JP2009020097A - 生化学的分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】超高感度で、迅速性・正確性を有する生化学的分析方法を提供する。
【解決手段】標的物質を含有する溶液中に磁気微粒子を添加することにより、磁気微粒子に固定化された第一の検出用物質と標的物質を結合させると共に、磁気微粒子同士を凝集させて溶液中に凝集体を形成する。次に、凝集体を構成する磁気微粒子に結合した標的物質と、磁気センサ層上の第二の検出用物質を結合させることにより磁気センサ層の表面に前記凝集体を固定化させ、この凝集体の漏れ磁界を磁気センサにより測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気微粒子を用いて試料中の標的物質を固定化し、更にこれを磁気的に測定する生化学的分析方法に関するものであり、特に、特異的な化学結合を利用した生化学的分析方法に関する。
磁気微粒子を利用した技術は、バイオテクノロジーのいくつかの分野で貴重なツールとして利用されている。これらの技術の利点は、選択的な標的認識能力を持つ種々の生体分子(例えば、タンパク質及びDNA)に磁気微粒子を化学的に付着又は結合させる生化学反応プロセスにより、磁気微粒子−生体分子の複合体が得られる点である。この複合体の分離は、複合体を磁場によって選択的に捕捉した後、不要な不純物を除去することによって行うことができる。また、これ以外にも、磁場によって複合体を所定の空間内に閉じ込めるか、又は複合体の凝集体を形成するなど、他の方法によっても行うことができる。
このような生体分子の特異的な結合を利用して、標的物質である生体分子を微粒子で標識して検出する方法には、以下の3つの方法がある。
(1)微粒子の凝集体を光学的に検出する方法。
(2)磁気微粒子の凝集体を光学的に検出する方法。
(3)磁気微粒子を磁気的に検出する方法。
これらの検出方法の応用用途としては、微量な血液などの被検査試料(サンプル)を用いた医療検査、在宅医療、予防医療など幅広い医療検査がある。このため、これらの検出方法は幅広い分野への市場展開が期待されている。そこで、この検出方法を用いるデバイスには、超高感度、迅速検査、装置のコンパクトさなどの性能が要求されている。
以下、上記(1)〜(3)の検出方法について更に、詳細に説明する。
(1)微粒子の凝集体を光学的に検出する方法
臨床分野において、溶液中で凝集した凝集体を光学的に検出する従来例としては、(a)免疫比濁法が良く知られている。しかしながら、この免疫比濁法では吸光度と標的物質の濃度との間に直線的な比例関係が成り立たず、検量線は非直線的な検量線になることが知られている。そこで、免疫比濁法では検量線として幾つかのパラメータをもつ関数を仮定し、そのパラメータをあらかじめ実験的に求めている。そして、実験的に求めた検量線に、実際に測定した吸光度を適用することにより、標的物質の濃度を測定している(絶対検量線法)。
また、免疫比濁法よりも感度の良い測定方法として、(b)ラテックス免疫凝集反応による測定方法(以下、「LIA」と記載する)がある。このLIAでは、ポリスチレン微粒子(粒径0.05〜1μm程度)などのラテックス表面に測定したい標的物質(抗原)に対する抗体を吸着させたラテックス試薬を用いる。そして、試料中にこの抗体と反応する抗原が存在したときには、抗原抗体反応によりラテックスが凝集する現象を利用して抗原濃度を測定するものである。このLIAは、ラテックスの凝集を利用することにより、免疫比濁法に比べて検出感度を10〜100倍に上げることができるため、免疫比濁法よりも微量成分の測定に適した測定方法である。
上記のように(a)免疫比濁法の感度が低い理由は、免疫比濁法で生じる抗原抗体反応の凝集物は非常に小さく、抗原量の少ない低濃度領域では凝集体を光学的に検出するのが難しいためである。一方、(b)LIAの感度が高い理由は、μmクラスの比較的、大きなラテックス粒子に抗体を結合させ凝集させるため、抗原抗体反応が見かけ上、ラテックスの凝集という大きな形で現れるためである。すなわち、このLIAでは、抗原が固定化されたラテックスは大きな凝集体として現れ、わずかな凝集塊の変化も光学的に捉えられることによる。
(2)磁気微粒子の凝集体を光学的に検出する方法
一方、特許文献1(特開平5−240859号公報)には、上記とは異なった方法により磁気微粒子の分散状態を光学的に検出する方法が提案されている。図2(b)に、特許文献1の方法による標的物質の測定手順のフロー図を示す。図2(b)に示されるように、この方法ではまず、検体と、測定しようとする抗原に特異的に結合する二次抗体を結合させた磁気微粒子とを反応させる。この後、測定しようとする抗原が結合した磁気微粒子を、磁力により容器内で強制凝集させて高濃度化を行う。次に、このようにして高濃度化した磁気微粒子を磁力による強制凝集状態から開放し、開放された磁気微粒子の分散状態の濁度、吸光度を光学的に測定するものである。
この方法では、磁気微粒子を使用しているため、磁界の作用によって、磁気微粒子と標的物質の反応効率を向上させることが可能である。この結果、検出信号の強度が大きくなり、低濃度の標的物質の検出を可能とする。
(3)磁気微粒子を磁気的に検出する方法
また、非特許文献1(Biosensors and Bioelectronics、2004年、第19巻、1149−1156ページ)には、GMRセンサ(磁気センサ)を有する基板上に、磁気微粒子を固定化させ、これを磁気的に検出する方法が開示されている。図2(a)に、非特許文献1の方法による標的物質の測定手順のフロー図を示す。図2(a)に示されるように、この非特許文献1に記載の方法では、第一段階として、GMRセンサ上に形成されたポリマー上にプローブDNA(一次抗体)を形成する。次に、第二段階として、ビオチンで標識化された分析用DNA(標的物質)を、プローブDNAとの相補的反応によりハイブリダイゼーションさせて、基板上に固定化する。更に、第三段階として、ストレプトアビジン(二次抗体)がコーティングされた磁気微粒子を導入すると、アビジン−ビオチン特異反応により、磁気微粒子がGMRセンサ上に固定化される。この後、洗浄して余分なDNAを除去し、磁気微粒子の漏れ磁界をGMRセンサで検出することにより測定を行う。
なお、このGMRセンサは、二層の磁性層の間に非磁性層が挟まれたサンドイッチ構造を基本構成としている。そして、二層の磁性層の磁化の相対的な方向(平行/反平行)で外部磁界を検出するようになっている。すなわち、このGMRセンサでは、一般的に外部磁界の検出は磁性層の磁化が反転するか、又はしないかで信号検出を行うようになっている。
図3(a)〜(c)は、この非特許文献1に記載の方法を、より詳細に示したものである。まず、図3(a)に示すように、Auやポリマーが上部表面上に形成されたGMRセンサに一次抗体を固定化する。次に、図3(b)に示すように、標的物質である抗原の入った溶液をGMRセンサの形成された容器に入れると、抗原は一次抗体に衝突したときに抗原抗体反応による特異結合で一次抗体に固定化される。なお、この反応は、基板上の一次抗体と溶液中の抗原との反応である固相−液相間の反応である。
次に、図3(c)に示すように、二次抗体が表面にコーティングされた磁気微粒子を溶液中に添加する。すると、ブラウン運動などの拡散運動により、磁気微粒子が、GMRセンサ上に固定化された一次抗体と特異的に結合した抗原に衝突する。この時、抗原の未反応の官能部位が、磁気微粒子表面の二次抗体と特異的に結合し、GMRセンサ上に磁気微粒子が固定化される。なお、この反応は、基板上の抗原と溶液中の磁気微粒子との反応である固相−液相間の反応である。この方法では、磁気微粒子は抗原の存在するエリアにしか固定化されないので、この磁気微粒子の漏れ磁界をGMRセンサにて検知することにより抗原の量を定量できる。
このGMRセンサのような基板上に形成した磁気センサは、以下のような利点を有する。
・固定化された磁気微粒子と、磁気センサの距離が非常に近接しているため、その漏れ磁界を超高感度で検出できる。
・微細加工プロセスを用いて、一次抗体を固定化した磁気センサをアレイ化することが可能であり、異なる被検出物質を同時測定(多項目測定)できる。
・センサモジュールをコンパクト化できる。
また、GMRセンサ以外の、基板上に形成できる高感度センサとしては、TMRセンサ、ホールセンサ等がある。更に、基板上に形成できるプロセスが確立されれば、SQUID,AMRセンサ、磁気インピーダンスセンサ、フラックスゲートセンサなども適用可能である。
特開平5−240859号公報 Biosensors and Bioelectronics、2004年、第19巻、1149−1156ページ
しかしながら、上記(1)LIA、(2)磁気微粒子の凝集体を光学的に検出する方法や、(3)磁気微粒子を磁気的に検出する方法は以下のような問題を有していた。
(1)LIA
LIAでは、標的物質の特異的結合によるラテックス粒子の凝集反応以外に、ラテックス粒子の非特異的な結合による凝集現象も生じていた。標的物質の特異的な結合による凝集物と非特異的な結合による凝集物の判別は困難である。更に、吸光度などの光学的検出は、検体溶液全体に渡って測定物理量の変化が生じる必要がある。上記の理由から、標的物質の含有量が少ない検体では、測定が極めて困難である。
また、LIAにおける光学検出方法は、凝集体の生成に伴う検体溶液の光学的変化(例えば吸光度)を測定しており、標的物質の種類を判別することは困難である。したがって、本測定方法は、1種類の標的物質の検出にのみ用いることが可能である。更に、光学検出方法で使用する光源、受光器は一般に装置が大きく、特に高感度を目的としてパーティクルカウンタ等を用いると、装置が巨大となり、装置のコンパクト化が困難であった。
(2)磁気微粒子の凝集体を光学的に検出する方法
図4(b)に、磁気微粒子の凝集体を光学的に検出する方法の測定手順のフロー図を示す。図4(b)に示されるように、この方法ではまず、測定しようとする標的物質と、標的物質に特異的に結合する二次抗体を固定化させた磁気微粒子とを反応させる。この後、標的物質が結合した磁気微粒子を、磁力により容器内で強制凝集させて高濃度化を行う。次に、このようにして高濃度化した磁気微粒子を磁力による強制凝集状態から開放し、開放された磁気微粒子の分散状態の濁度、吸光度を光学的に測定するものである。
この方法では、外部磁界を用いて試料溶液内で磁気微粒子を攪拌することが可能となり、磁気微粒子同士の凝集反応の反応効率を向上させることができる。
しかしながら、上記(1)の方法と同様、この方法も光学的に微粒子の凝集体を測定するものであるため、検体溶液全体に渡る測定物理量の変化が必要であり、かつ、複数種の標的物質を定量的に測定することが困難であった。更に、光学測定に必要な装置が大きくなってしまい、装置のコンパクト化が困難であった。
(3)磁気微粒子を磁気的に検出する方法
次に、磁気微粒子を磁気的に検出する方法の測定手順のフロー図を図4(a)に示す。図4(a)に示されるように、この方法ではまず、磁気センサ表面に固定化された検出用物質(一次抗体)に検体(標的物質)を特異的に結合させる。次に、この一次抗体に特異的に結合した標的物質に、検出用物質(二次抗体)を介して、磁気微粒子を固定化させる。そして、最終的に磁気センサ上に固定化された磁気微粒子を磁気センサによって測定するものである。
この方法は、いわゆるサンドイッチ法であり、分散性の高い磁気微粒子を用いている。このため、一次抗体に特異的に結合せず基板上に固定化されていない磁気微粒子は後に除去され、磁気センサにより検出されることはほとんどない。また、磁気微粒子は磁気センサと非常に近い距離となるように基板上に固定化されるため、低ノイズで超高感度なバイオセンサが構築できる。
しかしながら、この方法では、光学検出法とは異なり、以下の通り、固相と液相との間で特異的な結合反応が起こっている。
・磁気センサ表面の一次抗体(固相)と標的物質(液相)との反応
・磁気センサ表面の一次抗体に結合した標的物質(固相)と溶液中の磁気微粒子表面の二次抗体(液相)との反応。
また、この特異的な結合反応は、固定化された固相側の分子と、溶液中をランダムに動き回る液相側の分子との衝突により形成されるため、液相−液相反応に比べて、分子の衝突確率(反応速度)は著しく低くなる。その結果、センサ表面上に固相化される磁気微粒子数が飽和に達するまでに、著しく時間を要する。
また、反応時間を短くするために、検体溶液中に分散した磁気微粒子を磁力を用いてセンサ表面上に集める方法を用いることができる。この方法を用いると、センサ表面上に標的物質が存在していれば、これに磁気微粒子が固定される。更に、センサ表面上に固定されない磁気微粒子は、磁界印加を止めた後に洗浄することで、センサ表面上から除去できる。しかし、静磁結合による磁気微粒子の非特異的な凝集を避けるには、大きな磁化を有する磁気微粒子の使用は避けなければならず、このために、磁界による反応の短時間化は不十分であった。
そこで、本発明者は上記(1)〜(3)の検出方法の問題点を鋭意、検討した。この結果、磁気微粒子表面に固定化した第一の検出用物質と標的物質の反応、及び磁気微粒子に結合させた標的物質と第二の検出用物質との反応、を液相−液相反応により特異的に結合させれば良いことを発見した。また、この磁気微粒子同士を凝集させた後、磁力によって磁気微粒子の凝集体をセンサ表面上に集め、その後、この凝集体を磁気的方法によって測定すれば良いことを発見した。すなわち、本発明では、このような手順で分析を行うことにより、超高感度で、迅速性・正確性を有する生化学的分析方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
1.(1)標的物質と結合可能な第一の検出用物質が表面に固定化された磁気微粒子を準備する工程と、
(2)前記標的物質と結合可能な第二の検出用物質が表面に固定化された磁気センサ層を準備する工程と、
(3)前記標的物質を含有する溶液中に前記磁気微粒子を添加することにより、前記第一の検出用物質と標的物質を結合させると共に、前記磁気微粒子同士を凝集させて溶液中に磁気微粒子の凝集体を形成する工程と、
(4)前記磁気センサ層上に、前記磁気微粒子の凝集体を含有する溶液を導入する工程と、
(5)前記磁気微粒子の凝集体を含有する溶液に対して前記磁気センサ層の表面に垂直な方向に磁気勾配を有する磁界を作用させ、前記凝集体を構成する磁気微粒子に結合した標的物質と前記第二の検出用物質を結合させることにより前記磁気センサ層の表面に前記磁気微粒子の凝集体を固定化させる工程と、
(6)前記磁気センサ層を構成する磁気センサにより、前記工程(5)で固定化した前記磁気微粒子の凝集体の漏れ磁界を測定することによって、前記標的物質を検出する工程と、
を有する生化学的分析方法。
2.前記工程(3)において、
前記磁気微粒子及び標的物質を含有する溶液に、磁気勾配を有し前記磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させることにより、前記磁気微粒子同士を凝集させて溶液中に磁気微粒子の凝集体を形成することを特徴とする上記1に記載の生化学的分析方法。
3.前記工程(3)は、
前記磁気微粒子及び標的物質を含有する溶液に、磁気勾配を有し前記磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させることにより、前記第一の検出用物質と標的物質を結合させる第一の工程と、
前記第一の工程よりも大きな強度を有し、かつ磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させることにより、前記磁気微粒子同士を凝集させて溶液中に磁気微粒子の凝集体を形成する第二の工程と、
を有することを特徴とする上記1に記載の生化学的分析方法。
4.前記磁気センサ層を構成する磁気センサは、ホールセンサ又は磁気抵抗効果型センサであることを特徴とする上記1又は2に記載の生化学的分析方法。
本発明の生化学的分析方法では、磁気微粒子表面に固定化した第一の検出用物質と標的物質を、反応効率の高い溶液内反応(液相−液相反応)により特異的に結合させ、更にこの磁気微粒子同士を凝集させて凝集体とする。また、この磁気微粒子の凝集体を、磁気微粒子表面に結合した標的物質と、磁気センサ層表面に固定化した第二の検出用物質との結合反応により固定化させた後、磁気センサを用いて検出する。このため、分析系への標的物質、磁気微粒子の導入から、信号検出までのプロセス時間を短縮することができる。また、超高感度で、迅速性・正確性を有する生化学分析を行うことが可能になると共に、本発明の生化学的分析方法を用いる生化学分析装置のコンパクト化を図ることができる。
生化学的分析方法
本発明の生化学的分析方法は、以下の工程を有する。
(1)標的物質と結合可能な第一の検出用物質が表面に固定化された磁気微粒子を準備する工程。
(2)標的物質と結合可能な第二の検出用物質が表面に固定化された磁気センサ層を準備する工程。
(3)標的物質を含有する溶液中に磁気微粒子を添加することにより、第一の検出用物質と標的物質を結合させると共に、磁気微粒子同士を凝集させて溶液中に磁気微粒子の凝集体を形成する工程。
(4)磁気センサ層上に、磁気微粒子の凝集体を含有する溶液を導入する工程。
(5)磁気微粒子の凝集体を含有する溶液に対して磁気センサ層の表面に垂直な方向に磁気勾配を有する磁界を作用させ、凝集体を構成する磁気微粒子に結合した標的物質と第二の検出用物質を結合させることにより磁気センサ層の表面に磁気微粒子の凝集体を固定化させる工程。
(6)磁気センサ層を構成する磁気センサにより、工程(5)で固定化した磁気微粒子の凝集体の漏れ磁界を測定することによって、標的物質を検出する工程。
本発明では、まず、工程(1)において、標的物質と結合可能な第一の検出用物質が表面に固定化された磁気微粒子を準備する。
次に、工程(2)において、標的物質と結合可能な第二の検出用物質が表面に固定化された磁気センサ層を準備する。この磁気センサ層としては、例えば、容器の内壁の全部又は一部が磁気センサ層となっており、その磁気センサ層の内壁側に第二の検出用物質が面したものを挙げることができる。
ここで、第一の検出用物質と第二の検出用物質とは、標的物質に結合可能なものであれば、同じものであっても異なるものであっても良い。標的物質と安定した結合を形成するためには、第一の検出用物質と第二の検出用物質とは同じものであるのが良い。また、本発明の方法で複数種の標的物質を分析する場合は、第一の検出用物質、第二の検出用物質として、それぞれ複数種のものを用いても良い。
本発明では次に、工程(3)において、溶液中で、磁気微粒子の表面に固定化された第一の検出用物質を標的物質と特異的に結合させる。この反応は液相−液相反応であるため、両分子(磁気微粒子に固定された第一の検出用物質と標的物質)の衝突確率が高く、この結果、反応効率を高くすることができる。
この工程(3)では、(a)磁気微粒子の表面に固定化された第一の検出用物質と標的物質の結合反応を行わせると共に、(b)磁気微粒子同士を凝集させて磁気微粒子の凝集体を形成する。なお、上記(a)、(b)の反応は同時に起こっても、(a)の反応が起こった後に(b)の反応が起こっても良い。(a)、(b)の反応をそれぞれ効率的に行わせるために、好ましくは(a)の反応が起こった後に(b)の反応が起こるようにするのが良い。
また、(b)の反応において、この磁気微粒子同士の凝集は、磁気微粒子同士の標的物質を介した結合によって達成される。このように磁気微粒子の凝集体を形成することによって、比較的大きな磁化を有し、磁界の印加によって移動が容易な測定対象物質を実現することが可能である。
次に、工程(4)では、磁気センサ層上に、磁気微粒子の凝集体を含有する溶液を導入する。ここで、「導入する」とは、磁気センサ層表面(第二の検出用物質)と、磁気微粒子の凝集体を含有する溶液とが接触するような状態にすることである。例えば、上記例では、内壁の全部又は一部が磁気センサ層となった容器内に、工程(3)で得た磁気微粒子の凝集体を含有する溶液を注入することによって、磁気センサ層表面(第二の検出用物質)と溶液を接触させることができる。
また、これ以外にも、予め磁気センサ層表面(第二の検出用物質)と標的物質を含有する溶液とを接触する状態にした後、溶液中に磁気微粒子を添加して凝集体を生じさせた場合であっても上記「導入する」に該当するものとする。この場合、工程(3)と(4)が一括して行なわれることとなる。
すなわち、本明細書中では、磁気センサ層上で工程(3)の凝集反応を生じさせるか、又は、磁気センサ層上に凝集体を含有する溶液を注入することにより、磁気センサ層の表面と凝集体が接触可能な状態とすることを「導入する」とする。
次に、工程(5)では、磁気微粒子の凝集体を含有する溶液に対して磁気センサ層の表面に垂直な方向に磁気勾配を有する磁界を作用させる。これによって、溶液内で磁気を有する磁気微粒子の凝集体を磁気センサ層側に効率的に移動させることができる。すなわち、このような磁界を作用させない場合、溶液内の磁気微粒子の凝集体の移動は濃度勾配に基づく拡散およびブラウン運動による拡散のみとなるが、この拡散速度は遅く、効率的な反応を行わせることが困難となる。これに対して、本発明のように溶液中に磁界を作用させると、この磁界により磁気微粒子に磁力が働き、効率的に磁気微粒子をセンサ層側に移動させることができる。
更に、このように磁気センサ層側に移動させた凝集体を構成する磁気微粒子に結合した標的物質と、第二の検出用物質を結合させることにより、磁気センサ層の表面に凝集体を固定化させる。すなわち、凝集体と磁気センサ層とは、第一の検出用物質−標的物質−第二の検出用物質の結合を介して結合されている。なお、この固定化の際の反応は抗原抗体反応に限定されるものではないが、磁気微粒子表面の第一の検出用物質に結合した標的物質と、磁気センサ層上の第二の検出用物質との間で結合が生じる化学反応である必要がある。
この後、工程(6)では、磁気センサ層を構成する磁気センサにより、工程(5)で固定化した凝集体の漏れ磁界を測定する。これによって、基板上に固定化した標的物質を定量検出する。なお、多種類の標的物質を検出する場合には、各標的物質に特異的に結合可能な複数の第一の検出用物質及び複数の第二の検出用物質を使用して、本発明の方法を適用することが好ましい。これにより、どの種類の第二の検出用物質に対して、対応する標的物質を有する磁気微粒子が固定化されたか、又は固定化されなかったかを、各第二の検出用物質下の磁気センサによって、それぞれ個別に分析することができる。
次に、磁気センサとしてGMRセンサを使用した場合を例にとって、磁気センサによる漏れ磁界の測定原理を説明する。このGMRセンサは、二層の磁性層の間に非磁性層が挟まれたサンドイッチ構造を基本構成としており、一つの磁性層内に複数の磁気センサが設けられている。そして、二層の磁性層の磁化の相対的な方向(平行/反平行)で外部磁界を検出するようになっている。すなわち、表面に凝集体が固定化されたGMRセンサは、この凝集体の磁界の影響により、GMRセンサを構成する磁性層の磁化が反転する。これに対して、表面に凝集体が固定化されていないGMRセンサは、GMRセンサを構成する磁性層の磁化が反転していない。そして、全ての磁気センサに対して、この磁化の方向の変化の割合を、磁気抵抗効果曲線として検出する。このようにして得られた磁気抵抗効果曲線を、予め表面に凝集体が固定化されていないGMRセンサの磁気抵抗効果曲線をレファレンスとして比較することにより、この磁気抵抗効果曲線の変化量を測定することができる。そして、この変化量の測定により、定量的に標的物質を測定することができる。
GMRセンサは磁気センサとして、以下のような利点を有している。
・固定化された磁気微粒子と、磁気センサの距離が非常に近接しているため、その漏れ磁界を超高感度で検出できる。
・微細加工プロセスを用いて、一次抗体を固定化した磁気センサをアレイ化することが可能であり、異なる被検出物質を同時測定(多項目測定)できる。
・センサモジュールをコンパクト化できる。
以下に、抗原抗体反応を例にして、本発明の生化学的分析方法の一例を詳細に説明する。
まず、第二の検出用物質である一次抗体を表面にコーティングした(固定化された)磁気センサ層を基板上に形成する(工程(2))。次に、磁気微粒子の表面に、2次抗体(第一の検出用物質)をコーティング(固定化)する(工程(1))。さらに、標的物質である抗原が入った溶液中に、2次抗体がコーティングされた磁気微粒子を混入させる。この際、磁気微粒子表面の2次抗体は特異的に標的物質と結合反応を起こし、磁気微粒子表面に標的物質が固定化される。なお、このとき、磁気微粒子は超常磁性特性を持ち、外部磁界に応じて適当な磁化を有するような特性を有することが好ましい。
次いで、溶液に対して磁界を作用させることにより、磁気微粒子が凝集した凝集体を形成する(工程(3))。次に、磁気センサ層上に、磁気微粒子の凝集体を含有する溶液を導入する(工程(4))。この後、凝集体を含有する溶液に対して、磁気センサ層の表面に垂直な方向に磁気勾配を有する磁界を作用させることにより、磁気微粒子を磁気センサ層側に引き寄せる。そして、磁気微粒子表面に固定化させた標的物質を介して、磁気微粒子を磁気センサ層の表面の一次抗体に固定化させる(工程(5))。次に、磁気センサ層を構成する磁気センサによって、磁気センサ層表面に固定化した磁気微粒子の漏れ磁界を検出することにより、標的物質の定量検出を行うことができる(工程(6))。なお、標的物質の微量定量分析を行う場合は、絶対検量線法を用いることが好ましい。
(作用効果)
以下に、従来の分析方法と比較した本発明の効果を説明する。
ここで、図4(a)は、GMRセンサを用いた磁気微粒子の検出方法((3)磁気微粒子を磁気的に検出する方法)による標的物質の測定手順のフロー図を示す。図4(b)は、磁気微粒子を用いた光学検出方法((2)磁気微粒子の凝集体を光学的に検出する方法)による標的物質の測定手順のフロー図を示す。また、図4(c)は、本発明の検出方法による標的物質の測定手順のフロー図を示す。図4(a)から図4(c)に示した各検出方法について、以下の通り(i)感度、(ii)迅速性、(iii)装置のコンパクト性を評価する。
(i)感度
上記(1)および(2)の検出方法は、検体溶液の吸光度などの光学的特性によって検出を行うことから、検体溶液全体に及ぶ光学的特性変化を必要とする。検出感度は、標的物質の種類によって異なるが、例えば、IgGを標的物質とした場合には、(1)および(2)の検出方法では、数μg/mL〜数十mg/mLの感度が得られる。これに対して、上記(3)の検出方法と本発明の検出方法では、検体溶液全体に及ぶ変化は必要とせず、センサ上に1個から数個の磁気微粒子が固定化されると検出可能であることから、高い感度を得ることができる。
(ii)迅速性
迅速性については、上記(1)〜(3)の方法のうち、(3)液相−液相反応が主反応となる上記(2)の光学検出法が最も早く測定を行うことができる。そこで、上記(2)の方法と本発明の方法を比較すると、本発明の検出方法は、標的物質を固定化した磁気微粒子の凝集体を形成する工程と、この凝集体を磁気センサ層上に固定化する工程の、二段階の工程を行っている。このため、工程数が多くなる。しかし、二段階目の凝集体を固定化させる反応は、高い反応速度で行う(反応時間を短くする)ことができる。また、磁気センサによる測定も高速応答であるため、光学測定の測定と比較して、測定時間を著しく短くすることができる。この結果、全体として、本発明の分析方法は、分析時間が上記(2)の光学検出法とほとんど変わらない程の迅速性を有することができる。
(iii)装置のコンパクト性
装置のコンパクト性については、半導体リソグラフィプロセスを適用して微細化が可能な上記(3)の磁気検出法、及び本発明の検出方法が優れている。
以上より、(i)感度、(ii)迅速性、及び(iii)装置のコンパクト性を同時に満たす分析方法は、本発明の分析方法のみであることが分かる。また、本発明の方法では、単に磁気微粒子の凝集反応による大粒子化と、高感度な磁気センサの効果を足し合わせた効果が得られるのではなく、これらの相乗効果により単に足し合わせた以上の顕著な効果が得られることが分かる。
なお、本発明の工程(3)では、磁気微粒子同士が衝突しても、互いの磁化で静磁結合が生じない程度の弱い磁界を作用させ、磁気微粒子を攪拌させることで、磁気微粒子の凝集が生じることなく磁気微粒子と標的物質との衝突確率を向上させることができる。次いで、標的物質が結合した磁気微粒子溶液に、磁気微粒子同士が衝突したときに互いの磁化による静磁結合で凝集体を形成するほど強い強度を有する磁界を印加する。さらに、この磁界の磁気勾配の極性を時間的に変化させ、磁気微粒子に逆方向の磁力が交互に加わるようにする。これにより、磁気微粒子を溶液中で攪拌して磁気微粒子同士の衝突効率を高め、短時間で磁気微粒子の凝集体を得ることが可能となる。
また、本発明の工程(3)では、以下の第一の工程と、第二の工程を有することが好ましい。
第一の工程:磁気微粒子及び標的物質を含有する溶液に、磁気勾配を有し磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させることにより、磁気微粒子中の第一の検出用物質と標的物質を結合させる。
第二の工程:第一の工程よりも大きな強度を有し、かつ磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させることにより、磁気微粒子の凝集体を形成する。
なお、この磁気勾配とは、単位距離当りの磁界の変化率を表わす。また、「磁気勾配の極性が時間的に変化する」とは、例えば、ある時点である磁界印加領域の左側の磁界強度が右側よりも比較的大きく、時間が経過するとその強度バランスが逆になり、右側の磁界強度が左側よりも比較的大きく変わることを表す。
磁気微粒子に働く静磁結合力は、その磁化と磁気微粒子間の距離に依存する。そこで、本発明で用いる磁気微粒子は、その構成部材の磁気特性又は表層を構成するポリマーのコーティング厚等を制御することにより、磁気微粒子間に働く静磁結合力が調整されている。すなわち、強い外部磁界を作用させたときには、凝集体を形成可能な強い静磁結合力が働く様に、また、弱い外部磁界を作用させたときには、凝集体が形成されない様に、磁化とポリマーのコーティング厚が調整されている。
磁気微粒子と標的物質を反応させるプロセスや無磁場状態で磁気微粒子の凝集を生じさせないために、磁気微粒子は超常磁性を有することが好ましい。したがって、溶液に大きな磁場を作用させた場合には磁気微粒子は大きな磁化を有することとなり、磁気微粒子同士が衝突した際には大きな静磁結合力が生じて磁気微粒子の凝集体が生じやすくなる。一方、溶液に小さな磁場を作用させた場合には磁気微粒子は小さな磁化を有することとなり、磁気微粒子同士が衝突してもその静磁結合力は小さく磁気微粒子の凝集体は生じにくいものとなる。
つまり、上記の様に調整された磁気微粒子を用い、第一の工程として、標的物質及び磁気微粒子を含有する溶液中に、強度が小さく、かつ磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させる。これにより磁気微粒子は溶液中で攪拌され、抗原と磁気微粒子の第一の検出用物質との衝突確率が高まり、磁気微粒子表面に多量の抗原を結合可能となる。
次に、第二の工程として、標的物質及び磁気微粒子を含有する溶液中に、第一の工程よりも強度が大きく、かつ磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させる。これにより、表面に標的物質(抗原)が付着した磁気微粒子同士を高い確率で衝突させることができる。なお、この際、磁気微粒子の表面には、第一の工程の抗原抗体反応により標的物質が結合した第一の検出用物質と、標的物質が結合していない第一の検出用物質とが存在する。従って、磁気微粒子同士が衝突した際には、一方の磁気微粒子に固定された第一の検出用物質に結合した標的物質と、他方の磁気微粒子に固定され、標的物質には結合していない第一の検出用物質とが抗原抗体反応を行う。この結果、抗原抗体反応による結合により、容易に、磁気微粒子を凝集させて凝集体を形成することができる。
(磁気微粒子、第一の検出用物質)
本発明で使用する磁気微粒子は、磁界の印加によって移動可能であり、かつ磁気センサーにおいて検出可能であるという条件を満たすものである。この磁気微粒子としては例えば、その内部に微細結晶化した酸化鉄成分が均等に分布した粒径が数10nm以上、数μm以下のポリマービーズを使用することができる。また、酸化鉄の他に、Fe、Ni,Co等の遷移金属の微細結晶を用いることができる。これらの磁性金属を用いた磁気微粒子は、超常磁性を有していることが好ましい。
本発明の磁気微粒子は、その表面に各種の第一の検出用物質を固定できるよう、第一の検出用物質と化学結合を生じる結合部位を備える物質がコーティングされている。このような物質をコーティングすることにより例えば、磁気微粒子の表面に下記のような第一の検出用物質を固定化させることができる。
・一本鎖若しくは二本鎖の全長又は断片のヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、脂質、低分子化合物、糖、リポソーム、抗体その他の生体物質等。
・抗原又は抗体。
なお、第一の検出用物質としては抗原を使用しても、抗体を使用しても良い。第一の検出用物質として抗原を使用する場合、標的物質は抗体となる。また、第一の検出用物質として抗体を使用する場合、標的物質は抗原となる。
また、本発明の磁気微粒子の凝集体は、第一の検出用物質が表面に固定化された複数の磁気微粒子が、互いに第一の検出用物質と標的物質の特異結合を介して結合することにより形成された複合結合体である。このように磁気微粒子同士の結合が形成される過程としては、以下の2つの過程を挙げることができる。
(a)磁気微粒子表面の第一の検出用物質が標的物質と衝突することにより、第一の検出用物質と標的物質が特異結合を行う過程。
(b)標的物質が結合した磁気微粒子同士が衝突することによって、一方の磁気微粒子における標的物質が未結合の第一の検出用物質と、他方の磁気微粒子における第一の検出用物質に結合した標的物質とが、特異結合する過程。
なお、上記(a)、(b)の過程は同時に起こっても、(a)の過程が起こった後に(b)の過程が起こっても良い。(a)と(b)の過程が同時に起こるか、別々に起こるかは、標的物質及び磁気微粒子を含有する溶液組成、溶液への磁場印加条件の影響を大きく受ける。
また、本発明の方法で、複数の標的物質を検出する場合は、複数種の磁気微粒子を使用し、その磁気微粒子は互いに異なる第一の検出用物質を固定化させている、ここで「異なる」というのは、それぞれの磁気微粒子ごとに、固定化している第一の検出用物質に対して特異結合が可能な標的物質が互いに異なるということである。
(第二の検出用物質)
第二の検出用物質は標的物質と特異結合が可能な物質であり、例えば、下記のものを使用することができる。
・一本鎖若しくは二本鎖の全長又は断片のヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、脂質、低分子化合物、糖、リポソーム、抗体その他の生体物質等。
・抗原又は抗体。
なお、第二の検出用物質としては抗原を使用しても、抗体を使用しても良い。第二の検出用物質として抗原を使用する場合、標的物質は抗体となる。また、第二の検出用物質として抗体を使用する場合、標的物質は抗原となる。
また、第二の検出用物質としては、第一の検出用物質と同じものを用いても、異なるものを用いても良い。第二の検出用物質は、第一の検出用物質と同じものを用いるのが好ましい。
(基板)
本発明の磁気センサ層は、好ましくは基板上に設けられているのが良い。この基板としては、その上に磁気センサ層を設けることが可能であり、且つ磁気センサの動作・精度に影響を及ぼさないものであれば特に限定されない。好ましくは、半導体プロセスで使用するシリコン基板や化合物半導体基板の他に、ガラスを主成分とした基板やポリカーボネートなどの樹脂基板を使用することが可能である。
(溶液、標的物質)
本発明で標的物質を含有する溶液としては血液、尿などの体液か、又はこれらの体液と緩衝液とを混合したものを挙げることができる。この場合、検出対象となる標的物質としては、抗原その他の生化学物質などを挙げることができる。
(磁気センサ)
本発明では、磁気センサとしてはホールセンサ又は磁気抵抗効果型センサが好ましく、GMRセンサ又はTMRセンサがより好ましい。
以下、特異結合として抗原抗体反応を行わせ、磁気センサとしてGMRセンサを用いた生化学的分析方法の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図2(c)の(1)〜(4)は、実施形態1の標的物質の測定手順のフロー図を示す。また、図1(a)〜(d)は、実施形態1の方法の各工程を模式的に表す図である。
まず、図2(c)の(1)として、二次抗体(第一の検出用物質)付きの磁気微粒子を準備し、これを標的物質を含有する溶液中に導入する。図1(a)はこの状態を表したものであり、標的物質を含有する溶液中に、標的物質に対して特異的に結合する第一の検出用物質が固定化された磁気微粒子が導入された溶液を表す。この標的物質を含有する溶液としては例えば、血液、尿などの体液か、又はこれらの体液と緩衝液とを混合したものを挙げることができる。
また、図1(a)中のGMRセンサ層(磁気センサ層)上には、Auなどの生体分子を固定化し易い膜が形成され、更にこのAu膜全面に、標的物質と特異的に結合する一次抗体(第二の検出用物質)がコーティングされている。
次に、図2(c)の(2)として、この溶液に対して磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させる(図1(b))。この時、磁気微粒子は磁気勾配に応じて溶液内を移動し、溶液中に、標的物質である抗原が含まれている場合、標的物質と磁気微粒子表面の抗体(第一の検出用物質)との抗原抗体反応による結合を介して、複数の磁気微粒子が凝集する。そして、最終的に複合結合体である磁気微粒子の凝集体が生じる(図1(c))。なお、この際、溶液中に標的物質が含まれていない場合には、抗原抗体反応による磁気微粒子の凝集体は生じない。
次に、図2(c)の(3)として、磁界を作用させることにより、この磁気微粒子の凝集体を磁気センサ層の表面に引き寄せる。この時、凝集体を構成する磁気微粒子表面に特異結合した標的物質の結合可能な部位が、磁気センサ層上の一次抗体(第二の検出用物質)に特異結合する(図1(d))。この操作の後、磁気センサ層の表面に固定化されていない磁気微粒子の凝集体を洗浄することにより除去する。
次に、図2(c)の(4)として、このようにして磁気微粒子の凝集体が固定化された反応系の磁気特性を測定する。このとき、磁気微粒子の凝集体が固定化されると、上記GMRセンサで磁気微粒子の凝集体の漏れ磁界を検知し、磁気抵抗効果曲線(図示していない)に変化が現れる。従って、GMRセンサを用いて磁気抵抗効果曲線を測定することによって、磁気微粒子の凝集体を検出することができる。
なお、上記のように磁気抵抗効果曲線の変化により磁気微粒子の凝集体を検出する場合には、予めレファレンスとして、磁気微粒子の凝集体を生じない試料を用いることが好ましい。そして、このレファレンスを基準として、GMRセンサの信号の変化量、つまり磁気抵抗効果曲線の変化を測定することが好ましい。例えば、試料を緩衝液と混合する場合、緩衝液をレファレンスとしても良い。更に、実際の測定前に類似の試料を用いて測定を複数回、行い、予め検量線を作成した後、測定を行うことが好ましい。このように検量線を作成することにより、より正確で微量検出が可能な測定を行うことができる。
(実施形態2)
本実施形態では、上記実施形態1の方法を、さらに迅速にできるように拡張した方法を説明する。
すなわち、実施形態1の図2(c)の(2)の工程では、標的物質及び磁気微粒子を含有する溶液に作用させる磁界は、磁気勾配があればどのような方向・方法のものでも適用可能である。
そこで、本実施形態では、図5に示すように溶液の上下に電磁石を配置して上下に交互に磁界を発生させると、磁気勾配が高い頻度で溶液の上下で反対となる。この結果、磁気微粒子の攪拌効果を高くして磁気微粒子同士の衝突頻度を高くし、磁気微粒子の凝集反応の反応速度を大きくしてプロセス時間を短縮することができる。
(実施形態3)
本実施形態では、上記実施形態1、2の方法を、さらに迅速にできるよう拡張した方法を説明する。
本実施形態では、実施形態1の図2(c)の(2)に対応する工程において、2段階の工程を実施する。すなわち、図6(a)に示す溶液に小さな強度を有する磁界を作用させて磁気微粒子に抗原を結合させる第一の工程と、図6(b)に示す溶液に第一の工程よりも大きな強度を有する磁界を作用させて抗原が結合した磁気微粒子同士を凝集させる第二の工程を実施する。そして、最終的に図6(c)に示すように、磁気微粒子の凝集体を形成する。
すなわち、本実施形態では磁気微粒子の凝集体を形成する際、まず、磁気微粒子と抗原を十分に反応させた後、磁気微粒子の凝集体を形成する。そのため、磁気微粒子の凝集と、抗原と二次抗体(第一の検出用物質)の反応が同時に進行する場合と比較して、抗原と二次抗体(第一の検出用物質)の反応を高効率で実施できる。したがって、本工程の実施によって、微量な抗原をより高感度で検出することができる。
なお、このような2段階の工程を行うためには、磁気微粒子は作用させる磁界の強さに応じて磁化するものであることが必要となる。具体的に、磁気微粒子には、以下に示すような調整がなされていることが必要となる。
(A)磁気微粒子の磁化率の制御、及び溶液に作用させる磁界強度の制御
(B)磁気微粒子表面にコーティングしたポリマーの膜厚の制御、及び溶液に作用させる磁界強度の制御。
上記(A)及び(B)について、更に詳細に説明する。
(A)は、上記第二の工程において、磁気微粒子間に生じる磁力を、磁気微粒子の分散力(静電力による反発、溶液中の微小な流れにより磁気微粒子同士を引き離す力など)よりも強くするものである。なお、磁気微粒子が(A)のように調節されているか否かは、互いに磁気特性の異なる磁性体が内包された磁気微粒子を段階的に異なる強さの磁界中に置き、攪拌後の磁気微粒子の分散性を観察することで確認できる。
(B)は、磁気微粒子表面にコーティングしたポリマーを設けることによって、ポリマーの立体障害効果により、磁気微粒子が近接した場合に磁気微粒子同士の距離を調節するものである。そして、磁気微粒子同士の距離を調節することによって、上記第一及び二の工程において溶液に磁界を作用させた際に、磁界の強さに応じて磁気微粒子間に生じる磁力を制御するものである。なお、磁気微粒子が(B)のように調節されているか否かは、異なるポリマー膜厚の磁気微粒子を段階的に異なる強さの磁界中に置き、攪拌後の磁気微粒子の分散性を観察することで確認できる。
上記(A)又は(B)のように磁気微粒子の調整を行い、この磁気微粒子を用いて、二段階の工程により磁気微粒子の攪拌を行うことで、より低ノイズで反応効率の高い生体分子特異反応を生じさせることができる。
(実施形態4)
本実施形態では、上記実施形態1、2、3の方法を、さらに多種類の標的物質の含有量を測定することができるように拡張した方法を説明する。図7は、本実施形態の多種類の標的物質の検出方法を示した概念図である。なお、本実施形態では、溶液中に2種類の標的物質及びこれに対応した2種類の磁気微粒子が存在する。
本実施形態では、溶液中の標的物質の磁気微粒子表面への固定化、及び固定化後の磁気微粒子の凝集体の形成過程は、実施形態1で示した方法と同様の方法を行う。また、容器底面の基板上には、磁気センサ層を構成する複数のGMRセンサと、GMRセンサ表面に2種類の標的物質に対応した抗体(第二の検出用物質)を形成する。これらの抗体は、それぞれ対応する標的物質と特異的な結合を生じるものである。第一の凝集磁気微粒子は、第二のGMR素子上の一次抗体と特異結合する。第二の凝集磁気微粒子は、第一のGMR素子上の一次抗体と特異結合する。実施形態1と同様にして、磁気微粒子の凝集体を形成した後、磁気センサ層表面に垂直な方向に磁気勾配を有し、かつセンサー層表面近傍で強い磁場をもつ磁界を作用させて、磁気微粒子の凝集体をGMRセンサ側に引き寄せる。
次に、GMRセンサにより磁気微粒子の凝集体の漏れ磁界を測定する。この時、磁気センサ層内の特定のGMRセンサに、特定の第二の検出用物質が固定化されている。このため、各GMRセンサの漏れ磁界による信号の変化を測定することによって、どの磁気微粒子の凝集体が固定化されたかを知ることができる。このようにして、多種類の標的物質の検出が可能になる。
きる。
また、以上に述べた本発明の好適な態様に係る生化学的分析方法を用いることにより、分析系への標的物質、磁気微粒子の導入から、信号検出までのプロセス時間を短縮することができる。また、超高感度で、迅速性・正確性を有する生化学分析を行うことが可能になると共に、生化学分析装置のコンパクト化を図ることができる。
本発明の生化学的分析方法は、化学分野、医療分野等で適用可能であるが、特に臨床分野が好適である。より具体的には、本発明の生化学的分析方法は、遺伝子の変異解析、遺伝子発現解析、多型解析、分子間相互反応のカイネティクスの解析、抗原抗体反応やホルモン応答反応等の解析に利用できる。
実施形態1の生化学的分析方法の各工程を模式的に表す図である。 本発明の標的物質の測定手順の一例を表すフロー図である。 従来の生化学的分析方法の各工程を模式的に表す図である。 従来例と本発明の標的物質の測定手順を表すフロー図である。 実施形態2の生化学的分析方法の各工程を模式的に表す図である。 実施形態3の生化学的分析方法の各工程を模式的に表す図である。 実施形態4の生化学的分析方法の各工程を模式的に表す図である。

Claims (4)

  1. (1)標的物質と結合可能な第一の検出用物質が表面に固定化された磁気微粒子を準備する工程と、
    (2)前記標的物質と結合可能な第二の検出用物質が表面に固定化された磁気センサ層を準備する工程と、
    (3)前記標的物質を含有する溶液中に前記磁気微粒子を添加することにより、前記第一の検出用物質と標的物質を結合させると共に、前記磁気微粒子同士を凝集させて溶液中に磁気微粒子の凝集体を形成する工程と、
    (4)前記磁気センサ層上に、前記磁気微粒子の凝集体を含有する溶液を導入する工程と、
    (5)前記磁気微粒子の凝集体を含有する溶液に対して前記磁気センサ層の表面に垂直な方向に磁気勾配を有する磁界を作用させ、前記凝集体を構成する磁気微粒子に結合した標的物質と前記第二の検出用物質を結合させることにより前記磁気センサ層の表面に前記磁気微粒子の凝集体を固定化させる工程と、
    (6)前記磁気センサ層を構成する磁気センサにより、前記工程(5)で固定化した前記磁気微粒子の凝集体の漏れ磁界を測定することによって、前記標的物質を検出する工程と、
    を有する生化学的分析方法。
  2. 前記工程(3)において、
    前記磁気微粒子及び標的物質を含有する溶液に、磁気勾配を有し前記磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させることにより、前記磁気微粒子同士を凝集させて溶液中に磁気微粒子の凝集体を形成することを特徴とする請求項1に記載の生化学的分析方法。
  3. 前記工程(3)は、
    前記磁気微粒子及び標的物質を含有する溶液に、磁気勾配を有し前記磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させることにより、前記第一の検出用物質と標的物質を結合させる第一の工程と、
    前記第一の工程よりも大きな強度を有し、かつ磁気勾配の極性が時間的に変化する磁界を作用させることにより、前記磁気微粒子同士を凝集させて溶液中に磁気微粒子の凝集体を形成する第二の工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の生化学的分析方法。
  4. 前記磁気センサ層を構成する磁気センサは、ホールセンサ又は磁気抵抗効果型センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載の生化学的分析方法。
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