JP2006160826A - ゴムと金属との接着促進剤、およびそれを含むゴム組成物 - Google Patents

ゴムと金属との接着促進剤、およびそれを含むゴム組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006160826A
JP2006160826A JP2004351197A JP2004351197A JP2006160826A JP 2006160826 A JP2006160826 A JP 2006160826A JP 2004351197 A JP2004351197 A JP 2004351197A JP 2004351197 A JP2004351197 A JP 2004351197A JP 2006160826 A JP2006160826 A JP 2006160826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
group
rubber
adhesion promoter
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004351197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4704016B2 (ja
Inventor
Toru Imori
徹 伊森
Jun Suzuki
準 鈴木
Kazunori Iida
一徳 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikko Kinzoku KK
Original Assignee
Nikko Kinzoku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikko Kinzoku KK filed Critical Nikko Kinzoku KK
Priority to JP2004351197A priority Critical patent/JP4704016B2/ja
Publication of JP2006160826A publication Critical patent/JP2006160826A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4704016B2 publication Critical patent/JP4704016B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】 毒性が懸念されているホウ素を含有する化合物、さらに有機コバルト化合物、ニッケル化合物を用いなくても、接着性が有機コバルト化合物、ニッケル化合物に匹敵するもしくはそれ以上であり、かつ配合したゴムの貯蔵安定性を改善した接着促進剤およびそれを配合したゴム組成物を提供する。
【解決手段】 長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属から選択されるいずれかの金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する金属化合物とを反応させて得られた反応生成物を含むことを特徴とするゴムと金属との接着促進剤。長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属から選択されるいずれかの金属のカルボン酸塩のカルボン酸の炭素数は2〜20が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴムと金属、特にスチールコードとの接着力を高めるための接着促進剤、およびこれが配合されたゴム組成物に関する。
従来、ラジアルタイヤやベルトコンベア用ベルトなどの補強材としてスチールコードが用いられている。かかるスチールコードには、天然ゴムまたは合成ゴムとの接着力を向上させるために、黄銅めっき等の金属めっき処理が施され、ゴム組成物には、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、コバルト−ホウ素錯体などコバルト系有機金属化合物が接着促進剤として使用されている。しかし、コバルト系の化合物は加硫促進能力が強く、コバルトを含有するゴムは保存安定性が低いという問題がある。また、コバルトは安全性にも問題があり、さらに高コストであるため、コバルト系以外の金属塩についても検討されているが、コバルト系以外の金属塩では、接着力が劣るという問題がある。
コバルト系有機金属化合物を用いた場合のゴムの保存安定性を向上させた接着促進剤として、例えば特許文献1〜3にコバルト−ホウ素化合物を用いる接着促進剤が記載されている。しかし、ホウ素は毒性が懸念されている。
また、特許文献4には、アルミニウム、ケイ素又はチタン原子を介して結合した3又は4個のコバルト又はニッケル原子を含みそして脂肪酸及び芳香族カルボン酸残基の組み合わせを含む金属有機化合物は、加硫されたゴムに対する黄銅被覆鋼の接着を促進するための接着促進剤として有用であることが記載されている。
特開昭60−158230号公報 特開平3−192130号公報 特開平7−11052号公報 特表2001−519435号公報
本発明の目的は、毒性が懸念されているホウ素を含有する化合物を用いなくても、接着性が有機コバルト化合物に匹敵するもしくはそれ以上であり、かつゴムの貯蔵安定性が改善された接着促進剤およびそれを配合したゴム組成物を提供することにある。さらには、有機コバルト化合物、ニッケル化合物以外の金属では接着が劣るという問題があったが、有機コバルト化合物、ニッケル化合物を用いなくても、接着性が有機コバルト化合物、ニッケル化合物に匹敵するもしくはそれ以上であり、ゴムの貯蔵安定性も良好な接着促進剤およびそれを配合したゴム組成物を提供することにある。
上記課題について、鋭意検討した結果、長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する金属化合物を反応させて得られた反応生成物を接着促進剤として用いることにより、ゴムと金属の接着性、ゴムの貯蔵安定性が良好となることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属から選択されるいずれかの金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する金属化合物とを反応させて得られた反応生成物を含むことを特徴とするゴムと金属との接着促進剤。
(2)前記金属のカルボン酸塩のカルボン酸の炭素数が2〜20であることを特徴とする前記(1)記載のゴムと金属との接着促進剤。
(3)前記アルコキシ基を有する金属化合物の金属が、アルミニウム、バリウム、ビスマス、カルシウム、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、インジウム、ランタン、マグネシウム、モリブデン、リン、アンチモン、ケイ素、スズ、ストロンチウム、タンタル、チタン、バナジウム、タングステン、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムのいずれか1種以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のゴムと金属との接着促進剤。
(4)前記ゴムと接着する金属が、スチールコードであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載のゴムと金属との接着促進剤。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のゴムと金属との接着促進剤を含むことを特徴とするゴム組成物。
長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属から選択されるいずれかの金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する金属化合物を反応させて得られた反応生成物を接着促進剤として用いることによって、毒性が懸念されているホウ素を含有する化合物、有機コバルト化合物、又はニッケル化合物を用いなくても、接着性が有機コバルト化合物、ニッケル化合物に匹敵するもしくはそれ以上であり、かつ貯蔵安定性が改善された接着促進剤およびそれを配合したゴム組成物を提供することができる。
本発明は、上記のように長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属から選択されるいずれかの金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する金属化合物を反応させて得られた反応生成物を接着促進剤として用いることによって、毒性が懸念されているホウ素を含む化合物、安全性に問題があったり、コスト高である有機コバルト化合物、又はニッケル化合物を用いなくても、ゴムと金属との接着性、貯蔵安定性を向上させることができるものである。ここで、長周期型周期表とは、IUPAC 2004 Nov.1に開示されたものを指す。
金属のカルボン酸塩の金属として、長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族の金属を除く理由は以下のとおりである。1族の金属は、1価の金属石鹸を形成し、本発明の目的を達成できない。8〜10族の金属のカルボン酸塩との反応生成物を用いた場合は、ゴムの劣化が大きく、本発明の目的を達成できない。18族の金属は金属石鹸を形成しないため、本発明の目的を達成できない。
金属のカルボン酸塩の金属としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、アルミニウム及びケイ素が好ましい。
金属のカルボン酸塩のカルボン酸としては、天然あるいは合成の飽和、不飽和、もしくは直鎖、分岐鎖のカルボン酸あるいはこれらの混合物が挙げられ、ナフテン環やベンゼン環等の環構造を有するカルボン酸であってもよい。炭素数2〜20のカルボン酸が好ましく、例えば、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、レシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ダイマー酸、トール油酸、ナフテン酸、ネオデカン酸等が挙げられる。
また、金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する化合物の反応は、後述するように金属のカルボン酸残基とアルコキシ基が反応し、エステルを生成する。生成したエステルは除去することが好ましく、このため、金属のカルボン酸塩としては、沸点の異なる2種のカルボン酸基を含む塩が好ましい。このようにすることにより、2種のカルボン酸基のうち、沸点が高いものが反応生成物に残るので、沸点の低いカルボン酸残基がエステルとなり、このエステルは熱を加えることにより除去することができる。
したがって、長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属から選択されるいずれかの金属のカルボン酸塩としては、例えば、酢酸ネオデカン酸亜鉛、酢酸ナフテン酸亜鉛、酢酸ステアリン酸亜鉛、酢酸ネオデカン酸チタン、酢酸ナフテン酸チタン、酢酸ステアリン酸チタン、酢酸ネオデカン酸アルミニウム、酢酸ナフテン酸アルミニウム、酢酸ステアリン酸アルミニウム、酢酸ネオデカン酸ジルコニウム、酢酸ナフテン酸ジルコニウム、酢酸ステアリン酸ジルコニウム、酢酸ネオデカン酸ケイ素、酢酸ナフテン酸ケイ素、酢酸ステアリン酸ケイ素、プロピオン酸ネオデカン酸亜鉛、プロピオン酸ナフテン酸亜鉛、プロピオン酸ステアリン酸亜鉛、プロピオン酸ネオデカン酸チタン、プロピオン酸ナフテン酸チタン、プロピオン酸ステアリン酸チタン、プロピオン酸ネオデカン酸アルミニウム、プロピオン酸ナフテン酸アルミニウム、プロピオン酸ステアリン酸アルミニウム、プロピオン酸ネオデカン酸ジルコニウム、プロピオン酸ナフテン酸ジルコニウム、プロピオン酸ステアリン酸ジルコニウム、プロピオン酸ネオデカン酸ケイ素、プロピオン酸ナフテン酸ケイ素、プロピオン酸ステアリン酸ケイ素、ネオデカン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ネオデカン酸チタン、ナフテン酸チタン、ステアリン酸チタン、ネオデカン酸アルミニウム、ナフテン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ネオデカン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、ネオデカン酸ケイ素、ナフテン酸ケイ素、ステアリン酸ケイ素等を挙げることができる。本発明において、金属のカルボン酸塩は、金属石鹸の形態であってもよく、混合石鹸として用いてもよい。混合石鹸の製造方法としては、従来知られているアルカリ金属石鹸を経由する複分解法、金属化合物とカルボン酸を直接反応させる直接法などにより合成することができる。
アルコキシ基を有する金属化合物の金属としては、アルミニウム、バリウム、ビスマス、カルシウム、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、インジウム、ランタン、マグネシウム、モリブデン、リン、アンチモン、ケイ素、スズ、ストロンチウム、タンタル、チタン、バナジウム、タングステン、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムが好ましく、アルミニウム、バリウム、ビスマス、カルシウム、ハフニウム、インジウム、マグネシウム、モリブデン、ケイ素、チタン、バナジウム、タングステン、亜鉛、及びジルコニウムがより好ましい。
アルコキシ基を有する金属化合物のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等が例示できる。アルコキシ基の数は、金属にもよるが1〜4個のものを使用することができる。アルコキシ基以外の置換基として、アルキル基、アリール基等を有していても良い。アルコキシ基を有する金属化合物としては、具体的には、メチルテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、チタニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド等を例示することができる
長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属から選択されるいずれかの金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する金属化合物との反応は、150〜230℃で1〜5時間反応させる。金属のカルボン酸塩/アルコキシ基を有する金属化合物のモル比率は金属にもよるが、通常10/1〜1/10の範囲である。反応後は減圧乾燥するだけで十分であるが、溶媒で希釈してろ過をして使用してもよい。
長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属から選択されるいずれかの金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する金属化合物の反応の代表例として、カルボン酸の亜鉛塩とチタニウムテトライソプロポキシドの反応を以下に示す。他の化合物を用いた場合も同様な反応である。
4(RCOO)(RCOO)Zn+Ti(OCH(CH))
→ (RCOOZn−O−)Ti + 4RCOOCH(CH)
式中、RCOO−、RCOO−はカルボン酸残基を表し、RとRは同一でも異なっていてもよい。但し、金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する金属化合物の反応は、上記のように金属のカルボン酸残基とアルコキシ基が反応しエステルを副生しながら反応が進行する。このエステルは除去したほうが好ましい。このため、金属のカルボン酸塩としては、沸点の異なる2種のカルボン酸基を含む塩が好ましい。このようにすることにより、2種のカルボン酸基のうち、沸点が高いものが反応生成物に残るので、沸点の低いカルボン酸残基がエステルとなり、このエステルは熱を加えることにより除去することができる。したがって、RとRが異なる場合はRが酢酸、プロピオン酸等の低級カルボン酸基であることが好ましい。また、目的化合物中に原料となる金属のカルボン酸塩、アルコキシ基を有する金属化合物、及びその中間反応物が残留していても構わない。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分として、天然ゴム、合成イソプレンゴム、他のジエンゴム、例えば、スチレンジエンゴム、ポリブタジエンゴム等を混合して用いることができる。ゴム成分としては、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを50重量%以上含有するものが特に好ましい。
また、本発明のゴム組成物においては、ゴム成分100重量部に対し、前記接着促進剤を0.1〜10.0重量部、好ましくは0.2〜5.0重量部添加するのが好ましい。配合量が0.1重量部未満では加硫後の接着力の向上が認められず、10.0重量部を超えると接着力が低下する。
さらに、本発明のゴム組成物においては、ゴム成分100重量部に対し、硫黄が3〜8重量部配合されていることが好ましい。
さらに本発明のゴム組成物には、カーボンブラックやシリカ等の充填剤、軟化剤、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系などの加硫促進助剤、アミン・ケトン系、ジアリールアミン系などの老化防止剤等、通常のゴム工業で使用される配合剤を通常の配合量で適宜配合することができる。
なお、本発明のゴム組成物と接着される金属は、その種類や形状にとくに制限されるものではない。しかし特に好ましいのはスチールコードである。また金属は、ゴムとの接着を良好にするために黄銅、亜鉛、あるいは黄銅や亜鉛にニッケルやコバルトを含有する金属でメッキ処理されていることが好ましく、特に好ましくは黄銅めっき処理が施されていることである。その撚り構造は特に制限されるものではない。
さらに、本発明にかかる接着促進剤を配合したゴム組成物の製造方法は、常法による。
以下に、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。
(実施例1)
ネオデカン酸100g、キシレン100ml、酸化亜鉛47gを120℃で1時間加熱しプロピオン酸を滴下により45g添加した。更に120℃で1時間、190℃で1時間加熱撹拌後、190℃で1時間減圧乾燥をした。150℃まで温度を下げ、テトラエトキシシラン33gを滴下により添加した。150℃で1時間、220℃で1時間加熱撹拌後、220℃で1時間減圧乾燥をし、接着促進剤を得た。
得られた化合物の金属含有率は、Zn:25.1wt%、Si:2.0wt%であった。
(実施例2)
ネオデカン酸100g、キシレン100ml、酸化亜鉛47gを120℃で1時間加熱しプロピオン酸を滴下により45g添加した。更に120℃で1時間、190℃で1時間加熱撹拌後、190℃で1時間減圧乾燥をした。150℃まで温度を下げ、チタニウムテトライソプロポキシド44gを滴下により添加した。150℃で1時間、220℃で1時間加熱撹拌後、220℃で1時間減圧乾燥をし、接着促進剤を得た。
得られた化合物の金属含有率は、Zn:23.0wt%、Ti:4.4wt%であった。
(実施例3)
ナフテン酸220g、キシレン150ml、酸化亜鉛70gを120℃で1時間加熱し、プロピオン酸を滴下により70g添加した。120℃で1時間、190℃で1時間加熱撹拌後、190℃で1時間減圧乾燥をした。150℃まで温度を下げ、アルミニウムトリ−n−プロポキシド62gを滴下により添加した。150℃で1時間、220℃で1時間加熱撹拌後、200℃で1時間減圧乾燥をし、接着促進剤を得た。
得られた化合物の金属含有率は、Zn:19.0wt%、Al:2.5wt%であった。
(実施例4)
ネオデカン酸20g、キシレン100ml、チタニウムテトライソプロポキシド11gを120℃で1時間加熱し、プロピオン酸を滴下により3g添加した。120℃で1時間、150℃で1時間加熱撹拌後、1時間減圧乾燥をした。さらに、アルミニウムトリイソプロポキシド8gを滴下により添加した。150℃で1時間加熱攪拌後、ネオデカン酸14gを添加し180℃で2時間、200℃で1時間加熱した後、減圧乾燥し、接着促進剤を得た。
得られた化合物の金属含有率は、Ti:5.3wt%、Al:3.9wt%であった。
(比較例1)
ネオデカン酸100g、キシレン100ml、水酸化コバルト54gを120℃で1時間加熱しプロピオン酸を滴下により45g添加した。更に120℃で1時間、190℃で1時間加熱撹拌後、190℃で1時間減圧乾燥をした。150℃まで温度を下げ、テトラエトキシシラン33gを滴下により添加した。150℃で1時間、220℃で1時間加熱撹拌後、220℃で1時間減圧乾燥をし、接着促進剤を得た。
得られた化合物の金属含有率は、Co:20.9wt%、Si:2.2wt%であった。
(比較例2)
ネオデカン酸100g、キシレン100ml、水酸化コバルト54gを120℃で1時間加熱しプロピオン酸を滴下により45g添加した。更に120℃で1時間、190℃で1時間加熱撹拌後、190℃で1時間減圧乾燥をした。150℃まで温度を下げ、チタニウムテトライソプロポキシド33gを滴下により添加した。150℃で1時間、220℃で1時間加熱撹拌後、220℃で1時間減圧乾燥をし、接着促進剤を得た。
得られた化合物の金属含有率は、Co:21.7wt%、Ti:3.4wt%であった。
得られた接着促進剤を用いて表1の組成でゴムの混練を行った。接着促進剤の添加量は、天然ゴム100重量部に対して、表2に記載した量とした。
Figure 2006160826
次に、以下に示す試験方法でスチールコードとの密着力試験を行った。結果を表2に示す。
試験方法:
表1に示す物質に、実施例1〜4、比較例1〜2で得られた接着促進剤を表2記載の量添加したゴム組成物を、試験用2本ロールにより熟練し、12mm厚のゴムシートを作製した。このゴムシートの間に、真鍮(Cu約70%、Zn約30%)をメッキした1×5×0.25mmのスチールコードを埋め込み、160℃で40分間加硫し、スチールコードが挟まれたゴム組成物のサンプルを作製した。
得られた各シートサンプルについて、ASTM−2229に準ずる方法で引き抜き試験を行い、ゴムとスチールコードとの接着力をゴム付着率により測定した。
初期接着性は、上記加硫条件で加硫した直後に測定した。
湿熱老化は、上記加硫条件で加硫したサンプルを120℃スチーム下で8時間放置し接着性を測定した。
加熱老化は、上記加硫条件で加硫したサンプルを80℃で10時間放置し接着性を測定した。
(比較例3)
比較例として、従来のコバルト石けんであるナフテン酸コバルト(日鉱マテリアルズ製NM−10)を接着促進剤として用いて実施例と同様にゴム組成物を作製し、同様にして試験を行った。
表2に示す接着試験値は、20個のサンプルの平均値をナフテン酸コバルトを用いた比較例3を100として指数表示した値である。数値が大きいほど結果が良好であることを示す。
Figure 2006160826
本発明の接着促進剤は、接着性が有機コバルト化合物に匹敵するもしくはそれ以上であり、かつ配合したゴムの貯蔵安定性が良好な接着促進剤であることが分かる。

Claims (5)

  1. 長周期型周期表において、1族、8族、9族、10族、18族を除く金属から選択されるいずれかの金属のカルボン酸塩とアルコキシ基を有する金属化合物とを反応させて得られた反応生成物を含むことを特徴とするゴムと金属との接着促進剤。
  2. 前記金属のカルボン酸塩のカルボン酸の炭素数が2〜20であることを特徴とする請求項1記載のゴムと金属との接着促進剤。
  3. 前記アルコキシ基を有する金属化合物の金属が、アルミニウム、バリウム、ビスマス、カルシウム、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、ハフニウム、インジウム、ランタン、マグネシウム、モリブデン、リン、アンチモン、ケイ素、スズ、ストロンチウム、タンタル、チタン、バナジウム、タングステン、イットリウム、亜鉛、及びジルコニウムのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴムと金属との接着促進剤。
  4. 前記ゴムと接着する金属が、スチールコードであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴムと金属との接着促進剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴムと金属との接着促進剤を含むことを特徴とするゴム組成物。
JP2004351197A 2004-12-03 2004-12-03 ゴムと金属との接着促進剤、およびそれを含むゴム組成物 Expired - Fee Related JP4704016B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004351197A JP4704016B2 (ja) 2004-12-03 2004-12-03 ゴムと金属との接着促進剤、およびそれを含むゴム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004351197A JP4704016B2 (ja) 2004-12-03 2004-12-03 ゴムと金属との接着促進剤、およびそれを含むゴム組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006160826A true JP2006160826A (ja) 2006-06-22
JP4704016B2 JP4704016B2 (ja) 2011-06-15

Family

ID=36663216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004351197A Expired - Fee Related JP4704016B2 (ja) 2004-12-03 2004-12-03 ゴムと金属との接着促進剤、およびそれを含むゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4704016B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170052581A (ko) * 2014-09-12 2017-05-12 디아이씨 가부시끼가이샤 고무와 금속과의 접착촉진제, 고무 조성물 및 타이어
JPWO2016039375A1 (ja) * 2014-09-12 2017-06-22 Dic株式会社 ゴムと金属との接着促進剤、ゴム組成物及びタイヤ
CN110041851A (zh) * 2019-05-08 2019-07-23 大连爱柏斯化工股份有限公司 一种粘性强、钴含量低的新型新癸酸钴粘合促进剂
JP2021054976A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、複合体、ホース、コンベヤベルト、クローラおよびタイヤ

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02103264A (ja) * 1988-08-15 1990-04-16 Dow Corning Corp 紫外線硬化性シロキサン組成物
JPH06107951A (ja) * 1992-09-30 1994-04-19 Toray Dow Corning Silicone Co Ltd 光硬化性オルガノポリシロキサン組成物用接着付与剤および光硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JPH1160820A (ja) * 1997-08-12 1999-03-05 Japan Energy Corp 金属とゴムとの接着促進剤
JPH11181149A (ja) * 1997-12-25 1999-07-06 Bridgestone Corp 金属との複合体用ゴム組成物
JP2000351852A (ja) * 1999-04-05 2000-12-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The ニッケルメッキスチールコードとゴムとの接着方法
JP2001106801A (ja) * 1999-10-06 2001-04-17 Yokohama Rubber Co Ltd:The ニッケルメッキスチールコードとゴムとの接着複合体
JP2002037945A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Mitsui Chemicals Inc 硬化性ゴム組成物およびその用途
WO2006001199A1 (ja) * 2004-06-25 2006-01-05 Nippon Mining & Metals Co., Ltd. ゴムと金属との接着促進用該金属表面処理剤

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02103264A (ja) * 1988-08-15 1990-04-16 Dow Corning Corp 紫外線硬化性シロキサン組成物
JPH06107951A (ja) * 1992-09-30 1994-04-19 Toray Dow Corning Silicone Co Ltd 光硬化性オルガノポリシロキサン組成物用接着付与剤および光硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JPH1160820A (ja) * 1997-08-12 1999-03-05 Japan Energy Corp 金属とゴムとの接着促進剤
JPH11181149A (ja) * 1997-12-25 1999-07-06 Bridgestone Corp 金属との複合体用ゴム組成物
JP2000351852A (ja) * 1999-04-05 2000-12-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The ニッケルメッキスチールコードとゴムとの接着方法
JP2001106801A (ja) * 1999-10-06 2001-04-17 Yokohama Rubber Co Ltd:The ニッケルメッキスチールコードとゴムとの接着複合体
JP2002037945A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Mitsui Chemicals Inc 硬化性ゴム組成物およびその用途
WO2006001199A1 (ja) * 2004-06-25 2006-01-05 Nippon Mining & Metals Co., Ltd. ゴムと金属との接着促進用該金属表面処理剤

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170052581A (ko) * 2014-09-12 2017-05-12 디아이씨 가부시끼가이샤 고무와 금속과의 접착촉진제, 고무 조성물 및 타이어
JPWO2016039375A1 (ja) * 2014-09-12 2017-06-22 Dic株式会社 ゴムと金属との接着促進剤、ゴム組成物及びタイヤ
JPWO2016039376A1 (ja) * 2014-09-12 2017-06-22 Dic株式会社 ゴムと金属との接着促進剤、ゴム組成物及びタイヤ
EP3192830A4 (en) * 2014-09-12 2018-05-02 DIC Corporation Rubber metal adhesion promoter, rubber composition, and tire
US10450439B2 (en) 2014-09-12 2019-10-22 Dic Corporation Rubber-metal adhesion promoter, rubber composition, and tire
KR102273441B1 (ko) 2014-09-12 2021-07-06 디아이씨 가부시끼가이샤 고무와 금속과의 접착촉진제, 고무 조성물 및 타이어
US11427698B2 (en) 2014-09-12 2022-08-30 Dic Corporation Rubber-metal adhesion promoter, rubber composition, and tire
CN110041851A (zh) * 2019-05-08 2019-07-23 大连爱柏斯化工股份有限公司 一种粘性强、钴含量低的新型新癸酸钴粘合促进剂
JP2021054976A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、複合体、ホース、コンベヤベルト、クローラおよびタイヤ
WO2021065245A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、複合体、ホース、コンベヤベルト、クローラおよびタイヤ
US20220340737A1 (en) * 2019-09-30 2022-10-27 Bridgestone Corporation Rubber composition, composite, hose, conveyor belt, crawler, and tire
JP7360882B2 (ja) 2019-09-30 2023-10-13 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、複合体、ホース、コンベヤベルト、クローラおよびタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4704016B2 (ja) 2011-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2921506B1 (en) Modified polymer
TWI662045B (zh) 橡膠與金屬的接著促進劑、橡膠組成物及輪胎
TWI686396B (zh) 橡膠與金屬的接著促進劑、橡膠組成物及輪胎
JPS6317292B2 (ja)
CN1452625A (zh) 填充型弹性体组合物用烃芯聚硫硅烷偶联剂
TW201619203A (zh) 改性橡膠、橡膠組成物及輪胎
EP1022306A1 (en) Rubber composition
JP4704016B2 (ja) ゴムと金属との接着促進剤、およびそれを含むゴム組成物
JP5954504B1 (ja) 変性ゴム及びその製造方法、ゴム組成物、並びにタイヤ
JP3323279B2 (ja) スチールコード接着用ゴム組成物
TWI808216B (zh) 橡膠組成物及輪胎
JPH1160820A (ja) 金属とゴムとの接着促進剤
JPH0899985A (ja) 金属有機化合物およびそれを使用したゴムスキム原料
US20210292512A1 (en) Substituted catechols as covering and coupling agents for silica fillers
JP3291000B2 (ja) 金属とゴムとの接着促進剤およびゴム組成物
JP2008127536A (ja) ゴム組成物
JP4311986B2 (ja) ゴムと金属との接着促進剤、その製造方法、およびそれを含むゴム組成物
KR20110079643A (ko) 코발트 함유 중합 조성물
JP2011178922A (ja) ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP2009535431A (ja) 有機酸の金属塩を含有するゴム組成物、加硫方法、加硫組成物及び物品
JPH0450940B2 (ja)
JP5205716B2 (ja) シリカ配合系ゴム組成物
TW200806682A (en) Adhesion promoters for improved rubber to metal bonding
JP2018095757A (ja) 樹脂組成物およびそれを含有するゴム組成物
JP2010090316A (ja) 加硫促進剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110309

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees