してなる、EBNA−2又はEBウイルスの検出用キット、
に関する。
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片によれば、EBNA−2、特にリン酸化の度合いが低いEBNA−2を検出することができ、ウイルスのタイプを問わずEBウイルスを検出することができるという優れた効果を奏する。また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片によれば、EBウイルスに関連する疾患を検査することができ、EBウイルスに関連する疾患の検査のための試薬を製造することができるという優れた効果を奏する。また、本発明のハイブリドーマによれば、前記モノクローナル抗体を効率よく産生させることができるという優れた効果を奏する。さらに、本発明の被験試料中のEBNA−2の検出方法によれば、EBNA−2を、高感度、かつ簡便に検出することができるという優れた効果を奏する。また、本発明の被験試料中のEBウイルスの検出方法によれば、被験試料中のEBウイルスの存在を、ウイルスのタイプを問わず、高感度かつ簡便に検出することができるという優れた効果を奏する。さらに、本発明のEBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法によれば、EBウイルスを含む被験試料を、高感度かつ簡便に検出することができるという優れた効果を奏する。また、本発明の検出用キットによれば、本発明のEBNA−2の検出、EBウイルスの検出及びEBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別を、高感度かつ簡便に行なうことができる。
本発明の1つの側面は、EBウイルス核抗原−2(EBNA−2)に対するモノクローナル抗体又はその抗体断片であり、より具体的には、EBウイルス核抗原−2(EBNA−2)と結合し、該EBNA−2のアミノ末端側のアミノ酸1〜58(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58)からなる領域のポリペプチドと結合する、モノクローナル抗体又はその抗体断片である。
前記EBNA−2は、潜伏EBウイルス感染Bリンパ球に発現した核抗原であり、EBウイルスのゲノムにコードされた6つの核抗原の1つである。また、前記EBNA−2は、細胞及びウイルス遺伝子の転写をアップレギュレートし、EBウイルス感染細胞の増殖形質転換に役割を果たしうる。さらに、前記EBNA−2は、例えば、10重量% SDS−PAGEで測定した場合の分子量が約85kDaであり、スクロース密度勾配沈降解析により、感染細胞のライゼートにおいて約13S及び34Sの複合体として、ダイマー又はテトラマーとして検出されるものである。
前記EBNA−2としては、例えば、配列番号:1のアミノ酸配列を有するポリペプチド等が挙げられる。
本発明のモノクローナル抗体によれば、前記EBNA−2を、高い特異性で、効率よく、高い感度で検出することができるという優れた効果を発揮する。
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、配列番号:1のアミノ酸番号:1とアミノ酸番号:96〜194とからなるポリペプチドとは結合せず、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58からなるポリペプチドと結合するという抗原認識特異性を示す。
また、本発明のモノクローナル抗体のサブクラスは、IgG1である。
本明細書において、前記「特異性」は、抗原に対する交差反応性及び抗原との親和性により評価される。また、前記「抗原に対する交差反応性」は、例えば、EBNA−2、配列番号:1のアミノ酸番号:1とアミノ酸番号:96〜194とからなるポリペプチド、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58からなるポリペプチド等を抗原として用い、ELISA法、Ouchterlony法、免疫電気泳動法等により、評価されうる。具体的には、例えば、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片について、配列番号:1のアミノ酸番号:1とアミノ酸番号:96〜194とからなるポリペプチドと、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58からなるポリペプチドとを用いてOuchterlony法を行なうことにより、配列番号:1のアミノ酸番号:1とアミノ酸番号:96〜194とからなるポリペプチドとの沈降線を示さず、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58からなるポリペプチドとの沈降線を示すこと;本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片について、配列番号:1のアミノ酸番号:1とアミノ酸番号:96〜194とからなるポリペプチドと、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58からなるポリペプチドとを用いたELISA法を行なうことにより、配列番号:1のアミノ酸番号:1とアミノ酸番号:96〜194とからなるポリペプチドとの抗体の結合に基づく蛍光が検出されず、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58からなるポリペプチドとの抗体の結合に基づく蛍光が検出されること等により、前記「抗原に対する交差反応性」を評価することができる。また、前記「抗原との親和性」は、モノクローナル抗体と抗原との結合速度定数、解離速度定数等により評価されうる。
さらに、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片によれば、予想外にも、ウイルスのタイプ(例えば、タイプ1、タイプ2)を問わず、EBウイルスを検出することができるという優れた効果を発揮する。
したがって、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片によれば、EBウイルスに関連する疾患の検査のための試薬が提供されうる。
本発明のモノクローナル抗体は、EBNA−2のアミノ末端側のアミノ酸1−116(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜116)からなるポリペプチドに対して生じさせたモノクローナル抗体である。
また、本発明のモノクローナル抗体は、受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕であるハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体である。
なお、本発明には、前記受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕であるハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体と同一のエピトープに結合する(すなわち、同一のエピトープを特異的に認識する)抗体も含まれる。前記抗体は、別の側面では、EBNA−2に対して、受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕であるハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体と競合的に結合する抗体である。かかる抗体としては、EBNA−2に対して、前記ハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体と競合的に結合するものであれば、ハイブリドーマや免疫する動物の種類等により限定されるものではなく、より具体的には、配列番号:1のアミノ酸番号:1とアミノ酸番号:96〜194とからなるポリペプチドとは結合せず、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58からなるポリペプチドと結合するモノクローナル抗体等が挙げられる。
本発明の抗体断片は、EBNA−2のアミノ末端側のアミノ酸1−58(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58)に反応するものであればよい。前記抗体断片としては、Fab、F(ab’)2、Fab’、Fv等が挙げられる。かかる抗体断片は、例えば、ペプチダーゼ等により、モノクローナル抗体を消化することにより得られうる。例えば、Fabフラグメントは、本発明のモノクローナル抗体をパパインにより処理することにより得られ、F(ab’)2フラグメントは、本発明のモノクローナル抗体をペプシンにより処理することにより得られうる。
本発明のモノクローナル抗体は、Y1001−3 (F794−25−73)と命名・表示され、受領番号:FERM AP−20307として、2004年11月29日(寄託日)、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1−1)に寄託されているハイブリドーマより、慣用の方法により、製造されうる。
なお、本発明のモノクローナル抗体を産生する前記受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕のハイブリドーマも本発明に含まれる。本発明のハイブリドーマによれば、本発明のモノクローナル抗体を効率よく産生させることができる。
前記ハイブリドーマは、保護剤、例えば、10体積% DMSO/15体積% ウシ胎仔血清−RPMI1640培地等に、2.5×106細胞/0.7ml/保存用チューブとなるように懸濁し、凍結、例えば、一旦、−80℃で凍結させ、ついで、液体窒素中で凍結させることにより、凍結保存されうる。凍結保存されたハイブリドーマは、ウォーターバス中37℃でインキュベーションし、前記保護剤を該ハイブリドーマの培養に用いるに適した培地に交換することにより、適宜使用され得る。
本発明のモノクローナル抗体は、具体的には、例えば、
1)前記受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕のハイブリドーマを適切な培地中、5体積% CO2、37℃の条件下に培養して、培養上清を得る工程、及び
2)該培養上清から、モノクローナル抗体を精製する工程、
を行なうことにより得られうる。
前記工程1)において、ハイブリドーマの培地としては、本発明のハイブリドーマを増殖、維持及び保存させ、培養上清中にモノクローナル抗体を産生させるに適した慣用の栄養培地又は慣用の基本培地の改変培地等が挙げられる。
前記基本培地としては、例えば、RPMI1640培地等が挙げられる。また、培地のpHは、7.0〜8.0であることが望ましい。なお、前記基本培地は、目的に応じて、例えば、血清、ホルモン、サイトカイン等をさらに含有してもよい。
本発明のハイブリドーマの培養に用いられうる培地としては、具体的には、例えば、0.03重量% L−グルタミンと0.2重量% 炭酸水素ナトリウムと0.00053% フェノールレッドと10重量% ウシ胎仔血清と10mg/L ゲンタマイシンとを含有したRPMI1640培地等が挙げられる。
前記工程1)におけるハイブリドーマの培養条件としては、例えば、5体積% CO2、37℃で数日間のインキュベーション等が挙げられる。
前記工程2)において、モノクローナル抗体の精製は、前記工程1)で得られた培養上清を、硫酸アンモニウム、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティカラムクロマトグラフィー(例えば、抗イムノグロブリンカラムクロマトグラフィー、プロテインAカラムクロマトグラフィー等)に供すること等により行なうことができる。具体的には、本発明のモノクローナル抗体は、プロテインAアフィニティカラムクロマトグラフィーで精製されうる。
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、EBNA−2、EBウイルス等の検出、EBウイルスに関連する疾患、例えば、伝染性単核球症、バーキットリンパ腫、上咽頭がん、胃ガン、臓器移植後のリンパ球増殖性疾患、慢性活動性EBウイルス感染症、伴性リンパ増殖症候群等の検査等に用いられうる。また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片によれば、EBウイルスに関連する疾患の検査のための試薬を製造することができる。
本発明は、別の側面では、モノクローナル抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、ついで、該モノクローナル抗体又はその抗体断片とEBNA−2との複合体の形成の有無を検出することを特徴とする、EBNA−2の検出方法に関する。
本発明のEBNA−2の検出方法によれば、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片が用いられているため、高い感度で、高い特異性で、かつ簡便に、被験試料中のEBNA−2を検出することができるという優れた効果を発揮する。また、本発明のEBNA−2の検出方法によれば、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片が用いられているため、EBNA−2が由来するEBウイルスのタイプに限定されず、当該EBNA−2を検出することができる。
また、本発明のEBNA−2の検出方法によれば、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片が用いられているため、リン酸化度が低いEBNA−2を検出することもできる。
本発明のEBNA−2の検出方法においては、まず、被験試料と前記モノクローナル抗体又はその抗体断片とを接触させる。
前記被験試料としては、例えば、細胞ライゼート、タンパク質変性処理をした細胞等が挙げられる。
本発明のモノクローナル抗体若しくはその抗体断片とEBNA−2との複合体の形成は、例えば、本発明のモノクローナル抗体に対する抗体又は本発明の抗体断片に対する抗体等の二次抗体により、複合体を捕捉することにより検出されうる。ここで、検出を容易にし、かつ感度を向上させる観点から、前記二次抗体は、慣用の標識物質による標識を有するものや、ラテックス等の支持体に担持されたものであることが望ましい。
前記標識物質としては、例えば、蛍光物質(例えば、フルオレセイン イソチオシアネート、ローダミン イソチオシアネート等)、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等)等が挙げられる。前記標識物質として、蛍光物質を用いる場合、前記複合体は、該蛍光物質に応じた波長での蛍光を指標として検出され、前記標識物質として、酵素を用いる場合、該酵素の基質として酵素の反応により発色する物質を用い、発色を指標として検出されうる。また、前記ラテックスを用いる場合、該ラテックスの凝集度合いを指標として前記複合体を検出できる。
また、本発明のEBNA−2の検出方法によれば、EBNA−2の検出を介して、EBウイルスを検出することもできる。
したがって、本発明は、他の側面では、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、ついで、該モノクローナル抗体又はその抗体断片とEBNA−2との複合体の形成の有無を検出することを特徴とする、EBウイルスの検出方法に関する。本発明のEBウイルスの検出方法によれば、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片が用いられているため、被験試料中のEBウイルスの存在を、ウイルスのタイプを問わず、高感度かつ簡便に検出することができる。
また、本発明のEBNA−2の検出方法によれば、EBNA−2の検出を介して、EBウイルスを含む被験試料を選別することができ、それにより、EBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料を選別することができる。
したがって、本発明は、さらに別の側面では、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、ついで、該モノクローナル抗体又はその抗体断片とEBNA−2との複合体の形成の有無を検出することを特徴とする、EBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法に関する。本発明のEBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法によれば、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片が用いられているため、EBウイルスを含む被験試料を、高感度かつ簡便に検出することができ、EBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料を、迅速に、高感度かつ簡便に選別することができる。また、本発明のEBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法によれば、ウイルスのタイプを問わず、EBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料を選別することができる。
本発明のEBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法によれば、例えば、前記EBウイルスに関連する疾患の診断への応用等も可能になる。
本発明は、さらに他の側面では、モノクローナル抗体又はその抗体断片を含有した、EBNA−2又はEBウイルスの検出用キットに関する。
本発明の検出用キットは、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含有しているため、EBNA−2の検出、EBウイルスの検出及びEBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別を、高感度かつ簡便に行なうことができる。したがって、本発明の検出用キットは、前記EBNA−2の検出方法、前記EBウイルスの検出方法、前記EBウイルスの検出及びEBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法に好適である。
なお、本発明の検出用キットには、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を、前記モノクローナル抗体又はその抗体断片を慣用の支持体に担持させた担体として含有していてもよい。前記支持体としては、ポリスチレンビーズ、セファロース等が挙げられる。本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を支持体に担持させるには、例えば、ブロモシアン法等が行なわれうる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
EBウイルス核抗原−2のアミノ末端側に対するモノクローナル抗体の作製
pRITベクター〔ニルソン(Nilsson,B)ら、EMBO J.、4、1075−1080(1985)〕を用い、EBNA−2翻訳領域をプロテインAのIgG結合領域のC末端に挿入して発現ベクターpRIT−Y1プラスミドを作製した。得られたpRIT−Y1プラスミドを用いて、大腸菌Y1089に溶原化した。得られた大腸菌を、32℃で1×108細胞/mlまで増殖させ、ついで、45℃で20分培養し、さらに39℃で90分間培養した。菌体を回収し、得られた菌体をリゾチームで処理し、凍結融解、超音波処理を行なうことにより、プロテインAとEBウイルス(EBV) タイプ1 B95−8株のEBウイルス核抗原−2(EBNA−2)のアミノ末端側のアミノ酸1−116(「EBNA−2(1−116)」、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜116)との融合ポリペプチド〔プロテインA−EBNA−2(1−116)〕を作製した。
ついで、前記プロテインA−EBNA−2(1−116)を、リシルエンドペプチダーゼ(和光純薬株式会社製)で、37℃で60分間処理して切断し、得られた産物を、IgG−Sepharose〔ファルマシア(Pharmacia)社製〕に供して、独自のドメイン(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58)とポリプロリン配列(配列番号:1のアミノ酸番号:59〜95)とを有するEBNA−2(1−116)ポリペプチドを精製し、40% 飽和硫酸アンモニウムで沈殿させた。
3匹のddYマウスと3匹のBALB/cマウスとに対し、前記プロテインA−EBNA−2(1−116)ポリペプチド 50μgを、1回腹腔内注射し、ついで、1回あたり前記プロテインA−EBNA−2(1−116)ポリペプチド 50μgを2回皮下注射した。また、50μgのEBNA−2(1−116)ポリペプチドを、皮下注射した。なお、各ポリペプチドは、注射直前に、完全フロイントアジュバントに懸濁した。各マウスに対し、6週間にわたり、2週間毎に免疫した。
しかしながら、1回の免疫では、十分な力価を示す抗体を得ることができなかった。2回目の注射、3回目の注射及び4回目の注射から1週間後、マウスの血液を採取し、EBNA−2アミノ末端領域に対する血清抗体価を定量した。
3回目の免疫及び4回目の免疫から1週間後に3匹のddYマウスのうちの1匹から採取した試料は、第1回目の血液試料においては、EBNA−2(1−116)に対するELISA IgG力価が300未満であるが、EBNA−2(1−116)に対するELISA IgG力価が、10000以上の増加を示した。他の2匹のddYマウスは、それぞれ、3000及び10000の力価であった。EBNA−2(1−116) IgG抗体価は、BALB/cマウスのうちの1匹では増加しなかったが、残りの2匹は、3000倍以下のIgG力価であった。EBNA−2(1−116)(>10,000)に対して最も高い血清IgG力価を有するddYマウスを、50μgのEBNA−2(1−116)ポリペプチドで、3回以上2週間間隔で注射した。血清EBNA−2(1−116)IgG力価は、ピーク((20000)に達し、4回目の免疫後、もはやさらなる増加は検出されなかった。7回目の免疫から2週間後、EBNA−2(1−116)ポリペプチドの最後の注射を行なった。
ddYマウスの脾細胞を、ミエローマ細胞株P3X63 Ag8U.1(ATCC供給)と融合させ、得られたハイブリドーマについて、抗体産生をELISAでスクリーニングした。1つのハイブリドーマ細胞株F794−25−73細胞が得られた。商品名:Mouse Monoclonal Antibody Isotyping Kit RPN29〔アマシャム(Amersham)社製〕を用いたアイソタイプは、モノクローナル抗体Y101のサブクラスは、IgG1であることを示した。
その後、腹腔内注射で得られた腹水のハイブリドーマ細胞をマウスから回収した。
得られたハイブリドーマを、0.03重量% L−グルタミンと0.2重量% 炭酸水素ナトリウムと0.00053% フェノールレッドと10重量% ウシ胎仔血清と10mg/L ゲンタマイシンとを含有したRPMI1640培地中、5体積% CO2、37℃の条件下に培養して、培養上清を得た。ついで、得られた培養上清を、HiTrapプロテインA HPカラム〔アマシャム(Amersham)社製〕に供して、モノクローナル抗体を精製した。
その結果、モノクローナル抗体Y101が得られた。また、前記ハイブリドーマF794−25−73細胞は、Y1001−3 (F794−25−73)と命名・表示され、受領番号FERM AP−20307として、2002年11月1日(寄託日)、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1−1)に、寄託されている。
モノクローナル抗体Y101の抗原認識特異性の検討
EBV タイプ1 B95−8株で正常ヒト末梢血リンパ球のインフェクション及び増殖形質転換を行なうことにより、IB4リンパ芽球状細胞株(LCL)を樹立した。IB4 C23細胞クローンは、前記IB4細胞株由来である。HE細胞株(国立感染症研究所にて樹立)は、伝染性単核症の日本人患者から自然発生的に樹立されたものである。BJAB細胞株(スウエーデン、カロリンスカ研究所のクライン博士から供与)は、EBV−ゲノム陰性アフリカバーキットリンパ腫から得られたものである。Jijoye細胞株は、北海道大学大里博士から供与されたものであり、バーキットリンパ腫のアフリカ人少年から得られたものであり、EBV タイプ2を保持する。MISP細胞株(北海道大学、小児科の菊田秀明博士からの供与)は、全身性肥満細胞症の日本人の20歳の女性患者から得られたものである。EBNA、EA及びVCAに対する前記日本人の20歳の女性患者の血清IgG抗体価は、それぞれ、80x、<10及び640xであった。VCAに対するIgM力価は、<10であった。MISP細胞株は、EBV タイプ2 DNAを有し、MISP EBNA−2のコード領域は、EBV タイプ2プロトタイプ AG876株のものと同一である。
前記細胞のライゼートを、10重量% ポリアクリルアミドのSDS電気泳動に供してEBNA−2を含む細胞タンパク質を展開し、を行ない、ニトロセルロース膜に転写させたタンパク質を、商品名:Western Lightning Chemiluminescence Reagent Plus〔パーキンエルマー(PerkinElmer)社製〕で検出することによりイムノブロッティングを行なった。
切形型EBNA−2ポリペプチドの免疫沈殿は、以下のように行なった。10mM Tris−HCl(pH7.5)と150mM NaClと1.0体積% 商品名:NP40とプロテアーゼインヒビター〔シグマ(Sigma)社製〕とを含む緩衝液でトランスフェクト細胞を溶解させ、10000×g、30分間遠心分離して不溶性沈殿を除去し、ついで、抗Flag M2−アガロースアフィニティーゲル〔シグマ(Sigma)社製〕を用いて、上清画分を免疫沈殿させ、その後、10mM Tris−HCl(pH7.5)と150mM NaClと0.5体積% 商品名:NP40とを含む緩衝液で3回洗浄した。ついで、モノクローナル抗体Y101又はFlagに対するモノクローナル抗体M2〔シグマ(Sigma)社製〕を用いたイムノブロッティングにより、抗原−抗体複合体を解析した。
全長EBNA−2タンパク質の免疫沈殿のために、E2FL発現BJAB細胞を、10mM Tris−HCl(pH7.5)と150mM NaClと1.0% 商品名:NP40とを含む緩衝液で溶解させ、遠心分離して、不溶性沈殿を除去した。得られた上清画分の一部を、モノクローナル抗体Y101と共にインキュベーションした。また、EBNA−2のC末端領域(配列番号:1のアミノ酸番号:341〜460)を用いて産生させたものであり、EBNA−2のアミノ酸429−443(配列番号:1のアミノ酸番号429〜443)の間のエピトープを認識することが示唆されるモノクローナル抗体PE2〔ダコ(Dako)社製〕と共に、前記上清画分と等量の上清画分をインキュベーションした。抗原−抗体複合体を、プロテインG Sepharose〔商品名、ファルマシア(Pharmacia)社製〕に吸着させ、ついで、10mM Tris−Cl(pH7.5)と150mM NaClと0.5% 商品名:NP40とを含む緩衝液で3回洗浄した。抗原−抗体複合体を、モノクローナル抗体PE2とHRP結合抗マウスIgGヤギ抗体〔アマシャム(Amersham)社製〕とを用いたイムノブロッティングにより解析した。
その結果、図1のパネルaに示されるように、モノクローナル抗体Y101及び広く使われているEBNA−2モノクローナル抗体PE2の両方が、EBV タイプ1プロトタイプB95−8株で形質転換されたIB4細胞であるIB4C23細胞クローン及びHE LCL細胞で産生されたEBNA−2タンパク質を用いた免疫生物学的解析で反応した。さらに、イムノブロットリプロービング試験を行なった。レーン7−12の6つのレーンに結合したモノクローナル抗体Y101分子を、商品名:Western Blot Stripping Buffer〔ピアース(PIERCE)社製〕でインキュベーションすることにより除去し、ついで、モノクローナル抗体PE2を用いて剥がしたレーン7−12をリプローブした、結果を、図1のパネルbのレーン7’〜12’に示す。
その結果、モノクローナル抗体Y101により、IB4、IB4C23及びHE LCL細胞中におけるEBNA−2の二つのバンドが検出された。モノクローナル抗体Y101は、大きいEBNA−2タンパク質(リン酸化の度合いが大きいタンパク質)と同程度又はより強く、小さいEBNA−2と反応し、モノクローナル抗体PE2は、大きいIB4 EBNA−2よりも弱く、小さいIB4 EBNA−2と反応した。
また、モノクローナル抗体Y101は、Jijoye株及びMISP株の両方のEBV タイプ2のEBNA−2タンパク質と反応した。一方、モノクローナル抗体PE2は、MISP EBNA−2と反応したが、約75kDaのJijoye EBNA−2とは同じ条件下では反応しなかった。さらに、モノクローナル抗体PE2により、MISP EBNA−2が強く検出された。
以上の結果より、モノクローナル抗体Y101は、低リン酸化EBNA−2にも結合することが示唆された。また、モノクローナル抗体Y101は、EBウイルス タイプ1及びタイプ2のいずれにも結合することが示唆された。
モノクローナル抗体Y101により認識されるエピトープの位置の検討
モノクローナル抗体Y101により認識されたエピトープの位置を決定するために、モノクローナル抗体と、BJAB細胞で合成されたFlagタグ切形型EBNA−2ポリペプチドとの反応性を調べた。
ターミネーションコドンのすぐ前にLDTKDADDDKLLV(配列番号:2)の12アミノ酸をコードするオリゴヌクレオチドをPCRによりpSG5ベクター(ストラタジーン)に挿入することにより、Flag〔前記配列番号:2中のDTKDADDDK〕−タグ全長EBV タイプ1 W91株EBNA−2を発現するベクターpSG−E2FLを得た。かかるベクターは、FlagインサートのはじめにPvuII部位を有する。
pSG−E2FLを平滑末端化し、E2FLリーディングフレーム中の194アミノ酸に対応する位置に隣接するPvuII部位とStuI部位とを用いてライゲーションすることにより、Flagタグ切形型EBNA−2ポリペプチドを発現するプラスミドpSG−F194、pSG−F194d2−95及びpSG−F194d59−93を得た。前記プラスミドpSG−F194、pSG−F194d2−95及びpSG−F194d59−93は、それぞれ、EBNA−2のアミノ酸1−194(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜194)からなるポリペプチドの構築物F194、EBNA−2アミノ酸1とアミノ酸96−194とからなるポリペプチドの構築物F194d2−95、アミノ酸1−58(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58)と94−194(配列番号:1のアミノ酸番号:94〜194)とからなるポリペプチドの構築物F194d59−93を発現しうる。F194d59−93は、配列番号:1のアミノ酸番号:59〜95のポリプロリン領域の2つのプロリンを除く全部を欠失するものである。
前記プラスミドをトランスフェクトしたBJAB細胞を、トランスフェクションから20時間後、溶解させた。
また、EBNA−2のアミノ酸1−60(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜60)をコードする核酸のPCR産物を、商品名:pGEX−2TKベクター〔ファルマシア(Pharmacia)社製〕に挿入した。得られたプラスミドを用いて、大腸菌BL21を形質転換した。得られた形質転換体を、LB培地〔組成:1重量% バクトトリプトン(10g/L)、0.5重量% イーストエクストラクト(5g/L)、1重量% 塩化ナトリウム(10g/L)〕中、37℃で光学的密度0.6に至るまで培養し、1mM IPTGを添加した。その後、前記形質転換体を、30℃で2時間培養した後、集菌した。得られた菌体を、終濃度0.5重量% 商品名:NP40を含むTris-HCl緩衝液(pH7.5)に溶解し、超音波処理した。超音波処理後の産物を、7000×gで30分遠心分離し、得られた上清をグルタチオンーセファロースビーズ〔ファルマシア(Pharmacia)社製〕に供し、EBNA−2のアミノ酸1−60(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜60)とグルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク質GST−E2[1−60]を回収した。
その結果、図2に示されるように、モノクローナル抗体Y101は、F194及びF194d59−93の両方と反応し、モノクローナル抗体Y101により認識されたエピトープは、EBNA−2のアミノ酸1〜58(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58)又はアミノ酸94〜194(配列番号:1のアミノ酸番号:94〜194)内にあることが示唆された。
また、アミノ酸2−95の欠失を有するFlagタグ切形型EBNA−2ポリペプチドF194d2−95とのモノクローナル抗体Y101の反応性を同様に調べた。
その結果、図2に示されるように、モノクローナル抗体Y101は、F194d2−95ポリペプチドと反応しなかった。また、EBNA−2アミノ酸2−18の欠失を有するGAL4 DNA結合ドメインと融合させたEBNA−2アミノ酸19−483とのモノクローナル抗体Y101の反応性は、イムノブロットでは検出されなかった。
これらの結果により、モノクローナル抗体により認識されるエピトープは、アミノ酸2〜95内、おそらくアミノ酸2〜95内であることが示唆された。
さらに、EBNA−2のアミノ酸1−60とのモノクローナル抗体Y101の反応性を直接的に調べた。
その結果、図3に示されるように、モノクローナル抗体Y101は、GST−E2[1−60]とイムノブロットで強く反応したが、GSTとは反応せず、モノクローナル抗体Y101により認識されるエピトープが、EBNA−2アミノ酸1−60(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜60)内であることが示された。
これらの結果から、モノクローナル抗体Y101により認識されるエピトープが、EBNA−2のアミノ酸1〜58(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58)に含まれると考えられる。
本発明によれば、EBNA−2、EBウイルス等の検出、EBウイルスに関連する疾患の検査等が可能になる。
図1は、EBウイルス潜伏感染細胞ライゼート中のEBNA−2の検出を示す図である。パネルaにおいて、レーン1〜6は、モノクローナル抗体PE2、レーン7−12は、モノクローナル抗体Y101を用いた場合の結果を示す。パネルbにおいて、レーン7’〜12’は、レーン7−12のメンブレンから反応後のモノクローナル抗体Y101をはがし、該メンブレンをモノクローナル抗体PE2と共にインキュベーションし、EBNA−2の検出を行なった結果を示す。図中、BJABは、陰性対照であるBリンパ種細胞BJAB細胞、IB4は、EBウイルス タイプ1の潜伏感染細胞IB4細胞、IB4C23は、前記IB4細胞のクローン細胞、MISPは、日本人患者から樹立されたEBウイルス タイプ2感染細胞株MISP細胞、HEは、EBウイルス タイプ1感染細胞、Jijoyeは、EBウイルス タイプ2感染のプロトタイプである。
図2は、EBNA−2アミノ末端領域欠損変異体に対するモノクローナル抗体の反応性を示す図である。図中、F194は、EBNA−2のアミノ末端側194アミノ酸(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜194)からなるポリペプチド、F194d2−95は、アミノ末端側のアミノ酸2〜95(配列番号:1のアミノ酸番号:2〜95)を欠損した変異体ポリペプチド、F194d59−93は、アミノ末端側のアミノ酸59〜93(配列番号:1のアミノ酸番号:59〜93)を欠損した変異体ポリペプチドを示す。
図3は、EBNA−2アミノ末端側のアミノ酸1−60からなるポリペプチドに対するモノクローナル抗体Y101の反応性を示す図である。図中、GSTは、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、Gst−E2[1−60]は、GSTタグしたEBNA−2アミノ末端側のアミノ酸1−60(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜60)からなるポリペプチドを示す。
配列番号:2は、Flagタグを含む配列を示す。

Claims (10)

  1. EBウイルス核抗原−2(EBNA−2)と結合し、該EBNA−2のアミノ末端側のアミノ酸1〜58(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58)からなる領域のポリペプチドと結合する、モノクローナル抗体又はその抗体断片。
  2. 配列番号:1のアミノ酸番号:1とアミノ酸番号:96〜194とからなるポリペプチドとは結合せず、配列番号:1のアミノ酸番号:1〜58からなるポリペプチドと結合する、請求項1記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
  3. EBNA−2のアミノ末端側のアミノ酸1−116(配列番号:1のアミノ酸番号:1〜116)からなるポリペプチドに対して生じさせたものである、請求項1又は2記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
  4. 受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕であるハイブリドーマにより産生される、請求項1〜3いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
  5. EBNA−2に対して、受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕であるハイブリドーマより産生されるモノクローナル抗体と競合的に結合する抗体。
  6. 受領番号:FERM AP−20307〔識別のための表示:Y1001−3 (F794−25−73)〕のハイブリドーマ。
  7. 請求項1〜5いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、ついで、該モノクローナル抗体又はその抗体断片とEBウイルス核抗原−2(EBNA−2)との複合体の形成の有無を検出することを特徴とする、EBNA−2の検出方法。
  8. 請求項1〜5いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、ついで、該モノクローナル抗体又はその抗体断片とEBウイルス核抗原−2(EBNA−2)との複合体の形成の有無を検出することを特徴とする、EBウイルスの検出方法。
  9. 請求項1〜5いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を被検試料と接触させ、ついで、該モノクローナル抗体又はその抗体断片とEBウイルス核抗原−2(EBNA−2)との複合体の形成の有無を検出することを特徴とする、EBウイルスの感染の疑いのある個体由来の被験試料の選別方法。
  10. 請求項1〜5いずれか1項に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含有してなる、EBNA−2又はEBウイルスの検出用キット。
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