JP2006174075A - 集合住宅用インターホンシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】個別通話と一斉放送で同じ伝送線路を使用して省配線化を図る。
【解決手段】音声信号を通過させる音声バイパス回路71が接点部70におけるロビーインターホン1側の接点(共通接点70a)と住戸別線L2側の接点(常閉側切替接点70c)との間に挿入されている。このため、接点部70の状態にかかわらず、信号線Ldについては全ての住戸別線L2が常に幹線L1と接続された状態となり、分岐器の7音声バイパス回路71を介して全ての住戸機2に一斉放送を行うことが可能であって、個別通話用の信号線Ldを一斉放送にも用いることで省配線化が図れる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、集合住宅の共用玄関に設置された共用部装置と各住戸にそれぞれ設置される住戸機の何れか1台との間で択一的に通信路を確立して通話可能とする集合住宅用インターホンシステムに関し、特に共用部装置と1台の住戸機とが一対一で通話する個別通話の他に、集合住宅の管理室などに設置された一斉放送機器により全ての住戸機へ音声を一斉に放送することができる集合住宅用インターホンシステムに関するものである。
従来、集合住宅の共用玄関に設置され音声の入出力が可能な共用部装置と、集合住宅の各住戸にそれぞれ設置され共用部装置とは伝送線路を介して接続されるとともに共用部装置が有する選択手段を来訪者が操作することにより選択されると共用部装置との間で通信路を確立する複数台の住戸機と、集合住宅の各住戸にそれぞれ設置され住戸機とは通話用の子器接続線を介して接続されるドアホン子器とを備えた集合住宅用インターホンシステムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、伝送線路は、共用部装置に接続された幹線と各住戸機に接続された住戸別線とを含むとともに幹線と各住戸別線との接続部位にそれぞれ介装された複数台の分岐器を有し、住戸別線には音声信号と映像信号が多重化されて伝送される。この分岐器は、住戸別線について共用部装置側の幹線を送り側の幹線に接続する状態と共用部装置側の幹線を住戸別線に接続する状態とが択一的に切替可能な接点部と、共用部装置により選択された住戸機に対応する住戸別線の線間に直流電圧が印加されると接点部を切り替えて幹線を住戸別線に接続する状態とする接点切替部とを備えている。
而して、共用部装置と選択された何れか1台の住戸機との間で一対一の通話(以下、「個別通話」という)を行う場合、選択された住戸機が住戸別線に直流電圧を印加することで当該住戸別線と幹線との接続部位に介装された分岐器において共用部装置側の幹線を住戸別線に接続する状態へ接点切替部が接点部を切り替えることにより、他の全ての住戸機が幹線から切り離された状態となるから、伝送線路の容量成分や誘導成分の増大を抑えて音声信号や映像信号の伝送損失を低減することができるものである。
特許第3311536号公報
ところで、火災や地震のような災害発生時等において、集合住宅の管理室に設置された一斉放送機器(例えば、いわゆる警報監視盤などのように音声入力が可能であって幹線を介して各住戸機に音声信号を送信し得る構成を備えた機器)から全ての住戸の住戸機に対して避難誘導等ための音声を一斉に放送したい場合があり、従来は、幹線とは別に一斉放送用の伝送線路が設けられていた。しかしながら、近年では省配線化の要望が高まっており、一斉放送用の専用線を設ける代わりに、通常の個別通話用の伝送線路で一斉放送を行うことが望ましい。
しかしながら、上述のような従来例では、住戸別線と幹線との接続部位に介装された分岐器が、共用部装置側の幹線を送り側の幹線に接続する状態と共用部装置側の幹線を住戸別線に接続する状態とを択一的に切り替えるため、複数台の住戸機の住戸別線を幹線に同時に接続することができず、システム構成上、個別通話用の伝送線路で一斉放送を行うことができなかった。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、個別通話と一斉放送で同じ伝送線路を使用して省配線化が図れる集合住宅用インターホンシステムを提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、集合住宅の共用玄関に設置され音声の入出力が可能な共用部装置と、集合住宅の各住戸にそれぞれ設置され共用部装置とは伝送線路を介して接続されるとともに共用部装置が有する選択手段を来訪者が操作することにより選択されると共用部装置との間で通信路を確立する複数台の住戸機と、集合住宅の各住戸にそれぞれ設置され住戸機とは通話用の子器接続線を介して接続されるドアホン子器とを備え、伝送線路は、共用部装置に接続された幹線と各住戸機に接続された住戸別線とを含むとともに幹線と各住戸別線との接続部位にそれぞれ介装された複数台の分岐器を有し、幹線および住戸別線は、少なくとも選択手段の操作に伴って発生し個別通話の開始を指示する制御信号を伝送する制御線と、音声信号を伝送する信号線とからなり、住戸機は、共用部装置並びにドアホン子器との間で各々信号線及び子器接続線を介した通話を行う通話手段と、住戸別線の信号線の線間に直流電圧を印加する幹線電源供給手段と、制御線を介して伝送される制御信号を受信したときに幹線電源供給手段に直流電圧を印加させる制御手段とを備え、分岐器は、信号線について共用部装置側の幹線を送り側の幹線に接続する状態と共用部装置側の幹線を住戸別線に接続する状態とが択一的に切替可能な接点部と、接点部における共用部装置側の接点と住戸別線側の接点との間に挿入されて音声信号を通過させる音声信号通過部と、共用部装置により選択された住戸機に対応する住戸別線の線間に直流電圧が印加されると接点部を切り替えて幹線を住戸別線に接続する状態とする接点切替部とを備え、接点切替部は、住戸別線を介して音声信号通過部に印加される直流電圧を音声信号から分離し、分離した直流電圧から得られる電源によって接点部を切り替えることを特徴とする。
この発明によれば、音声信号を通過させる音声信号通過部が接点部における共用部装置側の接点と住戸別線側の接点との間に挿入されているため、接点部の状態にかかわらず、信号線については全ての住戸別線が常に幹線と接続された状態となり、分岐器の音声信号通過部を介して全ての住戸機に一斉放送を行うことが可能であって、個別通話用の信号線を一斉放送にも用いることで省配線化が図れる。しかも、一斉放送時には何れの住戸機からも住戸別線に直流電圧を印加する必要が無く、複数台の住戸機が同時に直流電圧を印加することによる電圧の衝突が発生しない。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、接点切替部は、住戸別線に直流電圧が印加されていないときの入力インピーダンスを、住戸別線に直流電圧が印加されているときの入力インピーダンスよりも高い値に切り替えるインピーダンス切替回路を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、音声信号通過部によって分岐器の接点切替部が常に伝送線路に接続された状態であっても、一斉放送時若しくは個別通話時に通話対象でない住戸機が接続された分岐器の接点切替部により伝送線路のインピーダンスが低下することを防止できるから、伝送線路に接続可能な住戸機の台数を増やすことができる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、インピーダンス切替回路は、音声信号通過部を通過する音声信号の最大振幅よりも高く且つ住戸別線に印加される直流電圧より低い電圧で動作する定電圧素子を有し、定電圧素子が動作状態から非動作状態になったときに入力インピーダンスを前記高い値に切り替えることを特徴とする。
この発明によれば、音声信号の振幅を定電圧素子が動作したときの定電圧まで大きくすることができ、音声信号の伝送距離を伸ばすことができる。
請求項1の発明によれば、音声信号を通過させる音声信号通過部が接点部における共用部装置側の接点と住戸別線側の接点との間に挿入されているため、接点部の状態にかかわらず、信号線については全ての住戸別線が常に幹線と接続された状態となり、分岐器の音声信号通過部を介して全ての住戸機に一斉放送を行うことが可能であって、個別通話用の信号線を一斉放送にも用いることで省配線化が図れ、しかも、一斉放送時には何れの住戸機からも住戸別線に直流電圧を印加する必要が無く、複数台の住戸機が同時に直流電圧を印加することによる電圧の衝突が発生しないという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態のシステム構成図を図2に示す。本実施形態では、集合住宅の共用玄関に設置される共用部装置(ロビーインターホン)1と、各住戸にそれぞれ配置される複数台の住戸機2とを備え、ロビーインターホン1と住戸機2とが伝送線路を介して接続されている。伝送線路は、ロビーインターホン1に接続される幹線L1と、各住戸機2にそれぞれ接続される住戸別線L2とを含み、幹線L1と各住戸別線L2との間にはそれぞれ分岐器7が介装される。さらに、本実施形態では幹線L1を複数系統(図では2系統)に分岐するための経路切替器10が設けられている。
伝送線路は、経路切替器10を介してロビーインターホン1に接続される幹線L1と、幹線L1から分岐されて各住戸機2にそれぞれ接続される住戸別線L2とを含む。この伝送線路としては、2対以上のペア線をシース内に備える多対ツイストペアケーブルを用いており、図示例ではロビーインターホン1と住戸機2との間で、ロビーインターホン1が具備するカメラ(図示せず)で撮像された映像信号と音声信号とを多重伝送する信号線Ldと、ロビーインターホン1が有する選択手段(後述する)により選択された住戸機2を指定する制御信号を伝送する制御線Lcとにそれぞれペア線を用いている。つまり、図示例の伝送線路では2対のペア線を用いている。ここで、信号線Ldを介して伝送される映像信号はロビーインターホン1において周波数変調され、周波数変調された映像信号(以下、「FM映像信号」と呼ぶ)と音声信号とは周波数帯域が異なるから(音声信号に対してFM映像信号は周波数が十分に高い)、周波数多重化の技術によって多重化することができる。そして、信号線Ldを介して音声信号と多重化されて伝送されるFM映像信号が、後述するように各住戸機2に設けた多重分離回路201で分離された後にFM復調部25aで周波数復調されてモニタ22に表示される。
ロビーインターホン1は、音声を入出力するマイクロホン及びスピーカと、来訪者を撮像するカメラと、カメラから出力する映像信号を周波数変調するFM変調回路と、住戸番号をしているための番号キーと呼出釦を有する選択手段とを備え、来訪者が番号キーを操作して訪問先の住戸番号を選択した後に呼出釦を操作すると住戸番号に対応する住戸機2を選択したことになる。ここで、ロビーインターホン1には通話線La及び制御線Lcを介して通話制御装置5が接続されており、ロビーインターホン1で選択された住戸番号が制御線Lcを介して通話制御装置5に伝送されると、通話制御装置5が当該住戸番号に対応する住戸機2に対して制御線Lcを介して制御信号(呼出コマンド)を送出する。またロビーインターホン1から通話制御装置5を経由する通話線Laを介して伝送される音声信号と、ロビーインターホン1から映像線Lbを介して伝送されるFM映像信号とを多重化する機能を持った幹線制御装置3がロビーインターホン1と各住戸機2との間に設けられる。
一方、住戸機2は、音声を入出力するマイクロホン21a及びスピーカ21bを備え、マイクロホン21aとスピーカ21bとはそれぞれ増幅器24a,24bを介して音声回路24cに接続されている。ここで、上述のように音声信号と映像信号との両方で信号線Ldを用いるために、幹線制御装置3及び住戸機2にはそれぞれ多重分離回路201を設けている。幹線制御装置3と住戸機2とにそれぞれ用いている多重分離回路201は同構成であって、音声回路24cと信号線Ldとの間に挿入される低周波通過部201aと、結合トランス25cと信号線Ldとの間に挿入される高周波通過部201bとからなる(但し、幹線制御装置3については図示を省略する。)。低周波通過部201aは音声信号に対して低インピーダンスであって映像信号に対して高インピーダンスのものを用い、高周波通過部201bは音声信号に対して高インピーダンスであって映像信号に対して低インピーダンスのものを用いる。図示例では、低周波通過部201aとしてインダクタを用い、高周波通過部201bとしてコンデンサを用いている。尚、低周波通過部201aよりも音声回路24c側で信号線Ldの線間に幹線電源重畳回路200により直流電圧が印加されるようになっており、この直流電圧が音声信号に与える影響を取り除くために低周波通過部201aと音声回路24cとの間には直流電圧を阻止するコンデンサ202並びに音声信号を通過させる結合トランス203が挿入されている。音声回路24cは、2線の信号線Ldと2個の増幅器24a,24bの入力線及び出力線とを2線4線変換する回路を含み、マイクロホン21aから入力される音声信号を多重分離回路201を介して信号線Ldに送出し、多重分離回路201で分離された信号線Ldからの音声信号をスピーカ21b側に出力する機能を備えている。したがって、ロビーインターホン1と住戸機2との間で信号線Ldを通して音声信号を授受することができ、来訪者がロビーインターホン1を用いるとともに居住者が住戸機2を用いることによって、来訪者と居住者との間で音声通話が可能となる。
住戸機2に設けた音声回路24cには、子器インタフェース回路23及び子器接続線L3を介してドアホン子器6が接続される。ドアホン子器6は集合住宅の各住戸の玄関先に配置されるものであってマイクロホンおよびスピーカを備え、子器インタフェース回路23はドアホン子器6との通話のための音声双方向増幅回路や音声回路24cを接続するための開閉路回路などを備える。したがって、ドアホン子器6と住戸機2との間での通話が可能になっている。また、ドアホン子器6には呼出釦が設けられ、子器インタフェース回路23ではドアホン子器6での呼出釦の操作時に呼出音を音声回路24cに入力して、スピーカ21bから送出させる機能も備える。ドアホン子器6の電源は住戸機2に内蔵した子器電源部28aから電源重畳回路28bを介して供給される。電源重畳回路28bは音声信号伝送帯域に対するインピーダンスを高くして子器接続線L3に電源を重畳する回路である。ここに、子器接続線L3には伝送線路とは別シースのケーブルを用いるのが一般的であるが、伝送線路の中の1対のペア線を流用することも可能である。
住戸機2において、モニタ22には液晶表示器あるいはCRTが用いられる。信号線Ldを通して住戸機2に入力されるFM映像信号は、多重分離回路201で分離された後に平衡−不平衡変換のための結合トランス25cを介して増幅器25bに入力され、増幅器25bで増幅された後にFM復調部25aにおいて周波数復調される。FM復調部25aから出力された映像信号は、モニタ22に入力されることによってモニタ22の画面に映像を表示する。つまり、ロビーインターホン1のカメラにおいて撮像された来訪者の映像が住戸機2のモニタ22に表示されるから、住戸内の居住者が来訪者を確認することができるのである。
住戸機2には内部回路を制御するCPU20が設けられ、CPU20には制御線Lcとのインタフェースとなる制御信号送受信回路26が接続される。制御信号送受信回路26は、CPU20から出力された制御信号を制御線Lcに送出し、制御線Lcから受信した制御信号をCPU20に引き渡す機能を有する。住戸機2の内部電源は、電源回路27によって商用電源(交流100V)から生成される。
ここで、制御線Lcについては、幹線L1と住戸別線L2とが分岐器7内において直結され、経路切替器10において各系統の幹線L1を直結している。したがって、通話制御装置5から送出された制御信号は制御線Lcに接続されるすべての住戸機2に伝送される。ここに、住戸機2のCPU20には個別にアドレス(たとえば、住戸番号)が設定されており、ロビーインターホン1においてアドレスを選択することによって、アドレスを指定する制御信号(呼出コマンド)が通話制御装置5から制御線Lcを介して全ての住戸機2に伝送することが可能になっている。住戸機2のCPU20は、制御信号に含まれるアドレスが自己のアドレスであれば、住戸別線L2の信号線Ldにおける幹線L1と音声回路24cとの間に挿入された住戸機リレーのリレー接点29を閉成してロビーインターホン1との間に通信路を確立するとともに、FM復調部25aやモニタ22を起動してロビーインターホン1のカメラにおいて撮像された来訪者の映像を住戸機2のモニタ22に表示させ、さらに音声回路24cを通じてスピーカ21bから呼出音を送出させるように構成されている。なお、制御信号はロビーインターホン1から住戸機2の呼出に用いるだけではなく、一斉放送の開始を指示する目的にも用いられる。この種の制御信号にはベースバンド信号を用いることもあり、ベースバンド信号は周波数帯域が広く、音声信号や映像信号との分離が困難であるから、このことからも音声信号および映像信号と制御信号とを各別に伝送することが伝送品質の点から必要になる。
本実施形態に用いる経路切替器10は、1系統の幹線L1(信号線Ld及び制御線Lc)を2系統の幹線L1に分岐し、分岐した2系統の各幹線L1における信号線Ldに切替型の幹線リレー接点11A,11Bをそれぞれ挿入して構成されている。但し、以下では説明を簡単にするために、幹線制御装置3と経路切替器10の間を接続する幹線L1を幹線L10、経路切替器10を介して分岐された2系統の幹線L1をそれぞれ幹線L11及び幹線L12と表記し、一方の幹線L11に分岐器7を介して分岐接続された複数台の住戸機2を住戸機211,212,…、他方の幹線L12に分岐器7を介して分岐接続された複数台の住戸機2を住戸機221,222,…、各住戸機211,212,…、221,…と住戸別線L2で接続される分岐器7をそれぞれ分岐器711,712,…、721,…と表記する。
幹線リレー接点11A,11Bは、各幹線L11,L12の幹線L10側に設けられた共通接点11aと、共通接点11aに対して常閉である常閉側切替接点11bと、共通接点11aに対して常開であって各幹線L11,L12の住戸機2側に設けられた常開側切替接点11cとからなり、一方の常閉側切替接点11bと他方の常開側切替接点11c同士が直流電圧を阻止する直流電圧阻止用のコンデンサ13A,13Bを介してそれぞれ接続されて構成されている。そして、これら2つの幹線リレー接点11A,11Bは、幹線リレー駆動部12A,12Bにより幹線リレー(図示せず)を駆動することで共通接点11aが常閉側切替接点11bから常開側切替接点11cに切替接続されるものであって、幹線リレー駆動部12A,12Bが幹線リレーを駆動していない状態では、ロビーインターホン1側の幹線L10と一方の系統の幹線L11とが幹線リレー接点11B及びコンデンサ13Bを介して接続されるとともにロビーインターホン1側の幹線L10と他方の系統の幹線L12とが幹線リレー接点11A及びコンデンサ13Aを介して接続された状態にあり、幹線リレー駆動部12Aが制御対象である幹線リレーを駆動している状態では、幹線リレー接点11Aの共通接点11aと常開側切替接点11cが接続されることにより、ロビーインターホン1側の幹線L10と一方の系統の幹線L11とが接続されて周波数多重された音声信号および映像信号が通過するとともに、幹線リレー接点11Bについては共通接点11aと常閉側切替接点11bは接続されたままであることにより、ロビーインターホン1側の幹線L10および一方の系統の幹線L11と、他方の系統の幹線L12は切り離された状態になる。また、幹線リレー駆動部12Bが制御対象である幹線リレーを駆動している状態では、幹線リレー接点11Bの共通接点11aと常開側切替接点11cが接続されることにより、ロビーインターホン1側の幹線L10と他方の系統の幹線L12とが接続されて周波数多重された音声信号および映像信号が通過するとともに、幹線リレー接点11Aについては共通接点11aと常閉側切替接点11bは接続されたままであることにより、ロビーインターホン1側の幹線L10および他方の系統の幹線L12と、一方の系統の幹線L11は切り離された状態になる。この幹線リレー駆動部12A,12Bは、音声信号並びに映像信号の通過を阻止する一対のインダクタ12aと、交流入力端がそれぞれインダクタ12aを介して信号線Ldに接続されたダイオードブリッジ12bと、ダイオードブリッジ12bの脈流出力端から取り出した直流電圧を定電圧化して幹線リレーの励磁コイルに励磁電流を流す駆動回路12cとで構成されている。
次に本発明の要旨である分岐器7の構成を説明する。分岐器7は、図1(a)に示すように幹線L11,L12と住戸別線L2における信号線Ldの分岐点に挿入された切替型の接点部70を備えている。この接点部70は、幹線L11,L12の信号線Ldにおける幹線L10側に設けられた一対の共通接点70aと、各々の共通接点70aに対して常閉であって幹線L11,L12の信号線Ldにおける送り側に設けられた一対の常閉側切替接点70bと、各々の共通接点70aに対して常開であって信号線Ldの住戸別線L2側に設けられた一対の常開側切替接点70cとからなり、信号線Ldについてロビーインターホン1側の幹線L11又はL12を送り側の幹線L11又はL12に接続する状態(共通接点70aと常閉側切替接点70bが接続された状態)とロビーインターホン1側の幹線L11又はL12を住戸別線L2に接続する状態(共通接点70aと常開側切替接点70cが接続される状態)とが択一的に切替可能に構成されている。また、一対の共通接点70aと一対の常開側切替接点70cとは音声バイパス回路71を介してそれぞれ接続されている。音声バイパス回路71は、音声信号に対して低インピーダンスであってFM映像信号に対して高インピーダンスのインピーダンス素子であるインダクタ71aと、音声信号に対して低インピーダンスであり且つ直流を阻止するインピーダンス素子であるコンデンサ71bとの直列回路からなる。
また接点部70は、接点切替部72によって接点リレー(図示せず)を駆動することにより共通接点70aと常閉側切替接点70bが接続された状態から共通接点70aと常開側切替接点70cが接続された状態へと切り替えられる。接点切替部72は、FM映像信号に対して高インピーダンスのインピーダンス素子であるインダクタ72aと、交流入力端がそれぞれインダクタ72aを介して音声バイパス回路71と接続されたダイオードブリッジ72bと、音声信号に対して高インピーダンスであってダイオードブリッジ72bの脈流出力から直流電圧を分離して接点リレーの励磁コイルに励磁電流を流す電源分離回路72cとで構成されている。電源分離回路72cは、図1(b)に示すようにダイオードブリッジ72bの高電位側の脈流出力端に一端が接続された抵抗R1と、抵抗R1の他端とダイオードブリッジ72bの低電位側の脈流出力端の間に互いに並列接続されたコンデンサC1並びにツェナーダイオードZD1と、ダイオードブリッジ72bの高電位側の脈流出力端にコレクタが接続されるとともにベースがツェナーダイオードZD1のカソードに接続されたnpn型のバイポーラトランジスタQ1と、アノードがトランジスタQ1のエミッタと接続されるとともにカソードがコレクタに接続されたダイオードD1とで構成される。すなわち、電源分離回路72cでは、トランジスタQ1と抵抗R1、コンデンサC1によりベース接地回路を形成しており、トランジスタQ1の電流増幅特性を用い、抵抗R1およびトランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間インピーダンスにより 音声信号に対する入力インピーダンスを高くするとともに、ツェナーダイオードZD1によりトランジスタQ1のエミッタ電圧を定電圧化しており、トランジスタQ1のエミッタとダイオードブリッジ72bの低電位側の脈流出力端との間から、住戸機2によって信号線Ldに印加される直流電圧を音声信号から分離して取り出すことができ、この直流電圧を図示しない励磁コイルに印加することで励磁電流を流して接点リレーを駆動することができる。尚、ダイオードD1は逆電圧保護のためのものである。
次に図1及び図2を参照して本実施形態の動作を説明する。まず、ロビーインターホン1と、ロビーインターホン1で選択された1台の住戸機2(例えば、住戸機211)との間で個別通話する場合について説明する。ロビーインターホン1で選択された住戸機211に対して通話制御装置5から制御線Lcを介して制御信号(呼出コマンド)が伝送され、この制御信号に含まれるアドレスが一致した住戸機211では、CPU20が呼出コマンドに応じて住戸機リレーのリレー接点29を閉成するとともに幹線電源重畳回路200によって幹線L11における信号線Ldの線間に直流電圧を印加する。すると、住戸別線L2で住戸機211と接続された分岐器711では、住戸別線L2における信号線Ldの線間に直流電圧が印加されると電源分離回路72cによって分離された直流電圧で接点リレーの励磁コイルに励磁電流を流すことにより接点リレーを駆動し、接点部70の共通接点70aを常閉側切替接点70bから常開側切替接点70cに切替接続する。そして、接点部70が切り替えられることによって住戸機211から信号線Ldの線間に印加された直流電圧が幹線L11にも印加されるため、経路切替器10の幹線リレー駆動部12Aでは駆動回路12cが動作して幹線リレーの励磁コイルに励磁電流を流すことにより幹線リレーを駆動し、幹線L11に挿入されている幹線リレー接点11Aにおいて共通接点11aを常閉側切替接点11bから常開側切替接点11cに切替接続する。その結果、ロビーインターホン1から出力されるFM映像信号が幹線L10,L11並びに住戸別線L2の信号線Ldを介して住戸機211に伝送されるから、住戸機211ではCPU20がFM復調部25aやモニタ22を起動してロビーインターホン1のカメラにおいて撮像された来訪者の映像を住戸機2のモニタ22に表示させ、さらに音声回路24cを通じてスピーカ21bから呼出音を送出させる。そして、ロビーインターホン1からの呼出に応答して居住者が住戸機211の応答釦(図示せず)を押操作すると、住戸機211のCPU20が音声回路24cを動作させて通話可能な状態とする。
一方、ロビーインターホン1に選択されなかった住戸機212,…、221,…では、CPU20が住戸機リレーのリレー接点29を閉成せず、また幹線電源重畳回路200によって信号線Ldの線間に直流電圧を印加しないから、ロビーインターホン1に選択されなかった住戸機212,…、221,…と住戸別線L2で接続された分岐器712,…、721,…では接点部70が切り替えられずに共通接点70aが常閉側切替接点70bに接続された状態のままとなる。
また、経路切替器10では、ロビーインターホン1に選択されなかった住戸機221,…のみが分岐接続されている幹線L12に挿入されている幹線リレー接点12Bにおいて共通接点11aが常閉側切替接点11bに接続された状態のままとなる。このとき、経路切替器10では幹線リレー接点11Aの常開側切替接点11cと幹線リレー接点11Bの常閉側切替接点11bとの間に挿入されたコンデンサ13Bにより、住戸機211の幹線電源重畳回路200によって信号線Ldの線間に印加された直流電圧を阻止しているため、幹線リレー接点11Bを介して他方の幹線リレー駆動部12Bに直流電圧が印加されることがなく、幹線L12における信号線Ldに挿入された幹線リレー接点11Bが誤って切り替えられることを防いでいる。
上述した動作により、経路切替器10においては2系統の幹線L11,L12のうちでロビーインターホン1に選択された住戸機211が分岐接続された幹線L11のみがロビーインターホン1側の幹線L10と接続されるとともに、他方の幹線L12がロビーインターホン1側の幹線L10と切り離され、幹線L11に介装されている複数台の分岐器7のうちでロビーインターホン1に選択された住戸機211と住戸別線L2で接続された分岐器711のみで幹線L11が住戸別線L2と接続されるように接点部70が切り替えられるから、ロビーインターホン1と選択された住戸機211との間でのみ通話が可能になるとともに、選択された住戸機211でのみロビーインターホン1のカメラで撮像された来訪者をモニタ22に表示することが可能になる。尚、分岐器711においては音声バイパス回路71を介して幹線L11と住戸別線L2の信号線Ldが接続された状態にあるが、音声バイパス回路71ではFM映像信号に対して高インピーダンスとなるインダクタ71aが伝送線路上に挿入されているから、結局、FM映像信号の伝送線路についてはロビーインターホン1に選択された住戸機211のみが幹線L10,L11及び住戸別線L2を介して幹線制御装置3と接続されることになり、インピーダンスの不整合なくFM映像信号を伝送することができる。また、音声信号についても接点部70を通して伝送損失の増加なく伝送することができる。
次に、集合住宅の管理室に設置された一斉放送機器(例えば、いわゆる警報監視盤などのように音声入力が可能であって幹線を介して各住戸機に音声信号を送信し得る構成を備えた機器)から全ての住戸の住戸機2に対して避難誘導等ための音声を一斉に放送する場合について説明する。一斉放送を開始するに当たって全ての住戸機2に対して通話制御装置5から制御線Lcを介して制御信号(一斉放送開始コマンド)が伝送され、この一斉放送開始コマンドに応じて全ての住戸機2のCPU20が住戸機リレーのリレー接点29を閉成する。但し、何れの住戸機2においてもCPU20は幹線電源重畳回路200による信号線Ldの線間への直流電圧印加を行わない。したがって、経路切替器10の幹線リレー駆動部12A,12Bでは、幹線L11,L12における信号線Ldの線間に直流電圧が印加されないことから、2つの幹線リレー駆動部12A,12Bにおける駆動回路12cが双方とも動作せず、各幹線L11,L12における信号線Ldに挿入された幹線リレー接点11A,11Bは双方とも共通接点11aが常閉側切替接点11bに接続された状態に維持される。また、分岐器7においても住戸別線L2における信号線Ldの線間に直流電圧が印加されなければ接点切替部72が接点部70を切り替えることはなく、接点部70においては幹線L11,L12と住戸別線L2とが切り離された状態に維持される。但し、住戸別線L2の信号線Ldにおいては、音声信号に関して、分岐器7の音声バイパス回路71を通して幹線L11又はL12と住戸別線L2とが常に接続された状態にある。
そして、全ての住戸機2に対して通話制御装置5から制御線Lcを介して制御信号(一斉放送終了コマンド)が伝送され、この一斉放送終了コマンドに応じて全ての住戸機2のCPU20が住戸機リレーのリレー接点29を開成することによって、一斉放送を終了する。
上述した動作により、経路切替器10においては2系統の幹線L11,L12が双方ともロビーインターホン1側の幹線L10と接続され、しかも、分岐器7においては音声信号の伝送線路が音声バイパス回路71を通して各幹線L11,L12と接続されるから、一斉放送機器から通話制御装置5を介して通話線Laに送出される一斉放送用の音声信号が各幹線L11,L12にそれぞれ分岐接続され且つ分岐器7を介して住戸別線L2で接続されている全ての住戸機2に伝送されてスピーカ21bから出力される。このとき、経路切替器10では幹線リレー接点11A,11Bにおける共通接点11aが常閉側切替接点11bに接続されて各幹線L11,L12が幹線L10と接続された状態にあるため、何れの住戸機2からも信号線Ldの線間に直流電圧を印加する必要がないから、一斉放送時に信号線Ldの線間に印加される直流電圧の衝突も生じない。
上述のように本実施形態によれば、音声信号を通過させる音声バイパス回路71が接点部70におけるロビーインターホン1側の接点(共通接点70a)と住戸別線L2側の接点(常閉側切替接点70c)との間に挿入されているため、接点部70の状態にかかわらず、信号線Ldについては全ての住戸別線L2が常に幹線L1と接続された状態となり、分岐器7の音声バイパス回路71を介して全ての住戸機2に一斉放送を行うことが可能であって、個別通話用の信号線Ldを一斉放送にも用いることで省配線化が図れる。しかも、一斉放送時には何れの住戸機2からも住戸別線L2に直流電圧を印加する必要が無いから、複数台の住戸機2が同時に直流電圧を印加することによる電圧の衝突が発生せず、不具合の発生を防止することができる。
尚、本実施形態では一斉放送の対象をシステムに含まれる全ての住戸機2として説明したが、必ずしも全ての住戸機2を一斉放送の対象とする必要はなく、例えば、一斉放送の内容に応じて対象とする住戸機2を限定してもよい。
(実施形態2)
本実施形態は、分岐器7における接点切替部72が具備する電源分離回路72cの構成に特徴があり、これ以外の構成については実施形態1と共通である。故に、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明を省略する。
本実施形態における電源分離回路72cは、図3に示すように実施形態1における電源分離回路72cの回路構成に対し、住戸別線L2に直流電圧が印加されていないときに入力インピーダンスが高くなり、住戸別線L2に直流電圧が印加されているときに入力インピーダンスが低くなるインピーダンス切替回路Xを追加した点に特徴がある。
インピーダンス切替回路Xは、ダイオードブリッジ72bの高電位側の脈流出力端に一端が接続された抵抗R2と、抵抗R1の他端とダイオードブリッジ72bの低電位側の脈流出力端の間に接続された定電圧素子としてのツェナーダイオードZD2と、トランジスタQ1のコレクタにエミッタが接続され、ベースがツェナーダイオードZD2のカソードに接続されるとともにコレクタが抵抗R1に接続されたpnp型のバイポーラトランジスタQ2とで構成される。また、各住戸機2において幹線電源重畳回路200が信号線Ldの線間に印加する直流電圧の電圧値が、インピーダンス切替回路XのツェナーダイオードZD2のツェナー電圧よりも高い値に設定されている。
次に本実施形態における電源分離回路72cの動作を説明する。
まず、個別通話時以外の待機時並びに一斉放送時においては、住戸別線L2で接続された住戸機2から幹線電源重畳回路200による信号線Ldへの直流電圧印加が行われないため、当該住戸機2と住戸別線L2で接続された分岐器7においてはインピーダンス切替回路XのツェナーダイオードZD2が導通しない。このため、トランジスタQ2のベース・コレクタ間にバイアス電圧が印加されず、トランジスタQ2が導通しないためにインピーダンス切替回路Xの入力インピーダンスが高インピーダンスとなるとともに、トランジスタQ1にはベース電流が流れないので、トランジスタQ1で構成されるベース接地回路は動作しない。一方、住戸別線L2を介して接続された住戸機2が個別通話のために幹線電源重畳回路200から信号線Ldの線間に直流電圧を印加した場合、当該住戸機2と住戸別線L2で接続された分岐器7においてはインピーダンス切替回路XのツェナーダイオードZD2が導通してトランジスタQ2のベース・コレクタ間にバイアス電圧が印加されてトランジスタQ2が導通する。このため、電源分離回路72cの入力インピーダンスは、トランジスタQ2が導通していないときよりも低い状態となり、トランジスタQ1で構成されるベース接地回路が動作し、接点切替部72により幹線L11が住戸別線L2と接続されるように接点部70を切り替える。
すなわち、分岐器7には音声信号を通過させる音声バイパス回路71が設けられているため、全ての分岐器7の電源分離回路72cが音声信号伝送帯域において伝送線路(信号線Ld)と常に接続された状態にあるが、住戸別線L2に直流電圧が印加されていないときの入力インピーダンスを、住戸別線L2に直流電圧が印加されているときの入力インピーダンスよりも高い値に切り替えるインピーダンス切替回路Xを電源分離回路72cに設けているので、一斉放送時若しくは個別通話時に通話対象でない住戸機2と住戸別線L2で接続された分岐器7の電源分離回路72cではインピーダンス切替回路Xによって入力インピーダンスが高インピーダンスとなり、電源分離回路72cによって伝送線路(信号線Ld)のインピーダンスが低下することを防止でき、伝送線路に接続可能な住戸機2の台数を増やすことができる。
ところで、一斉放送時若しくは個別通話時に通話対象でない住戸機2と住戸別線L2で接続された分岐器7においても音声バイパス回路を通して音声信号が伝送されるため、音声信号の振幅が大きくなると直流電圧が印加されていないにもかかわらず電源分離回路72cが誤動作を起こしてしまう虞がある。このような不具合の発生を防ぐためには音声信号の振幅を低く抑えるという方法があるが、音声信号の振幅を低くしてしまうと伝送距離が短くなるというデメリットが生じる。しかしながら、上述のように電源分離回路72cに定電圧素子(ツェナーダイオードZD2)を含むインピーダンス切替回路Xを設けた構成であれば、直流電圧が印加されていないときに音声信号の振幅がツェナーダイオードZD2のツェナー電圧を超えない限りは電源分離回路72cが誤動作することはないから、音声信号の振幅をツェナー電圧を超えないレベルまで大きくすることができ、音声信号の伝送距離を伸ばすことが可能になる。
尚、本実施形態では定電圧素子としてツェナーダイオードZD2を用いたが、複数個のダイオードの直列回路をツェナーダイオードZD2の代わりに用いても構わない。
実施形態1における分岐器を示し、(a)は全体の概略回路図、(b)は電源分離回路の概略回路図である。 同上のシステム構成図である。 実施形態2における電源分離回路の概略回路図である。
符号の説明
7 分岐器
70 接点部
71 音声バイパス回路
72 接点切替部
72c 電源分離回路

Claims (3)

  1. 集合住宅の共用玄関に設置され音声の入出力が可能な共用部装置と、集合住宅の各住戸にそれぞれ設置され共用部装置とは伝送線路を介して接続されるとともに共用部装置が有する選択手段を来訪者が操作することにより選択されると共用部装置との間で通信路を確立する複数台の住戸機と、集合住宅の各住戸にそれぞれ設置され住戸機とは通話用の子器接続線を介して接続されるドアホン子器とを備え、
    伝送線路は、共用部装置に接続された幹線と各住戸機に接続された住戸別線とを含むとともに幹線と各住戸別線との接続部位にそれぞれ介装された複数台の分岐器を有し、幹線および住戸別線は、少なくとも選択手段の操作に伴って発生し個別通話の開始を指示する制御信号を伝送する制御線と、音声信号を伝送する信号線とからなり、
    住戸機は、共用部装置並びにドアホン子器との間で各々信号線及び子器接続線を介した通話を行う通話手段と、住戸別線の信号線の線間に直流電圧を印加する幹線電源供給手段と、制御線を介して伝送される制御信号を受信したときに幹線電源供給手段に直流電圧を印加させる制御手段とを備え、
    分岐器は、信号線について共用部装置側の幹線を送り側の幹線に接続する状態と共用部装置側の幹線を住戸別線に接続する状態とが択一的に切替可能な接点部と、接点部における共用部装置側の接点と住戸別線側の接点との間に挿入されて音声信号を通過させる音声信号通過部と、共用部装置により選択された住戸機に対応する住戸別線の線間に直流電圧が印加されると接点部を切り替えて幹線を住戸別線に接続する状態とする接点切替部とを備え、
    接点切替部は、住戸別線を介して音声信号通過部に印加される直流電圧を音声信号から分離し、分離した直流電圧から得られる電源によって接点部を切り替えることを特徴とする集合住宅用インターホンシステム。
  2. 接点切替部は、住戸別線に直流電圧が印加されていないときの入力インピーダンスを、住戸別線に直流電圧が印加されているときの入力インピーダンスよりも高い値に切り替えるインピーダンス切替回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の集合住宅用インターホンシステム。
  3. インピーダンス切替回路は、音声信号通過部を通過する音声信号の最大振幅よりも高く且つ住戸別線に印加される直流電圧より低い電圧で動作する定電圧素子を有し、定電圧素子が動作状態から非動作状態になったときに入力インピーダンスを前記高い値に切り替えることを特徴とする請求項2記載の集合住宅用インターホンシステム。
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