JP2006162466A - 測定すべき物質の測定方法および測定試薬 - Google Patents

測定すべき物質の測定方法および測定試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】 測定すべき物質に特異的に結合する物質を用いて行う物質の測定方法において、洗浄等の工程を必要としない簡便なB/F分離方法を用いる測定すべき物質を感度よく測定する方法および該方法に使用する試薬を提供すること。
【解決手段】 担体粒子と測定すべき物質に特異的に結合する物質との反応を標識を用い測定する方法において、担体粒子と複合体を形成した標識と担体粒子と複合体を形成していない標識とを生成させる工程、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液を添加し、担体粒子と複合体を形成した標識を分離液に、担体粒子と複合体を形成していない標識を反応液に分離する工程、および反応液に補助試薬を添加し、補助試薬と標識との反応により得られる生成物を測定する工程を含むことを特徴とする測定すべき物質の測定方法および試薬。
【選択図】 なし

Description

本発明は、測定すべき物質に特異的に結合する物質を用いる物質の測定方法および測定試薬に関する。
特許文献1には、抗体または抗原を担持させた磁性粒子と、同じく抗体または抗原を担持させた不溶性担体粒子を抗原または抗体とを反応させて免疫複合体を形成させ、未反応の磁性体含有不溶性担体粒子及び磁性体含有不溶性担体粒子を含む凝集粒子を磁力により容器の測光を遮らない位置に集め、液体媒体中に浮遊する磁性体を含有していない不溶性担体粒子を直接吸光度または散乱光で検知することにより定性的または定量的に抗原または抗体を測定する方法が開示されている。
特許文献2には、測定対象物質と免疫学的に結合する物質を担持させた磁性粒子と、測定対象物質を担持させた非磁性着色粒子を用いて、検体と反応させた後、未反応の磁性粒子および免疫複合体を含んだ磁性粒子を集磁し、反応液中に残存した着色粒子の吸光度を測定する方法が開示されている。
しかしこれらの方法では、検出時に担体粒子上の標識も反応系中に存在しているため、補助試薬を添加して未反応の標識体を検出する方法では、担体粒子上の標識も同時に反応する結果となり、反応液中に残った未反応の標識体のみを検出することは不可能であるため、未反応の標識体の検出は吸光度や散乱光、蛍光など、検出に他の補助試薬を必要としない標識体に限られていた。このためこれらの方法では、化学発光物質など高感度に適した標識を使用することは出来なかった。
特許文献3には、磁性粒子及び酵素標識体を用い、抗原抗体反応及び磁性粒子の分離後、反応液を乾式素子上に添加することで酵素標識体の酵素活性を測定する方法が開示されている。しかし、未反応の標識体と免疫複合体を含む担体粒子を分離した後、一定量の反応液を別な容器もしくは素子上に滴下する方法では、手技の煩雑化、自動機器の大型化を伴うものであった。
特許第2603843号公報 特開平8−262024号公報 特開平4−186158号公報
本発明の目的は、測定すべき物質に特異的に結合する物質を用いる物質の測定方法において、洗浄等の工程を必要としない簡便な、測定すべき物質と測定すべき物質に特異的に結合する物質の複合体と未反応の遊離体とを分離する方法(以下、B/F分離(bound/free)分離という)を用いる測定すべき物質を感度よく測定する方法および該方法に使用する試薬を提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[15]に関する。
(1) (i)担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質と標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、または(ii)担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質と標識された測定すべき物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、担体粒子と複合体を形成した標識と担体粒子と複合体を形成していない標識とを生成させる工程、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液を添加し、担体粒子と複合体を形成した標識を分離液に、担体粒子と複合体を形成していない標識を反応液に分離する工程、および反応液に補助試薬を添加し、補助試薬と標識との反応により得られる生成物を測定する工程を含むことを特徴とする測定すべき物質の測定方法。
(2) 担体粒子が磁性粒子であり、さらに担体粒子と複合体を形成した標識を磁力により分離液に移動させる工程を含む前記(1)記載の方法。
(3) 標識が酵素である前記(1)または(2)記載の方法。
(4) 補助試薬が、発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる補助試薬である前記(3)記載の方法。
(5) 標識が発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる標識である前記(1)または(2)記載の方法。
(6) 補助試薬が、酵素である前記(5)記載の方法。
(7) 反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液が、塩化物、臭化物、非ハロゲンおよびシリコーンオイルから選ばれる分離液である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 担体粒子に担持された測定すべき物質に結合する物質もしくは測定すべき物質、標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液、および補助試薬を含むことを特徴とする測定対象物測定試薬。
(9) 担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質および標識された測定すべき物質、標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液、および補助試薬を含むことを特徴とする測定対象物測定試薬
(10) 担体粒子が磁性粒子である前記(8)または(9)記載の試薬。
(11) 標識が酵素である前記(8)〜(10)のいずれかに記載の試薬。
(12) 補助試薬が、発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる補助試薬である前記(11)記載の試薬。
(13) 標識が発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる標識である前記(8)〜(10)のいずれかに記載の試薬。
(14) 補助試薬が、酵素である前記(13)記載の試薬。
(15) 反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液が、塩化物、臭化物、非ハロゲンおよびシリコーンオイルから選ばれる分離液である前記(8)〜(14)のいずれかに記載の試薬。
本発明により、測定すべき物質に特異的に結合する物質を用いる物質の測定方法において、簡便なB/F分離方法を用いる測定すべき物質を測定する方法および該方法に使用する試薬が提供される。本発明の方法は、洗浄工程が不要なので標識体を測定する操作が簡便である。また本発明の方法は、標識の測定に補助試薬を必要とする測定方法において好適であり、酵素、発光物質、蛍光物質、色原体等による標識に特徴的な高感度な測定が可能である。
本発明において使用できる試料には特に制限はないが、例えば全血、血漿、血清、髄液、唾液、羊水、尿、汗、膵液等の生体試料や、食品、土壌等があげられる。
反応液としては、測定すべき物質と測定すべき物質に特異的に結合する物質とが反応できる溶媒で有れば特に制限はないが、標識を補助試薬を用いて測定する場合は、さらに標識と補助試薬とが反応できる溶媒が好ましく、例えば水性媒体があげられる。
水性媒体としては例えば脱イオン水、蒸留水、緩衝液等があげられるが、緩衝液が好ましい。緩衝液に用いる緩衝剤は緩衝能を有するものならば特に限定されないが、pH1〜11の例えば乳酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、フタル酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤、ジエタノールアミン緩衝剤、リジン緩衝剤、バルビツール緩衝剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤、イミダゾール緩衝剤、リンゴ酸緩衝剤、シュウ酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、グッド緩衝剤等があげられる。
グッド緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)、3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO)、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸[(H)EPPS]、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(Tricine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等があげられる。
緩衝液の濃度は測定に適した濃度であれば特に制限はされないが、0.001〜2.0mol/Lが好ましく、0.005〜1.0mol/Lがより好ましく、0.01〜0.1mol/Lが特に好ましい。
本発明で測定すべき物質としては、特定の物質と特異的に結合する物質であれば特に制限はなく、抗原抗体反応を用いて測定される成分、その他の特異的結合により測定される成分等があげられる。
抗原抗体反応により測定される成分としては例えば、IgG、IgM、IgA、IgE、アポ蛋白AI、アポ蛋白AII、アポ蛋白B、アポ蛋白E、リウマチファクター、D−ダイマー、酸化LDL、グリコアルブミン、トリヨードサイロニン(T3)、総サイロキシン(T4)、抗テンカン剤等の薬剤、C−反応性蛋白(以下CRPと略記する。)、サイトカイン類、α−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA19−9(carbohydrate antigen 19-9)、CA15−3(carbohydrate antigen 15-3)、CA−125(carbohydrate antigen 125)、PIVKA−II(Protein induced by vitamin K absence-II)、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、インスリン、C−ペプタイド、エストロゲン、抗抗グルタミン酸脱炭酸酵素抗体(GAD)抗体、ペプシノーゲン、HBV抗原、抗B型肝炎ウイルス(HBV)抗体、C型肝炎ウイルス(HCV)抗原、抗HCV抗体、成人T細胞性白血病ウイルス(HTLV−I)抗原、抗HTLV−I抗体、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体、結核抗体、結核菌抗原(TBGL)マイコプラズマ抗体、ヘモグロビンA1c、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、トロポニンT、トロポニンI、クレアチニンキナーゼ−MB(CK−MB)、ミオグロビン、H−FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)、デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)、T-2トキシン(T2)等のカビ毒類、ビスフェノールA、ノニルフェノール、フタル酸ジブチル、ポリ塩素化ビフェニル(PCB)類、ダイオキシン類、p,p’−ジクロロジフェニルトリクロロエタン、トリブチルスズ等の内分泌撹乱物質類、大腸菌等の菌類、卵、乳、小麦、そば、落花生等の食物アレルギー物質やコナヒョウダニやトヤヒョウダニ等のダニ類等のアレルギー物質、抗アレルギー物質抗体等があげられる。
その他の特異的結合により測定される成分としては、核酸、レクチン等があげられ、例えばras等のガン遺伝子、p53等のガン抑制遺伝子等をコードするDNAまたはRNA、ペプチド核酸、アプタマー、糖蛋白質等があげられる。
本発明で使用される標識としては、その量を測定出来るものであれば特に制限はなく、例えば発光物質、蛍光物質、色原体、酵素などがあげられるが、補助試薬との反応によりその量を測定できるものが好ましい。
発光物質としては、例えば4-(2- サクシニミジルオキシカルボニルエチル)フェニル-10-メチルアクリジウム-9- カルボン酸フルオロ硫酸(以下アクリジニウム−Iと略記する)等のアクリジウム誘導体、ジオキセタン類、ルミノール、イソルミノール、ルシゲニン、クマリン誘導体、ピラゾロピリドピリダジン誘導体等があげられるがあげられる。
蛍光物質としては、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸などがあげられる。
色原体としては、単独で色素を形成する化合物であっても、二つの化合物が結合して色素を形成する化合物であってもよい。
単独で色素を形成する化合物としては、例えば、10−N−カルボキシメチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(以下、CCAPと略記する。)、10−N−メチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(以下、MCDPと略記する。)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン ナトリウム塩(以下、DA−64と略記する。)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス[3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル]アミン(以下、BCMAと略記する。)等があげられる。
二つの化合物が結合して色素となるものとしては、例えば過酸化水素水とパーオキシダーゼとの共存下で、結合して色素を形成する化合物があげられる。
具体的には、4−アミノアンチピリン(以下4−AAと略す。)や、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラジン等のカプラ−と、アニリン化合物、例えばN−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン(以下EMSEと略す。)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、N−エチル−N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン・ナトリウム塩2水和物(以下TOOSと略記する。)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピルアニリンプロピル−m−アニジン等との組み合わせ等が挙げられる。その他、4−AAとフェノールや3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨウド酢酸の組み合わせが挙げられる。
酵素としては、例えばペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ(以下、ALPと略記する。)などがあげられる。
補助試薬は、前述の標識を測定するために使用される試薬であり前述の標識の種類に応じて当業者であれば適宜選択できるが、例えば前述の発光物質、蛍光物質、色原体、酵素などがあげられる。また、アルカリ、過酸化水素等もあげられる。
担体粒子としては、反応液中に懸濁しかつ移動可能なもので有れば特に制限はなく、例えば、磁性粒子、樹脂粒子、無機化合物粒子等があげられる。
磁性粒子としては、特に制限はないが例えば、鉄、四三酸化鉄(Fe )、三二酸化鉄(γ−Fe )などの鉄を含有する化合物、あるいは各種フェライト、マンガン、ニッケル、クロム、コバルトなどの金属、もしくは合金からなる微粒子がある。またこれら磁性粒子を内部に含んだポリスチレンなどの疎水性重合体や、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどを架橋した親水性重合体等が挙げられる。さらに上記磁性微粒子をラテックス、リポソーム、ゼラチンなどの表面に固定化した粒子なども挙げられる。
樹脂粒子としては、例えばポリスチレンなどの疎水性重合体や、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどを架橋した親水性重合体等があげられる。
無機化合物粒子としては例えばガラスビーズ等があげられる。
担体粒子の粒子径は、特に制限はないが好ましくは0.05〜100μm、より好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは0.5〜5μmである。
担体粒子の比重は、反応液の比重よりも大きければ特に制限されないが、好ましくは0.8〜7.0、より好ましくは0.9〜3.0、特に好ましくは1.0〜2.0である。また、担体粒子の比重は後述する分離液の比重より大きいものが好ましい。担体粒子としては、重力を利用した自然分離を行う場合、1〜2分間程度で沈降する粒子が好ましい。
本発明において、測定すべき物質に特異的に結合する物質としては、例えば前述の測定すべき物質に結合する抗体、核酸、糖蛋白質、アプタマー等があげられる。
抗体としては、IgM、IgG、IgA、IgE等およびこれら抗体を酵素処理等により処理して得られるFab、Fab’、またはF(ab’)などのフラグメントがあげられ、IgGが好ましい。
抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体の何れも使用できる。モノクローナル抗体を用いる場合、認識エピトープの異なるものを二種類以上組み合わせて使用するのが好ましいが、同一抗原上にエピトープを複数持つ抗原に対しては一種類のモノクローナル抗体を用いることができる。
担体粒子および標識に、測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質を結合させる方法は、当業者が適宜選択出来るが、例えば、物理的吸着、化学的結合等により行うことができる。
物理的に結合させる方法としては、担体粒子及び標識に抗原または抗体などを疎水結合などで直接固定化する方法があげられる。またアルブミンなどの他のタンパク質に化学的に結合させ、物理的に結合する方法もあげられる。
化学的に結合させる方法としては、担体粒子および標識に存在するアミノ基、カルボキシル基などを化学的に修飾することにより、抗原または抗体分子上の同様の官能基と直接固定化する方法が挙げられる。スペーサー分子やアルブミンなどの他のタンパク質を介して抗原または抗体を化学結合させる方法もあげられる。
結合させる測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質の量は、用いる担体粒子の表面積、官能基量等により異なるが、通常担体粒子1mgあたり1μg〜500μg、好ましくは10μg〜200μgである。また標識の場合、反応官能基の種類または標識によっても異なるが、測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質の1分子あたり1〜50個、好ましくは5〜20個の標識分子となるように調製される。
担体粒子に標識を固定化する場合は、担体粒子表面の官能基を利用して化学的に結合させる方法、または表面に物理的に結合させる方法などがある。
また、本発明において担体粒子または標識と測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質との結合は、ビオチン又はストレプトアビジン等の生理活性物質、糖鎖とレクチン、または化学的な相互作用を有する物質を介して行うことができる。
また、固定化したい測定すべき物質または測定すべき物質に特異的に結合する物質と結合しうる物質、たとえば抗体、プロテインA等を利用して、担体粒子もしくは標識と結合する方法があげられる。
分離液は、反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い液体であれば特に制限はない。反応液と相を形成するとは、反応液と実質的に混ざらないことを意味し、分離液の反応液に対する溶解度は、5重量%以下であり、1重量%以下が好ましく0.1重量%以下が特に好ましい。
分離液の比重は、反応液の比重よりも高いもので有れば特に制限はないが、好ましくは1.01以上2.50、より好ましくは1.05〜2.00、特に好ましくは1.10〜1.50である。
分離液は当業者が適宜選択しうるが、例えば、塩化物、臭化物、非ハロゲン、シリコーンオイル等から選択できる。塩化物としては、例えばクロロホルム(比重1.49、溶解度0.82重量%)、1,1-ジクロロエタン(比重1.18、溶解度0.55重量%)、ヘキサクロロエタン(比重2.09、溶解度0.01重量%)、トリクロロエチレン(比重1.47、溶解度0.11重量%)、o−ジクロロベンゼン(比重1.31、溶解度0.01重量%)、o−クロロトルエン(比重1.08、溶解度0.04重量%)、1-クロロナフタレン(比重1.19、殆ど溶解しない)などがあげられる。
臭化物としては、例えば臭化エチル(比重1.45,溶解度0.91重量%)、臭化イソプロピル(比重1.31、溶解度0.29重量%)、1,2−ジブロモエタン(比重2.17、溶解度0.54重量%)、臭化プロピル(比重1.36、溶解度0.23重量%)、クロロブロモメタン(比重1.94、溶解度0.90重量%)などがあげられる。
非ハロゲンとしては、例えばo−ニトロアニソール(比重1.25、溶解度0.17重量%)、サリチル酸メチル(比重1.18.溶解度0.07重量%)等があげられる。
シリコーンオイルとしては、例えばポリシロキサンX-22-821(比重1.09、殆ど溶解しない)、ポリシロキサンX-22-822(比重1.16、殆ど溶解しない)、ポリシロキサンFL100(比重1.23、殆ど溶解しない)、ビス(トリデカフロロオクチル)テトラメチルシロキサン(SIB1816.0)(比重1.46、殆ど溶解しない)、3,3,3,−トリフルオロプロピルメチルシロキサン(50%)とジメチルシロキサン(50%)コポリマー(FMS-221)(比重1.16、殆ど溶解しない)等があげられる。
反応容器の形状および材質は特に制限はないが、移動させた担体粒子の再分散を防ぐ目的で底面がU字またはV字型となっているもの、細長い形状のものが好ましく、材質としてポリスチレン、アクリルなどのプラスチックや、ガラスなどが用いられるが、分離液に有機溶媒を用いる場合は、ガラスなどが好ましい。
本発明の測定方法は、例えば以下の行程を含有する。
(i)担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質と標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質とを反応容器中の反応液中の測定すべき物質に反応させ、または(ii)担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質と標識された測定すべき物質とを反応容器中の反応液中の測定すべき物質に反応させ、担体粒子と複合体を形成した標識と担体粒子と複合体を形成していない標識とを生成させる工程、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液を添加し、担体粒子と複合体を形成した標識を分離液に、担体粒子と複合体を形成していない標識を反応液に分離する工程、反応液に補助試薬を添加し、補助試薬と標識との反応により得られる生成物を測定する工程、および予め既知濃度の測定対象物を用いて作成した測定対象物濃度と生成物量の関係を示す検量線と、該生成物量を比較し試料中の測定すべき物質を定量する行程。
担体粒子に担持された測定すべき物質に結合する物質もしくは測定すべき物質と標識に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質とを試料中の測定すべき物質に反応させ、または担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質と標識に担持された測定すべき物質とを試料中の測定すべき物質に反応させる条件は、特異的結合が起こる条件であれば特に制限はないが、2℃〜50℃が好ましく、20℃〜40℃がより好ましく、25℃〜37℃が特に好ましい。反応時間は特に制限が無く、試薬の混合直後から一昼夜が好ましく、2〜60分間がより好ましく、3〜30分間が特に好ましい。また担体粒子は反応液に対して0.001〜1.0mg/mL、好ましくは0.05〜0.2mg/mLとなるように使用される。試薬添加時の混合は速やかに行う必要があるが、均一に混合された後は静置してもよい。反応液のpHは特に制限はなく、1〜11が好ましく、2〜10がより好ましく、3〜9が特に好ましく、前述の緩衝剤が用いうる。
反応液は非特異反応を避けるために、例えば塩化ナトリウム等の塩類及びウシ血清アルブミン等のタンパク質を含有してもよい。
担体粒子と複合体を形成した標識を分離液に、担体粒子と複合体を形成していない標識を反応液に分離する工程は、反応液に分離液を添加することにより重力により達成されるが、より効果的に行う方法として、遠心分離方法や担体粒子として磁性粒子を用いて磁力を利用する方法が挙げられる。
遠心分離を行う場合、その遠心速度は50〜3000rpmであることが好ましく、容器も遠心分離が可能な形状で小型のものが好ましい。粒子の沈降は、必要に応じて、粒子に特有の濁度や吸光度、散乱光、蛍光など光学的変化により確認することができる。
磁性粒子の分離に関しては、約0.25〜3分間程度で分離できるような磁場の強度及び容器の形状が好ましい。磁石には永久磁石、または電磁石等を使用することができる。
標識の測定は、反応液中の標識を直接物理化学的に測定することもできるが、補助試薬を用いて、標識と補助試薬との反応により得られる生成物を測定することが好ましい。補助試薬としては標識がPODのときは、例えばTMBやOPDなどの色素が挙げられ、ALPのときは、例えばジオキセタン類の発光物質があげられる。標識がアクリジニウムエステル類のときは、例えばアルカリ、過酸化水素などが補助試薬としてあげられる。検出は各色素、発光に特徴的な波長で速やかに行われる。また本発明では、免疫複合体を形成した標識体を測定するのではなく、液体媒体中に残留した未反応の標識を測定するものである。
測定すべき物質の濃度は、予め既知濃度の測定すべき物質を用いて得られる検量線から求めることができる。
本発明の試薬は、例えば以下のものがあげられる。
担体粒子に担持された測定すべき物質に結合する物質もしくは測定すべき物質、標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質、および反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液。
担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質、標識された測定すべき物質、および反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液。
担体粒子に担持された測定すべき物質に結合する物質もしくは測定すべき物質、標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液、および補助試薬。
担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質、標識された測定すべき物質、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液、および補助試薬。
本発明の試薬は、下記のようなキットの形態でも良い。
担体粒子に担持された測定すべき物質に結合する物質もしくは測定すべき物質を含有する担体粒子を含む試薬、標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含有する標識試薬、および反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液を含有する試薬を含むキット。
担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含有する担体粒子を含む試薬、標識された測定すべき物質を含有する試薬、および反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液を含有する試薬を含むキット。
担体粒子に担持された測定すべき物質に結合する物質もしくは測定すべき物質を含有する担体粒子を含む試薬、標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含有する標識試薬、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液を含有する試薬および補助試薬を含むキット。
担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質を含有する担体粒子を含む試薬、標識された測定すべき物質を含有する試薬、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液を含有する試薬、および補助試薬を含むキット。
本発明の試薬およびキットには、前述の緩衝剤、塩類、蛋白質等を含有していてもよい。また、アジ化ナトリウム等の防腐剤を含有していてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
分離液による担体粒子と複合体を形成していない標識の分離
発光物質にアクリジニウム−I(同人化学社製)を用い、250μgのアクリジニウム−Iを250μLのジメチルホルムアミド溶液に溶解した。担体粒子として使用する磁性粒子には、比重約1.8のフェリー・スフェアー・100A(FERRI SPHERE 100A、日本ペイント社製)を使用した。該磁性粒子は表面にアミノ基があり、アクリジニウム−Iと混合するだけで共有結合が形成される。この磁性粒子を1mg/mLの濃度でpH8.0の50mmol/Lリン酸緩衝液に分散させた溶液1mlと20μLのアクリジニウム−I溶液とを混合し、37℃で30分間反応させた。その後、蒸留水50mLを加え、15分間、3000rpmで遠心分離する洗浄を3回行い、発光物質で標識した磁性担体粒子を得た。この粒子を、0.1%BSA及び0.1%NaNを含むpH7.4の10mmol/Lリン酸緩衝液(以下、BSA/PBS溶液と略記する。)に1.0mg/mLとなるよう加え、発光物質標識担体粒子分散試薬溶液とした。
反応容器には底面がV字型であるガラス容器を使用した。これらはパスツールピペットの先端を一定の長さで折り、バーナーで閉じることによって作製した。該反応容器は側面下方が緩やかに湾曲し全体としてV字型を形成しているので、比重の大きい有機溶媒で下方先端部と分離させるのには適した材質・形状となっている。
評価は該反応容器に300μLの発光物質で標識した担体粒子分散試薬溶液を入れ、磁石を用いて磁性粒子を容器下方に移動し、続けてそれぞれ第1表に記載の分離液、すなわちクロロホルム、臭化プロピル、o−ニトロアニソール、サリチル酸メチルまたはポリシロキサンFL100の100μLを添加することで磁性粒子をBSA/PBS溶液から分離した。
反応液中に残留した発光物質で標識した担体粒子の量は、0.1mol/L水酸化ナトリウムと0.3%過酸化水素を含む補助試薬溶液200μLを添加し、標識した発光物質を発光させることにより検出した。この検出には発光光度計(バイオルマットLB9500T、ベルトールド社製)を用いた。発光は瞬時に終了するが、瞬間的な最大発光カウントは安定しないため、発光光度計で捉えられた全発光カウントの積算値を標識強度として算出した。
また対照として反応容器に分離液を加えず、磁性粒子を容器下方に分離し、その上清を別な容器に移した時に得られた発光カウントも測定した。結果を第1表に示す。
Figure 2006162466
上記方法で得られた標識強度は、分離液を加えなかった場合、約117万カウント生じたのに対し、分離液を加えることでそれぞれ約2156〜2531カウントに減少した。また分離液を加えず上清を測定したカウントは2100カウントであった。従って、分離液の採用により、分離液が磁性粒子をBSA/PBS溶液(反応液)から分離し、補助試薬の使用により同一容器中でも担体粒子上の標識を検出することなく反応液中の標識のみを測定することが可能であることが確認された。
発光物質で標識した抗インスリンモノクロナール抗体を用いたインスリン測定
抗体の発光物質による標識はイアンウイークスらの方法(Clinical Chemistry 29巻,8 号 ,1474-1479 頁,1983年)に従い以下の通り行った。
発光物質としてアクリジニウム−I(同人化学社製)を用い、250μgのアクリジニウム−Iを500μLのジメチルホルムアミド溶液に溶解した。また抗インスリン抗体には抗インスリンマウスモノクローナル抗体(ロッシュ社製)を用い、50μgの抗インスリンマウスモノクローナル抗体(ロッシュ社製)を300μLの100mmol/Lリン酸緩衝液(pH8.0)に溶解した。
次に10μLのアクリジニウム−I溶液と300μLの抗体溶液を混合し、37℃で30分間反応させ、さらに10g/L のリジン塩酸塩溶液100μLを加え、反応を停止させた。反応混合物はセファデックスG−25カラムクロマトグラフィー(300×10mm、ファルマシア社製)で精製し、化学発光標識抗インスリン抗体を得た。またBSA/PBS溶液に発光物質で標識した抗インスリン抗体を0.01mg/mLとなるよう加え、標識試薬溶液とした。
担体粒子として使用する磁性粒子にはダイナビーズ(M280;日本ダイナル社製)を使用した。該磁性粒子は活性化された状態で販売されており、抗体と混合するだけで共有結合により固定化が可能である。また固定化する抗体には標識抗体と異なるエピトープを認識する抗インスリンモノクローナル抗体(国際バイオ社製)を使用した。
抗体は0.5mol/L ホウ酸緩衝液(pH9.5)に150μg/mLとなるように溶解し、30mg/mLの活性化磁性粒子を等量添加して、1晩放置した。磁石で磁性粒子を集め、上清を吸引除去することにより過剰な抗体を除去し、抗インスリン抗体固定化磁性粒子を得た。これらはBSA/PBSに0.1mg/mLとなるよう加え、担体粒子含有試薬溶液とした。
反応液には底面がV字型であるガラス容器を使用した。これらはパスツールピペットの先端を一定の長さで折り、バーナーで閉じることによって作製した。該反応容器は側面下方が緩やかに湾曲し全体としてV字型を形成しているので、比重の大きい有機溶媒で下方先端部と分離させるのには適した材質・形状となっている。測定は該反応容器にBSA/PBS溶液500μLを入れ、続けて25μLの標識試薬溶液、及び250μLの担体粒子含有試薬溶液を加えた。さらにインスリン標準液を50μL加え、混合後、室温で10分間反応させた。このときインスリン標準液にはヒトプール血清にインスリン国際規格品(NIBSC Code 66/304 1ST IRP)を添加して0,18,36,75,150,300μU/mLに調製した溶液を使用した。反応後は磁石を用いて磁性粒子を容器下方に移動し、続けて分離液としてサリチル酸エチル100μLを添加することで磁性粒子と反応液を分離した。
反応液中の標識の量は、0.1mol/L水酸化ナトリウムと0.3%過酸化水素を含む補助試薬溶液200μLを添加し、標識の発光物質を発光させることにより検出した。この検出には発光光度計(バイオルマットLB9500T;ベルトールド社製)を用いた。発光は瞬時に終了するが、瞬間的な最大発光カウントは安定しないため、発光光度計で捉えられた全発光カウントの積算値を標識強度として算出した。その結果を図1に示す。
図1から、上記方法で得られた標識強度は、試料中のインスリン濃度に応じて減少する傾向が確認された。本測定法では免疫複合体を形成した標識体を測定するのではなく、反応液中に残留した未反応の標識体を測定するものであるので、インスリン濃度が増加するに従って標識強度は減少する。従ってインスリンの濃度依存的な測定が可能であることが確認された。
酵素標識抗インスリンモノクロナール抗体を用いたインスリン測定
ALPを抗体に標識するために、ALP(キッコーマン社製)1mgと架橋剤Sulfo−HMCS(同仁化学社製)0.2nmolをpH7.0のトリエタノールアミン緩衝液中で導入し、セファデックスG−25カラムクロマトグラフィー(80×6mm、ファルマシア社製)で精製した。さらに抗インスリンマウスモノクローナル抗体(ロッシュ社製)500μgにマレイミド法で上記ALPを結合させ、ALP標識抗インスリン抗体を調製した。調製後、BSA/PBSに0.01mg/mLとなるよう加え、標識試薬溶液とした。
測定は実施例2で用いた反応容器に500μLのBSA/PBS溶液を入れ、続いて25μLの標識試薬溶液、及び実施例2で作成した250μLの担体粒子含有試薬液を加えた。さらに実施例1で使用したインスリン標準液(抗原濃度:0,18,36,75,150,300μU/mL)を50μL加え、室温で10分間反応させた。その後、磁石を用いて反応容器中の磁性粒子を容器下方に分離し、続けて分離液としてサリチル酸エチル100μLを添加した。
反応液中に残留した標識体の量は、ALP酵素活性により発光する化学発光基質(APS−5、Lumigen社製)を100μL加え、発光光度計(バイオルマットLB9500T;ベルトールド社製)を用いて測定した。発光はしばらく持続するが、発光基質の添加後、発光強度の落ち着く1分後に1秒間の積算で発光カウントを得た。その結果を図2に示す。
図2から、化学発光標識と同様に、上記方法でも試料中のインスリン濃度に応じて発光量が減少する傾向が確認された。このように酵素標識抗体を用いても洗浄を行わない系で抗原抗体反応を行うことが出来ることが確認された。
発光物質で標識した抗CRPモノクロナール抗体を用いたCRP測定
発光物質による抗体の標識は、抗CRPマウスモノクローナル抗体(DAKO社製)を用い、実施例1と同様の方法により行った。これにより得た発光物質標識抗CRP抗体はBSA/PBS溶液に0.01mg/mLとなるよう加え、標識試薬溶液とした。
固定化する抗CRP抗体には標識抗体と異なるエピトープを認識する抗CRPモノクローナル抗体(DAKO社製)を使用した。これらを実施例1と同様に磁性粒子上に固定化させ、抗CRP抗体固定化磁性粒子を得た。さらにBSA/PBSに0.1mg/mLとなるよう加え、担体粒子分散液とした。
測定は実施例2で用いた反応容器に500μLのBSA/PBSを入れ、続けて50μLの標識試薬溶液、及び250μLの担体粒子分散液を加え、十分に混合した。さらにCRP標準液を50μL加え、撹拌後に室温で10分間反応させた。この標準液としては、ヒトプール血清にCRP国際規格品(NIBSC Code 84/510)を添加して0,0.9,1.8,3.6,7.5,15,30ng/mLに調製した溶液を用いた。その後、速やかに磁石を用いて反応容器中の磁性粒子を容器下方に移動し、続けて分離液としてサリチル酸エチル100μLを添加した。
反応液中に残留した標識抗体の量は実施例2と同様の方法で検出し、上層に残った未反応の化学発光標識体の量を発光カウントとして得た。その結果を図3に示す。
図3より、上記方法でも、試料中のCRP濃度に応じて発光カウントが減少する傾向が確認され、抗体が異なっても測定原理の有効性が示された(図3)。
実施例2で検体中のインスリン濃度と発光カウントとの関係を表す検量線である。 実施例3で検体中のインスリン濃度と発光カウントとの関係を表す検量線である。 実施例4で検体中のCRP濃度と発光カウントとの関係を表す検量線である。

Claims (15)

  1. (i)担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質もしくは測定すべき物質と標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、または(ii)担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質と標識された測定すべき物質とを反応液中の測定すべき物質に反応させ、担体粒子と複合体を形成した標識と担体粒子と複合体を形成していない標識とを生成させる工程、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液を添加し、担体粒子と複合体を形成した標識を分離液に、担体粒子と複合体を形成していない標識を反応液に分離する工程、および反応液に補助試薬を添加し、補助試薬と標識との反応により得られる生成物を測定する工程を含むことを特徴とする測定すべき物質の測定方法。
  2. 担体粒子が磁性粒子であり、さらに担体粒子と複合体を形成した標識を磁力により分離液に移動させる工程を含む請求項1記載の方法。
  3. 標識が酵素である請求項1または2記載の方法。
  4. 補助試薬が、発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる補助試薬である請求項3記載の方法。
  5. 標識が発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる標識である請求項1または2記載の方法。
  6. 補助試薬が、酵素である請求項5記載の方法。
  7. 反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液が、塩化物、臭化物、非ハロゲンおよびシリコーンオイルから選ばれる分離液である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 担体粒子に担持された測定すべき物質に結合する物質もしくは測定すべき物質、標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液、および補助試薬を含むことを特徴とする測定対象物測定試薬。
  9. 担体粒子に担持された測定すべき物質に特異的に結合する物質および標識された測定すべき物質、標識された測定すべき物質に特異的に結合する物質、反応液に反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液、および補助試薬を含むことを特徴とする測定対象物測定試薬
  10. 担体粒子が磁性粒子である請求項8または9記載の試薬。
  11. 標識が酵素である請求項8〜10のいずれかに記載の試薬。
  12. 補助試薬が、発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる補助試薬である請求項11記載の試薬。
  13. 標識が発光物質、蛍光物質および色原体から選ばれる標識である請求項8〜10のいずれかに記載の試薬。
  14. 補助試薬が、酵素である請求項13記載の試薬。
  15. 反応液と相を形成しかつ反応液よりも比重の高い分離液が、塩化物、臭化物、非ハロゲンおよびシリコーンオイルから選ばれる分離液である請求項8〜14のいずれかに記載の試薬。
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