JP4952230B2 - 動力伝達用無端ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、複数のエレメントが環状の帯状部材に支持され、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルトに関する。
複数のエレメントが環状の帯状部材に支持され、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルトにおいて、そのエレメントは、一対の可変プーリーから挟圧力を受ける本体部と、本体部にネック部を介して連結される頭部とを有している。このような構成のエレメントにおいて、頭部の一方の面(表面)側には、凸状のディンプルが形成され、他方の面(裏面)側で、かつディンプルと同じ位置には、凹状のホールが形成されている。
したがって、ベルト進行方向に隣接するエレメントは、互いにホールにディンプルが挿入可能な状態で走行する構成であり、これによって、ベルト進行方向に隣接するエレメント間の位置決めがなされるようになっている。なお、このようなディンプルとホールは、共に同形状とされ、かつ円形状とされることが多いが(例えば、特許文献1参照)、隣接するエレメント同士の相対回転を規制するために、ベルト幅方向とベルト進行方向の両方に直交する方向に長い楕円形状とされる場合もある(例えば、特許文献2参照)。
ところで、例えばベルトの回転径が小径とされた可変プーリーの入口(ベルト進行方向上流側)では、可変プーリーに噛み込まれるエレメントに、帯状部材との相対速度差により、ピッチング姿勢が後傾となる状態が発生し、先行エレメント後面(裏面)のホール内周上面部が、後続エレメント前面(表面)のディンプル外周上面部と接触する。このとき、前後エレメントのディンプルとホールに、ベルト幅方向の相対位置誤差があると、可変プーリーに噛み込まれるエレメントの荷重作用点が、ホール中心からベルト幅方向のどちらか一方に大きく偏るため、そこを支点としたヨーイング姿勢の悪化を引き起こし、ベルト動力伝達のトルク容量の低下や伝達効率の低下を招く。
特許文献1及び特許文献2に記載されているディンプルとホールは、共に同形状であり、後傾時の接触面(ディンプルの外周上面部とホールの内周上面部)が円弧面同士(ディンプルが凸状の円弧面、ホールが凹状の円弧面)となっているので、ベルト進行方向に隣接する前後エレメントのディンプルとホールに、僅かでもベルト幅方向の相対位置誤差があると、ディンプル外周上面部とホール内周上面部との接触位置が、ホール中心からベルト幅方向に大きくずれてしまい、ヨーイング姿勢の悪化を引き起こす。つまり、特許文献1及び特許文献2に記載されているエレメントは、ヨーイング姿勢の悪化を抑制する観点からは、有効な形状になっているとは言えない。
特開平2−225840号公報 特開平11−108122号公報
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、ベルト進行方向に隣接するエレメントに、ベルト幅方向の相対位置誤差があっても、エレメントのヨーイング姿勢の悪化を抑制でき、ベルト動力伝達のトルク容量の低下や伝達効率の低下を抑制できる動力伝達用無端ベルトを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の動力伝達用無端ベルトは、一方の面に凸部が形成され、他方の面に凹部が形成されるとともに、互いに前記凹部に前記凸部を挿入可能に対向させて並設された複数のエレメントと、該複数のエレメントを支持する環状の帯状部材と、を有し、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルトにおいて、前記凹部は、正面視で、各辺が内側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされるとともに各角が外側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされた略正方形状とされ、前記凸部は、正面視で、円形状、又は各角が外側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされた略正方形状とされていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ベルト進行方向に隣接するエレメントに、ベルト幅方向の相対位置誤差があっても、後傾時に、そのエレメントの荷重作用点が凹部の中心からずれ難くなるため、ヨーイング姿勢の悪化を抑制することができる。したがって、ベルト動力伝達のトルク容量の低下や伝達効率の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る請求項2に記載の動力伝達用無端ベルトは、一方の面に凸部が形成され、他方の面に凹部が形成されるとともに、互いに前記凹部に前記凸部を挿入可能に対向させて並設された複数のエレメントと、該複数のエレメントを支持する環状の帯状部材と、を有し、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルトにおいて、前記凹部は、正面視で、各辺が内側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされるとともに各角が外側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされた略正三角形状とされ、前記凸部は、正面視で、円形状、又は各角が外側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされた略正三角形状とされていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、ベルト進行方向に隣接するエレメントに、ベルト幅方向の相対位置誤差があっても、後傾時に、そのエレメントの荷重作用点が凹部の中心からずれ難くなるため、ヨーイング姿勢の悪化を抑制することができる。したがって、ベルト動力伝達のトルク容量の低下や伝達効率の低下を抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、ベルト進行方向に隣接するエレメントに、ベルト幅方向の相対位置誤差があっても、エレメントのヨーイング姿勢の悪化を抑制でき、ベルト動力伝達のトルク容量の低下や伝達効率の低下を抑制できる動力伝達用無端ベルトを提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。図1は車両用のベルト式無段変速機(以下「CVT」という)10における一対の可変プーリー(入力側可変プーリー20及び出力側可変プーリー30)の構成を示す概略正面図であり、図2はその一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルト(伝動ベルト40)の構成を示す概略斜視図である。なお、説明の便宜上、矢印UPを上方向、矢印DOを下方向、矢印LEを左方向、矢印RIを右方向、矢印FRを前方向、矢印REを後方向とする。
図1で示すように、このCVT10は、ハウジング(図示省略)により軸受(図示省略)を介して回転可能に支持された入力軸12と、その入力軸12に対して平行となるように、ハウジング(図示省略)により軸受(図示省略)を介して回転可能に支持された出力軸14と、入力軸12に支持された入力側可変プーリー20と、出力軸14に支持された出力側可変プーリー30と、入力側可変プーリー20及び出力側可変プーリー30に巻き掛けられた伝動ベルト40(動力伝達用無端ベルト)と、を備えている。
入力軸12は、図示しない原動機にトルクコンバーターなどを介して連結され、出力軸14は、図示しない駆動輪に減速機や差動歯車装置などを介して作動的に連結されている。そして、伝動ベルト40により、入力側可変プーリー20から出力側可変プーリー30へ回転動力が伝達されるようになっている。つまり、入力軸12が回転することにより入力側可変プーリー20が回転駆動され、伝動ベルト40を介して出力側可変プーリー30が回転駆動されることにより、出力軸14が回転するようになっている。
入力側可変プーリー20は、入力軸12に固定された円盤状の固定回転体である固定シーブ22と、この固定シーブ22に対向し、入力軸12に対して軸周りに相対回転不能で、かつ軸方向(左右方向)へ移動可能に設けられた円盤状の可動回転体である可動シーブ24と、その可動シーブ24に推力を付与するために、入力軸12に設けられた油圧アクチュエーター(図示省略)と、を備えている。
同様に、出力側可変プーリー30は、出力軸14に固定された円盤状の固定回転体である固定シーブ32と、この固定シーブ32に対向し、出力軸14に対して軸周りに相対回転不能で、かつ軸方向(左右方向)へ移動可能に設けられた円盤状の可動回転体である可動シーブ34と、その可動シーブ34に推力を付与するために、出力軸14に設けられた油圧アクチュエーター(図示省略)と、を備えている。
また、入力側可変プーリー20において、固定シーブ22と可動シーブ24の互いに対向する面は、回転中心(入力軸12)から径方向外側(外周縁部側)に向かうに従って両者の間隔が徐々に広がる円錐状のベルト摺動面26とされ、そのベルト摺動面26間で、伝動ベルト40を巻き掛けるV溝28が構成されている。
同様に、出力側可変プーリー30において、固定シーブ32と可動シーブ34の互いに対向する面は、回転中心(出力軸14)から径方向外側(外周縁部側)に向かうに従って両者の間隔が徐々に広がる円錐状のベルト摺動面36とされ、そのベルト摺動面36間で、伝動ベルト40を巻き掛けるV溝38が構成されている。
伝動ベルト40は、図2で示すように、略碇型形状とされるとともに、厚さ方向(ベルト進行方向)に多数(複数)並べられて環状に構成された薄板状のベルトブロック42(エレメント)と、そのベルトブロック42の後述するネック部54の左右方向両側に形成された係合溝44内に係合配置され、そのベルトブロック42を支持する左右一対の無端状のフープ46(帯状部材)と、を有している。
なお、ベルトブロック42は、強度の観点から金属(鋼)製とされている。また、左右一対のフープ46も金属製であり、薄板状の金属リングが複数枚積層されて構成された金属リング集合体とされている。また、入力軸12の可動シーブ24側及び出力軸14の可動シーブ34側には、それぞれ油を流入・流出させる油路16が形成されている。
以上のような構成のCVT10では、可動シーブ24、34が軸方向(左右方向)へ移動すると、入力側可変プーリー20のV溝28の幅や出力側可変プーリー30のV溝38の幅が変化し、入力側可変プーリー20及び出力側可変プーリー30の有効径(伝動ベルト40の回転径)が調整できる。つまり、これにより、CVT10の変速比γ(γ=入力軸12の回転速度/出力軸14の回転速度)が無段階に変更可能とされる(無段階の変速が可能となる)。
次に、本実施形態に係るベルトブロック42(エレメント)について詳細に説明する。図3(A)はベルトブロック42の概略正面図であり、図3(B)はベルトブロック42の概略側面図である。
図3で示すように、このベルトブロック42は、正面視略二等辺三角形状の頭部50と、正面視略等脚台形状の本体部52と、頭部50と本体部52をその左右方向中心部で一体に連結するネック部54と、を有しており、頭部50及び本体部52は、左右方向(幅方向)に所定長さ延在している。なお、本体部52の方が頭部50よりも左右方向に所定長さ長く延在しており、頭部50が入力側可変プーリー20のベルト摺動面26及び出力側可変プーリー30のベルト摺動面36に接触しないようになっている。
また、ネック部54の左右方向両側で、かつ頭部50と本体部52との間に形成された空隙が係合溝44とされており、ネック部54と頭部50との連結部分の左右方向両側と、ネック部54と本体部52との連結部分の左右方向両側には、正面視略円弧状の切欠部48が形成されている。そして、係合溝44にフープ46が入り込むことにより、ベルトブロック42とフープ46とが互いに外れないようになっている。
頭部50の前面側中央部には、所定高さ突出する円柱状(正面視円形状)のディンプル56(凸部)が形成され、頭部50の後面側中央部には、そのディンプル56の突出高さよりも若干深く、かつ、そのディンプル56の外径よりも大径とされた内径を有する凹状のホール58(凹部)が形成されている。
このホール58は、正面視で、各辺が径方向内側(ホール58の中心側)に凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされ、各隅角部(各頂点部分)が径方向外側に凸状とされた円弧(各辺よりも曲率が大きい円弧)からなる凸曲面形状とされて、各辺及び各隅角部が滑らかに連続するように形成された略アステロイド形状とされており、ベルト進行方向(前後方向)後続側のベルトブロック42のディンプル56が挿入可能になっている。
以上のような構成のベルトブロック42(エレメント)において、次にその作用について説明する。図1、図2で示すように、多数(複数)のベルトブロック42は、フープ46に支持されて、入力側可変プーリー20と出力側可変プーリー30の間に巻き掛けられている。このとき、特に伝動ベルト40が直線状に走行するベルト直線部では、ベルト進行方向(前後方向)に隣接する各ベルトブロック42は、ディンプル56がホール58に挿入されつつ進行する。
ここで、そのディンプル56及びホール58の作用について、従来のディンプル156及びホール158と比較して説明する。図4(A)は従来のディンプル156とホール158の説明図であり、図4(B)は本実施形態のディンプル56とホール58の説明図である。なお、このように、図4(A)で示す従来のベルトブロック142において、本実施形態のベルトブロック42と同等の部位には、100を加えた符号を付し、その詳細な説明を省略する。
また、図4では、ベルト進行方向前側(先行側)のベルトブロック42、142のホール58、158に、ベルト進行方向後側(後続側)のベルトブロック42、142のディンプル56、156が挿入されている状態が示されており、後続側のベルトブロック42、142では、そのディンプル56、156のみが示されている。更に、図4で示す矢印X方向はベルト幅方向を示し、矢印Y方向はベルト幅方向とベルト進行方向の両方に直交する方向を示す。
図4(A)で示すように、従来のベルトブロック142のディンプル156は円柱状とされ、ホール158は、そのディンプル156が挿入可能なように、ディンプル156の外径よりも大径な内径を有する円形凹状とされている。この従来のベルトブロック142において、例えば後続するベルトブロック142がベルト幅方向で右方向(先行するベルトブロック142がベルト幅方向で左方向)に位置ずれすると、ホール158内においてディンプル156が、その右方向にΔXだけ位置ずれする。その際、ホール158の内周上面部158Aとディンプル156の外周上面部156Aとの間のY方向におけるクリアランスLが最小となる位置は、ホール158の中心からΔSoだけ右方向にずれた位置となる。
一方、図4(B)で示すように、本実施形態のベルトブロック42において、例えば後続するベルトブロック42がベルト幅方向で右方向(先行するベルトブロック42がベルト幅方向で左方向)に位置ずれすると、ホール58内においてディンプル56が、その右方向にΔXだけ位置ずれする。その際、ホール58の内周上面部58Aとディンプル56の外周上面部56Aとの間のY方向におけるクリアランスLが最小となる位置は、ホール58の中心からΔSn(ΔSn<ΔSo)だけ右方向にずれた位置となり、従来に比べてずれる量が低減されている。
図5は、ホール58、158に対するディンプル56、156のベルト幅方向(X方向)における相対位置のずれ量ΔXと、先行側のベルトブロック42、142の後傾時に、そのホール58、158の内周上面部58A、158Aに、後続側のベルトブロック42、142におけるディンプル56、156の外周上面部56A、156Aが接触する位置(Y方向におけるクリアランスLが最小となる位置)のホール58、158中心からの位置ずれ量ΔSとの関係を示したグラフである。このグラフでは、従来のディンプル156及びホール158を点線Oで示し、本実施形態のディンプル56及びホール58を1点鎖線N1で示している。
このグラフから判るように、従来のディンプル156とホール158では、先行側のベルトブロック142のホール158に対して、後続側のベルトブロック142のディンプル156がベルト幅方向(X方向)へずれるずれ量ΔXが僅かでも、先行側のベルトブロック142の後傾時に、そのホール158に対して、後続側のベルトブロック142のディンプル156が接触する位置(Y方向におけるクリアランスLが最小となる位置)は、ホール158中心から大きくずれてしまう。
これに対し、本実施形態のディンプル56とホール58では、先行側のベルトブロック42のホール58に対して、後続側のベルトブロック42のディンプル56がベルト幅方向(X方向)へずれても、先行側のベルトブロック42の後傾時に、そのホール58に対して、後続側のベルトブロック42のディンプル56が接触する位置(Y方向におけるクリアランスLが最小となる位置)は、ホール58中心から余りずれない。
このように、本実施形態で示すディンプル56とホール58にすれば、先行側のベルトブロック42に、図2の矢印Aで示すピッチング姿勢の悪化によって後傾が生じた際に、先行側のホール58と後続側のディンプル56との間にベルト幅方向(X方向)に相対位置誤差があっても、ホール58の内周上面部58Aにディンプル56の外周上面部56Aが最初に接触する位置(Y方向におけるクリアランスLが最小となる位置)のホール58中心からの位置ずれ量ΔSを小さく抑えることができるので、図2の矢印Bで示すヨーイング姿勢の悪化を改善することができる。
つまり、ヨーイング姿勢が悪化する原因となる荷重の偏心作用(一対の可変プーリー20、30間に噛み込まれるベルトブロック42の荷重作用点が、ホール58の中心からベルト幅方向のどちらか一方に偏ること)を抑制することができるので、伝動ベルト40は、一対の可変プーリー20、30間に正しい姿勢で巻き付くことができ、ベルト動力伝達のトルク容量の低下や伝達効率の低下を抑制することができる。よって、ベルト動力伝達のトルク容量の高容量化や伝達効率の高効率化が実現可能となる。
次に、ディンプル56とホール58の別実施形態を説明する。図6(A)で示す形状は、ホール58の形状を上記略アステロイド形状とし、ディンプル56の形状を、正面視で、各辺が直線からなる平面形状とされ、各隅角部が径方向外側に凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされて、各辺及び各隅角部が滑らかに連続するように形成された略正方形状としている。また、図6(B)で示す形状は、ホール58の形状を上記略正方形状とし、ディンプル56の形状を円柱状(正面視円形状)としている。
更に、図7(A)で示す形状は、ホール58の形状を、正面視で、各辺が径方向内側(ホール58の中心側)に凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされ、各隅角部が径方向外側に凸状とされた円弧(各辺よりも曲率が大きい円弧)からなる凸曲面形状とされて、各辺及び各隅角部が滑らかに連続するように形成された略正三角形状とし、ディンプル56の形状を円柱状(正面視円形状)としている。
また、図7(B)で示す形状は、ホール58の形状を上記略正三角形状とし、ディンプル56の形状を、正面視で、各辺が直線からなる平面形状とされ、各隅角部が径方向外側に凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされて、各辺及び各隅角部が滑らかに連続するように形成された略正三角形状(ホール58とは異なる略正三角形状)としている。
そして、これらの形状とされたディンプル56とホール58において、ホール58に対するディンプル56のベルト幅方向(X方向)における相対位置のずれ量ΔXと、先行側のベルトブロック42の後傾時に、そのホール58の内周上面部58Aに、後続側のベルトブロック42におけるディンプル56の外周上面部56Aが接触する位置(Y方向におけるクリアランスLが最小となる位置)のホール58中心からの位置ずれ量ΔSとの関係を図5のグラフに更に示す。すなわち、例えば図6(A)で示す形状の場合を実線N2で示し、図6(B)で示す形状の場合を2点鎖線N3で示す。
このグラフから判るように、図6(A)で示す形状では、先行側のベルトブロック42の後傾時に、そのホール58に対して、後続側のベルトブロック42のディンプル56が接触する位置(Y方向におけるクリアランスLが最小となる位置)は、常にホール58の凸曲面形状(凸状とされた円弧)の頂点位置となるため、ホール58中心からずれることはない。
また、図6(B)で示す形状では、先行側のベルトブロック42の後傾時に、そのホール58に対して、後続側のベルトブロック42のディンプル56が接触する位置(Y方向におけるクリアランスLが最小となる位置)は、常にディンプル56の円弧の頂点位置となるため、ディンプル56とホール58の相対位置のずれ量ΔXと同じ量だけずれる。つまり、僅かにしかずれない。
このように、ディンプル56とホール58の形状を上記各実施形態で示した形状にすれば、先行するベルトブロック42に後傾が発生した際、その先行するベルトブロック42のホール58と、後続するベルトブロック42のディンプル56との間にベルト幅方向に相対的に位置ずれが発生していたとしても、ディンプル56の外周上面部56Aとホール58の内周上面部58Aが最初に接触する位置(Y方向におけるクリアランスLが最小となる位置)は、ホール58の中心からベルト幅方向に移動しないか、もしくは僅かにしか移勤しない。
したがって、ヨーイング姿勢が悪化する原因となる荷重の偏心作用を抑制することができ、伝動ベルト40を、一対の可変プーリー20、30に対し、正しい姿勢で巻き付かせることが可能となる。よって、ベルト動力伝達のトルク容量の低下や伝達効率の低下を抑制することができ、ベルト動力伝達のトルク容量の高容量化や伝達効率の高効率化が実現可能となる。ちなみに、図4で示した形状は、図6(A)で示した形状と図6(B)で示した形状のほぼ中間の特性となっている。
なお、前後に隣接するベルトブロック42が相対的にベルト幅方向(X方向)へずれる場合としては、図2の矢印Cで示すローリング姿勢が悪化する場合も含まれる。また、隣接するベルトブロック42のディンプル56とホール58において、ベルト幅方向(X方向)に相対的に位置ずれした際に、Y方向におけるクリアランスLが最小となる位置を、ベルト幅方向(X方向)に大きく移動させない形状(クリアランスLの最小値が、ベルト幅方向へ位置ずれしていないときのクリアランスLの最小値と略同値となる形状)は、上記各図に示した形状に限定されるものではない。
すなわち、上記各実施形態では、ホール58の形状を略アステロイド形状等としたが、ホール58の形状は、正面視で、各辺が径方向内側(ホール58の中心側)に凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされていれば、他の多辺形状としてもよく、対応するディンプル56の形状も、正面視で、ホール58とは異なる、同じ角数の多角形状、或いは円形状とすればよい。つまり、ディンプル56とホール58の形状は、互いに異なる形状で、かつ、それぞれ凸曲面形状と平面形状の組合せ、或いは曲率の異なる凸曲面形状同士の組合せなどにすればよく、少なくとも互いに接触するホール58の内周上面部58Aとディンプル56の外周上面部56Aの形状が、上記形状等になっていればよい。
また、ベルトブロック42の頭部50の形状誤差(左右の板厚差、捩れなど)が大きい場合には、先行側のベルトブロック42が後傾したときに、そのホール58に後続側のベルトブロック42のディンプル56が接触する前に、先行側のベルトブロック42の頭部50に、後続側のベルトブロック42の頭部50が接触することがある。しかしながら、この場合にも、ベルトブロック42の頭部50の形状公差を適切に設定するとともに、本実施形態と組み合わせることで、ヨーイング姿勢が悪化する原因となる荷重の偏心作用を抑制することができる。
車両用のCVTにおける一対の可変プーリーの構成を示す概略正面図 一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルトの構成を示す概略斜視図 (A)ベルトブロックの概略正面図、(B)ベルトブロックの概略側面図 (A)従来のディンプルとホールの形状とクリアランスの関係を示す説明図、(B)本実施形態のディンプルとホールの形状とクリアランスの関係を示す説明図 ホールに対するディンプルのベルト幅方向における相対位置のずれ量ΔXと、ホールに接触するディンプルの接触位置のホール中心からのずれ量ΔSとの関係を示したグラフ 別実施形態のディンプルとホールの形状を示す概略正面図 別実施形態のディンプルとホールの形状を示す概略正面図
符号の説明
10 CVT(ベルト式無段変速機)
12 入力軸
14 出力軸
20 入力側可変プーリー
22 固定シーブ
24 可動シーブ
26 ベルト摺動面
28 V溝
30 出力側可変プーリー
32 固定シーブ
34 可動シーブ
36 ベルト摺動面
38 V溝
40 伝動ベルト(動力伝達用無端ベルト)
42 ベルトブロック(エレメント)
44 係合溝
46 フープ(帯状部材)
48 切欠部
50 頭部
52 本体部
54 ネック部
56 ディンプル(凸部)
58 ホール(凹部)

Claims (2)

  1. 一方の面に凸部が形成され、他方の面に凹部が形成されるとともに、互いに前記凹部に前記凸部を挿入可能に対向させて並設された複数のエレメントと、該複数のエレメントを支持する環状の帯状部材と、を有し、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルトにおいて、
    前記凹部は、正面視で、各辺が内側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされるとともに各角が外側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされた略正方形状とされ、
    前記凸部は、正面視で、円形状、又は各角が外側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされた略正方形状とされていることを特徴とする動力伝達用無端ベルト。
  2. 一方の面に凸部が形成され、他方の面に凹部が形成されるとともに、互いに前記凹部に前記凸部を挿入可能に対向させて並設された複数のエレメントと、該複数のエレメントを支持する環状の帯状部材と、を有し、一対の可変プーリー間に巻き掛けられる動力伝達用無端ベルトにおいて、
    前記凹部は、正面視で、各辺が内側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされるとともに各角が外側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされた略正三角形状とされ、
    前記凸部は、正面視で、円形状、又は各角が外側へ凸状とされた円弧からなる凸曲面形状とされた略正三角形状とされていることを特徴とする動力伝達用無端ベルト。
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