JP4558472B2 - 医療器具収納構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、ブリスターパック内に医療器具が収納されてなる医療器具収納構造体に関する。
医療器具は、使用されるまでは清潔な環境下で保管される必要があり、例えば、ブリスターパック内に密閉状態で収納される。このブリスターパックは、収納部を有する容器本体と、前記収納部の開口縁から張り出す鍔部に貼着されて収納部を密閉する蓋体とからなる。なお、蓋体には、フィルムが用いられることが多い。
一方、医療器具、例えば、プレフィルドシリンジ(以下、「プレシリンジ」とする。)は、患者に対して迅速な処置が求められる場面が多く、ブリスターパックには、収納部内のプレシリンジを素早く且つ容易に取り出せる構造が要求される。
ブリスターパックには、2種類の開封方法で内部のプレシリンジを取り出すことができるものがある(例えば、特許文献1)。第1の開封方法は、ブリスターパックの端部から蓋体を容器本体から引き剥がす、所謂、ピールオープンである。第2の開封方法は、ブリスターパックの端縁であって収納部を横切る位置に形成されている切込みからブリスターパックを引き裂く、所謂、クロスオープンである。
実開平3-78542号公報
しかしながら、上記のブリスターパックでは、両方の開封方法でプレシリンジを取り出し可能な構造としたため、例えば、ピールオープン時に、クロスオープン開始部となる切込み部(以下、「切込み部」と記す。)の先端から蓋体が破けてしまい、収納部内のプレシリンジを取り出せない或いは取り出し難いという問題がある。
図4は、ピールオープン時の蓋体の破れを説明するための図である。
プレシリンジ収納体901は、同図に示すように、容器本体920と蓋体910とからなるブリスターパック903内に長尺状のプレシリンジ30が収納されてなる。
ブリスターパック903における長手方向の一端(後端)は、容器本体920と蓋体910とが貼着されておらず、ピールオープン時に蓋体910の引き剥がし開始部(以下、「剥離開始部」という。)905となっており、また、ブリスターパック903の長辺側の各端部には貼着部940にかかる切込み部912、914が形成されている。
ピールオープン時には、蓋体910における剥離開始部905に対応する部分(以下、「把持部」という。)916を把持して、図4の(a)に示すように、プレシリンジ30の長手方向(図中矢印Aで表示する。)に沿って蓋体910を引き剥がすと、剥離開始部905から前方に向けて貼着部940が剥がれていく。
蓋体910の剥がし中に、例えば、図4(b)に示すように、プレシリンジ30の長手方向に対して斜め方向に蓋体910を引き剥がす力が作用すると、切込み部(ここでは、切込み912)の先端に当該切込み部(912)が延伸する方向に力が作用し、図4(c)に示すように、蓋体910が斜めに破れてしまうのである。
図4(c)に示す状態では、収納されているプレシリンジを取り出すことはできず、蓋体910において斜めに破れている部分918を再度把持して、蓋体910を剥がしてプレシリンジ30を取り出すことになり、その取り出しに手間がかかる。特に、医療現場において迅速な措置が要求される場合には、上記の事態が起こり得る可能性は高くなり、確実な蓋体の引き剥がしの重要性は顕著なものとなる。
一方、上記のように、確実なピールオープンを行うことが難しい要因の一つとして、切込み部が貼着部940にかかる状態となっていることを考慮し、貼着部分のさらに外周を非貼着領域で覆うようなブリスターパックの構成とし、その非貼着領域に切込み部が設けられる構成が考えられる。しかし、この場合には、ブリスターパックの幅が拡張されてしまい、ブリスターパックの大型化、及びコストの上昇を招いてしまう。
さらに、クロスオープン実施の確実性を向上させるために、切込みをもった非貼着領域を取り囲むようにして貼着部を形成する、つまり、非貼着部とピールオープン開始部とが独立するように形成されることも考えられる。しかし、この場合、ピールオープンを行うとき、クロスオープン開始部に至る前に貼着部の引き剥がしを行う分だけピールオープンに時間を要してします。さらに、クロスオープン開始部に沿って存在する貼着部を引き剥がすこととなるため、貼着部分、特にクロスオープン開始部である非貼着部と貼着部との境界部分では剥がれる方向が急に変わることになるので、若干ではあるがピールオープンをしにくくなってしまう。これらのことは、緊急を要するような場合には、大きな障害となるためさらなる迅速性の向上が求められる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、迅速、且つ、確実なピールオープンを行うことができる医療器具収納構造体の提供を目的とする。
本発明では上記課題を解決するための医療器具収納構造体の構成を以下のようにする。
長手方向一端寄りに幅が狭い幅狭部分を有する長尺状の医療器具が収納される容器本体と、該容器本体の主面を覆う蓋体とからなるブリスターパックであって、前記医療器具を囲繞する状態で、前記蓋体と容器本体の主面とが貼着されるとともに、前記幅狭部分から前記一端寄りに貼着領域が、長手方向の他端側を囲繞する貼着領域に比べて容器本体内方へ位置させてあり、その外側に拡がる非貼着領域に切込みをもったクロスオープン開始部がピールオープン開始部と連続して設けられ、且つ、前記切込みは貼着領域に達しないで終焉している構成とする。また、上記構成に加えて、前記切込みが貼着領域において、わずかであればピールオープン開始側へ斜行する状態で延長形成されていても構わないものとする。
なお、ここで述べている「長手方向一端寄りに幅が狭い幅狭部分」とは、幅が変化する部分から幅が狭くなる側の端部まで、幅が変化する部分における他端側(幅が大きい側)よりも幅が狭い状態を意味している。また、「クロスオープン開始部がピールオープン開始部と連続して」とは、これらの間に貼着部分が介在していない状態を意味している。
これらの他にも、前記幅狭部分は、ピールオープン開始部に近い側が幅狭状態であり、前記容器本体における医療器具が収納される凹部は、前記幅狭部分に対応する箇所から前記ピールオープン開始部側部分の幅が、前記幅狭部分よりも緩やかに漸減している構成としている。
そして、以上のように構成されている医療器具収納体において、前記容器本体及び蓋体は、軟質フィルムからなるものとし、前記医療器具が、プレフィルドシリンジの場合、前記切込みは、前記プレフィルドシリンジのプランジャ部が収納されている領域をクロスオープンする位置に形成されているものとする。
本発明の医療器具収納構造体は、医療器具を囲繞する状態で蓋体と容器本体が貼着されてなる貼着領域の長手方向一端側において、その外側に、ピールオープン開始部と連続する状態で存在する非貼着領域にクロスオープン開始部が設けられ、そのクロスオープン開始部が貼着領域に達しない切込み部を有しているので、ピールオープンの際に蓋体が破れにくくなり、より確実なピールオープンを実施することができる。すなわち、ピールオープン時には貼着部が剥がれる箇所に力が集中してかかるので、貼着部に切込みがかかっていると、その部分から蓋体が破けやすくなってしまうが、本発明では切込み部先端が貼着部にかかっていない、もしくは貼着領域内でピールオープン開始側へ斜行する状態とすることで蓋体が破けることを回避することができる。
また、幅狭部分付近の貼着領域が容器本体内方へ位置させてその外側に拡がる非貼着領域にクロスオープン開始部が形成されているので、クロスオープン開始部が他端側に囲繞する領域より外側に拡がることが抑えられる。従って、ブリスターパックの幅拡張を抑えながらクロスオープン開始部を非貼着領域に設けることができる。
さらに、非貼着領域とピールオープン開始部の間に貼着部が介在されておらず、これらが連続した状態で形成されているため、ピールオープンを行う際に、医療器具の収納領域に沿った状態の貼着部の引き剥がしを迅速に行うことができるため、ピールオープンを行う上で有効である。
医療器具は、ピールオープン開始部に近い側で幅が狭くなっている幅縮小部分を有し、容器本体における医療器具が収納される凹部は、この幅縮小部分に対応する箇所からピールオープン開始部側の部分の幅が、幅縮小部分よりも緩やかに漸減する構成としているので、ピールオープンされた後、医療器具の取り出しを図るときに、当該医療器具の一端側を容器本体から少しだけ離すように傾けるだけで、医療器具の幅の変化が大きい箇所をスムーズに上記一端側方向にスライドさせることが可能となり、より迅速、且つ、容易に医療器具を取り出すことができる。
以上のことから、本発明により、迅速、且つ、確実なピールオープン及び医療器具の取り出しの実施を可能とする医療器具収納構造体の提供に繋がる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る医療器具収納構造体の展開斜視図であり、図2はこの医療器具収納構造体の平面図、側面図である。これら図1、2を用いてこの医療器具構造体の全体構成について説明する。
図示のとおり、ブリスターパック1は、医療器具が収納される容器本体20と、当該容器本体20の主面を覆う蓋体10とからなり、蓋体10と容器本体20とが貼着された貼着部40は、容器本体20における医療器具が収納される部分を取り囲むように形成されている。
このブリスターパック1の主面において、当該貼着部40のうち長手方向一端寄りに形成されている貼着領域が、長手方向の他端側を囲繞する貼着領域に比べて容器本体内方へ位置しており、その外側に拡がる非貼着領域に切込みをもったクロスオープン開始部が設けられている。前記一端部にはピールオープン開始部が設けられている。この非貼着領域とピールオープン開始部とは連続した状態で形成されている。
なお、前記長手方向の他端側を囲繞するように貼着されている貼着領域は、短辺端部に沿って形成されている。一方、貼着部40のうち長手方向に形成されている貼着領域は、ブリスターパック1の主面における長辺端部に沿って、前記他端からピールオープン開始部近傍まで形成されている。従って、ブリスターパック1の外周域には、ピールオープン開始部及びクロスオープン開始部以外の非貼着領域は存在しない構成となっている。
なお、ブリスターパック1内に収納される医療器具は、長尺状のものであって、その代表的なものがプレシリンジであるが、シリンジやカテーテルなどが収納されていてもよい。また、ブリスターパック1は、図1、2に示されるように別々に形成された蓋体10と容器本体20とが貼着されているものでもよいし、一枚の被覆材を折り返して医療器具を収納するようなものでも構わない。
そして、ピールオープン時に切込み先端部から蓋体10の破断が生じるのを抑えるために上記の切込み部110、120はその先端が貼着部40に到達しないことが好ましいが、貼着部40内に切込み110、120の先端部が多少入っていても構わない。ただし、その場合、貼着部40内に形成されている切込み先端部は、貼着部40を垂直に横切るのではなく剥離開始部300側へ斜行していることが好ましい。
以下、収納される医療器具としてプレシリンジ30を用いる場合について、具体的に説明するが、本発明はこれに限定を受けるものではない。
(全体構成)
プレシリンジ30は、薬液33が円筒状のシリンジ部31に充填された後、プランジャ部32によって封止されている。
シリンジ部31は、筒状のシリンジ本体部311と、このシリンジ本体部311の先端にルアー部34と、後端にフランジ部312とを有している。なお、上記ルアー部34は略円筒状のカバー部35によって覆われ、フランジ部312は相反する方向に延出している。
プランジャ部32は、後端部側が細くなっているプランジャ本体部321と、このプランジャ本体部321の先端に周設されたゴム製のパッキン部322と、後端に薄い円盤状のプランジャ後端部323とを有している。
容器本体20は、薄く、且つ、略長方形主面を有するフィルム体が凹入状に成形されてなる。当該凹入状部は上記プレシリンジ30が収納される収納部21となっており、この収納部21は図示のようにプレシリンジ30の形状にほぼ合致する形状を有している。なお、当該容器本体20の主面部のX方向及びY方向の長さは、上記蓋体10のそれぞれの長さとほぼ同等である。
蓋体10は、薄い略長方形主面を有するフィルム体であり、これは例えばポリエチレンテレフタレートからなる。なお、その材質に関しては、例えば、塩化ビニール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチロールあるいはポリプロピレンなどの他の軟質フィルムの材質となるものを用いても構わない。
上記蓋体10と容器本体20が貼着されてなるブリスターパック1には、切込み部110、120がY方向端部に2箇所形成されており、当該切込み部110、120に関しては後述している。
次に、プレシリンジ30入りブリスターパック1について図2を用いて説明する。図2(a)はZ方向からみた平面図であり、図2(b)はY方向からみた側面図である。図2(c)は図2(a)中のA部の拡大図である。
図2(a)に示されるように、プレシリンジ30入りブリスターパック1には、プレシリンジ30の収納領域を取り囲むように蓋体10と容器本体20とが貼着される貼着部40(図中斜線部)が形成され、X方向においてプランジャ後端部323が収納されている後端側に、蓋体10と容器本体20とが貼着はされていないが積層状態となる剥離開始部300がある。また、当該貼着部40に関しては、蓋体10と容器本体20が貼着されてなることでプレシリンジ30が収納される収納部21に形成される収納空間21aが密封されるものであれば、蓋体10と容器本体20が熱溶着や接着、もしくは他の方法によって設けられていても構わない。
当該貼着部40は、図2(a)に示されるようにブリスターパック1の主面上において、縁に沿ってX方向に、先端側から剥離開始部300近傍まで伸びている一対の貼着部(以下、「長手貼着部」と記す。)40aと、先端側の縁をY方向に沿って形成されている貼着部(以下、「先端貼着部」と記す。)40bと、後端側となる剥離開始部300近傍において、Y方向端部から離間するようにして形成されている貼着部(以下、「後端貼着部」と記す。)40cとからなる。上記貼着部のうち、長手貼着部40aは、図2(c)に示されるように、Y方向端部に沿ってX方向に形成されている貼着部(以下、「縁貼着部」と記す。)401aと、図示のように、プレシリンジ30が細くなっているような後端近傍領域で、Y方向端部から離間するようにして、先端側において一対の縁貼着部401aと先端貼着部40bとで囲まれている貼着領域と比べて内側に移動した位置に形成されている部分(以下、「離間貼着部」と記す。)402aとからなる。なお、一対の縁貼着部401aどうしの間隔は収納部21の中で最も幅広い箇所(フランジ部312が収納される箇所)の幅と略同じである。一対の縁貼着部401aと先端貼着部40bとの外縁は、それぞれブリスターパック1の主面における外縁と一致するように形成されており、上記各貼着部40a、40b、40cはそれぞれがほぼ同じ幅を有している。
剥離開始部300は、ブリスターパック1の主面上における短辺から長手方向に所定量入り込む範囲に形成されている。この所定量は、ブリスターパック1の大きさ、蓋体10及び容器本体20との貼着力などによって決定されるものである。
(切込み部110、120について)
上記のように位置する離間貼着部402aの外側に拡がる領域は、蓋体10と容器本体20が貼着されずに積層されているだけであり、剥離開始部300と連続した状態の非貼着領域200となっている。そして、当該非貼着領域200に、上述の切込み部110、120をもったクロスオープン開始部が設けられている。当該切込み部110、120のX方向位置は、クロスオープン時に2箇所の切込み部110、120を結ぶ仮想線CLが貼着部40によって囲まれる収納空間21a内、つまり離間貼着部402aを横切ることができるように設定されている(図2(d)参照)。
当該切込み部110、120の先端は、貼着部40に達しないで非貼着領域内で終焉している、つまりY方向における切込み部110、120の長さL1はL1<L2の関係となっていることが好ましい。ただし、その切込み部110、120の先端部が多少であれば貼着部40に達していても、その微小な先端部が剥離開始部300側に斜行している状態であれば構わない。
さらに、切込み部110、120がY方向に対して剥離開始部300側に傾斜した状態で、Y方向端部から内側にかけて形成されていることが好ましい。なお、本実施形態では切込み部110、120はY方向両端部にそれぞれ1つずつ形成されているが、その数は一方の端部のみに1つだけ形成されていても、又は2つ以上形成されていても構わない。また切込み部110、120がY方向の両端部ともに形成されている場合にその形成位置もX方向において同じ位置でなく、異なる位置であってもその切込み部からの切込み線(仮想線CLに相当)が容易に図2(d)のように収納空間21aを横切ることができれば構わない。また、その切込み部110、120の形状に関しては、図示されているように直線形状の他に曲線形状であっても構わない。又、V字状やU字形状に切り抜かれたものであっても構わない。
(収納部21について)
次に、収納部21の詳細について図3を用いて説明する。図3(a)は、プレシリンジ30入りのブリスターパック1の貼着部40を切断して容器本体20側をみた平面図であり、図3(b)はプレシリンジ30が収納された状態の容器本体20の断面図である。
図3(a)及び図3(b)に示されるように、容器本体20に形成された収納部21は、フランジ部32が収納される箇所が最も幅広くなっている。
ここで、当該収納部21の形状のうち、フランジ部312が収納される位置からX方向に一定距離Sに及ぶ範囲において、プレシリンジ30を取り出す時にプレシリンジ30の外表面、特にフランジ部312が摺動する一対の摺動部を有している(図3(a)に記載の稜線部20b参照)。この摺動部には他の収納部21との境界線20bが存在する。当該摺動部は、B部で囲まれているようなフランジ部312の幅とプランジャ部32の幅が大きく異なる形状に合致する(図3(c)記載の200b参照)ような、つまりフランジ部312からプランジャ部32にかかる収納部分の幅W1が即座に狭くなる形状ではなく、図3(d)に示されているように一対の稜線部20bが形成されており、稜線部20bどうしの間隔Wが、フランジ部312の収納位置からプランジャ後端部323側に進むにつれて緩やかに小さくなるように漸減する形状を有している。
(本実施形態の有効性について)
本実施形態のような構成を有するプレシリンジ30入りブリスターパック1では、剥離開始部300から蓋体10を引き剥がす方法(ピールオープン)を使用者が選択してプレシリンジ30をブリスターパック1から取り出そうとする場合に、従来懸念されているような切込み部110、120から蓋体10が破れてしまうことを防止することができる。これは、ピールオープン時に貼着部40aが後方から前方に剥がされていくとともに、蓋体10における貼着が剥がれようとする部分に、集中的に力がかかるが、上記のように本実施形態では切込み部110、120が非貼着領域200内において、貼着部40にまで到達しないようにして設けられていることで、切込み部110、120近傍には集中した力がかからない。従って、蓋体10に破断が生じにくく、例え、蓋体10の引き剥がし方向がX方向に沿った方向ではない、つまり意図しない方向へと変わってしまった場合でも、切込み先端部から破れていくような、X方向に対して傾斜した方向に蓋材10の破断が進行することを防ぐことができるからである。
特に医療現場では緊急を要する場合が十分に想定されるので、ブリスターパック1を破断してプレシリンジ30を取出すことに関しては、使用者が剥離開始部300のY方向中心部を把持してX方向に沿って迅速、且つ、確実に引き剥がしを行うことが困難となり、その結果、プレシリンジ30の取り出しに必要以上に時間がかかってしまう場合が生じてしまう。このような場合を考慮すると、本実施形態に係るプレシリンジ30入りブリスターパック1の上記有効性はさらに増すものとなる。
ところで、クロスオープン開始時に先端が貼着部40に達していない切込みを形成するには、本実施形態のように、図2(a)に示されるような貼着部401aの外縁がブリスターパック1の外縁と一致していない、例えば、蓋体10と容器本体20が貼着されていない領域が長手貼着部40aの外側部分にも存在し、その貼着されていない領域に切込み部が設けられている場合などが考えられる。
このような場合と比較すると、本実施形態は長手貼着部40aのY方向外側に余分なスペースを設けておらず、ブリスターパック1の幅を一対の縁貼着部401aで構成される間隔とほぼ同じように設定することができるので、ブリスターパック1の細小化、及び蓋材10形成に要するコストの低減化に繋げることができる。
また、非貼着領域200と剥離開始部300とが連続しておらず、これらの間に貼着部が介在している、つまり非貼着領域と剥離開始部とが独立して設けられている場合も想定される。当該想定の場合では、上記介在している貼着部によって、貼着部が収納空間21aに沿った状態となっていない。従って、本実施例は、この想定の場合と比較すると、ピールオープンの迅速性及び確実性の点から有効であると言える。
次に、収納部21内のプランジ収納箇所から後方部分(図3(a)中の稜線部20bに相当)は、プレシリンジ30の取り出しの際にフランジ部312が摺動する部分であるため、本実施形態のように当該摺動部分の幅Wがフランジ部312収納部分から漸減するような構成(図3(d)参照)であれば、プレシリンジ30をブリスターパック1から取り出す時に、少しだけプレシリンジ30を容器本体20に対して傾けて後方にスライドさせるだけでプランジ部が引っ掛ることなく、フランジ部が稜線部20bを摺動しながら持ち上げられるので容易に且つスムーズに取り出すことができる。特に、上述したように緊急を要する医療現場においては、蓋体10の引き剥がしを十分に行わずにプレシリンジ30の引き出しを行おうとするケースが十分に考えられるため、当該場合において上記構成を兼ね備えていることは大きな優位性を有する。
(その他の事項)
上記実施形態に係る構成は、本発明の特徴を説明するために用いたものであり、本発明はこれに限定するものではない。例えば、ブリスターパック1にはプレシリンジ30が収納されているが、他の医療器具、例えばディスポーサブルシリンジや注入器などが収納されていても同様の効果を得ることができるため有益である。また、ブリスターパック1に関してもピールオープン及びサイドカット機能を共に備え、且つ、接着部によってピールオープンの確実な実施が阻害されない機能を有するパックであれば、例えば一枚の被覆材を折り返して医療器具を収納するようなものでも構わない。
また、切込み部110、120は貼着部40に到達しないことが好ましいが、ピールオープン時に、蓋材10の引き剥がしの力がかかることによって、切込み部から蓋体の破断が生じない程度の切込みであれば、当該貼着部40へ切込み部110、120が形成されていても構わない。なお、その際、貼着部40に達する切込み先端部が剥離開始部300側へ斜行する形状であることが好ましい。
本発明は、 迅速、且つ、確実なピールオープン、及び収納器具の取り出しの実施を可能とした医療器具収納構造体を提供することができるので、医療分野などにおける利用にとって大変有益なものである。
プレフィルドシリンジ入りブリスターパックの展開斜視図である。 (a)はプレフィルドシリンジ入りブリスターパックの平面図であり、(b)はプレフィルドシリンジ入りブリスターパックの側面図、(c)は(a)に記されるA部の拡大図であり、(d)は切込み仮想線を記した模式図である。 (a)はプレフィルドシリンジ入りの容器平面図であり、(b)はプレフィルドシリンジ入りブリスターパックの断面図である。 従来のプレフィルドシリンジ入りブリスターパックを(a)〜(c)の順にピールオープンする際に起こり得る問題を説明するための斜視図である。
符号の説明
1 ブリスターパック
10 蓋体
20 容器本体
21 収納部
30 プレフィルドシリンジ
31 シリンジ部
32 プランジャ部
40 貼着部
110、120 切込み部
200 非接着領域
300 剥離開始部
311 シリンジ本体部
312 フランジ部
323 プランジャ後端部

Claims (6)

  1. 長手方向一端寄りに幅が狭い幅狭部分を有する長尺状の医療器具が収納される容器本体と、該容器本体の主面を覆う蓋体とからなるブリスターパックであって、
    前記容器本体及び蓋体は、フィルム体からなり、
    前記医療器具を囲繞する状態で、前記蓋体と容器本体の主面とが貼着されるとともに、前記幅狭部分から前記一端寄りに貼着領域が、長手方向の他端側を囲繞する貼着領域に比べて容器本体内方へ位置させてあり、その外側に拡がる連続した非貼着領域に、切込みをもったクロスオープン開始部とピールオープン開始部が共に設けられ、且つ、前記切込みは貼着領域に達しないで終焉している
    ことを特徴とする医療器具収納構造体。
  2. 長手方向一端寄りに幅が狭い幅狭部分を有する長尺状の医療器具が収納される容器本体と、該容器本体の主面を覆う蓋体とからなるブリスターパックであって、
    前記容器本体及び蓋体は、フィルム体からなり、
    前記医療器具を囲繞する状態で、前記蓋体と容器本体の主面とが貼着されるとともに、前記幅狭部分から前記一端寄りに貼着領域が、長手方向の他端側を囲繞する貼着領域に比べて容器本体内方へ位置させてあり、その外側に拡がる連続した非貼着領域に、切込みをもったクロスオープン開始部とピールオープン開始部が共に設けられ、且つ、前記切込みが貼着領域においてピールオープン開始側へ斜行する状態で延長形成されている
    ことを特徴とする医療器具収納構造体。
  3. 前記幅狭部分は、ピールオープン開始部に近い側が幅狭状態であり、
    前記容器本体における医療器具が収納される凹部は、
    前記幅狭部分に対応する箇所から前記ピールオープン開始部側部分の幅が、前記幅狭部分よりも緩やかに漸減している
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の医療器具収納構造体。
  4. 前記容器本体及び蓋体は、軟質フィルムからなる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の医療器具収納構造体。
  5. 前記医療器具は、プレフィルドシリンジであり、
    前記切込みは、前記プレフィルドシリンジのプランジャ部が収納されている領域をクロスオープンする位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の医療器具収納構造体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のブリスターパックに医療器具が収納されてなる医療器具収納構造体。
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