JP2006149296A - 卵白含有レトルト調理食品の製造方法 - Google Patents

卵白含有レトルト調理食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レトルト処理されているにも拘らず、卵白由来の臭気により風味が損なわれることのない卵白含有レトルト調理食品を提供する。
【解決手段】澱粉及び/又は食用油脂を含有した卵白混合液を加熱凝固及び粉砕処理した後に、70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理した加熱凝固加工卵白粉砕物を含有させる卵白含有レトルト調理食品の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、レトルト処理されているにも拘らず、卵白由来の臭気により風味が損なわれることのない卵白含有レトルト調理食品の製造方法に関する。
近年、健康に対する意識の高まりから、ダイエットや体質改善のためにカロリーや栄養成分を調整した食品の需要が増加している。これらカロリーや栄養成分を調整した食品は、一般的に健康食品と称され、当該食品の形態としては、例えば、クッキーやシリアル等の乾燥食品の形態やシチューやスープ等のレトルト調理食品の形態等が市販されており、より美味しいものが望まれている。
一方、卵白蛋白質は、アミノ酸バランスが良い上に体内で効率良く利用される良質の蛋白質であり、このような健康食品に乾燥卵白や生卵白として配合し、栄養成分等を調整することが行われている。
しかしながら、本発明者等の研究によると、クッキーやシリアル等の水分が少ない食品に乾燥卵白や生卵白を配合しても当該食品の風味が損なわれることは少ないが、水分が多くレトルト処理された調理食品にこれらを配合すると、レトルト処理の過度の加熱処理により卵白由来の臭気を生じて、調理食品の風味が損なわれてしまう問題があった。したがって、栄養成分を調整する観点から大豆蛋白や乳蛋白等を含有させたレトルト調理食品は実用化されているものの、未だこのような観点から卵白蛋白質を含有させたレトルト調理食品は実用化に至っていない。
そこで、本発明者等は、予め加熱凝固させた卵白を粉砕して調理食品に加えるならば、レトルト処理後の卵白由来の臭気が軽減されるのではないかと考えてこれを試みた。しかしながら、得られたレトルト調理食品は、ある程度レトルト処理後の卵白由来の臭気が軽減する傾向があったものの、充分に満足できるものではなかった。
本発明と目的は異なるが、加熱凝固卵白を粉砕して配合した食品としては、特開平9−308457号公報(特許文献1)に、完全熱凝固卵の練捏物を配合することにより、コシを強くした酸性水中油型乳化食品が提案されているが、この特許文献においては、卵白の加熱凝固物をレトルト調理食品に応用することについてはいっさい検討されておらず、また、本発明者等の研究によると、特許文献1に記載されている完全熱凝固卵の練捏物を単に調理食品に加えてレトルト処理しても、卵白由来の臭気により調理食品の風味が損なわれてしまい好ましくなかった。
特開平9−308457号公報
そこで、本発明の目的は、レトルト処理されているにも拘らず、卵白由来の臭気により風味が損なわれることのない卵白含有レトルト調理食品の製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行い、その結果、特定原料を含有させ、特定処理した加熱凝固加工卵白粉砕物をレトルト調理食品に含有させると、意外にも、レトルト処理後の卵白由来の臭気が軽減して調理食品の風味が損なわれないことを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
つまり、本発明は、
(1) 澱粉及び/又は食用油脂を含有した卵白混合液を加熱凝固及び粉砕処理した後に、70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理した加熱凝固加工卵白粉砕物を含有させる卵白含有レトルト調理食品の製造方法、
(2) 前記攪拌処理を1分以上行う(1)記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法、
(3) 前記粉砕処理を粉砕物全体の90%以上が長径10mm以下となるように行う(1)又は(2)記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法、
(4) 前記卵白混合液の澱粉含有量を0.5〜15%とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法、
(5) 前記卵白混合液の食用油脂含有量を1〜15%とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法、
(6) 前記卵白混合液の卵白含有量を卵白固形分換算で10〜30%とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法、
(7) 卵白を、製品に対して、卵白固形分換算で0.1%以上含有させる(1)乃至(6)のいずれかに記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法、
である。
本発明の製造方法によれば、レトルト処理されているにも拘らず、卵白由来の臭気により風味が損なわれることのない卵白含有レトルト調理食品を提供することができる。
したがって、卵白蛋白質はアミノ酸バランスが良い上に体内で効率良く利用される良質の蛋白質であることから、このような良質な蛋白質を摂取することが特に必要とされる高齢者や幼児向けのレトルト調理食品に応用することで、これらの需要を拡大できる。
以下、本発明の卵白含有レトルト調理食品の製造方法を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明の卵白含有レトルト調理食品の製造方法は、澱粉及び/又は食用油脂を含有した卵白混合液を加熱凝固及び粉砕処理した後に、70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理した加熱凝固加工卵白粉砕物を調理食品に含有させることを特徴とし、これにより、レトルト処理されているにも拘らず、卵白由来の臭気により風味が損なわれることのない卵白含有レトルト調理食品が得られる。
本発明の卵白含有レトルト調理食品の製造方法は、より具体的には、次のように行われる。
まず、卵白液に澱粉及び/又は食用油脂を加えて混合し、澱粉及び/又は食用油脂を含有した卵白混合液を製する。混合方法は卵白液が泡立たない程度の攪拌力で卵白液に澱粉及び/又は食用油脂を均一に混合すればよく、卵白混合液に澱粉及び/又は食用油脂を含有させることにより、レトルト処理後の卵白由来の臭気を軽減することができる。これに対して、卵白混合液に澱粉や食用油脂を含有させない場合は、後述の比較例に示すように、レトルト処理後の卵白由来の臭気を軽減することができない。
ここで、原料として用いる卵白液としては、殻付卵を割卵して卵黄と分離して得た生卵白液、これを殺菌、凍結、濃縮等の各種処理を施した卵白液及び乾燥卵白を水に溶解させて製した卵白液等を用いることができる。
卵白混合液の卵白含有量は、卵白固形分換算で好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは18%以上である。このように卵白混合液の卵白含有量を高くすることにより、これを加熱凝固して調理食品に含有させる際に、少量含有させるだけで、調理食品の卵白含有量を上げることができるので、よりレトルト処理後の卵白由来の臭気を軽減することができ好ましい。また、卵白混合液の卵白含有量は、多すぎても加熱凝固させた時に食感が硬くなりすぎる傾向があるので、卵白固形分換算で好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下である。なお、生卵白液の卵白固形分は約11.6%であるので、卵白混合液の卵白含有量を上記好ましい含有量に調整するには、生卵白液より卵白固形分が多い乾燥卵白や濃縮卵白液等を適宜選択して調整するとよい。ここで、卵白固形分とは、用いた卵白原料の質量から栄養表示基準(平成15年4月24日厚生労働省告示第176号)別表第2の第3欄記載の減圧加熱乾燥法に準じて測定した該卵白の水分量を控除して算定した値である。
また、澱粉は食用に適していればその種類は特に問わない。具体的には、例えば、米澱粉、とうもろこし澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等の澱粉、これらに熱処理等を施した湿熱処理澱粉等の加工澱粉、リン酸架橋処理等の化学処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
卵白混合液の澱粉含有量は、レトルト処理後の卵白由来の臭気を軽減する効果が得られ易いことから、卵白混合液に対して、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上である。また、澱粉含有量は、多すぎても、相対的に卵白混合液の卵白含有量が少なくなってしまうので15%以下が好ましい。
食用油脂としては、その種類は特に問わないが、具体的には、例えば、菜種油、コーン油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、米油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ゴマ油、これらを精製したサラダ油等の植物性油脂並びに卵黄油、豚脂、牛脂、乳脂、魚油等の動物性油脂、更に、これらの油脂を硬化、エステル交換等の処理を施したものの他、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等のように化学的あるいは酵素的処理を施して得られる油脂等が挙げられる。
卵白混合液の食用油脂含有量は、レトルト処理後の卵白由来の臭気を軽減する効果が得られ易いことから、卵白混合液に対して、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上である。また、食用油脂含有量は、多すぎても、相対的に卵白混合液の卵白含有量が少なくなってしまうので15%以下が好ましい。
なお、卵白混合液には、前述した澱粉及び/又は食用油脂に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、澱粉糖化物やガム質等の添加材、砂糖、食塩、エキス等の調味料、香辛料等を適宜選択し含有させることができる。
次に、澱粉及び/又は食用油脂を含有した前記卵白混合液を加熱凝固して凝固物を製する。
卵白混合液を加熱凝固させる方法としては、卵白液を加熱凝固させる一般的な方法を用いれば良く、具体的には、例えば、卵白混合液をバット等の容器に流し込みスチーマー等により加熱処理して加熱凝固させる方法、卵白混合液をプラスチック製の耐熱性パウチやケーシングに充填後、ボイルやスチーマーにより加熱処理して加熱凝固させる方法、あるいは、卵白混合液に直接蒸気を吹き込んで加熱処理して加熱凝固させる方法等が挙げられる。
また、加熱凝固させるための加熱処理条件も卵白液を加熱凝固させる一般的な加熱処理条件である70〜90℃で3〜90分間程度加熱すれば良い。
続いて、得られた卵白の加熱凝固物を粉砕処理する。これにより、前記加熱凝固物の表面積が増大するので、得られた粉砕物は後述する70℃以上の水系媒体との攪拌処理時に、水系媒体と充分に接触しやすくなり、その結果、卵白由来の臭気の原因である硫化水素等の揮発性の硫黄化合物が除去されるためか、レトルト処理後の卵白由来の臭気を軽減することができる。本発明の粉砕処理は、当該粉砕物が水系媒体と充分に接触するように、粉砕物全体の90%以上が長径10mm以下となるように行うことが好ましく、粉砕物全体の90%以上が長径5mm以下となるように行うことがより好ましい。また、あまりにも小さく粉砕しすぎても、粉砕物を含有させた調理食品の粘度が増加する場合があり調理食品の物性が損なわれることがあるので、粉砕物全体の50%以上が長径1mm以上となるように粉砕することが好ましい。
また、本発明の粉砕処理は、例えば、チョッパー、サイレントカッター、コミトロール(アーシャル社製コミトロール)等の粉砕処理装置を用いればよいが、これらの粉砕処理装置の中でも、チョッパーを用いると表面積の多い不定形の粉砕物となり、後述する70℃以上の水系媒体との攪拌処理時に、水系媒体とより接触し易くなり、レトルト処理後の卵白由来の臭気を特に軽減でき好ましい。
更に、本発明においては、上記加熱凝固卵白の粉砕物を70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理することが肝要である。ここで、開放下の攪拌処理とは、攪拌処理中に攪拌処理槽内外で気体が出入りできるように密閉されていない状態で攪拌処理することをいい、このような攪拌処理としては、例えば、攪拌釜で蓋等を用いないで行う攪拌処理や異物等が混入しないように蓋をしているが密閉はされていない状態で行う攪拌処理等が挙げられる。また、水系媒体とは、水を主原料とする液状物であって、例えば、水や、水に調味料や澱粉等の調理食品原料を含有させたもの等が挙げられる。このように、粉砕物と70℃以上の水系媒体を開放下で充分に攪拌混合して接触させることにより、卵白由来の臭気の原因である硫化水素等の揮発性の硫黄化合物が除去されるためか、レトルト処理後の卵白由来の臭気を軽減できる。これに対して、粉砕物を70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理しない場合、すなわち、例えば、後述の比較例に示すように、粉砕物を水系媒体中で開放下攪拌処理することなくそのまま耐熱容器に充填する場合や粉砕物を70℃以上の水系媒体ではなく20℃の水系媒体中で攪拌処理した場合は、レトルト処理後の卵白由来の臭気を軽減できない。
攪拌処理する方法としては、例えば、攪拌装置付きの二重釜、ミキサー類及び混合タンク等を用いて、粉砕物に水系媒体が接触して卵白由来の臭気の原因である硫化水素等の揮発性の硫黄化合物が充分に除去されやすいように、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上攪拌処理すればよい。
攪拌処理する際の加熱凝固卵白の粉砕物と水系媒体の割合としては、粉砕物と水系媒体が充分に接触するように、粉砕物を質量換算で1.5倍量以上の水系媒体中で攪拌処理するのが好ましい。
本発明は、前述のように70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理した加熱凝固加工卵白粉砕物を調理食品に含有させてレトルト処理するものであり、その方法としては、具体的には、例えば、加熱凝固卵白の粉砕物を70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理した後、当該粉砕物を水系媒体から取り出して調理食品に加えてから耐熱性容器に充填密封してレトルト処理する、あるいは、水系媒体から取り出した粉砕物と調理食品を個別に耐熱性容器に充填密封してレトルト処理する方法等が挙げられる。また、用いる水系媒体が調理食品原料である場合には、加熱凝固卵白の粉砕物を70℃以上の調理食品原料からなる水系媒体に加えて開放下攪拌処理した後、当該粉砕物を含有した調理食品を耐熱性容器充填密封してレトルト処理する、あるいは、加熱凝固卵白の粉砕物を調理食品原料からなる水系媒体に加えてから70℃以上に加熱して開放下攪拌処理した後、当該粉砕物を含有した調理食品を耐熱性容器に充填密封してレトルト処理する方法等が挙げられる。
レトルト処理は、加熱凝固加工卵白粉砕物を含有した調理食品を缶やレトルトパウチ等の耐熱性容器に充填密封した後に、当該食品の中心部の品温を120℃で4分間相当又はこれと同等以上の効力を有する条件、具体的には、110〜130℃で5〜90分間加熱殺菌処理を行えば良い。
調理食品に含有させる卵白の量は、調理食品とともに充分に卵白蛋白質が摂取できるように、製品に対して、卵白固形分換算で0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。なお、卵白の固形分含有量に関して、卵白混合液の卵白固形分の含有量は、加熱凝固、粉砕処理及び水系媒体中での攪拌処理の各工程によりほぼ変わらないので、調理食品の卵白固形分の含有量は、水系媒体中で攪拌処理した後の加熱凝固加工卵白粉砕物を調理食品に含有させた量及びこれを製するために用いた卵白混合液の卵白固形分の含有量から算定することができる。また、水系媒体が調理食品原料である場合には、加熱凝固卵白の粉砕物を調理食品に含有させた量及びこれを製するために用いた卵白混合液の卵白固形分の含有量から算定することができる。
以上のような本発明の製造方法により、レトルト処理後の卵白由来の臭気が顕著に軽減されるので、調理食品に卵白を含有させても卵白由来の臭気により風味が損なわれることがない。したがって、例えば、シチュー、スープ、煮込み料理、雑炊等の種々の調理食品に本発明の製造方法によって卵白を含有させると、良質の蛋白質である卵白蛋白質をこれらの調理食品とともに美味しく摂取することができる従来にない卵白含有レトルト調理食品が得られる。そして、カロリーや栄養成分を調整した種々のレトルト調理食品、特に、良質な蛋白質を摂取することが必要とされる高齢者や幼児向けのレトルト調理食品に好適に応用できる。
このように、レトルト処理後の卵白由来の臭気が顕著に軽減される理由は定かではないが、卵白混合液を加熱凝固して粉砕処理した粉砕物が70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理されることにより、前記加熱凝固卵白の粉砕物の中心部まで水系媒体が含浸して、卵白由来の臭気の原因である硫化水素等の揮発性の硫黄化合物が除去されるとともに、前記卵白の粉砕物に含有した澱粉及び/又は食用油脂がマスキング効果を奏して、これらが相乗的に作用するためではないかと推察される。
以下、本発明の実施例と試験例を述べ、本発明を更に説明する。
[実施例1]
(1)加熱凝固卵白の粉砕物の製造
生卵白液(卵白固形分11.6%)30kg、乾燥卵白(卵白固形分92.9%)18kg、砂糖5kg、澱粉(コーンスターチ、日本食品化工(株)社製)3kg、醤油2kg及び清水42kgをミキサーに投入して混合し、卵白混合液を製した。この卵白混合液の卵白含有量は、卵白固形分換算で約20%であった。次に、製した卵白混合液を直径が約6.5cmのケーシングに充填し、90℃の水中に60分間浸漬して加熱凝固させた後冷却して凝固物を製した。
続いて、凝固物をプレート目穴径5mmのチョッパーにより粉砕処理し加熱凝固卵白の粉砕物を製した。製した加熱凝固卵白の粉砕物は、粉砕物全体の98%以上が長径5mm以下であり、さらに、粉砕物全体の90%以上が長径1mm以上であった。
(2)調理食品(煮込みうどん)の製造
下記の原料を用意した。
茹でうどん(長さ10mmにカット) 15.0kg
ごぼう(3mmにスライス) 3.0
人参(7mm角にカット) 3.0
まいたけ(3mmにスライス) 3.0
鶏肉(10mm角にカット) 3.0
澱粉 2.5
濃口醤油 1.0
砂糖 0.5
カツオエキス 0.2
コンブエキス 0.2
清水 68.6
――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0kg
次に、二重釜に上記原料の清水、澱粉、濃口醤油、砂糖、カツオエキス及びコンブエキスを投入し、混合攪拌しながら90℃まで加熱して調味液を得た。続いて、これに具材として上記原料の茹でうどん、ごぼう、人参、まいたけ及び鶏肉を加えて混合攪拌した後、20℃まで冷却して煮込みうどんを製した。
(3)卵白含有レトルト調理食品(卵白含有レトルト煮込みうどん)の製造
(1)で製した加熱凝固卵白の粉砕物を攪拌装置付きの二重釜で70℃に加熱した2倍量の水に投入し、攪拌羽の回転速度20rpmで蓋をせずに5分間攪拌処理した後、該粉砕物を30メッシュストレーナーで濾別して水から取り出し加熱凝固加工卵白粉砕物を製した。次に、この加熱凝固加工卵白粉砕物10gと(2)で製した煮込みうどん100gとを耐熱性を有する120mL容量のレトルトパウチに順次個別に充填密封し、熱水式レトルトを用いて120℃で40分間レトルト処理した後冷却して、卵白含有レトルト煮込みうどんを製した。製した卵白含有レトルト煮込みうどんの卵白含有量は、製品に対して、卵白固形分換算で1.8%であった。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれておらず、好ましいものであった。
[実施例2]
実施例1の(1)において、卵白混合液に、澱粉に代えてサラダ油(菜種サラダ油)を配合した他は、実施例1と同じ配合と製法で卵白含有レトルト煮込みうどんを得た。製した卵白含有レトルト煮込みうどんの卵白含有量は、製品に対して、卵白固形分換算で1.8%であった。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれておらず、好ましいものであった。
[実施例3]
実施例1の(1)において、卵白混合液の澱粉の配合量を1.5kgに減らすとともにサラダ油(菜種サラダ油)1.5kgを新たに配合した他は、実施例1と同じ配合と製法で卵白含有レトルト煮込みうどんを得た。製した卵白含有レトルト煮込みうどんの卵白含有量は、製品に対して、卵白固形分換算で1.8%であった。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれておらず、好ましいものであった。
[実施例4]
実施例1の(1)及び(2)と同じ配合と製法にて、加熱凝固卵白の粉砕物と煮込みうどんを製した。次に、製した煮込みうどん100kgを攪拌装置付きの二重釜で70℃になるまで加熱した後、加熱凝固卵白の粉砕物10kgを投入し、二重釜の攪拌装置を用いて攪拌羽の回転速度20rpmで蓋をせずに5分間攪拌処理した。この攪拌処理後の加熱凝固加工卵白粉砕物を含有した煮込みうどんを、実施例1と同様に耐熱性容器に充填密封後レトルト処理して卵白含有レトルト煮込みうどんを製した。製した卵白含有レトルト煮込みうどんの卵白含有量は、製品に対して、卵白固形分換算で1.8%であった。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれておらず、好ましいものであった。
[実施例5]
実施例4において、卵白混合液に、澱粉に代えてサラダ油(菜種サラダ油)を配合した他は、実施例4と同じ製法と配合で卵白含有レトルト煮込みうどんを製した。製した卵白含有レトルト煮込みうどんの卵白含有量は、製品に対して、卵白固形分換算で1.8%であった。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれておらず、好ましいものであった。
[実施例6]
実施例4において、卵白混合液の澱粉の配合量を1.5kgに減らすとともにサラダ油(菜種サラダ油)1.5kgを新たに配合して卵白混合液を製した他は、実施例4と同じ製法と配合で卵白含有レトルト煮込みうどんを製した。製した卵白含有レトルト煮込みうどんの卵白含有量は、製品に対して、卵白固形分換算で1.8%であった。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれておらず、好ましいものであった。
[比較例1]
実施例1の(1)において、卵白混合液に、澱粉を配合せずその減少分は清水の配合量を増やして調整した他は、実施例1と同じ配合と製法で卵白含有レトルト煮込みうどんを製した。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれており、好ましくないものであった。
[比較例2]
実施例1の(1)及び(2)と同じ配合と製法にて、加熱凝固卵白の粉砕物と煮込みうどんを製した。次に、製した加熱凝固卵白の粉砕物10gと煮込みうどん100gとを耐熱性容器に順次個別に充填して密封し、実施例1と同様にレトルト処理して卵白含有レトルト煮込みうどんを製した。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれており、好ましくないものであった。
[比較例3]
実施例1の(3)において、加熱凝固卵白の粉砕物を70℃の水に投入して攪拌処理する代わりに20℃の水に投入して攪拌処理した他は、実施例1と同じ配合と製法で卵白含有レトルト煮込みうどんを製した。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれており、好ましくないものであった。
[比較例4]
実施例1の(1)及び(2)と同じ製法と配合にて、加熱凝固卵白の粉砕物と煮込みうどんを製した。次に、攪拌装置付きの二重釜に20℃の煮込みうどん100kgと加熱凝固卵白の粉砕物10kgを投入し、二重釜の攪拌装置を用いて攪拌羽の回転速度20rpmで蓋をせずに5分間攪拌処理した。この粉砕物を含有した煮込みうどんを、実施例1と同様に耐熱性容器に充填密封後レトルト処理して卵白含有レトルト煮込みうどんを製した。
製した卵白含有レトルト煮込みうどんを60℃に温めた後開封して食したところ、卵白由来の臭気により煮込みうどんの風味が損なわれており、好ましくないものであった。
以上のことから、澱粉及び/又は食用油脂を含有した卵白混合液を加熱凝固及び粉砕処理した後に、70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理した加熱凝固加工卵白粉砕物を含有させて製した実施例1乃至6の卵白含有レトルト調理食品は、澱粉や食用油脂を含有していない卵白混合液を用いて製した比較例1、並びに、加熱凝固卵白の粉砕物を70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理しない方法で製した比較例2乃至4の卵白含有レトルト調理食品に比べて、卵白由来の臭気が軽減して調理食品の風味が損なわれておらず、好ましいものであることが理解できる。

Claims (7)

  1. 澱粉及び/又は食用油脂を含有した卵白混合液を加熱凝固及び粉砕処理した後に、70℃以上の水系媒体中で開放下攪拌処理した加熱凝固加工卵白粉砕物を含有させることを特徴とする卵白含有レトルト調理食品の製造方法。
  2. 前記攪拌処理を1分以上行う請求項1記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法。
  3. 前記粉砕処理を粉砕物全体の90%以上が長径10mm以下となるように行う請求項1又は2記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法。
  4. 前記卵白混合液の澱粉含有量を0.5〜15%とする請求項1乃至3のいずれかに記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法。
  5. 前記卵白混合液の食用油脂含有量を1〜15%とする請求項1乃至3のいずれかに記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法。
  6. 前記卵白混合液の卵白含有量を卵白固形分換算で10〜30%とする請求項1乃至5のいずれかに記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法。
  7. 卵白を、製品に対して、卵白固形分換算で0.1%以上含有させる請求項1乃至6のいずれかに記載の卵白含有レトルト調理食品の製造方法。
JP2004345548A 2004-11-30 2004-11-30 卵白含有レトルト調理食品の製造方法 Expired - Fee Related JP4368290B2 (ja)

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JP2015080459A (ja) * 2013-10-24 2015-04-27 日清オイリオグループ株式会社 油脂含有食品

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