JP2006168768A - 医療器具収納構造体 - Google Patents
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Abstract
迅速、且つ、確実なピールオープンを行うことができる医療器具収納構造体の提供する。
【解決手段】
容器本体20と該容器本体20の主面を覆う蓋体10とからなるブリスターパック1内に医療器具が収納された構成の医療器具収納構造体であって、前記医療器具は、長手方向一端寄りに幅が狭い幅狭部分を有する長尺状をし、この医療器具を囲繞する状態で、前記蓋体10と容器本体20の主面とが貼着されるとともに、前記幅狭部分から前記一端寄りに貼着領域40が、長手方向の他端側を囲繞する貼着領域40に比べて容器本体20内方へ位置させてあり、その外側に拡がる非貼着領域200に切込みをもったクロスオープン開始部がピールオープン開始部300と連続して設けられ、且つ、前記切込み110、120は貼着領域40に達しないで終焉している。
【選択図】 図2
Description
一方、医療器具、例えば、プレフィルドシリンジ(以下、「プレシリンジ」とする。)は、患者に対して迅速な処置が求められる場面が多く、ブリスターパックには、収納部内のプレシリンジを素早く且つ容易に取り出せる構造が要求される。
図4は、ピールオープン時の蓋体の破れを説明するための図である。
ブリスターパック903における長手方向の一端(後端)は、容器本体920と蓋体910とが貼着されておらず、ピールオープン時に蓋体910の引き剥がし開始部(以下、「剥離開始部」という。)905となっており、また、ブリスターパック903の長辺側の各端部には貼着部940にかかる切込み部912、914が形成されている。
蓋体910の剥がし中に、例えば、図4(b)に示すように、プレシリンジ30の長手方向に対して斜め方向に蓋体910を引き剥がす力が作用すると、切込み部(ここでは、切込み912)の先端に当該切込み部(912)が延伸する方向に力が作用し、図4(c)に示すように、蓋体910が斜めに破れてしまうのである。
長手方向一端寄りに幅が狭い幅狭部分を有する長尺状の医療器具が収納される容器本体と、該容器本体の主面を覆う蓋体とからなるブリスターパックであって、前記医療器具を囲繞する状態で、前記蓋体と容器本体の主面とが貼着されるとともに、前記幅狭部分から前記一端寄りに貼着領域が、長手方向の他端側を囲繞する貼着領域に比べて容器本体内方へ位置させてあり、その外側に拡がる非貼着領域に切込みをもったクロスオープン開始部がピールオープン開始部と連続して設けられ、且つ、前記切込みは貼着領域に達しないで終焉している構成とする。また、上記構成に加えて、前記切込みが貼着領域において、わずかであればピールオープン開始側へ斜行する状態で延長形成されていても構わないものとする。
これらの他にも、前記幅狭部分は、ピールオープン開始部に近い側が幅狭状態であり、前記容器本体における医療器具が収納される凹部は、前記幅狭部分に対応する箇所から前記ピールオープン開始部側部分の幅が、前記幅狭部分よりも緩やかに漸減している構成としている。
さらに、非貼着領域とピールオープン開始部の間に貼着部が介在されておらず、これらが連続した状態で形成されているため、ピールオープンを行う際に、医療器具の収納領域に沿った状態の貼着部の引き剥がしを迅速に行うことができるため、ピールオープンを行う上で有効である。
図示のとおり、ブリスターパック1は、医療器具が収納される容器本体20と、当該容器本体20の主面を覆う蓋体10とからなり、蓋体10と容器本体20とが貼着された貼着部40は、容器本体20における医療器具が収納される部分を取り囲むように形成されている。
(全体構成)
プレシリンジ30は、薬液33が円筒状のシリンジ部31に充填された後、プランジャ部32によって封止されている。
プランジャ部32は、後端部側が細くなっているプランジャ本体部321と、このプランジャ本体部321の先端に周設されたゴム製のパッキン部322と、後端に薄い円盤状のプランジャ後端部323とを有している。
上記蓋体10と容器本体20が貼着されてなるブリスターパック1には、切込み部110、120がY方向端部に2箇所形成されており、当該切込み部110、120に関しては後述している。
図2(a)に示されるように、プレシリンジ30入りブリスターパック1には、プレシリンジ30の収納領域を取り囲むように蓋体10と容器本体20とが貼着される貼着部40(図中斜線部)が形成され、X方向においてプランジャ後端部323が収納されている後端側に、蓋体10と容器本体20とが貼着はされていないが積層状態となる剥離開始部300がある。また、当該貼着部40に関しては、蓋体10と容器本体20が貼着されてなることでプレシリンジ30が収納される収納部21に形成される収納空間21aが密封されるものであれば、蓋体10と容器本体20が熱溶着や接着、もしくは他の方法によって設けられていても構わない。
(切込み部110、120について)
上記のように位置する離間貼着部402aの外側に拡がる領域は、蓋体10と容器本体20が貼着されずに積層されているだけであり、剥離開始部300と連続した状態の非貼着領域200となっている。そして、当該非貼着領域200に、上述の切込み部110、120をもったクロスオープン開始部が設けられている。当該切込み部110、120のX方向位置は、クロスオープン時に2箇所の切込み部110、120を結ぶ仮想線CLが貼着部40によって囲まれる収納空間21a内、つまり離間貼着部402aを横切ることができるように設定されている(図2(d)参照)。
さらに、切込み部110、120がY方向に対して剥離開始部300側に傾斜した状態で、Y方向端部から内側にかけて形成されていることが好ましい。なお、本実施形態では切込み部110、120はY方向両端部にそれぞれ1つずつ形成されているが、その数は一方の端部のみに1つだけ形成されていても、又は2つ以上形成されていても構わない。また切込み部110、120がY方向の両端部ともに形成されている場合にその形成位置もX方向において同じ位置でなく、異なる位置であってもその切込み部からの切込み線(仮想線CLに相当)が容易に図2(d)のように収納空間21aを横切ることができれば構わない。また、その切込み部110、120の形状に関しては、図示されているように直線形状の他に曲線形状であっても構わない。又、V字状やU字形状に切り抜かれたものであっても構わない。
(収納部21について)
次に、収納部21の詳細について図3を用いて説明する。図3(a)は、プレシリンジ30入りのブリスターパック1の貼着部40を切断して容器本体20側をみた平面図であり、図3(b)はプレシリンジ30が収納された状態の容器本体20の断面図である。
ここで、当該収納部21の形状のうち、フランジ部312が収納される位置からX方向に一定距離Sに及ぶ範囲において、プレシリンジ30を取り出す時にプレシリンジ30の外表面、特にフランジ部312が摺動する一対の摺動部を有している(図3(a)に記載の稜線部20b参照)。この摺動部には他の収納部21との境界線20bが存在する。当該摺動部は、B部で囲まれているようなフランジ部312の幅とプランジャ部32の幅が大きく異なる形状に合致する(図3(c)記載の200b参照)ような、つまりフランジ部312からプランジャ部32にかかる収納部分の幅W1が即座に狭くなる形状ではなく、図3(d)に示されているように一対の稜線部20bが形成されており、稜線部20bどうしの間隔Wが、フランジ部312の収納位置からプランジャ後端部323側に進むにつれて緩やかに小さくなるように漸減する形状を有している。
(本実施形態の有効性について)
本実施形態のような構成を有するプレシリンジ30入りブリスターパック1では、剥離開始部300から蓋体10を引き剥がす方法(ピールオープン)を使用者が選択してプレシリンジ30をブリスターパック1から取り出そうとする場合に、従来懸念されているような切込み部110、120から蓋体10が破れてしまうことを防止することができる。これは、ピールオープン時に貼着部40aが後方から前方に剥がされていくとともに、蓋体10における貼着が剥がれようとする部分に、集中的に力がかかるが、上記のように本実施形態では切込み部110、120が非貼着領域200内において、貼着部40にまで到達しないようにして設けられていることで、切込み部110、120近傍には集中した力がかからない。従って、蓋体10に破断が生じにくく、例え、蓋体10の引き剥がし方向がX方向に沿った方向ではない、つまり意図しない方向へと変わってしまった場合でも、切込み先端部から破れていくような、X方向に対して傾斜した方向に蓋材10の破断が進行することを防ぐことができるからである。
また、非貼着領域200と剥離開始部300とが連続しておらず、これらの間に貼着部が介在している、つまり非貼着領域と剥離開始部とが独立して設けられている場合も想定される。当該想定の場合では、上記介在している貼着部によって、貼着部が収納空間21aに沿った状態となっていない。従って、本実施例は、この想定の場合と比較すると、ピールオープンの迅速性及び確実性の点から有効であると言える。
(その他の事項)
上記実施形態に係る構成は、本発明の特徴を説明するために用いたものであり、本発明はこれに限定するものではない。例えば、ブリスターパック1にはプレシリンジ30が収納されているが、他の医療器具、例えばディスポーサブルシリンジや注入器などが収納されていても同様の効果を得ることができるため有益である。また、ブリスターパック1に関してもピールオープン及びサイドカット機能を共に備え、且つ、接着部によってピールオープンの確実な実施が阻害されない機能を有するパックであれば、例えば一枚の被覆材を折り返して医療器具を収納するようなものでも構わない。
10 蓋体
20 容器本体
21 収納部
30 プレフィルドシリンジ
31 シリンジ部
32 プランジャ部
40 貼着部
110、120 切込み部
200 非接着領域
300 剥離開始部
311 シリンジ本体部
312 フランジ部
323 プランジャ後端部
Claims (6)
- 長手方向一端寄りに幅が狭い幅狭部分を有する長尺状の医療器具が収納される容器本体と、該容器本体の主面を覆う蓋体とからなるブリスターパックであって、
前記医療器具を囲繞する状態で、前記蓋体と容器本体の主面とが貼着されるとともに、前記幅狭部分から前記一端寄りに貼着領域が、長手方向の他端側を囲繞する貼着領域に比べて容器本体内方へ位置させてあり、その外側に拡がる非貼着領域に切込みをもったクロスオープン開始部がピールオープン開始部と連続して設けられ、且つ、前記切込みは貼着領域に達しないで終焉している
ことを特徴とする医療器具収納構造体。 - 長手方向一端寄りに幅が狭い幅狭部分を有する長尺状の医療器具が収納される容器本体と、該容器本体の主面を覆う蓋体とからなるブリスターパックであって、
前記医療器具を囲繞する状態で、前記蓋体と容器本体の主面とが貼着されるとともに、前記幅狭部分から前記一端寄りに貼着領域が、長手方向の他端側を囲繞する貼着領域に比べて容器本体内方へ位置させてあり、その外側に拡がる非貼着領域に切込みをもったクロスオープン開始部がピールオープン開始部と連続して設けられ、且つ、前記切込みが貼着領域においてピールオープン開始側へ斜行する状態で延長形成されている
ことを特徴とする医療器具収納構造体。 - 前記幅狭部分は、ピールオープン開始部に近い側が幅狭状態であり、
前記容器本体における医療器具が収納される凹部は、
前記幅狭部分に対応する箇所から前記ピールオープン開始部側部分の幅が、前記幅狭部分よりも緩やかに漸減している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の医療器具収納構造体。 - 前記容器本体及び蓋体は、軟質フィルムからなる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の医療器具収納構造体。 - 前記医療器具は、プレフィルドシリンジであり、
前記切込みは、前記プレフィルドシリンジのプランジャ部が収納されている領域をクロスオープンする位置に形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の医療器具収納構造体。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のブリスターパックに医療器具が収納されてなる医療器具収納構造体。
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