JP2006164325A - 光ディスク、光ディスク装置、光ディスク再生方法、デジタル作品出版物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)光透過層と、第1レーザ光によりアクセスされる第1記録層と、中間層と、第2レーザ光によりアクセスされる第2記録層がレーザ光入射方向に順に配置された片面2層光ディスクであること(2)光入射面から第1記録層までの光透過層の距離が578μm〜(578+2p)μmであり(2pは基板厚精度の最大値)、(3)第1記録層と第2記録層の間の中間層の距離が(62−2p−2q)μm〜(62−2p)μmであり(2qは中間層厚精度の最大値)、(4)第1記録層の面記録密度が第2記録層の面記録密度の3倍以上であることを基本用としている。
【選択図】 図8
Description
周知のように、デジタル映像を蓄積する光ディスクとして、DVD(デジタル多用途ディスク)があり、主に映画コンテンツの蓄積・配布(デジタル作品出版物)として全世界で幅広く使われている。このDVDは、DVDフォーラムが作成した規格で、DVD規格(DVD Book)(www.dvdforum.org参照)として公開され、また国際規格やJISとしても定められている。ここでは、DVD物理規格の1つである、120mmDVD−ROMの国際規格に関連した文献としてECMA267がある。以下ECMA267にしたがって簡単に説明する。
ECMA267
図1に片面1層DVDディスク10の基本構造と光ヘッドの関係を示す。よく知られているように、DVDディスク10は、0.6mm厚のディスク基板2枚を貼り合せた構造をもつ。1つは信号基板11、もう1つは、ダミー基板14で、記録層20を内側にして、接着層24で貼り合されている。通常これらの基板は、射出成形機を用いて、ポリカーボネートというプラスチック材料で形成される。
図3は片面2層ディスク15の基本構造と光ヘッドの関係を示す。よく知られているように、このディスクは、第1記録層21と第2記録層23をもち、ディスクの片面から、この2つの記録層にアクセスして信号の再生ができる。図示しているとおり、光入射面17から見ると、光透過層18を通して、手前が第1記録層21で、その奥側が第2記録層23である。各記録層へのアクセスは、対物レンズ35レンズアクチュエータで動かし、層間ジャンプさせることで実現している。
一方、記録層の反射率は、
1層ディスク:45-85%(PBS有り)、60-85%(PBS無し:円偏光)
2層ディスク:18-30%(PBS有り)、18-30%(PBS無し:円偏光)
と決められている。
0b:反射率が40%より大きい場合(PBS有り)
1b:反射率が40%以下の場合(PBS有り)
この他、IDには、
Area type b27−b26
00b In the Data area
01b In the Lead -in area
10b In the lead-out area
11b in the Middle area
Data type b25
0b Read-only data
1b Other than read only data
Layer number b24
0b Layer0 of DL discs or on SL discs
1b Layer1 of DL discs
また、ディスクが1層か2層かを示す情報は、コントロールデータゾーンのバイトポジション(BP2)で、Disc structureが定義され、その中の第5と第6ビット目(b6-b5)が記録層の数を示す。
01b Dual
Others: reserve
さらに、1層ディスクと2層ディスクでは、1層当たりの容量が異なるが、これは線記録の違いである。BP3に記録密度が定義されており、b7-b4が線密度で
0000b:0.267μm (1層の場合の線記録密度)
0001b:0.293μm (2層の場合の線記録密度)
となっている。
一方、最近よく報道されているように、HD(High Definition)映像(高精細映像)をディスク1枚に入れたいという要望から、青紫色半導体レーザ(以降、青紫色レーザ)を用いて、DVDの3倍以上の高密度化したHD DVDが提案され、DVDフォーラムで規格化が行われている(www.dvdforum.org参照。まだ商品化されていない)。
このように、HD映像を蓄積可能な大容量のHD DVDが提案され、新たにHD DVD用に設計されたHD DVD装置(ドライブあるいはプレーヤ)であれば、HD DVDディスクだけではなく、DVDについても読めるように設計することは可能である。しかし、このディスクは、DVDに比べ、記録密度、変調方式、信号処理、トラックフォーマットなどが大きく異なるため、従来のDVD装置(ドライブあるいはプレーヤ)では読み取ることができない。つまり、従来のDVD装置では、HD DVDディスクに収録されたHD映画コンテンツだけではなく、HD DVDに収録された従来のDVD映画コンテンツまでも読み取ることができないなどの課題がある。
この発明に係る光ディスクは、基本的に、つぎの事項(1)〜(4)により特定されるものである。
(1)光透過層と、第1レーザ光によりアクセスされる第1記録層と、中間層と、第2レーザ光によりアクセスされる第2記録層がレーザ光入射方向に順に配置された片面2層光ディスクであること
(2)光入射面から第1記録層までの光透過層の距離が578μm〜598μmであり、
(3)第1記録層と第2記録層の間の中間層の距離が(32μm〜42μmであり、
(4)第1記録層の面記録密度が第2記録層の面記録密度の3倍以上であること
また、この発明に係る光ディスクは、上記の事項を基本とし、つぎの事項(5)(6)を加えて実施することができる。
(6)第2レーザ光に対する第2記録層の反射率は、45%以上であること
また、この発明に係る光ディスクは、上記の事項を基本とし、つぎの事項(7)を加えて実施することができる。
(7)第2レーザ光に対する第2記録層の反射率は、第1レーザ光に対する第1記録層の反射率よりも大きいこと
また、この発明に係る光ディスクは、上記の事項を基本とし、つぎの事項(8)を加えて実施することができる。
(8)第2レーザ光に対する第1記録層の透過率は、第1レーザ光に対する第1記録層の透過率よりも大きいこと
また、この発明に係る光ディスクは、上記の事項を基本とし、つぎの事項(9)を加えて実施することができる。
(10)第2記録層にAu膜
この発明に係る光ディスク装置は、つぎの事項(11)〜(16)により特定されるものである。
(11)光ディスクに記録された情報を読み取る装置であること
(12)光ディスクは、光透過層と、第1レーザ光によりアクセスされる第1記録層と、中間層と、第2レーザ光によりアクセスされる第2記録層がレーザ光入射方向に順に配置されていること
(13)光入射面から第1記録層までの光透過層の距離が578μm〜598μmであること
(14)第1記録層と第2記録層の間の中間層の距離が32μm〜42μmであること
(15)第1記録層の面記録密度が第2記録層の面記録密度の3倍以上であること
(16)情報を読み取る装置は、第1レーザ光と第2レーザ光を発生可能な光ヘッドと、第1レーザ光か第2レーザ光を選択的に発生させる制御手段を備えること
また、この発明に係る光ディスク装置は、上記の事項を基本とし、つぎの事項(17)を加えて実施することができる。
(17)制御手段は、ユーザインタフェースからの利用者入力に基づいて第1レーザ光か第2レーザ光を選択すること
また、この発明に係る光ディスク装置は、上記の事項を基本とし、つぎの事項(18)を加えて実施することができる。
(18)制御手段は、受け入れた光ディスクの情報を、読み出し試行する初期プロセスにおいては、第1レーザ光を選択すること
また、この発明に係る光ディスク装置は、上記の事項を基本とし、つぎの事項(19)を加えて実施することができる。
(19)制御手段は、初期プロセスにて情報を読み取れた場合、ユーザインタフェースより第2レーザ光選択する利用者入力があるまでは、第1レーザ光を選択し続けること
この発明よれば、片側から第1記録層(HD DVD層に相当)に第1レーザ光(青紫色レーザ)、第2記録層(DVD層に相当)に第2レーザ光(赤色レーザ)でアクセス可能な光ディスクを提供することができる。したがって、DVDの映画コンテンツと、HD DVDの映画コンテンツの両方を1つのディスクに入れることができる。つまり、SD映像とHD映像の両方を扱えるコンビネーションディスクとなる。
図8にこの発明の一実施例による光ディスク70と光ヘッドの関係を示す。光ディスク70は、第1基板71と第2基板72で構成され、レーザ光の光入射面73に対し、近い方に半透明膜からなる第1記録層(HD DVD層に相当)81が形成されているとともに、遠い方に高反射膜からなる第2記録層(DVD層に相当)83が形成されている。
次に、すでに大量に市販されている従来のDVD装置で、この光ディスクが片面1層のディスク として認識されるためには、図9に示すように、赤色レーザ光30に対し、DVD層83からの信号光Irsは45%以上なければならない。一方、同じ光ディスクに青紫色レーザ光60を照射した場合、図10に示すように、HD DVD層81からの信号光Ibsは、この光でフォーカス及びトラッキングサーボがかかり、かつ信号が再生できなければならない。
HD DVD−ROMの場合
片面1層ディスク 40%−70%(複屈折を含む)
片面2層ディスク 18%−32%(複屈折を含む)
HD DVD−Rewritable(at system lead in area)
片面1層ディスク 4%−8%(複屈折を含む)
である。
本発明の光ディスクの場合は、HD DVD層の位置を、HD DVD−ROMの片面2層ディスクと同じにしたので、反射率がこの規定に収まるのが望ましい。 しかしながら、この光ディスクのHD DVD層については、HD DVDがまだ商品化されていないことから、HD DVDに新たな規定を盛り込むことが可能である。この場合、反射率の下限値は、Rewritableディスクよりも大きい必要がある。
次に、層間クロストークと中間層の厚みについて考えてみる。図9で、赤色レーザ光でDVD層83を再生しているとき、手前のHD DVD層81で反射した光は、ノイズ光Irnとなる。光ヘッドの再生光学系は、HD DVD層83を光検出器面上に結像する役目を持っているので、DVD層81で反射したノイズ光Irnは、中間層の厚みの2乗で光検出器に寄与する。
===フラグ情報===
次に、本発明の光ディスクのフラグのセットについて説明する。DVD層83は、通常の片面1層DVDとして扱う必要があり、Data frameのID及びControl data zone のPhysical format informationのBP2は、片面1層ディスクとして設定する。
一方、HD DVD層81は、Data frameのID及びControl data zone のPhysical format informationのBP2は、片面1層ディスクとして設定する。
b3 0b reserved
1b 第1層にHD DVD層、第2層にDVD層
と定義される。
次に、本発明のディスクを従来のDVD装置で再生する場合について、図11及び図12を使って説明する。図11はよく知られている従来のDVD装置の主要構成を示し、図12はその動作フローとフォーカスサーボについて示している。
次に、青紫色レーザ光を用いたHD DVD装置の場合について、図13及び図14(a),図14(b)を用いて説明する。図13に示すようにHD DVD装置は、図11に示したDVD装置の構成と略同じような機能ブロックを有するので、同様な部分には図11と同じ符号を付している。ただし、HD DVD装置の場合は、青紫色レーザ光を出力するレーザダイオードが光・電気変換ユニット115に設けられている。また対物レンズ65は、開口数が先の対物レンズ35とは異なる。
次に、図15、図16を用いて、赤色レーザ光と青紫色レーザ光の両方を用いる本発明に係るコンパチブル装置について説明する。
上記の実施例では、第1記録層の半透明膜をAg合金で形成した場合を説明した。しかしながら、2つの波長の異なるレーザ光に対し、選択的に反射率、透過率が設定できれば更に効率よく働かすことができる。
Claims (13)
- 光透過層と、第1レーザ光によりアクセスされる第1記録層と、中間層と、第2レーザ光によりアクセスされる第2記録層がレーザ光入射方向に順に配置された片面2層光ディスクであって、
光入射面から第1記録層までの光透過層の距離が578μm〜598μmであり、
第1記録層と第2記録層の間の中間層の距離が32μm〜42μmであり、
第1記録層の面記録密度が第2記録層の面記録密度の3倍以上である光ディスク。 - 第1レーザ光に対する第1記録層の反射率は、4%以上であり、
第2レーザ光に対する第2記録層の反射率は、45%以上である請求項1に記載の光ディスク。 - 第1レーザ光に対する第1記録層の反射率は、第2レーザ光に対する第2記録層の反射率よりも小さい請求項1に記載の光ディスク。
- 第2レーザ光に対する第1記録層の透過率は、第1レーザ光に対する第1記録層の透過率よりも大きい請求項1に記載の光ディスク。
- 第1記録膜にAg合金膜、第2記録膜にAu膜を用いる
請求項1記載の光ディスク。 - 光透過層と、第1レーザ光によりアクセスされる第1記録層と、中間層と、第2レーザ光によりアクセスされる第2記録層がレーザ光入射方向に順に配置され、
光入射面から第1記録層までの光透過層の距離が578μm〜598μmであり
第1記録層と第2記録層の間の中間層の距離が32μm〜42μmであり
第1記録層の面記録密度が第2記録層の面記録密度の3倍以上である光ディスクに記録された情報を読み取る装置であって、
第1レーザ光と第2レーザ光を発生可能な光ヘッドと、第1レーザ光か第2レーザ光を選択的に発生させる制御手段を備えた光ディスク装置。 - 制御手段は、ユーザインタフェースによる利用者入力に基づいて第1レーザ光か第2レーザ光を選択する請求項6に記載の光ディスク装置。
- 制御手段は、受け入れた光ディスクから情報の読み出しを試行する初期プロセスにおいて、第1レーザ光を選択する請求項6または7に記載の光ディスク装置。
- 制御手段は、初期プロセスにて情報を読み取れた場合、ユーザインタフェースより第2レーザ光を選択する利用者入力があるまでは、第1レーザ光を選択し続ける請求項8に記載の光ディスク装置。
- 光透過層と、第1レーザ光によりアクセスされる第1記録層と、中間層と、第2レーザ光によりアクセスされる第2記録層がレーザ光入射方向に順に配置され、光入射面から第1記録層までの光透過層の距離が578μm〜598μmであり、第1記録層と第2記録層の間の中間層の距離が32μm〜42μmであり、第1記録層の面記録密度が第2記録層の面記録密度の3倍以上である光ディスクに記録された情報を読み取る再生方法であって、
第1レーザ光をアクセスして、フォーカス状態を前記光ディスクの厚み方向へ往復移動させ、
前記第1記録層にフォーカスを合わせてゲイン調整を行い、フォーカスサーボをオンにし、続いてトラッキングサーボをオンするようにしたことを特徴とする光ディスクの再生方法。 - 前記トラッキングサーボをオンした後に、前記再生信号からデータフレームのIDを読み取りチェックし、次にリードインエリアのコントロールデータゾーンに移動し、
前記コントロールデータゾーンの物理フォーマット情報の層数の情報を確認し、
次に、前記第1記録層の信号を再生することを特徴とする請求項10記載の光ディスクの再生方法。 - 光透過層と、第1レーザ光によりアクセスされる第1記録層と、中間層と、第2レーザ光によりアクセスされる第2記録層がレーザ光入射方向に順に配置され、光入射面から第1記録層までの光透過層の距離が578μm〜598μmであり、第1記録層と第2記録層の間の中間層の距離が32μm〜42μmであり、第1記録層の面記録密度が第2記録層の面記録密度の3倍以上である光ディスクに記録された情報を読み取り信号を再生する再生方法であって、
前記光ディスクに照射する光ビームとして青紫色レーザ光を選択し、
フォーカス状態を前記光ディスクの厚み方向へ往復移動させ、
前記第1記録層にフォーカスを合わせてゲイン調整を行い、フォーカスサーボをオンにし、続いてトラッキングサーボをオンし、
前記第1記録層の信号再生状態に移行し、
第1の切換え信号が与えられたときは、前記再生信号に対するゲインを下げる方向へ調整し、
前記第2記録層にフォーカスを合わせ、次に第2トラッキングサーボをオンし、
前記第2記録層の信号再生状態に移行する
ようにしたことを特徴とする光ディスクの再生方法。 - 前記第1トラッキングサーボをオンした後は、前記第1の記録層の前記再生信号からデータフレームのIDを読み取りチェックし、次にリードインエリアのコントロールデータゾーンに移動し、
前記コントロールデータゾーンの物理フォーマット情報の層数の情報を確認し、前記第1記録層の信号を再生し、
前記第2トラッキングサーボをオンした後は、前記第2記録層の前記再生信号からデータフレームのIDを読み取りチェックし、次にリードインエリアのコントロールデータゾーンに移動し、
前記コントロールデータゾーンの物理フォーマット情報の層数の情報を確認し、前記第2記録層の信号を再生する
ようにしたことを特徴とする請求項12記載の光ディスクの再生方法。
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