JP2006160182A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ質量の増加が伴われず、タイヤ剛性の向上された自動二輪車用空気入りタイヤ2の提供。
【解決手段】自動二輪車用空気入りタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10及びベルト12と備えている。このビード8は、コア24、エイペックス26、ビードトゥーBT及びビードヒールBHを備えている。リム組前の自由状態において、このタイヤ赤道面が中心とされ左右対称に位置する一対のビードヒール間の軸方向距離は正規のリム幅よりも1インチ以上大きい。リム組後の標準状態において、軸方向におけるこのコア24の中心CCの位置は、ビードトゥBTとビードヒールBHとの中心からビードトゥBTとの間にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動二輪車に装着される空気入りタイヤに関する。
走行中にハンドルが切られると、タイヤには横変形が生じる。これとほぼ同時に、この横変形がもとに戻ろうとする反発力が発生する。この反発力がコーナリングフォースである。横変形の生じにくい、換言すると横剛性の高いタイヤほど、このコーナリングフォースは大きくなる。このコーナリングフォースの大きなタイヤは、操縦安定性に優れる。
自動二輪車は、キャンバースラストと前述したコーナリングフォースとによって旋回する。キャンバースラストは、旋回時に車両が倒れ込むことによって発生する。この車両の倒れ込みは、キャンバー角で表される。十分なキャンバー角が確保できればキャンバースラストが大きくなるので、車両の旋回性能は向上する。このキャンバー角も、タイヤ剛性と相関している。車両の走行性能は、タイヤ剛性と密接に関連している。
車両の走行性能が向上されるために、タイヤ剛性の向上に関する様々な提案がなされている。優れた接地性が付与され、旋回時に発生するコーナリングフォースの高められたタイヤが、特開平5−238204に開示されている。このタイヤでは、タイヤ周方向に延びるコードからなるベルトの、タイヤ断面における幅がそのトレッド幅にほぼ等しくなるよう構成されている。さらに、タイヤ赤道面に対して左右対称に位置している一対のビードのビードヒール間の距離で示されるクリップ幅は、リム幅よりも小さくなるように設定されている。
騒音性能及び操縦安定性の向上されたタイヤが、特開2000−16011に開示されている。このタイヤは、カーカスプライに備えられるコードの配列乱れが防止され、リム組後のタイヤ形状変化によってタイヤ内部応力が高められるために、赤道面が中心とされトレッドからビードに至る領域が裾開きとなる形状で加硫成形されている。
乗り心地及びショック吸収性が損なわれることなく、走行中のタイヤ剛性及び耐久性の向上されたタイヤが特開平6−16006に開示されている。このタイヤでは、そのタイヤ断面において、その端がカーカスプライの巻上げ部と重なり合うようカーカスとベルトとの間にキャッププライが配置されている。さらにビードに備えられるコアには、捩れに対する柔軟性が高いケーブルビードが用いられている。
特開平5−238204公報 特開2000−16011公報 特開平6−16006公報
前述したように、タイヤの操縦安定性が向上されるためには、タイヤ剛性が上げられる。カーカスに使用されるカーカスプライの枚数が増やされても又はタイヤに使用されるゴム材料に高剛性材料が用いられても、タイヤ剛性は上がる。その一方で、タイヤ質量が増加する。
本発明の目的は、タイヤ質量の増加が伴われず、タイヤ剛性の向上された自動二輪車用空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る自動二輪車用空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びる一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスとを備えている。このビードは、コア、エイペックス、ビードトゥーBT及びビードヒールBHを備えている。このコアは、センターワイヤーとその周りに金属線が周方向に複数回螺旋巻きされて形成されるレイヤーとを備えている。リム組前の自由状態において、このタイヤ赤道面が中心とされ左右対称に位置する一対のビードヒールBH間の軸方向距離は、正規のリム幅よりも1インチ以上大きい。リム組後の標準状態において、軸方向におけるこのコアの中心CCの位置は、ビードトゥBTとビードヒールBHとの中心からビードトゥBTとの間にある。
本発明に係る自動二輪車用空気入りタイヤの製造方法は、
(1)ビードに備えられるコアの中心CCの位置がビードトゥ相当部とビードヒール相当部との中心からビードトゥ相当部との間になるように、ローカバーが成形される予備成形工程
及び
(2)ビードの外面が形成されるビードリングが備えられ、このビードリングがビードヒール形成部を備えており、タイヤ赤道面相当線に対して左右対称に配置されるこの一対のビードヒール形成部間の軸方向距離が正規のリム幅よりも1インチ以上大きいモールド内で、このローカバーが加圧及び加熱される加硫工程
を含む。
この自動二輪車用空気入りタイヤは、リム組前の自由状態においてタイヤクリップ幅がリム幅より広く設定されているので、リム組後のタイヤ剛性は高い。ビードにセンターワイヤーとその周りに金属線が周方向に複数回螺旋巻きされて形成されるレイヤーとを備えているコアが用いられているので、捩れは発生しない。さらにこのコアの中心CCが、ビードトゥBTとビードヒールBHとの中心からビードトゥBTとの間にあるので、タイヤとリムとの良好な嵌合性が確保されている。したがって、このタイヤでは、タイヤ質量が増加されることなく操縦安定性が向上されかつ、走行時に振動は発生しない。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2の一部が示された断面図である。この図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、インナーライナー14及びチェーファー16を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプの空気入りタイヤ2である。以下、自由状態とは、タイヤ2がリムに組み込まれていない状態を意味する。標準状態とは、タイヤ2が正規のリム18に組み込まれ正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填されている状態を意味する。本明細書において正規のリム18とは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規のリムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
トレッド4は架橋ゴムからなり、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面20を形成する。トレッド面20には、溝22が刻まれている。この溝22により、トレッドパターンが形成されている。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6から半径方向略内向きに延びている。ビード8は、コア24と、このコア24から半径方向外向きに延びるエイペックス26と、軸方向内側にビードトゥBTと、軸方向外側にビードヒールBHとを備えている。エイペックス26は、半径方向外向きに先細りであるテーパ状であり、高硬度な架橋ゴムからなる。ビードトゥBTは、軸方向内側のビード端部である。ビードヒールBHは、ビードベースラインBBLと軸方向外側にあるビード側面の延長線との交点である。
カーカス10は、カーカスプライ28からなる。カーカスプライ28は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ28は、コア24の周りを、軸方向内側から外側に向かって巻かれている。
図示されていないが、カーカスプライ28は、カーカスコードとトッピングゴムとからなる。カーカスコードが周方向に対してなす角度の絶対値は、通常は65°から90°である。換言すれば、このタイヤ2はラジアルタイヤである。カーカスコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。このベルト12は、第一ベルトプライ30、第二ベルトプライ32及び第三ベルトプライ34からなる。第二ベルトプライ32は、第一ベルトプライ30の半径方向外側に位置している。第三ベルトプライ34は、第二ベルトプライ32の半径方向外側に位置している。第一ベルトプライ30は、第一コードとトッピングゴムとからなる。第二ベルトプライ32は、第二コードとトッピングゴムとからなる。第一コードと第二コードとは、周方向に対して傾斜している。その傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。第一コードの周方向に対する角度は、第二コードの周方向に対する角度とは逆である。この第一コード及び第二コードの材質としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
第三ベルトプライ34は、第三コードとトッピングゴムからなる。第三ベルトプライ34は、長手方向に延びる1本又は複数の第三コードとトッピングゴムとからなるリボンが螺旋状に巻かれることによって得られる。第三コードは、実質的に周方向に延びる。第三コードの周方向に対する角度は、5°以下である。この第三コードは、いわゆるジョイントレス構造である。第三コードの好ましい材質としては、アラミド繊維、炭素繊維及びスチールである。
インナーライナー14は、カーカス10の内周面に接合されている。インナーライナー14は、架橋ゴムからなる。インナーライナー14には、空気透過性の少ないゴムが用いられている。インナーライナー14は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
チェーファー16は、ビード8の近傍に位置している。タイヤ2がリム18に組み込まれると、このチェーファー16がリム18と当接する。この当接により、ビード8の近傍が保護される。チェーファー16は、通常は布とこの布に含浸したゴムとからなる。ゴム単体からなるチェーファー16が用いられてもよい。
図1において、このタイヤ2は正規のリム18に組み込まれている。図1中仮想線は、リム組前の自由状態におけるサイドウォール6からビード8に至るタイヤ形状を表している。両矢印線WRは、正規のリム幅である。両矢印線WHは、この自由状態におけるタイヤ2においてその赤道面が中心とされ左右対称に位置する一対のビードヒールBH間の軸方向距離である。この軸方向距離WHは、タイヤ2のクリップ幅に相当する。
サイドウォール6からビード8に至るタイヤ外側面は、直線的に形成されている。タイヤ側面が直線的に形成されているので、このタイヤ2のバネ定数は高く設定される。高いバネ定数により、タイヤ2の剛性が高められる。バネ定数が高く設定されうるタイヤ2は、操縦安定性に優れる。
クリップ幅に相当するこのタイヤ2の一対のビードヒールBH間の軸方向距離WHは、正規のリム幅WRよりも大きい。したがって、このタイヤ2がリム18に組まれると、サイドウォール6からビード8に至る領域が軸方向外側から内側に回動する。この回動に伴い、この領域は変形する。この変形に伴いタイヤ2の内部応力が高まるので、タイヤ剛性は向上する。このタイヤ2において、軸方向距離WHと正規のリム幅WRの差DAは、1.0インチ以上3.0インチ以下である。この差DAが大きいほど、タイヤ剛性は向上する。この観点から、この差DAは1.5インチ以上であるのがさらに好ましい。この差DAが過大になると、リム組後のタイヤ剛性も過大となるので乗り心地が悪くなっていく。さらに、タイヤ2がリム18に組み込まれなくなる。この観点から、この差DAは2.0インチ以下であるのが好ましい。
図2は、図1のタイヤ2の一部が示された拡大断面図である。この図2には、カーカス10、サイドウォール6、ビード8及びチェーファー16が示されている。ビード8に備えられるコア24は、センターワイヤー36とその周りに金属線38が周方向に複数回螺旋巻きされて形成されるレイヤー40とを備えている。換言すると、このコア24はケーブルビードである。タイヤクリップ幅がリム幅より広いタイヤ2がリム18に組まれると、ビード8に捩れの力が作用する。このコア24では、センターワイヤー36に対してレイヤー40が動きうるので、捩れに対する柔軟性が高い。ビード8にこのコア24が備えられることでビード8の捩れが防止できるので、タイヤ2とリム18との嵌合性は向上する。このセンターワイヤー36は金属円環であり、そのセンターワイヤー36の線径は1.0mmから3.0mmである。センターワイヤー36の材質としては、スチールが好ましい。このレイヤー40が形成される金属線38の線径は、0.9mmから2.5mmである。この金属線38の材質としては、高張力鋼が好ましい。
この図2において、ビード8のコア24の中心CCは、このコア24の断面における重心である。図2中の両矢印線W1は、ビードヒールBHとビードトゥBTとの軸方向距離を表している。両矢印線W2は、コア24の中心CCとビードトゥBTとの軸方向距離を表している。
このW2のW1に対する比W2/W1は、0.2以上0.5以下である。このコア24の中心CCは、ビードトゥBTとビードヒールBHとの中心からこのビードトゥBTの間に位置している。タイヤクリップ幅がリム幅より広いタイヤ2では、リム組時の変形代は大きくなる。このタイヤ2では、コア24の中心CCとビードヒールBHとの間が厚くなっているので、タイヤクリップ幅がリム幅より広いタイヤ2がリム18に組まれても、リム18とタイヤ2との間に隙間は発生しない。その結果、リム18とタイヤ2との嵌合性が良好になり、走行時に振動は発生しなくなる。この観点からこの比W2/W1は0.4以下であるのが好ましい。この比W2/W1が過小になるほど、使用可能なコア24の線径は小さくなる。コア24の線径が小さいほどビード8の剛性が下がるので、タイヤ2の耐久性は低下しやすい。この観点から、この比W2/W1は0.3以上であるのが好ましい。
この自動二輪車用空気入りタイヤ2が得られるには、まず、予備成形工程でローカバーが成形される。このローカバーは、種々の未架橋ゴム組成物及び種々のコードからなる。このタイヤ2のビード8に相当する部分において、コア24の中心CCが、ビードトゥ相当部とビードヒール相当部との中心からこのビードトゥ相当部の間になるように、このローカバーは成形されている。なお、ローカバーは、加硫成形前のタイヤ成形体であり、グリーンタイヤとも称せられている。
次に、加硫工程において、このローカバーはモールド42内で加圧及び加熱される。この工程で、ローカバーはまず、モールド42に投入される。ローカバーは、モールド42のキャビティ面とブラダーとによって加圧される。ローカバーは同時に加熱される。この加圧と加熱とによって、ローカバーのゴム組成物が流動する。さらに加熱によりローカバーのゴム組成物が架橋反応を起こす。ローカバーのゴム組成物が完全に架橋され、図1に示されるタイヤ2が得られる。
図3は、図1のタイヤ2の製造方法に含まれる加硫工程に用いられるモールド42の一部が示された断面図である。この図3において、上下方向がタイヤ2の半径方向と同一であり、左右方向がタイヤ2の軸方向と同一であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向と同一である。なお、この一点鎖線LLは、タイヤ赤道面相当線である。このモールド42が、加硫機に装着されている。タイヤ赤道面相当線LLに対して右側が、加硫機上側になる。このタイヤ赤道面相当線LLに対して左側が、加硫機下側になる。このモールド42は、トレッド4の外面が形成されるトレッドセグメント44と、サイドウォール6の外面が形成される上型サイドモールド46及び下型サイドモールド48と、ビード8の外面が形成される上部ビードリング50及び下部ビードリング52とを備えている。このモールド42は、割モールドである。なお、モールド42としては、2ピースモールドが用いられてもよい。
上型サイドモールド46と上部ビードリング50とのキャビティ面と、下型サイドモールド48と下部ビードリング52とのキャビティ面とは、それぞれ直線的に形成されている。このキャビティ面が直線的に形成されているので、タイヤ2のサイドウォール6からビード8に至るタイヤ外周面は直線的に形成される。サイドウォール6からビード8に至るタイヤ外周面が直線的に形成されるので、このタイヤ2のバネ定数は高く設定される。前述したように、バネ定数が高く設定されうるタイヤ2は、操縦安定性に優れる。
この上部ビードリング50はビードヒール形成部P1を備えており、下部ビードリング52はビードヒール形成部P2を備えている。両矢印線WPは、このビードヒール形成部P1とP2との間の軸方向距離を表している。この軸方向距離WPは、正規のリム幅WRよりも1インチ以上大きい。前述したように、この軸方向距離WPが正規のリム幅WRよりも大きくなると、タイヤ剛性は向上する。この観点から、この軸方向距離WPと正規のリム幅WRとの差は1.5インチ以上あることが好ましい。この軸方向距離WPと正規のリム幅WRとの差が過大になると、タイヤ剛性は高くなりすぎる。タイヤ剛性が高くなりすぎると、乗り心地は悪くなる上に、タイヤ2がリム18に組み込まれなくなる。この観点から、この差は3.0インチ以下であるのが好ましい。さらに好ましくは、2.0インチ以下である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
ローカバーをモールドで加圧及び加熱して、図1に示された基本構成が備えられ、表1に示された仕様の自動二輪車用ラジアルタイヤを得た。このタイヤサイズは、120/70ZR17である。一対のビードヒールBH間の軸方向距離WHは正規のリム幅WRよりも大きく、両者の差DAは1.5インチである。ビードには、センターワイヤーとその周りに金属線が周方向に螺旋巻きされて形成されたコアを用いた。このコアは、ケーブルビードである。このコアが構成されるセンターワイヤーの材質はスチールであり、その線径は1.6mmである。このコアの周りに螺旋巻きされてレイヤーを形成する金属線の材質は高張力鋼であり、その線径は1.4mmである。このコアの中心CCとビードトゥBTとの軸方向距離W2のビードヒールBHとビードトゥBTとの軸方向距離W1に対する比W2/W1は、0.3である。したがって、このコアの中心CCは、ビードヒールBHとビードトゥBTとの中心と、ビードトゥBTとの間にある。カーカスには、1枚のカーカスプライを用いた。このカーカスプライに用いられているコード材質は、ナイロン繊維である。このコードの周方向に対してなす角度は、90°である。ベルトには第一ベルトプライ、第二ベルトプライ及び第三ベルトプライを用いた。第一ベルトプライに用いられているコード材質は、アラミド繊維である。このコードの周方向に対してなす角度は、26°である。第二ベルトプライに用いられているコード材質は、アラミド繊維である。このコードの周方向に対してなす角度は、26°である。なお、第一コードの周方向に対してなす角度と第二コードの周方向に対してなす角度とは、逆である。第三ベルトプライに用いられているコード材質は、アラミド繊維である。このコードの周方向に対してなす角度は、0°である。この第三ベルトプライは、ジョイントレス構造である。
[比較例1]
表1に示された仕様以外は実施例1と同様にして、自動二輪車用ラジアルタイヤを得た。なお、比較例1のビードには、数本の鋼線が硬質ゴム中に埋設されたストランドビードを用いており、市販されている従来のタイヤに相当する。
[比較例2]
表1に示された仕様以外は実施例1と同様にして、自動二輪車用ラジアルタイヤを得た。なお、比較例2は、ケーブルビードを用いている。
[比較例4及び実施例3から5]
タイヤ赤道面が中心とされ左右対称に位置する一対のビードヒールBH間の軸方向距離WHと正規のリム幅WRとの差DAを下記表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、自動二輪車用ラジアルタイヤを得た。
[比較例5並びに実施例2及び6]
コアの中心CCとビードトゥBTとの軸方向距離W2のビードヒールBHとビードトゥBTとの軸方向距離W1に対する比W2/W1を下記表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、自動二輪車用ラジアルタイヤを得た。
[比較例3]
ビードをストランドビードとした他は実施例1と同様にして、自動二輪車用ラジアルタイヤを得た。
[操縦性評価]
排気量が1000cmである市販の自動二輪車の前輪に、試作タイヤが装着された。リムはMT3.50×17、タイヤ空気内圧は250kPaとした。なお、この後輪には、市販されている従来のタイヤが装着されている。この後輪のタイヤサイズは、190/50ZR17である。サーキットコースで、時速100km/hから時速150km/hにおける旋回走行と時速200km/hから車両最高速(約280km/h程度)における直進走行とが実施され、ライダーが10.0点を満点とした操縦性に関する官能評価を行った。この数値が大きいほど、良好であることが示される。この結果が、下記の表1に示されている。
[安定性評価]
排気量が1000cm3である市販のロードレース用の自動二輪車の前輪に、試作タイヤが装着された。リムはMT3.50×17、タイヤ空気内圧は250kPaとした。なお、この後輪には、市販されている従来のタイヤが装着されている。この後輪のタイヤサイズは、190/50ZR17である。テストコースで、時速100km/h旋回時と時速200km/h直進時における10×10mmギャップ通過走行が実施され、ライダーが10.0点を満点とした安定性(吸収性)に関する官能評価を行った。この数値が大きいほど、良好であることが示される。この結果が、下記の表1に示されている。
[嵌合性評価]
試作タイヤを嵌合性評価用専用リム(MT3.50×17)に装着した。X線コンピュータ断層映像装置(X線CT)を用いて、軸方向が含まれるタイヤ断面を撮影した。この撮影で得られた画像から、左右にあるビードとリムとの隙間を計測した。X線CTによるタイヤ断面の撮影はタイヤ周上に等間隔で計4断面について行い、全8個のビードとリムとの隙間計測値を得た。この8個の隙間計測値の中の最大値を、嵌合性の評価値とした。この嵌合性評価値が0mmであれば、Aとして表した。嵌合性評価値が0から2mmの間にあれば、Bとして表した。嵌合性評価値が2から3mmの間にあれば、Cとして表した。この結果が、下記の表1に示されている。
Figure 2006160182
表1に示されるように、実施例の自動二輪車用空気入りタイヤは、操縦安定性の向上とタイヤとリムとの良好な嵌合性が確認された。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る自動二輪車用空気入りタイヤは、種々の車両に装着されうる。。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤの製造方法に含まれる加硫工程に用いられるモールドの一部が示された断面図である。
符号の説明
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・インナーライナー
16・・・チェーファー
18・・・トレッド面
20・・・溝
22・・・コア
24・・・エイペックス
26・・・カーカスプライ
28・・・第一ベルトプライ
30・・・第二ベルトプライ
32・・・第三ベルトプライ
34・・・リム
36・・・センターワイヤー
38・・・金属線
40・・・レイヤー
42・・・モールド
44・・・トレッドセグメント
46・・・上型サイドモールド
48・・・下型サイドモールド
50・・・上部ビードリング
52・・・下部ビードリング

Claims (2)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びる一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスとを備えており、
    このビードが、コア、エイペックス、ビードトゥーBT及びビードヒールBHを備えており、
    このコアが、センターワイヤーとその周りに金属線が周方向に複数回螺旋巻きされて形成されるレイヤーとを備えており、
    リム組前の自由状態において、このタイヤ赤道面が中心とされ左右対称に位置する一対のビードヒールBH間の軸方向距離が、正規のリム幅よりも1インチ以上大きく、
    リム組後の標準状態において、軸方向におけるこのコアの中心CCの位置が、ビードトゥBTとビードヒールBHとの中心からビードトゥBTとの間にある自動二輪車用空気入りタイヤ。
  2. ビードに備えられるコアの中心CCの位置がビードトゥ相当部とビードヒール相当部との中心からビードトゥ相当部との間になるように、ローカバーが成形される予備成形工程と
    ビードの外面が形成されるビードリングが備えられ、このビードリングがビードヒール形成部を備えており、タイヤ赤道面相当線に対して左右対称に配置されるこの一対のビードヒール形成部間の軸方向距離が正規のリム幅よりも1インチ以上大きいモールド内で、このローカバーが加圧及び加熱される加硫工程とを含んでいる自動二輪車用空気入りタイヤの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008307933A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP2009067305A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2016196252A (ja) * 2015-04-06 2016-11-24 住友ゴム工業株式会社 二輪自動車用空気入りタイヤ
JP2018052310A (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 東洋ゴム工業株式会社 重荷重用タイヤ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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