JP2006159547A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ヘッドのノズルの吐出機能が損なわれた場合(不吐出)でも、画像品質を維持しながら画像形成を行うことのできるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 吐出機能が損なわれたノズルに配分される記録データを、他のノズルに振分けることで欠落を補完する。また、振り分けたノズルも吐出機能が損なわれていた場合、記録モードが高品質モードか高速モードかを考慮して振り分け制御を変更する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、いわゆるマルチパス記録方式のインクジェット記録装置に関するものである。
近年、オフィスオートメーション化が進みパーソナルコンピュータなどが普及するのに伴い、パーソナルコンピュータ上で扱われるディジタル画像を被記録材上に記録する装置として、インクジェット方式の記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置が急速に普及している。インクジェット方式の記録ヘッドには、一般的に、液体を吐出するための液体吐出口とそれに連通する液体流路が複数設けられ、各液体流路内には各液体吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを液体に与える記録素子が備えられている。
インクジェット記録装置において液体を吐出する方法としては、吐出口近傍に記録素子として発熱素子(電気/熱エネルギー変換体)を設け、この発熱素子に電気信号を印加することにより液体を局所的に加熱して圧力変化を起こさせ、液体を吐出口から吐出させる電気/熱エネルギー変換体を用いる方法や、記録素子として圧電素子などの電気/機械変換体を用いる方法がある。また、記録素子として、ピエゾ素子などの電気圧力変換手段を用い、液体に機械的に圧力を付与して液体を吐出する構成も従来から知られている。
このインクジェット記録装置では、ディジタル画像の記録時間の短縮化や出力画像の高画質化が進められている。そのために、インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドとしては、複数の記録素子を集積配列し、液体吐出口や液体流路を高密度に集積した記録ヘッド(以下、マルチヘッドと称する)が主流となっている。
一般にインクジェット記録装置は、記録ヘッドおよびそれに供給する液体を貯溜する液体タンクを搭載するキャリッジを有する記録手段と、被記録材を搬送する搬送手段と、これらを制御する制御手段とを具備する。そして、複数の液体吐出口から液滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(以下、副走査方向と称する)と交差(例えば直行)する方向(以下、主走査方向と称する)にシリアル走査させ、一方で非記録時に1回のシリアル走査での記録幅に等しい量だけ被記録材を間欠的に搬送する。
また、カラー画像を記録可能なカラー・インクジェット記録装置も普及しており、この装置では、複数色のインクの各々に対応した複数の記録ヘッドから吐出されるインク液滴を被記録材上で重ねあわせることによってカラー画像が形成される。
インクジェット記録方法では、記録データに応じて選択的に液体を微少な液滴として液体吐出口から被記録材上に吐出することにより文字や図形などの記録が行われる。インクジェット記録方法は、ノンインパクトであるため騒音が少ないこと、ランニング・コストが低いこと、装置を小型化しやすいこと、およびカラー化が比較的容易であることなどの利点を有している。このため、コンピュータやワードプロセッサーなどと併用される記録装置として、また単独で使用される複写機、プリンタ、ファクシミリなどに搭載する記録装置としてもインクジェット記録装置は広く用いられている。
このようにインクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い産業分野で需要が高まっており、より一層高品位な画像を記録可能にすることが求められ、また、さらなる高速化への要求も一段と高まっている。
従来のインクジェット記録方法においては、被記録材上でインクのにじみのない高発色のカラー画像を得るためには、インク吸収層を有する専用コート紙を使用する必要があった。しかし、近年ではインクの改良などによって一般的なプリンタや複写機などで大量に使用される普通紙への記録適性を持たせた方法も実用化されている。また、OHPシートや布、プラスチック・シートなどのインクの吸収特性が異なる様々な被記録材への対応が望まれている。こうした要求に応えるため、被記録材の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発および製品化が進められている。また、記録装置においては、高画質化の一方で、高速化も重要な要素であり、ヘッドの液滴吐出駆動周波数の高速化と共に、記録ヘッドに配列されるノズル数の増加による高速化が進みつつある。
しかしながら、インクジェットヘッドにおいては、製造時に記録ヘッドのノズル内に入ったゴミや、長期間の使用によるノズルの劣化、インクを吐出させるための素子の劣化等が原因となって、いわゆる「不吐出」というインク滴が吐出できなくなる状況が発生する場合がある。後者が原因となる場合は、特に記録装置の使用期間中に偶発的に不吐出が発生する可能性もある。
また、完全に不吐出の状態とならずに、インク滴の吐出方向が所望の方向より大きく偏った状態(以下、「吐出のよれ」とも称する)や、インク滴の吐出量が所望の量より大きく異なった状態(以下、「ドロップ径のばらつき」とも称する)となる場合もあった。このような、記録に用いた場合に記録画像の品質を大きく低下させる程に劣化したノズルについては、記録を行うノズルとして好ましくない状態であり、以下、「不吐出」と含めて説明する。このような不吐出等は、製造環境等の改善により、発生する頻度を抑えることができ、従来は大きな問題ではなかった。しかし、前述のように高速化のために記録ヘッドに配列されるノズル数を多くした場合、無視できない問題となる。特に、不吐出状態のノズルを含まない記録ヘッドや、不吐出が発生しにくい良好な記録ヘッドを製造するためには、製造上のコストアップを招き、結果として記録ヘッドが高価になってしまう。
ところで、このようなインクの不吐出は、記録装置の信頼性を下げる。また、正常に吐出できない状態で記録を継続すると、正常な場合に比べて記録ヘッドがはるかに高い温度まで昇温し、記録ヘッド自体にダメージを与え、耐久性が損なわれる場合がある。そこで、これら種々の原因によるインクの吐出不良に対してインクジェット記録装置では、a) 吐出を行わない時に記録ヘッドの吐出口面を被覆してインクの増粘を防止するキャッピング処理、b) キャッピング状態で吐出口からインクを吸引して増粘インクを強制排出させるインク吸引処理、c) インク吸収体などで構成される所定のインク受けにインクを吐出して増粘インクを排出する予備吐出処理等の回復処理が行われる。
このような回復処理に関連して、記録装置の信頼性向上の目的で、インク不吐出を検知する検知手段を設けることが好ましい。また、記録ヘッドが有する複数の吐出部の各々に対して個別に吐出不良を検知できることが好ましい。検知手段としては、インク飛翔経路側に配置した光センサを用いる方法や、空吐出により記録ヘッドに生じる温度上昇およびその後の温度の降下により判断する方法や、所定のテストパターンを記録媒体に記録し、それを読み取ることにより検知する方法等、様々な方法が用いられている。また、不吐ノズル数が増大してしまうと、印刷物である画像に不具合を生じてしまうのでその記録ヘッドは交換の対象とされる。しかし、近年のデジタルカメラやカメラ付き携帯電話などの撮影装置の急速な普及に伴ってインクジェット記録装置がさらに普及しており、インクジェット記録装置の設置場所は家庭、オフィス、プリントショップ、ポスター印刷所などのような記録ヘッド交換のための人手がある場所にとどまらず、ゲームセンターや観光地などに設置されるなど、記録ヘッドの不具合検出後ただちに交換できにくい場所におけるデジタルプリント装置として設置されることが出てきた。このために、記録装置に装着されている記録ヘッドを交換せずに永く使用しなければならないという状況もみられるようになってきた。
ところで、記録ヘッドのノズルに不吐出等が発生すると画像上に白すじ等の欠陥が発生する。そこで、特許文献1には、このような白すじを補完するため記録ヘッドを複数回走査して記録を行う分割印字方式を利用し、白すじとなる部分を他の正常なノズルで補完して記録する等の技術が提案されている。
特開平09−174824号公報
しかしながら、本来、不吐出になってしまったノズルで行われるはずであった画像形成を別ノズルへ振り分けようとした際に、そのノズルもまた不吐出ノズルである場合にはそれらのノズルによる画像形成が行われないことになり、結果として画像上に白すじが発生してしまうという欠点があった。
また、さらに別ノズルへ画像形成を振り分けるためには印字パス数を増やすことで画像形成の代替候補となるノズルを増やすことができるが、印字パス数が増えることでページ記録完了までの時間が増大してしまい、例えばドラフト印刷などの高速印字を実行する際に印字パス数を増加させる方法で不吐補完処理を実施してしまうと記録装置としてのスループットが低下してしまうという欠点があった。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の装置では、インクを複数の吐出口から吐出可能な記録ヘッドを用いて、記録媒体上の同じ記録領域に対して前記記録ヘッドを複数回走査させることより画像を記録するマルチパス記録方式による画像形成を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドの吐出不良を検知する手段と、前記吐出不良検知手段が吐出不良を検知した時に吐出不良ノズルに割り当てられていた記録データを別のノズルに振り分けることによって補完を実現する補完制御手段と、前記吐出不良検知手段が吐出不良を検知した時に吐出不良のノズルに割り当てられていた記録データを別のノズルに振り分けることによって擬似補完を実現する擬似補完制御手段と、前記吐出不良検知手段が吐出不良を検知した時の振り分け先であるノズルも吐出不良である場合にユーザ指定されているページ記録動作のモード指定値によって補完処理の実現方法を選択する判定手段と、を備え、前記判定手段において、前記モード指定値が「高速印刷」が指示されている場合には擬似補完を実現し「高精細印刷」が指定されている場合には記録パス数を増やしてデータ振り分けを行うことで吐出不良ノズルの補完を実現する、ことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置によると、不吐出が検出されたドットによって生ずる白スジなどの画像のムラを解消すると共に、これによって、不吐出が発生した場合でも、これらのムラ人間の目では認識できにくくし、記録ヘッドの製造コストアップを抑制し、さらには、プリント速度の高速化を可能にするという効果を呈する。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図2〜4を参照して本実施形態の記録装置の概略構成について説明する。図2は、本実施形態の、インクジェット方式の画像記録装置の概略構成を示す斜視図である。図3は、本実施形態の記録装置の制御部の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、この記録装置は、液体を吐出するための複数の液体吐出口、各液体吐出口に連通する液体流路、各液体流路内に配置された記録素子を備え、これらが高密度に集積されたマルチヘッド206が搭載されるキャリッジ202を有している。キャリッジ202は、主走査方向(X軸方向)に往復移動可能に支持されており、CRモータ307(図3参照)の駆動力によって往復運動する。
また、この記録装置は、主走査方向に交差する副走査方向、ここでは特に主走査方向に直交するY軸方向に被記録材204を搬送する搬送機構を有している。この搬送機構は、被記録材204の搬送方向に見て、マルチヘッド206が主走査される記録領域より上流側に配置された搬送ローラ203と、下流側に配置された排出ローラ205を有している。搬送ローラ203と排出ローラ205はLFモータ309(図3参照)によって回転駆動される。
この記録装置による記録動作は概略的には以下のように行われる。キャリッジ202は記録動作開始前にはホームポジション201の位置にある。そして、記録装置が記録開始指令を受けると、CRモータ304が駆動されてキャリッジ202は往復運動される。この際、往運動時にマルチヘッド206が駆動され液体が吐出されて、被記録材204の搬送方向に見て所定の幅(記録幅)の領域に記録画像が形成され、すなわち記録スキャンが行われる。マルチヘッド206からの液体吐出が終了した後、キャリッジ202はホームポジション201へ向かって復運動を開始する。キャリッジ202がホームポジション側のキャリッジ反転位置に達すると、キャリッジ202は再び往運動を開始し、同様の動作が繰り返される。
そして、このキャリッジ202の往復運動時の1回目の記録スキャンが終了してから2回目の記録スキャンが始まる前までに、被記録材搬送ローラ203と被記録材排出ローラ205がLFモータ309によって回転駆動され、被記録材204が所定の送り量(通常搬送量)だけ搬送される。このようにして、キャリッジ202の往復運動毎にマルチヘッド206による画像形成と被記録材の搬送を繰り返し行うことによって所望の領域への画像形成が完了する。
ここで、本実施形態の記録装置では、ある領域への画像記録を複数回の記録スキャンで完成させるマルチパス記録が行われる。このマルチパス記録では、1回の記録スキャンで形成される画像としては、ある領域に最終的に形成される画像が、それを構成する画素を複数回の記録スキャン用のそれぞれの画像を構成する画素に分割され、すなわち間引かれる。そして、記録スキャン毎に行われる被記録材の搬送の送り量は、1回の記録スキャンで形成される画像の幅よりも短い量に設定される。これによって、ある記録スキャンでの画像形成領域に、被記録材の搬送方向に見て所定の幅だけ重なった領域に次の記録スキャンで画像を形成し、それぞれの記録スキャンで形成される間引かれた画像を重ねて最終的な画像を形成する。
次に、図3を参照して本実施形態の記録装置の動作を制御する制御部の構成について説明する。
この制御部は、内部バスにROM302とRAM303が接続されたCPU301を中心として構成されている。CPU301はROM302からプログラムを読み出し、必要に応じてRAM303に対してリード/ライトを繰り返しつつプログラムに従って所定の演算処理を実行する。RAM303は、このように処理バッファとして使用される他、記録装置の動作設定を指定するパラメータや、後述する記録パラメータなどが所定のアドレスに記憶されている。
CPU301には、インタフェース(I/F)304、操作・表示部305、CRモータドライバ306、LFモータドライバ308などが接続されている。インタフェース(I/F)304は、記録指令や記録装置に記録させる画像データなどの信号を記録装置に出力する不図示の外部ホスト装置に接続されている。また、記録装置は、外部ホスト装置から、前述のRAM303に記憶された記録装置本体の動作設定を変更する信号を送ることができるように構成してもよい。この場合、動作設定を変更する信号はインタフェース304を経由してCPU301に入力され、これによってCPU301は、RAM303内の所定のアドレスのメモリ内容を変更する。操作・表示部305には、ユーザが動作指令や選択指令を記録装置に対して直接入力するための各種キーと、記録装置の動作状態などを表示する表示部が設けられている。CRモータドライバ306、LFモータドライバ308は、それぞれCRモータ307、LFモータ309に接続されており、CPU301からの指令信号に応じて各モータに駆動信号を出力する。
また、インタフェース304には、外部ホスト装置から出力される画像データを一時的に蓄積するバンドメモリ310が接続されている。バンドメモリ310には、1回の記録スキャンで形成される幅に相当する所定幅(バンド幅)分の画像データが、インタフェース304を介して適宜転送されストアされる。バンドメモリ310にストアされたバンド幅単位の画像データは、キャリッジ202の駆動タイミングに合わせてマルチパスデータ処理部311に適宜出力される。マルチパスデータ処理部311は、バンドメモリ310から入力された画像データに対して、前述のようにマルチパス記録において1回の記録スキャンで形成する画像のデータ(形成画像データ)を作成するために所定の間引き処理を実行する。そしてマルチパスデータ処理部311で作成された1回の記録スキャンでの形成画像データは、ヘッドコントローラ312に出力される。ヘッドコントローラ312は、入力された形成画像データに応じて、マルチヘッド313に所定のタイミングで複数の液体吐出口から選択的に液体を吐出させる駆動信号を出力する。なお、このマルチヘッド313は、前記図2における、記録ヘッド206と同一のものである。さて、これらバンドメモリ310、マルチパスデータ処理部311、ヘッドコントローラ312はそれぞれCPU301に接続されており、適宜所定の処理を行うようにCPU301によって制御される。これによって、マルチヘッド206は、キャリッジ202の往運動に合わせて駆動され、各記録スキャンの画像形成が行われる。
以下、前記マルチパスデータ処理部311においてデータ間引き作用が行われる、乱数ベースのデータ間引きマスクを使用したマルチパス記録方式について説明する。
まず、マルチパス記録とは、濃度ムラのない高品位な画像を形成するための手法である。さらに、本実施の形態においては、データ間引きマスクとして記録画素と非記録画素とが乱数的に配列されたランダムマスクパターンを使用するマルチパス記録を行うものとする。
図4は、2回の記録スキャンを重ねることによって画像形成を行う、2パス記録の際のデータ間引きパターンとしてのランダムマスクパターンについて説明する図である。
なお、説明の簡略化のために記録ヘッド206については4つのノズルが縦に並ぶ構成とし、2回の走査で記録する領域を図4に示すようにR0〜R3の4ラスターのデータで記録される領域とする。
2パス記録では、記録スキャンが実行されるたびにR0〜R3の間引きパターンを作用させるが、1回目と2回目のスキャンの間に、記録ヘッド206の全ノズル数の半分に相当する2ノズル分の用紙搬送動作が行われるので、1ラスタの画像形成のためには1回の用紙送り量に相当する縦に2ノズル分だけずれた位置にあるマスクパターンと2回に分けてマスク処理が行われることになる。つまり、1本の横ラインの形成画像データが2つのノズルに振り分けられることになり、間引きマスクデータとしてR1とR3、R0とR2というマスクデータが合わせて作用することでエリアファクター100%の画像形成が行われる。
また、一般にランダムマスクパターンは、ランダムデータを使ってデータ間引き処理を行うパターンであるために、合わせて100%とするための二つのノズルへのデータの振り分け方については、繰り返しパターンではない十分な大きさの領域についてランダム性を持たせた間引きパターンであるほうが好ましい。
さらに、指定された印字モードに合わせて使用するマスクパターンについては、実行できる印字パスに合わせて複数種類のマスクパターンを前記ROM302にあらかじめ格納しておき、プログラムはページ記録動作の開始時にこれを読み出して使用する。
図5は、2パス記録において、データ間引きマスクとして作用するランダムマスクデータをROM302から読み出した後で書き換えて、本来は不吐ノズルで記録させるはずであった記録データ形成を他のノズルに振り分けることで実行する補完処理について説明する図である。図5において、ノズル#1が不吐である場合に、まず、R1のマスクデータをすべて0(不透過)とすることでノズル#1による画像形成を禁止させ、次にR3のデータをすべて1(透過)にすることでマスクデータ補完を行う。
記録動作に際してランダムマスクパターンをROM302から読み出して、R1をすべて0にしてR3をすべて1にしたマスクパターンとして修正してから2パス記録による画像形成を行うことで、記録ページ全体についてノズル#1で形成されるはずであった記録ドットがノズル#3に振り分けられ、代替ノズルによる画像形成が行われる。ただし、この2パス記録では、ノズル#1が不吐である時に振り分け先であるノズル#3も同時に不吐である場合にはデータの振り分けができないことになり、ノズル#1による画像形成とノズル#3による画像形成がまったく実行できないことになる。
図6は、4回の記録スキャンを重ねることによって画像形成を行う、4パス記録の際のデータ間引きパターンとしてのランダムマスクパターンについて説明する図である。
なお、説明の簡略化のために記録ヘッド206については4つのノズルが縦に並ぶ構成とし、4回の走査で記録する領域を図6に示すようにR0〜R3の4ラスターのデータで記録される領域とする。
4パス記録では、記録スキャンが実行されるたびにR0〜R3の間引きパターンを作用させるが、1回目と2回目のスキャンの間に、記録ヘッド206の全ノズル数の4分の1に相当する1ノズル分の用紙搬送動作が行われるので、1ラスタの画像形成のためには用紙送り量に相当する縦に1ノズル分だけずれた位置にあるマスクパターンが4回に分けてマスク処理が行われることになる。つまり、1本の横ラインの形成画像データが4つのノズルに振り分けられることになり、R0〜R3の間引きマスクデータが合わせて4回作用することでエリアファクター100%の画像形成が行われる。
図7は、4パス記録時にノズル#1が不吐である場合のマスクデータ補完について説明する図である。ノズル#1の形成する画像ラインと同じラインの画像形成は、ノズル#1ではない別のノズル#0、ノズル#2、ノズル#3も行うことになり、4パス記録では1本の横ライン画像の形成に4つのノズルが使われることになる。このために、例えばノズル#1が不吐になった場合でもその画像形成を他の3つのノズルに振り分けることが可能になる。図6に示されたマスクデータ補完は、不吐になってしまったノズル#1の画像形成をノズル#0、ノズル#2、ノズル#3の3つのノズルに均等に振り分けた例である。
図8は、2パス記録時において、まずノズル#1が不吐であり、さらにノズル#3も同時に不吐である場合の擬似補完について説明する図である。まず、ノズル#1が不吐であることからノズル#3へのデータ振り分けを考えるが、ノズル#3も不吐であるためにデータ振り分けを行うことができない。そこで、ノズル#1に隣接するノズル#0と、ノズル#3に隣接するノズル#2にこれらのデータを振り分けることで擬似的にデータ補完を行う。ここでもまず、ノズル#1とノズル#3による画像形成を停止させるためにR1とR3についてマスクデータを0に設定する。次に、擬似的な補完のためにR1の隣のR0と、R3の隣のR2のマスクデータをマスクデータを1に設定してノズル#1への出力信号とノズル#0への出力信号とを結合しているOR回路を有効にする。
次に、図1と図10を用いて、本発明の動作を説明する。ここで、図1は本発明の画像形成動作を示す動作フロー図である。また、図10は、ページ記録動作に際してホスト装置から受信する印字パラメータの一例である。
まず、ホスト側から、印字開始コマンドや画像サイズや先端・末端の印字余白量、印字に使用する給紙段や紙種を指定するパラメータなど、印字動作に関係する動作パラメータを受信してこれをRAM303に格納する。この時には、プリンタドライバ経由によるユーザ指定である印字停止位置設定値の設定値も一緒に格納される。ここで受信した印字パラメータは図10のようにRAM302に格納される。そして、CPU301は受信したパラメータを解釈し、総記録スキャン回数や総記録画素数を係数するカウンタなどの内部変数の初期化を行う。また、本体側で画像をメモリに格納するための領域設定や1ページ分の記録を完了するための予定総記録スキャン回数の算出など、本体側でページ単位の印字に関わる動作パラメータを設定する。さらに、CPU301は、受信した用紙カセット指定と先端余白指定量に基づいてモータドライバ308に駆動ステップ数を指示する。すると、LFモータドライバ308はLFモータ309を駆動させ、印字開始位置まで用紙を搬送する(ステップ101)。
次に、CPU301は、装着されている記録ヘッド206の不吐出ノズルの特定を行う(ステップ102)。本実施例においては、記録ヘッド206に内臓されているE2PROMにあらかじめ記録されている不吐出ノズル情報を読み込むこととするが、不吐出ノズルを特定するための方法はこれにとらわれるものではなく、例えば、不吐出ノズルを特定するための検出系を備えておき、ノズルから飛翔するインクを観察することで吐出・不吐出を判定するような方式を利用してもよい。
それから、CPU301は、印字モード指定値910に基づいてマルチパス記録のためのデータ間引きマスクを選択してROM302あるいはRAM303から読み出す(ステップ103)。なお、データ間引きのためのマスクデータは、ROM302、あるいはRAM303にあらかじめ格納されているランダムマスクデータであるが、このマスクデータはあらかじめ内部で保持している方法に限らない。例えば、前記ステップ101において印字パラメータの受信に続いてホスト装置やプリンタドライバから受信するものであってもよい。
ここで、CPU301は前記ステップ102において読み出した不吐ノズルを前記図5に示したデータ間引きマスク修正で補完しようとするが、ここで、もしも、マスクデータを補完させることによってデータ振り分けを行おうとしたその代替ノズルも不吐であり、このままでは補完ができないという場合には(ステップ104)、さらに、前記ステップ101で受信したパラメータのうち印字モード指定値910がインク節約や高速記録を目的とした「高速印字」を意味する指定値である場合には(ステップ106)、CPU301は、図8と図9で示したような擬似補完のための間引きマスク設定と回路動作設定を行う(ステップ108)。
また、前記ステップ106において、前記印字モード指定値910が「きれい」に印刷させることを意味する指定値である場合には、CPU301は図7で示したように印字パス数を増やした画像記録のための間引きマスクを作成し、不吐ノズルの代替ノズル候補となる数を増やして間引きマスク修正を行う(ステップ107)。
さらに、前記ステップ104において、不吐ノズルの代替ノズルが見つかる場合には、CPU301は、図5に示したように記録パス数を増やすことなく前記ステップ103で読み込んだデータ間引きマスクにデータ振り分けの処理のためのマスクデータ補完を行う(ステップ105)。
そして、CPU301は、前記マルチパスデータ処理部311に前記ステップ105〜ステップ108において修正したデータ間引きマスクを実際にページ記録に使用する間引きマスクとして設定する(ステップ109)。
次に、CPU301は、印字開始のための所定の位置までキャリッジを移動させるために、CRモータドライバ306にこれを指示する。すると、CRモータドライバ306がCRモータ307を駆動させ、印字スキャン開始位置までキャリッジを移動させる。また、CPU301は、印字スキャンを実行させるために、マルチパスデータ処理部311にデータ処理の動作設定を行い、ヘッドコントローラ312にはヘッド駆動制御に関係する動作設定を行い、それぞれ、スキャン単位の動作に関する動作設定を行う。(ステップ110)。
続いて、CPU301は、ホストインタフェース304に対してデータ受信開始を指示する。これによってホストインタフェース304を経由したホストからバンドメモリ310までの画像データ転送が開始される。また、CPU301は、バンドメモリ310から読み出すことでこれから行う印字スキャンで実際に印字される画素数(ドットカウント)をインク色毎に算出し、現在までの総印字画素数を計数しこれをRAM303に格納する(ステップ111)。
それから、CPU301は、印字スキャンを実行させるために、前記CRモータドライバ306に制御を指示してCRモータ307を駆動させる。なお、この印字のためのキャリッジスキャン動作においては、キャリッジの駆動に合わせて図示しないエンコーダ信号が変化する。その変化に合わせて、バンドメモリ310から画像データがマルチパスデータ処理部に出力される。このマルチパスデータ処理部311においてはマルチパス印字のための画像データの間引き処理が実行されその出力画像データがヘッドコントローラ312へ出力される。そして、ヘッドコントローラ312に入力された画像データがさらにマルチヘッド313へ出力される。このように、キャリッジが駆動されることでエンコーダ出力値が変化し、これによってバンドメモリ310の内部に格納されていた画像データがマルチヘッド313から出力されて、記録用紙への画像記録動作が実行され、記録スキャン数のカウンタを一つすすめる。(ステップ112)。
前記ステップ113において記録スキャンが完了すると、次に、マルチパス印字のための記録用紙の搬送を実行させるために、CPU301は、設定されているマルチパス印字モードに合わせてモータドライバ308にモータの駆動ステップ数を指示する。すると、LFモータドライバ308はLFモータ309を駆動させ、マルチパス印字のための所定量だけ用紙を搬送する(ステップ113)。
このようにして、CPU301はマルチパス印字の1つの印字スキャンを実行する。
ここで、CPU301は1ページ分の所定の記録スキャンが終了したかどうかを判定する。そして、ページ記録動作の開始時に設定した所定スキャン数の印字スキャンの実行が終了している場合には(ステップ114)、CPU301は、まず、用紙をカッター動作位置まで送り出させ、続いて、図示しない用紙カッターを動作させることで用紙カット動作を実行(ステップ115)してから印字動作を終了する。しかし、ステップ114においてすべての印字スキャンの実行が終了していない場合には、前記ステップ111へと処理を進めて、2スキャンめ以降の印字スキャンを実行していく。
以上述べたように本発明は、複数のインク吐出口を備える記録ヘッドを用いて画像を記録可能な種々のインクジェット記録装置に適用することができる。例えば、同一または色彩などが異なるインクを用いてカラー画像を記録する記録装置、同一色彩で異なる濃度のインクを用いて多階調の画像を記録する記録装置、さらに、これらの機能を組み合わせた記録装置に対して同様に本発明を適用することによって、同様の効果を達成することができる。
さらに、本発明は、記録手段としての記録ヘッドとインクタンクとを一体化した交換可能なインクジェットカートリッジを用いる構成、記録手段としての記録ヘッドとインクタンクとを別体にして、それらの間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録手段とインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
本発明のインクジェット記録装置の動作を示す動作フロー図である。 本発明の一実施形態に係わるインクジェット記録装置の斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置における制御系のブロック構成図である。 2パス記録におけるデータ間引きマスクパターンの一例である。 2パス記録における間引きマスクを変更することでデータ振り分けを行うデータ補完の一例を示す図である。 4パス記録にデータ間引きマスクパターンの一例である。 4パス記録における間引きマスクを変更することでデータ振り分けを行うデータ補完の一例を示す図である。 2パス記録における擬似補完のための間引きデータの一例である。 ページ記録動作に際してホスト装置から受信する印字パラメータの一例である。
符号の説明
201 ホームポジション
202 キャリッジ
203 搬送ローラ
204 被記録材
205 排出ローラ
206 マルチヘッド
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 インタフェース
305 操作・表示部
306 CRモータドライバ
307 CRモータ
308 LFモータドライバ
309 LFモータ
310 バンドメモリ
311 マルチパスデータ処理部
312 ヘッドコントローラ
313 マルチヘッド

Claims (1)

  1. インクを複数の吐出口から吐出可能な記録ヘッドを用いて、記録媒体上の同じ記録領域に対して前記記録ヘッドを複数回走査させることより画像を記録するマルチパス記録方式による画像形成を行うインクジェット記録装置において、
    記録ヘッドの吐出不良を検知する手段と、
    前記吐出不良検知手段が吐出不良を検知した時に吐出不良ノズルに割り当てられていた記録データを別のノズルに振り分けることによって補完を実現する補完制御手段と、
    前記吐出不良検知手段が吐出不良を検知した時に吐出不良のノズルに割り当てられていた記録データを別のノズルに振り分けることによって擬似補完を実現する擬似補完制御手段と、
    前記吐出不良検知手段が吐出不良を検知した時の振り分け先であるノズルも吐出不良である場合にユーザ指定されているページ記録動作のモード指定値によって補完処理の実現方法を選択する判定手段と、を備え、
    前記判定手段において、前記モード指定値が「高速印刷」が指示されている場合には擬似補完を実現し「高精細印刷」が指定されている場合には記録パス数を増やしてデータ振り分けを行うことで吐出不良ノズルの補完を実現する、
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
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