JP2020033963A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒内噴射式の内燃機関で冷間始動時の排気ガス浄化性能と燃焼安定性を両立させることができる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】本発明は、内燃機関(1)の燃焼室(12)内に燃料を直接噴射する燃料噴射部(17)と、燃料噴射を制御する燃料噴射制御部(51)とを備えた内燃機関の制御装置であって、内燃機関の冷間始動時に、吸気行程で行う第1噴射(FA1)と、圧縮行程で行う第2噴射(FA2)とに分割して燃料噴射部からの燃料噴射を行う。第1噴射と第2噴射の燃料噴射量の割合に関し、燃焼安定性を優先させた第1割合(R1)と、排気中の微粒子数低減を優先させた第2割合(R2)とを設定し、第2割合で燃料噴射しているときに燃焼の不安定が検出されると、第2割合から第1割合に切り替えて燃料噴射を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
燃焼室内に燃料を直接に噴射する筒内噴射式の内燃機関には、出力向上や耐ノック性能の向上といった利点がある。一方、噴射した燃料が空気と混合する時間が制約されるため、均質な混合気を生成しにくく、排気ガス浄化性能や冷機状態からの始動性の点で課題が生じやすい。特に、内燃機関の冷間始動時は、触媒が活性温度に達しておらず触媒の排気ガス浄化性能が低いので、早期に触媒を昇温させる必要がある。
筒内噴射式の内燃機関で均質な混合気を生成しやすくするために、吸気行程の初期段階で燃料噴射を行う技術が提案されている。しかし、吸気行程初期は、燃料噴射を行う燃料噴射弁に対して上死点近くにあるピストンが接近した位置にあるため、冷間始動時では噴射された燃料が空気を貫徹してピストン上面にウエットな(気化、霧化されていない)状態で付着して、ピストンウエットと呼ばれる状態が生じやすい。ピストンウエットが増加すると、排気ガス中の排気微粒子(Particulate Matter:PM)の数(Particulate Number:PN)が多くなり、スモークが発生しやすくなる。スモークの発生を抑えるべく、燃料噴射時間を吸気行程初期から遅らせて設定すると、混合気形成の時間が減少してしまう。
特許文献1の筒内噴射式内燃機関では、吸気行程初期の主燃料噴射期間と、圧縮行程における吸気弁の閉時期(吸気弁が全閉になる時期)の直前の副燃料噴射期間とに、燃料噴射時間を分割した複数回の燃料噴射を行っている。副燃料噴射期間に行われる燃料噴射では、圧縮行程で生じる吸気吹き戻しに乗せて、噴射した燃料が混合気として吸気ポート側に戻される。そして、吸気ポート内に予混合気を準備して次の吸気行程で燃焼室内に取り込む。主燃料噴射期間に行われる燃料噴射では、一度に噴射する燃料の量が減るため、燃料が拡散しやすくなると共に、燃料がウエットな状態でピストン等に付着することを抑制できる。その結果、排気ガス浄化性能、燃費、冷間始動性能等の向上を図ることができる。
特許第5071718号公報
ピストンが上死点に向けて移動している圧縮行程で燃料噴射を行うと、圧縮によるシリンダ内部の昇温によって燃料の気化が促進されるが、ピストン等が比較的低温の冷間始動時では噴射された燃料の一部が気化(霧化)されずにピストン上面に付着してピストンウエットが発生する。そのため、特許文献1の内燃機関において圧縮行程での副燃料噴射期間の燃料噴射量を増やすと、気化する燃料が増えて燃焼が安定し、且つ排気温度が高くなるので触媒の昇温効果が高くなるが、ピストンウエットとなる燃料が増えて排気微粒子の数は増える。一方、圧縮行程での副燃料噴射期間の燃料噴射量を減らすと、ピストンウエットとなる燃料が減って排気微粒子の数が減るが、冷間始動時では気化する燃料が少なくなることから燃焼が不安定になり、失火やドライバビリティの低下を招くおそれがある。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、筒内噴射式の内燃機関で冷間始動時の排気ガス浄化性能と燃焼安定性を両立させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射部と、燃料噴射部からの燃料噴射期間及び燃料噴射量を制御可能な燃料噴射制御部とを備えた内燃機関の制御装置であって、内燃機関の冷間始動時に、吸気行程で行う第1噴射と、圧縮行程で行う第2噴射とに分割して燃料噴射部からの燃料噴射を行い、第1噴射と第2噴射の燃料噴射量の割合に関し、燃焼安定性を優先させた第1割合と、第1割合よりも第2噴射の燃料噴射量の割合が少なく排気中の微粒子数低減を優先させた第2割合とを設定し、第2割合で燃料噴射しているときに燃焼の不安定が検出されると、第2割合から第1割合に切り替えて燃料噴射を行うことを特徴とする。
本発明によれば、筒内噴射式の内燃機関で冷間始動時の排気ガス浄化性能と燃焼安定性を両立させることができる内燃機関の制御装置を得ることができる。
本実施の形態の内燃機関の周辺模式図である。 本実施の形態の内燃機関の制御装置の制御ブロック図である。 クランク角に対する燃料噴射時期を示す図である。 分割した燃料噴射の燃料噴射量の割合の切り替え制御を示す図である。 学習結果を加味した燃料噴射量の割合の切り替え制御を示す図である。 本実施の形態の内燃機関の制御を示すフローチャートである。 本実施の形態の内燃機関の制御を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。まず、図1と図2を参照して、本実施の形態の内燃機関の構成要素について説明する。なお、以下の説明では、本開示の技術を車両に適用する構成について説明するが、内燃機関が設置される他の乗り物に適用することが可能である。また、図1及び図2は、説明の便宜上、本開示の技術を説明するために簡略化したものであり、車両が通常備える構成については図示されていなくても備えているものとする。
図1に示すように、内燃機関1は、吸気通路11を通じて取り込まれた空気に燃料を混合して、燃焼室12内で燃焼させて動力を発生し、排気通路13を通じて燃焼後の排気ガスを外部に排出するように構成されている。吸気通路11には、アクセルペダル14の踏込量に応じて開度を変化させるスロットルバルブ15が設置されている。スロットルバルブ15のバルブ開度に応じて燃焼室12に送り込まれる空気量が調整される。
燃焼室12は、シリンダとクランクケースが一体化されたシリンダブロック2内に形成されている。シリンダブロック2上部に設けられるシリンダヘッド3には、吸気通路11及び燃焼室12に連通する吸気ポート20と、排気通路13及び燃焼室12に連通する排気ポート21が形成されている。吸排気に関与する可動弁として、吸気ポート20と燃焼室12の間を開閉する吸気弁22と、排気ポート21と燃焼室12の間を開閉する排気弁23が設置されている。
内燃機関1は、燃焼室12内に燃料を直接噴射する筒内噴射式の内燃機関である。燃料タンク(不図示)から燃料ポンプで圧送された燃料を供給する燃料供給通路24を備え、燃料供給通路24が燃料噴射弁17に接続している。燃料噴射弁17は、燃焼室12のうち吸気ポート20に近い位置にノズルを臨ませてシリンダヘッド3に設置されており、シリンダブロック2内のピストン25の上面側に向けて燃料を噴射する。燃料噴射弁17によって、アクセルペダル14の踏込量に応じた燃料噴射が行われる。また、シリンダヘッド3には、燃焼室12の上部に突出する点火プラグ18が設けられ、点火プラグ18には点火コイル19が接続されている。
吸気弁22の開弁により吸気通路11を通じて空気が燃焼室12に吸い込まれ、燃焼室12内の空気に対して燃料噴射弁17が燃料を噴射して混合気が生成される。そして、点火コイル19の高圧電流で点火プラグ18が放電し、燃焼室12内の混合気に着火する。燃料の燃焼によってシリンダブロック2内のピストン25が一気に押下げられて、ピストン25の下動がコンロッド26を介してクランクシャフト27に伝達される。排気弁23の開弁によって燃焼室12内から排気ポート21を通じて排気ガスが排出され、排気通路13に設置された触媒28によって排気ガスに含まれる大気汚染物質が浄化される。
吸気弁22と排気弁23に対応して、吸気カムシャフト30と排気カムシャフト31が設けられている。クランクシャフト27の回転は、不図示のカムチェーンを介して各カムシャフト30、31に伝達される。吸気カムシャフト30が回転されることで、吸気弁22が燃焼室12に向けて往復動して開閉動作され、排気カムシャフト31が回転されることで、排気弁23が燃焼室12に向けて往復動して開閉動作される。このようにして、吸気弁22及び排気弁23のそれぞれにおける開閉動作が制御される。また、クランクシャフト27に対する吸気カムシャフト30の相対的な回転位相を変更して、吸気弁22の開閉動作のタイミングを変更する可変バルブ機構32を備えている。
内燃機関1は、各部の状態を検出する各種センサを備えている。アクセルペダル14の踏込量は、アクセルポジションセンサ35により検知される。吸気側には、スロットルバルブ15の開度を検出するスロットル開度センサ36と、スロットルバルブ15の下流側の吸気通路11内の圧力を測定する吸気圧センサ37と、吸気通路11内の吸気温度を測定する吸気温センサ38とが設置されている。燃料供給通路24から燃料噴射弁17に供給される燃料の圧力が燃料圧センサ39により検出される。クランクシャフト27の回転位置(クランク角)及び回転数がクランク角センサ40により検出され、吸気カムシャフト30と排気カムシャフト31の回転角がカム角センサ41により検出される。シリンダのウォータジャケットには冷却水温度を測定する水温センサ42が設置されている。排気通路13には、排気温度を検出する排気温センサ43を設けている。また、図2に示すように、ノッキングを検出するノッキングセンサ44と、内燃機関1の外側の外気温度を測定する外気温センサ45が設置されている。
上述の各センサ等からECU(Electrical Control Unit)50の入力ポートに信号が入力されて、ECU50が内燃機関1を統括制御する。ECU50は、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等によって構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体で構成されている。メモリには、各種パラメータや各種マップ情報の他、燃料噴射弁17による燃料噴射を実行させるためのプログラムが記憶されている。
ECU50の出力ポートには、上述の燃料噴射弁17や点火コイル19が接続している。また、ECU50は可変バルブ機構32の動作を制御する。ECU50は、燃料噴射弁17の動作を制御する燃料噴射制御部51を備えている。上述の各種センサ等からの入力に基づく出力要求に応じて、ECU50の算出部52において、燃料噴射弁17からの燃料噴射量と燃料噴射期間を算出する。本実施の形態では、内燃機関1の冷機状態からの始動時(冷間始動時)に、燃料噴射期間を分割した複数回の燃料噴射を行うように制御する。その詳細を以下に説明する。
図3に示すように、本実施の形態では、可変バルブ機構32により設定される吸気弁22の開期間は、排気行程から圧縮行程にかけて設定されている。詳細には、吸気弁22が開き始めるのは排気行程の上死点前であり、吸気弁22が完全に閉じるのは圧縮行程の前半のタイミングとなっている。なお、膨張行程、排気行程、吸気行程、圧縮行程の各行程は、クランクシャフト27の回転位置であって上死点と下死点にて区切られる行程である。ECU50は、出力要求に基づき算出された燃料噴射期間FAの燃料噴射を、吸気行程で行う第1噴射FA1と圧縮行程で行う第2噴射FA2とに分割して実行させる。上述したように、吸気弁22の開期間は吸気行程だけでなく吸気行程から圧縮行程にかけて設定されており、吸気弁22の閉時期(閉動作を行う吸気弁22が全閉状態に達するタイミング)は圧縮行程に含まれる。このため、第2噴射FA2の期間は、吸気弁22の開期間内の圧縮行程となる場合や吸気弁22が閉じた後の圧縮行程となる場合がある。詳細には、第1噴射FA1と第2噴射FA2の期間は次のように設定される。
まず、吸気弁22の開期間内の圧縮行程における第2噴射FA2について説明する。ECU50は、エンジン回転数やエンジン負荷(吸気管圧力や吸気量)等の内燃機関1の運転状態を各種センサからの出力として読み込み、要求される燃料噴射量に応じた燃料噴射期間FA(分割されない総噴射期間)を算出する。また、内燃機関1の運転状態により、吸気弁22の閉時期(図3参照)を設定する。そして、吸気弁22の閉時期とエンジン回転数及びエンジン負荷(吸気管圧力や吸気量)とに基づいて、吸気吹き戻し期間(図3参照)を算出する。図3に示すように、吸気吹き戻し期間は圧縮行程に含まれ、上死点に向けて移動するピストン25により圧縮される燃焼室12内の空気の一部が、吸気弁22が閉じられる前に吸気ポート20に戻される現象が発生する期間である。算出した燃料噴射期間FAと吸気吹き戻し期間に基づいて、第1噴射FA1の期間と第2噴射FA2の期間を算出する。
第2噴射FA2の期間の長さは、吸気吹き戻し期間に所定の補正係数を乗じて算出される。第2噴射FA2の期間における噴射終了時期(吹き終わり)は、吸気弁22の閉時期から所定時間後に設定される(図3参照)。第2噴射FA2の期間における噴射開始時期(吹き始め)は、終了時期から逆算して、吸気弁22の閉時期に対して所定時間前に設定される。従って、第2噴射FA2は、吸気弁22の開期間内の圧縮行程と吸気弁22が閉じた後の圧縮行程に亘って行われる。
第1噴射FA1の期間の長さは、燃料噴射期間FAから第2噴射FA2の期間を引いたものとして算出される。第1噴射FA1の期間は吸気行程の比較的早い段階に設定され、第1噴射FA1の期間における噴射開始時期(吹き始め)と噴射終了時期(吹き終わり)は、内燃機関1の運転状態に応じて設定される。例えば、図3に示す第1噴射FA1の開始時期は、吸気行程の最初期から少し遅らせたタイミングに設定されている。このタイミングではピストン25が上死点から下方へ向けてある程度移動してピストンスピードが速くなっていることと、吸気弁22が大きく開いた状態となることから、吸入空気の流速が早く多量の空気が流入する状態となっており、燃料噴射弁17のノズルから噴射した燃料を燃焼室12内に拡散させやすい。また、暖機された内燃機関1の燃焼室12内では気化が促進されて、噴射した燃料がピストン25上面に液体状態で付着しにくい。さらに、噴射された燃料が燃焼室12内で混合気を形成する時間的余裕は確保される。しかし、始動直後の冷機状態では、燃焼室12の内面(ピストン25の上面、シリンダの内面等)が十分に温まっていないので、気化が促進されずに混合気の生成が不十分で点火プラグ18で着火できずに失火等の問題が生じるおそれがある。
本実施形態との比較として、分割した燃料噴射を行わない燃料噴射期間FBを図3に示した。この燃料噴射期間FBの開始時期は、上述した第1噴射FA1の開始時期と同じである。このような燃料噴射期間FBでの燃料噴射と比べて、吸気行程での第1噴射FA1と圧縮行程での第2噴射FA2とに分割した燃料噴射には、冷機時に次のような効果がある。
圧縮行程ではシリンダ内の空気が圧縮されて圧縮熱が発生しており、燃焼室12内の圧縮途中の空気は比較的高温になっている。第2噴射FA2では、この圧縮途中の高温状態の空気中に燃料を噴射するので、気化する燃料が増え、着火性や火炎伝播が良好となり、燃焼安定性を向上させることができる。
また、第2噴射FA2の一部は吸気吹き戻し期間に行われるため、第2噴射FA2で噴射した燃料の一部は、圧縮行程で生じる吸気吹き戻しに乗せて、混合気として吸気ポート20側に戻される。そして、吸気ポート20内で予混合気を生成し、次の吸気行程で燃焼室12内に取り込まれる。これにより、筒内噴射式でありながら、ポート内噴射式のように混合気生成の時間を確保して、均質な混合気を燃焼室12内に供給する効果が得られる。
第1噴射FA1では、第2噴射FA2を差し引いた分だけ一度に噴射する燃料の量が減るため、燃焼室12内に燃料が拡散しやすくなり、燃料噴射期間FBのように一度に多くの燃料を噴射する場合に比して、均質な混合気生成に有利となる。
従って、燃料噴射期間FAを第1噴射FA1と第2噴射FA2の各期間に分割することにより、燃焼が安定し、冷機状態からの始動直後でありながらドライバビリティを向上させることができる。また、燃焼の安定により、触媒28を早期に活性温度まで上昇させることができる。
次に、吸気弁22が閉じた後の圧縮行程における第2噴射FA2について説明する。第2噴射FA2の期間の長さは、実験によりあらかじめ決められた所定の期間である。第2噴射FA2の期間における終了時期は、吸気弁22が完全に閉じた後に設定される。従って、上述の吸気弁22の開期間内で行われる第2噴射FA2よりもシリンダ内の空気の圧縮がさらに進んでおり、燃焼室12内は圧縮熱がさらに発生した高温状態となっている。この第2噴射FA2は、この高温状態の空気中に燃料を噴射することになるので、さらに気化する燃料が増え、着火性や火炎伝播が良好となり、燃焼安定性を向上させることができる。しかし、噴射後すぐに着火されるため、昇温していない燃焼室12内に付着した燃料が熱を吸収して気化する時間的余裕がなく、排気微粒子の数は増えることになる。
より詳しくは、燃焼室内の燃料の状態として、液体状態(シリンダの壁面やピストン表面に付着するウエットな状態)、霧化状態(微細な浮遊液体の状態)、気体状態(蒸発した状態)がある。圧縮行程では、下死点から上死点に向かうピストン25の上面が、燃料噴射弁17のノズルに徐々に接近する。そのため、第2噴射FA2のように圧縮行程で燃料噴射を行うと、噴射された燃料が気化や霧化されずに燃焼室12内の空気を貫通してピストン25の上面に液体状態で付着する。そして、冷機時には付着した燃料の気化が間に合わず、いわゆるピストンウエットが発生しやすい状況になる。ピストンウエットが増加すると、排気ガス中の排気微粒子(PM)の数(PN)が増えてスモーク発生量が多くなる。従って、第2噴射FA2における燃料噴射量が多くなる(噴射割合が大きくなる)と、ピストンウエットとなる燃料が増えて排気微粒子の数が多くなり、逆に、第2噴射FA2における燃料噴射量が少なくなる(噴射割合が小さくなる)と、ピストンウエットとなる燃料が減少して、排気微粒子の数が少なくなる。
燃焼性については、第2噴射FA2における燃料噴射量が多くなる(噴射割合が大きくなる)と、圧縮熱によって気化する燃料が増えて燃焼が安定しドライバビリティが向上する。また、排気温度が高くなり触媒28を活性温度まで良好に昇温させることができる。逆に、第2噴射FA2における燃料噴射量が少なくなる(噴射割合が小さくなる)と、気化する燃料が減って燃焼の安定性が低減するため、失火やドライバビリティの低下が生じる可能性があり、触媒28の昇温も相対的に遅くなる。
つまり、圧縮行程で行う第2噴射FA2に関し、燃料噴射量(噴射割合)を増やすと、燃焼が安定して触媒28の昇温に寄与するが、排気微粒子数が多くなりスモーク性能が悪化し、燃料噴射量(噴射割合)を減らすと、排気微粒子数が少なくなりスモーク性能が改善するが、燃焼の安定性が低減するというトレードオフの関係がある。このような関係性に着目し、本実施の形態の内燃機関の制御装置では、第1噴射FA1と第2噴射FA2の割合を状況に応じて変化させるように制御する。具体的には、可能な限り第2噴射FA2の燃料噴射量(噴射割合)を減らして排気微粒子数を低減させながら、失火等の問題が発生する状況では迅速に第2噴射FA2の燃料噴射量(噴射割合)を増やして燃焼の安定性を確保する。
第1噴射FA1の燃料噴射量と第2噴射FA2の燃料噴射量は、一方が増えればその分だけ他方が減るという相関関係がある。燃焼の安定を優先させて、第2噴射FA2の燃料噴射量を相対的に多くし第1噴射FA1の燃料噴射量を相対的に少なくした割合(燃料噴射量の比率)を、第1割合R1(図4及び図5参照)として設定する。排気中の微粒子の削減を優先させて、第2噴射FA2の燃料噴射量を相対的に少なくし第1噴射FA1の燃料噴射量を相対的に多くした割合(燃料噴射量の比率)を、第2割合R2(図4及び図5参照)として設定する。第1割合R1と第2割合R2における第1噴射FA1と第2噴射FA2の各々の燃料噴射量の比率は、内燃機関1の構成や外部環境に応じて適宜決定されており、ECU50のメモリに記録されている。なお、「相対的」とは、第1割合R1と第2割合R2における第1噴射FA1と第2噴射FA2の各々の燃料噴射量の比率の比較を示している。
図4は、冷機状態から内燃機関1を始動させる冷間始動時における第1噴射FA1と第2噴射FA2の燃料噴射量の割合変更の制御を示したものである。図4の横軸は時間経過を示し、縦軸は燃料噴射量を示している。実線の折れ線グラフは第1噴射FA1の燃料噴射量の変化であり、一点鎖線の折れ線グラフは第2噴射FA2の燃料噴射量の変化である。
図4に示すように、冷機状態から内燃機関1を始動すると(図4のT1)、ECU50は、上述の各種センサ(例えば、クランク角センサ40やノッキングセンサ44等)の検出結果に基づいて燃焼悪化判定を継続的に行いながら、出力要求に基づいて第1噴射FA1と第2噴射FA2に分割した燃料噴射を燃料噴射弁17に行わせる。始動直後の最初期段階(図4のT1からT2)では、燃焼の安定を優先させた第1割合R1で第1噴射FA1と第2噴射FA2を行わせる。これにより、燃焼を安定させて始動の安定性を向上させると共に、排気温度を高めて触媒28の迅速な昇温を行わせる。なお、図4に示された燃焼の安定を優先させた第1割合R1では、第1噴射FA1と第2噴射FA2の燃料噴射量の割合は50:50となっている。この燃料噴射量の比率は、予め実験結果を基に決定されている。
続いて、上述の各種センサ(例えば、水温センサ42、吸気温センサ38、排気温センサ43等)の検出値に基づいて燃焼室12内の推定温度が所定の第1温度に達したことが判断されると(図4のT2)、ECU50は、燃焼の安定を優先させた第1割合R1から、排気中の微粒子の削減を優先させた第2割合R2に変更して第1噴射FA1と第2噴射FA2を行わせる。第1温度は、内燃機関1がある程度暖機されて、第2噴射FA2の割合を減らしても気化する燃料がある程度確保されて燃焼の安定性を維持できると見込まれる温度である。第1温度は予め実験結果を基に決定される。また、燃焼室12内の温度の推定は、水温や外気温の条件の下、内燃機関1の始動からの時間や点火回数による燃焼室12内の温度変化の実験値から推定する。
内燃機関1の始動から最初に行われる(すなわち1回目の)第1割合R1から第2割合R2への切り替えは、第1噴射FA1と第2噴射FA2の互いの燃料噴射量を徐々に変化させる徐変期間(図4のT2からT3)を有し、徐々に第2割合R2に近づける。徐々に第2割合R2に近づけるので、燃料噴射量の急変による失火等のドライバビリティの悪化を最小限に防いで、スムーズに移行させることができる。
徐変期間を経て第2割合R2への移行が完了したら(図4のT3)、燃焼悪化判定を継続しながら、第2割合R2での分割された第1噴射FA1と第2噴射FA2を引き続き行う。第2割合R2では第2噴射FA2の燃料噴射量の割合が少ないため、ピストンウエットとなる燃料が少なく、排気微粒子の数を削減した状態を維持させることができる。
第2割合R2の移行後に燃焼悪化(失火等)が検出されると(図4のT4)、ECU50は、第2割合R2から第1割合R1への切り替えを行う。上述した1回目の第1割合R1から第2割合R2への徐変期間とは異なり、第1割合R1への切り替えは一気に(徐変期間での燃料噴射量の割合変更に比べて急速に)行われる。これにより、燃焼悪化を迅速に解消して安定した燃焼に戻すことができる。なお、図4のT3で第2割合R2に切り替わった後で燃焼悪化が検出されない場合は、第1割合R1へ戻すことなく第2割合R2での燃料噴射を後述する図4のT6まで継続する。
図4のT4で第2割合R2から第1割合R1への切り替えを行ってから、上述の各種センサ(例えば、水温センサ42等)の検出値に基づいて所定の点火回数に達したことが検出されると(図4のT5)、ECU50は、再び第1割合R1から第2割合R2に変更して燃料噴射を行わせる。上述した徐変期間とは異なり、2回目以降の第1割合R1から第2割合R2への切り替えは一気に(徐変期間での燃料噴射量の割合変更に比べて急速に)行われる。この段階では徐変期間に比べて内燃機関1の暖機が進んでおり、一気に第2割合R2へ移行させても失火等が生じるおそれが少ない。また、所定の点火回数で第1割合R1から第2割合R2へ切り替えるので、複雑な演算等を要さず制御が容易である。
ECU50は、上述の各種センサ(例えば、水温センサ42、吸気温センサ38、排気温センサ43等)の検出値に基づいて、燃焼室12内の推定温度が所定の第2温度に達したかを判定する。第2温度は第1温度よりも高温で、内燃機関1が完全に暖機され触媒28が活性温度まで達した状態に対応するものである。燃焼室12内の推定温度が第2温度に達したことが検出されると(図4のT6)、ECU50は第2噴射FA2を停止して分割した燃料噴射を終了する。これ以降は、停止した第2噴射FA2の分の噴射量を第1噴射FA1の噴射量に加えて、分割されない燃料噴射を第1噴射FA1のタイミングで行って内燃機関1の駆動を継続させる。このように、分割した燃料噴射を冷間始動時(図4のT1からT6)だけで行うので、燃料噴射弁17の使用回数の増加を抑えて耐久性を向上させることができる。また、冷間始動時以外の暖機状態では、内燃機関1における燃料噴射を含む全体的な制御が容易になる。
なお、図4では第1割合R1での第1噴射FA1と第2噴射FA2の燃料噴射量を同じ(50:50の均等な割合)として示したが、これは模式化した一例であり、第1割合R1や第2割合R2における第1噴射FA1と第2噴射FA2の燃料噴射量が均等な割合でなくてもよい。また、図4に示すT2からT3までの徐変期間の長さ(第1噴射FA1と第2噴射FA2の燃料噴射量の変化を示すグラフの傾斜角)は、適宜変化させることができる。
ECU50は、各種センサによって内燃機関1の状態や外部環境を検出しており、図4のT4のように第2割合R2での燃料噴射時に燃焼悪化が生じた際の状態及び環境を、燃焼悪化条件として学習して保存(メモリに記憶)する。そして、以後に当該燃焼悪化条件に合致する状態になった場合に、燃料噴射を第2割合R2から第1割合R1に切り替えて失火等を防ぐことができる。
図5は、このような学習を利用した制御の一例を示したものである。燃焼悪化条件の保存には、水温センサ42等により検出されるエンジン水温(冷却水温度)、クランク角センサ40等により検出されるエンジン回転数、スロットル開度センサ36や吸気圧センサ37等により検出されるエンジン負荷(吸気管圧力や吸気量)といった要素に基づいて、以前に冷間始動時からの昇温中に燃焼悪化が発生した場合の条件が記憶されている。ECU50は、上述の各種センサからの入力を常時監視しており、各センサの検出内容が記憶されている燃焼悪化条件に合致すると、燃料噴射弁17からの燃料噴射を第2割合R2から第1割合R1に切り替えさせる(図5のT4’)。なお、図5には燃焼悪化条件に関連付けられる要素として、エンジン水温、エンジン回転数、エンジン負荷を示したが、これ以外の情報を参照して燃焼悪化条件を定めてもよい。
続いて、図6と図7を参照して、ECU50の制御に基づいて実行される本実施の形態の制御フローについて説明する。なお、図6と図7のフローチャートは一例を示すものであり、適宜変更が可能である。内燃機関1が停止して燃焼室12内や触媒28の温度が低くなっている冷機状態において、内燃機関1の始動要求が入力されることで、図6に示す制御フローが開始される。
図6のステップS1では、圧縮行程での第2噴射FA2の割合を第2割合R2よりも大きくして燃焼安定性を優先させた第1割合R1での分割した燃料噴射が行われる。この冷機始動の最初期段階での第1割合R1での燃料噴射は、図4及び図5のT1からT2までに相当するものである。第1割合R1での燃料噴射によって、始動の安定性(燃焼の安定性)を向上させ、排気温度を高めて触媒28を早期に昇温させる。
第1割合R1での燃料噴射により内燃機関1が始動すると、ECU50は、各種センサを用いて内燃機関1の状態と周辺環境の検出を開始する(ステップS2)。この状態及び環境の検出は、以後継続的に行われる。また、ECU50は、各種センサの検出結果に基づいて燃焼室12内の温度を推定する(ステップS3)。
ステップS4では、ステップS2で検出を開始した内燃機関1の状態と周辺環境が、以前に学習及び保存した燃焼悪化条件に合致するか否かを判定する。燃焼悪化条件に合致する場合(ステップS4のYes)、ステップS1に戻って第1割合R1での燃料噴射を継続して行って、燃焼の悪化を未然に防ぐ。燃焼悪化条件に合致しない場合(ステップS4のNo)、ステップS5に進む。
ステップS5では、燃焼室12内の推定温度が第1温度に達したかが判定される。第1温度に達していない場合(ステップS5のNo)、燃焼室12の温度上昇が不十分であり、第1割合R1から第2割合R2への切り替えで失火等が発生するおそれが高い。従って、できるだけ早く第1温度に到達させられるように、ステップS1に戻って第1割合R1での燃料噴射を継続して行う。
ステップS5で燃焼室12内の推定温度が第1温度に達している場合(ステップS5のYes)、ステップS6に進んで、燃焼室12内の推定温度が第1温度よりも高い第2温度に達したかが判定される(ステップS6)。第2温度に達していない場合(ステップS6のNo)、ステップS7に進んで、圧縮行程での第2噴射FA2の割合を第1割合R1よりも小さくして排気中の微粒子の削減を優先させた第2割合R2での分割した燃料噴射に切り替える。第2割合R2での燃料噴射によって、排気のスモーク発生を抑制しながら、引き続き燃焼室12内と触媒28の温度上昇を図る。
なお、内燃機関1の始動開始から最初に行う第1割合R1から第2割合R2への切り替え(ステップS7)は、図4及び図5のT2からT3までの徐変期間のように徐々に行うことが好ましい。切り替え完了後は、図4及び図5のT3からT4(T4’あるいはT6)まで第2割合R2での燃料噴射を継続する。
第2割合R2での燃料噴射を行っているとき、燃焼の悪化が検出されたかを判定する(ステップS8)。ステップS8で判定する燃焼の悪化の検出とは、先のステップS4における燃焼悪化条件の検出(図5のT4’)とは異なり、実際の失火等の発生を検出(図4のT4)するものである。燃焼悪化が検出されない場合(ステップS8のNo)、ステップS2に戻る。ステップS8のNoからステップS2に進んだ場合、ステップS2からステップS6までが、第1割合R1ではなく第2割合R2での燃料噴射で進む点が先の説明と異なる。
ステップS8で燃焼の悪化が検出された場合(ステップS8のYes)、当該燃焼悪化が発生したときの内燃機関1の状態や外部環境を燃焼悪化条件として学習及び保存した上で(ステップS9)、図7のステップS11に進む。ステップS11では、ステップS1と同様に、圧縮行程での第2噴射FA2の割合を第2割合R2よりも大きくして燃焼安定性を優先させた第1割合R1での分割した燃料噴射が行われる。すなわち、ステップS8で燃焼の悪化が検出された場合、第2割合R2から第1割合R1の燃料噴射に切り替えて、燃焼の安定を図る。この第1割合R1の燃料噴射への切り替えは、図4のT4や図5のT4’に示すように、時間をかけずに一気に行われて、燃焼の悪化を迅速に解消する。
ステップS11にて第2割合R2から第1割合R1に切り替えられると、ECU50は、各種センサを用いて内燃機関1の状態と周辺環境の検出をする(ステップS12)。その後、ステップS8で検出された燃焼悪化を解消させるのに十分な所定の点火回数に達しているか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13にて所定の点火回数に達していない場合(ステップS13のNo)、ステップS12に戻り、燃焼安定性を優先させた第1割合R1での分割した燃料噴射を継続する。ステップS13にて所定の点火回数に達した場合(ステップS13のYes)、図6のステップS2に戻り、ステップS4からステップ6の判断を経て、第2噴射FA2の割合を再び第2割合R2とする(ステップS7)。第2噴射FA2の割合を第1割合R1から第2割合R2に切り替える前に、ステップS4にて内燃機関1の状態と周辺環境が、燃焼悪化条件に合致するか否かを判定するので、不要な切り替えを抑制してドライバビリティの低下を最小限とすることができる。
再びステップS7で第1割合R1から第2割合R2への切り替えを行う場合は、図4及び図5のT5に示すように、時間をかけずに一気に切り替えを実行する。この段階では、第1割合R1から第2割合R2への最初の切り替え時(T2からT3までの徐変期間)に比して燃焼室12内の温度が上昇しているので、一気に切り替えを行っても失火等が生じにくい。
なお、ステップS13からステップS2に戻った場合、ステップS5で判定される第1温度には既に達している状態であるので、このステップS5の判定を省略することができる。
ステップS6で燃焼室12内の推定温度が第2温度に達した(図4及び図5のT6に相当)と判定されると(ステップS6のYes)、第2噴射FA2を終了して、終了した第2噴射FA2の分を合わせた燃料噴射を第1噴射FA1のタイミングで行うようにする(ステップS10)。すなわち、分割された燃料噴射を完了し、冷間始動時の昇温制御を終了して制御フローから抜ける。
以上説明したように、本実施形態の内燃機関の制御装置によれば、吸気行程の第1噴射FA1と圧縮行程の第2噴射FA2とに燃料噴射時期を分割し、さらに、第2噴射FA2の割合を変化させることによる作用に着目して、燃焼の安定を優先させた第1割合R1と、排気中の微粒子削減を優先させた第2割合R2とに適宜切り替えて分割した燃料噴射を行うようにしている。これにより、筒内噴射式の内燃機関において、冷間始動時における燃焼安定性と排気ガス浄化性能を両立させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている構成や制御等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、第1噴射FA1の開始時期(吹き始め)を、吸気行程の最初期よりも若干遅らせたタイミングに設定しているが(図3参照)、過剰なピストンウエット等が生じないことを前提として、吸気行程のうちさらに早いタイミングで第1噴射FA1を開始させてもよい。また、上述した第2噴射FA2の利点(圧縮熱や吸気吹き戻しを利用した混合気生成)を得られることを前提として、図3に示すよりも早いタイミングで第2噴射FA2を行うことも可能である。さらに、第2噴射FA2の期間を、吸気弁22が完全に閉じた後に設定することも可能である。すなわち、吸気行程で第1噴射を行い、圧縮行程で第2噴射を行うという関係を満たしていれば、第1噴射と第2噴射のそれぞれの期間は運転状態等に応じて適宜変更可能である。
以上説明したように、本発明の内燃機関の制御装置は、冷間始動時における燃焼安定性と排気ガス浄化性能の両立が求められる筒内噴射式の内燃機関に有用である。
1 :内燃機関
11 :吸気通路
12 :燃焼室
13 :排気通路
17 :燃料噴射弁(燃料噴射部)
18 :点火プラグ
20 :吸気ポート
21 :排気ポート
22 :吸気弁
23 :排気弁
24 :燃料供給通路
25 :ピストン
28 :触媒
37 :吸気圧センサ
38 :吸気温センサ
39 :燃料圧センサ
40 :クランク角センサ
41 :カム角センサ
42 :水温センサ
43 :排気温センサ
50 :ECU
51 :燃料噴射制御部
FA :燃料噴射期間
FA1 :第1噴射
FA2 :第2噴射

Claims (6)

  1. 内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射部と、前記燃料噴射部からの燃料噴射期間または燃料噴射量を制御可能な燃料噴射制御部とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関の冷間始動時に、吸気行程で行う第1噴射と、圧縮行程で行う第2噴射とに分割して前記燃料噴射部からの燃料噴射を行い、
    前記第1噴射と前記第2噴射の燃料噴射量の割合に関し、燃焼安定性を優先させた第1割合と、前記第1割合よりも前記第2噴射の燃料噴射量の割合が少なく排気中の微粒子数低減を優先させた第2割合とを設定し、
    前記第2割合で燃料噴射しているときに燃焼の不安定が検出されると、前記第2割合から前記第1割合に切り替えて燃料噴射を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の冷間始動時に、最初に前記第1割合での燃料噴射を行い、続いて前記第1噴射の燃料噴射量を徐々に増やし前記第2噴射の燃料噴射量を徐々に減らす徐変期間を経て、前記第2割合での燃料噴射を行い、
    前記第2割合で燃料噴射しているときに燃焼の不安定が検出されると、前記徐変期間よりも急速に前記第1噴射の燃料噴射量と前記第2噴射の燃料噴射量を変化させて前記第1割合に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 燃焼の不安定が検出されて前記第2割合での燃料噴射から前記第1割合での燃料噴射に切り替えた後、所定の点火回数に達すると前記第1割合での燃料噴射から前記第2割合での燃料噴射に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記所定の点火回数に達して行う前記第1割合から前記第2割合への切り替えは、前記徐変期間での前記第1割合から前記第2割合への切り替えよりも急速に前記第1噴射の燃料噴射量と前記第2噴射の燃料噴射量を変化させることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記燃焼の不安定が発生したときの内燃機関の状態及び環境を燃焼悪化条件として記憶し、
    前記第2割合で燃料噴射しているときに前記燃焼悪化条件が検出されると、前記第2割合から前記第1割合に切り替えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記燃焼室内の推定温度が所定以上になると前記第2噴射を終了することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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