JP2006171157A - 光導波装置、光導波モジュール及び光・電気複合デバイス - Google Patents

光導波装置、光導波モジュール及び光・電気複合デバイス Download PDF

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浩 堀越
Shuzo Sato
修三 佐藤
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Abstract

【課題】 容易かつ低コストに製造することができ、また安定した光伝送を行うと共に、その速度の向上を図ることができる光導波装置、光導波モジュール及び光・電気複合デバイスを提供すること。
【解決手段】 シリコン基体2に、互いに屈折率の異なるシリコン酸化膜によって形成されたコア3及びクラッド4a、4bからなる光導波層5が設けられ、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、コア3としての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さい、光導波装置1。光導波層5と、この光導波層5の一部分を除去して設けられた凹部10内に成膜された受光素子構成層9とがシリコン基体2に設けられている、光導波モジュール8。本発明の光導波モジュール8において、光導波層5及び受光素子9を含むシリコン基体2上に、絶縁膜16を介して半導体層17が接合されている、光・電気複合デバイス14。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光導波装置、光導波モジュール及び光・電気複合デバイスに関するものである。
インターネットの普及による高度情報化社会において、情報通信機器(パソコン、ワークステーション、サーバー等)、携帯端末などの個人用小型機器(携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等)の情報送受信端末はますます、高容量化、高速化等されつつあり、これら高性能化には半導体デバイスが大きな役割を担っている。例えば、殆ど全ての端末に組み込まれているマイクロプロセッサーは、これら情報端末機器の性能に大きく影響を及ぼしており、その代表格であるIntel社製のPentium(登録商標)では微細化の進展によるギガヘルツ(GHz)帯の高速動作が達成されている。
また、マイクロプロセッサーだけでなく、画像処理用のLSI(Large Scale Integration)に代表されるシステムLSIでは、ロジック回路だけでなくDRAM(Dynamic random-access memory)やSRAM(static random access memory)等のメモリ回路も集積化されており、ロジック回路とメモリ回路とのデータ授受には高速化、高容量化が求められている。
LSIの高速化については、ミクロな観点とマクロな観点の2つから議論される。まず、ミクロな観点においては素子(トランジスタ)単体の高速化が挙げられる。トランジスタの高速化については、いわゆる微細化技術が技術牽引力となっている。現在の量産レベルでは130nm nodeが最先端であり、上記のIntel社製のPentium(登録商標)のGHzを超えるものが代表である。開発レベルでは、既に32nm nodeのトランジスタの動作確認がされており、また、量子井戸単一電子チャネルトランジスタの動作確認もされており、数〜十数GHzレベルで信号伝送可能なLSIがいずれ出現すると予想される。
次にマクロな観点について説明する。なお、マクロな観点とはLSIチップ全体の動作のことを意味する。上記のようにトランジスタ単体のみは微細化により高速動作するようになるが、LSIチップの一部で速度を律速する部分があれば、その単体トランジスタの高速動作は生かされないことになる。
ここで簡単に、LSIチップの全体像について記載する。システムLSIの場合、LSIチップはロジック回路とメモリ回路で構成されている。また、ロジック回路、例えばマイクロプロセッサーにはロジックコア部(演算部)、浮遊小数点演算ユニット、キャッシュ、キャッシュコントローラー、クロック発生回路、インターフェース等々の複数のブロック(ユニット)が混載されている。それらのブロックは金属配線で接続され、この金属配線は半導体ウエハプロセスにおけるバックエンドプロセス(BEOL)で形成されており、国際半導体ロードマップ2002(ITRS2002)によれば、90nm世代では8層金属配線に、65nm世代では10層金属配線になると予想されている。
金属配線における信号の送受信は電気(電子)で行われる。その伝導媒体は電界(電磁波)である。即ち、入力信号ONの情報が発信されると金属配線近傍の静電容量が充電され、受信側まで静電容量の誘電緩和が終了した時点で電気信号が送信されることになる。この誘電緩和速度は金属配線を構成する比誘電率(εr)、比透磁率(μr)の物理量で規定され、光速cの1/sqrt(εr・μr)となる。
電気伝導における正確な信号伝送では、抵抗成分が律速のひとつである。単純には、V=IRで表される電圧降下が発生する。高周波伝導の場合、その抵抗成分は抵抗(R)だけでなく、容量(C)、インダクタンス(L)の物理量、及び送信される信号の周波数(w)に大きく影響され、その抵抗成分はsqrt[(R+jwL)/(jwC)]で表される。
上記のマクロな観点において、金属配線(電気配線)が信号伝送路となるわけである。金属配線は各ブロック内及びブロック間を接続するため、金属配線の長さは様々な値をとることになる。
金属配線による信号伝送速度は、上述したように、比誘電率と比透磁率(金属の場合、μr=1)で決定され、例えば、半導体で主に適用されているシリコン酸化膜の比誘電率は4であるので、光速の1/4となり、速度の観点からは大きな問題とならない。
一方、抵抗値の観点では、抵抗Rは、金属の比抵抗ρ、断面積S、長さlとすると、R=ρ・1/Sとなり、長さlの増加に伴い、抵抗値Rは増加する。また、ギガヘルツ帯の高周波になると、電流は金属の表面部分を流れるようになり(表皮効果)、実効的な電流導電断面積が減少し、抵抗値が増加する。さらに、インダクタンス成分jwLのインダクタンスLはその長さlに比例するため、抵抗成分は増加することになる。これら抵抗成分の増加は、電圧低下を招き、信号受信側での十分な電位の供給ができなくなる。また、十分な電位の供給を行うために信号送信側の電位を上げる方法もあるが、その場合、電流値の増加によりI2Rで表される消費電力が増加する。
標準的な手法で配線設計されたLSIチップの場合、1GHzの信号を電力損失なく、許容配線遅延内で電気伝送を行うことができる配線長は100μmと言われている。
今後のLSIでは、前述したように、高速化、高容量化という高性能化が求められており、数〜10GHzで動作するLSIが求められている。そのため、電気伝送の改善、電磁波伝送、光伝送等の様々な方法が検討されている。
まず、電気伝送の改善では、配線を形成する金属材料の変更、配線層間膜材料の変更及び配線の設計が検討されている。
材料の検討では、配線材料の低抵抗化と層間膜材料の低誘電率化が行われている。配線材料の低抵抗化については、既に130nm世代からアルミニウム合金配線(比抵抗3.0μΩcm)を銅配線(比抵抗1.8μΩcm)に置き換える構造が採用されており、更なる低抵抗化を検討する場合、その選択肢として、銀や超伝導等が挙げられるが、量産プロセスへの適用には大きな障壁がある。
配線層間膜材料の低誘電率化については、130nm世代からフッ素化酸化膜(FSG:比誘電率3.5)や炭素ドープ酸化膜(SiOC:比誘電率2.8)等が適用されており、ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductor)によれば、90nm世代では比誘電率2.4未満、65nm世代では比誘電率2.1未満のロードマップとなっている。一般的に、層間膜の誘電率を下るには層間膜を多孔性にする方法がとられるが、この場合、層間膜が脆弱になる。そのため、層間膜を形成することはできるが、インテグレーションにおいて大きな課題を生じている。例えば、ダマシンプロセスにおける銅の化学的機械的研磨プロセスでは層間膜へのクラック発生、CVD(化学気相成長法)による銅拡散防止用バリアメタル成膜では多孔質な層間膜中への反応ガス浸入による層間膜の腐食等の問題が発生している。
配線設計については、現状の世代では、1GHz前後の周波数であるため、抵抗と容量のみを考慮した集中定数回路による差動入力伝送で対応できたが、1GHzを超える周波数帯では、抵抗、容量の他にインダクタンス成分を考慮する必要があり、分布定数回路のモデルを適用する必要がある。分布定数回路による設計では、マイクロストリップ線路やコプレーナー線路等がある。これら配線設計は、電気伝送の高周波部及び長配線長部で適用されており、SIP(system in package)やプリント基板等の配線で広く適用されている。また、電界(電磁波)の反射を考慮した設計が必要であり、回路受信側末端には回路のインピーダンスにマッチしたインピーダンスを設けている。さらに、電圧降下の対応については、リピーターといわれる電圧回復アンプを配線間に挿入している。
次に、電磁波伝送について記述する。電磁波による伝送方法は、既にラジオ、テレビ、携帯電話等の高域エリアにおいては広く実用化されており、多重化技術等の大容量伝送には優れている。この技術をダウンサイズ化し、LSI内に適用するという発想である。送受信するアンテナについては、MEMS(Micro Mechanical Electrical Systems)の加工技術を用いてチップサイズ内に収まるレベルまで到達している。
次に、光伝送方法について記述する。光伝送も電磁波伝送と同様、インターネット、LAN(local area network)等に代表されるような中長距離における通信手段として実用化されている。最近では、大型汎用機器間をつなぐ伝送や同機器内に内蔵されているボード間の接続(バックボーン接続)も電気伝送から光伝送に変わりつつある。また、LSIチップ間という近距離を光で伝送する方法も盛んに研究されている。伝送方式には光ファイバー、光シートを用いる。
LSIチップ間の光伝送は、電気のようなクロストーク(相互干渉)も小さくかつ近距離伝送であるため、導波路伝送だけでなく自由空間伝送も研究されている。
自由空間伝送の一例を下記に記す。受発光素子を有する複数個のCPU/メモリチップが一つのパッケージ内に搭載されており、その上部にホログラムが設置してある。あるチップからの信号が発光され、その信号はホログラムを通して受光素子のチップに伝送される。
導波路伝送によってLSIチップ間を伝送する形態は、近年、盛んに研究されている。それは、LSIの高速化に伴い、大容量のデータを外部のメモリやモジュールに伝送する必要が生じたためである。現状では数百MHzの伝送容量であるが、数年後には数GHzの伝送容量が必要とされている。
また、LSIチップ間の伝送では、インターポーザー方式が主に研究されている。この方式の主なパーツは、電気−光変換部、光導波層、光−電気変換部であり、それぞれのパーツがそれぞれのインターポーザー上に実装された形態を有している。電気−光変換部としては端面発光レーザーや面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emission Laser Diode)が用いられている。光導波層は短距離伝送であるため、一般的なガラス系の光ファイバーだけでなく、形状的なフレキシビリティーを有し、一括形成可能な高分子系材料も利用されている。高分子系材料による導波路形成では、フォトリソグラフィーとドライエッチングを用いた加工形成の他に、光のエネルギーで屈折率を変化させるフォトブリーチング法といわれる方法で形成するものもある。また、光−電気変換部はフォトダイオード及び電流−電圧変換LSI等で構成されている。
最後に、LSIチップ内での光伝送について説明する。LSIチップ内の光伝送については研究の初期段階であり、まだ、製品化されているものはないが、前述したようにチップ内の伝送容量及び速度がGHz帯まで及ぶため、光伝送導入の余地は十分にある。しかしながら、光−電気変換用の部品を、大きくて20mm角のチップの中に混載する必要があるため、技術的に困難な面がある。以下に、現在検討されているLSIチップ内の光伝送技術をいくつか紹介する。
(1)自由空間伝送
シリコンは近赤外より短い波長で透明である性質を有している。この特性を利用し、シリコン基板を自由空間光伝送部及びインターポーザーとして用い、光伝送を行う方式である。この構造は、シリコン基板上にVCSEL等の発光素子及びそのドライバと、フォトディテクター等の受光素子及びそのドライバとをマウントした簡単な構造であり、シリコンの屈折率が3.0程度であるため、界面(空気:屈折率1)での光の透過は非常に小さい。また、自由空間光伝送部であるシリコン基板上に、CMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)プロセスによってLSIを形成することが提案されている(例えば、後記の特許文献1参照。)。
(2)外部から発光信号を送信する方法
このシステムは主にクロック信号の送受信に用いられるものであり、LSIチップ内に導波路及びフォトダイオードを混載し、レーザーによって外部から光信号を供給するものである。クロック信号の送受信を目的としているため、送信側のレーザーには一定周期で発信されるモードロックレーザーが使用される。導波路形成については様々な方法が採用されており、下記にいくつかの例を説明する。
a.LSIチップの最上層に設ける方法
これは、LSI配線形成後の最上層に導波路を設ける方法である。例えば、LSIチップで使用される層間膜材料よりも屈折率の大きい材料によって導波路を形成し、シリコン基板とのコンタクト部にフォトディテクターを設ける構造が提案されている(例えば、後記の特許文献2参照。)。光は、LSIチップの上部からパルス供給させるシステムである。また、シリコン基板上にガリウムヒ素(GaAs)系受発光素子を形成し、その上にLSI配線及び縦方向光導波層を形成し、更に最上層にミラーを含む横方向導波路を形成してなる光配線システムも提案されている。この場合、光信号は、シリコン基板に設けられた発光素子からLSIチップ上方に向かって発せられ、配線形成された層間膜内の導波路を通り、最上層の導波路に到達する。最上層の導波路には反射ミラーが設置されており、そのミラーにより、光信号は最上層の導波路を横方向に伝送される。伝送された光は、別のミラーに反射され、層間膜内の導波路を下方に進行し、シリコン基板上に形成された受光素子に入射される。
b.半導体基板上又は内部に導波路を設ける方法
半導体基板上又は内部に導波路を設ける構造として最もポピュラーな構造は、コア部にシリコンを用い、クラッド部にシリコン酸化膜を用いた構造である(例えば、後記の特許文献3参照。)。シリコンとしては、ポリシリコン、シングルクリスタルシリコン、アモルファスシリコンが用いられる。このようなシリコン/シリコン酸化膜構造の導波路はクラッドにシリコン酸化膜を用いているので、SOI(silicon on insulator)と併用して使用することが多い。
また、シリコンにゲルマニウムをドープして得られるSiGeを導波路として用いる例もある。SiGeはシリコンよりも屈折率が大きいので、光の導波路として機能する。SiGeの屈折率はゲルマニウム混入濃度で調整可能であり、その典型的な屈折率としては3.5前後である。また、SiGeは半導体の性質を有しているため、導波路内にフォトディテクターとして埋め込むことができる。さらに、SiGe光導波層を含むシリコン基板上にシリコン酸化膜を設けてSOI構造とすることにより、光の漏洩及び外部からの浸入を防ぐことができ、更に、シリコン酸化膜上にピュアなシリコンを形成し、そのピュアシリコン上にCMOSプロセスによってLSIを形成すれば電気と光の複合デバイスが可能となる(例えば、後記の特許文献4、又は特許文献5参照。)。
c.フォトバンドギャップを利用した導波路形成
ある周期的な誘電体構造では、格子の一定の方向について電磁(光)放射の伝搬が禁じられている。これらの構造は、フォトバンドギャップ構造として知られている。シリコン基板は、単結晶でありかつ大きな誘電体定数を有しているので、このフォトバンドギャップ構造を適用するのに適した材料である。このような構造はリソグラフィーとエッチングで形成可能であり、材料特性と伝送する波長により、その加工形状、レイアウト、及びスケールが決定される。
d.エバネッセント光を利用した方法
光は電気のように損失なく伝送方向を自由に変えることは困難である。そこで、エバネッセント光を用いて光の伝送方向を自由に変える方法が提案されている。なお、エバネッセント光とは導波路から漏洩(染み出し)した光である。この方法では、導波路内において、変更させたい伝送方向へエバネッセント光を染み出させるような構造を有している。導波路の形態については、コア部にシリコンを用い、クラッドにシリコン酸化膜を用いる構造が一般的である。また、SOI構造の基板を用いることにより、光の遮蔽効果及びCMOS等とのインテグレーションも可能である。
e.電子/ホール濃度の制御で波長変調する方法
これはシリコン半導体を用いた光の変調方式である。シリコンは電圧を印加することにより、電子及びホール濃度を変えることができる。電子及びホール濃度の変化によりクラーマース・クロニッヒの関係から波長変調することができるため、マッハツェンダー変調器との併用により、信号の’0’、’1’を電圧により調整することができる。これらはシリコン上にCMOSプロセスで形成できるので、CMOS等のLSIと光デバイスを一つのチップ上に形成することが可能である。
(3)シリコン基板に発光素子を混載する方法
シリコン基板に発光素子を設けることにより、クロック信号だけでなく、データ信号も送受信することが可能である。この方法では、別途作製された発光素子をシリコン基板にマウントする方法とシリコン基板内にCMOSプロセスで発光素子を形成する方法がある。後者については以下のようなものが開発されている。
a.シリコンナノクリスタル、エルビウムドープシリコン等の発光素子
シリコンは間接遷移型半導体であるため、発光し難い材料である。このような材料では、結晶サイズを小さくすることによって、バンド端発光させることができる。シリコンもナノレベルまで結晶サイズを小さくすることにより、発光することが確認されている。更に、エルビウムのような不純物を添加することにより、サブバンドが形成され、その発光効率が向上することが知られている。これらの技術を応用し、発光と受光をシリコン内で行わせることによる光電気複合配線が検討されている。
b.シリコン上に発光半導体(GaAs、GaN)をエピタキシャル成長させる方法
発光する材料は一般的にIII−V族やII−VI族の半導体化合物である。それら材料の格子定数はシリコンのそれと大きく異なり、いくらシリコン上の表面をクリーンな状態にしても、格子定数ミスマッチによりヘテロエピタキシャルしない。そのため、格子定数ミスマッチを補完するためにバッファー層を設ける方法が用いられている。例えは、ガリウムヒ素(GaAs)はSTO(SrTiO)をバッファー層として用い、窒化ガリウム(GaN)は炭化シリコン(SiC)をバッファー層として用いるとヘテロエピタキシャル成長することが報告されている。
US6680495B2号(3欄5行目〜4欄64行目、図1〜図4) 昭61−222165号公報(2頁左上欄8行目〜左下欄16行目、図1) US2002/0031321A1号公報(1頁右欄15段落目〜2頁右欄27段落目、図1〜図4) US2004/0013338A1号公報(2頁21段落目、図1) 特開平9−318830号公報(6頁9欄19行目〜7頁11欄31行目、図1) 電子情報通信学会論文誌 2001/9, col. J84-C No.9, 784-792
LSIチップを動作させる信号の送受信において、以下のような課題を解決する必要がある。
(1)信号に重畳される微小なノイズ(ジッター:jitter)の低減
(2)通常、LSIチップにおける各ブロックはシーケンシャルに動作しているので、同期を取る必要があり、それをクロック信号によって行っている。各ブロックへのクロック信号到達時間差を一般にスキュー(skew)と呼んでおり、スキューを低減することが必要である。
(3)電気・電磁波・光は電磁波であるため、伝送ライン間に相互作用を及ぼす。この相互作用をクロストークと呼んでいる。クロストークにより信号にノイズが重畳される可能性がある。
上記の課題において、ジッター及びクロストークについてはそれほどクリティカルではない。ジッターについては、帯域フィルターの開発が進んでおり、多少のノイズがあってもカバーできている。クロストークについても、ジッターと同様にフィルターによるノイズカットが可能であり、また、配線間の相互干渉については簡単なシミュレーションで製品レベルの予想ができている。
一方、スキューは時間と距離の関数であるため、今後の信号周波数の増加に伴う信号周期の短時間化、LSIチップの高機能化に伴うブロック数の増加により、ますます深刻になってくる。スキューの回避には、遅延時間をコントロールするバッファー層の設置等の回路的手法やH−treeのような等長配線レイアウト等で対応されている。
次に、上述した各伝送方式の課題について述べる。LSIチップで要求される数GHzの伝送速度及び容量の送受信には上記の電気・電磁波・光の伝送方式があるが、いずれも一長一短がある。
まず、電気伝送についての課題を述べる。電気伝送システムの形成については、プロセス的には現状の半導体プレーナー技術の延長であるため、それほど問題ではない(但し、微細化という観点では新規のプロセス技術を必要とする場合が多く、困難な面は多々ある。)。しかしながら、以下のような課題がある。
(1)配線層数の増大
配線層数の増大により工程数が増加し、プロセスコストの上昇及び歩留りの低下が予想される。また、脆弱な低誘電率層間膜の更なる積層化、かつ、逆ヒエラルキー構造配線の加速による上層配線の厚膜化が半導体ウエハに対して大きなストレスを印加させる。そのため、ストレスマイグレーション(SM)による配線信頼性不良や層間膜のクラック等の欠陥発生確率が高くなる。
(2)配線抵抗による電圧降下
ブロック間の伝送は比較的長い配線であるため、配線抵抗による電圧効果を生じる。特に高周波になると配線のインダクタンス成分jwLの影響が大きくなる。そのため、電圧降下を見据えて電源電圧を増大させたり、電圧降下を回復するために配線の途中にアンプを増設する等の対応を行っているが、いずれも消費電力が増大する方向である。
(3)高周波対応のための複雑な配線設計及び各ブロックの適切な配置設計
インピーダンスマッチングを考慮した配線設計、ジッター/クロストーク/スキュー等を考慮した配線設計及び各ブロックの配置設計を、伝送周波数、デザインルール、製品ごとに再設計する必要がある。少量多品種といわれるシステムLSIでは短TAT(turn around time)を要求されるため、このような設計の複雑さは、最悪の場合、営業機会を失う可能性がある。
また、電気配線ではさらに致命的な欠陥として、(1)高周波発生時の電磁波問題、(2)高周波信号波形の立ち上がり/立下り特性の劣化が問題点として挙げられる。前者については、伝送速度が高周波化するに従い、電気配線から発生する電磁波は短波長化される。電磁波が短波長化されるとより遠方へ電磁波が伝送される。また、電磁波はその波長の2πの整数倍長の金属に対してアンテナ効果を及ぼすため、短波長化により電磁波の影響を受ける配線長の数が増加することになる。アンテナ効果は電磁ノイズの発生源であり、デバイスの動作不具合を引き起こすことになる。後者については、配線部の静電容量を充填する誘電緩和が必要であり、その誘電緩和は周波数の増加により追従し難くなり、信号の立ち上がり/立下りに影響を及ぼすことになる。信号の立ち上がり/立下りは信号認識の上で重要なファクターであり、急峻な立ち上がり/立下りが必要である。
電磁波伝送の課題については以下の項目が挙げられる。
(1)上述した電気伝送と同様にして、アンテナ効果による電磁波ノイズ
(2)電磁波発生源及び受信源であるアンテナ形成
電磁波伝送では積極的に電磁波を飛散させているため、アンテナ効果による電磁波ノイズの影響は電気伝送のそれよりも深刻である。半導体形成の最終工程においてはEMCという電磁波に対する信頼性試験もあるため、積極的に電磁波を発生させる電磁波伝送については何らかのブレークスルーが必要である。
最後に、光伝送の課題について記載する。光伝送では、電気で動作するLSIチップを光に変換する、即ち、電気−光変換部品等を必要とするため、LSIチップを構成する部品が多くなる欠点がある。しかしながら、光伝送には、電気伝送や電磁波伝送のように、電磁波ノイズや誘電緩和等に代表される物理的性質によるLSIチップへの悪影響又は伝送律速はほとんどない。
従って、上記の各種問題点を考慮すると、信号伝送の高周波化に伴う伝送の高速化及び大容量化に対しては、光伝送技術が有力な方法と予想される。
光伝送方式については上述したように、様々な方法が研究されている。LSIチップ内での光伝送において、理想的な形態はシリコン基板内に受発光素子を搭載する形態であるが、シリコン基板内に発光素子を設ける技術の確立が困難な状況であり、長い期間で検討する技術である。
現状技術である電気伝送において、緊急性を要する信号の送受信ラインは各ブロックに配信されるクロック信号である。クロック信号の場合、LSIチップの外部から信号を送信することがシステム上可能である。
このような背景において、従来技術では光導波層をシリコン基板内に形成した技術がいくつか報告されている。例えば、上記の特許文献4ではゲルマニウムドープのシリコンを光導波層として用い、この光導波層付きのシリコン基板上にシリコン酸化膜を介してシリコン層を形成してなる、SOI構造を有する電気と光の複合デバイスを提案している。ゲルマニウムドープのシリコンの屈折率はシリコンのそれより大きいため、ゲルマニウムドープのシリコンをコアとして、基板であるシリコン基板をクラッドとして使用できるため、ある意味では理想的な形態であると思われる。
しかしながら、SOI構造を有する電気と光の複合デバイスにおいて、光導波層としてゲルマニウムドープのシリコンを用いる場合には下記に挙げるような問題点がある。
問題点としては、まず、ゲルマニウムドープのシリコンは化合物であり、シリコンとゲルマニウムの組成比で屈折率が変化するため、光導波層内において安定した屈折率を得るのが困難である。
また、ゲルマニウムドープのシリコンは有機金属化学的気相成長法(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)、分子線エピタキシャル成長法(MBE:molecular beam epitaxy)等で成膜することができるが、その成膜速度は非常に遅く、また、コストが高い。
さらに、物質内の光の速度vは光速cを屈折率nで除算(v=c/n)したものであり、屈折率が大きくなるほど、物質内を伝送される光の速度は小さくなる。ゲルマニウムドープのシリコンの屈折率は3.0〜4.0であり、ゲルマニウムドープのシリコン内を伝送する光の速度は真空中の光速(3.0×108m/sec)の1/4〜1/3になり、光伝送速度の低下が予想される。
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、容易かつ低コストに製造することができ、また安定した光伝送を行うと共に、その速度の向上を図ることができる光導波装置、光導波モジュール及び光・電気複合デバイスを提供することにある。
即ち、本発明は、シリコン基体に、互いに屈折率の異なるシリコン酸化膜によって形成されたコア及びクラッドからなる光導波層が設けられ、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、前記コアとしての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さい、光導波装置に係るものである。
また、互いに屈折率の異なるシリコン酸化膜によって形成されたコア及びクラッドからなり、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、前記コアとしての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さい光導波層と、この光導波層の一部分を除去して設けられた凹部内に成膜された受光素子構成層とがシリコン基体に設けられている、光導波モジュールに係るものである。
さらに、本発明の光導波モジュールにおいて、前記光導波層及び前記受光素子を含む前記シリコン基体上に、絶縁膜を介して半導体層が接合されている、光・電気複合デバイスに係るものである。
本発明によれば、前記光導波層が、互いに屈折率の異なる前記シリコン酸化膜によって形成された前記コア及び前記クラッドからなり、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、前記コアとしての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さいので、効果的に光を導波することができる。
また、上記の従来例は、光導波層がゲルマニウムドープのシリコンなり、シリコンとゲルマニウムの組成比で屈折率が変化するのに対し、本発明は、前記光導波層が、互いに屈折率の異なる前記シリコン酸化膜によって形成された前記コア及び前記クラッドからなるので、前記コア内及び前記クラッド内において屈折率は均一であり、安定した光伝送を行うことができる。
また、前記コアとしての前記シリコン酸化膜を例えば化学的気相成長法によって成膜すれば、その屈折率は1.45である。この場合、光の伝送速度は、従来例によるゲルマニウムドープのシリコン(屈折率3.0〜4.0)の光伝送速度の2.4倍となり、より高速な伝送速度が得られる。
さらに、ゲルマニウムドープのシリコンはデバイスの高速化を目的とした歪みシリコン形成のために使用されつつある(シリコンと格子定数の違うゲルマニウムドープのシリコンを成膜して、シリコンの格子を歪ませる。)が、シリコンLSIにおいてはそれほどメジャーな材料ではない。一方、本発明における前記光導波層を構成する前記シリコン酸化膜は、シリコンLSI形成には欠かせない材料である。汎用性という観点からは、圧倒的に前記シリコン酸化膜で形成された前記光導波層のほうが、コスト及びプロセス容易性に対して有利である。
前記コアと前記クラッドとを同等の屈折率の前記シリコン酸化膜によって形成した場合、前記シリコン酸化膜の屈折率(1.45前後)は前記シリコン基体の屈折率(3.0)より小さいため、前記シリコン酸化膜中に光を閉じ込めておくことはできない(前記シリコン基体側に透過してしまう)。そこで、前記シリコン基体と前記コアとしての前記シリコン酸化膜の間に、前記コアとしての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さい材料を設けるか、或いは光の反射率の高い材料を設ければ、光の透過は防ぐことができる。
後者の反射率の高い材料については、金属系の材料を容易に想像でき、LSIプロセスで一般的に使用される材料にはアルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)等がある。しかしながら、上記の金属材料は前記シリコン基体に拡散するので、前記シリコン基体と接触させることはできず、これらのバリアメタルを必要とする。また、その後の最大プロセス温度は400〜500℃と限定されること等のため、現実的ではない。
そこで、本発明者は、前者の屈折率が小さい材料の適用に本課題の解決策を求め、前記シリコン酸化膜は形成方法の違いにより屈折率の異なる膜を形成できることに注目した。前記シリコン酸化膜の屈折率は1.45前後であり、屈折率は小さい範囲に属する材料である。さらに、LSIプロセスとのコンパティビリティーも考慮に入れる必要がある。
例えば、化学的気相成長法によって成膜される前記シリコン酸化膜の屈折率は1.45であり、電解酸化法によって成膜される前記シリコン酸化膜の屈折率は1.4である。即ち、これら形成方法の違いによる、前記シリコン酸化膜の屈折率の違いΔnは3.4%程度である。このΔnの値は十分に許容範囲内であり、特に分岐のない光導波層、かつ、LSIチップ内という比較的短い範囲での光伝送に好適である。
上記のように、本発明における前記光導波層は、互いに屈折率の異なるシリコン酸化膜によって形成された前記コア及び前記クラッドからなり、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、前記コアとしての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さいので、前記シリコン基体に光が洩れることなく、効果的に光を導波することができる。
本発明において、前記シリコン基体に形成された凹条部の内壁面に屈折率の小さい下部クラッドが設けられ、この下部クラッドの内側に屈折率の大きい前記コアが充填され、更にこのコアが屈折率の小さい上部クラッドによって被覆されていることが好ましい。ここで、前記凹条部とは細長く一続きにつながって形成された溝を意味する。
また、前記凹条部以外には前記上部クラッドが設けられておらず、この上部クラッドと前記シリコン基体とが同一面内に存在していることが好ましい。
さらに、電解酸化法、酸素のイオン注入で表面層を酸素リッチ化する方法、酸素プラズマ処理法、常圧低温化学的気相成長法によって燐を添加したシリコン酸化膜形成法、又は無機塗布系のシリカ(二酸化珪素)材料を用いる方法によって、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜が形成され、化学的気相成長法によって前記コアとしての前記シリコン酸化膜が形成されていることが望ましい。例えば、高い圧力での化学的気相成長法において燐をドープすると屈折率が小さくなることが知られている。また、フッ素やホウ素を含んだシリコン酸化膜も屈折率が小さくなることが知られており、適用可能である。
本発明の光導波モジュールは、本発明の光導波装置における前記光導波層と、この光導波層の一部分を除去して設けられた凹部内に成膜された受光素子構成層とが前記シリコン基体に設けられている。
前記凹部内に、第1導電型の半導体層と、この第1導電型とは逆導電型の半導体層とが積層されて受光素子が構成されているのが好ましい。
また、受光素子の電極が、前記光導波層から外れた位置に形成されていることが望ましい。これにより、電極によって光が散乱するのを効果的に防ぎ、後段への光ロスを低減することができる。
また、前記凹部内にその底部及び上部の少なくとも一部を除いて前記クラッドが設けられ、このクラッドの内側に前記受光素子が配され、この受光素子の一方の電極が前記底部から取り出され、他方の電極が前記上部から取り出されることが好ましい。
また、前記光導波層の光入射位置に、前記光導波層に光を入射させる光入射手段が設置されることが好ましい。
本発明の光・電気複合デバイスは、本発明の光導波モジュールにおいて、前記光導波層及び前記受光素子を含む前記シリコン基体上に、絶縁膜を介して半導体層が接合されている。
具体的には、前記絶縁膜としてシリコン酸化膜を形成したシリコン層が前記半導体層として用いられていることが好ましい。
また、前記半導体層に集積回路が形成されていることが好ましく、この場合、前記集積回路と前記受光素子とが光電変換信号線によって接続されていることが好ましい。
このように、本発明に基づく光・電気複合デバイスはSOI(Silicon On Insulator)構造を適用することができる。LSIの各ブロックに配信されるクロック信号は、LSIの微細化と共に、高速化されている。前記光導波層にクロック信号を外部から導入すれば、高速かつスキューの少ないクロック配信ができるので、誤動作のない、安定したLSI動作が可能となる。
即ち、本発明に基づく光・電気複合デバイスはSOI構造を用いるので、デジタル回路での高速及び低消費電力動作が可能となり、高周波回路での動作周波数の向上及びノイズの低減を図ることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
第1の実施の形態
図1は、本発明に基づく光導波装置の概略図である。
図1に示すように、本発明に基づく光導波装置1は、シリコン基体2に、互いに屈折率の異なるシリコン酸化膜によって形成されたコア3及び前記クラッド(下部クラッド4a及び上部クラッド4b)からなる光導波層5が設けられ、クラッド4a、4bとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、コア3としての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さい。
以下に、図面を参照しながら、図1に示した本発明に基づく光導波装置の製造方法の一例を工程順に説明する。図2〜図3は、図1(a)のA−A’線概略断面図である。
図2(a)に示すようなシリコン基体2を用い、図2(b)に示すように、このシリコン基体2の光導波層5を形成する部分以外の領域に、マスク6を形成する。次いで、図2(c)に示すように、マスク6で被覆されていない部分、即ち、光導波層5を形成する部分のシリコンをエッチングによって除去し、凹条部7を形成する。マスク6は一般的なレジストでも構わないが、シリコン基体2のエッチングの際、マスク6が耐性に劣る場合には、ハードマスクとして、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を用いることが可能である。この場合、シリコン基体2上にハードマスクとなる材料を形成し、一般的なリソグラフィー及び加工工程でそのハードマスクをエッチングする。
次に、図2(d)に示すように、凹条部7の内壁面に屈折率の小さい前記シリコン酸化膜からなる下部クラッド4aを設ける。下部クラッド4aとしての前記シリコン酸化膜は、電解酸化法、酸素のイオン注入で表面層を酸素リッチ化する方法、酸素プラズマ処理法、常圧低温化学的気相成長法によって燐を添加したシリコン酸化膜形成法、又は無機塗布系のシリカ(二酸化珪素)材料を用いる方法によって形成することができる。例えば、高い圧力下での化学的気相成長法において燐をドープすると屈折率が小さくなることが知られている。また、フッ素やホウ素を含んだシリコン酸化膜も屈折率が小さくなることが知られており、適用可能である。
このような方法によって得られる前記シリコン酸化膜の屈折率は1.4であり、一般的な(例えば化学的気相成長法)シリコン酸化膜の屈折率(1.45)より小さい値を有する。その屈折率の違いΔnは3.4%である。このときの全反射臨界角は74.9度となる。全反射臨界角74.9度は、本発明の適用範囲がシリコンLSIチップという比較的短い距離の範囲を含み、一般的な光信号の入射にはコヒーレント性の高いレーザーを用いていることから、実用性に対して何ら問題ないと予想される。
例えば、電解酸化法によって下部クラッド4aを形成するには、電解槽内に陰極と陽極を設ける。具体的には、シリコンウエハ基体の裏面に陽極を設置し、陰極として白金を用い、電解質として0.04規定のKNO3のメチルアセトアミド溶液又は少量の水を含んだ0.04規定のKNO3のエチレングリコール溶液を用いればよい。
次に、図3(e)に示すように、下部クラッド4aの内側に屈折率の大きい前記シリコン酸化膜からなるコア3を充填する。コア3としての前記シリコン酸化膜の成膜には、化学的気相成長法(CVD:chemical vapor deposition)等が一般的に適用され、これにより得られる前記シリコン酸化膜の屈折率は1.45である。
次に、図3(f)に示すように、シリコン基体2上の光導波層形成領域以外の部分に積層した下部クラッド4a及びコア3を除去する。除去方法には、ウエット法、ドライエッチング法等があるが、制御よく正確に除去するには化学的機械的研磨法(CMP:chemical mechanical polishing)が有効である。CMPによる除去方法は既に確立された技術であり、シリコンLSI形成のメタルプロセスで一般的に使用されている。
なお、CMPによる除去工程において、更に精度の向上を図るには、図2(b)におけるマスク6としてシリコン窒化膜を用いると良い。それは、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜のCMP研磨選択比が大きいためである。CMPの条件(プロセスパラメータ、スラリー、研磨パッド等)をオプティマイズすれば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の選択比は10〜100にすることができる。
次いで、マスク6を除去する。マスク6は凹条部7のエッチング工程(図2(c))や上記のCMP除去工程で初期膜厚より薄くなっており、これらの除去工程で見積もられるエッチング量を予め算出しておけば、この工程での負荷は非常に少なくなる。
次に、図3(g)に示すように、屈折率の小さい前記シリコン酸化膜からなる上部クラッド4bによってコア3を被覆する。上部クラッド4bとしての前記シリコン酸化膜は、下部クラッド4aの形成方法と同様の方法を適用することができる。
以上のようにして、シリコン基体2に、互いに屈折率の異なる前記シリコン酸化膜によって形成されたコア3及び前記クラッド(下部クラッド4a及び上部クラッド4b)からなる光導波層5が設けられ、クラッド4a、4bとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、コア3としての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さい本発明に基づく光導波装置1を製造することができる。
本発明に基づく光導波装置1によれば、光導波層5が、互いに屈折率の異なる前記シリコン酸化膜によって形成されたコア3及びクラッド4a、4bからなり、クラッド4a、4bとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、コア3としての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さいので、効果的に光を導波することができる。
上記した従来例は、光導波層がゲルマニウムドープのシリコンなり、シリコンとゲルマニウムの組成比で屈折率が変化する。これに対し、本発明に基づく光導波装置1は、コア3としての前記シリコン酸化膜が例えば化学的気相成長法によって成膜され、クラッド4a、4bが電解酸化法等によって成膜されるので、コア3内及びクラッド4a、4b内において屈折率は均一であり、安定した光伝送を行うことができる。
また、コア3としての前記シリコン酸化膜を例えば化学的気相成長法によって成膜すれば、その屈折率は1.45である。この場合、光の伝送速度は、従来例によるゲルマニウムドープのシリコン(屈折率3.0〜4.0)の光伝送速度の2.4倍となり、より高速な伝送速度が得られる。
さらに、ゲルマニウムドープのシリコンはデバイスの高速化を目的とした歪みシリコン形成のために使用されつつあるが、シリコンLSIにおいてはそれほどメジャーな材料ではない。一方、本発明における光導波層5を構成する前記シリコン酸化膜は、シリコンLSI形成には欠かせない材料である。汎用性という観点からは、圧倒的に前記シリコン酸化膜で形成された光導波層5のほうが、コスト及びプロセス容易性に対して有利である。
なお、本実施の形態では、コア3を含むシリコン基体2上に、上部クラッド4bを成膜する例を挙げて説明したが、図4に示すように、前記凹条部以外には上部クラッド4bが設けられておらず、この上部クラッド4bとシリコン基体2とが同一面内に存在していてもよい。
第2の実施の形態
図5は、本発明に基づく光導波モジュールの概略斜視図である。
図5に示すように、本発明に基づく光導波モジュール8は、互いに屈折率の異なる前記シリコン酸化膜によって形成されたコア3及びクラッド4a、4bからなり、クラッド4a、4bとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、コア3としての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さい光導波層5と、この光導波層5の一部分を除去して設けられた前記凹部内に成膜された前記受光素子構成層からなる受光素子9とがシリコン基体2に設けられている。
より具体的には、第1の実施の形態と同様にして、シリコン基体2に形成された前記凹条部の内壁面に屈折率の小さい前記シリコン酸化膜からなる下部クラッド4aが設けられ、この下部クラッド4aの内側に屈折率の大きい前記シリコン酸化膜からなるコア3が充填され、更にこのコア3が屈折率の小さい前記シリコン酸化膜からなる上部クラッド4bによって被覆されている。
また、前記凹条部以外には上部クラッド4bが設けられておらず、この上部クラッド4bとシリコン基体2とが同一面内に存在しているのが望ましい。
また、前記凹部内に、第1導電型の半導体層(例えばp型半導体層)と、この第1導電型とは逆導電型の半導体層(例えばn型半導体層)とが積層されて受光素子9が構成されているのが好ましい。
また、受光素子9が光導波層5からはみ出るように形成され、受光素子9の電極(図示省略)が、光導波層5から外れた位置に形成されていることが望ましい。これにより、前記電極によって光が散乱するのを効果的に防ぎ、後段への光ロスを低減することができる。
以下に、図面を参照しながら、図5に示した本発明に基づく光導波モジュールの製造方法の一例を工程順に説明する。なお、図6〜図7は、図5に示した本発明に基づく光導波モジュール8の要部拡大断面図に相当する。
まず、図2〜図3に示すような製造方法によって、本発明に基づく光導波装置1を製造する。但し、本実施の形態では図4に示すように、前記凹条部以外には上部クラッド4bを設けず、この上部クラッド4bとシリコン基体2とを同一面内に存在させる。
次に、図6(a)に示すように、受光素子9を形成する部分以外の領域にマスク6を形成する。次いで、図6(b)に示すように、マスク6で被覆されていない部分、即ち、受光素子9を形成する部分のシリコン基体2及びシリコン酸化膜3、4a、4bをエッチングによって除去し、凹部10を形成する。マスク6の形成プロセス及びエッチングプロセスは標準的なリソグラフィー及びドライエッチングプロセスが適用可能である。
次に、図6(c)に示すように、凹部10に受光素子9を形成する。受光素子9は、例えばp型半導体層(前記第1導電型の半導体層)11、真性半導体層12及びn型半導体層(前記逆導電型の半導体層)13からなる。p型半導体層11又はn型半導体層13は、例えば、凹部10内にエピタキシャル成長法を用いて、シリコン基体2の表面から単結晶半導体層(シリコン又はゲルマニウムドープのシリコン)を成長させ、この半導体層にアクセプタ準位又はドナー準位を形成するイオン種の注入を行うことによって成膜することができる。或いは、上記のエピタキシャル成長法による半導体層成膜プロセスにおいて、キャリア(アクセプタ又はドナー)となる不純物を混入することにより成膜することができる。なお、キャリア導入方法として、半導体プロセスで最も一般的であるイオン注入プロセスを適用したが、その他に固相拡散プロセス等もあり、イオン注入プロセスに限定するものではない。また、p型半導体層11の形成から行っているが、n型半導体層13から形成しても何ら問題はない。さらに、イオン種、イオン注入条件、熱処理条件等は適宜最適化して行えばよい。なお、受光素子9の高さは、凹部10の深さ方向の大きさより低いことが好ましく、これにより、次段に設けられる他の受光素子への光導入量を増加させることができる。
次に、図6(d)に示すように、凹部10の受光素子9上に屈折率の小さい前記シリコン酸化膜からなる下部クラッド4aを成膜する。
次に、図7(e)に示すように、下部クラッド4aをリソグラフィー及びエッチングによって加工する。次いで、図7(f)に示すように、凹部10内にコア3としての屈折率の大きい前記シリコン酸化膜を充填する。コア3としての前記シリコン酸化膜は化学的気相成長法等によって成膜すればよく、これにより得られる前記シリコン酸化膜の屈折率は1.45である。
次に、図7(g)に示すように、余分な前記シリコン酸化膜をCMP等によって除去し、更にマスク6も除去する。そして、図7(h)に示すように、屈折率の小さい前記シリコン酸化膜からなる上部クラッド4bを電解酸化法等によって形成し、上部クラッド4bとシリコン基体2とを同一面内に存在させる。これにより、光導波層5の内部に受光素子9を配することができる。
以上のようにして、本発明に基づく光導波モジュール8を容易に製造することができる。
本発明に基づく光導波モジュール8は、図示省略したが、光導波層5の光入射位置に、光導波層5に光を入射させる光入射手段が設置されているのが好ましい。前記光入射手段としては、一般的なレーザー等を使用することができる。光入射方法は、本発明における光導波層5の性質上、光導波層5と平行な方向に入射させることが望ましいが、光導波層5に対して垂直方向から入射させる方法も適用可能である。その場合、入射された光を全反射ミラー、又はプリズム等により偏向させる方法が適用される。
本発明に基づく光導波モジュール8において、受光素子9を構成するp型半導体層11及びn型半導体層13のpn接合部に光が入射されることにより、その光のエネルギーが半導体のバンドギャップ以上であると、半導体中の価電子帯やp型及びn型半導体層の形成で用いられた不純物で形成されるサブバンドから伝導キャリア(電子・ホール)が生成し、電子は伝導帯へ、ホールは価電子帯へ遷移する。遷移された電子・ホールは受光素子9に印加された電圧により、陽極には電子を収集し、陰極にはホールを収集することになり、この受光素子9に何らかの回路を接続すると、その回路に電流を流すことができる。このような流れで受光素子9は電流発生源として機能する。
なお、第1の実施の形態のように本発明に基づく光導波装置を製造した後、光導波層5内に受光素子9を形成する方法を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、本発明に基づく光導波装置の製造工程において、前記凹条部の所定位置に予め前記受光素子を選択的に形成した後、前記光導波層を形成することも可能である。
また、図5に示すように、受光素子9の電極(図示省略)を光導波層5から外れた位置に形成するのが望ましいが、図8のように、光導波層5域内に受光素子9全体が収まっていてもよい。即ち、前記凹部内にその底部及び上部の少なくとも一部を除いてクラッド4aが設けられ、このクラッド4aの内側に受光素子9が配され、この受光素子9の一方の電極が前記底部から取り出され、他方の電極が前記上部から取り出されていてもよい。
さらに、前記受光素子部分の前記コアの長さは全体の前記コアと比較すると非常に短く、また信号となる光は直進性がよい(前記コア断面に対する光の入射角が、スネルの法則における透過の条件になる)ので、前記受光素子形成領域においては、上述したような前記クラッドと前記コアとからなる構造を特に形成しなくてもよい。
例えば、まず、図6(a)〜(c)と同様にして、凹部10に受光素子9を形成する。次に、図9(a)に示すように、受光素子9上に屈折率の小さい前記シリコン酸化膜からなる下部クラッド4aを成膜し、図9(b)に示すように、リソグラフィー及びエッチングにより加工する。次に、図9(c)に示すように、凹部10内にコア3としての屈折率の大きい前記シリコン酸化膜を充填し、図9(d)に示すように、余分な前記シリコン酸化膜及びマスク6を除去する。このように、受光素子形成領域においては、図7(h)における上部クラッド4bを特に設けなくてもよい。
また、図6(a)〜(c)と同様にして、凹部10に受光素子9を形成する。次に、図10(a)に示すように、受光素子9上にコア3としての屈折率の大きい前記シリコン酸化膜を設け、図10(b)に示すように、余分なコア3としての前記シリコン酸化膜及びマスク6を除去する。このように、受光素子形成領域においては、図7(h)における下部クラッド4a及び上部クラッド4bを特に設けなくてもよい。
第3の実施の形態
本発明に基づく光導波モジュールは、LSIとの融合に有効である。本発明に基づく光導波モジュールはシリコン基体で形成されているため、LSIとの融合についてはそれほど困難ではない。即ち、SOI(silicon on insulator)構造を形成することにより、LSIとの融合が容易に形成できる。
図11は、本発明に基づく光導波モジュールにおいて、光導波層5及び受光素子9を含むシリコン基体2上に絶縁膜16を介して半導体層(アクティブシリコン層)17を接合してなる、本発明に基づく光・電気複合デバイス14の概略図である。なお、前記凹条部以外には上部クラッド4bが設けられておらず、この上部クラッド4bとシリコン基体2とが同一面内に存在している。また、光導波層5の光入射位置に、光導波層5に光を入射させる光入射手段、例えば光ファイバー15を設置している。さらに、受光素子9が光導波層5からはみ出るように形成され、受光素子9の電極(図示省略)が、光導波層5から外れた位置に形成されている。
また、絶縁膜16としてシリコン酸化膜を形成したアクティブシリコン層17を前記半導体層として用いており、アクティブシリコン層17にCMOS技術のようなプレーナー技術で集積回路18を形成している。
そして、受光素子9に設けたPD駆動用電極(図示せず)及びデータ信号用電極(図示せず)にそれぞれ接続した貫通電極(前記光電変換信号線)19を形成し、この貫通電極19を介して集積回路18と受光素子9とを接続する。なお、アクティブシリコン層17における貫通電極19の外周面には絶縁膜20を形成する。逆バイアスが電源ラインから貫通電極19を通って受光素子9へと供給される。また、受光素子9によって受光されたデータ信号(例えばクロック信号)は、貫通電極19を介してLSIのクロック信号を受けるトランジスタへと伝送される。このとき、受光素子9の各電極(図示せず)が光導波層5から外れた位置に形成されているので、前記電極によって光(クロック信号)が散乱することがなく、後段への光ロスを低減することができる。
SOI構造の形成には、シリコン基板に酸素をイオン注入して熱処理させて形成するSIMOX(Separation by implanted Oxygen)法や2枚のシリコン基板を用いて形成する貼り合わせ法がある。これらの基板作製方法を適用することにより容易に本発明に基づく光・電気複合デバイスを作製することができる。これらの方法を用いることにより、SOI(silicon on insulator)構造の形態で、シリコン酸化膜16の下に本発明に基づく光導波モジュールを接合することができる。
LSIの各ブロック21に配信されるクロック信号は、LSIの微細化と共に、高速化されている。高速LSIの律速となっているのが、まさしく、クロック信号の伝送である。将来の32nm nodeにおいて、光導波層5をクロック信号の伝送に用いれば、非常に高速なLSIを形成することができる。即ち、光導波層5にクロック信号を外部から導入すれば、高速かつスキューの少ないクロック配信ができるので、誤動作のない、安定したLSI動作が可能となる。
以下に、図面を参照しながら、図11に示した本発明に基づく光・電気複合デバイスの製造方法の一例を工程順に説明する。なお、図12及び図13は、図11に示した本発明に基づく光・電気複合デバイス14の要部拡大断面図に相当する。
まず、第2の実施の形態で説明したように本発明に基づく光導波モジュール8を作製する。次いで、図12(a)に示すように、上記のようにして作製した本発明に基づく光導波モジュール8において、光導波層5及び受光素子9を含むシリコン基体2上に、絶縁膜16を介して前記半導体層としてのアクティブシリコン層17を接合する。
次に、図12(b)に示すように、受光素子9に設けたPD駆動用電極(図示せず)及びデータ信号用電極(図示せず)にそれぞれ達する貫通孔22を形成し、次いで図12(c)に示すように、この貫通孔22の外周面に絶縁膜20を形成する。
そして、図13(d)に示すように、貫通孔22の底部に形成された絶縁膜をドライエッチング等によって除去する。次に、図13(e)に示すように、金属配線の埋め込みを行い、貫通電極(前記光電変換信号線)19を形成する。前記金属配線の埋め込みには、燐がドープされたポリシリコン、Al配線、Cu配線等を適用することができる。但し、Al配線又はCu配線の場合、バリアメタルが必要であり、また、燐がドープされたポリシリコンは抵抗が高くなるがFEOL process compatibleであるため、より現実的である。
上記のようにして、受光素子9に設けた前記PD駆動用電極及びデータ信号用電極にそれぞれ接続した貫通電極19を形成することができ、この貫通電極19を介して集積回路18と受光素子9とを接続することができる。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
例えば、前記受光素子は半導体材料からなり、ダイオードの構成を有している。上記の実施の形態では、前記p型半導体層と、前記真性半導体層と、前記n型半導体層とがなすpin接合の例を挙げて説明したが、これに限らず、pn接合であってもよい。但し、光を吸収して電子及びホールを生成させる部分、即ちp型半導体層とn型半導体層との接合で形成される空乏層(pin接合又はpn接合に逆バイアスを印加したときに形成される)が広すぎる場合、絶縁性が高くなり受光素子として機能し難くなるが、前記空乏層が適度な厚さを有している場合、受光素子の光電変換効率は最大値を有する。
第3の実施の形態では、図11に示すように、前記凹条部以外には上部クラッド4bが設けられておらず、この上部クラッド4bとシリコン基体2とが同一面内に存在している光導波モジュールを適用した光・電気複合デバイスを説明した。但し、第3の実施の形態において、本発明に基づく光・電気複合デバイスは、図1に示す光導波装置における前記光導波層内に前記受光素子構成層を形成して本発明に基づく光導波モジュールを作製し、この光導波モジュールをSOI構造と併用して構成しても良い。但し、シリコン酸化膜の酸素原子がシリコンに拡散することにより、シリコン酸化膜とシリコンの界面に酸素濃度の低下したシリコン酸化層が形成され、この層がバインディング層になると予想され、図1のように全面に成膜された上部クラッド(屈折率の低いシリコン酸化膜)4bと前記絶縁膜(シリコン酸化膜16)との接合は非常に困難と考えられる。そこで、この場合には、上部クラッド4b上に前記絶縁膜(シリコン酸化膜16)に相当する酸化膜を形成し、前記絶縁膜上にアクティブシリコン層17を接合すればよい。これにより、シリコン酸化膜表面とシリコン表面の接合になるので、接合すると予想される。接合後、シリコン基板側を所望の厚さになるように切断及び研磨すればよい。
さらに、図1に示す光導波装置における光導波層5内に前記受光素子を配して本発明に基づく光導波モジュールを作製し、前記受光素子の一方の電極(図示せず)に接続した貫通電極(絶縁膜付き)を上部クラッド4b側に形成し、また前記受光素子の他方の電極(図示せず)に接続した貫通電極(絶縁膜付き)をシリコン基体2側に形成し、シリコン基体2側から酸素をイオン注入して熱処理することにより、前記絶縁膜としてのシリコン酸化膜を形成し、最後に、上部クラッド4bとは逆側のシリコン基体2に前記集積回路を形成してもよい。
第1の実施の形態による、本発明に基づく光導波装置の概略斜視図(a)、及び概略断面図(b)である。 同、本発明に基づく光導波装置の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。 同、本発明に基づく光導波装置の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。 同、本発明に基づく他の例の光導波装置の概略断面図である。 第2の実施の形態による、本発明に基づく光導波モジュールの概略斜視図である。 同、本発明に基づく光導波モジュールの製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。 同、本発明に基づく光導波モジュールの製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。 同、本発明に基づく光導波モジュールの他の例の要部拡大概略断面図である。 同、本発明に基づく光導波モジュールの製造方法の他の例を工程順に示す概略断面図である。 同、本発明に基づく光導波モジュールの製造方法の更に他の例を工程順に示す概略断面図である。 第3の実施の形態による、本発明に基づく光・電気複合デバイスの概略斜視図(a)、及び概略断面図(b)である。 同、本発明に基づく光・電気複合デバイスの製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。 同、本発明に基づく光・電気複合デバイスの製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
符号の説明
1…光導波装置、2…シリコン基体、3…コア、4a…下部クラッド、
4b…上部クラッド、5…光導波層、6…マスク、7…凹条部、8…光導波モジュール、9…受光素子、10…凹部、11…p型半導体層、12…真性半導体層、
13…n型半導体層、14…光・電気複合デバイス、15…光入射手段、
16…絶縁膜(シリコン酸化膜)、17…半導体層(アクティブシリコン層)、
18…集積回路、19…貫通電極(光電変換信号線)、20…絶縁膜、21…ブロック、22…貫通孔

Claims (16)

  1. シリコン基体に、互いに屈折率の異なるシリコン酸化膜によって形成されたコア及びクラッドからなる光導波層が設けられ、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、前記コアとしての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さい、光導波装置。
  2. 前記シリコン基体に形成された凹条部の内壁面に屈折率の小さい下部クラッドが設けられ、この下部クラッドの内側に屈折率の大きい前記コアが充填され、更にこのコアが屈折率の小さい上部クラッドによって被覆されている、請求項1に記載した光導波装置。
  3. 前記凹条部以外には前記上部クラッドが設けられておらず、この上部クラッドと前記シリコン基体とが同一面内に存在している、請求項2に記載した光導波装置。
  4. 電解酸化法、酸素のイオン注入で表面層を酸素リッチ化する方法、酸素プラズマ処理法、常圧低温化学的気相成長法によって燐を添加したシリコン酸化膜形成法、又は無機塗布系のシリカ(二酸化珪素)材料を用いる方法によって、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜が形成され、化学的気相成長法によって前記コアとしての前記シリコン酸化膜が形成されている、請求項1に記載した光導波装置。
  5. 互いに屈折率の異なるシリコン酸化膜によって形成されたコア及びクラッドからなり、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜の屈折率が、前記コアとしての前記シリコン酸化膜の屈折率より小さい光導波層と、この光導波層の一部分を除去して設けられた凹部内に成膜された受光素子構成層とがシリコン基体に設けられている、光導波モジュール。
  6. 前記凹部内に、第1導電型の半導体層と、この第1導電型とは逆導電型の半導体層とが積層されて受光素子が構成されている、請求項5に記載した光導波モジュール。
  7. 受光素子の電極が、前記光導波層から外れた位置に形成されている、請求項5に記載した光導波モジュール。
  8. 前記凹部内にその底部及び上部の少なくとも一部を除いて前記クラッドが設けられ、このクラッドの内側に前記受光素子が配され、この受光素子の一方の電極が前記底部から取り出され、他方の電極が前記上部から取り出される、請求項6に記載した光導波モジュール。
  9. 前記光導波層の光入射位置に、前記光導波層に光を入射させる光入射手段が設置される、請求項5に記載した光導波モジュール。
  10. 前記シリコン基体に形成された凹条部の内壁面に屈折率の小さい下部クラッドが設けられ、この下部クラッドの内側に屈折率の大きい前記コアが充填され、更にこのコアが屈折率の小さい上部クラッドによって被覆されている、請求項5に記載した光導波モジュール。
  11. 前記凹条部以外には前記上部クラッドが設けられておらず、この上部クラッドと前記シリコン基体とが同一面内に存在している、請求項10に記載した光導波モジュール。
  12. 電解酸化法、酸素のイオン注入で表面層を酸素リッチ化する方法、酸素プラズマ処理法、常圧低温化学的気相成長法によって燐を添加したシリコン酸化膜形成法、又は無機塗布系のシリカ(二酸化珪素)材料を用いる方法によって、前記クラッドとしての前記シリコン酸化膜が形成され、化学的気相成長法によって前記コアとしての前記シリコン酸化膜が形成されている、請求項5に記載した光導波モジュール。
  13. 請求項5〜12のいずれか1項に記載した光導波モジュールにおいて、前記光導波層及び前記受光素子を含む前記シリコン基体上に、絶縁膜を介して半導体層が接合されている、光・電気複合デバイス。
  14. 前記絶縁膜としてシリコン酸化膜を形成したシリコン層が前記半導体層として用いられている、請求項13に記載した光・電気複合デバイス。
  15. 前記半導体層に集積回路が形成されている、請求項13に記載した光・電気複合デバイス。
  16. 前記集積回路と前記受光素子とが光電変換信号線によって接続されている、請求項15に記載した光・電気複合デバイス。
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