JP4881077B2 - 免疫クロマト法 - Google Patents

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本発明は、簡便かつ高感度な生物学的測定方法に関する。
抗原−抗体反応、リガンド−レセプター反応、糖−レクチン反応等の生物学的測定方法は、極めて特異性が高い反応であり、このような生物学的反応を利用した測定は、薬物、細菌、疾病等の検査等の医療分野を中心に、食品、工業製品、環境試料中の微量物質検出等に広く応用されつつある。なかでも、抗原−抗体反応を利用した生物学的測定方法は、極めて広い分野において利用されている。
生物学的測定方法の最大の利点は、生体の高度な物質間相互作用を利用して、これまで物理化学的な方法ではなし得なかった選択性を有する目的物質の検出、定量等ができることにあり、医療、食品、飲料水、下水、環境試料等の様々な試料中の低分子化合物から生体高分子まで広範囲な物質を検出できる可能性を有している。
近年、このような生物学的反応を利用した自動測定装置が数多く提案されている。例えば、現在最も広く利用されている方法の一つは、酵素結合抗体法(Enzyme−linked Immunosorbent assay)を利用して、被測定物質の検出を自動化するものである。酵素結合抗体法では、通常、固相として96穴ミクロプレート上に抗原又は抗体質を固定し、固定した抗原又は抗体と特異的に結合する酵素標識物質を試料に加えて反応させた後、プレート上の酵素活性から試料中の未知物質の有無や未知濃度を決定する方法である。現在では、酵素標識のみならず、蛍光や放射性等の標識も利用されている。この方法は、多検体を一度に分析できるため簡便性に優れる。
更に近年では、より簡便かつ迅速であることから、免疫クロマト法が多用されるようになってきている。免疫クロマト法では、通常、少なくとも2種類の抗体を利用したサンドイッチ法が採用されている。すなわち、標識された抗体を含む試薬と測定試料とを反応させ、被検物質と標識抗体とを結合し、これをもう一つの抗体が固定化されたメンブレンに流すことにより、固定化部位に標識された抗体が結合した被検物質を捕捉するというものである。このようなサンドイッチ法を採用した免疫クロマト法としては、種々の変法が提案されており、例えば、特許文献1〜5に開示されている。
しかしながら、免疫クロマト法は、測定試料によっては、標識された抗体を含む試薬が凝集してメンブレンを展開しない問題や、メンブレンの抗体固定化部位に非特異的に試薬が捕捉されてしまうという問題があった。特に、視覚的検知に有効である、色素や染料を含有した有機ポリマーからなる着色ラテックスを標識粒子として用いる場合に発生する問題である。
このような免疫クロマト法の問題は、その他の生物学的反応を利用した種々の測定法にも共通するものであった。
特開昭63−159761号公報 特開平2−49161号公報 特表平8−508569号公報 特開平10−73592号公報 特開平10−90267号公報
本発明は、上記現状に鑑み、簡便かつ高感度な生物学的測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、被検物質を含む液状測定試料と、被検物質と特異的に結合する第1の物質が結合又は吸着した磁性体含有粒子とを反応させて被検物質−磁性体含有粒子複合体を作製する工程1と、磁気により上記被検物質−磁性体含有粒子複合体と、液状測定試料とを分離する工程2と、上記被検物質−磁性体含有粒子複合体を測定妨害物質を含まない溶液に分散させて分散液を調製する工程3と、被検物質と特異的に結合する第2の物質が固定化された固定相と、上記分散液とを反応させる工程4と、上記分散液を反応させた固定相の磁性量を測定することにより、上記液状測定試料中における上記被検物質の量を算出する工程5とを有し、上記磁性体含有粒子は、有機高分子物質と、該有機高分子物質中に50〜80重量%の含有量で分散した磁性体とからなるものである免疫クロマト法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、被検物質の量を測定する前に、磁気を用いて、測定物質中の被検物質と、測定物質中の被検物質以外の物質とを分離することにより、標識された抗体を含む試薬が凝集してメンブレンを展開しないという問題や、メンブレンの抗体固定化部位に非特異的に試薬が捕捉されてしまうという問題が生じることなく簡便かつ高感度に被検物質の量を測定することができるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の生物学的測定方法は、まず、図1の(a)、(b)に示すように、被検物質を含む液状測定試料と、被検物質と特異的に結合する第1の物質が結合又は吸着した磁性体含有粒子とを反応させて被検物質−磁性体含有粒子複合体を作製する工程1を有する。
本発明の生物学的測定方法の測定対象となる被検物質としては、生物学的な反応をし得るものであれば特に限定されず、例えば、各種疾病や健康状態等の診断マーカー;農薬や環境ホルモン類等の環境関連物質;食品検査を目的とした化学物質等が挙げられる。なかでも、絨毛性ゴナドトロピン、C反応性タンパク質、黄体形成ホルモン、成長ホルモン、ガン胎児性抗原、αフェトプロテイン、濾胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)等の哺乳動物由来のペプチド又はタンパク質;サルモネラ菌、大腸菌、赤痢菌、結核菌等の微生物由来のタンパク質又は微生物菌体自体;HIVウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス等のウイルス由来のタンパク質又はウイルス粒子自体等のいわゆる抗原となる物質の検出に本発明の生物学的測定方法は好適に用いることができる。
本発明の生物学的測定方法の対象となる上記被検物質を含む液状測定試料としては特に限定されず、例えば、尿、血液、血漿、血清、唾液、乳、汗等の体液及びそれらの分画物等の生体由来の試料;井戸水、地下水、水道水、果汁等の天然由来の試料;土壌、汚泥等を水系媒体で抽出した抽出液;食料品、野菜、肉、卵等の粉砕物を水系媒体に懸濁した試料等が挙げられる。特に、血液、血漿、血清が挙げられる。
上記被検物質と特異的に結合する第1の物質としては、目的とする被検物質と生物学的に特異的に結合する物質であれば特に限定されず、例えば、被検物質が抗原である場合にはこれに対する抗体等が挙げられる。
上記抗体としては、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよく、キメラ抗体、Fab抗体、(Fab)抗体等の形態であってもよい。
上記被検物質を含む液状測定試料と、被検物質と特異的に結合する第1の物質が結合又は吸着した磁性体含有粒子とを反応させる方法としては特に限定されず、適当な溶媒に対して、被検物質と特異的に結合する第1の物質が結合又は吸着した磁性体含有粒子とを添加し、適当な温度条件の下で攪拌すればよい。
上記磁性体含有粒子は、本発明の生物学的測定方法において標識物質として機能するものである。
上記磁性体含有粒子としては特に限定されないが、有機高分子物質と、上記有機高分子物質中に分散した磁性体とからなるものであることが好ましい。
この場合、上記有機高分子物質は、磁性体含有粒子のマトリックスとしての役割を有する。上記有機高分子物質としては、スチレン系モノマーに由来するセグメントを有する共重合体であることが好ましい。スチレン系モノマーに由来するセグメントを有することにより、磁性体含有粒子の水系媒体中における分散性が向上する。
上記スチレン系モノマーとしては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、二官能性のジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのスチレン系モノマーは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記スチレン系モノマーに由来するセグメントの含有量の好ましい下限は60重量%である。60重量%未満であると、得られる磁性体含有粒子の水系媒体中での分散性が劣ることがある。
上記有機高分子物質は、スチレン系モノマーに由来するセグメントのほかに、反応性官能基を含有するビニルモノマーに由来するセグメントを有していてもよい。反応性官能基を含有するビニルモノマーに由来するセグメントを有することにより、該反応性官能基を介して抗原や抗体を容易に結合することができる。
上記反応性官能基を含有するビニルモノマーの反応性官能基としては、抗原や抗体等を共有結合により結合可能なものであれば特に限定されず、例えば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、トリエチルアンモニウム基、ジメチルアミノ基、スルホン酸基等が挙げられる。このような反応性官能基を含有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、グリシジル(メタ)アクリレート、トリエチルアンモニウム(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの反応性官能基を含有するビニルモノマーは単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記共重合体は、その他のビニルモノマーに由来するセグメントを有していてもよい。
その他のビニルモノマーとしては特に限定されず、例えば、塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。これら単量体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記共重合体は、架橋性モノマーに由来するセグメントを有していてもよいし、これらのセグメントにより架橋が施されていてもよい。
上記架橋性モノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体等が挙げられる。これら架橋性単量体は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記磁性体としては特に限定されないが、残留磁気がない超常磁性を有するものが好適である。残留磁気があると自己凝集しやすくなり、クロマト展開性が劣ることがある。
上記超常磁性を有する磁性体としては特に限定されず、例えば、四三酸化鉄(Fe)、γ−重三二酸化鉄(γ−Fe)等の各種フェライト類;鉄、マンガン、コバルト等の金属又はこれらの合金等が挙げられる。なかでもフェライト類が好適であり、なかでも四三酸化鉄(Fe)が好適である。
このような磁性体としては、Fe2+とFe3+とを1:2の割合で含む混合液を塩基性の溶液に滴下することでFeが得られる共沈反応法により調製したもの等を用いることができる。また、フェリコロイドHC−50(タイホー工業社製)、HX―20(シグマハイケミカル社製)等の市販品も用いることができる。
上記有機高分子物質中における磁性体の分散径の好ましい下限は1nm、好ましい上限は30nmである。1nm未満であると、磁性体の製造自体が困難であることに加え、磁性体の磁性応答特性が減少し、標識として用いたときの感度が低下することがある。30nmを超えると、残留磁気を生じやすくなり、自己凝集しやすくなることに加え、磁性体が磁性体含有粒子の表面に露出しやすくなることがある。より好ましい下限は5nm、より好ましい上限は20nmである。
上記磁性体含有粒子中における磁性体の含有量の好ましい下限は50重量%、好ましい上限は80重量%である。50重量%未満であると、磁性量が低く、極微量の測定対象成分を分析する際に検出が困難となることがあり、80重量%を超えると、自己凝集しやすくなったり、磁性体含有粒子全体の重量が大きくなり過ぎたりしてクロマト展開性が劣ることがある。より好ましい下限は60重量%、より好ましい上限は70重量%である。
上記磁性体含有粒子は、平均粒子径の好ましい下限が50nm、好ましい上限が500nmである。50nm未満であると、媒体中に懸濁させたときの分散安定性が悪くなって自己凝集しやすくなることがあり、500nmを超えると、クロマト担体の孔を通過しにくくなり、クロマト展開性が劣ることがある。より好ましい下限は100nm、より好ましい上限は400nmである。
上記磁性体含有粒子は、粒子径のCV値が50%未満であることが好ましい。50%以上であると、粒子径の大きい粒子がクロマト担体の孔を通過しにくくなり、クロマト担体中に残存することがある。
上記磁性体含有粒子は、上記有機高分子物質を構成する炭素元素と上記磁性体を構成する金属元素との構成比率の絶対偏差の好ましい上限が0.3である。
なお、本明細書において絶対偏差とは、上記有機高分子物質を構成する炭素元素と、磁性体を構成する金属元素の同期発光を測定し、粒子毎の炭素元素と金属元素との混在比率のバラツキから算出したその測定データの分散状態を示す偏差値であって、磁性体含有粒子の磁性体含有量のバラツキを示すパラメータである。上記絶対偏差の数値が小さいほど磁性体含有量のバラツキが小さく、即ち磁性体含有粒子の均一性が高く、大きいほど磁性体含有量のバラツキが大きい、すなわち磁性体含有粒子の均一性が低いことを示す。
上記絶対偏差が0.3を超えると、免疫測定法に利用した場合に、測定再現性や定量性が低くなり測定精度が悪化することがあり、得られる測定データの信頼性が低くなる。より好ましい上限は0.27、更に好ましい上限は0.25、特に好ましい上限は0.20である。
上記磁性体含有粒子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法、ミニエマルジョン重合法、分散重合法等を応用した方法が挙げられる。なかでも、粒子径の小さな粒子を容易に製造することができることから、ミニエマルジョン重合法を応用した方法が好適である。
本発明の生物学的測定方法は、磁気により前記被検物質−磁性体含有粒子複合体と、液状測定試料とを分離する工程2を有する。
これにより、磁性体含有粒子の凝集や非特異反応を引き起こす液状測定試料中に存在するタンパク質や脂質等の夾雑物質を除去することが可能となる。
上記磁気を用いた具体的な方法としては、例えば、図1の(c)、(d)、(e)に示すように、上記被検物質−磁性体含有粒子複合体を含有する溶液を入れた容器の底にフェライト磁石等を近づけて、上記被検物質−磁性体含有粒子複合体を沈殿させた状態で、溶液のみを除去する方法等が挙げられる。
本発明の生物学的測定方法は、図1の(e)、(f)に示すように、上記被検物質−磁性体含有粒子複合体を測定妨害物質を含まない溶液に分散させて分散液を調製する工程3を有する。
上記測定妨害物質とは、磁性体含有粒子の凝集や非特異反応を引き起こすタンパク質や脂質等の夾雑物質等を意味し、例えば、測定対象が血液の場合には、リューマチ因子や異種の免疫グロブリンに対する抗体等のタンパク質や、コレステロール等の脂質が挙げられる。
上記測定妨害物質を含まない溶液とは、上述したような物質を含まない溶液を意味し、例えば、通常の生物学的反応に使用されるような緩衝液、水等が挙げられる。また、これらの溶液には、必要に応じて、特異的な反応に必要なウシ血清アルブミン等のタンパク質や、界面活性剤等を含有させてもよい。
具体的には、例えば、0.1%ウシ血清アルブミンと、0.01%トリトンX−100と、0.9%塩化ナトリウムとを含む0.1Mリン酸緩衝液等が挙げられる。
本発明の生物学的測定方法は、図1の(f)、(g)に示すように、被検物質と特異的に結合する第2の物質が固定化された固定相と、上記分散液とを反応させる工程4を有する。
上記被検物質と特異的に結合する第2の物質としては、目的とする被検物質と生物学的に特異的に結合する物質であり、被検物質と特異的に結合する第1の物質とエピトープが異なるものであれば特に限定されず、例えば、被検物質が抗原である場合にはこれに対する抗体等が挙げられる。上記抗体としては、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよく、キメラ抗体、Fab抗体、(Fab)抗体等の形態であってもよい。
上記固定相としては特に限定されず、例えば、マイクロプレート、免疫クロマト法のメンブレン、マイクロ流路を有するチップ等が挙げられる。なかでも、免疫クロマト法のメンブレンが好適に用いられる。
上記被検物質と特異的に結合する第2の物質を固定相に固定化する方法としては特に限定されず、例えば、免疫クロマト法の試験片を作製する際に通常行われる方法等が挙げられ、具体的には、多孔質の担体に捕捉物質が固定化された固定相に、試料導入材料や吸収材料等が組み合わされた試験片等を用いることができる。
上記試験片の形態としては特に限定されず、例えば、ラテラルフロータイプ、フロースルータイプ等が挙げられる。
上記多孔質の担体としては、移動相を適度な速度で展開することができるものであれば特に限定されず、例えば、メンブランフィルターや、ニトロセルロース、ガラス濾紙等の多孔質体が挙げられる。本発明では、移動相を展開した後に、磁性量を測定するため、非磁性材料からなる担体を用いることが好ましい。
上記試料導入材料は、移動相の展開速度や展開量等を制御することを目的として用いられるものであり、移動相を適度な速度で展開することができるものであれば特に限定されず、例えば、メンブランフィルターや、ニトロセルロース、ガラス濾紙等の多孔質体が挙げられる。
上記吸水材料は、過剰の試料を迅速に吸収することを目的として用いられるものであり、毛細管現象により、多孔質の担体を展開した測定試料液を吸収するものであれば特に限定されず、例えば、セルロースやコットン等の吸水性材料が挙げられる。
本発明の生物学的測定方法は、上記分散液と反応した固定相の磁性量を測定することにより、上記測定試料中における上記被検物質の量を算出する工程5を有する。
上記磁性量を測定する方法としては特に限定されず、例えば、ホールセンサーやGMRセンサ等の磁気センサを用いる方法や磁気緩和測定を利用する方法等が挙げられる。このようにして測定した磁性量の計測結果をもとに、予め作成した検量線から被検物質量を求めることができる。
本発明の生物学的測定方法は、抗体を含む試薬と、測定試薬とを反応させ、測定試薬中に含まれる抗原と標識抗体とを結合させ、これをもう1つの抗体が固定化されたクロマト担体に流すことにより、クロマト担体中で抗原を捕捉し、捕捉された抗原の標識をもとに分析するという免疫クロマト法として特に好適である。
本発明によれば、簡便かつ高感度な生物学的測定方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)抗α−hCGモノクローナル抗体結合磁性体含有粒子の作製
磁性体含有粒子(ポリスチレン系、磁性体含有量60%、平均粒子径0.3μm、積水化学社製)5.0mgに、0.02Mリン酸バッファー1.0mLを添加し、超音波で再分散後、15000RPMにて20分間遠心分離し、上清を除去した。この遠心洗浄操作を3回繰り返した。
続いて、得られた磁性体含有粒子に、0.02Mリン酸バッファー1.0mLを添加し、抗α−hCGモノクローナル抗体100μg加え、37℃恒温槽中で2時間攪拌した。その後、15000RPMにて20分間遠心分離を行い、未反応の抗α−hCGモノクローナル抗体を除去した。なお、粒子への抗α−hCGモノクローナル抗体結合量は、上清の蛋白濃度測定から仕込みの72%であることを確認した。
得られた磁性体含有粒子を100mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mLに懸濁させ、再度遠心分離を行った。その後、磁性体含有粒子を、牛血清アルブミンが1%(w/v)濃度になるように調整した100mMリン酸緩衝液(pH6.5)1mLに懸濁させ、37℃恒温槽で1時間撹拌し、ブロッキング処理を行った。次いで、15000RPMにて20分間遠心分離を行い、牛血清アルブミン及びグリセロールを各々1%(w/v)、アジ化ナトリウムを0.01%(w/v)濃度になるように調整した100mMリン酸緩衝液(pH7.5)1mLに分散させ、免疫測定用粒子(抗α−hCGモノクローナル抗体結合磁性体含有粒子)を得た。
(2)固定相の作製
ニトロセルロースメンブレン(SRHF P70、日本ミリポア社製)を幅20cm×長さ6cmに裁断し、その長さ方向上端より2cmの部位(反応部位)に、抗β−hCGモノクローナル抗体を2.0mg/mLの濃度になるようにトリス塩酸緩衝液(10mmol/L、pH7.4)に溶解した溶液を幅0.7mmの直線状に塗布した。その後、37℃で2時間乾燥した後、牛血清アルブミン(和光純薬社製)を1重量%の濃度になるようにリン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解した溶液に1時間浸漬し、ブロッキング処理を行った。さらにその後、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.1重量%の濃度になるようにリン酸緩衝液(100mmol/L、pH7.5)に溶解した溶液にて洗浄後、シリカゲルデシケーター内で室温下にて乾燥し、抗β−hCGモノクローナル抗体を固定化した試験片を得た。
得られた試験片を幅5mmに裁断し、長さ方向上端に幅5mm×長さ20mmの吸水パッド(AP22、日本ミリポア社製)を、下端に幅5mm×長さ15mmのコンジュゲートパッド(グラスファイバー、日本ミリポア社製)を重ね、透明なテープで固定して試験片とした。
(3)測定試料用溶液の調製
hCG濃度が0mIU/mL、5mIU/mL、50mIU/mL、100mIU/mLになるよう血漿中に混合することにより各測定試料用溶液を調製した。
(4)磁性量の測定
各測定試料用溶液200μLに免疫測定用粒子10μgを添加し、10分間混合した。次いで、容器の底にフェライト磁石を近づけて、免疫測定用粒子を集めた状態で、反応液を除去した。続いて、牛血清アルブミンが1%(w/v)濃度、トリトン−Xを0.01%(w/v)の濃度になるように調整した50mMリン酸緩衝液(pH7.2)200μLを添加し、再分散させ、作製した試験片のコンジュゲートパッドに100μLをそれぞれ滴下した。
滴下から20分経過後、市販のGMRセンサ(差動磁界センサ、NVE社製)を用いて、試験片の反応部位の磁性量を測定した。
測定結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1と同様にして抗α−hCGモノクローナル抗体結合磁性体含有粒子、固定相及び試験液を作製し、各試験液200μLに免疫測定用粒子10μgを添加し、10分間混合した後、作製した試験片のコンジュゲートパッドに100μLをそれぞれ滴下した。
滴下から20分経過後、市販のGMRセンサ(差動磁界センサ、NVE社製)を用いて、試験片の反応部位の磁性量を測定した。
測定結果を表1に示した。
表1より、実施例1の方法は、低濃度のhCGが検出可能であり、かつ、検出された磁性量はhCG濃度に依存していることが確認された。
一方、磁石による分離を行わなかった比較例1では、試験片への免疫測定用粒子の残留があり、また、試験液0mIU/mLにおいて抗体固定化部への非特異吸着(磁性量の検出)が認められ、実施例1に比べ、検出感度、精度が低い結果となった。
本発明によれば、簡便かつ高感度な生物学的測定方法を提供することができる。
本発明の生物学的測定方法の一例を模式的に示した図である。
符号の説明
1 被検物質
2 被検物質と特異的に結合する第1の物質
3 磁性体含有粒子
4 被検物質−磁性体含有粒子複合体
5 磁気
6 測定妨害物質を含まない溶液
7 被検物質と特異的に結合する第2の物質
8 固定相

Claims (1)

  1. 被検物質を含む液状測定試料と、被検物質と特異的に結合する第1の物質が結合又は吸着した磁性体含有粒子とを反応させて被検物質−磁性体含有粒子複合体を作製する工程1と、
    磁気により前記被検物質−磁性体含有粒子複合体と、液状測定試料とを分離する工程2と、
    前記被検物質−磁性体含有粒子複合体を測定妨害物質を含まない溶液に分散させて分散液を調製する工程3と、
    被検物質と特異的に結合する第2の物質が固定化された固定相と、前記分散液とを反応させる工程4と、
    前記分散液を反応させた固定相の磁性量を測定することにより、前記液状測定試料中における前記被検物質の量を算出する工程5とを有し、
    前記磁性体含有粒子は、有機高分子物質と、該有機高分子物質中に50〜80重量%の含有量で分散した磁性体とからなるものである
    ことを特徴とする免疫クロマト法
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