JP2006174595A - ステッピングモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 組み立て後であっても再調整を容易に行うことができるステッピングモータを提供する。
【解決手段】 このステッピングモータ1のキャップ14は、筐体Hの後端部Hbに設けられたフランジ部18に対して着脱自在であり、筐体Hの後端部Hbにおける開口部18aの開閉を自在にしている。したがって、このキャップ14を取り外すことにより開口部18aが開放されてスラスト予圧部13を開口部18aから容易に抜き出すことができる。したがって、一旦組み立てが終了した後であってもスラスト予圧部13の再調整を行うことができる。このことは、例えばステッピングモータ1の製造上の歩留まり向上を実現する。
【選択図】 図1
【解決手段】 このステッピングモータ1のキャップ14は、筐体Hの後端部Hbに設けられたフランジ部18に対して着脱自在であり、筐体Hの後端部Hbにおける開口部18aの開閉を自在にしている。したがって、このキャップ14を取り外すことにより開口部18aが開放されてスラスト予圧部13を開口部18aから容易に抜き出すことができる。したがって、一旦組み立てが終了した後であってもスラスト予圧部13の再調整を行うことができる。このことは、例えばステッピングモータ1の製造上の歩留まり向上を実現する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光ディスク装置等に利用されるステッピングモータに関する。
この種のステッピングモータは、シャフトの外周に配置されてなるロータ(マグネット)と、このロータに回転力を付与するためのステータ(磁極ユニット)とを備えている。そして、ステータの各磁極が順次励磁されると、ロータがステータの磁極に吸引されながら回転し続け、これによってシャフトが回転する。
このようなステッピングモータでは、シャフトのスラスト方向の位置ずれを抑制するための予圧機構を有しているものがある。例えば特許文献1に記載のリードスクリュー付きモータでは、シャフトの先端側をピボット軸受によって支持すると共に、その後端側に圧縮コイルバネを配置している。そして、このコイルバネはステータに固着した蓋部材により棒状部材を介して圧縮され、シャフトに対して所定の圧力を加えている。
特開平8−280155号公報
しかしながら、上述した従来のリードスクリュー付きモータでは、蓋部材をモータ本体部に固着してしまっているため、一旦組み立てが完了した後は蓋部材を外してシャフトを取り出すことは容易ではない。そのため、製造時及びメンテナンス時の作業性を鑑みて、組み立て後であっても予圧機構の再調整を容易に行うことができる技術が望まれている。
本発明は上記課題の解決のためになされたもので、組み立て後であっても再調整を容易に行うことができるステッピングモータを提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係るステッピングモータは、シャフトの外周に配置されてなるロータと、ロータに回転力を付与するステータと、シャフトの軸線方向に延在してロータ及びステータを内部に収容する筐体と、シャフトの後端側を軸線方向に予圧するスラスト予圧部と、を有するステッピングモータであって、筐体に固定されると共に、筐体の前端部から突出するシャフトの前端側を保持する支持体と、筐体の後端部に設けられた開口部を開閉させるように、筐体の後端部に着脱自在に嵌め合わされ、開口部内に配置されたスラスト予圧部を介してシャフトの後端側を支持するキャップとを備えたことを特徴としている。
このステッピングモータでは、筐体の後端部に嵌め合わされたキャップが着脱自在となっており、キャップを取り外すことにより筐体の後端部に設けられた開口部が開放してスラスト予圧部を開口部から抜き出すことができる。したがって、一旦組み立てが終了した後であっても、スラスト予圧部の再調整を容易に行うことが可能となる。
また、開口部は、ロータの外形よりも大きくなっていることが好ましい。この場合、組み立ての際に、支持体に対する筐体の位置決めを行うための位置決め用治具(例えばシャフト及びロータと同等の形状を有する部材)を、開口部から筐体内に進入させることできる。これにより、支持体と筐体とをシャフトの軸線上に精度良く位置決めすることができ、シャフト両端の同軸度を確保することができる。さらに、モータの再調整時に、筐体の開口部から容易にシャフトを取り出すことができる。
また、筐体の後端部にはフランジ部が設けられ、キャップは、開口部を塞ぐ平板状のキャップ本体部と、キャップ本体部の周縁部から突出してキャップ本体部とでフランジ部を挟み込む爪状のバネ片とからなることが好ましい。このような構成は、筐体にキャップをワンタッチで装着することができ、モータの組み立て作業や再調整作業の迅速化を図ることができる。さらに、機種に応じたキャップの形状変更をも容易にする。
また、スラスト予圧部は、シャフトの後端側に当接するボール部と、ボール部を介してシャフトの後端側を支持すると共に、軸線方向に沿って摺動可能な軸受部と、軸受部とキャップとの間に配置されて、軸受部をシャフト側に向けて付勢するコイルバネとを有することが好ましい。このようなスラスト予圧部の構成は、シャフトにかかるスラスト方向の予圧を確実に発生させることができる。
以上説明したように、本発明に係るステッピングモータによれば、組み立て後であっても再調整を容易に行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明に係るステッピングモータの好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係るステッピングモータの一実施形態を示す分解斜視図であり、図2はその側面図である。また、図3はこのステッピングモータの後端側を示す拡大断面図である。図1〜図3において、ステッピングモータ1は、光ディスク装置に内蔵され、光ディスクからデータを読み取る光ピックアップレンズを駆動させるための小型モータとして構成されている。
図1及び図2に示すように、このステッピングモータ1は、回転軸としてのシャフト2と、シャフト用フレーム(支持体)3と、筐体Hとを有している。シャフト2は、例えば金属製とされ、その外周面にはリードスクリュー部2aが形成されている。また、シャフト2の後端側の外周には、N極及びS極が交互に着磁された永久磁石からなる略円筒形状のロータ5が固着されている。
シャフト用フレーム3は、例えば非磁性のステンレス製とされ、光ディスク装置内部の寸法規格に合わせてシャフト2の軸線L方向に延在して形成されている。このシャフト用フレーム3の先端には、シャフト2の先端側が当接するボール部6aを含む軸受部6が軸線Lと同軸に設けられており、この軸受部6により、シャフト2の先端側が回転自在に支持されている。また、シャフト用フレーム3の後端にはリードスクリュー部2aの外径よりも大径の開口部3cが形成された接合片3bが設けられている(図3参照)。
筐体Hは、筐体本体部4とフランジ部18とを有し、シャフト2の軸線L方向に延在している。筐体本体部4は、例えば金属によって略円筒形状に形成されている。筐体本体部4の前端部4aは、筐体Hの前端部Haを構成すると共に、シャフト用フレーム3の後端の接合片3bに対し溶接部W(図1及び図4参照)を介して固定されている。これにより、筐体Hとシャフト用フレーム3とは軸線L上に同軸に固定されている。また、筐体本体部4の前端部4a及び後端部4bには、シャフト2を挿通させる円形の開口部7a及び7bがそれぞれ軸線Lと同軸に形成されている(図3参照)。開口部7aは、筐体Hの前端部Haにおける開口部となっており、開口部7aの径はシャフト2のリードスクリュー部2aの外径よりも大径となっている。また、開口部7bの径は、ロータ5の外径よりも大径となっている。そして、シャフト2は、その先端側が開口部7aから突出すると共に、ロータ5部分が筐体本体部4内に収容された状態で筐体Hに挿入されている(図2及び図3参照)。
フランジ部18は、例えば真鍮によって形成され、筐体本体部4の後端部4bに設けられて筐体Hの後端部Hbを構成している。フランジ部18の中央には、ロータ5の外径よりも大径の開口部18aが軸線Lと同軸に形成されている。この開口部18aは筐体Hの後端部Hbにおける開口部となっており、開口部18aの径はロータ5の外径よりも大径となっている。
また、図3に示すように、筐体本体部4の内部には、ロータ5を包囲するようにして、磁極ユニットとしての一対のステータ8,8がシャフト2の軸線L方向に沿って並設されている。各ステータ8,8は、ヨーク9と、コイルボビン10と、コイル11とによって構成され、ステータ8,8同士は筐体本体部4の内部中央で溶接により互いに連結されている。
前後一対のヨーク9は、磁性体金属によってボビン形状にそれぞれ形成されている。ヨーク9の中心には、ロータ5と接触しない程度の内径寸法を有する貫通孔9aが軸線Lと同軸に設けられている。貫通孔9a内にはシャフト2及びロータ5が配置されている。また、この貫通孔9aを形成しているヨーク9の内壁面には、ロータ5と対向する複数の磁極歯9bが軸線L回りに等間隔で設けられている。なお、磁極歯9bは、ステータ8,8間では所定の位相でずれるようにして配置されている。
コイルボビン10は、例えば樹脂から形成され、ヨーク9の外周部分にヨーク9と同軸に装着されている。このコイルボビン10の胴部には、磁界を発生させるためのコイル11が巻かれている。コイルボビン10の鍔の一部は、拡張されて駆動電流供給用コネクタ12として形成され、筐体本体部4の外側に引き出されたコイル11の一部は、端子12aと電気的に接続されている。
さらに、図1〜図3に示すように、フランジ部18には、スラスト予圧部13とキャップ14とが装着されている。スラスト予圧部13は、ボール部15と、樹脂製の軸受部16と、コイルバネ17とを有し、これらは開口部18a内で軸線Lと同軸に配置されている。ボール部15は、シャフト2の後端側に形成された凹部2bの壁面と軸受部16の前端側に形成された凹部16aの壁面とに当接し、シャフト2は、軸受部16によって支持されている。軸受部16は、ボール部15を介してシャフト2の後端側を回転可能に支持し、軸受部16の後側はコイルバネ17の一端に支持され、軸受部16はフランジ部18内で軸線L方向に沿って摺動可能となっている。コイルバネ17は、軸受部16とキャップ14との間に配置され、キャップ14によって圧縮された状態で支持され、軸受部16及びボール部15を介してシャフト2に軸線L方向の付勢力を付与している。このようなスラスト予圧部13の構成は、シャフト2にかかるスラスト方向の予圧を確実に発生させることを可能としている。
また、バネ材からなるキャップ14は、図3及び図4に示すように、キャップ本体部14aと、4つの爪状のバネ片14bとを有している。キャップ本体部14aは、バネ鋼材によって平板状に形成され、菱形形状を有している。また、バネ片14bは、キャップ本体部14aの四隅から垂直に突出し、各バネ片14bの先端には、内方に向けて突出するU字状の爪部14cが設けられている。そして、各爪部14cは、フランジ部18と筐体本体部4の後端部4bとの間に形成された溝部20内に入り込み、キャップ14は、フランジ部18をバネ片14bとキャップ本体部14aとで挟み込むようにして筐体Hの後端部Hbに嵌め合わされる。その結果として、キャップ本体部14aで開口部18aが塞がれ、開口部18a内のスラスト予圧部13を介してシャフト2の後端側がキャップ本体部14aで支持される。また、このキャップ14は、バネ片14bがそのバネ性によって外側に弾性変形するのでフランジ部18に対して着脱可能となっており、この着脱によって開口部18aの開閉を可能にする。
このように構成されたステッピングモータ1では、駆動電流供給用コネクタ12の端子12aを介して外部電源(図示しない)からパルス電流の供給を受けると、このパルス電流が端子12aから各ステータ8,8のコイル11に通電する。コイル11から発生した磁界が筐体本体部4及びコイルボビン10を通じてヨーク9の磁極歯9bまで伝達されると、各ステータ8,8においてロータ5を回転させるような磁界が形成される。このとき、外部電源からのパルス電流の通電方向を順次切り替えてヨーク9の磁極歯9bを順次励磁していくと、ロータ5が磁極歯9bに順次吸引されながら回転し、これに伴ってシャフト2は軸線Lを中心として所定のステップ角に回転する。そして、このシャフト2の回転は、リードスクリュー部2aによって被駆動部部材である光ピックアップレンズ(図示しない)を軸線L方向に駆動させる。また、この光ピックアップレンズを駆動させる際の反作用としてシャフト2にかかるスラスト力はスラスト予圧部13によって吸収され、精度の高いレンズ駆動が確保されている。
このステッピングモータ1を組み立てる場合、まずステータ8,8を収容した筐体Hの後端部Hbにおける開口部18aからシャフト2及びロータ5と同等の形状を有する位置決め用治具(図示しない)を進入させ、その先端を筐体Hの前端部Haにおける開口部7aから突出させる。次に、筐体Hの前端部Haから突出させた位置決め用治具の先端を軸受部6で支持し、フレーム3と筐体Hとを軸線L上に位置決めしつつ、フレーム3の接合片3bと筐体本体部4の前端部4aとを溶接部Wによって固定する。この溶接固定が終了したら、位置決め用治具を開口部18aから引き抜いて、その代わりにロータ5を固定したシャフト2を開口部18aから進入させ、その先端を筐体Hの前端部Haから突出させると共にロータ5部分を筐体本体部4内に収容する。さらに、シャフト2の先端をフレーム3の軸受部6で支持しつつ、スラスト予圧部13を構成するボール部15、軸受部16、コイルバネ17を開口部18aからこの順に挿入する。最後に、キャップ14をフランジ部18に嵌め合わせ、スラスト予圧部13を介してシャフト2の後端側を支持させると、ステッピングモータ1の組み立てが完了する。
以上説明したように、このステッピングモータ1のキャップ14は、筐体Hの後端部Hbに設けられたフランジ部18に対して着脱自在であり、開口部18aの開閉を自在にしている。したがって、このキャップ14を取り外すことにより開口部18aが開放されてスラスト予圧部13を開口部18aから容易に抜き出すことができる。したがって、一旦組み立てが終了した後であってもスラスト予圧部13の再調整を行うことができる。このことは、例えばステッピングモータ1の製造上の歩留まり向上を実現する。
さらに、ステッピングモータ1では、開口部18aの径がロータ5の外径よりも大径となっているため、組み立ての際にシャフト2及びロータ5と同等の形状を有する位置決め用治具を、開口部18aから筐体Hに進入させることできる。これにより、シャフト用フレーム3と筐体Hとが軸線L上に精度良く位置決めされ、シャフト2両端の同軸度を確保することができる。さらには、開口部18aからシャフト2及びロータ5を容易に取り出すことが可能となるため、組み立て後におけるシャフト2両端の同軸度の再調整や、ロータ5やリードスクリュー部2aに付着した汚れの除去といったメンテナンスを行うこともできる。
また、キャップ14の着脱にあたって、このキャップ14にはフランジ部18をキャップ本体部14aとの間で挟み込む爪状のバネ片14bが形成されている。これにより、筐体Hの後端部Hbにキャップ14をワンタッチで装着することを可能とし、ステッピングモータ1の組み立て作業や再調整作業の迅速化をはかることができる。また、キャップ14のこのような構成は、機種によって筐体Hの後端部Hbの形状が変更されたとしても、それに応じた形状変更を容易にしている。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では筐体Hのおける前後の開口部7a及び開口部18aの形状は円形とされているが、この形状は四角形状などの多角形状としてもよい。また、上記実施形態では各ステータ8,8はロータ5を包囲するように配置されているが、このステータ8,8を軸線L方向においてロータ5を挟むようにして対向させて配置するようにしてもよい。この場合には、ステッピングモータに対する一層の小径化の要求にも対応させることができる。
1…ステッピングモータ、2…シャフト、3…シャフト用フレーム(支持体)、4…筐体本体部、5…モータ、13…スラスト予圧部、14…キャップ、14a…キャップ本体部、14b…爪状のバネ片、15…ボール部、16…軸受部、17…コイルバネ、18…フランジ部、18a…開口部、H…筐体、Ha…筐体の前端部、Hb…筐体の後端部、L…軸線。
Claims (4)
- シャフトの外周に配置されてなるロータと、前記ロータに回転力を付与するステータと、前記シャフトの軸線方向に延在して前記ロータ及び前記ステータを内部に収容する筐体と、前記シャフトの後端側を前記軸線方向に予圧するスラスト予圧部と、を有するステッピングモータであって、
前記筐体に固定されると共に、前記筐体の前端部から突出する前記シャフトの前端側を保持する支持体と、
前記筐体の後端部に設けられた開口部を開閉させるように、前記筐体の前記後端部に着脱自在に嵌め合わされ、前記開口部内に配置された前記スラスト予圧部を介して前記シャフトの後端側を支持するキャップとを備えたことを特徴とするステッピングモータ。 - 前記開口部は、前記ロータの外形よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ。
- 前記筐体の前記後端部にはフランジ部が設けられ、
前記キャップは、
前記開口部を塞ぐ平板状のキャップ本体部と、
前記キャップ本体部の周縁部から突出して前記キャップ本体部とで前記フランジ部を挟み込む爪状のバネ片とからなることを特徴とする請求項1又は2記載のステッピングモータ。 - 前記スラスト予圧部は、
前記シャフトの前記後端側に当接するボール部と、
前記ボール部を介して前記シャフトの前記後端側を支持すると共に、前記軸線方向に沿って摺動可能な軸受部と、
前記軸受部と前記キャップとの間に配置されて、前記軸受部を前記シャフト側に向けて付勢するコイルバネとを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のステッピングモータ。
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- 2004-12-15 JP JP2004363308A patent/JP2006174595A/ja active Pending
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