JP2006152904A - 内燃機関の燃焼室構造 - Google Patents

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Katsuhiko Miyamoto
勝彦 宮本
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Abstract

【課題】 ノックの発生を抑制し、出力トルクおよび燃費を向上させることができるようにする。
【解決手段】 燃焼室10の略中央に点火栓15が配置された内燃機関の燃焼室構造において、ピストン1の吸気側頂面5と対向するシリンダヘッド8の吸気側壁面11bとの間に形成されスキッシュ効果を生じさせる吸気側スキッシュエリア53と、ピストン1の排気側頂面5と対向するシリンダヘッドの排気側壁面11aとの間に形成されスキッシュ効果を生じさせる排気側スキッシュエリア52とが形成され、排気側スキッシュエリア52を、吸気側スキッシュエリア53に比べてスキッシュ効果が生じにくくなるように形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室構造に関するものである。
従来より、ピストン頂面とシリンダヘッドとの間にスキッシュエリアと呼ばれる空間が形成されるようにした燃焼室を有する内燃機関(以下、単にエンジンという)が知られている。このようなエンジンによれば、圧縮行程においては、スキッシュエリアから点火栓が配設された燃焼室中央側への気流(いわゆる、スキッシュ流)を発生させることができるようになっている。さらに、膨張行程においては、燃焼室中央側からスキッシュエリアへ流入する気流(いわゆる逆スキッシュ流)を発生させることで、点火栓によって点火されて生じた火炎をすばやく燃焼室の外周部まで伝播させることができるようになっている。
これにより、燃焼期間の短縮化を図ったり、高圧縮運転時に生じるノックを抑制したり、燃焼効率を上昇させて燃費の向上を図ったりすることができるようになっている。なお、このような、スキッシュ流を生じさせるエンジンに関する技術は、例えば以下の特許文献1に開示されている。
特許第3222379号公報
しかしながら、このような、スキッシュエリアが形成される燃焼室を有する一般的なエンジンにおいては、ノックが発生しやすいという課題がある。これは、以下のような原因によるものと考えられる。
上述のように、逆スキッシュ流を発生させることにより火炎を燃焼室の中央側から外周部へすばやく伝播させることができ、また、この逆スキッシュ流の流速は、燃焼室において吸気側でも排気側でも略同じである。しかしながら、火炎の伝播速度(即ち、燃焼速度)は、燃焼室内の吸気側と排気側とで大きく異なっている。これは、燃焼室内部で生じる温度差に起因するものである。つまり、吸気側の燃焼室には、比較的温度の低い混合気が吸気ポートから流入しているため、燃焼室の吸気側は燃焼室の排気側ほど高温とはならない。
このため、点火栓によって着火されて生じた火炎が伝播する速度は、燃焼室の吸気側で遅く、一方、排気側で速くなるため、火炎が排気側の外周部へ到達した時点では、まだ吸気側の外周部において火炎が到達しておらず、吸気側の燃焼室外周部近傍においては未燃混合気が存在したままとなる。
しかしながら、排気側の燃焼室外周部へ火炎が到達することによって、少なくとも排気側の燃焼室においては混合気の燃焼が完了するため、燃焼室全体の気圧が上昇する。この燃焼室の気圧上昇により、吸気側の燃焼室外周部近傍に残存している未燃混合気が火炎の伝播を待たずして自己着火し、ノックが発生してしまうのである。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、ノックの発生を抑制し、出力トルクおよび燃費を向上させることができる、内燃機関の燃焼室構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関の燃焼室構造(請求項1)は、燃焼室の略中央に点火栓が配置された内燃機関の燃焼室構造において、ピストンの吸気側頂面と対向するシリンダヘッドの吸気側壁面との間に形成されスキッシュ効果を生じさせる吸気側スキッシュエリアと、該ピストンの排気側頂面と対向するシリンダヘッドの排気側壁面との間に形成されスキッシュ効果を生じさせる排気側スキッシュエリアとが形成され、該排気側スキッシュエリアは、該吸気側スキッシュエリアに比べてスキッシュ効果が生じにくくなるように形成されていることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の内燃機関の燃焼室構造は、請求項1記載の内容において、該排気側スキッシュエリアは、該吸気側スキッシュエリアよりも、容積が大きくなるように形成されていることを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の内燃機関の燃焼室構造は、請求項1記載の内容において、該排気側スキッシュエリアは、該排気側頂面と該排気側壁面との間の距離である排気側距離が該燃焼室の外周部に近づくに連れて第1の度合で徐々に小さくなるように形成されていることを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の内燃機関の燃焼室構造は、請求項3記載の内容において、該吸気側スキッシュエリアは、該吸気側頂面と該吸気側壁面との間の距離である吸気側距離が一定となるように形成されていることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明の内燃機関の燃焼室構造は、請求項3記載の内容において、該吸気側スキッシュエリアは、該吸気側頂面と該吸気側壁面との間の距離である吸気側距離が該燃焼室の外周部に近づくに連れて第2の度合で徐々に減少するように形成され、該第1の度合が該第2の度合よりも大きくなるように設定されていることを特徴としている。
また、請求項6記載の本発明の内燃機関の燃焼室構造は、請求項1記載の内容において、該ピストンには、該吸気側頂面と該排気側頂面との間に中間頂面が形成され、該中間頂面と対向する該シリンダヘッドの該吸気側壁面および該排気側壁面との間には、スキッシュ効果を得るためのスキッシュエリアが形成されないことを特徴としている。
換言すれば、請求項1記載の内容において、該燃焼室には、該吸気側スキッシュエリアおよび該排気側スキッシュエリアを除きスキッシュ効果を生じさせるスキッシュエリアが形成されていないことを特徴としている。
本発明の内燃機関の燃焼室構造によれば、排気側スキッシュエリアにより生じるスキッシュ効果を抑制することで、燃焼室の吸気側における火炎伝播速度と燃焼室の排気側における火炎伝播速度との差を小さくし、ノックの発生を抑制して出力トルクおよび燃費を向上させることができる。(請求項1)
また、比較的簡単な構成で、燃焼室内における火炎伝播速度のバラつきが生じないようにすることができる。(請求項2)
また、十分なスキッシュ効果を生じさせながら、燃焼室の吸気側における火炎伝播速度と燃焼室の排気側における火炎伝播速度との差を小さくし、燃焼改善とノック抑制とを高次元で両立させることができる。(請求項3)
また、吸気側スキッシュエリアによって積極的にスキッシュ効果を生じさせることで、燃焼改善とノック抑制とを高次元で両立させることができる。(請求項4,5)
また、燃焼室内での混合気の攪拌を効果的に行なうことが可能となり、燃費向上に大きく寄与することができる。(請求項6)
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃焼室構造について説明すると、図1はその全体構成を示す模式的な断面図、図2はピストン頂面を示す模式的な平面図、図3(a)はその排気側スキッシュエリアを示す模式図、図3(b)はその吸気側スキッシュエリアを示す模式図、図4は内燃機関の出力トルクと点火時期との関係を示す模式的なグラフである。
図1に示すように、ガソリンエンジン(内燃機関;以下、単に「エンジン」という)50の燃焼室10は、シリンダヘッド8の燃焼室側壁面11とピストン1の頂面51とで上下を区画されることによって形成されている。また、シリンダヘッド8が載置されたシリンダブロック16内には円筒状のシリンダ17が形成され、このシリンダ17内にはピストン1が摺動自在に配設されている。
そして、このシリンダヘッド8の燃焼室側壁面11は、中央部近傍から排気側(図1中左側)へ傾斜して形成された排気側壁面11aと、シリンダヘッド8の中央部近傍から吸気側(図1中右側)へ傾斜して形成された吸気側壁面11bとから成るペントルーフ形状に形成されている。また、このシリンダヘッド8の燃焼室側壁面11の中央近傍で且つ燃焼室10の中央近傍となる位置にはスパークプラグ(点火栓)15が配設されている。
そして、シリンダヘッド8の排気側壁面11aには2つの排気バルブ(図示略)が配設され排気ポート(図示略)が開閉できるようになっており、また、吸気側壁面11bには2つの吸気バルブ(図示略)が配設され、吸気ポート(図示略)を開閉できるようになっている。また、図2に示すように、ピストン1は、その外形が円形となるように形成され、また、その頂面51には凹部2,テーパ部3,3,排気側スキッシュテーパ部(排気側頂面)4,吸気側スキッシュテーパ部(吸気側頂面)5,排気バルブリセス6,6,吸気バルブリセス7,7が形成されている。
このうち、テーパ部(中間頂面)3,3は、ピストン1の外周縁から所定幅(図2中符号W1参照)をもって形成され、外周縁から中央C1へ近づくにつれて徐々にシリンダヘッド8側(図2中紙面手前側)へ隆起するように形成されている。
また、このテーパ部3の内縁3aの中央C1側には凹部2が形成され、この凹部2はテーパ部3の内縁3aから緩やかな円弧状に窪むように形成されている。
また、排気バルブリセス6,6は、ピストン1が上死点近傍まで上昇した際に排気バルブが開弁した場合であっても、排気スキッシュテーパ部4の上面と排気バルブとが干渉しないようにするために形成された切欠きであって、排気スキッシュテーパ部4において2つの排気バルブに対応する位置に2つ形成されている。
同様に、吸気バルブリセス7,7は、ピストン1が上死点近傍まで上昇した際に、開弁した吸気バルブと吸気スキッシュテーパ部5の上面とが干渉しないようにするための切欠きであって、吸気スキッシュテーパ部5において2つの吸気バルブに対応する位置に2つ形成されている。
また、図1に示すように、排気側のピストン1の頂面51に形成された排気側スキッシュテーパ部4および吸気側スキッシュテーパ部5は、その高さがピストン1の外周縁から中央側へ近づくにつれて徐々にシリンダヘッド8側へ隆起するように形成されている。
これにより、燃焼室10内において、排気側スキッシュテーパ部4とシリンダヘッド8の排気側壁面11aとの間に排気側スキッシュエリア52が形成されるとともに、吸気側スキッシュテーパ部5とシリンダヘッド8の吸気側壁面11bとの間に吸気側スキッシュエリア53が形成されるようになっている。
そして、これらの排気側スキッシュエリア52および吸気側スキッシュエリア53が形成されることにより、圧縮行程においては、排気側および吸気側スキッシュエリア52,53の容積が小さくなることで、排気側および吸気側スキッシュエリア52,53から主に燃焼室10の中央側へ噴出する気流(即ち、「スキッシュ流」)を生じさせることができるようになっている。また、膨張行程においては、排気側および吸気側スキッシュエリア52,53の容積が大きくなることで、燃焼室10の中央側から排気側および吸気側スキッシュエリア52,53に流入する気流(即ち、「逆スキッシュ流」)を生じさせることができるようになっている。
なお、このように、スキッシュ流を生じさせるのは、燃焼室10内で混合気の攪拌を促進させるという効果を得るとともに、逆スキッシュ流を生じさせることで燃焼室10の中央側(特に、点火プラグ15の近傍)から燃焼室10の外周部に向けて流れる気流の流速を速くすることができるといった効果を得ることを狙ったものである。また、本実施形態において、このような、スキッシュ流または逆スキッシュ流により得られる効果を「スキッシュ効果」という。
そして、排気側スキッシュエリア52の容積VEXが、吸気側スキッシュエリア53の容積VINよりも大きくなる(即ち、VEX>VINとなる)ように、排気側および吸気側スキッシュエリア52,53が形成されている。これにより、吸気側スキッシュエリア53によるスキッシュ効果(吸気側スキッシュ効果)に比べて排気側スキッシュエリア52によるスキッシュ効果(排気側スキッシュ効果)が生じにくくなるようになっている。
つまり、排気側スキッシュエリア52により生ずるスキッシュ流および逆スキッシュ流の流速および流量が、吸気側スキッシュエリア53により生ずるスキッシュ流および逆スキッシュ流の流速および流量よりも、小さくなるように設定されているのである。
より具体的には、図3(a),(b)に示すように、排気側スキッシュエリア52は、排気側スキッシュテーパ部4と排気側壁面11aとの間の距離である排気側距離LEXが、燃焼室10の中央側でL1(即ち、LEX=L1)となるように形成されるとともに燃焼室10の外周側でL2(即ち、LEX=L2;但し、L1>L2)となるように形成され、燃焼室10の外周部に近づくに連れて、この排気側距離LEXが所定の度合(第1の度合)で徐々に減少するように形成されている。つまり、図1および図3(a)で示す断面視において、排気側スキッシュエリア52はくさび形状となるように形成されている。
これは、排気側スキッシュテーパ部4の傾斜α1が、排気側壁面11aの傾斜α2よりも小さくなるように(即ち、α1<α2となるように)、排気側スキッシュテーパ部4および排気側壁面11aがそれぞれ形成されていることによるものである。
一方、吸気側スキッシュエリア53は、吸気側スキッシュテーパ部5と吸気側壁面11bとの間の距離である吸気側距離LINが、燃焼室の中央側でも外周側でもともにL3で一定となるように形成されている。つまり、図1および図3(b)で示す断面視において、吸気側スキッシュエリア53は矩形形状となるように形成されている。
これは、吸気側スキッシュテーパ部5の傾斜α3が、吸気側壁面11aの傾斜α4と等しくなるように(即ち、α3=α4となるように)、吸気側スキッシュテーパ部5および吸気側壁面11bがそれぞれ形成されていることによるものである。
なお、図2に示す、ピストン1のテーパ部3,3と吸気側壁面11aおよび排気側壁面11bとの間には、吸気側および排気側スキッシュエリア52,53のようなスキッシュ効果を得るためのスキッシュエリアは特に形成しない。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃焼室構造は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
圧縮行程においては、排気側気側スキッシュエリア52,53の容積が徐々に小さくなることで、排気側スキッシュエリア52から燃焼室10の中央側へ排気側スキッシュ流(図1中符号+SFEX参照)が生じるとともに、吸気側スキッシュエリア53から燃焼室10の中央側へ吸気側スキッシュ流(図1中符号+SFIN参照)が生じ、燃焼室10内における混合気が良好に攪拌される。
その後、ピストン1が上死点近傍にまで達すると点火プラグ15が点火する。なお、この点火時期については、エンジン負荷等に応じて適宜進角させたり遅角させたりすることができ、また、点火時期を進角させることによりエンジン50からの出力トルクを大きくすることができる。この点、図4を用いて後述する。
そして、膨張行程において、ピストン1が下降するに連れて、排気側および吸気側スキッシュエリア52,53の容積が徐々に大きくなり、燃焼室10の中央側から排気側スキッシュエリア52へ流入する排気側逆スキッシュ流(図1中符号−SFEX参照)が生じるとともに、燃焼室10の中央側から吸気側スキッシュエリア53へ流入する吸気側逆スキッシュ流(図1中符号−SFIN参照)が生じる。
このとき、点火プラグ15の点火によって生じた火炎が、上記の排気側逆スキッシュ流(−SFEX)および吸気側逆スキッシュ流(−SFIN)に乗って点火プラグ15の近傍から燃焼室10の外周部へ向けて広がっていくが、排気側逆スキッシュ流(−SFEX)は、吸気側逆スキッシュ流(−SFIN)に比べてその流量が少なくまた流速も遅い。
これは、排気側スキッシュエリア52の容積VEXが吸気側スキッシュエリア53の容積VINよりも大きくなる(即ち、VEX>VINとなる)ように、シリンダヘッド8の燃焼室側壁面11およびピストン1の頂面51が形成されていることによるものである。
また、図1に示す断面視において、排気側スキッシュエリア52はくさび形の形状となるように形成され、他方、吸気側スキッシュエリア53は矩形の形状となるように形成されていることにもよる。
つまり、排気側スキッシュエリア52は、排気側スキッシュテーパ部4と排気側壁面11aとの間の距離である排気側距離LEXが、燃焼室10の中央側でL1となるとともに燃焼室10の外周側でL2(但し、L1>L2)となるように形成され、さらに、燃焼室10の外周側に近づくに連れて、この排気側距離LEXが所定の度合で徐々に減少するように排気側スキッシュテーパ部4および排気側壁面11aが形成されている。一方、吸気側スキッシュエリア53は、吸気側スキッシュテーパ部5と吸気側壁面11bとの間の距離である吸気側距離LINがL3で一定となるように形成されている。
これにより、吸気側スキッシュエリア53によるスキッシュ効果(吸気側スキッシュ効果)よりも、排気側スキッシュエリア52によるスキッシュ効果(排気側スキッシュ効果)を小さくすることができる。
そして、燃焼室10の排気側と吸気側とでスキッシュ効果に差異を生じさせることで、点火プラグ15近傍から燃焼室10の外周側へ向けて広がる火炎の伝播速度を、燃焼室10の排気側と吸気側とで略均一とすることができる。これにより、燃焼室10の排気側で燃焼が完了した時に、燃焼室10の吸気側でも燃焼を完了させる、即ち、燃焼室10内の吸気側と排気側とにおける燃焼タイミングを同期させることができるので、ノックの発生を未然に防ぐことができる。
また、ノックは、点火時期を過剰に進角させた場合にも生じる場合があるが、本実施形態のように、燃焼室10内の火炎伝播のバランスを良好とした場合には、図4に示すように、点火プラグ15の点火時期を従来のエンジンよりも進めることができる。そして、点火時期を進めることで、エンジン50から出力されるトルクを従来よりも上昇させることができる。なお、図中符号A0で示す点が従来のエンジンにおけるK1点(ノックが生じるか否かの臨界点)であり、図中符号A1で示す点が、本発明の本実施形態のエンジン50におけるK1点である。
このように、本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃焼室構造によれば、排気側スキッシュエリア52により生じるスキッシュ効果(排気側スキッシュ効果)を、吸気側スキッシュエリア53により生じるスキッシュ効果(吸気側スキッシュ効果)よりも小さくすることで、燃焼室10の排気側における火炎伝播速度と燃焼室10の吸気側における火炎伝播速度との差を小さくし、ノックの発生を抑制して出力トルクおよび燃費を向上させることができる。
また、排気側スキッシュエリア52の容積VEXを吸気側スキッシュエリア53の容積VINよりも大きくなるように形成するという、比較的簡単な構成により燃焼室10内で火炎伝播速度がバラつかないようにすることができる。
また、排気側スキッシュエリア52をくさび形とするとともに、吸気側スキッシュエリア53を矩形とすることで、燃焼室10の排気側で十分なスキッシュ効果を生じさせながら、燃焼室10の吸気側で積極的にスキッシュ効果を生じさせ、燃焼室10の吸気側における火炎伝播速度と燃焼室10の排気側における火炎伝播速度との差を小さくし、燃焼改善とノック抑制とを高次元で両立させることができる。
また、テーパ部3,3とシリンダヘッド8の排気側壁面11aおよび吸気側壁面11bとの間には、スキッシュ効果を得るためのスキッシュエリアが形成されていないので、相対的に、排気側スキッシュエリア52および吸気側スキッシュエリア53のスキッシュ効果を高めて、燃焼室10内での混合気の攪拌を効果的に行ない、燃費向上に大きく寄与することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態においては、吸気側スキッシュエリア53が、吸気側スキッシュテーパ部5と吸気側壁面11bとの間の距離である吸気側距離LINが変化しないように形成した場合を例にとって説明したが、このような場合に限定するものではない。例えば、この吸気側距離LINが、燃焼室30の外周側に近づくに連れて所定の度合い(第2の度合)で徐々に小さくなるように吸気側スキッシュエリア53を形成し、且つ、排気側スキッシュエリア52における排気側距離LEXの変化度合(即ち、第1の度合)が第2の度合よりも大きくなるようにしてもよい。
これにより、吸気側の燃焼室10における火炎伝播速度と排気側の燃焼室10における火炎伝播速度との差を小さくし、燃焼改善とノック抑制とを高次元で両立させることができる。
また、上述の実施形態においては、排気側スキッシュエリア52により生ずるスキッシュ流や逆スキッシュ流の流速および流量が、吸気側スキッシュエリア53により生ずるスキッシュ流や逆スキッシュ流の流速および流量よりも小さくなるように設定した場合について説明したが、このような構成に限定するものではない。
例えば、排気側および吸気側スキッシュエリア52,53により生ずるスキッシュ流や逆スキッシュ流の流速および流量のうち、流速のみに着目してもよいし、流量のみに着目してもよい。
つまり、排気側スキッシュエリア52により生ずるスキッシュ流や逆スキッシュ流の流速が、吸気側スキッシュエリア53により生ずるスキッシュ流や逆スキッシュ流の流速よりも、小さくなるように設定してもよい。あるいは、排気側スキッシュエリア52により生ずるスキッシュ流や逆スキッシュ流の流量が、吸気側スキッシュエリア53により生ずるスキッシュ流や逆スキッシュ流の流量よりも、小さくなるように設定してもよい。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃焼室構造の全体構成を示す模式的な断面である。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃焼室構造のピストン頂面を示す模式的な平面図である。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃焼室構造のスキッシュエリアを示す模式図であって、(a)は排気側スキッシュエリアを示し、(b)は吸気側スキッシュエリアを示す。 本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃焼室構造の作用を示す模式的なグラフである。
符号の説明
1 ピストン
3 テーパ部(中間頂面)
4 排気側スキッシュテーパ部(排気側頂面)
5 吸気側スキッシュテーパ部(吸気側頂面)
8 シリンダヘッド
11 シリンダヘッドの燃焼室側壁面(燃焼室側壁面)
11a 排気側壁面
11b 吸気側壁面
10 燃焼室
15 点火プラグ(点火栓)
50 エンジン(内燃機関)
52 排気側スキッシュエリア
53 吸気側スキッシュエリア
EX 排気側距離
IN 吸気側距離

Claims (6)

  1. 燃焼室の略中央に点火栓が配置された内燃機関の燃焼室構造において、
    ピストンの吸気側頂面と対向するシリンダヘッドの吸気側壁面との間に形成されスキッシュ効果を生じさせる吸気側スキッシュエリアと、
    該ピストンの排気側頂面と対向するシリンダヘッドの排気側壁面との間に形成されスキッシュ効果を生じさせる排気側スキッシュエリアとが形成され、
    該排気側スキッシュエリアは、該吸気側スキッシュエリアに比べてスキッシュ効果が生じにくくなるように形成されている
    ことを特徴とする、内燃機関の燃焼室構造。
  2. 該排気側スキッシュエリアは、該吸気側スキッシュエリアよりも、容積が大きくなるように形成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の燃焼室構造。
  3. 該排気側スキッシュエリアは、
    該排気側頂面と該排気側壁面との間の距離である排気側距離が該燃焼室の外周部に近づくに連れて第1の度合で徐々に小さくなるように形成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の燃焼室構造。
  4. 該吸気側スキッシュエリアは、
    該吸気側頂面と該吸気側壁面との間の距離である吸気側距離が一定となるように形成されている
    ことを特徴とする、請求項3記載の内燃機関の燃焼室構造。
  5. 該吸気側スキッシュエリアは、
    該吸気側頂面と該吸気側壁面との間の距離である吸気側距離が該燃焼室の外周部に近づくに連れて第2の度合で徐々に減少するように形成され、
    該第1の度合が該第2の度合よりも大きくなるように設定されている
    ことを特徴とする、請求項3記載の内燃機関の燃焼室構造。
  6. 該ピストンには、該吸気側頂面と該排気側頂面との間に中間頂面が形成され、
    該中間頂面と対向する該シリンダヘッドの該吸気側壁面および該排気側壁面との間には、スキッシュ効果を得るためのスキッシュエリアが形成されない
    ことを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の燃焼室構造。
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