JP2006143559A - 低強度モルタル組成物及び空隙充填材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水セメント比が100〜250%である低強度モルタル組成物に、増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する混和剤を、単位水量に対して、0.5〜5.0重量%の割合で配合することにより、必要な流動性を保持したまま粘性を高めてブリーディングを抑えるようにした。
【選択図】 なし
Description
一方、建物の床の水平を自然に確保するために使用されるモルタル組成物としては、水硬性セメントに無機発泡性粉体や流動化剤を添加した、自己平坦性を有するセルフレベリングモルタルが知られている。このセルフレベリング性を有するモルタル組成物は、流動性が高く、打設後に自然に水平を確保する材料である(例えば、特許文献2参照)。
また、エアモルタルは充填材としては好適な材料ではあるが、発泡材や膨張材の配合比率の管理が難しいため、エアモルタル専用のプラントが必要なことや製造工程が複雑となるなど、製造コストが高くなってしまう。そのため、上記地山を再掘削する予定がなく、単に地山の空隙を充填するような場合に用いるには、必ずしも適した材料とはいえない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の低強度モルタル組成物において、上記増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)を含有する増粘性混和剤を用いるとともに、上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合したものである。
また、このモルタル組成物を用いることにより、強度を特に必要としない、充填性に優れた安価な空隙充填材を容易に製造することができる。
本発明の最良の形態に係るモルタル組成物は、セメント、水、細骨材に、増粘性混和剤とセメント混和剤とを配合した、水セメント比(W/C)が100〜250%である低強度モルタル組成物で、必要な流動性を保持したまま粘性を高めてブリーディングを抑えるため、上記増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する混和剤を用いたものである。
上記セメントとしては、特に限定されるものではなく、石灰石・粘土・酸化鉄などを原料とした普通ポルトランドセメント,早強ポルトランドセメント,中庸熱ポルトランドセメント,白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメントや、高炉セメント,フライアッシュセメント,シリカセメントなどの混合セメントを用いることができる。
また、上記細骨材は、10mm網ふるいを全て通過し、5mm網ふるいを85重量%以上通過する骨材であり、川砂から得られたものを用いているが、海砂,山砂,砕石などから得られたものでもよい。
これは、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを同時に添加すると、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とが不均質な状態で擬似ポリマーを形成してしまうので、擬似ポリマーを均質な状態で形成させて所望の特性を得るためには長時間の混練が必要となるためである。
また、上記第1の水溶性低分子化合物(A)を先に加えると、混練の際に泡が発生してモルタルの空気量が多くなり、強度の低下や比重の減少等が起こる場合がある。
なお、上記セメント混和剤の添加は必須ではないが、水セメント比、砂セメント比の関係によっては、上記増粘性混和剤との相溶性に優れたカルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤を配合することにより、セルフレベリング性、高流動性を確実に発揮させることができる。なお、この場合には、粘性との関係から、上記減水剤の上記セメントに対する配合比を2.0重量%以下の割合とすることが好ましい。
図1の表に示す、水セメント比、砂セメント比、及び、増粘性混和剤の配合が異なる低強度モルタル組成物を作製した。なお、増粘性混和剤の影響を顕著にするため、セメント混和剤(減水剤)は添加しなかった。
ここで、セメントとしては、普通ポルトランドセメント(住友大坂セメント社製、普通ポルトランドセメント)に水を加え、水セメント比がそれぞれ150〜250%になるように調整した後、これに増粘性混和剤として、アルキルアリルスルホン酸塩を主成分とする添加剤(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100FA」)を配合し、これに砂を加えて練り混ぜた後、この混練物にアルキルアンモニウム塩を主成分とする添加剤(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100FB」)を添加して再度混練し、モルタル組成物を作製し、フロー値を測定した後、上記モルタル組成物を用いて供試体を打設し、その圧縮強度を測定するとともに、その材料分離抵抗性を評価した。
なお、試験方法は以下の通りである。
(1)フロー試験
グラウト材のフロー試験に準じて実施した。測定は、直径5cm、高さ10cmの塩ビパイプの上面までモルタルを詰め、パイプを上方に引き上げた時のモルタルの広がりをフロー値とした。
(2)圧縮強度試験
φ50×100mmの圧縮試験供試体を気中打設したものを作製し、養生は供試体を湿布で覆うことによる湿空養生とし、材齢28日にて、圧縮強度試験を行った。
(3)材料分離抵抗性
上記供試体の24時間後の上面の状態から評価した。
図1の表に示すように、本発明の低強度モルタル組成物は、いずれも圧縮強度が小さく、砂セメント比が大きいNo.5の試料を除いては、流動性及び材料分離抵抗性に優れていることがわかる。なお、No.5の試料については、セメント混和剤の添加によりフロー値の調整は可能である。
Claims (3)
- 増粘性混和剤が配合された、水セメント比が100〜250%である低強度モルタル組成物であって、上記増粘性混和剤として、第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤であり、上記化合物(A)と上記化合物(B)とが、両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、または、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と臭素化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、から選択される添加剤のうちのいずれかの添加剤を配合したことを特徴とする低強度モルタル組成物。
- 上記増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)を含有する増粘性混和剤を用いるとともに、上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合したことを特徴とする請求項1に記載の低強度モルタル組成物。
- 水セメント比が100〜250%である低強度モルタル組成物に、第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤であり、上記化合物(A)と上記化合物(B)とが、両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、または、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と臭素化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、から選択される添加剤のうちのいずれかの添加剤から成る増粘性混和剤を配合して成ることを特徴とする空隙充填材。
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