JP2006159245A - 抵抗溶接用電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極の特性、とりわけその熱伝導性を向上させることができ、電極表面の温度上昇を緩和して、電極の耐用寿命を大幅に向上させることのできる抵抗溶接用電極を提供する。
【解決手段】内部に水冷機構を備えた抵抗溶接用電極において、その全体、あるいは少なくとも被溶接材と接触する電極の外部端面と、冷却水と接触する電極の内部表面との間をカーボンナノチューブを含む銅又は銅合金から成る複合材によって形成する。
【選択図】図1
【解決手段】内部に水冷機構を備えた抵抗溶接用電極において、その全体、あるいは少なくとも被溶接材と接触する電極の外部端面と、冷却水と接触する電極の内部表面との間をカーボンナノチューブを含む銅又は銅合金から成る複合材によって形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車ボディの組立におけるスポット溶接などに用いられる電極に係わり、特に内部に水冷機構を備えた抵抗溶接用電極に関するものである。
抵抗溶接は、被溶接材である鋼やアルミニウム合金の板材を2枚重ね、上下電極で挟んで加圧した状態で短時間に大電流を流し、両板材の接触抵抗及び体積抵抗の抵抗発熱を利用して昇温させると共に、電極内部を流れる冷却水を介して熱を逃がし、板材の内部に温度勾配を生ぜしめ、接触界面を溶融させて両板材を例えば点状(スポット溶接)に溶接するものである。
従って、この溶接用電極には電気伝導性及び熱伝導性と共に、耐熱性が要求されることから、一般には銅(Cu)に、クロム(Cr)やジルコニウム(Zr)を添加した合金が使用される(例えば、日本伸銅協会発行 「銅及び銅合金の基礎と工業技術」 p434参照)。
従って、この溶接用電極には電気伝導性及び熱伝導性と共に、耐熱性が要求されることから、一般には銅(Cu)に、クロム(Cr)やジルコニウム(Zr)を添加した合金が使用される(例えば、日本伸銅協会発行 「銅及び銅合金の基礎と工業技術」 p434参照)。
このような抵抗溶接用電極における課題としては、第1に「寿命」を挙げることができる。
例えば、亜鉛めっき鋼板など、防錆鋼板の溶接では、鋼板表面の低融点被覆層が電極と反応し、打点数とともに電極表面が変形、劣化し、満足な溶接品質が得られなくなる。また、アルミニウム合金材の溶接においては、鋼板の場合に比べて大電流を流すことになるため、Alとの反応による電極の劣化がさらに著しく、極端に打点数寿命が小さくなり生産性の向上を妨げている。
例えば、亜鉛めっき鋼板など、防錆鋼板の溶接では、鋼板表面の低融点被覆層が電極と反応し、打点数とともに電極表面が変形、劣化し、満足な溶接品質が得られなくなる。また、アルミニウム合金材の溶接においては、鋼板の場合に比べて大電流を流すことになるため、Alとの反応による電極の劣化がさらに著しく、極端に打点数寿命が小さくなり生産性の向上を妨げている。
すなわち、例えば自動車車体部品の組立工程においては、抵抗溶接により鋼板あるいは近年では、アルミニウム板の重ね点溶接が行われている。これらの部品は大量生産品であるから、その生産性を維持するためにはライン停止を極力抑えねばならない。
ライン停止の原因のひとつに抵抗溶接電極の寿命の問題がある。すなわち抵抗溶接打点数とともに、電極の先端が変形あるいは被溶接材との凝着に伴う合金相の形成といった劣化を生じ、電流密度の低下による溶接部強度低下や不安定な通電経路による溶接強度のばらつき、外観品質の低下を引き起こす。こういった不具合を避けるため、一定の打点数ごとに電極を整形したり、交換したりしなければならない。この間は生産ラインを停止しなければならず、生産性は下がってしまう。
ライン停止の原因のひとつに抵抗溶接電極の寿命の問題がある。すなわち抵抗溶接打点数とともに、電極の先端が変形あるいは被溶接材との凝着に伴う合金相の形成といった劣化を生じ、電流密度の低下による溶接部強度低下や不安定な通電経路による溶接強度のばらつき、外観品質の低下を引き起こす。こういった不具合を避けるため、一定の打点数ごとに電極を整形したり、交換したりしなければならない。この間は生産ラインを停止しなければならず、生産性は下がってしまう。
これらの対策としては、過大な入熱を避けるよう溶接条件の適正管理や電極形状による改善等もあるが、量産現場では厳密な管理は困難であったり、部材形状の関係で電極形状の選択幅が限られていたりして対応が難しいのが現状である。
一方、変形抵抗を高めた電極としては、銅中に微細なアルミナ(Al2O3)粒子を分散させた抵抗溶接電極用アルミナ分散強化銅を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭60−114544号公報
一方、変形抵抗を高めた電極としては、銅中に微細なアルミナ(Al2O3)粒子を分散させた抵抗溶接電極用アルミナ分散強化銅を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載のような強化銅を用いた電極においては、従来の電極に較べて高温強度、すなわち変形抵抗は高いものの、電気伝導度や熱伝導度については、さほど大きく向上するものではないことから、電極表面の温度上昇を避けることができず、打点寿命を大きく向上させることは不可能であった。
したがって、このような状況下では、定期的に電極を整形したり、交換したりして対応しているのが現状である。
したがって、このような状況下では、定期的に電極を整形したり、交換したりして対応しているのが現状である。
本発明は、従来の抵抗溶接用電極における上記課題に鑑みてなされたものであって、電極の特性、特に熱伝導性を向上させることができ、電極表面の温度上昇を低減して、電極の耐用寿命を大幅に向上させることのできる抵抗溶接用電極を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するために、電極材料としての合金成分や、添加材などについて、鋭意検討した結果、被溶接材と凝着し難い非金属材料であって、しかも極めて優れた熱伝導性及び機械的性質を有するカーボンナノチューブに着目し、当該カーボンナノチューブと銅又は銅合金との複合化を図ることによって、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の抵抗溶接用電極は、内部に水冷機構を備えたものであって、その全体、あるいは少なくとも被溶接材と接触する電極の外部端面と、冷却水と接触する電極の内部表面との間をカーボンナノチューブを含む銅又は銅合金から成る複合材によって形成としたことを特徴としている。
本発明によれば、水冷機構を備えた抵抗溶接用電極において、少なくとも被溶接材と接触する電極外部端面と冷却水が循環する電極の内部表面との間、すなわち溶接時の放熱経路がカーボンナノチューブと銅又は銅合金から成る複合材で形成したことから、銅系材料の導電性を損なうことなく、熱伝導性及び機械的性質を向上させることができ、電極表面の温度上昇を抑え、変形及び劣化を防いで、電極の耐用寿命を延ばすことができる。さらに、上記カーボンナノチューブは、非金属材料であって被溶接材とは凝着しにくい性質を有しているため、当該カーボンナノチューブが電極端面に存在することによって、被溶接材との凝着が防止されることから、耐用寿命向上がより確実なものとなるという極めて優れた効果がもたらされる。
以下、本発明の抵抗溶接用電極及びその製造方法などについて、さらに詳細かつ具体的に説明する。
上記したように、抵抗溶接を繰り返すことによる電極劣化の原因は、被溶接材との接触表面における変形と、被溶接材との凝着であるから、これらの要因を除去すれば寿命は改善されることになる。
溶接時には、被溶接材からの伝熱によって電極表面も高温に曝され、強度は一時的にせよ低下して変形するため、これが繰り返されることによって接触面積が増して電流密度の低下を招くのであるから、変形抵抗すなわち強度を高めてやることが効果的である。また、同時に被溶接材との凝着も低減する。
溶接時には、被溶接材からの伝熱によって電極表面も高温に曝され、強度は一時的にせよ低下して変形するため、これが繰り返されることによって接触面積が増して電流密度の低下を招くのであるから、変形抵抗すなわち強度を高めてやることが効果的である。また、同時に被溶接材との凝着も低減する。
また、電極材質として非金属が含まれていれば、凝着現象は一層生じにくくなる。
さらに、電極の熱電導性を高めれば表面の温度上昇を抑えることができ、強度低下に伴う変形は著しく改善されることになり、この効果が最も大きい。
さらに、電極の熱電導性を高めれば表面の温度上昇を抑えることができ、強度低下に伴う変形は著しく改善されることになり、この効果が最も大きい。
カーボンナノチューブは、その構造に起因して特異な性質を有しており、とりわけ熱伝導率と機械的性質は他の物質とは桁違いの値を示し、これを他の物質中に添加して複合材とすることにより優れた性能を有する材料が得られる。
したがって、銅や銅合金などの銅系材料をマトリックスとし、これにカーボンナノチューブを添加した複合材は、銅の導電性を損なうことなく、熱伝導性及び機械的性質を向上させることができ、このような複合材料を用いることによって電極の表面温度の上昇を抑え、ひいては電極の変形、劣化を防ぎ、耐用寿命を延ばすことができる。また、カーボンナノチューブ自体、非金属材料であることから、被溶接材とは凝着しにくい性質があるので、電極中に含まれていればその分だけ凝着が防止されることになる。
本発明の抵抗溶接用電極は、図1に示すように、内部に水冷機構を備え、電極内部において循環水と接するようになっており、大電流、加圧力と共に、被溶接材からの熱がその軸方向に伝わる構造となっている。
したがって、少なくとも電極全体のうち、被溶接材と接する外部端面Feと、電極内部の冷却水が当たる内部表面Fiとの間が上記カーボンナノチューブを添加した銅又は銅合金から成る複合材Cで構成されていれば、所期の効果を得ることができる。
したがって、少なくとも電極全体のうち、被溶接材と接する外部端面Feと、電極内部の冷却水が当たる内部表面Fiとの間が上記カーボンナノチューブを添加した銅又は銅合金から成る複合材Cで構成されていれば、所期の効果を得ることができる。
このとき、電極全体を上記の複合材で形成することによって、電極全体の強度や熱伝導性を向上させることができ、性能的には何らの問題もないが、複合材の使用量が増すことは、コスト面で不利となる。
なお、複合材のマトリックスは純銅でも良いし、従来使われているCrやZr、あるいは他の合金元素を添加した銅合金であっても良く、これら合金元素の添加によって電極強度をより向上させることができる。
なお、複合材のマトリックスは純銅でも良いし、従来使われているCrやZr、あるいは他の合金元素を添加した銅合金であっても良く、これら合金元素の添加によって電極強度をより向上させることができる。
一般に、複合材中の添加材がある方向に配向していると性質にも方向性が生じ、配向方向の性質はランダムに分散している場合より際立った性質が得られる。
本発明の抵抗溶接用電極においては、その長軸方向に荷重、熱、電流が伝わる構造となっているため、当該電極中に含まれるカーボンナノチューブがその軸方向に配向していることが、カーボンナノチューブの添加量が少ない場合でも、その効果がより一層顕著に現れるようになることから望ましい。
本発明の抵抗溶接用電極においては、その長軸方向に荷重、熱、電流が伝わる構造となっているため、当該電極中に含まれるカーボンナノチューブがその軸方向に配向していることが、カーボンナノチューブの添加量が少ない場合でも、その効果がより一層顕著に現れるようになることから望ましい。
上記カーボンナノチューブの添加量としては、体積比で3〜30%の範囲とすることが望ましい。
すなわち、添加量が体積含有率で3%に満たない場合は、複合材としての効果が得られず、逆に30%を超えて添加してもその効果は変わらない一方、カーボンナノチューブを分散複合させる製造上の困難さが増し、焼結性が低下する傾向があるばかりでなく、コスト面からも不利となる。
すなわち、添加量が体積含有率で3%に満たない場合は、複合材としての効果が得られず、逆に30%を超えて添加してもその効果は変わらない一方、カーボンナノチューブを分散複合させる製造上の困難さが増し、焼結性が低下する傾向があるばかりでなく、コスト面からも不利となる。
次に、このようなカーボンナノチューブと銅又は銅合金複合材を得るには、カーボンナノチューブを分散させてバインダで固めたプリフォームを作製し、これに銅を溶浸させて複合化する方法もあるが、かなり高温での作業となり、設備的に負担が大きいのとカーボンナノチューブが劣化する恐れがあることから好ましくなく、粉末冶金的な方法を採用することが望ましい。
すなわち、カーボンナノチューブと銅粉末を混合し、銅の融点以下の温度で焼結して複合化させ、次に圧延や押し出しによって塑性加工を加えることによって、緻密化すると共に、カーボンナノチューブを所定方向に配向させるようにすることができる。
マトリックスとしてCrやZrを添加した銅合金を使用して、熱処理を併用すれば析出硬化によってさらに高強度材とすることができる。また、いわゆるホットプレスや放電焼結法でも構わない。
マトリックスとしてCrやZrを添加した銅合金を使用して、熱処理を併用すれば析出硬化によってさらに高強度材とすることができる。また、いわゆるホットプレスや放電焼結法でも構わない。
このとき、カーボンナノチューブ単独ではなく、めっきや蒸着によって銅をあらかじめ被覆した状態のカーボンナノチューブを使用することによって焼結性が改善され、さらに好ましい結果を得ることができる。
さらに、上記複合材Cを抵抗溶接用電極における上記部分、すなわち被溶接材と接触する電極の外部端面Feと、冷却水と接触する電極の内部表面Fiとの間の位置に配置させるには、円筒状の外殻部材Mに上記複合材Cを圧入して固定することが簡便であると共に、周囲の部分との接触面積も広く取ることができ、通電経路の安定性からも望ましい。なお、上記外殻部材Mの材質については、通電のための導電性と強度のバランスの上から、やはり上記同様に、銅又は銅合金とすることが良い(図1参照)。
また、ろう付けやねじ留めによる固定も考えられなくはないが、ろう付けについては熱影響によって性能が劣化する恐れがあり、ねじ留めについては工程増や加工精度の問題があって好ましくない。
また、ろう付けやねじ留めによる固定も考えられなくはないが、ろう付けについては熱影響によって性能が劣化する恐れがあり、ねじ留めについては工程増や加工精度の問題があって好ましくない。
図2は、本発明の抵抗溶接用電極を用いて、被溶接材Bを抵抗溶接した際における電極及び被溶接材の温度分布(a)を従来の電極を用いた場合の温度分布(b)と比較して示す概念図であって、被溶接材3における最高到達温度(ナゲット部)については変わりがないのに対して、本発明電極については、電極内の温度分布、特に電極の外部端面の温度(○印で示す)が従来電極の場合に較べてにかなり低くなる。
そして、上記電極におけるカーボンナノチューブと銅又は銅合金との複合材で構成される部分については、カーボンナノチューブの分散状態が均一なもので構わないことは勿論であるが、被溶接材との接触部の中心部が最も高温となる電極表面の温度分布を考慮するとき、上記複合材の中心部におけるカーボンナノチューブの含有率が外周部に較べて高くなるような多層構造、あるいは傾斜構造とすることが望ましく、これによって中心部の熱の逃げが周囲よりも良好なものとなり、最も高温となる接触部中心部の温度上昇を抑えることができるようになる。
例えば、図3に示すように、カーボンナノチューブ含有率の低い中空円筒状の第1の複合材C1を用意し、当該複合材C1の中に、カーボンナノチューブ含有率の高い棒状の第2の複合材C2を挿入して2重の複合材とすればよい。この場合、一体化させるために押し出しや圧延といった工程が増すが、カーボンナノチューブの平均含有率を増すことなく大きな効果が得られることになる。
例えば、図3に示すように、カーボンナノチューブ含有率の低い中空円筒状の第1の複合材C1を用意し、当該複合材C1の中に、カーボンナノチューブ含有率の高い棒状の第2の複合材C2を挿入して2重の複合材とすればよい。この場合、一体化させるために押し出しや圧延といった工程が増すが、カーボンナノチューブの平均含有率を増すことなく大きな効果が得られることになる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
純銅をマトリックスとし、これにカーボンナノチューブの含有量を体積比で5%、10%及び20%に変えて添加した複合材を作製した。
作製方法としては、純銅粉に所定量のカーボンナノチューブ(直径20〜50nm、長さ数μmの多層カーボンナノチューブ)を混合して撹拌し、冷間プレスで円柱状に成形した後、焼結温度780℃で加熱して焼結体を作成し、次にこの焼結体素材を熱間(押出し温度750℃)で押し出しすることによって、カーボンナノチューブ含有量の異なる3種の棒状複合材を得た。
純銅をマトリックスとし、これにカーボンナノチューブの含有量を体積比で5%、10%及び20%に変えて添加した複合材を作製した。
作製方法としては、純銅粉に所定量のカーボンナノチューブ(直径20〜50nm、長さ数μmの多層カーボンナノチューブ)を混合して撹拌し、冷間プレスで円柱状に成形した後、焼結温度780℃で加熱して焼結体を作成し、次にこの焼結体素材を熱間(押出し温度750℃)で押し出しすることによって、カーボンナノチューブ含有量の異なる3種の棒状複合材を得た。
次いで、これらの棒状複合材を約5mm径に切り出し、この複合材を既存の電極の先端部を穿孔することによって形成した内径5mmの空洞部内に圧入することによって、抵抗溶接用複合電極をそれぞれ作製し、板厚1.6mmのアルミニウム合金板材の抵抗溶接に供し、JIS−A級のナゲットが得られる溶接条件(電流3000A、加圧力350kg、通電時間10サイクル)で連続溶接した場合の電極寿命を測定した。また、電極先端部の温度も計測し、カーボンナノチューブとの複合材を用いない既存の電極の場合と比較した。結果は表1に示すとおりで、本発明による抵抗溶接用電極は、従来品を用いた比較例に比べて、大きく寿命が伸びていることが確認された。
なお、表1において、電極先端温度及び電極寿命については、複合材を用いない既存の電極を用いた比較例の値を「1」とする相対比を記載した。
なお、表1において、電極先端温度及び電極寿命については、複合材を用いない既存の電極を用いた比較例の値を「1」とする相対比を記載した。
(実施例2)
上記実施例1と同様の方法を繰り返すことによって、カーボンナノチューブの含有量が体積比で10%と、20%の棒状複合材を作製し、カーボンナノチューブの含有率が5%のものから外径5mm、内径2mmの中空円筒状複合材を、10%のものから2mm径の中実棒状複合材をそれぞれ切り出し、中実材を円筒材中に挿入することによって、図3に示したような2重構造の複合棒材を作成した。これを実施例1と同じように既存の電極に挿入することによって得られた抵抗溶接用電極を同様のアルミニウム合金板材の抵抗溶接に使用し、連続溶接した場合の電極寿命を同様に求めた。
上記実施例1と同様の方法を繰り返すことによって、カーボンナノチューブの含有量が体積比で10%と、20%の棒状複合材を作製し、カーボンナノチューブの含有率が5%のものから外径5mm、内径2mmの中空円筒状複合材を、10%のものから2mm径の中実棒状複合材をそれぞれ切り出し、中実材を円筒材中に挿入することによって、図3に示したような2重構造の複合棒材を作成した。これを実施例1と同じように既存の電極に挿入することによって得られた抵抗溶接用電極を同様のアルミニウム合金板材の抵抗溶接に使用し、連続溶接した場合の電極寿命を同様に求めた。
その結果、当該実施例に係わる電極の場合には、比較例に対して耐用寿命が3.5倍に延びることが確認された。
W 冷却水
B 被溶接材
Fe 外部端面
Fi 内部表面
C 複合材(カーボンナノチューブ+銅又は銅合金)
M 外郭部材
B 被溶接材
Fe 外部端面
Fi 内部表面
C 複合材(カーボンナノチューブ+銅又は銅合金)
M 外郭部材
Claims (7)
- 内部に水冷機構を備えた抵抗溶接用電極において、少なくとも被溶接材と接触する電極の外部端面と、冷却水と接触する電極の内部表面との間がカーボンナノチューブを含む銅又は銅合金から成ることを特徴とする抵抗溶接用電極。
- 銅又は銅合金から成る外殻部材中にカーボンナノチューブを含む銅又は銅合金を圧入し、一体化して成ることを特徴とする請求項1に記載の抵抗溶接用電極。
- 上記カーボンナノチューブの体積含有率が3〜30%であることを特徴とする請求項又は2に記載の抵抗溶接用電極。
- カーボンナノチューブの含有率が外周部より中心部の方が高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の抵抗溶接用電極。
- 上記カーボンナノチューブが軸方向に配向していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の抵抗溶接用電極。
- カーボンナノチューブと銅又は銅合金粉末との焼結体を塑性加工してカーボンナノチューブを軸方向に配向せしめたことを特徴とする請求項5に記載の抵抗溶接用電極。
- 銅を被覆したカーボンナノチューブと銅または銅合金粉末との焼結体を塑性加工してカーボンナノチューブを軸方向に配向せしめたことを特徴とする請求項5に記載の抵抗溶接用電極。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014014843A (ja) * | 2012-07-10 | 2014-01-30 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 抵抗スポット溶接用電極 |
CN106181118A (zh) * | 2016-08-05 | 2016-12-07 | 湖北工业大学 | 一种镀锌钢板电阻点焊用电极及其制备方法 |
CN110340509A (zh) * | 2019-06-25 | 2019-10-18 | 华北水利水电大学 | 一种铜薄板电阻点焊连接方法 |
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2004
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