JP2006159271A - 板曲げプレスにおける板材の配置方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】昇降手段40によって昇降可能なチェーンコンベヤ10を備えた搬送手段と、ホイスト100を備えた板曲げプレスにおいて、板材Wを金型位置IIからワーク退避位置Iに退避させるワーク退避工程と、ワーク退避位置Iに退避した板材Wの一端部をホイスト100のチェーン101に取り付けるワーク固定工程と、板材Wの他端部がチェーンコンベヤ10の上面に接触しかつホイスト100のチェーン101が張った状態を維持したまま、板材Wの他端部を、板材Wの重心よりも金型位置IIから離間した位置まで移動させる重心移動工程と、金型位置IIから離間するように板材Wの他端部を移動させながらホイスト100のチェーン101を繰り出すワーク倒伏工程とを、順に行う。
【選択図】図1
Description
プレスによる板曲げとは、例えば、つぎのような加工をいう。図6において、aは加工前の平板であり、この平板の一側縁を曲げたのが板bであり、さらに他側縁に曲げ線を入れ(板c)、その板bを曲げたのが板dである。この板dは断面Z形の製品となる。また、板bの他側縁を一側縁と同様に曲げたのが板eであり、板eを反転させ曲げ線を2本入れ(板f)、曲げ線に沿って曲げ加工し(板g)、深皿状に曲げたのが板hである。この板hは断面深皿状の製品となる。上記の断面Z形の板dや断面深皿状の板h等のように、逆方向に曲げ加工する必要がある製品は、必ず両面からプレスしなければならない。
本発明は、上記のような鋼板などの板材に曲げ加工を行う板曲げプレスにおいて、板材を反転させてから金型位置に配置する板材の配置方法に関する。
しかるに、板材を曲げる方向が同じであれば、単純に金型が設けられている位置の前後を移動させるだけでも加工することもできるが、断面Z形の製品(図6では板d)等のように逆方向に曲げることが必要な製品を製造する場合には、板材を反転させる必要があり、天井クレーンやプレス付属のホイストを作業員が操作して、反転作業を行っていた。以下に、図7〜図9に基づいて、板材を反転させる反転作業を説明する。
図8(A)に示すように、板bをローラ搬送台202より上方に吊り上げたまま、ホイスト100を右方に移動させて、その後、ホイスト100のチェーンを繰り出し、再び板bの下端(図7(A)では左端)をローラ搬送台202上に載せる。
ついで、図8(B)に示すように、板bの下端をローラ搬送台202上に載せたままでホイスト100を左方に移動させると、板bの上端はホイスト100とともに左方に移動するが、ローラ搬送台202に接触している下端は移動しないから、板bは、下端を支点として左方に傾き、その重心が左方に移動する。その後、ホイスト100のチェーンを操り出して板bの上端をローラ搬送台202上に載せれば、板bは、図7(A)の状態から左右上下反転した状態となる(図9(A))。
そして、右方のホイスト100を板bの右端から外し、左方のホイスト100を板bの左端に取り付けてホイスト100を巻き上げれば、反転した板bを金型位置まで移動させることができる(図9(B))。
また、ローラ搬送台202上面から完全に吊り下げた板bをホイスト100とともに移動させるから、ホイスト100の移動を停止させたときに板bが振り子のように揺れるが、この揺れは作業者が板bに接触して止めなければならず、非常に危険である。作業者が板bを保持したままホイスト100を作動させれば、板bが揺れることは防ぐことができるが、作業者の負担が大きい。
さらに、ホイスト100からチェーンを繰り出して板bをローラ搬送台202上面に載せるときに衝撃が発生するから、板bやローラ搬送台202が損傷するおそれがある。
空中で板bを反転させる場合には、反転時にホイスト100および他のホイストに衝撃が加わることはないが、板bをローラ搬送台202上面に載せるときに、板bをローラ搬送台202との衝突による衝撃は防ぐことができない。しかも、プレスに設けられているホイスト100以外に、別なホイストが必要となるため設備が大型化する。
第2発明の板曲げプレスにおける板材の配置方法は、第1発明において、前記重心移動工程において、前記ホイストのチェーンを巻き上げながら前記チェーンコンベヤを下降させることを特徴とする。
第3発明の板曲げプレスにおける板材の配置方法は、第1発明において、前記ワーク倒伏工程において、前記ホイストのチェーンを繰り出すと同時に、前記チェーンコンベヤを上昇させることを特徴とする。
第4発明の板曲げプレスにおける板材の配置方法は、第1発明において、前記昇降手段にネジジャッキを使用することを特徴とする。
第2発明によれば、重心移動工程において、ホイストだけでなくチェーンコンベアの昇降も調整するから、板材がチェーンコンベヤから浮き上がることを確実に防ぐことができ、板材をスムースに反転させることができる。しかも、ホイストによるチェーンの巻き上げ量を少なくできるので、作業時間を短縮することができる。
第3発明によれば、ホイストだけでなくチェーンコンベアの下降を調整するから、板材の姿勢変化をスムースに行うことができる。しかも、ホイストによるチェーンの繰り出し量を少なくできるので、作業時間を短縮することができる。
第4発明によれば、昇降手段がネジジャッキであるから、チェーンコンベアの昇降を、容易に連続的かつ微調整することができ、板材をスムースに反転させることができる。
図1(A)は本発明の一実施形態に係る板曲げプレスの断面図であり、(B)はコロユニット30の側面図であり、(C)はコロユニット30の正面図である。図2は同実施形態の板曲げプレスにおけるチェーンコンベヤ10と下金型D1を示す平面図である。
図1および図2に基づき、板曲げプレスの基本構成を説明する。1はベッド、2はクラウンで、それらの間は支柱3で連結されている。ベッド1には金型台4で下金型D1が設置されている。
クラウン2にはスライドシリンダ5が取り付けられ、スライドシリンダ5のロッドにスライド6が固定されている。また、スライド6の下面には上金型D2が固定されている。
スライドシリンダ5が伸長すると上金型D2が下降し、下金型D1のV溝との間に挟まれた板材Wを折り曲げ加工することができる。
なお、第1〜第3チェーンコンベヤ11〜13において、プレスの両側方に位置する部分が、ワーク退避位置Iとなっており、このワーク退避位置Iの上方にホイスト100が設けられている。そして、ワーク退避位置Iは、プレスにワークが搬入搬出される際には、搬入部または搬出部として機能するのは言うまでもない。
上昇位置とは、下金型D1より上方に搬送板26が位置した状態であり、この位置にチェーンコンベヤ10を配置すれば、搬送板26に載せた板材Wを、下金型D1と干渉することなく、ワーク退避位置Iと金型位置IIとの間を移動させることができる。
また、下降位置とは、搬送板26が下金型D1の上面に形成されているV溝より下げた状態であり、この位置にチェーンコンベヤ10を配置すれば、下金型D1上に板材を置いて曲げ加工するとき、チェーンコンベヤ10が干渉しないようにすることができる。
なお、昇降手段40はとくに制限されず、チェーンコンベヤ10を上昇位置と下降位置の間で昇降動作させるものであればどのような機構を用いてもよいが、昇降手段40としてネジジャッキを使用すれば、チェーンコンベア10を連続的に昇降させることができ、しかも、チェーンコンベア10の昇降量および昇降タイミングを容易かつ微調整することができる。
なお、昇降板51,52と昇降板57,58には、無駆動のローラを適数個並べた受けローラ36が金型位置II側の両側に設けられており、この受けローラ36によって板材Wの両端の垂れを滑動自在に受け止めておけるので、重い板材Wであっても円滑に送りをかけることができる。
図3(B)に示すように、昇降手段40によってチェーンコンベヤ10を下降位置から上昇位置まで上昇させながら、モータ25を駆動させてチェーン24を時計回りに周回移動させれば、搬送板26が金型位置IIに向かって移動し、板材Wは搬送板26上に載せられる。そして、板材Wが搬送板26上に載せられてからも、チェーンコンベア10のチェーン24を時計回りに周回移動させれば、板材Wは、搬送板26とともにプレスの右側方に設けられているワーク退避位置Iまで退避する(ワーク退避工程)。
なお、ワーク固定工程は、ワーク退避工程の前に行ってもよい。この場合には、ワーク退避工程において、ホイスト100を、チェーン101の巻き上げ長さが板材Wの移動距離と同等となるように作動させれば、チェーン101が板材Wの移動の邪魔にならない。
なお、板材Wの他端部の移動と同等の速度で搬送板26上を右方に移動させておけば、板材Wの他端部と搬送板26とが擦れることを防ぐことができ、板Wに傷が付くことを防ぐことができる。
ところで、板材Wはその一端が上方に曲げられているため、重心がホイスト100の鉛直下方まで移動しても、板材Wの他端は板材Wの重心よりも必ず金型位置II側に位置している。このため、ホイスト100のチェーン101の巻き上げを継続したまま、モータ25を駆動させて搬送板26を右方に移動させると、板材Wは、その他端を支点として反時計回りに揺動する。しかも、チェーンコンベヤ10の下降による他端の下降の影響を受けて板材Wは揺動するから、板材Wをスムースに揺動させることができる。そして、チェーンコンベヤ10の下降はホイスト100によるチェーン101の巻き上げと同等の効果を生じさせるので、ホイスト100によるチェーン101の巻き上げ量を少なくできるので、作業時間が短縮できる。
さらになお、チェーンコンベヤ10の下降も利用して板材Wの移動や姿勢変化を行っているが、ホイスト100によるチェーン101の巻き上げだけを利用して板材Wの姿勢変化を行ってもよい。
なお、ホイスト100を巻き上げながら昇降手段40によってチェーンコンベヤ10を上昇させてもよく、この場合には、板材Wの姿勢をホイスト100によるチェーン101の巻き上げ量だけでなく、チェーンコンベヤ10を上昇量によっても調整することができるので、板材Wの姿勢調整の自由度が大きくなり、板材Wの姿勢調整を容易にすることができる。
そして、図5(B)に示すように、板材Wの一端が搬送板26の上面に載ったら、搬送板26を右方への移動および搬送板26の移動を停止する。すると、板材Wは、金型によって曲げられた状態から、上下左右が反転した状態で搬送板26上に配置されるのである(ワーク倒伏工程)。
板材Wを倒伏させるときに、板材Wの一端と搬送板26が衝突するおそれはあるが、他端が搬送板26に接触しつつチェーン101によって上方にやや引っ張られた状態で倒伏することになる。よって、板材Wの一端を搬送板26にゆっくりと接近させることができ、板材Wの一端と搬送板26が接触したときの衝撃を小さくすることができる。
さらになお、ワーク倒伏工程において、昇降手段40によってチェーンコンベヤ10の上昇も同時に行えば、チェーンコンベヤ10の移動およびホイスト100からのチェーン101の繰り出しを速くすることによって、板材Wの倒伏を速くすることができるし、チェーン101の繰り出し量を少なくできるので、作業時間をさらに短縮することができる。
100 ホイスト
101 チェーン
Claims (4)
- 板材を曲げ加工する上下一対の金型と、該上下一対の金型が設けられた金型位置と金型側方に設けられたワーク退避位置にかけて搬送チェーンを配設したチェーンコンベヤと、該チェーンコンベヤを、前記下金型より高い位置でワークを搬送する上昇位置と、前記下金型より低い位置に前記搬送チェーンを退避させた下降位置との間で昇降させる昇降手段とを備えた搬送手段と、前記ワーク退避位置における前記チェーンコンベヤの上方に設けられたホイストを備えた板曲げプレスにおいて、
前記チェーンコンベヤによって板材を前記金型位置から前記ワーク退避位置に退避させるワーク退避工程と、
前記ワーク退避位置に退避した板材における金型位置側の一端部をホイストのチェーンに取り付けるワーク固定工程と、
板材の他端部が前記チェーンコンベヤの上面に接触しかつ前記ホイストのチェーンが張った状態を維持したまま、板材の他端部を、該板材の重心よりも前記金型位置から離間した位置まで移動させる重心移動工程と、
板材の他端部が前記チェーンコンベヤの上面に接触しかつ前記ホイストのチェーンが張った状態を維持するように、前記金型位置から離間するように板材の他端部を移動させながら前記ホイストのチェーンを繰り出すワーク倒伏工程とを、順に行う
ことを特徴とする板曲げプレスにおける板材の配置方法。 - 前記重心移動工程において、前記ホイストのチェーンを巻き上げながら前記チェーンコンベヤを下降させる
ことを特徴とする請求項1記載の板曲げプレスにおける板材の配置方法。 - 前記ワーク倒伏工程において、前記ホイストのチェーンを繰り出すと同時に、前記チェーンコンベヤを上昇させる
ことを特徴とする請求項1記載の板曲げプレスにおける板材の配置方法。 - 前記昇降手段にネジジャッキを使用する
ことを特徴とする請求項1記載の板曲げプレスにおける板材の配置方法。
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