JP2006151170A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2006151170A
JP2006151170A JP2004344221A JP2004344221A JP2006151170A JP 2006151170 A JP2006151170 A JP 2006151170A JP 2004344221 A JP2004344221 A JP 2004344221A JP 2004344221 A JP2004344221 A JP 2004344221A JP 2006151170 A JP2006151170 A JP 2006151170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
pneumatic tire
cross
rubber layer
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004344221A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinobu Arai
善信 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2004344221A priority Critical patent/JP2006151170A/ja
Publication of JP2006151170A publication Critical patent/JP2006151170A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】空洞共鳴音を低減できる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ内周面と一対のビードコア21、21の基部を結ぶ仮想線とにより囲まれる領域の断面積を空洞断面積Acとする。この空気入りタイヤ1は、カーカス層3の内腔側であってサイドウォール部に対応する位置に内側ゴム層7が形成されており、この内側ゴム層7の断面積Arと空洞断面積Acとの比率Ar/Acが0.9[%]以上2.0[%]以下の範囲内にあり、内側ゴム層7のタイヤ幅方向の最大厚さWrとタイヤ最大幅SWとの比率Wr/SWが1.5[%]以上3.0[%]以下の範囲内にあり、且つ、内側ゴム層7のJIS−A硬度が70未満である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、空洞共鳴音を低減できる空気入りタイヤに関する。
近年の空気入りタイヤでは、高い静粛性能が必須条件となっている。かかる静粛性能は、扁平率が低い空気入りタイヤでも同様に求められている。また、近年では、扁平率が低く大型な空気入りタイヤが急速に広まりつつある。かかる空気入りタイヤでは、その形状に起因して空洞共鳴音のレベルが悪化するという課題がある。また、空洞共鳴音は、不快な車内騒音の要因ともなる。
かかる課題において、従来の空気入りタイヤには、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の空気入りタイヤは、ロードノイズ抑制装置を装着することにより、空洞共鳴音を低減する。このロードノイズ抑制装置は、リムに装着されるタイヤと前記リムとにより囲まれるタイヤ内腔内に装着される。そして、ロードノイズ抑制装置は、スポンジ材からなりかつ約180度の角度を隔ててタイヤ内腔の少なくとも一部を遮ることによりこのタイヤ内腔を周方向に略二分しうる一対の遮蔽体と、この一対の遮蔽体を連結しかつリム底に沿い張力を有してのびることにより前記遮蔽体をリムに固定させる連結部材とからなることを特徴とする。
特開2000−62408号公報
この発明は、空洞共鳴音を低減できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、一対のビードコアと、これらのビードコアの外周に配置されるビードフィラーと、ビードフィラーを端部にて包み込みつつビードコア間に架け渡されるカーカス層と、カーカス層のタイヤ幅方向外側に配置されてサイドウォール部を構成するサイドウォールゴムとを含む空気入りタイヤにおいて、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ内周面と前記一対のビードコアの基部を結ぶ仮想線とにより囲まれる領域の断面積を空洞断面積Acとしたときに、前記カーカス層の内腔側であってサイドウォール部に対応する位置に内側ゴム層が形成されており、この内側ゴム層の断面積Arと空洞断面積Acとの比率Ar/Acが0.9[%]以上2.0[%]以下の範囲内にあり、内側ゴム層のタイヤ幅方向の最大厚さWrとタイヤ最大幅SWとの比率Wr/SWが1.5[%]以上3.0[%]以下の範囲内にあり、且つ、内側ゴム層のJIS−A硬度が70未満であることを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、カーカス層の内腔側に内側ゴム層が形成されており、この内側ゴム層の断面積Arと空洞断面積Acとの比率Ar/Ac、内側ゴム層のタイヤ幅方向の最大厚さWrとタイヤ最大幅SWとの比率Wr/SW、および、内側ゴム層のJIS−A硬度が所定の範囲に規定される。これにより、空洞共鳴音が低減されて、ロードノイズが効果的に低減される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記内側ゴム層のタイヤ径方向の延在長さHrとタイヤ径方向高さSHとの比率Hr/SHが50[%]以上60[%]以下の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、内側ゴム層のタイヤ径方向の延在長さHrとタイヤ径方向高さSHとの比率Hr/SHが所定の範囲に規定されるので、ロードノイズ、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記ビードフィラーの径方向高さHfとタイヤ径方向高さSHとの比率Hf/SHが20[%]以上36[%]以下の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、ビードフィラーの径方向高さHfとタイヤ径方向高さSHとの比率Hf/SHが所定の範囲に規定されるので、ロードノイズ、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ビードフィラーを構成するゴム材料のJIS−A硬度が85以上95以下の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、ビードフィラーを構成するゴム材料のJIS−A硬度が所定の範囲に規定されるので、ロードノイズ、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記内側ゴム層のタイヤ幅方向の最大厚さWrと、前記ビードコアの基部からタイヤ径方向高さSHの半分の位置における前記サイドトレッドゴムのタイヤ幅方向の厚さWsとが略同一寸法を有する。
この空気入りタイヤでは、内側ゴム層のタイヤ幅方向の最大厚さWrと、サイドトレッドゴムのタイヤ幅方向の厚さWsとが所定の範囲に規定されるので、ロードノイズ、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、サイドトレッドゴムのJIS−A硬度が50以上60以下の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、サイドトレッドゴムのJIS−A硬度が所定の範囲に規定されるので、ロードノイズ、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤの扁平率が35[%]以上50[%]以下である。
この空気入りタイヤでは、上記の構成が低扁平率のタイヤに適用されるので、その効果が顕著に得られる利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記カーカス層がレーヨン材により構成される。
この空気入りタイヤでは、カーカス層がレーヨン材により構成されるので、高速性能が向上する利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤによれば、カーカス層の内腔側に内側ゴム層が形成されており、この内側ゴム層の断面積Arと空洞断面積Acとの比率Ar/Ac、内側ゴム層のタイヤ幅方向の最大厚さWrとタイヤ最大幅SWとの比率Wr/SW、および、内側ゴム層のJIS−A硬度が所定の範囲に規定されるので、空洞共鳴音が低減されて、ロードノイズが効果的に低減される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。図2および図3は、図1に記載した空気入りタイヤの性能試験の結果を示す表(図2)およびグラフ(図3)である。
この空気入りタイヤ1は、ビードコア2、2と、ビードフィラー21、21と、カーカス層3と、ベルト層4と、トレッドゴム5と、サイドトレッドゴム6とを含み構成される。ビードコア2、2は、左右一対を一組として構成される。ビードフィラー21は、これらのビードコアのタイヤ径方向外周にそれぞれ配置される。カーカス層3(カーカスプライ)は、左右のビードコア2、2間にトロイド状に架け渡される。また、カーカス層3の両端部は、ビードフィラー21を包み込むようにタイヤ幅方向外側に折り込まれて係止される。ベルト層4は、カーカス層3のタイヤ径方向外周に配置される。また、ベルト層4の両端部には、補強コードから成るベルトカバー層(図示省略)がタイヤ周方向に巻き回されて配置される。トレッドゴム5は、カーカス層3およびベルト層4を包み込むようにタイヤ径方向外周に配置され、空気入りタイヤ1のトレッド部を構成する。サイドトレッドゴム6は、ビードフィラー21およびカーカス層3を包み込むようにタイヤ幅方向外側に配置され、空気入りタイヤ1のサイドウォール部を構成する。
また、この空気入りタイヤ1は、内側ゴム層7を有する(図1参照)。内側ゴム層7は、カーカス層3の内腔側であってサイドウォール部に対応する位置に、タイヤ径方向に延在するように配置される。また、内側ゴム層7は、カーカス層3に対して左右両側に設置され、また、タイヤ周方向の全周に渡って設置される。
ここで、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ内周面と両側のビードコア2、2の基部を結ぶ仮想線lとにより囲まれる領域の断面積を空洞断面積Acとする。内側ゴム層7は、その断面積Arと空洞断面積Acとの比率Ar/Acが0.9[%]以上2.0[%]以下の範囲内にあるように、構成される(図1および図2参照)。なお、ビードコア2、2の基部とは、タイヤ内腔方向におけるビード部の最下層をいうものとする。
また、内側ゴム層7は、タイヤ子午線方向の断面視にて、そのタイヤ幅方向の最大厚さWrとタイヤ最大幅SWとの比率Wr/SWが1.5[%]以上3.0[%]以下の範囲内にあるように、構成される。また、内側ゴム層7は、そのJIS−A硬度が60以上70未満となるように構成される。
なお、タイヤ最大幅SWは、空気入りタイヤ1が規定リムに装着されて規定内圧および規定荷重を負荷された状態における寸法により定義される。また、これらの規定リム、規定内圧および規定荷重は、例えば、JATMA(日本)、ETRTO(欧州)、TRA(米国)などが発行する規格に定められる。
[効果]
この空気入りタイヤでは、カーカス層3の内腔側であってサイドウォール部に対応する位置に内側ゴム層7が形成され、タイヤ子午線方向の断面視にて、この内側ゴム層7の断面積Arと空洞断面積Acとの比率Ar/Acが0.9[%]以上2.0[%]以下の範囲内にあり、内側ゴム層7のタイヤ幅方向の最大厚さWrとタイヤ最大幅SWとの比率Wr/SWが1.5[%]以上3.0[%]以下の範囲内にあり、且つ、内側ゴム層7のJIS−A硬度が70未満である。かかる構成では、内側ゴム層7によりタイヤ内部の空洞断面積Acが適正な範囲に調整されており、且つ、内側ゴム層7の厚みおよび硬度が適正な範囲に規定されている。これにより、空洞共鳴音が低減されて、ロードノイズが効果的に低減される利点がある(図1および図2参照)。
また、かかる構成では、空洞共鳴音の伝播経路における振動減衰性が向上することや、タイヤ転動時におけるタイヤ径方向の変動が減少して路面入力の空洞共鳴音の励起が直接的に抑制されることによっても、空洞共鳴音が低減されると考えられる。
また、かかる構成では、内側ゴム層7の厚みおよび硬度が適正な範囲に規定されていることにより、サイドウォール部の縦剛性が好適化される。これにより、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持される利点がある(図1および図2参照)。
また、従来の空気入りタイヤでは、タイヤが製品になった後にロードノイズ抑制装置が装着される構成なので、タイヤ内周長に合うスポンジ(ロードノイズ抑制装置の構成要素)が個別に必要となる。このため、従来の空気入りタイヤは、汎用性およびリム組み性が低く、材料コストが高いという課題がある。この点において、この空気入りタイヤ1では、かかるロードノイズ抑制装置が別途装着される従来の空気入りタイヤと比較して、有利である。
[変形例1]
なお、この空気入りタイヤ1では、内側ゴム層7の断面積Arと空洞断面積Acとの比率Ar/Acが0.9[%]以上2.0[%]以下の範囲内にあるが、この比率Ar/Acは、1.4[%]以上2.0[%]以下の範囲内にあることがより好ましい。これにより、空洞共鳴音が低減されてロードノイズ性が向上する利点がある。
[変形例2]
また、この空気入りタイヤ1では、内側ゴム層7のタイヤ幅方向の最大厚さWrとタイヤ最大幅SWとの比率Wr/SWが1.5[%]以上3.0[%]の範囲内にあるが、この比率Wr/SWは、2.3[%]以上3.0[%]以下の範囲内にあることがより好ましい。これにより、空洞共鳴音が低減されてロードノイズ性が向上すると共に、サイドウォール部の縦剛性が適正化されて乗り心地性が維持される利点がある。
[変形例3]
また、この空気入りタイヤ1では、内側ゴム層7のJIS−A硬度が70未満であるが、内側ゴム層7のJIS−A硬度は、65以上68以下の範囲内にあることがより好ましい。これにより、空洞共鳴音が低減されてロードノイズ性が向上すると共に、サイドウォール部の縦剛性が適正化されて乗り心地性が維持される利点がある。
[変形例4]
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、内側ゴム層7のタイヤ径方向の延在長さHrとタイヤ径方向高さSHとの比率Hr/SHが60[%]以下であることが好ましい(図1および図2参照)。また、かかる比率Hr/SHは、58[%]以下であることがより好ましい。これにより、空洞共鳴音が低減されてロードノイズ性が向上すると共に、サイドウォール部の縦剛性が適正化されて乗り心地性が維持される利点がある。
また、かかる比率Hr/SHは、50[%]以上であることが好ましく、52[%]以上であることがより好ましい。これにより、空洞共鳴音が低減されてロードノイズ性が向上すると共に、サイドウォール部の縦剛性が適正化されて操縦安定性および乗り心地性が維持される利点がある。
なお、タイヤ径方向高さSHは、空気入りタイヤ1が規定リムに装着されて規定内圧および規定荷重を負荷された状態における寸法により定義される。また、これらの規定リム、規定内圧および規定荷重は、例えば、JATMA(日本)、ETRTO(欧州)、TRA(米国)などが発行する規格に定められる。
[変形例5]
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、ビードフィラー21の径方向高さHfとタイヤ径方向高さSHとの比率Hf/SHが20[%]以上であることが好ましい(図1および図2参照)。これにより、サイドウォール部の縦剛性が適正化されるので、操縦安定性が好適に維持される利点がある。
また、かかる比率Hf/SHは、36[%]以下であることが好ましく、34[%]以下であることがより好ましい。これにより、空洞共鳴音が低減されてロードノイズ性が向上すると共に、サイドウォール部の縦剛性が適正化されて乗り心地性が維持される利点がある。
[変形例6]
また、この空気入りタイヤ1では、ビードフィラー21を構成するゴム材料のJIS−A硬度が85以上であることが好ましく、88以上であることがより好ましい(図1および図2参照)。これにより、サイドウォール部の縦剛性が適正化されるので、操縦安定性が好適に維持される利点がある。
また、ビードフィラー21を構成するゴム材料のJIS−A硬度が95以下であることが好ましく、93以下であることがより好ましい。これにより、空洞共鳴音が低減されてロードノイズ性が向上すると共に、サイドウォール部の縦剛性が適正化されて乗り心地性が維持される利点がある。
[変形例7]
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、内側ゴム層7のタイヤ幅方向の最大厚さWrと、ビードコア2の基部からタイヤ径方向高さSHの半分(SH/2)の位置におけるサイドトレッドゴム6のタイヤ幅方向の厚さWsとが、略同一寸法を有することが好ましい(図1および図2参照)。具体的には、内側ゴム層7の最大厚さWrとサイドトレッドゴム6の厚さWsとの比率Wr/Wsが、90[%]以上105[%]以下の範囲内にあることが好ましい。また、内側ゴム層7の最大厚さWrとサイドトレッドゴム6の厚さWsとの寸法差が、2[mm]以上6[mm]以下の範囲内にあることが好ましい。これにより、空洞共鳴音が低減されてロードノイズ性が向上すると共に、サイドウォール部の縦剛性が適正化されて乗り心地性が維持される利点がある。
なお、上記により、サイドトレッドゴム6の厚さWsは、タイヤ子午線方向の断面視にて、ビードコア2の基部からタイヤ径方向高さSHの半分(SH/2)の位置におけるサイドトレッドゴム6のタイヤ幅方向の厚さWsと、タイヤ最大幅SWとの比率Ws/SWが、1.5[%]以上3.0[%]以下の範囲内にあるように構成される。
[変形例8]
また、この空気入りタイヤ1では、サイドトレッドゴム6のJIS−A硬度が50以上60以下の範囲内にあることが好ましく、52以上58以下の範囲内にあることがより好ましい(図1および図2参照)。これにより、空洞共鳴音が低減されてロードノイズ性が向上すると共に、サイドウォール部の縦剛性が適正化されて乗り心地性が維持される利点がある。
[変形例9]
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤの扁平率が35[%]以上50[%]以下であることが好ましい。かかる構成では、上記の効果が顕著に得られる利点がある。
[変形例10]
また、この空気入りタイヤ1では、カーカス層3がレーヨン材により構成されることが好ましい。かかる構成とすれば、高速性能が向上する利点がある。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)空洞共鳴音、(2)ロードノイズ性、(3)操縦安定性、および、(4)乗り心地性にかかる性能試験が行われた(図2参照)。この性能試験では、タイヤサイズ245/40R18の空気入りタイヤがJATMA規定の正規リム(リムサイズ18×8JJ)にリム組みされ、この空気入りタイヤに正規空気圧(230[kPa])が負荷される。また、試験車両として排気量3000[cc]のFR車が使用され、この試験車両に空気入りタイヤが装着される。
(1)空洞共鳴音および(2)ロードノイズにかかる性能試験では、試験車両が荒れた(粗い)路面を有するテストコースを60[km/h]で走行し、音圧レベルが測定される。そして、従来例の空気入りタイヤを基準(100)として、指数評価が行われる。評価結果は、その数値が大きいほど好ましい。なお、空洞共鳴音の低減効果は、一般に、その共鳴値(共振値)を基準として判断される(図3参照)。
(3)操縦安定性および(4)乗り心地性にかかる性能試験では、試験車両が平坦な周回路を有するテストコースを60[km/h]で走行し、レーチェンジ時およびコーナーリング時における操舵性ならびに直進時における安定性について、専門の評価ドライバーによる官能評価が行われる。評価結果は、従来例の空気入りタイヤを基準(100)とした指数値により示されており、その指数値が大きいほど好ましい。
なお、(1)空洞共鳴音は、指数値の増加が+1以上あれば効果が認められる。また、(2)ロードノイズ、(3)操縦安定性および(4)乗り心地性は、指数値の低下が−3以内であれば、その性能が維持されていると認められる。
この性能試験では、従来例が内側ゴム層7を有さない空気入りタイヤを示しており、発明例1〜14および比較例1〜3が内側ゴム層7を有する空気入りタイヤを示している。発明例1〜14の空気入りタイヤ1と従来例の空気入りタイヤとを比較すると、発明例1〜14の空気入りタイヤでは、内側ゴム層7の作用により、いずれも空洞共鳴音が向上していることが分かる。
また、比較例1、2の空気入りタイヤと発明例11、12の空気入りタイヤ1とを比較すると、発明例11、12の空気入りタイヤ1では、内側ゴム層7の断面積Arと空洞断面積Acとの比率Ar/Ac、内側ゴム層7のタイヤ幅方向の最大厚さWrとタイヤ最大幅SWとの比率Wr/SW、および、内側ゴム層7のJIS−A硬度が適正化されることにより、空洞共鳴音がさらに向上していることが分かる。また、ロードノイズ、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持されていることが分かる。
また、発明例9の空気入りタイヤ1と発明例11の空気入りタイヤ1とを比較すると、発明例11の空気入りタイヤ1では、内側ゴム層7のタイヤ径方向の延在長さHrとタイヤ径方向高さSHとの比率Hr/SHが適正化されることにより、空洞共鳴音がさらに向上していることが分かる。また、ロードノイズおよび乗り心地性が所定範囲内に維持されていることが分かる。
また、発明例3、4の空気入りタイヤ1と発明例10の空気入りタイヤ1とを比較すると、発明例10の空気入りタイヤ1では、ビードフィラー21の径方向高さHfとタイヤ径方向高さSHとの比率Hf/SHが適正化されることにより、空洞共鳴音がさらに向上していることが分かる。また、ロードノイズ、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持されていることが分かる。
また、発明例1、2の空気入りタイヤ1と発明例10の空気入りタイヤ1とを比較すると、発明例10の空気入りタイヤ1では、ビードフィラー21を構成するゴム材料のJIS−A硬度が適正化されることにより、空洞共鳴音がさらに向上していることが分かる。また、ロードノイズ、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持されていることが分かる。
また、発明例5の空気入りタイヤ1と発明例12の空気入りタイヤ1とを比較すると、発明例12の空気入りタイヤ1では、内側ゴム層7のJIS−A硬度が適正化されることにより、空洞共鳴音がさらに向上していることが分かる。また、操縦安定性がより好適となっていることが分かる。
また、発明例8、9の空気入りタイヤ1と発明例13、14の空気入りタイヤ1とを比較すると、発明例13、14の空気入りタイヤ1では、内側ゴム層7のタイヤ幅方向の最大厚さWrと、サイドトレッドゴム6のタイヤ幅方向の厚さWsと適正化されることにより、空洞共鳴音がさらに向上していることが分かる。また、ロードノイズ、操縦安定性および乗り心地性が所定範囲内に維持されていることが分かる。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、空洞共鳴音を低減できるできる点で有用である。
この発明の実施例にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図1に記載した空気入りタイヤの性能試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
21 ビードフィラー
3 カーカス層
4 ベルト層
5 トレッドゴム
6 サイドトレッドゴム
7 内側ゴム層



Claims (8)

  1. 一対のビードコアと、これらのビードコアの外周に配置されるビードフィラーと、ビードフィラーを端部にて包み込みつつビードコア間に架け渡されるカーカス層と、カーカス層のタイヤ幅方向外側に配置されてサイドウォール部を構成するサイドウォールゴムとを含む空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ内周面と前記一対のビードコアの基部を結ぶ仮想線とにより囲まれる領域の断面積を空洞断面積Acとしたときに、
    前記カーカス層の内腔側であってサイドウォール部に対応する位置に内側ゴム層が形成されており、この内側ゴム層の断面積Arと空洞断面積Acとの比率Ar/Acが0.9[%]以上2.0[%]以下の範囲内にあり、内側ゴム層のタイヤ幅方向の最大厚さWrとタイヤ最大幅SWとの比率Wr/SWが1.5[%]以上3.0[%]以下の範囲内にあり、且つ、内側ゴム層のJIS−A硬度が70未満であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記内側ゴム層のタイヤ径方向の延在長さHrとタイヤ径方向高さSHとの比率Hr/SHが50[%]以上60[%]以下の範囲内にある請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記ビードフィラーの径方向高さHfとタイヤ径方向高さSHとの比率Hf/SHが20[%]以上36[%]以下の範囲内にある請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ビードフィラーを構成するゴム材料のJIS−A硬度が85以上95以下の範囲内にある請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記内側ゴム層のタイヤ幅方向の最大厚さWrと、前記ビードコアの基部からタイヤ径方向高さSHの半分の位置における前記サイドトレッドゴムのタイヤ幅方向の厚さWsとが略同一寸法を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. サイドトレッドゴムのJIS−A硬度が50以上60以下の範囲内にある請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. タイヤの扁平率が35[%]以上50[%]以下である請求項1〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記カーカス層がレーヨン材により構成される請求項1〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。


JP2004344221A 2004-11-29 2004-11-29 空気入りタイヤ Pending JP2006151170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004344221A JP2006151170A (ja) 2004-11-29 2004-11-29 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004344221A JP2006151170A (ja) 2004-11-29 2004-11-29 空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006151170A true JP2006151170A (ja) 2006-06-15

Family

ID=36629971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004344221A Pending JP2006151170A (ja) 2004-11-29 2004-11-29 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006151170A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH071924A (ja) * 1993-03-08 1995-01-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りラジアルタイヤ
JP2002301912A (ja) * 2001-04-03 2002-10-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2004299639A (ja) * 2003-04-01 2004-10-28 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH071924A (ja) * 1993-03-08 1995-01-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りラジアルタイヤ
JP2002301912A (ja) * 2001-04-03 2002-10-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2004299639A (ja) * 2003-04-01 2004-10-28 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4989210B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JP2009040204A (ja) 空気入りタイヤ
JP2007168554A (ja) 空気入りタイヤ
JP2007176304A (ja) 空気入りタイヤ
JP2021178637A (ja) タイヤ
JP5076322B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2006182126A (ja) 空気入りタイヤ
JP2006248317A (ja) 空気入りタイヤ
JP2005193865A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2013220808A (ja) 空気入りタイヤ
JP2007331436A (ja) 空気入りタイヤ
JP2009255753A (ja) 空気入りタイヤ
JP4710440B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009227229A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2006151170A (ja) 空気入りタイヤ
JP5005978B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP2006182294A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP5601137B2 (ja) 乗用車用空気入りタイヤ
JP2007118824A (ja) 自動二輪車用タイヤ
JPH09188112A (ja) 空気入りタイヤ
JP5449262B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2005067471A (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP7172543B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP4287709B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2005001443A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101207