JP2006173352A - セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

セラミック電子部品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 所望の電気特性を有し、かつ、誘電率の向上された誘電体層を含有する積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 誘電体層を含有するセラミック電子部品であって、前記誘電体層が、チタン酸バリウムを含む主成分と、Mgの酸化物およびSiの酸化物を含む副成分とを含有し、前記誘電体層には、主としてMgとSiとを含む偏析相が形成されていることを特徴とするセラミック電子部品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品、およびその製造方法に係り、さらに詳しくは、高い誘電率を有する誘電体層を含有するセラミック電子部品、およびその製造方法に関する。
電子部品の一例である積層セラミックコンデンサは、たとえば、所定の誘電体磁器組成物原料からなるセラミックグリーンシートと、所定パターンの内部電極層とを交互に重ね、その後一体化して得られるグリーンチップを、同時焼成して製造される。積層セラミックコンデンサの内部電極層は、焼成によりセラミック誘電体と一体化されるために、セラミック誘電体と反応しないような材料を選択する必要がある。このため、内部電極層を構成する材料として、従来では白金やパラジウムなどの高価な貴金属を用いることを余儀なくされていた。
しかしながら、近年ではニッケルや銅などの安価な卑金属を用いることができる誘電体磁器組成物が開発され、大幅なコストダウンが実現した。
一方、近年、電子回路の高密度化に伴う電子部品の小型化に対する要求は高く、積層セラミックコンデンサの小型化、大容量化が急速に進んでいる。この小型化、大容量化に対応するために、積層セラミックコンデンサの誘電体層を構成する誘電体磁器組成物の誘電率を向上させることが試みられている。
従来においては、誘電率を向上させる方法として、予め副成分の原料について焙焼処理を施し、焙焼粉とした状態で主成分原料に添加して、副成分原料の分散性を高める方法や、副成分をそれぞれ単独の酸化物として添加して、所定の組成になるように調整することにより高誘電率化を図る方法などが行われている(特許文献1〜3参照)。
しかしながら、特に、副成分の組成比を変更することにより誘電率を向上させる方法を採用した場合には、高誘電率化の一方で、他の特性が低下してしまうという不具合等があった。そのため、さらなる小型化、大容量化に対応するためには、所望の特性を維持しつつ、かつ、誘電率を向上させることが望まれている。
特許第2784982号公報 特許第3326513号公報 特許第2762427号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品において、所望の電気特性を有し、かつ、誘電率の向上された誘電体層を含有するセラミック電子部品、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るセラミック電子部品は、
誘電体層を含有するセラミック電子部品であって、
前記誘電体層が、チタン酸バリウムを含む主成分と、
Mgの酸化物およびSiの酸化物を含む副成分とを含有し、
前記誘電体層には、主としてMgとSiとを含む偏析相が形成されていることを特徴とする。
本発明では、前記誘電体層において、前記Mgの副成分およびSiの副成分の少なくとも一部が偏析し、主としてMgとSiとを含む偏析相を形成している。本発明においては、この偏析相を形成することにより、粒内へのSiの拡散を防止することができ、その他の主成分および副成分の配合比を変更することなく、誘電率を向上させることができる。そのため、所望の特性、特に所望の電気特性(たとえば、IR温度依存性、静電容量の温度特性など)を維持しつつ、かつ、誘電率を向上させることができる。
なお、本発明において、偏析相とは、誘電体層中において、Mgの酸化物やSiの酸化物、その他の添加副成分が偏析し、主として主成分から構成されている主相と比較して、これらの添加副成分が高濃度に存在している部分を意味する。特に、上記偏析相は、主相と比較してSiの含有比率が10倍以上の濃度となっていることが好ましい。
本発明においては、前記誘電体層の断面積における前記偏析相の割合が、前記誘電体層全体を100%としたときに、面積比で、好ましくは0%より大きく、30%未満、より好ましくは2%以上、25%以下である。前記偏析相の割合が多すぎると、逆に誘電率が悪化してしまうとともに、IR(絶縁抵抗)温度依存性が低下してしまう傾向にある。
本発明においては、前記偏析相の最大径は、好ましくは3μm未満、より好ましくは、0.1〜2.5μmである。偏析相の最大径が大きすぎると、IR温度依存性が大きくなる傾向にある。
なお、偏析相の最大粒径とは、誘電体層の任意の断面において、最大の粒径を有する偏析相の粒径を意味する。また、本発明において、偏析相の粒径とは、偏析相の端から端までの直線距離のうち、一番長い直線距離を意味する。すなわち、たとえば、偏析相の断面形状が円形状の場合には、その直径の長さを意味し、偏析相の断面形状が楕円形状の場合には、その長辺の長さを意味する。
本発明においては、前記誘電体層における前記Mgの酸化物の含有量が、前記主成分100モルに対して、MgO換算で0.5〜11モル、より好ましくは0.8〜10モルである。Mgの酸化物の含有量が少なすぎると、前記偏析相が形成し難くなり、誘電率を向上させることが困難になる傾向にある。一方、含有量が多すぎると、IR温度依存性が大きくなる傾向にある。
本発明においては、前記誘電体層における前記Siの酸化物の含有量が、前記主成分100モルに対して、SiO換算で0.01〜2.0モル、より好ましくは0.5〜2.0モルである。Siの酸化物の含有量が少なすぎると、焼結が困難となる傾向にある。一方、含有量が多すぎると、誘電体層の断面積における偏析相の割合が高くなりすぎてしまい、誘電率が低下してしまうとともに、IR温度依存性が大きくなる傾向にある。
好ましくは、前記チタン酸バリウムのBaとTiとの比が0.998≦Ba/Ti≦1.020である。BaとTiとの比(Ba/Ti)が小さすぎると、焼成時に粒成長しすぎてしまい、静電容量の温度特性が低下してしまい、EIA規格のX6S特性(−55〜105℃、ΔC=±22%以内)を満たさなくなってしまう傾向にある。一方、BaとTiとの比が大きすぎると、焼結が困難となる傾向にある。
本発明においては、好ましくは、前記誘電体層は、副成分として、Mnの酸化物、Baの酸化物、Caの酸化物、Tiの酸化物およびRの酸化物(ただし、RはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuから選択される少なくとも1種)を、さらに含有し、
前記主成分100モルに対する各酸化物の含有量が、それぞれ、MnO、BaO、CaO、TiO、R換算で、
Mnの酸化物:0.1〜0.5モル、
Baの酸化物:0.01〜2モル、
Caの酸化物:0.01〜2モル、
Tiの酸化物:0.5〜11モル、
Rの酸化物 :0.01〜3.0モル、
であり、
より好ましくは、
Mnの酸化物:0.1〜0.3モル、
Baの酸化物:0.01〜1.0モル、
Caの酸化物:0.01〜1.0モル、
Tiの酸化物:0.8〜10モル、
Rの酸化物 :0.01〜2.5モル、
である。
本発明においては、前記Rの酸化物が、Yの酸化物、Tbの酸化物、Dyの酸化物、Ybの酸化物であることが好ましく、これらのなかでも、特にYの酸化物が好ましい。
本発明のセラミック電子部品の製造方法は、
上記いずれかのセラミック電子部品を製造する方法であって、
前記誘電体層を形成することとなる副成分の原料として、MgTiO粉末を使用することを特徴とする。
本発明の製造方法においては、副成分の原料として、MgとTiとの複合酸化物であるMgTiO粉末を使用する。本発明では、このようにMgTiO粉末を使用するため、焼成後の誘電体層中において、MgとともにSiを偏析させることができ、粒内へのSiの拡散を有効に防止することができる。そのため、本発明の製造方法によれば、主にMgとSiとを含有する偏析相を、効果的に形成することができる。
本発明の製造方法においては、前記MgTiO粉末として、平均粒径が、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.01〜0.2μmであるMgTiO粉末を使用する。副成分原料として使用するMgTiO粉末の平均粒径が大きすぎると、誘電体層の断面積における偏析相の割合が高くなりすぎてしまい、誘電率が低下してしまうとともに、IR温度依存性が大きくなる傾向にある。前記MgTiO粉末の平均粒径は、たとえばレーザー回折法などの光散乱を利用した方法により、体積基準累積50%径(D50径)を測定することにより求めることができる。
本発明のセラミック電子部品、および本発明の製造方法により得られるセラミック電子部品としては、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、チップインダクタ、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップ抵抗、その他の表面実装(SMD)チップ型電子部品が例示される。
本発明によると、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品において、これらの電子部品に含有される誘電体層として、主としてMgとSiとを含む偏析相を形成するため、所望の特性、特に所望の電気特性(たとえば、IR温度依存性、静電容量の温度特性など)を維持しつつ、かつ、誘電率を向上させることができる。
また、本発明の製造方法によると、副成分の原料として、MgとTiとの複合酸化物であるMgTiO粉末を使用するため、主にMgとSiとを含有する偏析相を、効果的に形成することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図2(A)は本発明の実施例に係る誘電体層の微細構造をEPMA分析して表されたMgの偏析状態を示す写真、図2(B)は本発明の実施例に係る誘電体層の微細構造をEPMA分析して表されたSiの偏析状態を示す写真、図2(C)は偏析相の最大径の測定方法を説明するための図、
図3は本発明の実施例に係る誘電体層のFESEM(電界放射型走査電子顕微鏡)写真である。
積層セラミックコンデンサ1
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
誘電体層2
誘電体層2は、誘電体磁器組成物を含有する。
本実施形態においては、上記誘電体磁器組成物は、チタン酸バリウムを含有する主成分と、副成分としてのMgの酸化物およびSiの酸化物とを含有する。さらに、本実施形態の誘電体層2には、主としてMgとSiとを含む偏析相が形成されている。
主成分として含有されるチタン酸バリウムは、好ましくは、BaとTiとの比が0.998≦Ba/Ti≦1.020である。BaとTiとの比(Ba/Ti)が小さすぎると、焼成時において粒成長しすぎてしまい、静電容量の温度特性が低下してしまい、EIA規格のX6S特性(−55〜105℃、ΔC=±22%以内)を満たさなくなってしまう傾向にある。一方、BaとTiとの比が大きすぎると、焼結が困難となる傾向にある。
Mgの酸化物の含有量は、主成分100モルに対して、MgO換算で0.5〜11モル、より好ましくは0.8〜10モルである。Mgの酸化物の含有量が少なすぎると、後述する偏析相が形成し難くなり、誘電率を向上させることが困難になる傾向にある。一方、含有量が多すぎると、IR温度依存性が大きくなる傾向にある。
Siの酸化物の含有量は、主成分100モルに対して、SiO換算で0.01〜2.0モル、より好ましくは0.5〜2.0モルである。Siの酸化物の含有量が少なすぎると、焼結が困難となる傾向にある。一方、含有量が多すぎると、誘電体層の断面積における偏析相の割合が高くなりすぎてしまい、誘電率が悪化してしまうとともに、IR温度依存性が大きくなる傾向にある。
本実施形態の誘電体層2には、主としてMgとSiとを有する偏析相が形成されている。この偏析相2は、上述したMgの副成分およびSiの副成分の少なくとも一部が偏析することにより形成されている。
本実施形態では、誘電体層2にMgとSiとを有する偏析相を形成することにより、粒内へのSiの拡散を防止することができる。そのため、その他の主成分および副成分の配合比を変更することなく、誘電率を向上させることができ、所望の特性、特に所望の電気特性を維持しつつ、かつ、誘電率を向上させることができる。なお、本実施形態の偏析相は、主として主成分から構成されている主相と比較して、Siの含有比率が10倍以上の濃度となっていることが好ましい。
上記偏析相の誘電体層2中における含有割合は、誘電体層2の断面積における面積比において、誘電体層2全体を100%としたときに、好ましくは0%より大きく、30%未満、より好ましくは2%以上、25%以下である。偏析相の割合が多すぎると、誘電率が低下してしまうとともに、IR温度依存性が大きくなる傾向にある。
また、上記偏析相の最大径は、好ましくは3μm未満、より好ましくは0.1〜2.5μmである。偏析相の最大径が大きすぎると、IR温度依存性が大きくなる傾向にある。
なお、上記偏析相2中には、MgおよびSiは、それぞれの酸化物あるいは複合酸化物として含有される。また、偏析相2中には、MgおよびSi以外の元素たとえば、Tiなどが含有されていても良い。
本実施形態においては、上述したMgおよびSiの酸化物以外に、Mnの酸化物、Baの酸化物、Caの酸化物、Tiの酸化物およびRの酸化物(ただし、RはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuから選択される少なくとも1種)を、さらに含有していることが好ましい。
Mnの酸化物、Baの酸化物、Caの酸化物、Tiの酸化物およびRの酸化物の含有量は、主成分100モルに対して、それぞれ、MnO、BaO、CaO、TiO、R換算で、
Mnの酸化物:0.1〜0.5モル、
Baの酸化物:0.01〜2モル、
Caの酸化物:0.01〜2モル、
Tiの酸化物:0.5〜11モル、
Rの酸化物 :0.01〜3.0モル、
であることが好ましく、
より好ましくは、
Mnの酸化物:0.1〜0.3モル、
Baの酸化物:0.01〜1.0モル、
Caの酸化物:0.01〜1.0モル、
Tiの酸化物:0.8〜10モル、
Rの酸化物 :0.01〜2.5モル、
である。
Mnの酸化物は、焼結を促進する効果と、IR(絶縁抵抗)を高くする効果と、高温負荷寿命を向上させる効果とがある。Mnの酸化物の含有量が少なすぎると、上述の効果が得られなくなるとともに、静電容量の温度特性が低下してしまい、EIA規格のX6S特性を満たさなくなってしまう傾向にある。多すぎると、比誘電率が低下する傾向にある。
Baの酸化物およびCaの酸化物は、誘電体層2の焼結性を向上させる効果がある。Baの酸化物、Caの酸化物の含有量が少なすぎると焼結が困難となる傾向にあり、多すぎると誘電率が低下してしまう傾向にある。
なお、Baの酸化物およびCaの酸化物は、上述のSiの酸化物とともに、(Ba,Ca)SiO2+x で表される複合酸化物の形態で添加されることにより、特に焼結性を向上させることができる。
Tiの酸化物は、後述するようにMgTiO粉末として、誘電体層2を構成する誘電体磁器組成物に含有され、本実施形態では、上述したMgの酸化物をTiとの複合酸化物であるMgTiOとして添加することにより、上述の偏析相を効果的に形成することができる。
Rの酸化物は、高温負荷寿命を向上させる効果を示す。Rの酸化物の含有量が少なすぎると、このような効果が不十分となり、容量温度特性が悪くなってしまう。一方、含有量が多すぎると、焼結性が悪化する傾向にある。なお、上記Rの酸化物のなかでも、Yの酸化物、Tbの酸化物、Dyの酸化物、Ybの酸化物が好ましく、特にYの酸化物が好ましい。
誘電体層2の厚みは、特に限定されないが、一層あたり4.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは3.5μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下である。厚さの下限は、特に限定されないが、たとえば0.5μm程度である。
内部電極層3
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、比較的安価な卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。また、内部電極層3は、市販の電極を使用して形成してもよい。内部電極層3の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい。
外部電極4
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい。
積層セラミックコンデンサ1の製造方法
本実施形態の積層セラミックコンデンサは、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、誘電体層用ペーストに含まれる誘電体磁器組成物粉末を準備し、これを塗料化して、誘電体層用ペーストを調製する。
誘電体層用ペーストは、誘電体磁器組成物粉末と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
誘電体磁器組成物粉末としては、上記した主成分および副成分の酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。誘電体磁器組成物粉末中の各化合物の含有量は、焼成後に上記した誘電体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。塗料化する前の状態で、誘電体磁器組成物粉末の粒径は、通常、平均粒径0.1〜1μm程度である。
本実施形態においては、上記誘電体層2中に含有されるMgの酸化物、およびTiの酸化物の原料として、MgとTiとの複合酸化物であるMgTiO粉末を使用する。これらの酸化物の原料としてMgTiO粉末を使用することにより、焼成後の誘電体層2において、主としてMgとSiとを有する偏析相を効果的に形成させることができる。なお、本実施形態では、Mgの酸化物およびTiの酸化物の原料を、MgTiOの形態とすることにより、効果的にSiを偏析させることができ、結果として、主としてMgとSiとを有する偏析相が形成されると考えられる。
上記MgTiO粉末は、たとえば、MgCOなどのMg原料とTiOなどのTi原料とをボールミルなどを使用して水系で混合し、次いで、仮焼きし、得られた仮焼き物を粉砕することにより調製することができる。本実施形態では、MgTiO粉末としては、平均粒径が、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.01〜0.2μmである粉末を使用する。MgTiO粉末の平均粒径が大きすぎると、誘電体層2の断面積における偏析相の割合が高くなりすぎてしまい、誘電率が低下してしまうとともに、IR温度依存性が大きくなる傾向にある。
また、本実施形態においては、主成分原料粉末とMgTiO粉末とその他の副成分原料粉末とからなる誘電体磁器組成物粉末を調製する方法としては、特に限定されないが、たとえば、まず、主成分原料粉末と、MgTiO粉末以外のその他の副成分原料粉末とを、仮焼きし、得られた仮焼き物にMgTiO粉末を添加・混合する方法や、主成分原料粉末と、MgTiO粉末と、その他の副成分原料粉末とを一度に混合する方法などが挙げられる。
具体的には、たとえば、MgTiO粉末以外のその他の副成分原料粉末を予め焙焼して焙焼粉とし、この焙焼粉と主成分原料粉末とを予め仮焼きし、その後、MgTiO粉末を添加する方法、あるいは、この焙焼粉と主成分原料粉末とMgTiO粉末とを一度に混合する方法などが挙げられる。また、それ以外の方法として、MgTiO粉末以外のその他の副成分原料粉末を、主成分原料粉末の表面に予めコートした状態とし、次いで、MgTiO粉末を添加、混合する方法、または、副成分原料の少なくとも一部を、主成分原料にドープさせた後に、MgTiO粉末と残りの副成分原料粉末とを添加、混合する方法も例示される。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
内部電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。
外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
なお、上記内部電極層用ペースト、外部電極用ペーストは、それぞれ市販の電極用ペーストを使用してもよく、あるいは市販の電極用材料をペースト化したものを使用してもよい。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に印刷、積層し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間とする。また、焼成雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とする。
グリーンチップ焼成時の雰囲気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−7〜10−3Paとすることが好ましい。酸素分圧が上記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、焼成時の保持温度は、好ましくは1100〜1400℃、より好ましくは1200〜1300℃である。保持温度が上記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間、温度保持時間を好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とする。また、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることができる。
還元性雰囲気中で焼成した場合、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−1〜10Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、特に500〜1100℃とすることが好ましい。保持温度が上記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、IRが低く、また、高温負荷寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、高温負荷寿命の低下が生じやすくなる。なお、アニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を好ましくは0〜20時間、より好ましくは2〜10時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを塗布して焼成し、外部電極4を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
本実施形態では、誘電体層2には、主としてMgとSiとを有する偏析相が形成されている。そのため、粒内へのSiの拡散を防止することができ、その他の主成分および副成分の配合比を変更することなく、誘電体層2の誘電率を向上させることができる。そのため、積層セラミックコンデンサ1において、所望の特性、特に所望の電気特性を維持しつつ、かつ、誘電率を向上させることができる。
さらに、本実施形態の製造方法においては、Mgの酸化物、およびTiの酸化物の原料として、MgおよびTiの複合酸化物であるMgTiO粉末を使用する。そのため、主としてMgとSiとを有する偏析相を効果的に形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係るセラミック電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係るセラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、上記構成の誘電体層を有するものであれば何でも良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
まず、誘電層を構成する誘電体磁器組成物を調製するための出発原料として、平均粒径0.2μmの主成分原料粉末(BaTiO、Ba/Ti=1.005)および以下に示す各副成分原料を用意した。
MnO :0.1モル
:0.2モル
BaO :0.6モル
CaO :0.2モル
SiO :0.8モル
MgO :1.0モル
上記各副成分の添加量は、主成分であるBaTiO100モルに対するモル数である。
次に、これらの主成分および各副成分の原料粉末と、MgTiO粉末とを、ボールミルにより16時湿式混合し、乾燥させて誘電体磁器組成物粉末とした。なお、MgTiO粉末は、MgCO粉末とTiO粉末とを秤量し、溶媒として水を使用して、ボールミルにて混合し、次いで、1300℃および3時間の条件で仮焼きし、得られた仮焼き物を、再度、溶媒として水を使用して、ボールミルにて粉砕し、0.3μm以下とすることにより調製した。また、本実施例では、MgTiO粉末の添加量を表1に示すようにそれぞれ変化させ、MgTiO粉末の添加量がぞれぞれ異なる試料番号1〜7の各試料を調製した。
次いで、得られた乾燥後の誘電体磁器組成物粉末100重量部と、ポリビニルブチラール樹脂10重量部と、可塑剤としてのジブチルフタレート(DOP)5重量部と、溶媒としてのアルコール100重量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体層用ペーストを得た。
また、本実施例においては内部電極層用ペーストとして、コンデンサ電極用のペースト(導電性粒子として、主にNi粒子を含有するペースト)を使用した。
これらのペーストを用い、以下のようにして、図1に示される積層型セラミックチップコンデンサ1を製造した。
まず、得られた誘電体層用ペーストを用いて、ドクターブレード法にて、PETフィルム上に、乾燥後の厚みが4μmとなるように、グリーンシートを形成した。次いで、このグリーンシートの上に、内部電極層用ペーストを用いて、スクリーン印刷により、厚さ1.5μmの電極パターンを印刷し、電極パターンの印刷されたグリーンシートを製造した。次いで、上記のグリーンシートとは別に、誘電体層用ペーストを用いて、ドクターブレード法にて、PETフィルム上に電極パターンの印刷されていないグリーンシートを製造した。
そして、上記にて製造した各グリーンシートを次の順序にて積層し、得られた積層体を加圧することにより、グリーンチップを製造した。
すなわち、まず、電極パターンの印刷されていないグリーンシートを合計の厚みが300μmとなるまで積層した。その上に、電極パターンの印刷されたグリーンシートを5枚積層した。さらにその上に、電極パターンの印刷されていないグリーンシートを合計の厚さが300μmとなるまで積層し、積層体とした。そして、得られた積層体について、温度80℃、圧力1t/cmの条件で加熱・加圧して、グリーンチップを得た。
次いで、得られたグリーンチップを所定のサイズに切断し、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、積層セラミック焼成体を得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:30℃/時間、保持温度:250℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1240℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:300℃/時間、雰囲気ガス:加湿したNと0.5〜5体積%のHとの混合ガス(酸素分圧:10−7Pa)とした。
アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1050℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:300℃/時間、雰囲気ガス:加湿したNガス(酸素分圧:10−1Pa)とした。
なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、水温を5〜75℃としたウエッターを用いた。
次いで、得られた積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてIn−Gaを塗布し、図1に示す積層セラミックコンデンサの試料1〜7を得た。得られたコンデンサ試料のサイズは、3.2mm×1.6mm×1.0mmであり、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は4とした。
得られた各コンデンサ試料について、主としてMgとSiとを含有する偏析相の面積比、偏析相の最大径、誘電率、IR温度依存性および静電容量の温度特性を下記に示す方法により測定した。
偏析相の面積比、偏析相の最大径
まず、得られたコンデンサ試料を内部電極に垂直な面で切断し、切断面を研磨した。次いで、この研磨面についてEPMA分析を行い、Mg元素およびSi元素の元素マッピングの結果から、主としてMgとSiとを含有する偏析相の面積比および最大径を測定した。結果を表1に示す。なお、EPMA分析は、研磨面のうち誘電体層部分について行い、観察視野30×30μmとした。また、観察に際しては、内部電極部分が観察視野内に入らないような領域を選択した。
なお、図2(A)に実施例3の試料番号12のMg元素の元素マッピングの写真を、図2(B)に同じ部分のSi元素の元素マッピングの写真をそれぞれ示す。また、図2(C)は、偏析相の最大径の測定方法を説明するための図である。すなわち、本実施例においては、まず、図2(C)に示すように、偏析相の端から端までの直線距離のうち、一番長い直線の長さを偏析相の粒径とし、各偏析相の粒径を測定した。そして、測定の結果、得られた各偏析相の粒径のうち最大のものを、偏析相の最大径とした。
FESEM(電界放射型走査電子顕微鏡)測定
得られたコンデンサ試料について、上記と同様にして、内部電極に垂直な面で切断し、切断面を研磨した。そして、この研磨面について、FESEM(電界放射型走査電子顕微鏡)により、誘電体層の測定を行った。測定の結果得られた写真を図3に示す。なお、図3は、試料番号6の写真である。図3より、偏析相の大きさが確認できる。
誘電率ε
まず、コンデンサ試料に対し、基準温度25℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4284A)にて、周波数1kHz、入力信号レベル(測定電圧)1.0Vrmsの信号を入力し、静電容量Cを測定した。誘電率ε(単位なし)は、誘電体層の厚みと、有効電極面積と、測定の結果得られた静電容量Cとに基づき算出した。誘電率εは大きいほど好ましい。結果を表1に示す。
IR温度依存性
まず、コンデンサ試料について、25℃における絶縁抵抗IR25、および180℃における絶縁抵抗IR180を、それぞれ測定した。絶縁抵抗の測定は、絶縁抵抗計(アドバンテスト社製R8340A)を用い、25℃および180℃において、DC7V/μmを60秒間印加した後の絶縁抵抗IR(単位はΩ)を測定した。次いで、絶縁抵抗値IR180とIR25との比(IR180/IR25)を算出した。本実施例においては、IR180/IR25が1/4以上となった試料を良好とした。結果を表1に示す。なお、表1においては、IR180/IR25が1/4以上となった試料を「○」、1/4未満となった試料を「×」とした。
静電容量の温度特性
コンデンサ試料について、−55℃、25℃および105℃の各温度における静電容量を測定し、25℃における静電容量に対する−55℃および105℃での静電容量の変化率△C(単位は%)を算出した。静電容量の変化率は、0%に近い(絶対値が小さい)ほうが好ましい。本実施例では、静電容量の変化率が、EIA規格のX6S特性(−55〜105℃、ΔC=±22%以内)を満たしている試料を良好とした。結果を表1に示す。なお、表1においては、X6S特性を満足する試料を「○」、X6S特性を満足しない試料を「×」とした。
Figure 2006173352
評価1
表1に試料1〜7の副成分の添加量、偏析相の面積比、偏析相の最大径、誘電率、IR温度依存性および静電容量の温度特性を示す。
表1に示すように、MgTiOの添加量を、主成分100モルに対して、0モルより多く、10モル以下とした実施例の試料2〜6は、主としてMgとSiとを有する偏析相が形成されており、かつ、偏析相の面積比および偏析相の最大径が、本発明の好ましい範囲内となり、誘電率が高く、IR温度依存性、静電容量の温度特性も良好な結果となった。特に、実施例3の試料番号12のMgの偏析およびSiの偏析の写真である図2(A)、図2(B)に示すように、Mgの偏析(図2(A))と、Siの偏析(図(B))とは、ほぼ同じ場所に起こっており、実施例1の各試料においても同様の傾向が確認できた。すなわち、主としてMgとSiとを有する偏析相が形成されていることが確認できる。
一方で、副成分の原料としてMgTiOを添加しなかった比較例の試料1では、MgとSiとを有する偏析相が形成されず、実施例の試料2〜6と比較して、誘電率が低くなる結果となった。
なお、MgTiOの添加量を11モルとした参考例の試料7は、偏析相の最大径が3μmとなり、誘電率は4000と高くすることができたが、IR温度依存性に劣る結果となってしまった。
これらの結果より、他の電気特性(たとえば、IR温度依存性、静電容量の温度特性)を維持しつつ、誘電率を向上させるためには、主としてMgとSiとを有する偏析相を形成することが望ましく、好ましくは、偏析相の最大径が3μm未満であることが確認できた。さらに、上記の結果より、副成分の原料として、MgTiO粉末の形態で添加することにより、主としてMgとSiとを有する偏析相を、効果的に形成することができることが確認でき、特に、MgTiO粉末の添加量を主成分100モルに対して、10モル以下とすることが好ましいことが確認できた。
実施例2
実施例1において、MgTiO粉末の代わりに、MgO粉末およびTiO粉末を使用した以外は、実施例1と同様にコンデンサの試料8,9を得て、実施例1と同様に、偏析相の面積比、偏析相の最大径、誘電率、IR温度依存性および静電容量の温度特性を測定した。
表2に示すように、試料8では、MgO粉末:1モル、TiO粉末:1モルとし、試料9では、MgO粉末:2モル、TiO粉末:1モルとした。なお、試料9においては、焼成後の誘電体層の組成比を、実施例1の試料3と実質的に同じとした。
Figure 2006173352
評価2
表2に試料8,9の副成分の添加量、偏析相の面積比、偏析相の最大径、誘電率、IR温度依存性および静電容量の温度特性を示す。
表2に示すように、MgTiO粉末の代わりに、MgO粉末およびTiO粉末を使用した比較例の試料8および9は、いずれもMgとSiとを有する偏析相が形成されず、誘電率が低くなり、IR温度依存性に劣る結果となった。特に、比較例の試料9は、実施例1の試料3と組成比を実質的に同じとしたにも関わらず、誘電率およびIR温度依存性に劣る結果となった。
実施例3
副成分原料粉末の添加量を表3に示す各添加量とした以外は、実施例1と同様にコンデンサの試料10〜14を得て、実施例1と同様に、偏析相の面積比、偏析相の最大径、誘電率、IR温度依存性および静電容量の温度特性を測定した。特に、実施例3の各試料(試料10〜14)においては、副成分の原料としてMgO粉末を使用しなかった。
Figure 2006173352
評価3
表3に試料10〜14の副成分の添加量、偏析相の面積比、偏析相の最大径、誘電率、IR温度依存性および静電容量の温度特性を示す。
表3に示すように、副成分原料粉末の添加量を変化させた実施例の試料10〜13は、いずれも主としてMgとSiとを有する偏析相が形成されており、かつ、偏析相の面積比および偏析相の最大径が、本発明の好ましい範囲内となり、誘電率が高く、IR温度依存性、静電容量の温度特性も良好な結果となった。この結果より、副成分原料粉末の添加量を変化させた場合においても本発明の作用効果が奏されることが確認できた。
なお、SiOの添加量を本発明の好ましい範囲外とした参考例の試料14は、偏析相の面積比が30%、偏析相の最大径が3μmとなってしまい、誘電率およびIR温度依存性に劣る結果となってしまった。
実施例4
実施例1において、MgTiO粉末の代わりに、CaTiO粉末またはSrTiO粉末を使用したこと、およびその他の副成分原料の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様にコンデンサの試料15〜17を得て、実施例1と同様に、偏析相の面積比、偏析相の最大径、誘電率、IR温度依存性および静電容量の温度特性を測定した。なお、CaTiOまたはSrTiOの添加量は、それぞれ表4に示す量とした。
Figure 2006173352
評価4
表4に試料15〜17の副成分の添加量、偏析相の面積比、偏析相の最大径、誘電率、IR温度依存性および静電容量の温度特性を示す。
表4に示すように、MgTiO粉末の代わりに、MgTiOと同様な結晶構造を有するCaTiO粉末、SrTiO粉末を使用した比較例の試料15〜17は、いずれもMgとSiとを有する偏析相が形成されず、誘電率が低くなる結果となった。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2(A)は本発明の実施例に係る誘電体層の微細構造をEPMA分析して表されたSiの偏析状態を示す写真、図2(B)は本発明の実施例に係る誘電体層の微細構造をEPMA分析して表されたMgの偏析状態を示す写真、図2(C)は偏析相の最大粒径の測定方法を説明するための図である。 図3は本発明の実施例に係る誘電体層のFESEM(電界放射型走査電子顕微鏡)写真である。
符号の説明
1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2… 誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極
200…偏析相

Claims (9)

  1. 誘電体層を含有するセラミック電子部品であって、
    前記誘電体層が、チタン酸バリウムを含む主成分と、
    Mgの酸化物およびSiの酸化物を含む副成分とを含有し、
    前記誘電体層には、主としてMgとSiとを含む偏析相が形成されていることを特徴とするセラミック電子部品。
  2. 前記誘電体層の断面積における前記偏析相の割合が、前記誘電体層全体を100%としたときに、面積比で、0%より大きく、30%未満である請求項1に記載のセラミック電子部品。
  3. 前記偏析相の最大径が、3μm未満である請求項1または2に記載のセラミック電子部品。
  4. 前記誘電体層における前記Mgの酸化物の含有量が、前記主成分100モルに対して、MgO換算で0.5〜11モルであり、
    前記Siの酸化物の含有量が、前記主成分100モルに対して、SiO換算で0.01〜2.0モルである請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  5. 前記チタン酸バリウムのBaとTiとの比が0.998≦Ba/Ti≦1.020である請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  6. 前記誘電体層は、副成分として、Mnの酸化物、Baの酸化物、Caの酸化物、Tiの酸化物およびRの酸化物(ただし、RはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuから選択される少なくとも1種)を、さらに含有し、
    前記主成分100モルに対する各酸化物の含有量が、それぞれ、MnO、BaO、CaO、TiO、R換算で、
    Mnの酸化物:0.1〜0.5モル、
    Baの酸化物:0.01〜2モル、
    Caの酸化物:0.01〜2モル、
    Tiの酸化物:0.5〜11モル、
    Rの酸化物 :0.01〜3.0モル、
    である請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  7. 前記Rの酸化物が、Yの酸化物である請求項6に記載のセラミック電子部品。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のセラミック電子部品を製造する方法であって、
    前記誘電体層を形成することとなる副成分の原料として、MgTiO粉末を使用することを特徴とするセラミック電子部品の製造方法。
  9. 前記MgTiO粉末として、平均粒径が0.3μm以下であるMgTiO粉末を使用する請求項8に記載のセラミック電子部品の製造方法。

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