JP2006144978A - 押圧ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】 伝達されるトルク容量を確保でき、かつ、ブロックに作用するモーメントが増加することを抑制することのできる押圧ベルトを提供する。
【解決手段】 環状のフープ17と、フープ17に円周方向に積層して取り付けられら複数のブロック18と、各ブロック18に形成され、かつ、プーリの溝形成面から各ブロック18同士を積層方向に押圧する力が伝達される接触領域23,24と、各ブロック18に形成され、各ブロック18同士が積層方向に相対回転する場合の支点となるエッジ部28とを有する押圧ベルトにおいて、接触領域23,24に、溝形成面の深さ方向と同じ方向に沿い、エッジ部28に近い第1の領域23A,24Aと、エッジ部28から遠い第2の領域23B,24Bとが形成されており、第1の領域23A,24Aの摩擦係数が、第2の領域23B,24Bの摩擦係数よりも大きく構成されている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、プーリ同士の間で、押圧力により動力伝達をおこなう構成の押圧ベルトに関するものである。
一般に、動力源の出力側に配置される無段変速機として、ベルト式無段変速機が知られており、そのベルト式無段変速機に用いられるVベルトの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたVベルトは、無終端の積層ベルトと、積層ベルトの周方向に相互に当接可能に連接して配置される多数のV形ブロックとを有している。このVベルトが2つのプーリに巻き掛けられ、V形ブロックの両端にプーリと接触する接触面が形成されている。また、接触面には、潤滑油を流通させる油溝が形成されている。さらに、V形ブロックには先細り形状の傾斜面およびロッキングエッジが形成されており、隣接するV形ブロックは、ロッキングエッジを基点として相対的に回転することにより、2つのプーリにVベルトが巻き掛け可能になっている。
そして、Vベルトがプーリに巻き掛けられた状態で、V形ブロックが直線部分からプーリに掛かると、接触面がプーリのディスク面に接触して、ディスク面同士の間で締め付けられて送られ、押圧力を生じる。また、プーリのディスク面と、V形ブロックの接触面との間に供給された潤滑油は、油溝により接触面の外方に放出される。また、特許文献1に記載されている無段変速機用Vベルトにおいては、V形ブロックの接触面に油溝が形成されているため、接触面とプーリのディスク面との単位面積あたりの接触圧力が高まる。その結果、ディスク面からV形ブロックの積層方向に伝達される押圧力が増加し、Vベルトのトルク容量が増加することとなっている。なお、無段変速機用Vベルトは、下記の非特許文献1にも記載されている。
特開2000−2301号公報 発明協会公開技報公技番号2001−4797号
ところで、無段変速機用Vベルトにおいて、プーリのディスク面に沿った方向では、ロッキングエッジと接触面の中心とが異なる位置に配置される構成となっている。このため、各プーリに巻き掛けられているVベルトが、そのプーリから離れる出口側においては、ブロック同士の間に生じる押圧力が変化して、V形ブロックを所定方向に回転する向きのモーメントが生じる。ここで、Vベルトの移動方向で所定位置にあるV形ブロックについて考慮した場合、所定位置のV形ブロックと、後方のV形ブロックとの間の押圧力と、移動方向の前方にあるV形ブロックと、所定位置のV形ブロックとの間の押圧力に差が生じて、所定位置のV形ブロックで上記のモーメントが生じるものと考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載された無段変速機用Vベルトにおいては、V形ブロックの接触面に油溝が形成されており、ディスク面からV形ブロックの積層方向に伝達される押圧力が増加する構成となっている。その結果、V形ブロックを回転させようとするモーメントが一層大きくなり、V形ブロックの接触面とプーリのディスク面との接触部分の摩耗が促進される恐れがあった。
この発明は上記事情を背景としてなされたものであり、伝達されるトルク容量を確保でき、かつ、ブロックに作用するモーメント力が増加することを抑制することのできる押圧ベルトを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、環状のフープと、このフープに円周方向に積層して取り付けられた複数のブロックと、各ブロックに形成され、かつ、プーリの溝形成面から各ブロック同士を積層方向に押圧する力が伝達される接触領域と、各ブロックに形成され、各ブロック同士が積層方向に相対回転する場合の支点となるエッジ部とを有する押圧ベルトにおいて、前記接触領域に、前記溝形成面の深さ方向と同じ方向に沿い、前記エッジ部に近い第1の領域と、前記エッジ部から遠い第2の領域とが形成されており、前記第1の領域の摩擦係数が前記第2の領域の摩擦係数よりも大きく構成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記第1の領域および前記第2の領域には、前記溝形成面に接触する接触面がそれぞれ設けられており、前記溝形成面の深さ方向の平面で、前記第1の領域に形成された接触面の面積をこの第1の領域の面積で除して求められる面積率を、前記第2の領域に形成された接触面の面積をこの第2の領域の面積で除して求められる面積率よりも小さく設定することにより、前記第1の領域の摩擦係数が前記第2の領域の摩擦係数よりも大きく構成されていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1の構成に加えて、前記第1の領域および前記第2の領域には各々溝が形成されており、前記第1の領域に形成される溝の数を、第2の領域に形成される溝の数よりも多くすることにより、前記第1の領域の摩擦係数が前記第2の領域の摩擦係数よりも大きく構成されていることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2の構成に加えて、前記第1の領域であって、前記第1の領域および前記第2の領域には各々溝が形成されており、前記第1の領域に形成される溝の数を、前記第2の領域に形成される溝の数よりも多くすることにより、前記第1の領域に形成された接触面の面積をこの第1の領域の面積で除して求められる面積率を、前記第2の領域に形成された接触面の面積をこの第2の領域の面積で除して求められる面積率よりも小さく設定する構成であることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、押圧ベルトが複数のプーリに巻き掛けられるとともに、駆動側のプーリからブロックの接触領域に動力が伝達されて、各ブロック同士を積層方向に押圧する力が生じ、その押圧力が各ブロックを経由して従動側のプーリに伝達されて、従動側のプーリを回転させる向きのトルクが生じる。ここで、各ブロックの第1の領域の摩擦係数が第2の領域の摩擦係数よりも大きく構成されているため、接触領域全体としての摩擦係数を大きくすることができ、押圧ベルトのトルク容量を増加することが可能である。
ところで、プーリ間での動力伝達時において、駆動側のプーリにおける巻き掛け領域の出口側では、押圧ベルトの前方であるほど、言い換えれば、非巻き掛け領域に近づくほど、ブロック同士の間で生じる押圧力が高まる。そして、押圧ベルトの移動方向において、所定位置にあるブロックと、所定位置の後方にあるブロックとの間の押圧力よりも、所定位置の前方にあるブロックと、所定位置のブロックとの間の押圧力の方が大きくなる。
これに対して、従動側のプーリにおける巻き掛け領域の出口側では、押圧ベルトの前方であるほど、言い換えれば、非巻き掛け領域に近づくほど、前記摩擦力およびブロック同士の間に生じる押圧力が低下する。そして、押圧ベルトの移動方向において、所定位置にあるブロックと、所定位置の後方にあるブロックとの間の押圧力の方が、所定位置の前方のブロックと、所定位置にあるブロックとの間の押圧力よりも大きくなる。
上記のような押圧力および反力は、各ブロック同士の接触部分であるエッジ部を経由して伝達される。そして、プーリとブロックとの接触面の中心点と、エッジ部とが位置ずれしているため、所定位置のブロックを所定方向に回転させようとするモーメントが生じる。これに対して、請求項1に係る発明では、溝形成面と接触面とにより形成される押圧力伝達面に沿った方向で、押圧力が作用する中心点から、エッジ部までの距離が可及的に短くなるため、所定位置にあるブロックに作用するモーメントの増加を抑制できる。したがって、ブロックの回転による接触領域の摩耗、およびプーリの摩耗を低減できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、第1の領域の摩擦係数を第2の領域の摩擦係数よりも確実に大きくすることができる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、第1の領域に形成される溝の数を、第2の領域に形成される溝の数よりも多くすることにより、第1の領域の摩擦係数を、第2の領域の摩擦係数よりも確実に大きく構成することができる。
請求項4の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、第1の領域に形成される溝の数を、第2の領域に形成される溝の数よりも多くすることにより、第1の領域における接触面の面積率を、第2の領域における接触面の面積率よりも確実に小さく設定することができる。
つぎに、この発明の押圧ベルトを有する無段変速機の実施例を図面に基づいて説明する。まず、図2および図3に示す無段変速機1は、例えば、車両の駆動力源(図示せず)から車輪(図示せず)に至る動力伝達経路に配置される。無段変速機1は、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3を有している。プライマリプーリ2は中心Q2を中心として回転可能に保持されている。このプライマリプーリ2は、プライマリシャフト4と一体回転し、プライマリシャフト4の軸線方向に移動不可能な固定シーブ5と、プライマリシャフト4と一体回転し、かつ、プライマリシャフト4の軸線方向に移動可能な可動シーブ6とを有している。固定シーブ5には円錐形状の傾斜面8が形成され、可動シーブ6には円錐形状の傾斜面7が形成されている。傾斜面7と傾斜面8との間に溝A1が形成されている。そして、プライマリプーリ2の内側であるほど、溝A1の幅が狭められる方向に、傾斜面7,8が傾斜している。さらに、可動シーブ6を軸線方向に動作させるアクチュエータ9が設けられている。
一方、セカンダリプーリ3は中心Q4を中心として回転可能に保持されている。このセカンダリプーリ3は、セカンダリシャフト10と一体回転し、セカンダリシャフト10の軸線方向に移動不可能な固定シーブ11と、セカンダリシャフト10と一体回転し、かつ、セカンダリシャフト10の軸線方向に移動可能な可動シーブ12とを有している。固定シーブ11には円錐形状の傾斜面13が形成され、可動シーブ12には円錐形状の傾斜面14が形成されている。傾斜面13と傾斜面14との間に溝A2が形成されている。そして、セカンダリプーリ3の内側であるほど、溝A2の幅が狭められる方向に、傾斜面13,14が傾斜している。さらに、可動シーブ12を軸線方向に動作させるアクチュエータ15が設けられている。上記のプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3に押圧ベルト16が巻き掛けられている。
押圧ベルト16は、図1および図4に示すように、環状のフープ17と、このフープ17の円周方向に取り付けられた多数のブロック(エレメント)18とを有している。環状のフープ17は、金属材料により構成された薄板19を内外に複数積層して構成されており、実施例では2個のフープ17が用いられている。全てのブロック18は金属材料により構成されており、ブロック18は、溝A1,A2の幅方向に配置される長尺状の基部20と、基部20に首部21を介在させて接続された押え部22とを有している。基部20であって、押圧ベルト16の幅方向における両端には、平面状の接触領域23,24が別個に形成されている。そして、押圧ベルト16がプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3に巻き掛けられた場合に、接触領域23は、傾斜面7または傾斜面13に見かけ上で接触可能な形状に構成され、接触面24は、傾斜面8または傾斜面14に見かけ上で接触可能な形状に構成されている。つまり、押圧ベルト16の内周側に進むほど、基部20の幅が狭められるように、接触領域23,24が傾斜している。なお、接触領域23,24により構成される角度は、傾斜面7,8により構成される角度、および傾斜面13,14により構成される角度とほぼ同じである。
さらに、接触領域23,24の具体的な構成を、図5に基づいて説明する。この図5においては、一方の接触領域24が示されている。接触領域24は、押圧ベルト16の厚さ方向に、上側領域24Aと下側領域24Bとに区分されている。接触領域24を含む平面D1に沿った方向で、上側領域24Aの方が下側領域24Bよりもロッキングエッジ28に近い位置に配置されている。また、平面D1に沿った方向で、上側領域24Aおよび下側領域24Bがほぼ同じ面積に構成されており、上側領域24Aおよび下側領域24Bには、共に溝(凹部)32が形成されている。そして、上側領域24Aおよび下側領域24Bであって、溝32以外の部分が、傾斜面8,14に実際に接触する接触部33である。
この実施例では、ブロック18の厚さ方向に沿って溝32が形成されている。より具体的には、上側領域24Aに形成された溝32の数の方が、下側領域24Bに形成された溝32の数よりも多く構成されている。したがって、平面D1に沿った方向で、接触部33の面積を、上側領域24Aの面積で除して求められる面積率は、接触部33の面積を、下側領域24Bで除して求められる面積率よりも小さい。なお、接触領域23は、接触領域24と左右対称であり、接触領域23にも、上側領域23Aおよび下側領域24B、溝32、接触部33が形成されている。この接触領域23における上側領域23A、下側領域24B、溝32、接触部33の構成および技術的意味は、接触領域24の場合と同じである。
さらに、ブロック18には厚さ方向、つまり、積層方向の表裏を形成する表面25および裏面26が形成されている。表面25は、押え部22および首部21および基部20の一部に亘って形成され、裏面26は、押え部22および首部21および基部20の全部に亘って形成されている。また、表面25と裏面26とは平行に構成されているとともに、表面25および裏面26は共に平坦に構成されている。さらに、基部20であって、ベルト16の内外周方向で、表面25よりも内側には、傾斜面27が形成されている。傾斜面27も平坦に構成されており、傾斜面27が表面25から離れるほど、ブロック18の厚さが薄くなる方向に、傾斜面27が傾斜している。そして、表面25と傾斜面27との境界部分にロッキングエッジ(角部)28が形成されている。このロッキングエッジ28は、基部20の幅方向に、かつ、略直線状に構成されている。
一方、前記基部20と押え部22との間には、ベルト16の幅方向の深さを有する凹部29が2箇所形成されている。そして、2箇所の凹部29にフープ17がそれぞれ配置されて、多数のブロック18が環状に積層される構成となっている。また、ブロック18の押え部22の表面25側には、ブロック18の積層方向に突出する突出部30が形成されている。さらに、ブロック18の押え部22の裏面26側には、ブロック18の積層方向の深さを有する凹部31が形成されている。そして、各ブロック18がフープ17に取り付けられ、かつ、積層された場合に、突出部30が凹部31に配置されて、円周方向で隣り合うブロック18同士の相対移動が規制されている。
ここで、無段変速機1の変速制御を説明する。まずプライマリプーリ2の可動シーブ6の軸線方向における位置が制御されて、溝A1の幅が調整されると、プライマリプーリ2における押圧ベルト16の巻き掛け半径と、セカンダリプーリ3における押圧ベルト16の巻き掛け半径との比が変化する。その結果、プライマリシャフト4とセカンダリシャフト10との間の回転速度の比、すなわち変速比が変化する。この変速制御に伴い溝A2の幅が調整されると、押圧ベルト16に作用する挟圧力が変化して、プライマリシャフト4とセカンダリシャフト10との間で伝達されるトルクの容量が制御される。
押圧ベルト16によるトルクの伝達原理を具体的に説明する。また、プライマリプーリ2に押圧ベルト16が接触して巻き掛け領域B1が形成され、セカンダリプーリ3に押圧ベルト16が接触して巻き掛け領域B2が形成される。さらに、巻き掛け領域B1と巻き掛け領域B2との間には、押圧ベルト16を構成するブロック18がプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3のいずれにも接触していない領域、つまり、非巻き掛け領域B3,B4が形成される。前記巻き掛け領域B1に位置するブロック18の接触領域23,24が傾斜面7,8に接触する。ここで、巻き掛け領域B1であって、ブロック18の移動方向における出口側B5においては、プライマリプーリ2のトルクおよびブロック18と傾斜面7,8との摩擦力に応じて、傾斜面7,8から、所定数のブロック18に対して積層方向の押圧力が伝達される。ここで、ブロック18の移動方向における前方であるほど、各ブロック18同士の間で生じる押圧力が高くなる。なお、ブロック18の移動方向で、出口側B5よりも上流にある上流側B6においては、ブロック18同士の間に押圧力は生じない。
このようにして、各ブロック18に厚さ方向に伝達された押圧力は、図2および図3のように、非巻き掛け領域B3に位置するブロック18に伝達される。ついで、各ブロック18がセカンダリプーリ3における巻き掛け領域B2に至ると、ブロック18の接触領域23,24と傾斜面13,14とが接触して、ブロック18の接触領域23,24と傾斜面13,14との摩擦力に応じて、ブロック18の積層方向の押圧力がセカンダリプーリ3に伝達されて、セカンダリプーリ3を回転させるトルクが生じる。より具体的には、接触面13,14と接触領域23,24とが接触して形成される押圧力伝達面を経由して、押圧力が伝達される。
なお、ブロック18の移動方向で、巻き掛け領域B2の出口側B7では、非巻き掛け領域B4に近づくほど、ブロック18同士の間で生じる押圧力が低下する。また、出口側B7よりも上流の上流側B8では、ブロック18同士の間に生じる押圧力は略一定である。上記の出口側B5,B7および上流側B8においては、後方に位置するブロック18のロッキングエッジ28が、前方に位置するブロック18の裏面26に接触して、押圧力が伝達される。
このようにして、押圧ベルト16が回転し、プライマリプーリ2とセカンダリプーリ3との間における動力伝達が継続される。そして、この実施例においては、上側領域23A,24Aにおける接触部33の面積率を小さくすることにより、接触領域23,24の全体としての摩擦係数を大きく維持することができる。したがって、押圧ベルト16におけるトルク容量を確保することが可能であるとともに、押圧ベルト16の内外周方向におけるブロック18の高さが増加することを抑制でき、無段変速機1の大型化を回避できる。
ところで、プライマリプーリ2における出口側B5では、各ブロック18の移動方向における前方(下流側)であるほど、言い換えれば、非巻き掛け領域B3に近づくほど、ブロック18同士の間に生じる押圧力が高まる。このため、押圧ベルト16の移動方向において、所定位置にあるブロック18と、所定位置よりも後方にあるブロック18との間の押圧力F1は、押圧ベルト16の移動方向において、所定位置の前方にあるブロック18と、所定位置にあるブロック18との間の押圧力F2よりも小さくなる。
一方、セカンダリプーリ3の出口側B7では、ブロック18の移動方向の前方であるほど、ブロック18同士の間に生じる押圧力が低下する。このため、ブロック18の移動方向において、所定位置にあるブロック18と、所定位置よりも後方にあるブロック18との間の押圧力F1は、押圧ベルト16の移動方向において、所定位置の前方にあるブロック18と、所定位置にあるブロック18との間の押圧力F2よりも大きくなる。
前述のように、プライマリプーリ2においては、傾斜面7,8に沿った方向で、ブロック18との接触面の中心点C1と、ロッキングエッジ28とが位置ずれしているため、前述した力の大小関係および力の向きにより、ブロック18が中心点C1を中心として、図1で反時計方向に回転しようとするモーメントが生じる。一方、セカンダリプーリ3においては、傾斜面13,14に沿った方向で、ブロック18との接触面の中心点C1と、ロッキングエッジ28とが位置ずれしているため、ブロック18が中心点C1を中心として、図1で時計方向に回転しようとするモーメントが生じる。
これに対して、この実施例においては、上側領域23A,24Aの全体に占める接触部33の割合である面積率が、下側領域23B,24Bの全体に占める接触部33の割合である面積率よりも小さく設定されている。このため、平面D1におけるベルト16の厚さ方向で、前記中心点C1とロッキングエッジ28とのオフセット量L1を、可及的に小さくすることが可能であり、ブロック18に作用するモーメントの増加を抑制できる。
より具体的に説明すると、プライマリプーリ2における出口側B5において、ブロック18が中心点C1を中心として図1で反時計方向に回転する現象、すなわち、ピッチング現象を抑制することができる。このため、プライマリプーリ2において、ブロック18の厚さ方向の中心線E1と、線分Q1とが不一致となることを回避できる。言い換えれば、中心線E1と線分Q1とが交差することを回避できる。ここで、線分Q1とは、プライマリプーリ2の中心Q2から放射状に延ばされた線分を意味する。また、セカンダリシャフト3における出口側B7において、ブロック18が中心点C1を中心として図1で時計方向に回転するピッチング現象を抑制することができる。このため、セカンダリシャフト3において、ブロック18の厚さ方向の中心線E1と、線分Q3とが不一致となることを回避できる。言い換えれば、中心線E1と線分Q3とが交差することを回避できる。線分Q3とは、セカンダリプーリ3の中心Q4から放射状に延ばされた線分を意味する。
したがって、「ブロック18が回転して、ブロック18と各プーリとの接触面が摩耗すること」を抑制できるとともに、「ブロック18が回転して、ブロック18と各プーリとの接触面積が狭められ、単位面積あたりの接触面圧が過剰に高圧となること」を抑制できる。このように、この実施例においては、押圧ベルト16のトルク容量の確保と、ブロック18の摩耗の防止とを両立することが可能である。
ここで、この実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3が、この発明のプーリに相当し、ロッキングエッジ28が、この発明におけるエッジ部に相当し、上側領域23A,24Aが、この発明の第1の領域に相当し、下側領域23B,24Bが、この発明の第2の領域に相当し、接触部33が、この発明の接触面に相当し、傾斜面7,8,13,14が、この発明の溝形成面に相当する。
この実施例においては、接触領域23,24に溝33を形成し、かつ、溝33の数を異ならせることにより、第1の領域23A,24Aの摩擦係数と、第2の領域23B,24Bの摩擦係数とを異ならせているが、溝とは異なる構成により、第1の領域の摩擦係数と、第2の領域の第2の摩擦係数とを異ならせることも可能である。例えば、金属材料をブロック18にコーティングして第1の領域および第2の領域を形成するとともに、第1の領域を形成するためにコーティングする金属材料と、第2の領域を形成するためにコーティングする金属材料とを異ならせるという構成を採用してもよい。さらには、第1の領域の表面粗さと、第2の領域の表面粗さとを異ならせてもよい。また、この実施例は、1本のフープの円周方向に、多数のブロックを積層して取り付ける構成の押圧ベルトにも適用可能である。
つぎに、押圧ベルト16の他の実施例を、図6に基づいて説明する。図6の実施例においては、断面台形状の突出部30の上辺の外径は、断面台形状の凹部31の上辺の外径よりも小さく構成され、突出部30の下辺の外径は、凹部31の下辺の外径よりも小さく構成されている。そして、突出部30の中心線R1と、凹部31の中心線R2とが、ベルト16の厚さ方向で異なる位置に配置されている。より具体的に説明すると、ブロック18が取り付けられたフープ17を略直線状に保持し、かつ、ブロック18の上端および下端の位置を整合した場合に、中心線R1の位置と中心線R2の位置とが異なる。
つまり、ベルト16の内外周方向で、中心線R1よりも中心線R2の方が内側に配置されている。このようにして、ベルト16の内外周方向で最も外周側に形成されるクリアランス量G1は、ベルト16の内外周方向で最も内周側に形成されるクリアランス量G2よりも小さく構成されている。クリアランス量とは、突出部30の外周面と、凹部31の内周面との間に形成されるクリアランスの量を意味する。
図6に示された押圧ベルト16の作用を説明する。プライマリプーリ2の出口側B5においては、プライマリプーリ2の傾斜面7,8とブロック18との接触面圧に応じて、ブロック18が円弧状の軌跡で移動する。このプライマリプーリ2の出口側B5においては、前述した原理により、ブロック18を図6で反時計方向に回転させようとするモーメントが生じる。
これに対して、図6の実施例においては、クリアランス量G1がクリアランス量G2よりも小さく構成されているため、突出部30の外周面が凹部31の内周面に接触する。このため、ブロック18が図6で時計方向に回転しようとした場合は、ブロック18の回転角度(ピッチング角度)の増加が抑制されて、ブロック18と傾斜面7,8との間で生じる摩擦力の増加が抑制される。特に、無段変速機1の変速比が大である場合、プライマリプーリ2におけるベルト16の巻き掛け周長が短くなり、かつ、トルク伝達に関与するブロック18の数が少なくなるため、ブロック18とプライマリプーリ2との接触面圧が増加する傾向にあるが、この実施例によれば、ブロック18およびプライマリプーリ2の摩耗が抑制される。なお、図6の構成において、図1ないし図5の構成と同じ構成については、図1ないし図5と同じ符号を付してある。なお、図1ないし図5の実施例と、図6の実施例とを組み合わせることも可能である。
この発明の押圧ベルトを構成するブロックの移動軌跡を示す側面図である。 この発明の押圧ベルトを有する無段変速機の概念的な平面図である。 この発明の押圧ベルトを有する無段変速機の概念的な側面図である。 この発明の押圧ベルトの幅方向における断面図である。 この発明の押圧ベルトを構成するブロックの部分的な正面図である。 この発明の押圧ベルトの他の構成を示す概念的な側面図である。
符号の説明
2…プライマリプーリ、 3…セカンダリプーリ、 7,8,13,14…溝形成面、 16…押圧ベルト、 17…フープ、 18…ブロック、 23,24…接触領域、 23A,24A…上側領域、 23B,24B…下側領域、 28…ロッキングエッジ、 32…溝、 33…接触部。

Claims (4)

  1. 環状のフープと、このフープに円周方向に積層して取り付けられた複数のブロックと、各ブロックに形成され、かつ、プーリの溝形成面から各ブロック同士を積層方向に押圧する力が伝達される接触領域と、各ブロックに形成され、各ブロック同士が積層方向に相対回転する場合の支点となるエッジ部とを有する押圧ベルトにおいて、
    前記接触領域に、前記溝形成面の深さ方向と同じ方向に沿い、前記エッジ部に近い第1の領域と、前記エッジ部から遠い第2の領域とが形成されており、前記第1の領域の摩擦係数が前記第2の領域の摩擦係数よりも大きく構成されていることを特徴とする押圧ベルト。
  2. 前記第1の領域および前記第2の領域には、前記溝形成面に接触する接触面がそれぞれ設けられており、前記溝形成面の深さ方向の平面で、前記第1の領域に形成された接触面の面積をこの第1の領域の面積で除して求められる面積率を、前記第2の領域に形成された接触面の面積をこの第2の領域の面積で除して求められる面積率よりも小さく設定することにより、前記第1の領域の摩擦係数が前記第2の領域の摩擦係数よりも大きく構成されていることを特徴とする請求項1に記載の押圧ベルト。
  3. 前記第1の領域および前記第2の領域には各々溝が形成されており、前記第1の領域に形成される溝の数を、第2の領域に形成される溝の数よりも多くすることにより、前記第1の領域の摩擦係数が前記第2の領域の摩擦係数よりも大きく構成されていることを特徴とする請求項1に記載の押圧ベルト。
  4. 前記第1の領域であって、前記第1の領域および前記第2の領域には各々溝が形成されており、前記第1の領域に形成される溝の数を、前記第2の領域に形成される溝の数よりも多くすることにより、前記第1の領域に形成された接触面の面積をこの第1の領域の面積で除して求められる面積率を、前記第2の領域に形成された接触面の面積をこの第2の領域の面積で除して求められる面積率よりも小さく設定する構成であることを特徴とする請求項2に記載の押圧ベルト。
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