JP2006144564A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水素を燃料として使用可能な内燃機関の制御装置に関し、噴射した水素の自着火を防止できるようにする。
【解決手段】 液体燃料と水素とを共に吸気ポートに、若しくは共に燃焼室内に噴射する際、水素に先立ち液体燃料の噴射が開始されるように液体燃料と水素のそれぞれの噴射開始時期を設定する。液体燃料の後から噴射される水素は、液体燃料の気化潜熱によって冷却された雰囲気に噴射されることになる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、水素を燃料として運転可能な内燃機関の制御装置に関し、特に、水素の自着火を防止する技術に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されるように、ガソリンとともに水素を燃料として使用する内燃機関が知られている。水素はガソリンに比較して燃焼性に優れているため、低負荷時には、ガソリンに水素を添加することで内燃機関のリーンバーン領域を拡大することができ、燃費の向上やNOx排出量の低減といった顕著な効果を得られるようになる。一方、高負荷時には、ガソリンに水素を添加することでノッキングを抑制することができ、出力を向上させて車両の加速性能を維持することができる。
特開2004−116398号公報 特開平5−321689号公報
ところで、水素には、ガソリンのような液体燃料に比較して可燃範囲が広く、且つ、最小点火エネルギーが小さいという特徴がある。例えば、ガソリンの可燃範囲が体積率で1.3〜7.1vol%であるのに対し、水素の可燃範囲は4〜75vol%と広い。また、ガソリンの最小点火エネルギーが0.25mJであるのに対し、水素の可燃範囲は最小点火エネルギーは0.02mJと小さい。このため、水素はガソリンに比較して自着火しやすく、水素が噴射される雰囲気に高温部分があるとそこで自着火してしまうおそれがある。水素を吸気ポートに噴射する内燃機関では、水素が高温になっている吸気ポート壁面に触れたり、燃焼室から吹き返される高温の燃焼ガスに触れたりすることで水素の自着火が起きる可能性がある。筒内に直接水素を噴射する内燃機関では、水素が高温になっている点火プラグの先端や排気バルブに触れることで水素の自着火が起きる可能性がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、噴射した水素の自着火を防止できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、液体燃料インジェクタと水素インジェクタとを備え、液体燃料と水素とを共に吸気ポートに、若しくは共に燃焼室内に噴射可能な内燃機関の制御装置であって、
水素に先立ち液体燃料の噴射が開始されるように液体燃料と水素のそれぞれの噴射開始時期を設定する設定手段と、
設定された各噴射開始時期に基づいて前記液体燃料インジェクタ及び水素インジェクタのそれぞれの作動を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、上記の目的を達成するため、吸気ポートに水素を噴射する水素インジェクタと、吸気バルブのバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関の制御装置であって、
前記吸気ポート内の圧力よりも燃焼室内の圧力が低くなってから前記吸気バルブが開弁するように前記吸気バルブの開弁時期を設定する設定手段と、
設定された開弁時期に基づいて前記可変バルブタイミング機構の作動を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
第1の発明によれば、水素に先立って噴射される液体燃料の気化潜熱によって水素が噴射される雰囲気を冷却することができるので、水素インジェクタから吸気ポート或いは筒内に噴射された水素が点火前に自着火してしまうことは防止される。
また、第2の発明によれば、吸気ポート内の圧力よりも燃焼室内の圧力が低くなってから吸気バルブが開弁することにより燃焼室から吸気ポートへの高温の燃焼ガスの吹き戻しを回避することができるので、水素インジェクタから吸気ポートに噴射された水素が点火前に自着火してしまうことは防止される。
実施の形態1.
以下、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は本発明の実施の形態1としての制御装置が適用された内燃機関の概略構成を示す図である。内燃機関2は内部にピストン8が配置されたシリンダブロック6と、シリンダブロック6に組み付けられたシリンダヘッド4を備えている。ピストン8の上面からシリンダヘッド4までの空間は燃焼室10を形成しており、この燃焼室10に連通するように吸気ポート18と排気ポート20がシリンダヘッド4に形成されている。吸気ポート18と燃焼室10との接続部には、吸気ポート18と燃焼室10との連通状態を制御する吸気バルブ12が設けられ、排気ポート20と燃焼室10との接続部には、排気ポート20と燃焼室10との連通状態を制御する排気バルブ14が設けられている。また、燃焼室10の頂部には、図示していない点火プラグが取り付けられている。
吸気ポート18には、燃料を噴射するための2つのインジェクタ50,60が気筒毎に設けられている。一方のインジェクタ60はガソリンインジェクタであり、通電制御により開閉駆動されてガソリンを噴射する電磁弁である。ガソリンインジェクタ60は、ガソリン通路64を介してガソリンタンク62に接続されている。ガソリン通路64にはガソリンポンプ66が配置され、ガソリンタンク62内のガソリンはガソリンポンプ66によって圧縮されてガソリンインジェクタ60に供給される。もう一方のインジェクタ50は水素インジェクタであり、通電制御により開閉駆動されて水素を噴射する電磁弁である。水素インジェクタ50は、水素通路54を介して水素タンク52に接続されている。水素通路54には水素ポンプ56が配置され、水素タンク52内の水素は水素ポンプ56によって圧縮されて水素インジェクタ50に供給される。なお、水素タンク52を高圧貯蔵タンクとし、調圧弁を介して水素インジェクタ50に水素を供給してもよい。
また、内燃機関2には、その制御装置としてECU(Electronic Control Unit)70が備えられている。ECU70の出力側には前述のガソリンインジェクタ60,水素インジェクタ50等の種々の機器が接続されている。ECU70の入力側にはエアフローメータ、アクセルポジションセンサ、クランク角センサ、吸気温センサ、冷却水温センサ、空燃比センサ等の種々のセンサ類が接続されている。ECU70は、各センサから供給される情報(吸入空気量、アクセル開度、機関回転数、吸入空気温度、冷却水温、排気空燃比等)に基づき、所定の制御プログラムに従って各機器を駆動するようになっている。
ECU70により実施される内燃機関2の制御の一つとして、ガソリンインジェクタ60からのガソリン噴射量、及び水素インジェクタ50からの水素噴射量を決定する燃料噴射量制御がある。燃料噴射量制御では、先ず、各センサから供給される情報から内燃機関2の運転状態について判断される。そして、予め用意されたマップから内燃機関2の運転状態に応じた目標負荷率と水素添加割合が読み出され、目標負荷率と水素添加割合からガソリンと水素のそれぞれの噴射量が算出される。
各燃料の噴射量が決まると、その噴射量を得るのに必要な各インジェクタ50,60の開弁時間が算出される。また、予め用意されたマップから内燃機関2の運転状態に応じた各燃料の噴射終了時期が読み出される。ガソリンインジェクタ60の開弁時間とその噴射終了時期が決まることで、ガソリン噴射開始時期は自ずと決定される。また、水素インジェクタ50の開弁時間とその噴射終了時期が決まることで、水素噴射開始時期も自ずと決定される。
ところで、前述のように、水素はガソリンに比較して高温雰囲気下において自着火しやすい。本実施形態のように水素インジェクタ50から吸気ポート18に水素が噴射される構造では、高温の吸気ポート壁面に水素が触れることで吸気ポート18内での水素の自着火(バックファイヤー)が起きる可能性がある。そこで、ECU70は、水素の自着火を防止するため、燃料噴射制御の実施時には以下に説明するバックファイヤー防止制御ルーチンを実行している。
図2は本実施形態においてECU70により実行されるバックファイヤー防止制御ルーチンについて示すフローチャートである。本ルーチンは一定クランク角毎に周期的に実行される。最初のステップ100では、内燃機関2の運転状態に応じて各燃料の噴射量が決定され、続いて各燃料の噴射開始時期が決定される。次のステップ102では、現在の内燃機関2の運転状態が水素の自着火領域、つまり、水素が吸気ポート18内で自着火する運転領域内にあるか否か判定される。自着火領域内か否かは、例えば、水素噴射量と機関負荷(アクセル開度と機関回転数から算出)との関係で判断することができる。水素噴射量が水素の可燃範囲にある場合や、機関負荷から想定される吸気ポート18の壁面温度が水素の最小点火エネルギーを得られる温度である場合には、水素の自着火が起きる可能性が高い。
ステップ102の判定の結果、現在の内燃機関2の運転状態が水素の自着火領域外である場合には、ステップ108の処理に進む。ステップ108では、クランク角センサの信号から各燃料の噴射開始時期が到来したか否か判定される。ここで判定の対象となる各燃料の噴射開始時期は、ステップ100で決定された噴射開始時期である。ステップ108の判定において水素の噴射開始時期が到来したときには、ステップ110において水素インジェクタ50の駆動により水素の噴射が開始される。また、ガソリンの噴射開始時期が到来したときには、ステップ110においてガソリンインジェクタ60の駆動によりガソリンの噴射が開始される。
一方、ステップ102の判定の結果、現在の内燃機関2の運転状態が水素の自着火領域内にある場合には、ステップ104の判定が実行される。ステップ104では、ステップ100で決定された水素の噴射開始時期とガソリンの噴射開始時期とが比較される。比較の結果、水素噴射開始時期がガソリン噴射開始時期よりも早い場合には、ステップ106の処理が実行される。ステップ106では、図3に示すように、水素に先立ってガソリンの噴射が開始されるように、ガソリンの噴射開始時期が水素の噴射開始時期よりも所定の時間差ΔTだけ早められる。水素に先立ってガソリンが噴射されることで、ガソリンが気化する際の気化潜熱によって吸気ポート18内は冷却され、吸気ポート18の壁面温度は低下することになる。これにより、ガソリンの後から噴射される水素は高温部分に触れることがなくなり、水素が吸気ポート18内で自着火してしまうことは防止される。
ステップ106の処理後はステップ108の判定に進む。ここで判定の対象となる各燃料の噴射開始時期は、ステップ106で修正された噴射開始時期である。ステップ108の判定において、先ず、ガソリンの噴射開始時期が到来したときには、ステップ110においてガソリンインジェクタ60の駆動によりガソリンの噴射が開始され、続いて水素の噴射開始時期が到来したときには、ステップ110において水素インジェクタ50の駆動により水素の噴射が開始される。
ステップ110で決定された水素噴射開始時期がガソリン噴射開始時期よりも遅い場合、つまり、水素に先立ってガソリンの噴射が開始されるようになっている場合には、ステップ106の処理はパスされる。各燃料の噴射開始時期を変更せずとも現状の設定でガソリンによる冷却効果を得ることができるためである。したがって、この場合はそのままステップ108,110に進み、ステップ100で決定された各燃料の噴射開始時期に従って各インジェクタ50,60の駆動が行われる。
以上説明したバックファイヤー防止制御ルーチンが実行されることで、本実施形態の内燃機関の制御装置によれば、水素インジェクタ50から吸気ポート18内に噴射された水素が高温になっている壁面に触れて吸気ポート18内で自着火(バックファイヤー)してしまうことは防止され、安定した燃焼が実現される。
なお、上記実施の形態では、ECU70により図2のバックファイヤー防止制御ルーチンが実行されることで、第1の発明の「設定手段」及び「制御手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図4乃至図6を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
図4は本発明の実施の形態2としての制御装置が適用された内燃機関の概略構成を示す図である。図4中、実施の形態1にかかる内燃機関2と同一の部位については同一の符号を付している。図4に示すように、本実施形態にかかる内燃機関2′は、吸気バルブ12のバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構80を備えている。また、燃焼室10の頂部には、燃焼室10内の圧力(燃焼室圧)を検出する筒内圧センサ76が取り付けられ、吸気ポート18に接続される図示しない吸気管には、吸気管内の圧力(吸気管圧)を検出する吸気管圧センサ78が取り付けられている。可変バルブタイミング機構80はECU70の出力側に接続され、筒内圧センサ76と吸気管圧センサ78はECU70の入力側に接続されている。
ECU70は、実施の形態1で説明したように、ガソリンインジェクタ60からのガソリン噴射量、及び水素インジェクタ50からの水素噴射量を決定する燃料噴射量制御を実施している。その際、実施の形態1では、吸気ポート18に噴射された水素が高温の吸気ポート壁面に触れることで起きる水素の自着火を防止すべく、図2のフローチャートに示すバックファイヤー防止制御ルーチンが実行されている。しかし、吸気ポート18に噴射された水素は、吸気バルブ12が開いたときの燃焼室10からの高温の燃焼ガスの吹き返しによって自着火する可能性もある。そこで、本実施形態では、燃焼ガスの吹き返しによる水素の自着火を防止するため、燃料噴射制御の実施時には以下に説明するバックファイヤー防止制御ルーチンが実行される。
図5は本実施形態においてECU70により実行されるバックファイヤー防止制御ルーチンについて示すフローチャートである。本ルーチンは一定クランク角毎に周期的に実行される。最初のステップ200では、内燃機関2の運転状態に応じて各燃料の噴射量が決定され、また、内燃機関2の運転状態に応じて吸気バルブ12のバルブタイミングの進角量(VVT進角量)が決定される。次のステップ202では、ステップ200で決定された燃料噴射量から決まる噴射タイミングで各燃料の噴射が実行される。なお、本実施形態では、少なくとも水素に関しては吸気バルブ12が閉じている時に噴射されるようその噴射期間が設定されている。
次のステップ204では、現在の内燃機関2′の運転状態が水素の自着火領域、つまり、水素が吸気ポート18内で自着火する運転領域内にあるか否か判定される。自着火領域内か否かは、水素噴射量と機関負荷との関係で判断することができる。
ステップ204の判定の結果、現在の内燃機関2′の運転状態が水素の自着火領域外である場合には、本ルーチンは終了する。吸気バルブ12のバルブタイミングは変更されることなく、ステップ200で決定されたタイミングに維持される。
一方、ステップ204の判定の結果、現在の内燃機関2′の運転状態が水素の自着火領域内にある場合には、ステップ206の判定が実行される。ステップ206では、ステップ200で決定された吸気バルブ12のバルブタイミングで吸気バルブ12が開いたときに、燃焼室10から吸気ポート18に高温の燃焼ガスが吹き返されるか否か判定される。この判定は、筒内圧センサ76で検出される燃焼室圧と吸気管圧センサ78で検出される吸気管圧との比較によって行なわれる。吸気バルブ12の開時期における吸気管圧が燃焼室圧よりも高ければ、吸気バルブ12が開いたときにガスは吸気ポート18から燃焼室10へ流れることになるので吹き返しは起こらない。逆に燃焼室圧が吸気管圧よりも高ければ、ガスは燃焼室10から吸気ポート18へ流れることになって燃焼ガスの吹き返しが起こることになる。
ステップ206の判定の結果、現在の吸気バルブ12の開時期では燃焼室圧が吸気管圧よりも高く、燃焼ガスの吹き返しが起こると判定された場合には、ステップ208の処理が実行される。ステップ208では、筒内圧センサ76で検出される燃焼室圧と吸気管圧センサ78で検出される吸気管圧とが比較され、燃焼室圧が吸気管圧よりも低くなる時期まで吸気バルブ12の開時期が遅角される。図6に示すように、通常、吸気バルブ12の開時期はTDC前に設定されているが、可変バルブタイミング機構80を操作し、ピストン8の下降により燃焼室10内の圧力が低下し始めるTDC後まで吸気バルブ12の開時期を遅角することで、吸気バルブ12が開いたときの燃焼室圧を吸気管圧よりも下げることができる。燃焼室圧が吸気管圧よりも低くなってから吸気バルブ12が開かれることで、燃焼室10から吸気ポート10への高温の燃焼ガスの吹き返しは防止される。これにより、吸気ポート18内の水素が高温の燃焼ガスに触れることがなくなり、水素が吸気ポート18内で自着火してしまうことは防止される。
ステップ206の判定において、ステップ200で決定された吸気バルブ12の開時期では燃焼ガスの吹き返しが起こらないと判定された場合、つまり、吸気バルブ12の開時期における吸気管圧が燃焼室圧よりも高い場合には、ステップ208の処理はパスされる。そして、ステップ200で決定されたバルブタイミングに従って吸気バルブ12が開かれる。
以上説明したバックファイヤー防止制御ルーチンが実行されることで、本実施形態の内燃機関の制御装置によれば、水素インジェクタ50から吸気ポート18内に噴射された水素が高温の燃焼ガスに触れて吸気ポート18内で自着火(バックファイヤー)してしまうことは防止され、安定した燃焼が実現される。
なお、上記実施の形態では、ECU70により図5のバックファイヤー防止制御ルーチンが実行されることで、第2の発明の「設定手段」及び「制御手段」が実現されている。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
実施の形態1では、吸気ポート18内に各燃料を噴射するように各インジェクタ50,60を吸気管に配置することとしているが、燃焼室10内に直接、各燃料を噴射できるようにシリンダヘッド4に各インジェクタ50,60を組み込んでもよい。その場合も、水素に先立ちガソリンの噴射が開始されるようにガソリンと水素のそれぞれの噴射開始時期を設定する。水素に先立って燃焼室10内へのガソリンの噴射を開始することで、ガソリンが気化する際の気化潜熱によって点火プラグの先端や排気バルブ14等の高温部分を冷却することができる。これにより、ガソリンの後から燃焼室10内に噴射される水素は高温部分に触れることがなくなり、水素の過早期着火を防止することができる。
また、実施の形態1では、図3に示すようにガソリンを連続して噴射しているが、ガソリンの噴射は複数回に分けて噴射されてもよい。例えば、吸気バルブ12の閉じている時に噴射する非同期噴射と、吸気バルブ12の開いている時に噴射する同期噴射の二段噴射を用いてもよい。この場合、最初の噴射である同期噴射の開始時期よりも後に水素の噴射が開始されるようになっていればよい。
実施の形態1では、ステップ110で決定された水素噴射開始時期がガソリン噴射開始時期よりも早い場合、ガソリンの噴射開始時期を水素の噴射開始時期よりも所定の時間差ΔTだけ早めるようにしているが、水素の噴射開始時期をガソリンの噴射開始時期よりも所定の時間差ΔTだけ遅らせるようにしてもよい。また、実施の形態1では、ガソリンの噴射開始時期と水素の噴射開始時期の時間差ΔTは固定値としているが、水素噴射量や機関負荷に応じてΔTを変更してもよい。つまり、水素の自着火が起こりやすい状況ほど、時間差ΔTを大きく設定するようにする。さらに、ステップ110で決定された水素噴射開始時期がガソリン噴射開始時期よりも遅い場合であっても、その時間差が基準値であるΔTよりも短ければ、基準値ΔT以上の時間差が得られるように各燃料の噴射開始時期を調整するのが望ましい。
また、実施の形態1では、液体燃料としてガソリンを使用する内燃機関に本発明を適用しているが、他の液体燃料、例えば軽油を使用する内燃機関に本発明を適用することも可能である。
さらに、実施の形態1では内燃機関2の運転状態が水素の自着火領域内にある場合に、各燃料の噴射開始時期の設定によるバックファイヤー防止制御を実行しているが、内燃機関の運転状態によらず全ての運転領域で上記制御を実行するようにしてもよい。
実施の形態2では、ガソリンインジェクタ60を水素インジェクタ50とともに吸気管に配置しているが、その配置はこれに限定されるものではない。すなわち、ガソリンインジェクタ60は、燃焼室10内に直接、ガソリンを噴射できるようにシリンダヘッド4に組み込んでもよい。さらに、本発明は、ガソリンインジェクタ60を備えない内燃機関、つまり、水素インジェクタ50のみを吸気管に備える内燃機関にも適用可能である。
また、実施の形態2では、吸気管圧と燃焼室圧をそれぞれセンサ76,78で検出しているが、機関負荷、回転数、アクセル開度、吸入空気量、吸気温度等の内燃機関2′の運転状態に関する情報に基づいて吸気管圧と燃焼室圧を算出するようにしてもよい。
さらに、実施の形態2では内燃機関2′の運転状態が水素の自着火領域内にある場合に、バルブタイミングの設定によるバックファイヤー防止制御を実行しているが、内燃機関の運転状態′によらず全ての運転領域で上記制御を実行するようにしてもよい。
実施の形態1にかかる各燃料の噴射開始時期の設定によるバックファイヤー防止制御と、実施の形態2にかかるバルブタイミングの設定によるバックファイヤー防止制御とは組み合わせて実行することも可能である。
本発明の実施の形態1としての制御装置が適用された内燃機関の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるバックファイヤー防止制御ルーチンについて示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるバックファイヤー防止制御ルーチンの内容を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2としての制御装置が適用された内燃機関の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態2において実行されるバックファイヤー防止制御ルーチンについて示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるバックファイヤー防止制御ルーチンの内容を説明するための説明図である。
符号の説明
2,2′ 内燃機関
10 燃焼室
12 吸気弁
14 排気弁
18 吸気ポート
20 排気ポート
50 水素インジェクタ
52 水素タンク
60 ガソリンインジェクタ
62 ガソリンタンク
70 ECU(Electronic Control Unit)
76 筒内圧センサ
78 吸気管圧センサ
80 可変バルブタイミング機構

Claims (2)

  1. 液体燃料インジェクタと水素インジェクタとを備え、液体燃料と水素とを共に吸気ポートに、若しくは共に燃焼室内に噴射可能な内燃機関の制御装置であって、
    水素に先立ち液体燃料の噴射が開始されるように液体燃料と水素のそれぞれの噴射開始時期を設定する設定手段と、
    設定された各噴射開始時期に基づいて前記液体燃料インジェクタ及び水素インジェクタのそれぞれの作動を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 吸気ポートに水素を噴射する水素インジェクタと、吸気バルブのバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構とを備える内燃機関の制御装置であって、
    前記吸気ポート内の圧力よりも燃焼室内の圧力が低くなってから前記吸気バルブが開弁するように前記吸気バルブの開弁時期を設定する設定手段と、
    設定された開弁時期に基づいて前記可変バルブタイミング機構の作動を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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