ところで、遊技用記憶媒体のIDコードに基づいて、個々の遊技用記憶媒体が保有する遊技価値を記憶管理する上述した従来の技術によれば、遊技価値を示す情報は、単なる値として取り扱われる。しかし、例えば価値情報に係るデータの送受信を行う貸出機と管理コンピュータ間において、データの改ざん等の不正なアクセスがされた場合、どの取引の段階でデータに異常が発生したか特定できず、また、取引上のデータの異常の検知が困難であり、取引における正当性が失われる虞があった。
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたものであり、遊技用記憶媒体を介して管理コンピュータとの間で取引された金銭に応じて遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出システムであって、金銭取引上の正当性を確保し、また金銭等の不正な搾取を防止する等の安全性を高めた遊技媒体貸出システムを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、遊技に使用可能な有価価値を示す情報である論理マネーを、遊技用記憶媒体に記憶される固有の識別コードからアドレスが特定される情報記憶領域である論理マネー口座において記憶し管理する論理マネー記憶手段を装備する論理マネー管理装置と、前記遊技用記憶媒体の投入に応じて前記識別コードを読み取り前記論理マネー管理装置へ当該識別コードを送信し、当該論理マネー管理装置から返信された論理マネーの有価価値に基づく数量の遊技媒体を払い出す複数の遊技媒体払出装置とを備える遊技媒体貸出システムであって、前記論理マネー管理装置は、前記論理マネーを所定の取引単位に分割し、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを付与して前記論理マネー口座に記憶し管理することを特徴とする。
前記論理マネー管理装置としては、ホールの集中管理コンピュータ等を用いる。
前記遊技用記憶媒体としては、プリペイドカードや遊技機用ICコイン等を用いる。
前記遊技媒体としては、遊技に使用するメダルやパチンコ玉等を用いる。
前記遊技媒体払出装置としては、遊技に使用するメダルやパチンコ玉等の遊技媒体を貸出す貸出機等を用いる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技媒体貸出システムであって、前記遊技媒体払出装置は、投入された現金の金額情報とともに読み取った前記遊技用記憶媒体の識別コードを前記論理マネー管理装置へ送信し、前記論理マネー管理装置は、受信した金額情報が示す金額を前記所定の取引単位に分割して生成した各論理マネーと、当該各論理マネーに付与した前記固有の識別データとを、当該遊技用記憶媒体の識別コードから特定される前記論理マネー口座にそれぞれ記憶し管理することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の遊技媒体貸出システムであって、前記論理マネー管理装置には、前記各所定の取引単位の論理マネーを介して、一の前記遊技媒体払出装置との間で交わされる取引の度に、取引した当該遊技用記憶媒体の識別コードと、取引した当該論理マネーの識別データと、取引した日時と、取引した当該遊技媒体払出装置の識別情報とを少なくとも含む取引履歴を記録する取引履歴記録手段を、更に備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、現金の投入を受けて新規に前記遊技用記憶媒体を発行する遊技用記憶媒体発行装置を更に備える請求項1〜3の何れか1項に記載の遊技媒体貸出システムであって、前記遊技用記憶媒体発行装置は、投入された現金の金額情報とともに発行を予定する前記遊技用記憶媒体の識別コードを前記論理マネー管理装置に送信し、前記論理マネー管理装置は、受信した金額情報が示す金額を前記所定の取引単位に分割して生成した各論理マネーと、当該各論理マネーに付与した前記固有の識別データとを、当該遊技用記憶媒体の識別コードから特定される論理マネー口座にそれぞれ記憶し管理することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、投入された前記遊技用記憶媒体が保有する有価価値を当該遊技用記憶媒体の投入者に返却する預り金返却装置を更に備える請求項1〜4の何れか1項に記載の遊技媒体貸出システムであって、前記預り金返却装置は、投入された前記遊技用記憶媒体の識別コードを前記論理マネー管理装置に送信し、これに応じて前記論理マネー管理装置から返信される、当該遊技用記憶媒体の識別コードに対応する論理マネー口座に記憶された論理マネーに基づいて、当該返却された論理マネーの総額に相当する現金を払い出すことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の遊技媒体貸出システムであって、前記遊技用記憶媒体発行装置を使用する人物、及び前記遊技媒体払出装置を使用する人物を撮像する監視カメラと、前記監視カメラによる撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラが撮像した日時データを記録する撮像データ記録装置とを更に備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の遊技媒体貸出システムであって、前記預り金返却装置を使用する人物、及び前記遊技媒体払出装置を使用する人物を撮像する監視カメラと、前記監視カメラによる撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラが撮像した日時データを記録する撮像データ記録装置とを更に備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載の遊技媒体貸出システムであって、前記遊技用記憶媒体は、固有の前記識別コードを記憶するICメモリチップを内包し無線通信によりその記憶内容が読み出されるICコインであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、遊技に使用可能な有価価値を示す情報である論理マネーを、遊技用記憶媒体に記憶される固有の識別コードからアドレスが特定される情報記憶領域である論理マネー口座において記憶し管理する論理マネー記憶手段を装備する論理マネー管理装置と、前記遊技用記憶媒体又は現金の投入に応じて遊技媒体を払い出す複数の遊技媒体払出装置とを備える遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法であって、前記遊技媒体払出装置において、前記遊技用記憶媒体が投入されるに応じて前記識別コードを読み取るステップと、読み取った当該識別コードを前記論理マネー管理装置へ送信するステップと、前記論理マネー管理装置において、受信した当該識別コードの遊技用記憶媒体が保有する論理マネーを所定の取引単位に分割するステップと、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを対応付けて、受信した当該識別コードから特定される前記論理マネー口座に記憶するステップとを備えることを特徴とする。
前記論理マネー管理装置としては、ホールの集中管理コンピュータ等を用いる。
前記遊技用記憶媒体としては、プリペイドカードや遊技機用ICコイン等を用いる。
前記遊技媒体としては、遊技に使用するメダルやパチンコ玉等を用いる。
前記遊技媒体払出装置としては、遊技に使用するメダルやパチンコ玉等の遊技媒体を貸出す貸出機等を用いる。
請求項10に記載の発明は、遊技に使用可能な有価価値を示す情報である論理マネーを、遊技用記憶媒体に記憶される固有の識別コードからアドレスが特定される情報記憶領域である論理マネー口座において記憶し管理する論理マネー記憶手段を装備する論理マネー管理装置と、前記遊技用記憶媒体又は現金の投入に応じて遊技媒体を払い出す複数の遊技媒体払出装置とを備える遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法であって、前記遊技媒体払出装置において、前記遊技用記憶媒体が投入されるに応じて前記識別コードを読み取るステップと、読み取った当該識別コードとともに、投入された現金の金額情報を前記論理マネー管理装置へ送信するステップと、前記論理マネー管理装置において、受信した金額情報が示す金額を所定の取引単位に分割して論理マネーを生成するステップと、受信した当該識別コードから特定される前記論理マネー口座に、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを対応付けて記憶するステップとを備えることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法であって、前記論理マネー管理装置において、前記各所定の取引単位の論理マネーを介して、一の前記遊技媒体払出装置との間で交わされる取引の度に、取引した当該遊技用記憶媒体の識別コードと、取引した当該論理マネーの識別データと、取引した日時と、取引した当該遊技媒体払出装置の識別情報とを少なくとも含む取引履歴を取引履歴記録手段に記録するステップを更に備えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項9〜11の何れか1項に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法であって、現金の投入を受けて新規に前記遊技用記憶媒体を発行する遊技用記憶媒体発行装置において、投入された現金を識別するステップと、識別した現金の金額情報とともに発行を予定する前記遊技用記憶媒体の識別コードを前記論理マネー管理装置へ送信するステップと、前記論理マネー管理装置において、当該遊技用記憶媒体発行装置から受信した金額情報が示す金額を前記所定の取引単位に分割して論理マネーを生成するステップと、当該遊技用記憶媒体発行装置から受信した当該識別コードから特定される論理マネー口座に分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを対応付けて記憶するステップとを更に備えることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項9〜12の何れか1項に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法であって、投入された前記遊技用記憶媒体が保有する有価価値を当該遊技用記憶媒体の投入者に返却する預り金返却装置において、前記遊技用記憶媒体が投入されるに応じて前記識別コードを読み取るステップと、読み取った当該識別コードを前記論理マネー管理装置に送信するステップと、前記論理マネー管理装置において、前記預り金返却装置から受信した識別コードに対応する論理マネー口座に記憶された論理マネーを当該預り金返却装置へ返信するステップと、当該預り金返却装置において、返信された論理マネーの総額に相当する現金を払い出すステップとを更に備えることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法であって、前記遊技用記憶媒体発行装置を使用する人物、及び前記遊技媒体払出装置を使用する人物を撮像する監視カメラによる撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラが撮像した日時データを撮像データ記録装置に記録するステップを更に備えることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項13に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法であって、前記預り金返却装置を使用する人物、及び前記遊技媒体払出装置を使用する人物を撮像する監視カメラによる撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラが撮像した日時データを撮像データ記録装置に記録するステップを更に備えることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項9〜15の何れか1項に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法であって、前記遊技用記憶媒体は、固有の前記識別コードを記憶するICメモリチップを内包し無線通信によりその記憶内容が読み出されるICコインであることを特徴とする。
請求項1に記載の遊技媒体貸出システムによれば、論理マネー管理装置が、有価価値を示す情報である論理マネーを所定の取引単位に分割し、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを付与して論理マネー口座に記憶し管理することで、論理マネーの取引における正当性を確保する。
請求項2に記載の遊技媒体貸出システムによれば、遊技媒体払出装置は、投入された現金の金額情報とともに読み取った遊技用記憶媒体の識別コードを論理マネー管理装置へ送信し、当該論理マネー管理装置は、受信した金額情報が示す金額を所定の取引単位に分割して生成した各論理マネーと、当該各論理マネーに付与した前記固有の識別データとを、当該遊技用記憶媒体の識別コードから特定される前記論理マネー口座にそれぞれ記憶し管理する。これにより、遊技媒体払出装置に投入された現金についても、取引に対して正当性を確保できる。
請求項3に記載の遊技媒体貸出システムによれば、取引履歴記録手段は、各所定の取引単位の論理マネーを介して、一の遊技媒体払出装置との間で交わされる取引の度に、取引した当該遊技用記憶媒体の識別コードと、取引した当該論理マネーの識別データと、取引した日時と、取引した当該遊技媒体払出装置の識別情報とを少なくとも含む取引履歴を記録する。これにより、過去に履歴として記憶された当該論理マネーがどの段階で取引されたかを容易に特定できる。
請求項4に記載の遊技媒体貸出システムによれば、遊技用記憶媒体発行装置は、投入された現金の金額情報とともに発行を予定する遊技用記憶媒体の識別コードを論理マネー管理装置に送信し、当該論理マネー管理装置は、受信した金額情報が示す金額を前記所定の取引単位に分割して生成した各論理マネーと、当該各論理マネーに付与した前記固有の識別データとを、当該遊技用記憶媒体の識別コードから特定される論理マネー口座にそれぞれ記憶する。これにより、遊技用記憶媒体発行装置に投入された現金についても、取引における正当性を確保できる。
請求項5に記載の遊技媒体貸出システムによれば、預り金返却装置は、投入された遊技用記憶媒体の識別コードを論理マネー管理装置に送信し、これに応じて当該論理マネー管理装置から返信される、当該遊技用記憶媒体の識別コードに対応する論理マネー口座に記憶された論理マネーに基づいて、当該返却された論理マネーの総額に相当する現金を払い出す。これにより、預り金返却装置が投入された遊技用記憶媒体に応じて返却する現金についても、取引における正当性を確保できる。
請求項6に記載の遊技媒体貸出システムによれば、監視カメラは、遊技用記憶媒体発行装置を使用する人物、及び遊技媒体払出装置を使用する人物を撮像し、撮像データ記録装置は、前記監視カメラによる撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラが撮像した日時データを記録する。これにより、論理マネーの取引履歴と、取引した人物像とを照合することができる。
請求項7に記載の遊技媒体貸出システムによれば、監視カメラは、預り金返却装置を使用する人物、及び遊技媒体払出装置を使用する人物を撮像し、撮像データ記録装置は、前記監視カメラによる撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラが撮像した日時データを記録する。これにより、論理マネーの取引履歴と、取引した人物像とを照合することができる。
請求項8に記載の遊技媒体貸出システムによれば、遊技用記憶媒体としてICコインに内包するICメモリチップに記憶する識別コードを無線通信により読み出すことで、論理マネー口座を特定する。
請求項9に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法によれば、論理マネー管理装置が、遊技媒体払出装置に投入された遊技用記憶媒体が保有する論理マネーを所定の取引単位に分割し、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを付与して論理マネー口座に記憶することで、論理マネーの取引における正当性を確保する。
請求項10に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法によれば、遊技媒体払出装置は、遊技用記憶媒体が投入されるに応じて識別コードを読み取り、読み取った当該識別コードとともに、投入された現金の金額情報を論理マネー管理装置へ送信し、当該論理マネー管理装置は、受信した金額情報が示す金額を所定の取引単位に分割して論理マネーを生成し、受信した当該識別コードから特定される論理マネー口座に、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを対応付けて記憶する。これにより、遊技媒体払出装置に投入された現金についても、取引に対して正当性を確保できる。
請求項11に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法によれば、論理マネー管理装置は、各所定の取引単位の論理マネーを介して、一の遊技媒体払出装置との間で交わされる取引の度に、取引した遊技用記憶媒体の識別コードと、取引した当該論理マネーの識別データと、取引した日時と、取引した当該遊技媒体払出装置の識別情報とを少なくとも含む取引履歴を取引履歴記録手段に記録する。これにより、過去に履歴として記憶された当該論理マネーがどの段階で取引されたかを容易に特定できる。
請求項12に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法によれば、遊技用記憶媒体発行装置は、投入された現金を識別し、識別した現金の金額情報とともに発行を予定する前記遊技用記憶媒体の識別コードを論理マネー管理装置へ送信し、当該論理マネー管理装置は、当該遊技用記憶媒体発行装置から受信した金額情報が示す金額を前記所定の取引単位に分割して論理マネーを生成し、当該遊技用記憶媒体発行装置から受信した当該識別コードから特定される論理マネー口座に分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを対応付けて記憶する。これにより、遊技用記憶媒体発行装置に投入された現金についても、取引における正当性を確保できる。
請求項13に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法によれば、預り金返却装置は、投入された遊技用記憶媒体の識別コードを論理マネー管理装置に送信し、これに応じて当該論理マネー管理装置から返信される、当該遊技用記憶媒体の識別コードに対応する論理マネー口座に記憶された論理マネーに基づいて、当該返却された論理マネーの総額に相当する現金を払い出す。これにより、預り金返却装置が投入された遊技用記憶媒体に応じて返却する現金についても、取引における正当性を確保できる。
請求項14に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法によれば、撮像データ記録装置は、遊技用記憶媒体発行装置を使用する人物、及び遊技媒体払出装置を使用する人物を撮像する監視カメラによる撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラが撮像した日時データを記録する。これにより、論理マネーの取引履歴と、取引した人物像とを照合することができる。
請求項15に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法によれば、撮像データ記録装置は、預り金返却装置を使用する人物、及び遊技媒体払出装置を使用する人物を撮像する監視カメラによる撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラが撮像した日時データを記録する。これにより、論理マネーの取引履歴と、取引した人物像とを照合することができる。
請求項16に記載の遊技媒体貸出システムにおける預り金管理方法によれば、遊技用記憶媒体としてICコインに内包するICメモリチップに記憶する識別コードを無線通信により読み出すことで、論理マネー口座を特定する。
本発明に係る遊技媒体貸出システムによれば、有価価値を示す情報である論理マネーを所定の取引単位に分割し、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを付与して論理マネー口座に記憶し管理することで、論理マネーの取引における正当性を確保することが可能になる。例えば価値情報に係るデータの送受信を行う貸出機と管理コンピュータとの間で異常が発生した場合、どの取引の段階でデータに異常が発生したかトレースして特定することができ、不正な行為を防止することができる。
以下、本発明に係る遊技媒体貸出システム及びその預り金管理方法の好適な一実施形態としてICコイン用台間メダル貸出機とスロットマシン(回胴式遊技機)とICコイン用台間玉貸出機とパチンコ機を組み合わせた遊技媒体貸出システムを例に図面を参照して説明する。なお、図1は遊技媒体貸出システムの全体構成を示すブロック図、図2はICコイン用台間玉貸出機の正面図、図3はICコイン用台間玉貸出機の断面図、図4はICコイン用台間玉貸出機と店舗設備のブロック図、図5は論理マネーデータベースを詳細に説明する説明図、図6乃至図9は預り金両替機でICコインを購入して遊技を行う場合の論理マネーの処理について説明する第1乃至第4の説明図ある。
図1において、パチンコホール等の遊技娯楽施設として構築される遊技媒体貸出システム1について説明する。
遊技媒体貸出システム1は、管理センター2に配置されたホストコンピュータ3と、遊技場10に配置された店舗設備11、預り金両替機12、預り金返却機13、複数のスロットマシン14、複数のICコイン用台間メダル貸出機15、複数のパチンコ機16、複数のICコイン用台間玉貸出機17及び複数の監視カメラ18、19、20、21とを備えている。遊技媒体貸出システム1に用いられるICコイン30は、全体形状が円盤状のケースを有し、固有の識別コード(以下、IDコード)を記憶するICメモリチップを内包し無線通信によりその記憶内容が読み出されるICコインである。また、ICコイン30は、客の持ち帰り及び後日使用が可能になっている。
管理センター2のホストコンピュータ3は、ICコイン30の発行や利用を監視するためのものであり、情報管理端末の店舗設備11に通信可能に接続されており、該店舗設備11からICコイン30の発行情報及び利用情報を収集する。
店舗設備11は、ホールコンピュータ及び論理マネー管理手段で構成され、通信を中継するハブ(図示せず)を介して預り金両替機12、預り金返却装置としての機預り金返却機13、複数のICコイン用台間メダル貸出機15、複数のICコイン用台間玉貸出機17に通信回線22にて通信可能に接続されており、内蔵している論理マネー管理データベースにてICコイン30の発行状況、利用状況を管理している。預り金両替機12は現金の投入を受けてICコインの発行(両替)を行う。預り金返却機13は、投入された前記ICコイン30が保有する有価価値(金銭価値)を当該ICコイン30の投入者に返却するようになっている。ここで、本明細書では、メダルの払い出し等の遊技に使用可能な有価価値を特に「遊技価値」と呼んでいる。複数のICコイン用台間メダル貸出機15は、ICコイン30の投入を受けて遊技媒体のメダルを貸出す他、現金の投入を受けてICコイン30の発行も行う。複数のICコイン用台間玉貸出機17は、ICコイン30の投入を受けて遊技媒体のパチンコ玉を貸出す他、現金の投入を受けてICコイン30の発行も行う。
即ち、預り金両替機12、複数のICコイン用台間メダル貸出機15、複数のICコイン用台間玉貸出機17は、現金の投入を受けて新規に前記ICコイン30を発行する遊技用記憶媒体発行装置となっている。
複数のICコイン用台間メダル貸出機15、複数のICコイン用台間玉貸出機17は、前記ICコイン30の投入に応じて前記IDコードを読み取り前記店舗設備11の前記論理マネー管理装置へ当該IDコードを送信し、当該論理マネー管理装置から返信された論理マネーの有価価値に基づく数量の遊技媒体を払い出す遊技媒体払出装置となっている。
スロットマシン14及びパチンコ機16は、前記遊技媒体払出装置からの遊技媒体を受けて遊技を許容する遊技機となっている。
監視カメラ18は、預り金両替機12用の監視カメラであり、預り金両替機12に現金の投入を行っている人物の撮影を行う。
監視カメラ19は、預り金返却機13用の監視カメラであり、預り金返却機13でICコイン30の投入を行っている人物の撮影を行う。
監視カメラ20は、ICコイン用台間メダル貸出機15及びスロットマシン14を用いて遊技を行っている人物の撮影を行う。
監視カメラ21は、ICコイン用台間玉貸出機17及びパチンコ機16を用いて遊技を行っている人物の撮影を行う。
店舗設備11は、通信を中継するハブ(図示せず)を介して監視カメラ18、19、20、21に通信回線22にて通信可能に接続されている。さらに店舗設備11は、撮像データ記録装置を備えており、前記監視カメラ18、19、20、21による撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラ18、19、20、21が撮像した日時データを記録する。
次に、図2及び図3を参照してICコイン用台間玉貸出機と店舗設備について詳細に説明する。
図2において、ICコイン用台間玉貸出機17は、遊技媒体(例えばパチンコ機に使用する遊技球)の貸し出しを行う遊技媒体貸出機であって、パチンコ機16(図1参照)の側方に設置されて使用される。
ICコイン用台間玉貸出機17の箱状の筐体31の前面には、上から順に、現金の紙幣が投入される現金投入口32、ICコインが投入されるICコイン投入口33、ICコイン用台間玉貸出機17にパチンコ玉の貸し出しを行わせるための押しボタンスイッチである玉貸しボタン34、ICコイン用台間玉貸出機17にICコインを返却させるためのICコイン返却ボタン35、ICコイン30の残り金額を表示するICコイン残高表示部36、回動孔37、ICコインが排出されるICコイン排出口38、排出されたICコインを貯留する受け皿39が設けられている。回動孔37には、ノズル部材40が取り付けられている。
図3において、ICコイン用台間玉貸出機17の筐体31の内部には、上から順に、現金識別機41、ICコイン通路42が設けられている。ICコイン通路42の図中向かって右側には遊技球払出手段43が設けられている。遊技球払出手段43は、遊技媒体排出手段であり、図4で後述する払出制御手段72から電気信号による遊技球払い出しの指示があったとき、回動孔37(図2参照)を介してパチンコ玉をノズル部材40(図2参照)の上端部に排出する。ここで、図2において、回動孔37は、筐体31に対して略水平方向に回動可能になっている。これにより、ノズル部材40も筐体31に対して略水平方向に回動可能になっている。通常、ノズル部材40の下端部は、パチンコ機16(図1参照)の遊技球受け皿の上に配置される。ノズル部材40の下端部から排出する遊技球は、パチンコ機16(図1参照)の遊技球受け皿に供給される。
図3において、ICコイン通路42は、筐体31に対して下方に向けて蛇行して形成されている。ICコイン通路42を蛇行して形成する理由は、当該ICコイン通路42を落下するICコイン30の速度を低く抑えて、当該ICコイン30が下のICコイン30や他の後述のロータ63と衝突した場合の衝撃を緩和するためと、当該ICコイン通路42の経路を出来るだけ長くして、当該ICコイン通路42に蓄えることができるICコイン30を出来るだけ多くするためである。
ICコイン通路42のICコイン投入口33付近には、ICコイン受入部51が設けられている。
ICコイン受入部51は、ICコイン30に対して電波の送受信を行い、ICコイン30の処理回路に記録されたIDコードを読み出すアンテナコイル52と、図示しないモータの動力により正逆転自在に回転するロータ53とを備えている。
ロータ53は、円板の外周面上の1か所の位置に、ICコイン受入れ用にU字形に凹部形成したコインホルダ54を開口して設けている。ロータ53は、回転中心位置に取付けた回転軸55が図示しない軸受部に回動自在に軸支されている。ロータ53は、回転軸55を中心にして図示しないモータの動力により正逆転自在に回転する。
ロータ53は、ICコイン投入口33から落下するICコイン30を一時的に保持し、ICコイン30の処理回路に記録されたIDコードをアンテナコイル52に読み出させ、この後、図中反時計回りに回転し、ICコイン30を下方に落下させる。
ICコイン受入部51は、現在保持しているICコイン30のIDコードが当店のものでなかった場合、図示しないもう一つICコイン通路を介してICコイン30を強制的にICコイン排出口38に排出させることができる。
ICコイン通路42のICコイン排出口38付近には、ICコイン精算部61が設けられている。
ICコイン精算部61は、ICコイン30の処理回路に記録されたIDコードを読み出すアンテナコイル62と、ロータ63とを備えている。
ロータ63は、円板の外周面上の1か所の位置に、コインホルダ64を開口して設けている。ロータ63は、回転軸65を中心にして図示しないモータの動力により正逆転自在に回転する。
ロータ63は、ICコイン通路42を落下するICコイン30を一時的に保持し、ICコイン30の処理回路に記録されたIDコードをアンテナコイル62に読み出させ、この後、図中反時計回りに回転し、ICコイン30をコイン排出口38に落下させる。
次に、図4を用いてICコイン用台間玉貸出機17と店舗設備11について詳細に説明する。
図4において、ICコイン用台間玉貸出機17は、玉貸しボタン34と、ICコイン返却ボタン35と、ICコイン残高表示部36と、ICコイン受入部51と、論理マネー取引処理部71と、現金識別機41と、払出制御手段72と、遊技球払出手段43と、ICコイン精算部61とを備えている。店舗設備11は、論理マネー管理装置80と、ホールコンピュータ90とを備えている。
論理マネー管理装置80は、論理マネー記憶手段としての論理マネー管理データベース(以下、論理マネーDBと呼ぶ)81と、取引履歴ファイル82とを備えている。
論理マネーDB81は、遊技に使用可能な有価価値を示す情報である論理マネーを、遊技用記憶媒体であるICコイン30(図3参照)に記憶される固有のIDコードからアドレスが特定される情報記憶領域である論理マネー口座において記憶し管理する。
図1に用いて前述したように、ICコイン用台間玉貸出機17は、前記ICコイン30の投入に応じて前記IDコードを読み取り前記論理マネー管理装置80へ当該IDコードを送信する。
論理マネー管理装置80は、論理マネーDB81において、前記論理マネーを所定の取引単位に分割し、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを付与して前記論理マネー口座に記憶し管理する。
論理マネー管理装置80の論理マネーDB81には、例えば、以下の図5に示すような論理マネー管理データベースが構築されている。
本実施形態における論理マネーとは、従来単なる数値として表されていた有価価値を示す情報(金銭データ)にユニークな識別データ(例えば、シリアル番号データ)を付加し、実際の紙幣と同様に送り元と受け取り先で一枚ごとのデータを個別管理できるようにしたものである。
かかる論理マネーは、論理マネー管理装置80に記憶された論理マネーDBにおいて記憶、管理されている。すなわち、図5に示されるように、論理マネーDB81は複数のセクションを有しており、これらセクションは論理マネー口座に対応している。つまり、それぞれのセクションは、ICコイン30(図3参照)のIDコードから特定される論理マネー口座となっており、取引単位毎に分割した各論理マネーの価値(つまり最少取引金額、取引単位と等価)と、各論理マネーを識別するデータであるシリアル番号とがそれぞれ対応づけられて記憶されている。
また、論理マネーDB81は、第1のセクションから第2のセクションへ取引単位毎の論理マネーをコピーし、第1のセクションの取引単位毎の論理マネーを消去することで、第1のセクションから第2のセクションへ取引単位毎の論理マネーを転送するようになっている。
取引履歴ファイル82には、前記固有の識別データを有する取引単位毎の論理マネー毎に、ホール毎に付番する番号を表す「ホールナンバー」、論理マネーを発行した機器を示す「発行機器番号」、論理マネーが振り込まれた論理マネー口座を示す論理マネー口座番号、論理マネーが論理マネー口座に振り込まれた日時を示す記憶管理日時、論理マネーを使用した機器を示す「使用機器番号」、論理マネーを使用した当日の日付を表す「取引日時」等の複数項目を1レコードとして、取引単位毎の全論理マネーの情報を登録する。例えば1000円の論理マネーが10万個あったとすると、前記論理マネーDB81のレコード数は10万件となる。取引履歴ファイル82は、論理マネーの固有の識別データ毎に当該論理マネーの取引日時及び場所を含む取引履歴を記録する取引履歴記録手段となっている。
ICコイン用台間玉貸出機17のICコイン受入部51は、ICコイン投入口33(図3参照)から投入されたICコイン30の処理回路に記録されたIDコードを読み出し、ICコイン30のIDコードを含むICコイン受付信号を論理マネー取引処理部71に出力する。そして、ICコイン受入部51は、ICコイン受付信号を出力した後、ロータ53(図3参照)を反時計回りに回転させ、ICコイン30(図3参照)を下方に落下させる。
論理マネー取引処理部71は、ICコイン受入部51(図3参照)からICコイン30(図3参照)のIDコードが出力された場合、ICコイン30(図3参照)のIDコードを店舗設備11の論理マネー管理装置80に供給する。論理マネー管理装置80は、論理マネーDB81に論理マネー取引処理部71からのICコイン30(図3参照)のIDコードが登録されていれば、当店のICコインであると認証し、このIDコードのICコインが現在使用中であることを示すフラグを立て、ICコイン30(図3参照)のIDコードに対応する論理マネー口座に記憶管理されている取引単位毎の全ての論理マネーの合計の金額を読み出し、残高情報として論理マネー取引処理部71に出力する。論理マネー取引処理部71は、残高情報を入力すると、残高情報をICコイン残高表示部36(図2参照)に表示させる。
また、論理マネー管理装置80は、論理マネー取引処理部71からのICコインのIDコードが登録されていなければ、他店のICコインであると判断し、このことを示すICコイン拒否情報を論理マネー取引処理部71に出力する。
論理マネー取引処理部71は、ICコイン拒否情報を入力すると、ICコイン受入部51(図3参照)に現在保持しているICコイン30(図3参照)を拒絶させ、ICコイン30(図3参照)を強制的にICコイン排出口38(図2参照)に排出させる。
論理マネー取引処理部71は、ICコイン投入口33(図3参照)から複数のICコイン30(図3参照)が連続して投入され、ICコイン受入部51(図3参照)から異なる複数のICコイン30(図3参照)のIDコードが連続して出力された場合、異なる複数のICコイン30(図3参照)のIDコードを店舗設備11の論理マネー管理装置80に供給する。論理マネー管理装置80は、論理マネー取引処理部71から後述の精算要求信号が供給されるまでは、異なる複数のIDコードのICコイン30(図3参照)に対して現在使用中であることを示すフラグを立てつづけ、これら複数のICコイン30(図3参照)のIDコードに対応する論理マネー口座に記憶管理されている取引単位毎の全て論理マネーの合計金額を読み出し、残高情報として論理マネー取引処理部71に出力する。
現金識別機41は、現金投入口32から投入された紙幣の真贋及び金額を識別し、紙幣の真贋及び金額を示す現金受付信号を論理マネー取引処理部71に出力する。
論理マネー取引処理部71は、現金識別機41から現金受付信号を入力した場合、ICコイン精算部61が保持しているICコイン30(図3参照)のIDコードを読み出し、ICコイン30(図3参照)のIDコードと論理マネー預入信号を論理マネー管理装置80に供給する。これに対応し、論理マネー管理装置80は、ICコイン精算部61が保持しているIDコードのICコイン30(図3参照)に対して現在使用中であることを示すフラグを立て、ICコイン精算部61が保持しているICコイン30(図3参照)のIDコードに対応する論理マネー口座に論理マネー預入信号が示す金額の論理マネーを前記所定の取引単位に分割して固有の識別データを付与して記憶管理し、記憶管理した後の取引単位毎の論理マネーの合計の金額を読み出し、残高情報として論理マネー取引処理部71に出力する。
このような構成により、ICコイン用台間玉貸出機17は、現金識別機41に投入された現金の金額情報とともにICコイン受入部51が読み取った前記ICコイン30のIDコードを前記論理マネー管理装置80へ送信し、この場合に前記論理マネー管理装置80は、受信した金額情報が示す金額を前記所定の取引単位に分割して生成した各論理マネーと、当該各論理マネーに付与した前記固有の識別データとを、当該ICコイン30のIDコードから特定される前記論理マネー口座にそれぞれ記憶し管理する。さらに、論理マネー管理装置80は、現金識別機41で入金された金銭データを所定の取引単位に分割し、この単位毎に固有の識別データを付加して論理マネー口座に記憶管理させるようにしている。
論理マネー取引処理部71は、玉貸しボタン34がオン操作されると、取引単位1000円分の出金要求信号を論理マネー管理装置80に供給する。論理マネー管理装置80は、出金要求信号を入力すると、ICコイン受入部51のICコイン30(図3参照)のIDコードに対応する論理マネー口座を調べ、残額が残っている場合には、論理マネー口座から取引単位1000円分の論理マネーを転送し、転送した後の金額を読み出し、残高情報として論理マネー取引処理部71に出力する。この後、論理マネー管理装置80は、取引単位1000円分の論理マネー出金信号を論理マネー取引処理部71に出力する。
論理マネー取引処理部71は、論理マネー管理装置80から残高情報を入力した場合、この残高情報をICコイン残高表示部36(図2参照)に表示する。また、論理マネー取引処理部71は、玉貸しボタン34がオン操作された後、論理マネー管理装置80から取引単位1000円分の論理マネー出金信号を入力すると、払出制御手段72を制御して払出制御信号を遊技球払出手段43に向けて出力させるとともに、払出制御手段72を制御してホールコンピュータ90に対して払い出す遊技球数に応じた価額分(取引単位1000円分)の貸出信号を送信する。
遊技球払出手段43(図3参照)は、払出制御手段72から払出制御信号を入力すると、取引単位1000円分のパチンコ玉を払い出す。
ホールコンピュータ90は、払出制御手段72からの貸出信号が示す価額と、貸出信号が送信された時間、貸出信号を送信した機器のシリアル番号データ等を記憶し管理することで、遊技媒体の貸出履歴の管理を行なっている。
論理マネー取引処理部71は、ICコイン返却ボタン35がオン操作されると、ICコイン精算部61が保持しているICコイン30(図3参照)のIDコードを読み出し、ICコイン30(図3参照)のIDコードと精算要求信号を論理マネー管理装置80に供給する。論理マネー管理装置80は、ICコイン30(図3参照)のIDコードと精算要求信号を入力すると、現在使用中であることを示すフラグを立てたIDコードのICコインの論理マネー口座に記憶管理された取引単位毎の論理マネーの全てを、ICコイン精算部61が保持しているICコイン30(図3参照)のIDコードに対応する論理マネー口座に転送し、前記フラグをリセットして精算が完了したことを示す精算完了信号を論理マネー取引処理部71に供給する。
論理マネー取引処理部71は、論理マネー管理装置80からの精算完了信号を入力した場合、ICコイン精算部61を制御してICコイン精算部61が保持しているICコイン30(図3参照)をICコイン排出口38(図3参照)に排出させる。
この後、遊技者は、ICコイン排出口38(図3参照)からICコイン30(図3参照)を受け取る。このICコイン30(図3参照)の論理マネー口座に記憶管理されている取引単位毎の論理マネーの合計金額は、遊技者が投入したICコイン30(図3参照)の論理マネー口座に記憶管理されている取引単位毎の全ての論理マネーと遊技者が投入した現金の合計から遊技者が借りたパチンコ玉の金額を引いた金額と一致している。
また、論理マネーDB81による取引単位毎の論理マネーの取引は、取引履歴記録手段である取引履歴ファイル82により記録される。
取引履歴ファイル82は、前記各所定の取引単位の論理マネーを介して、一の前記ICコイン用台間玉貸出機17との間で交わされる取引の度に、取引した当該ICコイン30のIDコードと、取引した当該論理マネーの識別データと、取引した日時と、取引した当該ICコイン用台間玉貸出機17の識別情報とを少なくとも含む取引履歴を記録する。
尚、前記ICコイン用台間メダル貸出機15についても、遊技媒体がメダルに変わるだけで、ICコイン用台間玉貸出機17と同様のICコイン30に対する処理を行っている。
次に、預り金両替機12(図1参照)と論理マネー管理装置80の関係について詳細に説明する。
預り金両替機12(図1参照)は、投入された現金の真贋及び金額を識別し、紙幣が真であればその金額を示す現金受付信号と発行するICコインのICコインのIDコードを論理マネー管理装置80(図4参照)に供給する。論理マネー管理装置80(図4参照)は、預り金両替機12(図1参照)から入力したICコインのIDコードに対応する論理マネー口座に現金受付信号が示す金額に相当する論理マネーを取引単位毎に記憶管理させる。この場合、現金受付信号が示す金額は、1000円単位の複数または単数の論理マネーに変換され固有の識別データを付与されて論理マネー口座に記憶管理される。
預り金両替機12は、投入された現金の金額情報とともに発行を予定する前記ICコイン30のIDコードを前記論理マネー管理装置80に送信する。この場合、前記論理マネー管理装置80は、受信した金額情報が示す金額を前記所定の取引単位に分割して生成した各論理マネーと、当該各論理マネーに付与した前記固有の識別データとを、当該ICコイン30のIDコードから特定される論理マネー口座にそれぞれ記憶し管理する。このことは、遊技用記憶媒体発行装置である複数のICコイン用台間メダル貸出機15、複数のICコイン用台間玉貸出機17についても同様である。
次に、預り金返却機13(図1参照)と論理マネー管理装置80の関係について詳細に説明する。
預り金返却機13(図1参照)は、投入されたICコイン30の処理回路に記録されたIDコードを読み出し、ICコイン30(図1参照)のIDコードを含むICコイン精算要求信号を論理マネー管理装置80(図4参照)に供給する。論理マネー管理装置80(図4参照)は、預り金返却機13(図1参照)からICコイン30(図1参照)のIDコードと精算要求信号を入力すると、入力したIDコードのICコイン30(図1参照)の論理マネー口座に記憶管理された取引単位毎の論理マネーの全てを、預り金返却機13(図1参照)に転送する。預り金返却機13(図1参照)は、論理マネー管理装置80(図4参照)から転送した取引単位毎の論理マネーの全てに相当する金額の現金を返却する。
これにより、前記預り金返却機13は、投入された前記ICコイン30のIDコードを前記論理マネー管理装置80に送信し、これに応じて前記論理マネー管理装置80から返信される、当該ICコイン30のIDコードに対応する論理マネー口座に記憶された論理マネーに基づいて、当該返却された論理マネーの総額に相当する現金を払い出す。
以下、本実施形態の全体的な動作について説明する。
遊技媒体貸出システム1における預り金管理方法では、遊技媒体払出装置(図1に示した前記ICコイン用台間玉貸出機17及びICコイン用台間玉貸出機17)において、前記ICコイン30が投入されるに応じて前記IDコードを読み取るステップと、読み取った当該IDコードを前記論理マネー管理装置80へ送信するステップとの処理を行い、前記前記論理マネー管理装置80において、受信した当該IDコードのICコイン30が保有する論理マネーを所定の取引単位に分割するステップと、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを対応付けて、受信した当該IDコードから特定される前記論理マネー口座に記憶するステップとの処理を行うことによって、預り金としての論理マネーの管理を行う。
また、遊技媒体貸出システム1における預り金管理方法では、前記遊技媒体払出装置にICコイン30とともに現金が投入された場合に、前記遊技媒体払出装置において、前記ICコイン30が投入されるに応じて前記IDコードを読み取るステップと、読み取った当該IDコードとともに、投入された現金の金額情報を前記論理マネー管理装置80へ送信するステップとの処理を行い、前記論理マネー管理装置80において、受信した金額情報が示す金額を所定の取引単位に分割して論理マネーを生成するステップと、受信した当該IDコードから特定される前記論理マネー口座に、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを対応付けて記憶するステップとの処理を行うことで、ICコイン30と現金により預り金として発生する論理マネーの管理を行う。
さらに、遊技媒体貸出システム1における預り金管理方法では、前記論理マネー管理装置80において、前記各所定の取引単位の論理マネーを介して、一の前記遊技媒体払出装置との間で交わされる取引の度に、取引した当該ICコイン30のIDコードと、取引した当該論理マネーの識別データと、取引した日時と、取引した当該遊技媒体払出装置の識別情報とを少なくとも含む取引履歴を取引履歴記録手段に記録するステップの処理を行うことによって、論理マネーの取引の履歴管理を行う。
さらに、遊技媒体貸出システム1における預り金管理方法では、遊技用記憶媒体発行装置(図1の預り金両替機12、複数のICコイン用台間メダル貸出機15、複数のICコイン用台間玉貸出機17)が現金の投入を受けて新規に前記ICコイン30を発行する場合に、遊技用記憶媒体発行装置において、投入された現金を識別するステップと、識別した現金の金額情報とともに発行を予定する前記ICコイン30のIDコードを前記論理マネー管理装置80へ送信するステップとの処理を行い、前記論理マネー管理装置80において、当該ICコイン発行装置から受信した金額情報が示す金額を前記所定の取引単位に分割して論理マネーを生成するステップと、当該ICコイン発行装置から受信した当該IDコードから特定される論理マネー口座に分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを対応付けて記憶するステップとの処理を行うことで、現金により預り金として発生する論理マネーの管理を行う。
さらに、遊技媒体貸出システム1における預り金管理方法では、金返却装置13が投入された前記ICコイン30が保有する有価価値を当該遊技用記憶媒体の投入者に返却する場合に、預り金返却機13において、前記ICコイン30が投入されるに応じて前記IDコードを読み取るステップと、読み取った当該IDコードを前記論理マネー管理装置80に送信するステップとの処理を行い、前記論理マネー管理装置80において、前記預り金返却機13から受信したIDコードに対応する論理マネー口座に記憶された論理マネーを当該預り金返却機13へ返信するステップとの処理を行い、さらに、当該預り金返却機13において、返信された論理マネーの総額に相当する現金を払い出すステップの処理を行うことで、ICコイン30が保有する有価価値を返却する取引における論理マネーの管理を行う。
さらに、遊技媒体貸出システム1における預り金管理方法では、前記遊技用記憶媒体発行装置を使用する人物、及び遊技媒体払出装置を使用する人物を撮像する監視カメラ18、19、20、21による撮像データとともに、少なくとも当該監視カメラ18、19、20、21が撮像した日時データを店舗設備11の撮像データ記録装置に記録するステップの処理を行うことで、論理マネーを取引した人物に対応付けて論理マネーの管理を行う。
次に、図6乃至図9の説明図を参照して預り金両替機12でICコインを購入して遊技を行う場合の論理マネーの処理について具体的に説明する。
図6において、預り金両替機12に10000円に入金した場合、預り金両替機12が保持するIDコード=101のICコインの論理マネー口座には、10個の1000円単位の論理マネーが入金(記憶管理)される。10個の論理マネーには、それぞれ固有の識別データとしてのシリアル番号データ=001、002、003、004…010を有している。預り金両替機12からは、IDコード=101のICコインが排出される。
ICコイン用台間玉貸出機17にIDコード=101のICコインを投入すると、論理マネー管理装置80(図4参照)は、このIDコードのICコインが現在使用中であることを示すフラグを立て、IDコード=101のICコインの論理マネー口座は、論理マネーを転送可能な状態となる。
図7において、玉貸しボタン34が7回オン操作されると、ICコイン用台間玉貸出機17の遊技球払出手段43から7000円分のパチンコ玉が排出される。
一方、IDコード=101のICコインの論理マネー口座からは7000円分の取引単位毎の論理マネーが転送され、この論理マネー口座の残りの取引単位毎の論理マネーはシリアル番号データ=001、002、003の3個となる。
図8において、ICコイン返却ボタン35がオン操作されると、ICコイン精算部61(図3参照)が保持しているICコインのIDコード=109を読み出し、論理マネー管理装置80(図4参照)は、IDコード=101のICコインの論理マネー口座の取引単位毎の論理マネーを、IDコード=109のICコインの論理マネー口座に転送する。この後、論理マネー取引処理部71(図4参照)は、ICコイン精算部61(図3参照)が保持しているIDコード=109のICコインをICコイン排出口38(図3参照)に排出させる。ICコイン排出口38(図3参照)内のICコインは遊技者により取り出される。
この後、図9において、遊技者が預り金返却機13(図1参照)にIDコード=109のICコインを投入すると、IDコード=109のICコインの論理マネー口座からはシリアル番号データ=001、002、003の3000円分の論理マネー取引単位が転送され、この論理マネー口座の残りの論理マネー取引単位は無しの状態になる。この後、預り金返却機13は3000円分の現金を払い出す。
次に、図4に示したICコイン用台間玉貸出機17の現金識別機41に現金を投入して遊技を行う場合について説明する。この場合、ICコイン精算部61は、IDコード=201のICコインを保持しているものとする。
遊技者が現金識別機41に10000円の現金を入金した場合、ICコイン精算部61が保持するIDコード=201のICコインの論理マネー口座には、10個の1000円単位の論理マネーが記憶管理される。10個の取引単位毎の論理マネーには、それぞれ例えばIDコード=301、302、303、304…310を有している。
論理マネー管理装置80は、IDコード=201のICコインが現在使用中であることを示すフラグを立て、IDコード=201のICコインの論理マネー口座は、取引単位毎の論理マネーを転送可能な状態となる。
次に、玉貸しボタン34が7回オン操作されると、ICコイン用台間玉貸出機17から7000円分のパチンコ玉が排出される。
IDコード=201のICコインの論理マネー口座からは、7000円分の取引単位毎の論理マネーがICコイン用台間玉貸出機17に転送され、この論理マネー口座の残りの取引単位毎の論理マネーはシリアル番号データ=301、302、303の3個となる。
ICコイン返却ボタン35がオン操作されると、IDコード=201のICコインの論理マネー口座の論理マネーは、そのままの状態を維持し、論理マネー取引処理部71は、ICコイン精算部61が保持しているIDコード=201のICコインをICコイン排出口38(図3参照)に排出させる。ICコイン排出口38(図3参照)内のICコインは遊技者により取り出される。
この後、遊技者が預り金返却機13(図1参照)にIDコード=201のICコインを投入すると、IDコード=201のICコインの論理マネー口座からシリアル番号データ=301、302、303の3000円分の取引単位毎の論理マネーが転送され、この論理マネー口座には、残りの論理マネーが無しの状態になる。預り金返却機13(図4参照)は3000円分の現金を払い出す。
次に、遊技者が図4に示したICコイン用台間玉貸出機17に二つのICコインを投入して遊技を行う場合を説明する。
ここで、IDコード=401のICコインの論理マネー口座には、10個の1000円単位(取引単位)の論理マネーが有しており、これら10個の取引単位毎の論理マネーには、それぞれ例えばシリアル番号データ=501、502、503、504…510を有しているものとする。
IDコード=402のICコインの論理マネー口座には、10個の1000円単位の論理マネーが有しており、これら10個の取引単位毎の論理マネーには、それぞれ例えばシリアル番号データ=601、602、603、604…610を有しているものとする。
遊技者がICコイン用台間玉貸出機17にIDコード=401、402のICコインを続けて投入すると、論理マネー管理装置80(図4参照)は、このIDコード401、402のICコインが現在使用中であることを示すフラグを立て、IDコード=401、402のICコインの論理マネー口座は、取引単位毎の論理マネーを転送可能な状態になる。
この後、遊技者が玉貸しボタン34を7回オン操作すると、ICコイン用台間玉貸出機17から7000円分のパチンコ玉が排出される。
これにより、IDコード=401のICコインの論理マネー口座からは7000円分の取引単位毎の論理マネーがICコイン用台間玉貸出機17に転送され、この論理マネー口座の残りの取引単位毎の論理マネーはシリアル番号データ=501、502、503の3個となる。
一方、IDコード=402のICコインの論理マネー口座は、論理マネーの転送が行われず、この論理マネー口座の残りの取引単位毎の論理マネーはシリアル番号データ=601、602、603、604…310の10個となる。
ICコイン返却ボタン35がオン操作されると、ICコイン精算部61が保持しているICコインのIDコード=409を読み出し、IDコード=401、402のICコインの論理マネー口座の取引単位毎の論理マネーは、IDコード=409のICコインの論理マネー口座に転送される。論理マネー取引処理部71は、ICコイン精算部61が保持しているIDコード=409のICコインをICコイン排出口38(図3参照)に排出させる。
預り金返却機13にIDコード=409のICコインを投入すると、IDコード=409のICコインの論理マネー口座からシリアル番号データ=501、502、503、601、602、603、604…610の13000円分の取引単位毎の論理マネーが転送され、この論理マネー口座の残りの論理マネーは無しの状態になる。預り金返却機13は13000円分の現金を払い出す。
本実施形態によれば、有価価値を示す情報である論理マネーを所定の取引単位に分割し、分割した各論理マネーにそれぞれ固有の識別データを付与して論理マネー口座に記憶し管理することで、論理マネーの取引における正当性を確保することが可能になる。例えば価値情報に係るデータの送受信を行う貸出機と管理コンピュータとの間で異常が発生した場合、どの取引の段階でデータに異常が発生したかトレースして特定することができ、不正な行為を防止することができ、遊技媒体払出装置における論理マネーの取引に対して透明性を確保し正当性を証明できる。
すなわち、貸出機(17)と管理コンピュータ(80)との間で、送り出した論理マネーの金額と、受け取り側の金額の合計値とに差異が発生した場合であっても、管理コンピュータが保持する例えば図5に示される論理マネーDB81における預り金の記録と、取引履歴ファイル82において取引毎に記録した入出金の記録を識別データ(シリアル番号)に基づいて照合することにより、どの取引において異常が発生したか特定することが可能となる。
また、ユニークな識別データで取引毎の確認が行なわれるため、例えば、伝送路上の事故により破壊された論理マネーのデータ修復が可能となる。また、送り出し側の事故により誤って重複的に送り出された論理マネーも、受け取り側でその識別データが同一のものであると確認できれば、当該論理マネーの重複受信処理が回避され、適正な取引が維持されることとなる。
また、本実施形態では、取引単位毎の論理マネーの発行、論理マネー口座の移動及び精算の日時及び使用された機器のデータは、シリアル番号データ毎に個別に取引履歴ファイル82に記録されている。このため、取引単位毎の論理マネーの全ての取引に対して日時及び使用された機器のデータから取引中の人物を撮影した監視カメラ18、19、20、21の画像を即座に再生することができる。ここで、ICコインの他人への貸し出し譲渡を禁止しておけば、不正なICコインを使用する場合、取引単位毎の論理マネーの発行を行う際に入金した人物に対して玉貸しボタン34を操作した人物や預り金返却機13で現金の返却を受けた人物が異なることになる。即ち、現在の取引されている取引単位毎の論理マネーに対して最初に取引を行った時の画像を呼び出して現在の取引単位毎の論理マネーの取引を行っている人物と比べれば、容易に不正なICコインの使用をチェックすることができる。ここで、取引単位毎の論理マネーにシリアル番号データを付けることなく論理マネーの発行を行う際に入金した人物を特定する場合、ICコインの取引履歴全体から検索して最初にICコインを使用した日時を判定することになるので、時間がかかり、不正を行った人物を見失う可能性が高くなる。このため、本実施形態では、論理マネー取引単位毎にシリアル番号データを付けている。