JP2006143817A - 脱色フコイダンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フコイダンを安全で且つ簡便に脱色することのできる技術を提供すること。
【解決手段】 フコイダンを含有する溶液を分画分子量50〜500kDaの限外濾過膜で濾過することを特徴とする脱色フコイダンの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】 フコイダンを含有する溶液を分画分子量50〜500kDaの限外濾過膜で濾過することを特徴とする脱色フコイダンの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は限外濾過膜を利用した脱色フコイダンの製造方法および当該方法により得られる脱色フコイダンに関する。
フコイダンはモズク、ワカメ、コンブ等の褐藻類に含まれるフコースを主成分とする硫酸化多糖の総称である。このフコイダンはアポトーシス誘発(特許文献1)、抗潰瘍(特許文献2)、感染症予防(特許文献3)等の作用が知られているため、薬剤、飲食品、化粧品等への利用が期待されている。
しかしながら、褐藻類より抽出した状態のフコイダンは褐色であり、この色が薬剤、飲食品、化粧品等への利用の妨げとなっていた。
これまで、フコイダンを脱色するために様々な試みがなさられていたが、フコイダンの褐色の原因が不明であるため、脱色に複雑な工程が必要であったり、脱色された場合でも脱色に用いる薬剤の残留やフコイダンの分解がなどの問題が懸念されることがあった。
WO97/47208号国際公開パンフレット
特開平7−138166号公報
特開平11−80003号公報
従って、本発明はフコイダンを安全で且つ簡便に脱色することのできる技術を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、フコイダンの着色は、その中に含まれる高分子量物質が関与していることを知った。そして、フコイダンを含有する溶液から、限外濾過膜を用いて高分子量物質を除去することにより、フコイダンの生理活性を損なうことなく、簡便に脱色できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、フコイダンを含有する溶液を分画分子量50〜500kDaの限外濾過膜で濾過することを特徴とする脱色フコイダンの製造方法を提供するものである。
また、本発明は上記製造方法により得られる脱色フコイダンを提供するものである。
本発明の脱色フコイダンの製造方法は、限外濾過を利用し、フコイダンの生理活性に影響を与えることなく高分子量の着色物質のみを除去するものであるため、安全かつ有利ににフコイダンを脱色することのできる優れた方法である。
また、本発明の脱色フコイダンの製造方法は、簡便な装置で行うことができるので、容易にスケールアップができ、工業的にも優れた方法である。
本発明の脱色フコイダンの製造方法(以下、「本発明製法」という)は、フコイダンを含有する溶液(以下、単に「フコイダン溶液」という)を原料とし、これを脱色する方法である。
原料となるフコイダン溶液は脱色されていないフコイダン、すなわち褐色を呈し、特有の海藻臭を有するフコイダンを含有するものであれば特に制限されないが、例えば、モズク、ワカメ、コンブ等の褐藻類、好ましくはオキナワモズクから常法により調製されるフコイダンを含有する粗抽出液や、その乾燥物を水等に再溶解したもの等を用いることができる。また、このフコイダン溶液はフコイダンを0.1〜20.0質量%、特に0.1〜5.0質量%含有するものであることが好ましい。
上記フコイダンを含有する溶液を、分画分子量が50〜500kDa、好ましくは100〜300kDaの限外濾過膜で濾過することにより脱色フコイダンを得ることができる。この濾過に用いることのできる限外濾過膜としては、ポリスルホン、アクリロニトリル、セルロースアセテート等の膜材質で、スパイラル型、中空糸膜型、平膜型等の形式のものが使用できる。また、この限外濾過は常法により行うことができ、フコイダンを含有する溶液を、限外濾過膜に通過させることにより脱色フコイダン画分と、限外濾過膜上に残留するフコイダンを含む色素画分とに分けることができる。
なお、この限外濾過で限外濾過上に残留したフコイダンを含む色素画分に連続的に加水を行うか、水を加えて加圧を行うことで、更に脱色フコイダンを得ることができる。また、これらの操作は繰り返してもよい。更に、濾過に使用した限外濾過膜は、次亜塩素酸ナトリウム等のアルカリ、クエン酸、EDTA、過酸化水素等の酸またはその塩、ホルマリン等の有機溶媒による洗浄により繰り返し使用することが可能である。
斯くして得られる脱色フコイダンは、実質的に着色のないものであり、その1.0gを100mlの水に溶解した場合に、450nmの吸光度が0.15以下、好ましくは0.1以下で、520nmの吸光度が0.1以下、好ましくは0.06以下のものである。
また、本発明製法には、電気透析、異なる分画分子量の限外濾過膜を利用する濾過等による不純物除去、噴霧乾燥、凍結乾燥等による乾燥、精密濾過等による無菌濾過、超高温殺菌等による殺菌等の工程を追加することができる。
このようにして得られるフコイダンは、脱色されているため、着色を嫌う各種の組成物、例えば、薬剤、飲食品、化粧品等の様々な分野への利用が可能である。
実 施 例 1
脱色フコイダンの製造(1):
フコイダン((株)サウスプロダクト製)の1%水溶液を分画分子量100kDaまたは300kDaの限外濾過膜(共にミリポア(株)製)で濾過した。濾過後の520nmおよび450nmの吸光度を分光光度計(V-350型:日本分光(株)製)で測定した。また、脱色率を下記の式により求めた。また、平均分子量をTSKgel G40000PWXLカラム(東ソー(株)製)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(スタンダード:プルラン)で測定した。フコイダン含量については固形分中の含量として換算した。その結果を表1に示した。
脱色フコイダンの製造(1):
フコイダン((株)サウスプロダクト製)の1%水溶液を分画分子量100kDaまたは300kDaの限外濾過膜(共にミリポア(株)製)で濾過した。濾過後の520nmおよび450nmの吸光度を分光光度計(V-350型:日本分光(株)製)で測定した。また、脱色率を下記の式により求めた。また、平均分子量をTSKgel G40000PWXLカラム(東ソー(株)製)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(スタンダード:プルラン)で測定した。フコイダン含量については固形分中の含量として換算した。その結果を表1に示した。
限外濾過の結果、褐色の溶液から透明度の高い透過液が得られ、褐色物質が限外濾過膜上に留まっていた。また、脱色率は約90%であった。
実 施 例 2
脱色フコイダンの製造(2):
各限外濾過膜を通過した透過液について固形分回収率、フコイダン含量、フコイダン回収率および平均分子量を求めた。固形分回収率は105℃加熱乾燥法により、フコイダン含量はアンスロン硫酸法により、フコイダン回収率は下記の式により、平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーによりそれぞれ求めた。その結果を表2に示した。
脱色フコイダンの製造(2):
各限外濾過膜を通過した透過液について固形分回収率、フコイダン含量、フコイダン回収率および平均分子量を求めた。固形分回収率は105℃加熱乾燥法により、フコイダン含量はアンスロン硫酸法により、フコイダン回収率は下記の式により、平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーによりそれぞれ求めた。その結果を表2に示した。
透過液の固形分回収率は分画分子量100kDaの濾過膜で約35%、300kDaの濾過膜で約45%であった。固形分中のフコイダン含量は、分画分子量100kDaの濾過膜で約48%、分画分子量300kDaの濾過膜で約58%あり、フコイダン回収率は25%と39%であった。平均分子量について、それぞれ47.3kDaと57.9kDaであった。
平均分子量が低下したことおよび限外濾過膜上に褐色物質が留まっていたことからフコイダンが褐色に着色する原因は、高分子の物質であると考えられる。
本発明の脱色フコイダンの製造方法によれば、脱色されたフコイダンを簡便に得ることができる。
そして、上記方法により得られる脱色フコイダンは、従来の褐色のフコイダンと比較して、食品・飲料等に添加した場合に色の変化を抑えることができるため、各種飲食品、化粧品、薬剤等の素材としての有利に使用することができるものであり、フコイダンの用途が広がり、フコイダン市場の拡大に繋がることが期待される。
以 上
以 上
Claims (4)
- フコイダンを含有する溶液を分画分子量50〜500kDaの限外濾過膜で濾過することを特徴とする脱色フコイダンの製造方法。
- フコイダンを含有する溶液が、フコイダンを0.1〜20.0質量%含有するものである請求項第1項記載の脱色フコイダンの製造方法。
- フコイダンが、オキナワモズク由来のフコイダンである請求項第1項または第2項記載の脱色フコイダンの製造方法。
- 請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の製造方法により得られる脱色フコイダン。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004333405A JP2006143817A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | 脱色フコイダンの製造方法 |
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JP (1) | JP2006143817A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2013054812A1 (ja) * | 2011-10-11 | 2015-03-30 | キッコーマンバイオケミファ株式会社 | 粉末褐藻およびその利用 |
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-
2004
- 2004-11-17 JP JP2004333405A patent/JP2006143817A/ja active Pending
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