JP6449009B2 - 空調システム - Google Patents
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Description
外気冷房には大きく分けて二種類あり、外気をサーバ室に直接導入する方式と、外気の熱を冷却塔で冷水に変換して間接的に利用する方式がある。これらに空気熱源式のパッケージ型空調機による方式も加え、比較検討が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
この他にも、データセンタの外気冷房に関する研究は幾つかあるが、直接外気冷房方式と間接外気冷房方式とを同じ室内条件で比較した例はほとんどない。さらに、負荷の一部しか処理できない外気条件でも、冷凍機と同時運転することで外気エネルギーをできるだけ利用するよう、検討した例も少ない。
また、特許文献2では、フリークーリングで予冷する技術がないため、室外ユニットで冷却コイルを冷却しなければならず、省エネルギーを図ることができない。
また、特許文献3では、フリークーリングで予冷する技術がないため、省エネルギーを図ることができない。また、特許文献3では、夏季の夜等、外気の温湿度が低下したときに外気をそのまま取り入れるため、外気の温湿度に応じて直接型外気冷房と間接型外気冷房とに切り替えることができない。
また、特許文献5では、高温の冷水をドライコイルに供給する高温冷水槽と、低温の冷水を供給する低温冷水槽とを必要とするため、部品点数が多くなるという問題がある。しかも、冷水を高温冷水槽と低温冷水槽とに溜めるため、操作が煩雑になるという問題がある。
請求項4に係る発明は、請求項1記載の空調システムにおいて、前記制御装置は、外気の相対湿度が所定の相対湿度以上のときには前記直接外気冷房運転を選択し、外気の相対湿度が所定の相対湿度未満のときには前記間接外気冷房運転を選択することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5記載の空調システムにおいて、 前記制御装置は、前記等エンタルピ線h13を境に、前記直接外気冷房運転と前記混合外気冷房運転とに切り替え、前記等エンタルピ線h23を境に、前記間接外気冷房運転と前記混合外気冷房運転とに切り替えることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7記載の空調システムにおいて、前記制御装置は、前記等エンタルピ線h34(>h23、h13)を境に、前記混合外気冷房運転と前記冷凍機単独運転とに切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、中間期において、直接外気冷房運転と間接外気冷房運転との混合運転を行うことで、冷凍機廻りの機器を停止することができるので、省エネルギーとなると共にデータセンタにおける外気冷房の高効率化を図ることが可能となる。
本発明によれば、従来から省エネルギー機器として広く採用されている高効率インバータターボ冷凍機による水熱源システムを比較した場合、混合外気冷房運転では80%〜90%の消費電力になることが確認できた。
本発明によれば、間接外気冷房運転及び直接外気冷房運転と間接外気冷房運転との混合運転では、密閉式の冷却塔を2台直列にすることで、冷却塔の冷却能力が向上し、フリークーリング期間が延び省エネルギーになる。加えて、外気冷房専用の冷却塔の冷却水を外気冷房運転、冷凍機運転兼用の冷却塔に送水するためのポンプが不要になる。更に、冷却塔を外気冷房運転、冷凍機運転兼用にすることで、冷却塔の個数が削減できる。
(第一実施形態)
図1は、本発明に係る空調システム1の第一実施形態を示す概要図である。
本実施形態に係る空調システム1は、データセンタ10に適用した場合について説明する。
床下空間15と天井空間18とは、機械室20に配置した空調機21に繋がっている。空調対象空間11から排出される排熱を帯びた還気RAは、空調機21が内蔵するファン22により、天井16に設けた複数の還気口17を介して天井空間18内に吸引される。排熱を帯びた還気RAは、天井空間18から空調機21に吸い込まれ、その後に空調機21の冷却コイル23によって冷却される。
空調機21は、冷却コイル23とファン22とを内蔵する混合室21aを備えている。空調機21の混合室21aには、天井空間18から還気RAを取り込む吸入口24と、外気OAを取り込む外気取込口25とが繋がっている。吸入口24には、フィルタ26が設けられており、吸入口24は、取り込んだ還気RAを、モータダンパ27が設けられた空調機21の還気導入室28内に流入させる。外気取込口25には、外気ガラリ29とモータダンパ30とフィルタ31とが設けられている。外気取込口25は、天井空間18に連なる機械室20に設けられており、空調機21のファン22によって、空調機21の混合室21a内に外気OAを吸引する。
機械室20において、加湿が乗り易い高温の還気側には、気化式加湿器32と排気ファン33とが設けられている。気化式加湿器32は、室内湿度条件を満たすよう運転される。気化式加湿器32は、ファン32aを内蔵し、天井空間18内に設けた温湿度計19bの計測結果に基づいて還気に加湿し、加湿した空気を機械室20内に排出する。気化式加湿器32の加湿能力は、気化式加湿器32の飽和効率とファン32aの能力、及び室内湿度条件から求められる。
空調機21の冷水コイル23は、冷水循環路40に接続されている。
冷水循環路40は、冷水コイル23に冷水を供給する冷水往き路41と、冷水コイル23で暖められた冷水を冷水往き路41に戻す冷水還り路43とを備えている。冷水往き路41には、冷水二次ポンプ42が設けられている。
また、冷水循環路40には、冷水往き路51と冷水還り路52とを介して冷凍機49が接続されている。冷水往き路51には、冷水一次ポンプ50が設けられている。
冷凍機49は、冷却水往き路54と冷却水還り路57とを介して外気冷房運転、冷凍機運転兼用の密閉式冷却塔55に接続されている。冷却水往き路54には冷却水ポンプ53が設けられており、冷却水還り路57には第四切替弁56が設けられている。
冷却水往き路54には、外気冷房専用の密閉式冷却塔44の冷水還り路48から分岐する冷水往きバイパス路58が接続されている。冷水往きバイパス路58は、第一切替弁47よりも冷水還り路48の上流側から分岐しており、冷水往きバイパス路58の途中には、第二切替弁59が設けられている。
冷却水還り路57には、外気冷房専用の密閉式冷却塔44の冷水還り路48から分岐する冷水還りバイパス路60が接続されている。冷水還りバイパス路60は、第一切替弁47よりも冷水還り路48の下流側から分岐し、冷却水還り路57の第四切替弁56よりも冷却水還り路57の上流側に接続されている。
外気冷房専用の密閉式冷却塔44の冷水還り路48に設けられた第一切替弁47は、冷水還りバイパス路60に設けられた第三切替弁61が開の場合には閉となるように設定され、第三切替弁61が閉の場合には開となるように設定されている。
データセンタ10の監視室には、図3に示すように、温湿度計測部62で演算された絶対湿度に基づいて、運転モードの切り替えを行う外気冷房コントローラ(制御装置)63が設置されている。外気冷房コントローラ(制御装置)63は、図2に示すh−x線図に規定する運転モード切替マップMの情報を記憶するメモリ(ROM66)を備えている。そして、外気冷房コントローラ(制御装置)63は、運転モード切替マップM上に対応付けされた複数の運転モードのうち、演算された絶対湿度の条件に対応する運転モードを求める。なお、本実施形態では、運転モード切替マップMの情報を記憶するメモリとしてROM66を用いる場合について説明したが、随時書き換えることが可能なRAMを用いても良い。
運転モード1(直接)は、直接型外気冷房運転を表す。直接型外気冷房運転では、図5に示すように、冷水二次ポンプ42を停めて空調機21の冷水コイル23への冷水を停止し、外気OAを空調機21から空調対象空間11に導入する。運転モード1(直接)は、低エンタルピかつ高湿度の条件で運転される。
h13は、全負荷が直接外気冷房で処理できる場合の外気エンタルピ[kJ/kg(DA)]である。
全負荷が冷却可能な外気量 Vh[m3/h]は、次式(1)で求められる。
Vh=3600(Q+QAC+QF)/ρα△h ・・・(1)
ここに、
Vh :全負荷が冷却可能な外気量 [m3/h]
Q :空調機1台あたりのラック発熱負荷 [kW]
QAC:空調機電力 [kW]
QF :加湿器ファンと排気ファンの発熱負荷 [kW]
ρα:空気密度(1.2) [kg/m3]
△h:室内外等エンタルピ線差 [kJ/kg(DA)]
そのときの△h=hRA−h13(hRA:室内等エンタルピ線[kJ/kg(DA)])とおくと、
式(1)は、下式(1’)になる。
h13=hRA−3600(Q+QAC+QF)/ραVEF ・・・(1’)
本実施形態では、(Q+QAC+QF)=60kW、VEF=8,000m3/h、hRA=49.8kJ/kg’のとき、h13=27.3kJ/kg’となる。
冷却塔の特性、冷却水入口温度(19℃)、冷却水流量(2,000L/min)、冷却水温度設定値(12℃))より、湿球温度を変化させた場合の冷却塔出口温度を計算し、図22のようなグラフを得る。
図22から、冷却塔2台直列のときの、出口温度12℃となる湿球温度は8.4℃と読み取れる。
空気線図より湿球温度8.4℃のとき、エンタルピは26kJ/kg(DA)と読み取れる。これをh23とする。
厳密には、運転モード3(混合)と運転モード4(冷凍機単独)との電力比較をして決定すべきであるが、下記の手順で判定することにより、ほぼ電力上有利な方を選択できる。
先ず、間接外気冷房を100%運転するときの間接冷却量を計算する。
次に、残りの負荷(負荷−間接冷却量)を直接外気冷房で処理する。
次に、必要外気量が排気ファン33の能力を超えたり、必要加湿量が気化式加湿器32の能力を超える場合は、運転モード4(冷凍機単独)に変更する。
以上より、運転モードの計算結果を図13のように作成し、運転モード3(混合)と運転モード4(冷凍機単独)との境界エンタルピを読み取り、h34とする。
室内設定温度を入力する。例えば、乾球温度27℃、相対湿度40%のとき、x34=0.089kg/kg’である。運転モード3(混合)が外気OAを取り入れる方式であるため、外気OAの絶対湿度xOAが給気SAや還気RAの設定絶対湿度(0.00888kg/kg’)を超えると、給気SAや還気RAの絶対湿度も給気SAや還気RAの設定絶対湿度を超えてしまう。よって、給気SAや還気RAの設定絶対湿度を運転モード3(混合)と運転モード4(冷凍機単独)との境界絶対湿度x34とする。
電力が間接外気冷房=直接外気冷房のときの温度、図13から読み取って計算する。図13は、計算ツールとして国土交通省官庁営繕部監修のLCEMツールVer.3.03を用い、外気条件として拡張アメダス設計用気象データ(t[℃],x[kg/kg’])(東京における1時間ごとの標準年データ)を用いて各運転モード1〜4の消費電力を計算し、各設計用気象データにおいて最も消費電力が小さい運転モードをプロットした結果を示すものである。例えば、乾球温度4℃、絶対湿度0.0032kg/kg’、乾球温度14℃、絶対湿度0.005kg/kg’の場合、東京では、x=0.00018t+0.00248である。
モード2(間接)出力部72は、冷却塔冷水ポンプ45、外気冷房専用の密閉式冷却塔44、外気冷房運転、冷凍機運転兼用の密閉式冷却塔55、第一切替弁47、第二切替弁59、第三切替弁61及び冷水二次ポンプ42の発停を行う信号を出力する。
モード4(冷凍機単独)出力部74は、冷凍機49、冷水一次ポンプ50、冷却水ポンプ53、冷却塔冷水ポンプ45、外気冷房専用の密閉式冷却塔44、外気冷房運転、冷凍機運転兼用の密閉式冷却塔55、第一切替弁47、第二切替弁59、第三切替弁61及び冷水二次ポンプ42の発停を行う信号を出力する。
本実施形態に係る空調システム1が始動すると、制御装置63は、図4に示すフロー図に基づいて以下のように運転する。
先ず、制御装置63は、温湿度計測部62から入力される外気温度tOA(乾球温度[℃])及び外気湿度xOA(絶対湿度[kg/kg’])を外気比エンタルピ算出部68で演算処理する。制御装置63は、ステップS1で読み込まれた外気エンタルピhOAが、ステップS2において、エンタルピh13と同等又はエンタルピh13より低く、かつ温湿度計測部62から入力される外気の絶対湿度xOAが、温度判定式x12(t)=at+bに外気の乾球温度tOAを代入した値x12(tOA)=atOA+bと同等又はx12(tOA)=atOA+bより高い(hOA≦h13,xOA≧x12(tOA))と判定する(ステップS2のYes)と、モード1(直接)を選択する(ステップS1〜S3)。
運転モード1(直接)は、図4のステップS2において、空調対象空間11内の等エンタルピ線25kJ/kg(DA)に比べて外気OAの等エンタルピ線が低く、外気OAの絶対湿度が0.00248kg/kg’(DA)〜0.00500kg/kg’(DA)より低いと判定された場合に運転される。
制御装置63のモード2(間接)出力部72は、直接外気冷房機器に対して運転信号を出力する。空調システム1は、モード2(間接)出力部72からの指令に基づいて、モータダンパ30は閉じて外気OAの導入を停止し、気化式加湿器32及び排気ファン33を停止させる。
なお、運転モード2(間接)では、空調システム1は、制御装置63からの指令に基づいて、冷水一次ポンプ50を停止、冷凍機49を停止、冷却水ポンプ53を停止、第四切替弁56を閉とする。
制御装置63のモード3(混合)出力部73は、混合外気冷房機器に対して運転信号を出力する。空調システム1は、モード3(混合)出力部73からの指令に基づいて、モータダンパ30を開いて外気OAの導入を行い、気化式加湿器32及び排気ファン33を運転させる。
なお、運転モード2(間接)では、空調システム1は、制御装置63からの指令に基づいて、冷水一次ポンプ50を停止、冷凍機49を停止、冷却水ポンプ53を停止、第四切替弁56を閉とする。
制御装置63のモード4(冷凍機単独)出力部74は、冷凍機廻りの機器に対して運転信号を出力する。空調システム1は、モード4(冷凍機単独)出力部74からの指令に基づいて、モータダンパ30を閉じて外気OAの導入を停止し、気化式加湿器32及び排気ファン33を停止させる。
同時に、空調システム1は、冷水一次ポンプ50を運転し、冷凍機49を運転することで冷水循環路40の冷水還り路43の冷水を冷却した後、冷水循環路40の往き路41に供給し、冷水二次ポンプ42を運転して空調機21の冷水コイル23へ冷水を供給し、ファン22によって還気RAを吸引し、還気RAを冷却する。
以上のように、本実施形態によれば、直接外気冷房機器(排気ファン、気化式加湿器)と間接外気冷房機器(外気冷房専用冷却塔,冷却塔冷水ポンプ)を設置したので、外気条件に応じて運転モード1〜4の何れかにを切り替えることができる。
先ず、図4のステップS2及びステップ4における運転モード1(直接)と運転モード2(間接)との判別について説明する。
よって、低湿度の場合は、冷却塔を通した外気との熱交換により間接的に冷却する間接外気冷房に切り替え、高湿度の場合は、外気を取り入れると共に気化式加湿器32により直接的に冷却する直接外気冷房に切り替えることで、全体として省エネルギーを図ることができる。
また、外気OAの相対湿度RHが60%未満のとき低湿度と判別して間接外気冷房に切り替え、外気OAの相対湿度RHが60%以上のとき高湿度と判別して直接外気冷房に切り替えても良い。
図12は、直接外気冷房と間接外気冷房とのシステム電力(消費電力)が記載されている。図中、○点で表される直接外気冷房(相対湿度RH>70%)が、点線で表される間接外気冷房の下側に散在し、△点で表される直接外気冷房(相対湿度RH<40%)が、点線で表される間接外気冷房の上側に散在している。また、点線で表される間接外気冷房によって◇点で表される直接外気冷房(相対湿度RH40〜70%)が上下に分断されている。
直接外気冷房と間接外気冷房の境界に直線を引くことでx12(t)=at+bが読み取れる。
図13から、4℃(乾球温度)のときの絶対湿度は、0.0032kg/kg’、14℃のときの絶対湿度は、0.005kg/kg’であるから、x12(t)=0.00018t+0.00248となり、判定式の勾配aは0.00018、切片bは0.00248と求められる。すなわち、LCEMツールVer.3.03を用いて各設計用気象データにおける各運転モード1〜4の消費電力を比較し、消費電力が一番小さい運転モードをプロットした図13より、直接外気冷房と間接外気冷房の境界に直線を引いたり、直接外気冷房と間接外気冷房の境界に位置する点(t,x)を2つとり、それら点を結ぶ直線を引くことでx12(t)=at+bが読み取れる。
システム構成は、図1に示されている通りである。
(空調機21+排気ファン33+気化式加湿器32)に要する電力と、(冷却塔冷水ポンプ45+冷却塔(外気冷房専用)44+冷却塔(外気冷房運転、冷凍機運転兼用)55+冷水二次ポンプ42+空調機21)に要する電力とのどちらが大きいかによるが、冷水二次ポンプ42、冷却塔(外気冷房専用)44、冷却塔冷水ポンプ45、冷凍機49,冷却塔(外気冷房運転、冷凍機運転兼用)55、冷却水ポンプ53のいずれも機器固有の特性値が影響する。空調機21は、外気を導入することで生じる圧損を含める。
式中、Cは定数、f,gは関数、WB=g(DB、x)、
C21は、空調機21の定数
C21’は、外気を導入することで生じる圧損を含める空調機21の定数
C45は、冷却塔冷水ポンプ45の定数
C42は、冷水二次ポンプ42の定数
f33は、排気ファン33の関数
f32は、気化式加湿器の関数
f44は、冷却塔(外気冷房専用)44の関数
f55は、冷却塔(外気冷房運転、冷凍機運転兼用)55の関数
C45、C50、C53、C42は、主に、圧力、流量、流体密度、効率の関数であるが、効率は機器によって定まり、圧力は揚程と流量によって定まり、本実施形態では冷却水ポンプ53の流量は、定格(3803L/min)から電力が最小になる所定の流量(2662L/min)に低減され、冷水一次・二次ポンプ50、42の流量は、定格(3218L/min)から冷水往き路41と冷水還り路43の温度差が約7℃になる所定の流量(2000L/min)に低減され、基本的に外気条件に対して変更しないので、定数とする。
負荷が小さくなった場合は、流量を減らす運転を行うことはあるが、本実施形態では負荷はほぼ一定としているので、流量は一定としても給気温度が一定に保たれるため問題はない。実際のデーターセンタもラック発熱負荷が主であり負荷の変動は小さい。
負荷が小さくなった場合に流量を減らす運転を行うことはあるが、本実施形態では負荷をほぼ一定としているので、風量は一定としても給気温度が一定に保たれるしている。
C21の電力は、5.50kWである。C21’の電力は、6.42kWであり、C21の電力よりやや高めになる。これは、外気を導入することで生じる圧損の分だけ電力を消費するためである。
f32の気化式加湿器のファンの電力は、圧力、風量、空気密度、効率の関数であることは、C21と同様である。
運転モード1(直接)では、上述した式(1)により、外気量Vが外気等エンタルピ線hより求まる。
空調対象空間11の湿度を一定とするためには、外気量及び内外絶対湿度差Δxに比例して加湿量を確保する必要がある。気化式加湿器32の風量は加湿量の関数となるため、f32は絶対湿度と等エンタルピ線hの関数f32(h、x)となる。
f33の排気ファンの電力は、圧力、風量、空気密度、効率の関数であることは、f33と同様である。
しかしながら、外気条件により風量は変化するため、外気等エンタルピ線hの関数f33(h)となる。
運転モード1(直接)では、全負荷と排気冷房で冷却するため、風量VはVhとイコールとし、上述の式(1)より求めることができる。
風量が等エンタルピ線hの関数となるため、排気ファン33の電力もhの関数となる。Q、QAC、QF、ραはほぼ一定である。
C45は、運転モード2(間接)で冷却塔が、冷却塔(外気冷房専用)44と冷却塔(外気冷房運転、冷凍機運転兼用)55との2段と、冷却塔(外気冷房専用)44の1段と異なるため、圧力も異なる。
また、C42のポンプ電力は3.46kWである。
f44、f55は、主に、外気湿球温度WB、冷却水入口温度、冷却水流量、冷却水温度設定値、冷却塔特性値の関数である。本実施形態では、外気湿球温度WB以外は、ほぼ一定となるため、外気条件に対してWBの関数、f44(WB)、f55(WB)となる。
なお、湿球温度は、乾球温度tと絶対湿度xとの関数である。WB=g(t、x)となる。また、等エンタルピ線hは、ほぼ湿球温度WBの関数であるから、h=g’(WB)=g’(g(t、x))となる。
これらを式(2a)に外気条件(設計用気象データ)を入力し、この式(2a)をほぼ満たす点(t,x)を一次式で最小二乗フィッティングすることで傾きaや切片bを求めることができる。また、式(2a)のうちWB又はh及びxの関数であるf33(h)、f32(h、x)、f44(WB)、f55(WB)にh=g’(g(t、x))、WB=g(t、x)を代入してtとxの関数とし、その関数を一次式で近似すれば、傾きaや切片bを求めることができる。
低エンタルピ(h<h13)の場合は、直接外気冷房を選択し、中エンタルピ(h13<h<h34)の場合は、直接外気冷房と間接外気冷房を混合した混合外気冷房を選択することで、冷凍機廻り機器を長期間停止でき、冷凍機廻りの機器の電力を減らして省エネルギーを図ることができる。
全負荷が冷却可能な外気は、上述の式(1)で表される。
ここで、式(1)に、Vh(排気ファンの定格風量)=8,000m3/hを代入し、Q+QAC+QF(発熱負荷)=60,000Wを代入し、ρ。(空気密度)=1.2kg/m3を代入すると、△h(室内外等エンタルピ線差)=2 2.5kJ/kgとなる。RA(還気の温度=27℃、相対湿度=40%)の等エンタルピ線は50kJ/kgなので、OAの等エンタルピ線(=h13)は2 7.5(=50−22.5)kJ/kgとなる。このように、還気RAのエンタルピから、排気ファンの定格風量と発熱負荷に基づいて求められた室内外等エンタルピ線差を差し引くことで、運転モード1(直接)と運転モード3(混合)との境界上の等エンタルピ線h13を求めることができる。
低エンタルピ(h<h23)の場合は、間接外気冷房を選択し、中エンタルピ(h23<h<h34)の場合は、混合外気冷房を選択することで、冷凍機廻り機器を長期揚停止でき、冷凍機廻りの機器の電力を減らして省エネルギーを図ることができる。
間接外気冷房で冷水が12℃を超える場合、間接外気冷房でできるだけ負荷を処理し、残りの負荷を直接外気冷房で処理する。外気OAの等エンタルピ線が25kJ/kg(8℃WB)以上だと出口水温が12℃を超えてしまうので、h23は25kJ/kgとなる。
このように、冷却塔2台直列のときの、出口水温が12℃を超えない湿球温度、言い換えると、冷却水温度設定値を維持できる上限の湿球温度に対応するエンタルピを、運転モード2(間接)と運転モード3(混合)との境界上の等エンタルピ線h23として求めることができる。
一般的に、冷却塔のメーカーから冷却塔性能予想曲線が配布されており、冷却塔性能予想曲線は出口水温と湿球温度の関数になっていることから、この曲線を使って出口水温(12℃)から湿球温度を読み取ることでOAの等エンタルピ線を求めている。
運転モード3(混合)は、間接冷房による冷却分があるため、f32(h、x)≠f32’(h、x)である。
外気OAの絶対湿度がSA以上だと絶対湿度をSAに合わせられないので、外気OAの絶対湿度が給気SA以上のときは冷凍機単独冷房とする。
高エンタルピ(h>h34)の場合は、外気から取り入れることができるエンタルピが少なくなるので、冷凍機単独冷房を選択して作動機器を減らしたほうがむしろ省エネルギーになる。
h34は給気SAの湿球温度(15(℃WB))〜SAの湿球温度から1(〜2)WB低い温度(13〜14℃WB)の範囲内であればよい。
間接外気冷房の場合、図15に示すように、冷凍機単独運転(基準方式)と間接外気冷房と冷凍機との併用運転(冷凍機同時運転あり)における湿球温度とシステム電力の関係から、外気OAの湿球温度が15℃WBを超えると単独運転のほうが省エネルギーになることが読み取れる。
単独運転のとき使用する冷却塔は1つだが、併用運転のとき使用する冷却塔は2つである。図14をみても、8℃WB〜15℃WBの範囲において、単独運転に比べて併用運転のほうがグラフの傾きが2倍強になっている。よって、外気OAの湿球温度が15℃WBを超えると、冷却塔を2つ使用する併用運転のほうがシステム電力は大きくなってしまうと考えられる。
h34は、厳密には、運転モード3(混合)と運転モード4(冷凍機単独)との電力比較をして決定すべきであるが、下記の手順で判定することにより、ほぼ電力上有利な方を選択できる。
(2)残りの負荷(負荷−間接冷却量)を直接外気冷房で処理する。
(3)必要外気量が排気ファン33の能力を超えたり、必要加湿量が気化式加湿器32の能力を超える場合は、運転モード4(冷凍機単独)にする。
(4)以上より運転モードの計算結果を図13のように作成し、運転モード3(混合)と運転モード4(冷凍機単独)の境界エンタルピを読み取り、h34とする。
なお、図13は、混合外気冷房方式の運転状態を空気線図上に示したものである。約27kJ/kg以下の低い等エンタルピ線のときは、外気冷房の単独運転である。概ね相対湿度60%を境として、高湿度時は直接外気冷房、低湿度時は間接外気冷房となる。間接冷房の方が運転時間は長い。これ以外の条件では、室内絶対湿度より低く、かつ等エンタルピ線が約39kJ/kg以下のとき、混合外気冷房となっている。
この場合のh34は、LCEMツールの第14頁〜第15頁に記載の4.空気調和機における4.4空気調和機(気化式加湿器・蒸気加湿器・加湿なし)に基づいて求めた。
運転モード3(混合)と運転モード4(冷凍機単独)とが等しくなる点を下式(2b)により求める。
C45+f44(WB)+f55(WB)+C42+C21’+f32(h、x)+f33(h、x)=C50+f49(WB)+C53+f55’(WB)+C21+C42・・・(2b)
なお、図17は、基本方式と間接冷房方式と混合外気冷房方式との運転状態を空気線図上に消費電力を湿球温度との関係として示したものである。
図17によると、混合方式は基準方式や間接方式よりも消費電力が少ないことが分かる。
本実施形態では、データセンタ10における外気冷房の高効率化を追求するために、空調対象空間11に外気を導入して気化式加湿により水の蒸発熱も有効利用する直接型外気冷房(運転モード1(直接))、冷却塔を介して冷水として利用する間接型外気冷房(運転モード2(間接))、運転モード3(混合)及び運転モード4(冷凍機単独)の年間消費電力を計算した。
外気冷房のない水熱源システムを基準方式として設定し、その系統を図9に示す。図9において、80は還りヘッド、81は冷水一次ポンプ、82は冷凍機、83は冷却水ポンプ、84は冷却塔、85は往き一次ヘッダ、86は冷水二次ポンプ、87は往き二次ヘッダ、88はデータセンタ、89はデータセンタ室、90は空調機、91は二重床をそれぞれ示す。
基準方式と、直接方式(運転モード1(直接))、間接方式(運転モード2(間接))及び混合方式(運転モード3(混合))との共通の機器仕様を表2に示す。冷凍機の定格能力がまかなえるよう、冷却塔やポンプを選定した。機器は、基本的にLCEMツールのオブジェクトから選定した。ただし、ファンについては、メーカカタログから選定した仕様値を、オブジェクトシートに設定入力した。
なお、各方式の詳細な計算条件は後述するが、一覧として別途整理し、表3の基準方式(Case−A)、直接方式(Case−B1〜B3)、間接方式(Case−C1〜C3)、混合方式(Case−D)に示した。
表4に機器仕様を示す。外気冷房時における空調機の運転静圧は、外気フィルタ等の影響を考慮した。加湿能力は、表4の飽和効率と加湿器ファン能力、及び室内温湿度条件から求めた。排気ファン及び加湿器ファンは、変風量運転を行い、機器の保護目的で最小風量を表4の値に設定した。ファンの運転静圧は、運転風量と定格風量の比の二乗に定格静圧を掛けて求めた。表4に記載のない機器は、共通仕様(表2)と同一である。
図11の運転フローに示すように、直接外気冷房が可能となる条件は、室内に比べ外気の等エンタルピ線が低いとき、かつ、外気の絶対湿度が低いときとした(ステップS10)。なお、図11は、例えば、図3に示す制御装置63に基づいて運転されるフローを示している。
導入外気量の計算には、システム上の制約が幾つかある。先ず、次の3つから最小値を求め、外気量の一次算定値とする。そのうち1つは排気ファンの定格風量であり、残り2つは上述した(1)と次式(2)に示すが、全負荷が冷却可能な量(過冷却防止の最大量)と、調湿が可能な量(乾燥防止の最大量)である(ステップS11)。
ここに、
Vx :調湿可能な最大外気量 [m3/h]
M0 :加湿能力 [kg/h]
△x:室内外絶対湿度差 [kg/kg(DA)]
ここに、
VTR :冷凍機最小負荷運転時の外気量 [m3/h]
QCP :冷水一次・二次ポンプ電力 [kW]
Qmin :冷凍機最小負荷(定格能力の20%) [kW]
N :ファン類数 [台]
QF=QH0(ραV*△x/MO)3+qF ・・・(4)
ここに、
QH0 :加湿器ファン定格電力 [kW]
V* :外気量の二次算定値 [m3/h]
qF :最小風量時のファン発熱負荷 [kW]
冷凍機同時運転を行う場合には、次式(5)により空調機コイルの温度差を求め、LCEMツールでの電力計算に値を返した。冷水は定流量とした。
ここに、
△t :空調機コイル入口出口温度差 [℃]
c :水の比熱(4.186) [kJ/(kg・K)]
ρw :水の密度(1.0) [kg/L]
W :空調機1台あたり冷水流量 [L/min]
V :外気量の決定値 [m3/h]
図12に、直接外気冷房方式で冷凍機同時運転がある場合(Case−B2)の、湿球温度とシステム電力の関係を示す。図12の比較のために示した基準方式(Case−A)は、単調増加の関係にある。一方で直接方式では、湿球温度以外の影響もある。約9℃以下の低湿球温度時においては、電力が小さい集合と大きい集合に大別される。前者は冷凍機が停止できており、例えば湿球温度が5℃の場合、基準方式の約190kWに対して約130kWとなり、32%も低減される。後者では、室内湿度を確保するために外気量が制限され、冷凍機が部分負荷運転を行っており、約170kWの電力となり11%の低減である。約15℃以下の湿球温度時は、基準方式と比べて電力が概ね低減できている。この温度以上では、逆に電力増加が散見される。この理由は、外気冷房機器の電力消費に対し、冷凍機廻りの電力低減が充分でないためである。
先ず、計算条件と運転方法とについて説明する。
間接外気冷房の効率には、冷却塔の能力が大きく影響する。この点については参考文献で検討されており、本実施形態でも同様に事前計算した。各方式と共通で用いている冷却塔(表2)を1台〜4台と変化させた結果、3台の直列接続が最も省電力であったが、2台の場合でも大差はなかった。これに設置時の合理性も考慮に加えて、2台の直列接続をモデルに設定した。
表5に、冷却塔冷水ポンプの機器仕様を示す。この運転揚程は、外気冷房運転の単独時と併用時で冷却塔使用台数が異なるため、同表の値で区別した。その他の機器は、共通仕様(表2)と同一である。
図15に、間接方式のシステム電力への、湿球温度の影響を示す。約8℃以下の低湿球温度時は、外気冷房の単独運転(Case−C1〜3)により、基準方式(Case−A)と比べて大幅に電力が低減できる。この温度以上になると電力が急増するが、これは冷凍機廻りの機器を運転するためである。ここで、冷凍機の同時運転(Case−C2)により、基準方式よりも電力が少なくできる。ただし、湿球温度が約15℃で以上になると、逆に上回る。このことから、この湿球温度以上では冷凍機を単独運転し、運転条件の改善(Case一C3)を図った。
先ず、計算条件について説明する。
直接型と間接型を組合せた混合外気冷房方式とを検討する。この方式の優位性は、寒冷時に両者のうち有利な方を選択できること、中間期に両方式を同時運転することで冷凍機が停止できること、が挙げられる。
図7に、混合方式の系統を示す。直接外気冷房用として、空調機への外気導入ダクト、機械室に排気ファン、加湿器を設置する。間接外気冷房用として、冷却塔2台を直列に接続している。機器仕様は、前述の各方式で示したもの(表2〜表4)と同一とした。
混合方式の運転方法として、直接方式又は間接方式の単独で負荷処理できるときは、両者のうち電力が少ない方を選択する。次に、両者の併用により負荷処理できるときは、間接方式で出来るだけ冷水温度を下げ、残りを直接方式で処理した。これら以外のときは、冷凍機の単独運転を行う。直接方式と間接方式、及び冷凍機の3種併用は、電力が上って不利になることから、行わなかった。
図19は、外気条件に対する混合方式(Case−D)の運転状態を、空気線図上に示したものである。約27kg/kg以下の低い等エンタルピ線のときは、外気冷房の単独運転である。概ね相対湿度60%を境として、高湿度時は直接外気冷房、低湿度時に間接外気冷房となる。後者の方が運転時間は長い。これ以外の条件では、室内絶対湿度より低く、かつ等エンタルピ線が約39kJ/kg以下のとき、混合外気冷房となっている。
図21(c)の鹿児島では、基準方式(Case−A)の1,923MW・h/年(100%)に比べ、直接方式(Case−B3)と間接方式(Case−C3)が共に92%、混合方式(Case−D)が90%となる。他地域と比べると少ないが、外気冷房の効果は一定量ある。
以上のように、データセンタにおける外気冷房利用の向上を目的に、熱源から二次側空調機まで含めた各種システムの消費電力を、LCEMツールを用いて計算した。計算では、ラック発熱負荷840kWのモデル施設を対象とし、高効率ターボ冷凍機による水熱源システムを基準方式(外気冷房なし)とした。結果を以下にまとめる。
2)間接外気冷房方式について、冷却塔容量を定格の2倍とし、冷凍機への予冷も可能なシステムを設定した。東京での年間消費電力は、基準方式に対し、外気冷房と冷凍機の同時運転を行わない場合に89%となり、同時運転を行い条件改善した場合に88%と低減された。
4)他地域での年間消費電力は、基準方式に対する各外気冷房方式の比率が、札幌で80〜82%、大阪で87〜89%、鹿児島で90〜92%と差異がみられた。最小なのは各地域共に混合方式であるが、次いで小さいのは概ね間接方式であった。
以上より、各外気冷房方式の代表的な効率が把握できた。
本実施形態では、運転モード3(混合)に加えて運転モード3’(間接型と冷凍機との併用、以下、併用と称する)を追加した点で、第一実施形態とは相違する。
図23は、運転モード3’(併用)の制御フローを示す。
ステップS21〜S25、S28,S30は、図4のステップS1〜S8と同じであるから説明を省略する。
図25は、運転モード3’(併用)での運転状態を示す。
次に、図23〜図25に基づいて説明する。
制御装置63のモード3’(併用)出力部76は、併用外気冷房機器に対して運転信号を出力する。空調システム1は、モード3’(併用)出力部76からの指令に基づいて、モータダンパ30を閉じて外気OAの導入を停止し、気化式加湿器32及び排気ファン33を停止させる。
同時に、空調システム1は、冷却塔冷水ポンプ45を運転し、第一切替弁47を開、第二切替弁59を閉、第三切替弁61を閉にして、冷水循環路40の還り路42の冷水を外気冷房専用の密閉式冷却塔44で冷却した後、冷水循環路40の冷水往き路41へ供給する。
運転モード3’(間接型と冷凍機との併用)と運転モード4(冷凍機単独)との境界エンタルピh’34は、運転モード3’(間接型と冷凍機との併用)と運転モード4(冷凍機単独)との電力が等しくなる点を次式により求める。
C’45+f44(WB)+f55(WB)+C50+f’49(WB)+C53+C42+C21=C50+f49(WB)+C53+f’44(WB)+C21+C42
本実施形態では、運転モード1(直接)と運転モード2(間接)との境界を温度判定式x12=at+bに変えて相対湿度60%とした点で、第一実施形態及び第三実施形態と相違する。
第一実施形態及び第三実施形態では、電力が間接外気冷房=直接外気冷房のときの温度、湿度を計算して、温度判定式x12=at+bより求めていたが、本実施形態では、図19に示す空気線図上から運転モード1(直接)と運転モード2(間接)との境界を求めている。
10 データセンタ
11 空調対象空間
11a 給気風路
12 ラック
13 床
14 吹出口
15 床下空間
16 天井
17 還気口
18 天井空間
19a,19b 温湿度計
20 機械室
21 空調機
22 ファン
23 冷却コイル
24 吸入口
25 外気取込口
26 フィルタ
27,30 モータダンパ
32 気化式加湿器
33 排気ファン
34 排気バイパス
40 冷水循環路
41 冷水往き路
42 冷水二次ポンプ
43 冷水還り路
44 外気冷房専用の密閉式冷却塔
45 冷却塔冷水ポンプ
46 冷水往き路
47 第一切替弁
48 冷水還り路
49 冷凍機
50 冷水一次ポンプ
51 冷水往き路
52 冷水還り路
53 冷却水ポンプ
54 冷却水往き路
55 外気冷房運転、冷凍機運転兼用の密閉式冷却塔
56 第四切替弁
57 冷却水還り路
58 冷水往きバイパス路
59 第二切替弁
60 冷水還りバイパス路
61 第三切替弁
62 温湿度計測部
63 外気冷房コントローラ(制御装置)
64 CPU
65 運転モード算出部
66 ROM
67 外気温度、外気湿度入力部
68 外気比エンタルピh算出部
69 室内設定湿度入力部
70 h13、h23、x12、h34入力部
71 モード1(直接)出力部
72 モード2(間接)出力部
73 モード3(混合)出力部
74 モード4(冷凍機単独)出力部
M 運転モード切替マップ
Claims (8)
- 開閉自在なダンパを設け、外気を導入する外気通路と、
還気取入口を介し空調対象空間に連通する還気通路と、
前記外気通路及び前記還気通路に前記外気通路及び前記還気通路とは区画された混合部を介して連通すると共に、前記混合部に冷水コイルを設け給気風路を介して前記空調対象空間に連通する空調機と、
前記還気通路内の室内空気の一部又は全部を排気するための排気ファンと、
前記還気取入口からの還気を水により断熱加湿する気化式加湿器と、
冷水二次ポンプを設け、前記冷水コイルに冷水を供給する冷水循環路と、
冷却塔冷水ポンプを設けた冷水往き路と、第一切替弁を設けた冷水還り路とを介して前記冷水循環路に接続される密閉式の外気冷房専用冷却塔と、
冷水一次ポンプを設けた冷水導入路と、冷水導出路とを介して前記冷水循環路に接続される冷凍機と、
前記冷凍機に冷却水ポンプを設ける冷却水往き路と、前記第一切替弁の開閉と同期して開閉する第四切替弁を設ける冷却水還り路とを介して前記冷凍機に接続される密閉式の外気冷房運転、冷凍機運転兼用冷却塔と、
前記冷水還り路の第一切替弁より上流側で分岐すると共に前記第一切替弁の開閉とは逆開閉する第二切替弁を設け、前記冷却水ポンプより下流側で前記冷却水往き路に接続される冷水分岐往き路と、
前記冷水還り路の第一切替弁より下流側で分岐すると共に前記第一切替弁の開閉とは逆開閉する第三切替弁を設け、前記第四切替弁より上流側で前記冷却水還り路に接続される冷水分岐還り路と、
相対湿度を測定し、絶対湿度を演算する外気温湿度計と、
前記外気を前記外気通路を介して前記空調対象空間内に直接導入する直接外気冷房運転と、前記密閉式の外気冷房専用冷却塔と前記密閉式の外気冷房運転、冷凍機運転兼用冷却塔とを直列に連結し、前記外気を冷水に変換して間接的に利用する間接外気冷房運転と、前記直接外気冷房運転と前記間接外気冷房運転とを組み合わせた混合外気冷房運転と、前記冷凍機で生成した冷水を前記冷水コイルへ供給する冷凍機単独運転との何れかを前記外気温湿度計で求められる外気条件に応じて切替制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記直接外気冷房運転時に、前記ダンパを開放し、前記冷水コイルへの冷水の供給を停止し、
前記間接外気冷房運転時に、前記ダンパを閉止し、前記冷水コイルへ冷水を供給し、
前記混合外気冷房運転時に、前記ダンパを開放し、前記冷水コイルへ冷水を供給し、
前記冷凍機単独運転時に、前記ダンパを閉止し、前記冷水コイルへ冷水を供給し、
前記制御装置は、前記外気温湿度計で求められる外気条件に基づいて、複数の運転モードに切り替える条件をh−x線図を用いて規定する運転モード切替マップを格納しており、
前記運転モード切替マップは、
前記冷水二次ポンプを停めて前記冷水コイルへの冷水を停止し、外気を前記空調機から前記空調対象空間に導入する直接型外気冷房運転モードと、
前記冷水コイルに前記冷水循環路の冷水を供給し、前記空調機の外気導入を停止し、前記密閉式の外気冷房専用冷却塔と前記外気冷房運転、冷凍機運転兼用冷却塔とを前記冷水分岐往き路及び前記冷水分岐往き路を介して直列にして前記冷水循環路の冷水を冷却して前記冷水コイルに供給する間接型外気冷房運転モードと、
前記冷水コイルに前記冷水循環路の冷水を供給し、外気を前記空調機に導入し、前記密閉式の外気冷房専用冷却塔と前記外気冷房運転、冷凍機運転兼用冷却塔とを前記冷水分岐往き路及び前記冷水分岐往き路を介して直列にして前記冷水循環路の冷水を冷却して前記冷水コイルに供給する混合型外気冷房運転モードと、
前記冷水コイルに前記冷水循環路の冷水を供給し、前記空調機の外気導入を停止し、前記冷凍機の冷却水を前記外気冷房運転、冷凍機運転兼用冷却塔で冷却し、前記冷水循環路の冷水を前記冷凍機で生成して前記冷水コイルに供給する冷凍機単独運転モードと
を備え、
前記直接型外気冷房運転モードと前記混合型外気冷房運転モードとの境界は、等エンタルピ線h 13 によって規定され、
前記間接型外気冷房運転モードと前記混合型外気冷房運転モードとの境界は、等エンタルピ線h 23 によって規定され、
前記混合型外気冷房運転モードと前記冷凍機単独運転モードとの境界は、運転モード境界絶対湿度x 34 及び等エンタルピ線h 34 によって規定され、
前記直接型外気冷房運転モードと前記間接型外気冷房運転モードとの境界は、温度判定式x 12 (t OA )=at OA +b(ここで、t OA は前記外気温湿度計で求められる乾球温度)によって規定される
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項1記載の空調システムにおいて、
前記制御装置では、
前記外気温湿度計で求められる外気エンタルピh OA が、前記等エンタルピ線h 13 と同等又は前記等エンタルピ線h 13 より低く、かつ前記外気温湿度計で求められる絶対湿度x OA が、前記温度判定式x 12 (t OA )=at OA +bと同等又は前記温度判定式x 12 (t OA )=at OA +bより高いと判定すると、前記直接型外気冷房運転モードを選択し、
前記外気エンタルピh OA が、前記等エンタルピ線h 23 と同等又は前記等エンタルピ線h 23 より低く、かつ前記絶対湿度x OA が、前記温度判定式x 12 (t OA )=at OA +bより低いと判定すると、前記間接型外気冷房運転モードを選択し、
前記外気エンタルピh OA が、前記等エンタルピ線h 13 より高く、かつ前記絶対湿度x OA が、前記温度判定式x 12 (t OA )=at OA +bと同等又は前記温度判定式x=at+bより高く、前記外気エンタルピh OA が、前記等エンタルピ線h 23 より高く、かつ前記絶対湿度x OA が、前記温度判定式x 12 (t OA )=at OA +bより低く、前記外気エンタルピh OA が、前記等エンタルピ線h 34 と同等又は前記等エンタルピ線h 34 より低く、前記絶対湿度x OA が、前記絶対湿度x 34 と同等又は前記絶対湿度x 34 より低いと判定すると、前記混合型外気冷房運転モードを選択し、
前記外気温湿度計で求められる外気エンタルピh OA が、前記等エンタルピ線h 34 より高く、前記絶対湿度x OA が、前記絶対湿度x 34 より高いと判定すると、前記冷凍機単独運転モードを選択する
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項1記載の空調システムにおいて、
前記制御装置は、前記直接外気冷房運転又は前記間接外気冷房運転の何れか単独で負荷を処理できると判断すると、両者の消費電力が少ない方を選択する
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項1記載の空調システムにおいて、
前記制御装置は、外気の相対湿度が所定の相対湿度以上のときには前記直接外気冷房運転を選択し、外気の相対湿度が所定の相対湿度未満のときには前記間接外気冷房運転を選択する
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項1記載の空調システムにおいて、
前記制御装置は、前記直接外気冷房運転又は前記間接外気冷房運転の何れか単独で負荷を処理できないと判断すると、前記直接外気冷房運転と前記間接外気冷房運転とを混合した前記混合外気冷房運転を選択する
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項5記載の空調システムにおいて、
前記制御装置は、前記等エンタルピ線h 13 を境に、前記直接外気冷房運転と前記混合外気冷房運転とに切り替え、前記等エンタルピ線h 23 を境に、前記間接外気冷房運転と前記混合外気冷房運転とに切り替える
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項1記載の空調システムにおいて、
前記制御装置は、前記混合外気冷房運転又は前記冷凍機単独運転の何れか単独で負荷を処理できると判断すると、両者の消費電力が少ない方を選択する
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項7記載の空調システムにおいて、
前記制御装置は、前記等エンタルピ線h 34 (>h 23 、h 13 )を境に、前記混合外気冷房運転と前記冷凍機単独運転とに切り替える
ことを特徴とする空調システム。
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