JP2006145070A - 空調システム及び空調システム制御方法 - Google Patents

空調システム及び空調システム制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
室内の温熱環境を快適に保ち、換気を適正に行うとともにエネルギー消費の削減を図る。
【解決手段】
室内負荷空調機と外気負荷空調機を備え、室外空気導入量は室内の人数あるいは室内のCO濃度に応じて制御するとともに、室内負荷空調機と外気負荷空調機の負荷量に応じて、外気負荷空調機に導く室内空気の流量を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は事務所ビルや一般の住宅の冷房暖房を行う空調システムであって、特に室内環境の保全と快適性の確保を、できるだけ省エネルギーで実現するのに適した空調システムに関するものである。
近年、事務所ビルや一般住宅の空気調和に対しては、快適性の確保や空気環境の保全に対する要求が高まっている。一方、地球規模でのエネルギー問題は年々深刻となっており、エネルギー消費の大きな部分を占める空調分野での省エネルギーは重要な課題となってきている。このような情勢に対応して、例えば特許文献1では室内の環境を快適性指標であるPMV値で評価して、空調機設定温度を制御し、快適性と省エネルギーを実現するというシステムが提案されている。また、特許文献2においては、室内の酸素濃度や一酸化炭素濃度等をセンシングして適正な換気率を演算する手段を提案し、室内環境を保全しようとしている。
特開平5−126380号公報
特開平9−112980号公報
上記従来例において、特許文献1では室内の温度、湿度、風速、輻射温度などの快適性指標をもとに設定温度を制御し、快適性と省エネルギーを実現するということであるが、室内環境の重要な要素である換気については考慮されておらず、換気を含めた省エネルギーについては言及されていない。
また、特許文献2では室内の酸素濃度や一酸化炭素濃度等をセンシングして適正な換気を行うことにより室内環境を保全するとしているが、室内の温度、湿度などを調整する空気調和を含めたトータルの省エネルギーについては考慮されていない。また、室内の酸素濃度や一酸化炭素濃度を測定するためのセンサーを設置する必要があり、システムがコスト高になるという問題点もある。
本発明は、これらの問題点を解決しようとするものであり、室内の温熱環境を快適に保つとともに、換気を適正に行って室内環境を保全できる空調システムであって、トータルの消費エネルギーを低減できる空調システム及び空調システムの制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明においては、室内の空調負荷を処理する室内負荷空調機と、外気負荷空調機と前記外気負荷空調機の吸い込み側に室外からの空気を取り入れる空気流と、室内空気を前記外気負荷空調機の吸込み側流路に導く流路とを設け、さらにそれぞの流路に室外空気の取り入れ量を調整する流量調整手段と、室内空気の取り入れ量を調整する流量調整手段とを設けた構成とした。
上記構成とすることにより、外気負荷空調機に取り込む室外からの空気量を、室内の人数あるいは室内空気の炭酸ガス等の濃度レベルに応じて制御し、外気負荷空調機へ取り込む室内からの空気量を室内負荷空調機の負荷量と外気負荷空調機の負荷量に応じて制御する構成としたので、室内の温熱環境を快適に保つとともに、換気を適正に行って室内環境を保全でき、トータルの消費エネルギーを低減できる空調システム及び空調システムの制御方法を提供することができる。
また、ビル管理システムの入退室管理情報やパソコン等の稼動情報から室内の在席人数を推定し、この推定値を基に外気取り入れ空気量を制御し、室内負荷空調機の負荷量と外気負荷空調機の負荷量に応じて外気負荷空調機への室内空気流量を制御するようにしたので、室内の温熱環境を快適に保つとともに、換気を適正に行って室内環境を保全して、トータルの消費エネルギーを低減でき、さらにコスト低減を図った空調システム及び空調システムの制御方法を提供することができる。
さらに、室内からの排気を、室内負荷空調機の室外機、あるいは外気負荷空調機の室外機の空気吸い込み口に導くようにしたので、サイクルの効率を高め、より省エネルギーな空調システム及び空調システムの制御方法を提供することができる。
以下、本発明の空調システム及び空調システムの制御方法の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1に本発明の一実施例の空調システムの概略構成を示す。1は空調を行う室内であり、複数の室内負荷処理空調機(以下、室内負荷空調機と称する)2と外気負荷処理空調機(以下、外気負荷空調機と称する)4を備えている。室内負荷空調機2はそれぞれ室内1に室内空気の吸込み口と吹出し口をもっており、1台の室内負荷空調機用室外機3と冷媒配管で接続され、冷凍サイクルを構成している。外気負荷空調機4は外気負荷空調機用室外機5と冷媒配管で接続され、冷凍サイクルを構成している。外気負荷空調機4には給気流路9と吸気流路10とが接続されている。給気流路は室内1に設けられた複数の給気口8に接続されている。吸気流路10は室外に開口し室外空気を取り入れる外気取り入れ口6及び室内1に設けられ室内空気を取り入れる内気取入れ口7とに接続されている。また、外気を導く吸気流路10中には流量調整手段として、外気取り入れ量調整用VAV11が、室内空気を導く吸気流路10中には内気取り入れ量調整用VAV12が設置されている。
図2に本発明の空調システムの制御システムの概略構成の一例を示す。本制御システムは、大きく区分すると空調システム制御装置40とCO濃度評価手段30と室内負荷空調機環境評価手段50と室外負荷空調機環境評価手段51、及び外気環境評価手段52と内外気の取り入れる流量を調整する流量調整手段11、12とからなる。
室内負荷空調機環境評価手段50は、室内負荷空調機の吸い込み温度評価手段20と、室内負荷空調機の吸い込み湿度評価手段21と、室内負荷空調機2の吹き出し温度評価手段22と、室内負荷空調機2の室内風量評価手段23とからなる。室外負荷空調機環境評価手段51は、外気負荷空調機4の吸い込み温度評価手段24と、外気負荷空調機4の吸い込み湿度評価手段25と、外気負荷空調機4の吹き出し温度評価手段26と、外気負荷空調機4の外気風量評価手段27とからなる。外気環境評価手段52は、外気温度評価手段28と、外気湿度評価手段29とからなる。なお、室内風量評価手段23は、風量計で計測しても、空調機の風量設定信号を用いても良い。また、外気風量評価手段27は、風量計を用いてもよく、外気取り入れ量調整用VAV11及び内気取り入れ量調整用VAV12の設定信号を用いても良い。
空調システム制御装置40は、外気取り入れ量設定手段41と、室内負荷演算手段42と、外気負荷演算手段43と、空調機運転特性評価手段45と、空調機負荷配分設定手段46とから構成されている。
外気取り入れ量設定手段41は、CO濃度評価手段30からの信号を受けて、外気取り入れ量を設定し、この設定値に基づいて外気取り入れ量調整用VAV11を制御する。また、室内負荷空調機の負荷量演算手段42は、室内負荷空調機環境評価手段50からの信号を受けて、室内負荷空調機の負荷を演算する。外気負荷空調機の負荷量演算手段43は、室外負荷空調機環境評価手段51及び外気取り入れ量設定手段41からの信号を受けて、外気負荷空調機の負荷を演算する。空調機運転特性評価手段45は、室内の吸い込み空気の条件と室外空気の条件により変化する、室内負荷空調機の負荷と消費電力の関係を表すデータベースを持っており、室内負荷空調機の吸い込み温度評価手段20及び湿度評価手段21と外気温度評価手段28と外気湿度評価手段29からの信号を基に空調負荷と空調機の消費電力の関係を設定し、室内負荷空調機の負荷量演算手段42からの信号を基に室内負荷空調機の消費電力を評価することができる。
また、空調機運転特性評価手段45は、外気負荷空調機の吸い込み空気の条件と室外空気の条件により変化する、外気負荷空調機の負荷と消費電力の関係を表すデータベースを持っており、外気負荷空調機の吸い込み温度評価手段24及び湿度評価手段25と、外気温度評価手段28と、外気湿度評価手段29とからの信号を基に、空調負荷と空調機の消費電力の関係を設定し、外気負荷空調機の負荷量演算手段43からの信号を基に外気負荷空調機の消費電力を評価することができる。
空調機負荷配分設定手段46は、室内負荷空調機の負荷量と外気負荷空調機の負荷量を合算した合計値を、一定の値の間隔で連続的に変化させて割り当てた負荷配分の組合せを複数作成する。例えば、室内負荷空調機2と外気負荷空調機4の負荷の割合を1:9、2:8、3:7、4:6、5:5、6:4、7:3、8:2、9:1の9通り割合で割り当てた負荷の組合せを作成する。それぞれの負荷の組合せに対して、空調機運転特性評価手段45は室内負荷空調機2の消費電力と外気負荷空調機4の消費電力を計算する。空調機負荷配分設定手段46は、これらの計算結果を基に各負荷配分の組合せに対して室内負荷空調機2と外気負荷空調機4の消費電力の合計値を計算し、その中で最も消費電力が少なくなる負荷配分の組合せを選定する。なお、各空調器のの最大能力を超える負荷配分は除く。空調機負荷配分設定手段46は、この最適な負荷配分を基に内気取り入れ量調整用VAV12を制御する。すなわち、外気負荷空調機4の負荷配分を増加する場合には、室内空気の取り入れ量を増加するように内気取り入れ量調整用VAV12を制御し、室内負荷空調機の負荷配分を増加する場合には、室内空気取り入れ量を減少するように内気取り入れ量調整用VAV12を制御する。このとき、外気取り入れ量はCO濃度評価手段30からの信号を受けて、外気取り入れ量調整用VAV11により一定に制御される。
上記の説明において、空調機負荷配分設定手段46は室内負荷空調機2と外気負荷空調機4の負荷配分を離散的に変化させて、合計の消費電力を評価しているが、外気負荷空調機4への室内空気の取り入れ量を連続的に変化させた条件で、外気負荷空調機4の負荷量と室内負荷空調機2の負荷量を評価し、室内負荷空調機と外気負荷空調機の合計の消費電力を求めて、これが最小となる室内空気取り入れ量を設定し、内気取り入れ量調整用VAVを制御しても良い。
本空調システムにおいて、室内負荷空調機2は室内1の温度、湿度などの空調環境を所定の値に保つために、例えば室内の設定温度を目標値として室内温度と設定温度の差に基づいて能力を制御し、室内空気を吸込んで冷却あるいは加熱等を行い、再び室内に吹き出している。外気負荷空調機4についても設定温度を目標値として、室内温度、外気温度と設定温度の関係から空調機の能力を制御し、取り入れた空気を冷却して、室内に吹出している。
外気取り入れ口6から外気取り入れ量調整用VAV11を通って流入する室外空気と、内気取り入れ口7から内気取り入れ量調整用VAV12を通って流入する室内空気は、吸気流路10で合流し、外気負荷空調機4で空気のエンタルピーを低下し、給気流路9、給気口8を通って室内1に供給される。
室内の温熱環境と共に、室内の空気の品質を保全するために換気すなわち外気導入は必要不可欠の空調操作である。必要な換気量は、室内の人の数に比例して増加し、例えば建築基準法が要求する居室の換気量は20m/(h・人)である。これは、人が発生するCOによる室内のCO濃度を許容値に抑えることを基準に出された値であり、室内のCO濃度を測定して外気取り入れ量を制御することができる。本実施例では、室内のCO濃度計測評価手段30からの信号を入力して、外気取り入れ量設定手段43は外気取り入れ量を設定し、外気取り入れ量調整用VAV11に外気取り入れ量の指令値を出力する。
一般に、外気負荷空調機4を設けずに外気導入を行うと、外気負荷と室内負荷の両方を室内負荷空調機2で処理することになる。この場合室内負荷処理空調機2の吸込み温度は外気温度よりも低い室内空気温度である。これに対して、本実施例のように外気負理空調機4を室内負荷空調機2とは別に設けた場合、外気負荷空調機4の吸込み温度は室外空気温度で、室内空気温度よりも高いため空調機の性能(COP=空調能力/入力エネルギー)は向上し、外気負荷空調機4を設けない場合に比べて省エネルギーとなる。
ここで、外気取り入れ量及び室内負荷空調機2と外気負荷空調機4の負荷配分に関する制御の考え方について述べる。表1は、床面積375mの部屋で室内の設計人員を75名とし、壁の材質、厚み、窓の大きさと向きと材質を設定し、室内の空調温度は27℃、湿度50%に制御し、外気導入量は室内の人数に比例するなどの条件で、空調負荷を室内負荷と外気負荷に分けて評価した一例を示している。外気温度の条件としては、夏場のピークを想定した33℃と中間期を想定した28℃の条件で、また室内の人数を定員の75名と、約半分に減った40名の場合について評価している。なお本負荷計算については、空気調和衛生工学便覧の冷暖房負荷計算手法に則って評価したものである。
Figure 2006145070
室内人数が定員の75名で外気温度が33℃の部分負荷条件に対して、室内人数が減ったり、外気温度が低下した部分負荷条件では、室内負荷、外気負荷ともに低下しているが、特に外気負荷の低下の割合が大きいことがわかる。これは、室内人数が減ると換気量を人数に比例して減らして外気負荷を下げていること、また、外気温度が低下すると外気のエンタルピーと室内空気のエンタルピーの差が小さくなって除去すべき外気負荷が低下するのに対して、室内負荷は内部発熱機器や日射等の負荷が一定量変わらずに存在し、室内の在室人員の発熱負荷や外気との温度差による壁からの侵入熱の割合は相対的に小さくなるためである。
表1の空調負荷の評価結果を基に、室内負荷空調機2の定格能力として28kW、外気負荷空調機4の定格能力として16kWの空調機をそれぞれ選定して、表1の空調条件に対する各空調機の負荷率として各定格能力に対する負荷の比率を計算すると表2のようになる。具体的には、外気温度33℃、室内人数75人の場合の室内負荷は表1から24.4kWである。この値を室内負荷空調機の定格能力として選定した28kWで割ると、表2の対応する負荷率0.87が計算できる。
Figure 2006145070
本例ではこの表から、部分負荷条件では外気負荷空調機の負荷率が1/3以下に低下することがわかる。
図3は空調機の運転特性を示したもので、横軸に空調機の負荷率(空調機の定格能力に対する負荷の比率)、縦軸に空調機の性能であるCOP(=空調能力/入力エネルギー)比(空調機の定格負荷時のCOPに対する部分負荷時のCOPの比率)をとり、ある室内空気条件、室外空気条件の下に特性をプロットしたものである。一般に空調機では負荷が定格から部分負荷低下するに従ってCOPは向上し、例えば50から70%程度の負荷率の運転で最大のCOPとなり、さらに負荷率が低下するとCOPは逆に低下していく。
この図3の特性曲線上に前記の負荷条件に対する空調機の運転点をプロットしている。すなわち、外気温度33℃、室内人数75人の部分負荷運転に対する室内負荷空調機2の運転点は負荷率0.87となるA0であり、外気負荷空調機4の運転点は負荷率0.89となるB0となる。なお、室内負荷空調機2と外気負荷空調機4では吸込み空気温度が違うので、運転特性も若干異なってくる。しかし、特性の基本的な傾向は変わらず、以下の議論に対しても支障はないので、同一の曲線で表している。上記の部分負荷運転に対して、外気温度28℃、室内人数75人の部分負荷条件では、室内負荷空調機2の運転点は負荷率0.83となるA1であり、外気負荷空調機4の運転点は負荷率0.23となるB1となる。室内負荷空調機2はCOPが高くなって省エネルギー運転となるが、外気負荷空調機4のCOPは大きく低下して消費エネルギーが増大することがわかる。ここで、外気負荷空調機4は、室外空気の温度とともに湿度を低下させて室内1に給気している。室内負荷空調機2は外気負荷以外の空調負荷、すなわち室内で発生する機器や人体からの発熱、日射や熱伝達、熱伝導による外部からの熱侵入などの室内負荷を、吸込んだ室内空気から奪って室内に吹出している。しかし、室内の空調環境を所定の状態に保つためには、室内負荷及び外気負荷の合計を室内負荷空調機と外気負荷空調機の両方で処理できていれば良い。
そこで、室内負荷空調機2の能力を小さくして運転点をA1からA1’に移動し、外気負荷空調機4の能力を大きくして運転点をB1からB1’に移動して、合計の空調能力を同等に保つように制御する。このように制御することで、室内負荷空調機2及び外気負荷空調機4は共にCOPが向上し、省エネルギーな運転を行うことができる。すなわち、本実施例の空調システムにおいては、室内負荷空調機2と外気負荷空調機4との2つの空調機を備えている。また、室内のCO濃度に応じて外気取り入れ量を制御する構成としてある。さらに、室内負荷空調機2と外気負荷空調機4の運転特性を評価し、トータルの消費エネルギーが最小となるような室内負荷空調機2と外気負荷空調機4の負荷配分を決定して運転制御するので、省エネルギー運転を行う事ができる。
室内負荷空調機2と外気負荷空調機4の負荷配分を決定した値になるように制御するに当たっては、室外負荷空調機4への室内空気取り入れ量を調整する内気取り入れ量調整用VAV12を制御して行う。すなわち、外気負荷空調機4の負荷配分を増加する場合には、室内空気の取り入れ量を増加するように内気取り入れ量調整用VAV12を制御する。これにより、室内空気は外気負荷空調機4で冷却除湿されて再び室内に吹出されるので、外気負荷空調機4の負荷量は増加する。逆に室内負荷空調機2は少ない冷却量で目標の設定温度を達成できるので、室内負荷空調機2の負荷量は減少する。また、室内負荷空調機2の負荷配分を増加する場合には、室内空気取り入れ量を減少するように内気取り入れ量調整用VAVを制御する。これにより、上記と逆の現象が起こり、外気負荷空調機4の負荷量は減少し、内気負荷空調機の負荷量は増加する。
また、室内負荷空調機2と外気負荷空調機4の負荷配分を決定した値になるように制御する方法としては、直接室内負荷空調機2及び外気負荷空調機4の圧縮機の周波数を制御することもできる。
空調機負荷配分設定手段46は、図2の説明で示したように、室内負荷空調機2及び室外負荷空調機4のそれぞれの負荷量を予め設定した値に変化させて、空調機運転特性評価手段45に送る。空調機運転特性評価手段45は、送られてきた両者のそれぞれの負荷量や、各空調機の吸込み温度、湿度、風量、各空調機の室外機の吸込み空気の外気温度などから運転特性を評価する。空調機負荷配分設定手段46では、空調機運転特性評価手段45の評価結果からトータルのエネルギー消費量が最小になるような負荷配分を決定する。なお、空調機負荷配分設定手段46では室内負荷空調機2の負荷量と定格能力との比率、及び外気負荷空調機の負荷量と定格能力との比率が等しくなるように負荷配分を決めても良い。この場合、制御のアルゴリズムはより簡単になり、制御の応答速度が速くなるという利点がある。
以上説明したように、本実施例においては、室内負荷空調機2と外気負荷空調機4を設ける。さらに、室外空気と室内空気を合流して外気負荷空調機4に導く流路を設け、そこに室外空気と室内空気の取り込み量をそれぞれ調整する流量調整手段11、12を設ける。そして、室内負荷空調機2の負荷量を演算する手段と室外負荷空調機4の負荷量を演算する空調機運転特性評価手段45と設ける。さらに、外気取り入れ量は室内のCO濃度に応じて外気取り入れ量設定手段41で設定し、室内空気取り入れ量は室内負荷空調機2と室外負荷空調機4の負荷量と空調機の運転特性を基に最適な配分を設定するように制御する。これにより、室内の温熱環境を快適に保つとともに、換気を適正に行って室内環境を保全でき、トータルの消費エネルギーを低減できる空調システムを提供することができる。
次に本発明の空調システムの制御システムの他の実施例を、図4を用いて説明する。図2と異なる点はビル管理システム31を設け、さらに、CO2濃度評価手段30の代わりに室内人数推定評価手段32を設けた点である。ビル管理システム31には、入退室管理情報やパソコン等の稼動情報が含まれている。これらの情報を基に室内人数推定評価手段32は空調室内の在席人数を推定評価し、空調システム制御装置40の外気取り入れ量設定手段41に在席人数の情報信号を送出する。外気取り入れ量設定手段は41は、在席人数の情報を基に外気取り入れ量を設定し、この設定値に基づいて外気取り入れ量調整用VAV11を制御する。
本実施例においては、CO濃度評価手段を用いず、ビル管理システムの情報を用いて室内の在席人数を推定し、外気取り入れ量を設定しているので、COセンサー等を設置する必要がなく、システムのコストを低減できるという利点がある。
次に本発明の空調システムの他の実施例を、図5を用いて説明する。図1と異なる点は、室内1に室内空気の排気口13を設け、排気された空気が外気負荷空調機4の室外機5の空気吸い込み口に導かれるように、排気流路14を設置した点である。その他の構成は図1の実施例と同様である。
本実施例においては、夏期の冷房運転においては室内で冷やされた空気が室外負荷空調機用室外機5の冷却に用いられる。このため、温度の高い室外空気で冷却するよりも室外負荷空調機4の効率が高くなる。さらに、冬季の暖房運転においては室内で暖められた空気が室外機の加熱に用いられるので、温度の低い室外空気で加熱するよりも室外負荷空調機4の効率が高くなる。このため、より省エネルギー運転できるという利点がある。本実施例では室内からの排気を、室外負荷空調機用室外機5の空気吸い込み口に導いているが、室内負荷空調機用室外機3の空気吸い込み口に導いても良く、その両方に導いても同様の効果がある。
次に本発明の空調システムの他の実施例を、図6を用いて説明する。図1と異なる点は、室内負荷空調機2及び室外負荷空調機4はともに、室内負荷空調機用室外機15と冷媒配管で接続されて冷凍サイクルを構成した点である。その他の構成は図1の実施例と同様である。
本実施例においては、室内負荷空調機と室外負荷空調機とを共に1つの室外機と冷媒配管で接続して、冷凍サイクルを構成したのでシステムが簡単になり、コスト低減できる利点がある。また、1つのサイクルに構成されている各空調機については、各空調機の冷媒配管に設置された冷媒絞り弁(図示せず)を調整することにより、空調機間の負荷配分を変更し、サイクル内の抵抗や無駄な流れが減少し、図1の実施例の場合と同様に省エネルギーを図ることができる。
本発明の空調システムの一実施例 本発明の空調システムの制御システムの一実施例 空調機の運転特性 本発明の空調システムの制御システムの他の実施例 本発明の空調システムの他の実施例 本発明の空調システムの他の実施例
符号の説明
1‥室内、2‥室内負荷空調機、3‥室内負荷空調機の室外機、4‥外気負荷空調機、5‥外気負荷空調機の室外機、6‥外気取り入れ口、7‥内気取り入れ口、8‥給気口、9‥給気流路、10‥吸気流路、11‥外気取り入れ量調整用VAV、12‥内気取り入れ量調整用VAV、13‥排気口、14、排気流路、15‥室外機、30‥CO濃度評価手段、31‥ビル管理システム、32‥室内人数推定評価手段、40‥空調システム制御装置、41‥外気取り入れ量設定手段、42‥室内負荷空調機の負荷量演算手段、43‥外気負荷空調機の負荷量演算手段、45‥空調気運転特性評価手段、46‥空調機負荷配分設定手段。

Claims (9)

  1. 室内の空調負荷を処理する室内負荷空調機と、室外からの空気を取り入れる吸い込み側流路と前記吸い込み側流路中に取り入れた空気の負荷を処理する外気負荷空調機を備え、室内空気を前記外気負荷空調機の吸込み側流路に導く流路を設け、室外空気の取り入れ量を調整する流量調整手段と室内空気の取り入れ量を調整する流量調整手段をそれぞれ設けたことを特徴とする空調システム。
  2. 請求項1に記載の空調システムにおいて、
    室内の人数あるいは室内空気の炭酸ガス等の濃度レベルに応じて室外からの空気取り入れ量を制御し、室内負荷空調機の負荷量と外気負荷空調機の負荷量に応じて、外気負荷空調機の能力を制御することを特徴とする空調システム。
  3. 請求項1に記載の空調システムにおいて、
    前記室外空気の取り入れ量を調整する流量調整手段により室内の人数あるいは室内空気の炭酸ガス等の濃度レベルに応じて外気取り入れ空気量を制御し、室内負荷空調機の負荷量と外気負荷空調機の負荷量に応じて、室内空気の取り入れ量を調整する流量調整手段により室内空気流量を制御することを特徴とする空調システム。
  4. 請求項1に記載の空調システムにおいて、
    室内の人数あるいは室内空気の炭酸ガス等の濃度レベルに応じて外気取り入れ空気量を制御し、室内負荷空調機の負荷量と定格能力との比率、及び外気負荷空調機の負荷量と定格能力との比率が等しくなるように、外気負荷空調機への室内空気流量を制御することを特徴とする空調システム。
  5. 請求項1に記載の空調システムにおいて、
    室内の人数あるいは室内空気の炭酸ガス等の濃度レベルに応じて外気取り入れ空気量を制御し、室内負荷空調機の負荷量と、外気負荷空調機の負荷量を評価する手段を備えるとともに、室内負荷空調機及び外気負荷空調機の運転特性を模擬できる空調機運転特性評価手段を持ち、空調機運転特性評価手段の評価結果を基に、室内負荷空調機と外気負荷空調機の負荷配分を最適に設定する空調機負荷配分設定手段を持つ制御装置を備えたことを特徴とする空調システム。
  6. 請求項5に記載の空調システムにおいて、
    室内負荷空調機と外気負荷空調機の負荷配分を、室外負荷空調機への室内空気の取り入れ量を調整することにより制御することを特徴とする空調システム。
  7. 請求項5又は6に記載の空調システムにおいて、
    室内負荷空調機の吸い込み温度、湿度と吹き出し温度、風量の各評価手段を備え、前記評価手段からの信号を基に室内負荷空調機の負荷量を演算する室内負荷空調機の負荷量演算手段を備え、外気負荷空調機の吸い込み温度、湿度と吹き出し温度、風量の各評価手段を持ち、これらの評価手段からの信号を基に外気負荷空調機の負荷量を演算する外気負荷空調機の負荷量演算手段を備えたことを特徴とする空調システム。
  8. 請求項2乃至6のいづれか1項に記載の空調システムにおいて、
    パソコンの稼動情報、あるいは入退室管理情報等のビル管理システムからの情報に基づいて室内の在席人数を推定する室内人数推定評価手段を備え、その推定結果に基づいて外気取り入れ空気量を制御する制御装置を備えたことを特徴とする空調システム。
  9. 請求項1乃至7のいづれか1項に記載の空調システムにおいて、
    室内からの排気空気を室内負荷空調機あるいは外気負荷処理用空調機の室外機の冷却空気吸込み口に導く流路を設けたことを特徴とする空調システムおよび空調システム。
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