JP2009544033A - センサ表面に対する磁性物体又は磁化可能物体の引き付け及び引き離し - Google Patents

センサ表面に対する磁性物体又は磁化可能物体の引き付け及び引き離し Download PDF

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Abstract

本発明は、磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-をセンサ表面(23)へ引き付ける第1磁場発生手段(21a,12b)、及び、前記センサ表面(23)から磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-を-前記第1磁場との組合せにより-引き離す第2磁場発生手段(25)を有する。前記第1及び第2磁場発生手段によって発生する磁場は互いに実質的に反平行な方向を有する。本発明はさらに、センサ表面(23)に対する磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-の引き付け及び引き離し方法を供する。

Description

本発明は、磁気センサ素子並びに該磁気センサ素子の製造及び操作方法に関する。より詳細には本発明は、磁気センサ素子、該磁気センサ素子を少なくとも1つ有するバイオチップ、並びに、当該磁気センサ素子を用いることによって試料流体中の標的部分の検出及び/又は定量化を行う方法に関する。本発明による磁気センサ素子、バイオチップ、及び方法は、分子診断、生物学的試料分析、又は化学的試料分析に用いられて良い。
AMR(異方性磁気抵抗)、GMR(巨大磁気抵抗)、及びTMR(トンネル磁気抵抗)素子に基づいた磁気抵抗センサは今日重要性を増している。磁気ハードディスクヘッドやMRAMといった既知の高速の用途に加えて、新たな比較的低帯域の用途が、分子診断(MDx)、ICの電流検知、自動車等の分野で現れてきた。
係る磁気抵抗センサを有するマイクロアレイ又はバイオチップの導入は、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)、及びタンパク質の分析に革命をもたらしている。用途にはたとえば、ヒトの遺伝子型の特定(たとえば病院内で、又はそれぞれの医師若しくは看護師によって行われる)、細菌のスクリーニング、生物学研究、及び製薬研究である。係る磁気抵抗バイオチップは、感度、選択性、集積度、使いやすさ、及びコストの観点から、たとえば生体分子診断にとって有望な特性を有している。
バイオチップ-バイオセンサチップ、生物学的マイクロチップ、遺伝子チップ、又はDNAチップとも呼ばれる-の最も単純な形態は、多数の異なるプローブ分子が-そのチップの明瞭に画定された領域の-上に付着した基板である。分析される分子又は分子の断片は、完全に一致した場合にその基板上に結合できる。たとえばDNA分子の断片は、一の固有な相補的DNA(c-DNA)分子断片と結合する。結合反応の発生は、たとえばマーカーを用いることによって検出できる。マーカーとはたとえば、分析される分子と結合する蛍光マーカー又は磁気ラベルである。これにより、わずかな量に含まれる多数の各異なる分子又は分子断片を並行して短時間に分析する能力が供される。
バイオセンサでは、アッセイ法が行われる。アッセイ法は一般的に流体に作用させる複数の工程-つまり材料が動かされる工程-を有する。そのような工程の例は、混合(たとえば希釈するため、又はラベル若しくは他の試薬を試料流体へ溶解させるため、又はラベルを付すため、又は親和性結合のため)、又は、反応表面付近への流体の補給である。その補給は、拡散が反応を律速しないようにするために行われる。作用させる方法は、効率的で、信頼性が高く、かつ安価でなければならない。
センサ表面へ磁性粒子が結合する確率及び選択性を増大させるため、磁性粒子は順次センサ表面へ引き付けられ、かつそのセンサ表面から引き離されると考えられる。従来技術に係るデバイスによると、これは、z方向に外部磁場勾配を印加することによって行われて良い。z方向とはつまりセンサデバイス表面に対して実質的に垂直な方向である。
上記の問題は、磁力が全センサ面積にわたって同時に存在するために、磁場の空間的制御を詳細に行うことができないことである。このため、たとえば同一チップ上での多数の異なるアッセイを行うことが困難となる。
さらなる問題は、勾配をなくす状態に切り換えることは、大容量中での磁場の変化つまり大きなエネルギー損失を含むことである。
さらにバイオセンサでは、弱い生体分子結合と強い生体分子結合とを区別することが重要になると考えられる。さらに興味深いことに、バイオセンサは、分子集団の分析-つまり分子を濃度と結合親和性/結合力で定量的に区別すること-を行うのに好適であると考えられる。これはたとえば、食物や医療診断における抗体の量の分析に適用されて良い。
従前では、強い結合と弱い結合の区別は洗浄工程によって行われる。しかしこの方法では、集団分析を行うのが難しく、慎重な流体処理工程が要求される。集積されたバイオセンサでは、このような区別を行うのに磁力を用いるのがより有利である。
現在既知であるセンサの構造では、磁性粒子5は、検出中、磁場発生ワイヤによって発生する励起場によって、センサ表面4へ付着する。この様子は図1に図示されている。図1に図示されたセンサデバイスは、第1磁場発生ワイヤ1、第2磁場発生ワイヤ2、及び該第1磁場発生ワイヤ1と第2磁場発生ワイヤ2との間に存在するセンサ素子3を有する。
磁場発生ワイヤ1,2のうちの少なくとも1つに電流を印加することによって、内部磁場が発生する。図2はx方向(図1に図示された向き)での内部磁場Hint(x)を図示している。x方向とは、z方向において0.85μmであってz方向に垂直な表面-つまりセンサ表面4(図1参照)-に対して平行である。内部磁場Hint(x)は、第1磁場発生ワイヤ1へ15mAの電流を流すことによって発生する。曲線7はx方向における内部磁場を図示し、曲線8はz方向における内部磁場を図示している。全ての図において、第1磁場発生ワイヤ1の左下隅は、図に示された座標系の原点となることに留意して欲しい。
発生した磁場が磁性ナノ粒子5-たとえば超常磁性ビーズ-に作用する力は次式で与えることができる。
Figure 2009544033
ここでベクトルmは磁性粒子5の磁気モーメントで、ベクトルBは印加磁場である。図1に図示された配置に外部磁場が印加されるとき、磁性粒子5は、外部磁場ベクトルHext、及び磁場発生ワイヤ1へ電流を流すことによって発生する内部磁場Hintによって磁化する。従って次式のようになる。
Figure 2009544033
たとえば300nmのアデムテック超常磁性ビーズの場合では、χbead=4.22・10-20で、μ0=4π・10-7である。
ベクトルHextが均一である場合、この式は次式のようになる。
Figure 2009544033
磁力をx成分とz成分とに分解すると、次式のようになる。
Figure 2009544033
第1磁場発生ワイヤ1の上に存在する磁性粒子5がそのワイヤ1へ向かうように引き付けられることは明らかとなる。この様子は、図1における参照番号6の矢印、及び図3と図4で表されている。図3と図4はそれぞれ、磁場発生ワイヤ1に15mAの励起電流が流れ、かつ300nmのアデムテック超常磁性ビーズが用いられている場合における、チップ表面4での水平及び垂直方向の磁力を、z=0.85μm(図1参照)-つまりセンサ表面-での磁性粒子5のx座標上の位置の関数として図示している。
変化型として、図5に図示されているように、磁場発生ワイヤ1と2のいずれも同時に活性化されて良い。その結果、磁性粒子5はセンサの中心から引き離されて、ワイヤ1及び2の方へ引き付けられる。この現象は、図5において参照番号9によって示された、反発又は反発力の一形式と解釈されうる。このことは図6及び7に図示されている。図6及び7ではそれぞれ、チップ表面4での水平及び垂直方向の磁力が、z=0.85μm-つまりセンサ表面-での磁性粒子5のx座標上の位置の関数として図示されている。ここで、磁性粒子5が300nmのアデムテック製のビーズで、かつ磁場発生ワイヤ1と2を流れる励起電流は15mAである。図7から、反発力がセンサ素子3上で起こり、かつ非常に小さい-つまり1fN未満-ことが分かるだろう。
上述したように、オンチップの電流ワイヤ1,2によって、磁場勾配が局所的に印加することが可能になり、複数のセンサを個別的にアドレス指定することによって多重化が容易になり、かつ大きな勾配の生成が可能となる。しかしオンチップの電流ワイヤ1,2の欠点は、磁場勾配がチップ表面4の方向を向くことである。このことは、磁性粒子5がそのチップ表面4へ向かう方向へ、又はそのチップ表面4に沿って引き付けられ、その結果、測定中に結合強度を測定する際に、磁性粒子5とチップ表面4との間の生体分子結合へ及ぼされる力が不明確になってしまうことを意味する。
選択結合と非選択結合との区別には、典型的には約100fNの力が必要である。すでに述べたように、図7から、標準的な構成での垂直方向の反発力は1fN未満であるため、センサ表面4から磁性粒子を取り除くには小さすぎることが分かる。
パンホースト(Panhorst)、バイオセンサとバイオエレクトロニクス(Biosensor & Bioelectronics)、第20巻、pp.1685、2005年 ダニロウシス(C.Danilowcicz)他、分析化学誌(Analytical Chemistry)、第77巻、pp.3023、2005年
本発明の目的は、良好な磁気センサデバイス、並びにセンサ表面に対する磁性粒子又は磁化可能粒子の引きつけ及び引き離しを行う良好な方法の提供である。
上記目的は、本発明による方法及びデバイスによって実現される。
本発明の特定及び好適実施例は、「特許請求の範囲」の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項に記載の事項は、適切であれば請求項中に明示されていなくても、独立請求項に記載の事項及び他の従属請求項に記載の事項と組み合わせられて良い。
第1態様では、本発明は磁気センサデバイスを供する。当該磁気センサデバイスは表面を有し、かつ:
第1方向に第1磁場強度を有する第1磁場を発生させる第1集積磁場発生手段であって、前記第1磁場は磁性物体又は磁化可能物体を当該磁気センサデバイスの表面へ引き付ける、第1集積磁場発生手段;
少なくとも1つのセンサ素子;
第2方向に第2磁場強度を有する第2磁場を発生させる第2磁場発生手段であって、前記第2磁場は、前記第1磁場と共に、所定値未満の結合強度を有する磁性物体又は磁化可能物体を当該磁気センサデバイスの表面から引き離し、前記第1及び第2磁場発生手段によって発生する磁場は互いに実質的に反平行な方向を有する、第2磁場発生手段;並びに
前記第1及び第1磁場の変調を制御する駆動手段;
を有する。
「実質的に反平行」とは、前記第1磁場の第1方向と前記第2磁場の第2方向とが、10°未満で、好適には5°未満で、かつ最も好適には1°未満の角度をなすことを意味する。
本発明の実施例によるデバイスの利点は、前記第1及び第2磁場が反平行な配向をとることで、前記第1磁場発生手段の上で最小の磁場が生成されることである。従って磁場勾配は前記第1磁場発生手段から遠ざかるような向きとなる。前記第1磁場発生手段周辺の試料流体内に位置する磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-は前記センサ表面から遠ざかるような力を受けて、前記流体へ引き込まれる結果、前記センサ表面へ引き付けられた後に、該センサ表面から引き離される。
本発明の実施例によると、前記の第1及び第2磁場の変調を制御する駆動手段は、前記第1集積磁場発生手段及び前記第2磁場発生手段のスイッチのオンとオフを制御する駆動手段であって良い。
本発明の実施例によると、前記第2磁場発生手段は外部磁場発生手段を有して良い。
本発明の実施例によると、前記第2磁場発生手段は少なくとも集積磁場発生手段を有して良い。
当該磁気センサデバイスは基板内に形成されて良い。また本発明の実施例によると、前記少なくとも1つのセンサ素子は前記センサ基板内に集積されて良い。しかし本発明の他の実施例によると、前記少なくとも1つのセンサ素子は前記センサ基板内に集積されなくても良く、かつセンサ読み取り装置内に部分的又は全体的に埋め込まれても良い。一例として、前記少なくとも1つのセンサ素子は、前記基板内に埋め込まれた磁気抵抗センサ素子であって良い。他の例として、前記少なくとも1つのセンサ素子は、センサ読み取り用装置内に埋め込まれた光学イメージングシステムであって良い。
本発明の実施例によると、前記第2磁場発生手段は、外部磁場発生手段及び少なくとも1つの集積磁場発生手段を有して良い。
前記少なくとも1つのセンサ素子及び前記第1集積磁場発生手段は第1方向へ延在して良い。前記の第2磁場発生手段の少なくとも1つの集積磁場発生手段は、前記第1方向と実質的に垂直である第2方向を向いて良い。
この利点は、当該センサデバイスが飽和することなく、相当に大きな外部磁場を印加することが可能となることである。
本発明の他の実施例によると、前記第2磁場発生手段は外部磁場発生手段を有して良く、前記第1磁場発生手段は、前記少なくとも1つのセンサ素子が配向する方向に対して実質的に垂直な方向に配向する集積磁場発生手段によって形成されて良い。他の実施例によると、当該磁気センサデバイスはさらに、前記磁性物体又は磁化可能物体の磁気モーメントを前記センサ素子-これらの実施例においては磁気センサ素子であって良い-の敏感な方向に向ける第3磁場を発生させる第3磁場発生手段を有して良い。係る第3磁場の発生により前記磁性物体又は磁化可能物体の磁気モーメントが前記センサ素子の敏感な方向に向けられることによって、磁性物体若しくは磁化可能物体の存在又は量の検出及び測定が可能となる。従ってこれらの実施例によると、3つの磁場が存在しても良い。つまり磁性物体又は磁化可能物体を前記センサ表面へ引き付ける前記集積磁場発生手段によって発生する第1磁場、前記外部磁場発生手段によって発生して前記第1磁場と共に前記磁性物体又は磁化可能物体へ反発力を発生させる第2磁場、及び前記第3磁場発生手段によって発生し、検出のために前記磁性物体又は磁化可能物体を励起する前記センサ素子に対して実質的平行に配向する第3磁場である。
前記少なくとも1つの集積磁場発生手段は電流ワイヤであって良い。
前記外部磁場発生手段は永久磁石であって良い。
前記の発生した外部磁場は、200A/m〜20000A/mの範囲の大きさを有して良い。
本発明の実施例によると、前記の第2磁場発生手段の少なくとも1つの集積磁場発生手段は、前記第1集積磁場発生手段と前記少なくとも1つの磁気センサ素子に対して実質的に平行に配向して良い。
これらの実施例の利点は、前記センサ表面から前記磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-を反発させるのに外部磁場を必要としないことである。
前記第2磁場発生手段は複数の電流ワイヤを有して良い。この利点は大きな電流を必要としないこと、及びそれにより放熱が少ないことである。
前記の第2磁場発生手段の少なくとも1つの集積磁場発生手段は、前記センサ表面と前記第1集積磁場発生手段との間に設けられて良い。この利点は、このようにして、前記の第2磁場発生手段の少なくとも1つの集積磁場発生手段が当該センサデバイスの幾何学構造をあまり邪魔しないことである。
前記第1磁場発生手段は少なくとも1つの電流ワイヤを有して良い。
前記少なくとも1つのセンサ素子は、GMRセンサ素子、TMRセンサ素子、AMRセンサ素子、ホールセンサ等のうちのいずれか1つであって良い。
第2態様では、本発明はまた、本発明による少なくとも1つの磁気センサデバイスを有するバイオチップをも供する。
本発明はまた、生物学的又は化学的試料分析へ本発明の実施例による磁気センサデバイスを用いる。
本発明はまた、生物学的又は化学的試料分析へ本発明の実施例によるバイオチップを用いる。
第3態様では、本発明は、センサデバイスのセンサ表面へ磁性物体又は磁化可能物体を引き付け、かつ前記表面から前記物体を引き離す方法を供する。当該方法は:
第1磁場発生手段によって発生する第1磁場の第1磁場強度を変調する手順であって、前記第1磁場は前記センサ表面へ磁性物体又は磁化可能物体を引き付け、前記の引き付けられる磁性物体又は磁化可能物体の少なくとも一部には前記センサ表面へ結合する可能性が与えられる、手順;及び
第2磁場発生手段によって発生する第2磁場の第2磁場強度を変調する手順であって、前記第2磁場は前記第1磁場と共に、所定値未満の結合強度を有する磁性物体又は磁化可能物体を前記センサ表面から引き離す、手順;
を有する。ここで前記第1及び第2磁場は、前記第1磁場が第1方向を有し、前記第2磁場が第2方向を有し、かつ前記第1及び第2方向が実質的に互いに反平行となる、ように生成される。
「実質的に反平行」とは、前記第1磁場の第1方向と前記第2磁場の第2方向とが、10°未満で、好適には5°未満で、かつ最も好適には1°未満の角度をなすことを意味する。
本発明の実施例によるデバイスの利点は、前記第1及び第2磁場が反平行な配向をとることで、前記第1磁場発生手段の上で最小の磁場が生成されることである。従って磁場勾配は前記第1磁場発生手段から遠ざかるような向きとなる。前記第1磁場発生手段周辺の試料流体内に位置する磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-は前記センサ表面から遠ざかるような力を受けて、前記流体へ引き込まれる結果、前記センサ表面へ引き付けられた後に、該センサ表面から引き離される。
本発明の実施例によると、前記第1及び第2磁場強度を変調する手順は:
前記センサ表面へ磁性物体又は磁化可能物体を引き付ける第1磁場を発生させる前記第1集積磁場発生手段のスイッチをオンにする手順;及び
前記第1磁場と共に、所定値未満の結合強度を有する磁性物体又は磁化可能物体を前記センサ表面から引き離す第2磁場を発生させる前記第2磁場発生手段のスイッチをオンにする手順;
によって実行されて良い。
本発明はまた、生物学的又は化学的試料分析に本発明の実施例による方法の使用を用いる。
本発明はまた、センサ表面への磁性物体又は磁化可能物体の結合強度を決定するのに本発明の実施例による方法を用いる。
本発明はまた、センサ表面への磁性物体又は磁化可能物体の選択結合と非選択結合とを区別するのに本発明の実施例による方法を用いる。
本発明の上記及び他の特徴、事項、及び利点は、例示的に本発明の原理を図示している添付の図面と共に以降の詳細な説明から明らかとなる。本記載は例示を目的とするのみで、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以降で引用される参照番号は添付の図面を指し示している。
従来技術に係る磁気抵抗センサを図示している。 励起電流が15mAである場合における、z=0.85μmに相当する図1のセンサの表面での内部磁場を図示している。 励起電流が15mAである場合における、z=0.85μmに相当する図1のセンサの表面での水平方向の磁力を図示している。 励起電流が15mAである場合における、z=0.85μmに相当する図1のセンサの表面での垂直方向の磁力を図示している。 従来技術に係る磁気抵抗センサを図示している。 励起電流が15mAである場合における、z=0.85μmに相当する図5のセンサの表面での水平方向の磁力を図示している。 励起電流が15mAである場合における、z=0.85μmに相当する図5のセンサの表面での垂直方向の磁力を図示している。 センサ表面から磁性粒子を引き離すために外部磁場を用いる、本発明の第1実施例による磁気抵抗センサを図示している。 励起電流が6mAである場合における、z=0.85μmに相当する図8のセンサデバイス表面での内部磁場を図示している。 励起電流が15mAである場合における、z=0.85μmに相当する図8のセンサの表面での水平方向の磁力を図示している。 励起電流が15mAである場合における、z=0.85μmに相当する図8のセンサの表面での垂直方向の磁力を図示している。 励起電流が12mAで、かつ外部磁場が-10kA/mである場合における、z=0.85μmに相当する図5のセンサの表面での水平方向の磁力を図示している。 励起電流が12mAで、かつ外部磁場が-10kA/mである場合における、z=0.85μmに相当する図5のセンサの表面での垂直方向の磁力を図示している。 本発明の第2実施例による磁気センサデバイスを図示している。 本発明の第3実施例による磁気センサデバイスの例を図示している。 本発明の第3実施例による磁気センサデバイスの例を図示している。 本発明の第4実施例によるセンサデバイスを図示している。 本発明の実施例によるセンサチップ表面全体にわたって磁性物体又は磁化可能物体を移動させることが可能な方法を概略的に図示している。 本発明の実施例によるセンサチップ表面全体にわたって磁性物体又は磁化可能物体を移動させることが可能な方法を概略的に図示している。 本発明の第5実施例によるセンサデバイスを図示している。 励起電流が15mAである場合における、z=0.85μmに相当する図20のセンサの表面での水平方向の磁力を図示している。 励起電流が15mAである場合における、z=0.85μmに相当する図20のセンサの表面での垂直方向の磁力を図示している。 本発明の実施例による磁気センサを有するバイオチップを図示している。
各異なる図において、同一の参照番号は、同一又は類似の素子を指し示している。
特定の図を参照しながら、具体的実施例について、本発明を説明する。しかし本発明は参照された具体的実施例によっては限定されず、「特許請求の範囲」に記載された請求項によってのみ限定される。示された図は単なる概略に過ぎず、非限定的である。図においては、例示目的のため、大きさが誇張され、かつ正しいスケールで描かれていない構成要素がある。
さらに、明細書及び特許請求の範囲に記載されている第1、第2、第3等の語は、同様の構成要素を区別するために用いられており、必ずしも生起順序又は時系列順序を表すものではない。よって用いられているそれらの語は適切な状況下では同義であり、本明細書で説明されている本発明は、説明すなわち例示されている順序以外の順序での動作が可能であることに留意すべきである。
しかも、明細書及び特許請求の範囲に記載されている上部、下部、上、下等の語は、説明目的で使用されており、必ずしも相対的位置を表すものではない。よって用いられているそれらの語は適切な状況下では同義であり、本明細書で説明されている本発明は、説明すなわち例示されている順序以外の順序での動作が可能であることに留意すべきである。
本発明は磁気センサデバイスを供する。当該磁気センサデバイスは、当該磁気センサデバイスの表面の結合位置で結合可能な磁性物体又は磁化可能物体を前記表面へ引き付ける、第1方向を向く第1磁場を発生させる第1集積磁場発生手段、少なくとも1つのセンサ素子、及び、前記第1磁場と共に、当該磁気センサデバイスの表面から所定値未満の結合強度を有する磁性物体又は磁化可能物体を引き離す、第2方向を向く第2磁場を発生させる第2磁場発生手段を有する。本発明によると、前記第1及び第2磁場はxy平面内で実質的に反平行、つまり水平方向(以降の図を参照のこと)で、換言すると、前記センサ表面の面に対して実質的に平行な方向に配向する。それにより垂直方向に斥力が生じる。垂直方向の斥力とはつまりz方向の斥力で、換言すると、前記センサ表面がxy平面である場合において、前記センサ表面に対して実質的に垂直な方向であって、前記センサ表面から離れる方向の斥力である。従って本発明によると、発生した磁場は均一であっても良いし、又は不均一であっても良い。大抵の場合発生した磁場は不均一であり、特に磁場が、電流ワイヤのような集積磁場発生手段によって発生する場合は不均一である。
「実質的に反平行」とは、前記第1磁場の第1方向と前記第2磁場の第2方向とが、10°未満で、好適には5°未満で、かつ最も好適には1°未満の角度をなすことを意味する。
本発明の実施例によると、前記第2磁場発生手段は外部磁場発生手段を有して良い。
本発明のより好適な実施例によると、前記第2磁場発生手段は少なくとも集積磁場発生手段を有して良い。
前記第2磁場発生手段を供するのに外部磁場発生手段と集積磁場発生手段との結合物が供されて良い。
本発明はさらに、センサ表面に対して磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-を引き付け及び引き離す方法を供する。
たとえば本発明による磁気センサデバイス及び方法は、磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-とセンサ表面との間での強い結合と弱い結合とを区別する、つまりセンサ表面上での磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-の選択結合と非選択結合とを区別するのに用いられて良い。さらに当該磁気センサデバイスは、センサ表面への磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-の結合強度を決定するのに用いられて良い。本発明によるデバイス及び方法はまた、試料流体中の標的分子の検出及び/又は定量化測定中に、磁性物体又は磁化可能物体を引き付け及び引き離すのに用いられても良い。前記磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-は、検出されるべき標的分子のラベルとして用いられて良い。従って本発明による磁気センサデバイスは、一のセンサデバイス中に、前記センサ表面に結合する磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性ナノ粒子-の検出と、たとえば前記磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-と前記センサ表面との間の結合強度の決定を併せ持っても良い。
当該センサデバイスの表面は、特定の分子を引き付けるように設計されたコーティングによって改質されて良いし、又はそのコーティングに分子を付着させることによって改質されても良い。これらの改質は、試料流体中に存在する標的分子の結合に適している。係る分子は当業者には既知であって、かつ相補性DNA、抗体、アンチセンスRNA等を含む。係る分子は、スペーサ又はリンカ分子の手段によって表面に付着して良い。当該センサデバイスの表面には、有機生命体の形態をとる分子(たとえばウイルス又は細胞)、又は有機生命体の一部分(組織片、細胞片、膜)が供されて良い。生物学的結合表面はセンサチップと直接接触して良いが、結合表面とセンサチップとの間にギャップが存在しても良い。たとえば結合表面は、チップから分離した材料-たとえば有孔性材料-であって良い。そのような材料は、たとえばシリコン、ガラス、プラスチック内にマイクロチャネルを有する、側方流又は貫流材料であって良い。結合表面はセンサチップ表面に対して平行であって良い。あるいはその代わりに結合表面は、センサチップ表面に対してたとえば垂直な角度をなしていても良い。
本発明をさらに、GMR素子に基づいた磁気センサデバイスによって説明する。しかしこれは如何なる意味においても本発明を限定するものではない。本発明は、センサ表面(付近)での磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性ナノ粒子-の存在の検出、又はその量の決定を、その粒子の任意の特性に基づいて行うのに適した任意のセンサ素子を有するセンサデバイスに適用されて良い。たとえばナノ粒子の検出は、任意の適切な手段によって行われて良い。任意の適切な手段とはたとえば、磁気的手法(磁気抵抗センサ素子、ホールセンサ、コイル)、光学的手法(たとえば蛍光、化学発光、吸収、散乱、表面プラズモン共鳴、ラマン等の可視化)、音波検出法(たとえば表面弾性波、バルク音波、カンチレバー、石英結晶…)、電気検出法(たとえば伝導度、インピーダンス、電流計測、酸化還元サイクル)等である。
センサ素子は、センサ基板内に集積されても良いし、又はセンサ読み取り装置内に部分的若しくは全体的に埋め込まれても良い。一例として、センサ素子は、基板内に埋め込まれた磁気抵抗センサ素子であって良い。他の例として、前記少なくとも1つのセンサ素子は、センサ読み取り用装置内に埋め込まれた光学イメージングシステムであって良い。
さらに本発明を磁性粒子である磁性物体又は磁化可能物体によって説明する。「磁性粒子」という語は、如何なる種類の磁性粒子をも含むように広く解釈されるべきである。如何なる種類の磁性粒子とはたとえば、強磁性、常磁性、超常磁性等や、磁性球、磁気ロッド、磁性粒子列のような任意の形態の粒子、又は、磁性のみならず光学活性の材料を含む粒子、又は非磁性の母体内部磁性材料を含む粒子のような複合粒子である。好適には磁性物体又は磁化可能物体は、磁気緩和時間が速くて、かつ凝集の危険性が低い小さな強磁性グレインを含む強磁性粒子であって良い。繰り返しになるが、用いられている用語は、説明を目的とするものであり、如何なる意味においても本発明を限定するものではない。
本発明の第1実施例によると、外部磁場発生手段によって形成される第2磁場発生手段を有する磁気センサデバイス20が供される。前記外部磁場発生手段は、ストリンジェント条件下において磁性粒子22をセンサ表面23へ結合するのに用いられて良い。
図8は、センサ表面23から磁性粒子22を引き離すのに、集積磁場発生手段21a、21bと外部磁石を併用する磁気センサデバイス20を図示している。従って第1実施例による当該磁気センサデバイス20は、センサ表面23へ磁性粒子22を引き付けるために第1磁場を発生させる第1磁場発生手段21a、21bを有する。第1磁場発生手段21a、21bは当該センサデバイス20内に集積される。図8で与えられた例によると、第1集積磁場発生手段21a、21bはそれぞれ、第1電流ワイヤ21aと第2電流ワイヤ21bを有して良い。この例は本発明を限定するわけではなく、第1集積磁場発生手段は1つしか電流ワイヤしか有していなくても良いし、又は3つ以上の電流ワイヤを有しても良い。本発明をさらに、第1電流ワイヤ21aと第2電流ワイヤ21bを有する第1集積磁場発生手段によって説明する。しかしこのことは本発明を限定するわけではない。
外部磁場発生手段によって発生する、x軸上で負の方向を向くほとんど均一な外部磁場(参照番号10で示されている)と、集積磁場発生手段21a、21bによって発生して、前記外部磁場の方向と実質的に反平行である方向に配向するチップ上で発生する磁場を組み合わせることによって、磁性粒子22をセンサ表面23から引き離すことができる(参照番号26によって示されている)。
Z方向に正の方向で有効な反発を実現するため、Hext,x/Hint,x≦-1の関係が維持されなければならない。磁気測定中に反発するため、この比はセンサのダイナミックレンジ(8kA/m) によって制限される。従って許容される磁場の大きさは|Hx|≦2000A/mである。その結果、電流ワイヤ21a、21bを励起する最大励起電流は6mAに制限される。図9は、2つのワイヤ21a、21bに発生するチップ上での磁場を図示している。曲線11はx方向でのチップ上に発生する磁場を表し、曲線12はz方向でのチップ上に発生する磁場を表す。
図10及び11は、それぞれ水平方向と垂直方向の磁力を、z=0.85μmでの磁性粒子22のx座標の関数として表している。その際の条件は、励起電流が6mA、Hext,x=-2000A/mで、300nmアデムテック製ビーズが用いられている。これらの図から、上述した条件下では、反発力はかなり小さい。この例では反発力は約20fNで、センサ表面23から非選択的結合を取り除くのに必要とされる100fNをはるかに下回る。
この問題を解決するため、より大きな外部磁場-たとえば10kA/m-が印加されて良い。しかしこの場合では、引き離す間に磁性粒子22の存在又は量を決定するための正確な測定を行うことが不可能となる。その理由は、センサ素子24は、大きな外部磁場のため、少なくとも部分的に飽和してしまうからである。図12及び13は、それぞれ水平方向と垂直方向の磁力を、z=0.85μmでの磁性粒子22のx座標の関数として表している。その際の条件は、励起電流が12mA、外部磁場はx方向を負の方向に10kA/mで、300nmアデムテック製ビーズが用いられている。反発力が励起ワイヤ21a、21bの上に集中し、かつ100fNよりも大きいことが分かるだろう。ここで反発力が集中する領域は、外部磁場のスイッチがオフになった場合に、検出中に磁性粒子22が集中する領域である。
すでに上で述べたように、第1実施例に記載され、かつ図8に図示された磁気センサに外部磁場を印加するとき、小さな反発力しか得られない。このような小さな反発力は、粒子及び結合強度にもよるが、センサ表面から磁性粒子22を引き離すのには十分ではない。この理由は、印加された外部磁場が高すぎるというのではなく、測定を行いながらセンサ表面から磁性ナノ粒子を引き離すことが必要な場合において、磁気センサが飽和してしまうからである。従って高い外部磁場のために当該センサデバイスが少なくとも部分的に飽和することで、磁性粒子の正確な測定が不可能となる。さらに外部磁場を印加するのに電磁石が用いられるときには、新たな雑音が導入される恐れがある。
他の課題は、外部磁場を印加するのに永久磁石が用いられる場合、外部磁場を除去する機械的手段が必要となることである。
従って図14に図示された本発明の第2実施例によると、当該磁気センサデバイス20は第1集積磁場発生手段21を有して良い。第1集積磁場発生手段21は少なくとも1つの集積磁場発生電流ワイヤ21によって形成され、第1磁場発生手段21は第1方向に第1磁場を発生させ、第1磁場は当該磁気センサデバイスの表面に磁性物体又は磁化可能物体を引き付ける。当該磁気センサデバイス20はさらに、第1方向を向く少なくとも1つのセンサ素子24を有する。第2実施例によると、前記少なくとも1つの集積磁場発生手段は、前記少なくとも1つのセンサ素子24が配向する第1方向とは実質的に垂直な第2方向に配向して良い。
第2実施例によると第2磁場発生手段は、外部磁場発生手段(図示されていない)によって形成されて良い。第2磁場発生手段は、第2磁場強度を有する第2方向を向いた第2磁場Hextを発生する。
本発明の実施例によると、本発明の第2実施例による当該磁気センサデバイス20は、以降で説明する磁性粒子22の磁気モーメントによって生じる双極性磁場を配向させる第3磁場を発生させる第3磁場発生手段28をさらに有して良い。第3磁場発生手段28はたとえば、2つの電流ワイヤ28a、28bによって形成されて良い。第3磁場発生手段28を流れる電流は、センサ表面23に存在する磁性粒子22を磁化する。それにより磁性粒子22は磁気モーメントmを発生させる。その後磁気モーメントmは双極性磁場を発生させる。その双極性磁場は、センサ素子24の位置に面内磁場成分を有する。よって磁性粒子22は、第1磁場発生手段28を流れる電流によって誘起される第3磁場を曲げる。その結果、磁場成分は、センサ素子24の敏感なx方向となる。これらの実施例によると、第1磁場発生手段28は、前記少なくとも1つのセンサ素子24と同一の方向、つまり第1磁場発生手段21が配向する方向に対して実質的に垂直な方向、に配向して良い。
以降では本発明の第2実施例による当該デバイスについて説明する。
最初に、電流が、第1磁場発生手段21-この例では集積磁場発生ワイヤ21-を流れるように送られる。それにより、センサ表面23へ磁性粒子22を引き付ける第1磁場が発生する。第2磁場発生手段-この例では外部磁場発生手段-は、引き付け手順中、そのスイッチがオフにされる。
「引き付け」段階では、磁性粒子22は、試料流体のバルクからセンサ表面23付近の領域へ集中する。磁性粒子22をセンサ表面23へ引き付けるのに必要とされる時間は、可能な限り短いこと-たとえば30分以内で、好ましくは10分以内で、より好ましくは1分以内-が好ましい。
センサ表面23へ向かって引き付けられる磁性粒子22の少なくとも一部は、センサ表面23上に存在する結合位置と結合して良い。「結合」段階では、磁性粒子22は、センサ表面23上の捕獲領域すなわち結合領域での所望の(生)化学結合の発生を最適化するように、その結合表面に、より近づけられる。ここでセンサ表面23上の捕獲領域すなわち結合領域とは、前記少なくとも1つのセンサ素子24による検出感度が高く、かつ生物学的結合選択性の高い領域である。結合プロセスを最適化するには、接触時間(個々のビーズが結合表面に接触する合計時間)だけではなく、接触効率を増大させる(ビーズが結合表面に近づくときに選択される生物学的結合を最大にする)ことが必要である。
次の手順では、第2磁場が、外部磁場発生手段のスイッチをオンにすることにより、又は第1磁場が存在する上部へ永久磁石を接近させることにより発生する。集積磁場発生電流ワイヤ21によって発生する磁場は、印加された外部磁場を再度案内する機能を果たす。そのように再度案内されることで、その外部磁場は、第1磁場の方向に対して実質的に反平行の方向を向く成分を有する。このことは、外部磁場が、GMRセンサ素子24の敏感な方向であるx方向以外の方向に印加されるので、本発明の第1実施例によって可能とされるものよりも大きくすることができることを意味する。外部磁場は、GMRセンサ素子24の敏感ではない方向であるy方向へ案内されることが最も好ましい。第1及び第2磁場が反平行な配向をとるので、磁性粒子22はセンサ表面23から引き離される。
第2実施例によると、外部磁場と内部磁場との結合により、磁性粒子22はセンサ表面23から引き離される。ここで内部磁場は、少なくとも1つの集積磁場発生手段21のうちの少なくとも1つを流れる、(振幅及び方向が)適切に選ばれた電流によって発生する。
本発明の実施例によると、たとえば第3磁場発生手段28を有する第2実施例に従った磁気センサデバイスでは、3つの磁場が存在することになる。3つの磁場とはつまり、集積磁場発生手段によって発生して磁性物体又は磁化可能物体22をセンサ表面23へ引き付ける第1磁場と、第2磁場発生手段によって発生して、第1磁場と共に、磁性物体又は磁化可能物体22への反発力を発生させる第2磁場と、第3磁場発生手段によって発生して磁性物体又は磁化可能物体22の励起及び検出を行うためにセンサ素子に対して実質的に平行に配向する第3磁場である。各独立した磁場発生手段は、磁場を発生させ、かつ単独で起動するときに引力を生じさせる。
本発明のより好適な第3実施例によると、磁気センサデバイス20は、図14に図示されている第2実施例に従った磁気センサデバイス20に類似した構成を有して良い。つまり第3実施例による磁気センサデバイス20は、図15及び16に図示されているように、外部磁場発生手段及び内部磁場発生手段25を有する。しかし本発明の第2実施例によるデバイスとは対照的に、ここでは集積磁場発生手段は第2磁場発生手段の一部である。外部磁場発生手段は永久磁石であって良い。印加された外部磁場は、200A/m〜20000A/mの大きさを有して良い。
全ての図において、第1磁場発生ワイヤ21aの左下隅は、図に示された座標系の原点を構成することに留意して欲しい。
本発明の第3実施例による磁気センサデバイス20が図15に図示されている。当該磁気センサデバイス20は第1磁場発生手段21a、21bを有し、第1磁場発生手段21a、21bは磁性粒子22をセンサ表面23へ引き付ける第1磁場を発生させるのに用いられて良い。第1磁場発生手段21a、21bは当該磁気センサデバイス20内に集積される。図15で与えられた例によると、第1集積磁場発生手段21は、第1電流ワイヤ21a及び第2電流ワイヤ21bをそれぞれ有して良い。この例は本発明を限定するものではなく、第1集積磁場発生手段21は、1つしか電流ワイヤしか有していなくても良いし、又は3つ以上の電流ワイヤを有しても良い。本発明をさらに、第1電流ワイヤ21aと第2電流ワイヤ21bを有する第1集積磁場発生手段によって説明する。しかしこのことは本発明を限定するわけではない。
電流ワイヤ21a、21bへ第1電流を流すことによって、第1磁場が発生する。第1磁場は磁場勾配を有する。そのため磁性粒子22は当該磁気センサデバイス20の表面23上へ引き付けられることが可能である。
さらに本発明の第3実施例による当該磁気センサデバイス20は少なくとも1つのGMRセンサ素子24を有する。繰り返しになるが、センサ素子24は、本発明の他の実施例によると、磁性粒子22の存在及び/又は量の検出に適した如何なるセンサ素子であっても良いことに留意すべきである(上記参照のこと)。GMRセンサ素子24は、センサ表面23(付近)に存在する磁性粒子22の検出及び/又は定量化に用いられて良い。
本発明の第3実施例によると、第2磁場発生手段は、外部磁場発生手段(この図には示されていない)と少なくとも1つの集積磁場発生手段25-与えられた例では集積磁場発生ワイヤ25-とを組み合わせることによって形成されて良い。少なくとも1つの集積磁場発生手段25-与えられた例では集積磁場発生ワイヤ25-は、電流ワイヤ21a、21b及び少なくとも1つのGMRセンサ素子24が延びる方向に対して実質的に垂直な方向に延びる。図15及び16の例によると、当該磁気センサデバイス20は、複数の集積磁場発生手段25を有して良い。しかし他の実施例によると、当該磁気センサデバイス20は1つの集積磁場発生手段25を有しても良い。
集積磁場発生電流ワイヤ25は、印加した外部磁場を再度案内する機能を果たす。係る機能により、結合した磁場は、第1磁場の方向に対して反平行の方向に配向する成分を有する。このことは、外部磁場が、GMRセンサ素子24の敏感な方向であるx方向以外の方向に印加されるので、本発明の第1実施例によって可能とされるものよりも大きくすることができることを意味する。外部磁場は、GMRセンサ素子24の敏感ではない方向であるy方向へ案内されることが最も好ましい。
外部磁場と内部磁場とを結合させることで、磁性粒子22はセンサ表面23から引き離される。外部磁場は、集積磁場発生電流ワイヤ25によって再度案内され、かつ第1方向を有する。内部磁場は、電流ワイヤ21a、21bによって発生し、かつ第2方向を有する。第1方向と第2方向とは、互いに実質的に反平行である。
外部磁場は、GMRセンサ素子24の敏感ではない方向であるy方向、つまり敏感な方向であるx方向以外の方向を向くので、印加された外部磁場は第1実施例による磁気センサデバイス20と比較してはるかに大きくなりうる。つまり印加された外部磁場は200A/m〜20000A/mになりうる。その結果、本発明による当該磁気センサデバイス20を用いることによって、センサ表面23から磁性粒子22を取り除くのに適した顕著に大きな反発力を得ることができる。
本発明の第3実施例による当該磁気センサデバイス20は、測定と結合強度の決定-つまり試料流体中での磁性粒子22の決定及び/又は定量-を合わせるのに用いられて良い。たとえば試料流体中での磁性粒子22の決定及び/又は定量中、表面からの磁性粒子22の引き離しは、弱く結合した粒子22すなわち非選択結合の粒子22を取り除くのに用いられて良い。この手順では、洗浄工程はもはや不要である。
第3実施例による当該磁気センサデバイス20はまた、試料流体中での磁性粒子22の決定及び/又は定量のための測定を行うことなく結合強度の決定を行うのに用いられて良い。測定が行われない場合、10kA/mを最大としてさらに大きな外部磁場が許容される。それによりさらに大きな反発力を発生させることができる。後者は、センサ表面23への磁性粒子22の結合強度が決定されるべき場合に有用となりうる。その理由は、全ての磁性粒子22-これには弱く結合した粒子だけではなく強く結合した粒子22も、つまり非選択結合粒子22だけではなく選択結合粒子22も含まれる-がセンサ表面23から取り除かれなければならないからである。
以降では第3実施例による当該磁気センサデバイス20の機能の原理について説明する。
第1電流ワイヤ21a、又は電流ワイヤ21aと21bへ電流を印加することによって、第1方向に第1磁場が発生する。発生した第1磁場は磁場勾配を有する。その磁場勾配を介して、磁性粒子22はセンサ表面23へ引き付けられて良い。少なくとも1つの第2磁場発生手段-与えられた例では集積磁場発生手段25-は、引き付け手順中、そのスイッチがオフにされる。換言すると、磁場発生電流ワイヤ25には電流が流れない。
「引き付け」段階では、磁性粒子22は、試料流体のバルクからセンサ表面23付近の領域へ集中する。磁性粒子22をセンサ表面23へ引き付けるのに必要とされる時間は、可能な限り短いこと-たとえば30分以内で、好ましくは10分以内で、より好ましくは1分以内-が好ましい。
センサ表面23へ向かって引き付けられる磁性粒子22の少なくとも一部は、センサ表面23上に存在する結合位置と結合して良い。「結合」段階では、磁性粒子22は、センサ表面23上の捕獲領域すなわち結合領域での所望の(生)化学結合の発生を最適化するように、その結合表面に、より近づけられる。ここでセンサ表面23上の捕獲領域すなわち結合領域とは、前記少なくとも1つのセンサ素子24による検出感度が高く、かつ生物学的結合選択性の高い領域である。結合プロセスを最適化するには、接触時間(個々のビーズが結合表面に接触する合計時間)だけではなく、接触効率を増大させる(ビーズが結合表面に近づくときに選択される生物学的結合を最大にする)ことが必要である。
次の手順では、外部磁場発生手段のスイッチをオンにすることにより、又は第1磁場が存在する上部へ永久磁石を接近させることにより、外部磁場が印加される。同時に電流が、第2方向に第2磁場を発生させる第2磁場発生手段の集積部分-与えられた例では集積磁場発生電流ワイヤ25-を流れる。換言するとこの手順では、第2磁場発生手段-与えられた例では集積磁場発生電流ワイヤ25-のスイッチもまたオンになる。第1磁場発生手段と、外部磁場発生手段及び内部磁場発生手段を有する第2磁場発生手段から得られる結合磁場は、磁性粒子22をセンサ表面23から引き離す。この手順中、第1電流ワイヤ21aはそのままの状態である。
第3実施例による当該磁気センサデバイス20では、多くの動作又は機能の実現が可能である。たとえば追加の集積磁場発生手段25の同時起動、又は所定の時間帯の間に1つ以上の集積磁場発生手段25を起動することによる時間多重動作が可能である。
本発明の実施例によると、図16に図示されているように、集積磁場発生手段25は互いに接続して良い。その場合、たとえば図16に図示されているように集積磁場発生手段に電流I2を流すことによって、集積磁場発生手段25はすべて同時に作用する。外部磁場(反転/非反転)の符号を変調させることによって、磁性粒子は、すべての集積磁場発生手段25によって順次引き離される。
上述したように、反発は励起した電流ワイヤ21a、21bの上でしか起こらないので、本発明の第2実施例による当該磁気センサデバイスは、同一センサデバイス20上での多数の異なるアッセイ法にとって適している。
しかし上述した第2及び第3実施例は、依然として外部磁場を必要とするという欠点を有している。従って以降では、当該磁気センサデバイス20が外部磁場を必要としない実施例をいくつか説明する。
本発明の第4実施例によると、当該磁気センサデバイス20は、第1集積磁場発生手段21及び少なくとも1つの磁気センサ素子24-たとえばGMRセンサ素子24-を有する。図17は第4実施例による磁気センサデバイス20の一例を図示している。与えられた例では、第1磁場発生手段21は、第1電流ワイヤ21a、第2電流ワイヤ21b、及び第1電流ワイヤ21aと第2電流ワイヤ21bの間に設けられた1つのGMRセンサ素子24を有して良い。これは、本発明の第4実施例による当該磁気センサデバイス20の可能な実施例に過ぎず、他の実施例も開示されていることに留意して欲しい。たとえば当該磁気センサデバイス20は、おおよそ2つの電流ワイヤ21a、21bを有して良く、かつ/又は2つ以上のGMRセンサ素子24を有しても良いし、又はGMRセンサ素子以外のセンサ素子を有しても良い(上記参照)。
本発明の第4実施例によると、第2磁場発生手段は集積磁場発生手段しか有してなくて良く、外部磁場発生手段を必要としない。図17の例では、集積磁場発生手段とは、第1電流ワイヤ21aと当該磁気センサデバイス20の表面23との間に設けられた集積磁場発生電流ワイヤ25である。集積磁場発生電流ワイヤ25は、電流ワイヤ21a、21b及びGMRセンサ素子24が延びる方向に対して実質的に垂直に延びて良い。他の実施例によると、集積磁場発生手段25は2つ以上の磁場発生電流ワイヤ25を有して良い。たとえば当該磁気センサデバイス20は、第1電流ワイヤ21aとセンサ表面23との間に第1磁場発生電流ワイヤ25を有して良く、かつ第2電流ワイヤ21bとセンサ表面23との間に第2磁場発生電流ワイヤ25を有して良い。本発明のさらに他の実施例によると、当該磁気センサデバイス20は、当該センサデバイス20にわたりx方向に延びる-つまり第1電流ワイヤ21aとセンサ表面23の間から第2電流ワイヤ21bとセンサ表面23の間へ向かって延びる-1つの磁場発生電流ワイヤ25を有して良い。磁場発生電流ワイヤ25は第1電流ワイヤ21a及び第2電流ワイヤ21bの長さと同程度の長さを有することが好ましいと考えられる。その理由は、反発力は電流ワイヤ21a,21bと磁場発生電流ワイヤ25のいずれもが存在する位置でのみ起こるからである。しかし本発明の別な好適ではない実施例によると、磁場発生電流ワイヤ25は、第1電流ワイヤ21a及び第2電流ワイヤ21bの長さと異なる長さを有して良い。
以降では図17で与えられた例を用いて本発明の第4実施例による当該磁気センサデバイス20の機能の原理について説明する。
第1電流ワイヤ21aに電流を印加することによって、第1方向に第1磁場が発生する。発生した第1磁場は強い磁場勾配を有する。その磁場勾配を介して磁性粒子22はセンサ表面23へ引き付けられることが可能となる。図17で与えられた例によると、紙面へ入り込む方向に約50mAの電流が、第1電流ワイヤ21に流される。第2磁場発生手段-与えられた例では集積磁場発生ワイヤ25-は、引き付け手順中、そのスイッチがオフにされる。換言すると第1磁場発生ワイヤ25には電流が流れない。
「引き付け」段階では、磁性粒子22は、試料流体のバルクからセンサ表面23付近の領域へ集中する。磁性粒子22をセンサ表面23へ引き付けるのに必要とされる時間は、可能な限り短いこと-たとえば30分以内で、好ましくは10分以内で、より好ましくは1分以内-が好ましい。
センサ表面23へ向かって引き付けられる磁性粒子22の少なくとも一部は、センサ表面23上に存在する結合位置と結合して良い。「結合」段階では、磁性粒子22は、センサ表面23上の捕獲領域すなわち結合領域での所望の(生)化学結合の発生を最適化するように、その結合表面に、より近づけられる。ここでセンサ表面23上の捕獲領域すなわち結合領域とは、前記少なくとも1つのセンサ素子24による検出感度が高く、かつ生物学的結合選択性の高い領域である。結合プロセスを最適化するには、接触時間(個々のビーズが結合表面に接触する合計時間)だけではなく、接触効率を増大させる(ビーズが結合表面に近づくときに選択される生物学的結合を最大にする)ことが必要である。
次の手順では、外部磁場発生手段のスイッチをオンにすることにより、又は第1磁場が存在する上部へ永久磁石を接近させることにより、外部磁場が印加される。同時に電流が、第2方向に第2磁場を発生させる第2磁場発生手段の集積部分-与えられた例では集積磁場発生電流ワイヤ25-を流れる。換言するとこの手順では、第2磁場発生手段-与えられた例では集積磁場発生電流ワイヤ25-のスイッチもまたオンになる。この手順中、第1電流ワイヤ21aはそのままの状態である。本発明によると、磁場発生電流ワイヤ25を流れる電流は、第1磁場が第2磁場方向とは実質的に反平行の方向を有するようなものである。「実質的に反平行」とは、第1磁場と第2磁場とが、10°未満で、好適には5°未満で、かつ最も好適には1°未満の角度をなすことを意味する。図17で与えられた例によると、約150mAの電流が、紙面を飛び出す方向-つまり第1電流ワイヤ21aを流れる電流が流れる方向とは反対の方向-に流れる。本発明の第4実施例によると、第2磁場発生手段-与えられた例では集積磁場発生電流ワイヤ25-によって発生する第2磁場は、第1電流ワイヤ21aによって発生する第1磁場よりも大きい。その結果、図17の参照番号26に示されたような反発力が生じる。第1磁場と第2磁場とが反平行に配向することで、電流ワイヤ21aの上での磁場は最小となる。従って全体の磁場勾配は電流ワイヤ21aから離れる方向に配向する。よって電流ワイヤ21a付近であって流体試料中-換言すると(図17に図示されているように)電流ワイヤ21aの上であるセンサ表面23-に存在する磁性粒子22は、センサ表面23から離れるような力を受け、その結果流体へ入り込む。
図18及び19は、それぞれ水平方向と垂直方向の磁力を、z=1.7μmでの磁性粒子22のx座標の関数として表している。その際の条件は、励起電流が50mAで、300nmアデムテック製ビーズが用いられた場合に第2磁場発生手段を流れる電流は150mAである。図19から分かるように、反発力は第1電流ワイヤ21aの上であるセンサ表面23で最大となるので、その反発力は、磁性粒子23が前の手順で引き付けられていたセンサ表面23の位置に生じる。反発力は95〜100fNである。この値はセンサ表面23から非選択的に結合した粒子22を取り除くのに十分であると考えられる。
しかし約150mAという相当に大きな電流が必要となることに留意しなければならない。この欠点は、相当に大きな放熱が生じる恐れがあることである。図17に図示された上述の構成では、100mWの連続的な放熱が起こる。しかしこれは、集積磁場発生電流ワイヤ25へパルス作用を印加することによって減少させることが可能である。上述の欠点を回避する他の方法は、集積磁場発生電流ワイヤ25を順次作用するサブワイヤに分割することである。これにより出力の損失が制限される。
さらに、磁性粒子22が大きくなればなるほど、同じ磁場でその磁性粒子22に作用する磁力は大きくなることにも留意しなければならない。最も好適である本発明の第5実施例によると、第2磁場発生手段は複数の小さな集積電流ワイヤ25a-25dを有して良い。これは図20に図示されている。複数の小さな集積電流ワイヤ25a-25dは、センサ表面23と、第1電流ワイヤ21a及びGMRセンサ素子24及び第1電流ワイヤ21bとの間に設けられて良い。複数の小さな集積電流ワイヤ25a-25dの大きさは、全て同一であっても良いし、又はそれぞれ異なっていても良い。好適には、複数の小さな集積電流ワイヤ25a-25dは、1μm〜5μmの幅を有し、かつ2μmの幅を有することが好ましい。好適には、複数の小さな集積電流ワイヤは、第1電流ワイヤ21aと第2電流ワイヤ21bの上で対称的となるように丁寧に設けられて良い。これは図20から分かる。小さな集積電流ワイヤ25a、25bは電流ワイヤ21aの各面で対称的に設けられている一方、小さな集積電流ワイヤ25c、25dは電流ワイヤ21bの各面で対称的に設けられている。
図21及び22は、それぞれ水平方向と垂直方向の磁力を、z=1.7μmでの磁性粒子22(図20参照)のx座標の関数として表している。その際の条件は、電流ワイヤ21aを流れる励起電流が50mAで、300nmアデムテック製ビーズが用いられた場合に電流ワイヤ25aと25bを流れる励起電流は65mAである。反発力は第1電流ワイヤ21aの上に生じることが分かる。
第5実施例による当該磁気センサデバイス20の機能の原理は、第4実施例による当該磁気センサデバイス20の機能の原理と似ている。第5実施例による当該デバイス20では、電流ワイヤ25a、25bによって発生する磁場は互いに増幅し合う。その結果、電流ワイヤ25a、25bを非常に大きくする必要がなくなる。よって大きな電流ワイヤが必要となる場合よりも、放熱が小さくなる。
上述した本発明の実施例による当該デバイス20は、センサチップ/カートリッジ外部に設けられた従来の外部磁場発生装置と比較して、いくつかの利点を有することができる。その利点は以下である。
- 永久静磁場であること。そのため出力が効率的である。
- 明確でかつ(大きさと位置が)制御可能な反発力が生じること。これはたとえば複数の目的にとって好ましい。
- センサデバイスと読み取りステーションとの間での機械的調節が最小となること。第1及び第2磁場発生手段のスイッチのオンとオフを制御するように備えられた駆動手段だけが供されれば良い。
本発明の実施例による当該デバイス20は、磁性粒子22とセンサ表面23との間の結合強度を決定するのに用いられて良い。
本発明の実施例による当該デバイス20は、試料流体中での標的分子の決定及び/又は定量のための測定中、弱い結合と強い結合の区別、すなわち選択結合と非選択結合との区別を行うのに用いられて良い。この場合、当業者に知られている洗浄手順は不要である。
用途及び必要な反発力に依存して、第1実施例、第2実施例、第3実施例、又は第4実施例のいずれかによる磁気センサデバイス20が用いられて良い。
上述の実施例では、直流磁場が前提とされていることに留意して欲しい。しかし本発明は、たとえば交流磁場のような変化する磁場によって実施されても良い。同一周波数を有する交流磁場が、第1磁場発生手段、及び第2磁場発生手段の集積磁場発生手段によって発生するとき、両磁場発生手段での電流方向は、両者の位相関係を変化させることによって、変化すなわち変調させることが可能である。
他の態様では、本発明は、上述の実施例に記載された当該磁気センサデバイス20を用いることによって、センサ表面23に対する磁性粒子22の引き付け及び引き離し方法をも供する。当該方法は、第1手順では、第1の集積磁場発生手段21のスイッチをオンにすることによって磁性粒子22をセンサ表面23へ引き付ける第1磁場を発生させる手順を有する。そのためこの手順では、引き付けられた磁化可能物体の少なくとも一部がセンサ表面23に結合する。次の手順では、第1磁場発生手段のオンにしたままで、第2磁場発生手段のスイッチをオンにすることによって、所定値未満の結合強度を有する磁性粒子22をセンサ表面23から取り除く第2磁場が発生する。本発明によると、第1磁場が第1方向を有し、第2磁場が第2方向を有し、前記第1及び第2方向は互いに実質的に反平行であるように、第1及び第2磁場は発生する。「実質的に反平行」とは、第1磁場と第2磁場とが、10°未満で、好適には5°未満で、かつ最も好適には1°未満の角度をなすことを意味する。
たとえば本発明の実施例による当該磁気センサデバイス20及び方法が、磁性粒子22とセンサ表面23との間の強い結合と弱い結合の測定及び区別を併せて行うのに用いられるとき、所定値は、弱く結合した粒子22の結合強度に相当する値に決定されて良い。従って所定値よりも大きな強度を有する磁性粒子22とセンサ表面23との間の結合は、センサからは除去されず、所定値よりも小さな結合強度を有する結合は、引き離し手順中に、センサ表面23から除去される。
本発明の実施例による当該磁気センサデバイス20及び方法が、磁性粒子22とセンサ表面23との間の結合強度を決定するのに用いられるとき、所定値は上述の例での値よりもはるかに大きくて良い。その理由は、この実施例によると、全ての磁性粒子22-弱く結合した粒子も強く結合した粒子も-センサ表面23から除去されなければならないからである。
以降では本発明の実施例による当該磁気センサデバイス20及び方法の使用に係る他の例について説明する。センサ表面23から磁性粒子22を除去する反発力は、第2磁場発生手段によって発生する磁場強度を変調させることによって-たとえば集積磁場強度手段25内での電流を変調させることによって-変調されて良い。弱い第2磁場が印加されるとき、弱く結合した磁性粒子22だけをセンサ表面23から除去することが可能である。磁場強度は、全ての磁性粒子22がセンサ表面23から除去されるまで、さらに増大して良い。そのようにして、全ての磁性粒子22/センサ表面23の結合についての走査が行われて良い。
上記のため、結合強度の所定値は、本発明の実施例による当該磁気センサデバイス20及び方法が用いられる用途に依存する。さらに結合強度の所定値は、決定される標的部分、及び標的部分を選択的に結合するのに用いられるセンサ表面上のリガンドに依存する。
磁性粒子上での受容体の結合と表面上でのリガンド分子との間の結合強度の例は、非特許文献2で見つけることができる。たとえば表面上のビオチンリガンドと接する受容体タンパク質ストレプトアビジンによって官能化された超常磁性粒子については、ストレプトアビジン-ビオチン結合を壊すのに約45ピコニュートン(pN)の力が必要である。さらに上述の例では、非選択結合をする磁性粒子を除去するためには、わずか5〜10pNという小さな力しか必要とされない。
他の態様では、本発明は、上述したように、本発明の実施例による少なくとも1つの磁気センサデバイス20を有するバイオチップ40をも供する。図23は本発明の実施例によるバイオチップ40を図示している。当該バイオチップ40は、基板41に集積された本発明の実施例による少なくとも1つの磁気センサ素子20を有して良い。「基板」という語には、下地材料として使用可能な材料、又は上に素子、回路、又はエピタキシャル層を形成することが可能な材料が含まれて良い。「基板」という語には、たとえばドープされたシリコン、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウム燐(InP)、ゲルマニウム(Ge)、又はシリコンゲルマニウム(SiGe)基板のような半導体基板が含まれて良い。「基板」という語には、たとえば半導体基板部分に加えて、SiO2又はSi3N4層のような絶縁層が含まれて良い。よって「基板」という語は、ガラス、プラスチック、セラミックス、シリコン・オン・ガラス、シリコン・オン・サファイア基板をも含む。よって「基板」という語は一般的に、層すなわち関心部分の下に位置する層の構成要素を定義するのに用いられる。また「基板」は、上に層が形成される他の如何なる底部-たとえばガラス又は金属層-であっても良い。
本発明の実施例によると、単一の磁気センサデバイス20又は複数の磁気センサデバイス20が、バイオチップ40を形成するように同一基板41上に集積されて良い。
本例によると、磁場発生装置は第1及び第2導体を有して良い。第1及び第2導体はたとえば、第1及び第2導電性ワイヤ21a及び21bによって実装されて良い。また外部磁場を発生させるのに、導電性ワイヤ21a及び21bに代わる他の手段が用いられても良い。さらに第1磁場発生手段21は別な数の導体を有しても良い。
各磁気センサデバイス20では、少なくとも1つのセンサ素子24-たとえばGMR素子-が基板41内に集積されて良い。前記少なくとも1つのセンサ素子24は、バイオチップ40から収集される情報を読み取る-つまり標的粒子43に付着する磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性ナノ粒子-の存在又は不存在を読み取る-ことによって標的粒子43の実際の密度を決定又は推定する。磁性物体又は磁化可能物体-たとえば磁性粒子-は、所謂超常磁性ビーズによって実施されることが好ましい。標的部分43との選択的結合が可能な結合位置44はプローブ素子45に付着する。そのプローブ素子45は基板41の上部に付着する。
本発明によると、各磁気センサデバイス20は第2磁場発生手段を有する。図23で与えられた例によると、第2磁場発生手段は集積磁場発生手段25を有して良い。与えられた例において、集積磁場発生手段2とは集積磁場発生電流ワイヤ25である。
バイオチップ40、ひいては磁気センサデバイス20の機能について以降で説明する。所定の標的部分43を結合するため、各プローブ素子44にはある特定の種類の結合位置が供されて良い。検出されるべき標的部分43を含む標的試料が、バイオチップ40のプローブ素子45に与えられるか、又はプローブ素子45を通過して良い。結合位置44と標的部分43とが一致する場合に、両者は互いに結合する。超常磁性ビーズ22-より一般的には磁性物体又は磁化可能物体-は、標的部分43と直接的又は間接的に結合して良い。磁性物体又は磁化可能物体-たとえば超常磁性ビーズ22-によって、バイオチップ40によって収集される情報の読み取りが可能となる。
分子アッセイ法に加えて、たとえば細胞、ウイルス、又は細胞若しくはウイルスの断片のような大きな部分をも検出することができる。検出は、バイオセンサ表面に対してセンサ素子を走査して行われても良いし、又は走査しないで行われても良い。
測定データは端点測定として得られても良いし、それだけではなく動的又は断続的に信号を記録することによって得られても良い。
磁性物体又は磁化可能物体15-たとえば磁性粒子-は検知方法によって直接検出されても良い。あるいは磁性物体又は磁化可能物体15-たとえば磁性粒子-は検出前にさらに処理されても良い。このようなさらなる処理の一例は、材料を加えること、又は、磁性物体若しくは磁化可能物体15-たとえば磁性粒子-の(生)化学若しくは物理特性を改質して検出を助けることである。
本発明による磁気センサデバイス20、バイオチップ40、及び方法は、複数の種類のアッセイ法と共に用いられて良い。そのようなアッセイ法とはたとえば、結合/未結合アッセイ法、サンドイッチアッセイ法、競合アッセイ法、変位アッセイ法、酵素アッセイ法等である。
本発明による磁気センサ素子、バイオチップ40、及び方法は、センサの多重化(つまり各異なるセンサ及びセンサ表面の並列使用)、ラベルの多重化(つまり各異なる種類のラベルの並列使用)、及びチャンバの多重化(つまり各異なる反応チャンバの並列使用)での使用に適している。
本発明による磁気センサ素子、バイオチップ40、及び方法は、小さな試料体積用の迅速、安定で、かつ使用しやすいポイント・オブ・ケアバイオセンサとして用いられて良い。流体チャンバ23はたとえば、小型読み取り装置と共に用いられる使い捨ての道具であって良い。その流体チャンバ23は、1つ以上の磁場発生手段及び1つ以上の検出手段を含む。
さらに本発明による磁気センサ素子、バイオチップ40、及び方法は、自動高速処理検査に用いられて良い。この場合、流体チャンバ23は、自動装置に適合した、たとえばウエルプレート又はキューベットであって良い。
本発明による素子について、好適実施例、特定の構造、構成、及び材料が論じられているとはいえ、本発明の技術的範囲及び技術的思想から逸脱することなく、様々な詳細及び形式を変化させたものや修正したものを設計することが可能であることに留意すべきである。

Claims (24)

  1. 表面を有する磁気センサデバイスであって:
    第1方向に第1磁場強度を有する第1磁場を発生させる第1集積磁場発生手段であって、前記第1磁場は磁性物体又は磁化可能物体を当該磁気センサデバイスの表面へ引き付ける、第1集積磁場発生手段;
    少なくとも1つのセンサ素子;
    第2方向に第2磁場強度を有する第2磁場を発生させる第2磁場発生手段であって、前記第2磁場は、前記第1磁場と共に、所定値未満の結合強度を有する磁性物体又は磁化可能物体を当該磁気センサデバイスの表面から引き離し、前記第1及び第2磁場発生手段によって発生する磁場は互いに実質的に反平行な方向を有する、第2磁場発生手段;並びに
    前記第1及び第1磁場の変調を制御する駆動手段;
    を有する磁気センサデバイス。
  2. 前記第2磁場発生手段が外部磁場発生手段を有する、請求項1に記載の磁気センサデバイス。
  3. 前記第2磁場発生手段が少なくとも集積磁場発生手段を有する、請求項1に記載の磁気センサデバイス。
  4. 前記の第1及び第2磁場の変調を制御する駆動手段は、前記第1集積磁場発生手段及び前記第2磁場発生手段のスイッチのオンとオフを制御する駆動手段である、請求項1に記載の磁気センサデバイス。
  5. 前記第2磁場発生手段が少なくとも1つの集積磁場発生手段を有する、請求項2に記載の磁気センサデバイス。
  6. 前記少なくとも1つのセンサ素子及び前記第1集積磁場発生手段は第1方向へ延在し、
    前記の第2磁場発生手段の少なくとも1つの集積磁場発生手段は、前記第1方向と実質的に垂直である第2方向を向く、
    請求項5に記載の磁気センサデバイス。
  7. 前記の第2磁場発生手段の少なくとも1つの集積磁場発生手段は電流ワイヤである、請求項3又は5に記載の磁気センサデバイス。
  8. 前記外部磁場発生手段が永久磁石である、請求項2又は5に記載の磁気センサデバイス。
  9. 前記の発生した外部磁場は、200A/m〜20000A/mの範囲の大きさを有する、請求項2又は5に記載の磁気センサデバイス。
  10. 前記の第2磁場発生手段の少なくとも1つの集積磁場発生手段は、前記第1集積磁場発生手段と前記少なくとも1つの磁気センサ素子に対して実質的に平行な方向に配向する、請求項3に記載の磁気センサデバイス。
  11. 前記第2磁場発生手段が複数の電流ワイヤを有する、請求項1に記載の磁気センサデバイス。
  12. 前記の第2磁場発生手段の少なくとも1つの集積磁場発生手段が、前記センサ表面と前記第1集積磁場発生手段との間に設けられる、請求項3に記載の磁気センサデバイス。
  13. 前記第1磁場発生手段は少なくとも1つの電流ワイヤを有する、請求項1に記載の磁気センサデバイス。
  14. 前記少なくとも1つのセンサ素子が第1方向へ延在し、
    前記第1磁場発生手段は、前記第1方向と実質的に垂直である第2方向を向く集積磁場発生手段を有する、
    請求項2に記載の磁気センサデバイス。
  15. 前記少なくとも1つのセンサ素子の敏感な方向に、磁性物体又は磁化可能物体の磁気モーメントによって発生する双極性磁場を配向する第3磁場を発生させる第3磁場発生手段をさらに有する、請求項1又は14に記載の磁気センサデバイス。
  16. 前記少なくとも1つのセンサ素子は、GMRセンサ素子、TMRセンサ素子、AMRセンサ素子、ホールセンサ等のうちのいずれか1つである、請求項1に記載の磁気センサデバイス。
  17. 上記請求項のいずれかに記載の少なくとも1つの磁気センサデバイスを有するバイオチップ。
  18. 生物学又は化学試料分析における請求項1乃至16のいずれかに記載の磁気センサデバイスの使用。
  19. 生物学又は化学試料分析における請求項17に記載のバイオチップの使用。
  20. センサデバイスのセンサ表面へ磁性物体又は磁化可能物体を引き付け、かつ前記表面から前記物体を引き離す方法であって、
    当該方法は:
    第1磁場発生手段によって発生する第1磁場の第1磁場強度を変調する手順であって、前記第1磁場は前記センサ表面へ磁性物体又は磁化可能物体を引き付け、前記の引き付けられる磁性物体又は磁化可能物体の少なくとも一部には前記センサ表面へ結合する可能性が与えられる、手順;及び
    第2磁場発生手段によって発生する第2磁場の第2磁場強度を変調する手順であって、前記第2磁場は前記第1磁場と共に、所定値未満の結合強度を有する磁性物体又は磁化可能物体を前記センサ表面から引き離す、手順;
    を有し、
    前記第1及び第2磁場は、前記第1磁場が第1方向を有し、前記第2磁場が第2方向を有し、かつ前記第1及び第2方向が実質的に互いに反平行となる、ように生成される、
    方法。
  21. 前記第1及び第2磁場強度を変調する手順は:
    前記センサ表面へ磁性物体又は磁化可能物体を引き付ける第1磁場を発生させる前記第1集積磁場発生手段のスイッチをオンにする手順;及び
    前記第1磁場と共に、所定値未満の結合強度を有する磁性物体又は磁化可能物体を前記センサ表面から引き離す第2磁場を発生させる前記第2磁場発生手段のスイッチをオンにする手順;
    によって実行される、
    請求項20に記載の方法。
  22. 生物学又は化学試料分析における請求項20に記載の方法の使用。
  23. センサ表面への磁性物体又は磁化可能物体の結合強度を決定するための請求項20に記載の方法の使用。
  24. センサ表面への磁性物体又は磁化可能物体の選択結合と非選択結合とを区別するための請求項20に記載の方法の使用。
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