JP5014850B2 - セメント系組成物 - Google Patents
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Description
上記第1の水溶性低分子化合物と第2の水溶性低分子化合物とがある一定の割合でセメント中に混入されると、上記第1の水溶性低分子化合物と第2の水溶性低分子化合物とが電気的に配列して擬似ポリマーを形成する。これにより、上記増粘性混和剤は増粘剤として機能して適度な粘性を確保することができるだけでなく、粘性がある程度高くなっても流動性を損なうことがないので、流動性や材料分離抵抗性に優れるとともに、水中不分離性にも優れたセメント組成物を得ることができる。
なお、上記第1の水溶性低分子化合物と第2の水溶性低分子化合物との配合の割合としては、1:1とした場合に最も優れた特性が得られる。
そこで、上記早強性耐水コンクリート組成物を製造する際には、はじめに、セメント、水、細骨材に第2の水溶性低分子化合物を添加して混練して混練物を作製した後、上記混練物に第1の水溶性低分子化合物を添加して再度混練し、最後に粗骨材を加えて混練するようにしていたが、製造に時間がかかるだけでなく、上記第1の水溶性低分子化合物と上記第2の水溶性低分子化合物とは結合し易いので、再混練においてもセメントと十分に混合されない状態でポリマーを形成してしまい、そのため、増粘剤の機能を十分に発揮できないといった問題点があった。
このような問題は、上記早強性耐水コンクリート組成物や高流動モルタル組成物の製造に限らず、他のコンクリート組成物やモルタル組成物などの、上記増粘性混和剤を配合したセメント系組成物を製造する場合にも問題となっている。
本発明の最良の形態に係るセメント系組成物は、セメント、水、細骨材に、セメント混和剤を配合するとともに、増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物とを含有する混和剤を用いたモルタル組成物である。
本例では、上記第1及び第2の水溶性低分子化合物をそれぞれ乾燥させて粉体の形態とし、これをセメント及び細骨材に混合するとともに、これらに、セメント混和剤であるカルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤の粉体と膨張材の粉体と消泡剤の粉体とを添加してプレミックスしたセメント系混合物粉体を準備し、このセメント系混合物粉体に加水し混練してセメント系組成物を作製する。上記セメント、第1及び第2の水溶性低分子化合物の粉体(以下、増粘性混和剤粉体という)、及び、膨張材が上記細骨材同士を結合する結合材となる。
このとき、水と上記結合材との比である水結合材比(W/B)を30〜70%とすることが好ましい。水結合材比が30%未満であると結合材の量が多すぎるため粘性が増加し、必要な流動性が確保できない。また、70%を超えると結合材の量が過小となって、必要強度が得られないだけでなく、ブリーディングにより耐久性状の品質も低下するので、水結合材比としては30〜70%とすることが好ましい。
また、単位水量としては、350〜450kg/m3とすることが好ましい。単位水量が350kg/m3を下回る場合には流動性の低下が認められ、450kg/m3を超えるような場合には、材料分離の可能性が高くなるとともに、収縮等の耐久性状が低下するため、単位水量は350〜450kg/m3とすることが好ましい。
なお、上記モルタル組成物に用いられる細骨材としては、一般に用いられている粗粒率が2.7前後である細骨材を用いることができるが、粗粒率が2.05〜2.50である粗目と細目の中間粒度の細骨材を用いてもよい。
上記第1の水溶性低分子化合物から成る粉体と上記第2の水溶性低分子化合物から成る粉体とを混合して成る増粘性混和剤粉体の添加量は、単位水量に対して、0.15〜0.5重量%の割合で配合することが好ましい。
本例では、第1の水溶性低分子化合物としてアルキルアンモニウム塩を主成分とする添加剤を用い、第2の水溶性低分子化合物としてアルキルアリルスルホン酸塩を主成分とする添加剤を用いた。
上記配合量は、従来の混練を2度に分けて行う場合の第1及び第2の水溶性低分子化合物の配合比よりも低い範囲にある。これは、本例では、上記第1及び第2の水溶性低分子化合物をそれぞれ乾燥させて粉体の形態とし、これをセメント及び細骨材にプレミックスした後に加水・混練することによるものである。すなわち、プレミックスにより、上記第1及び第2の水溶性低分子化合物の粉体がセメントの周りに均一に分布するので、加水・混練時には、上記第1及び第2の水溶性低分子化合物が結合したポリマーが近くにあるセメントと結合するので、上記第1及び第2の水溶性低分子化合物を増粘剤として十分に機能させることができる。
また、本例では、上記セメント混和剤として、上記増粘性混和剤との相溶性に優れたカルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤を配合している。
上記カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤の配合量としては、上記結合材に対して、0.1〜0.3重量%とすることが好ましい。
また、膨張材としては石灰複合系膨張材、消泡剤としてはシリコン系の消泡剤を用いることが好ましい。
このとき、上記増粘性混和剤粉体の添加量を単位水量に対して0.15〜0.5重量%となるように配合するとともに、上記カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤粉体を、結合材に対して0.1〜0.3重量%配合することが肝要で、これにより、優れた流動性、材料分離抵抗性を有するとともに水中不分離性にも優れたセメント系組成物を得ることができる。
このときに使用した材料の詳細は以下の通りである。
セメント ;普通ポルトランドセメント:密度 3.16g/cm3
細骨材 ;珪砂:4号,5号,6号:密度 2.58g/cm3
膨張材 ;エントリガイト・石灰複合系膨張材(商品名;デンカパワーCSA)
:密度 3.10g/cm3
水 ;水道水:密度 1.00g/cm3
増粘性混和剤 ;アルキルアリルスルフォン酸塩基系及びアルキルアンモニウム系混合特殊分散剤(商品名;ビスコトップ200P)
セメント混和剤;カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤(商品名;マイティ21P)
消泡剤 ;シリコン系消泡剤(商品名;FSアンチフォームDC2-4248S)
図1は、上記モルタル組成物の、上記第1の粉体と上記第2の粉体とを混合した増粘性混和剤(Vt)の単位水量に対する添加量(W×%)と水中気中強度比(%)との関係を調べた結果を示すグラフである。
上記水中気中強度比は、水中で作製した試験体の圧縮強度と気中で作製した試験体の圧縮強度との比で、材齢はいずれも7日である。この比が100%に近いほど水中で打設した際の水の巻き込みが小さく、水中不分離性に優れている。
一般に、水中気中強度比が70%以上のものが水中不分離性に優れた材料であるとされている。図1のグラフより、単位水量に対する上記増粘性混和剤(Vt)の適切な割合の下限は0.15重量%であることが分かる。また、上記増粘性混和剤(Vt)の単位水量に対して割合が0.5重量%を超えると、水中気中強度比の大きさはあまり変化しないので、セメント系組成物がモルタルである場合には、上記増粘性混和剤(Vt)の割合の上限を0.5重量%とすることが好ましい。
また、単位水量に対する増粘性混和剤(Vt)を0.15〜0.5重量%としたモルタル組成部を作製し、その流動性について、フロー試験の5分フローにより評価したところ、いずれも、200〜300mmの範囲にあり、流動性についても満足していることが分かった。
また、上記モルタル組成物は、ブリーディングも0であり、材料不分離特性についても満足していることが分かった。
Claims (1)
- セメントを含む結合材と、水と、骨材と、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物から成る第1の粉体とアニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物から成る第2の粉体とを混合して成る増粘性混和剤粉体と、カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤粉体とを混練して成るセメント系組成物であって、
上記骨材が細骨材であり、
上記第1の水溶性低分子化合物がアルキルアンモニウム塩を主成分とする添加剤であり、上記第2の水溶性低分子化合物がアルキルアリルスルフォン酸塩を主成分とする添加剤であり、
水結合材比が30〜70%で、
単位水量が350〜450kg/m3 で、
上記増粘性混和剤粉体の配合量が単位水量に対して0.15〜0.5重量%で、
上記カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤粉体の配合量が、上記結合材に対して0.1〜0.3重量%であることを特徴とするセメント系組成物。
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